説明

流体加熱装置及び処理装置

【課題】投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体の温度制御を実現すること。
【解決手段】本発明の流体加熱装置は、発熱手段と、前記発熱手段に流体を送出する送出手段と、前記発熱手段を通過した前記流体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の温度制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
目的とする温度に流体の温度を制御する場合、一般には、投入する熱エネルギの制御、つまり、流体を加熱するヒータの出力が制御される。例えば、特許文献1には生ごみ等の廃棄物を処理槽内で加熱乾燥する廃棄物処理装置において、処理槽内の空気の温度をヒータのON・OFFによるデューティ制御により制御する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−57658
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デューティ制御の場合はヒータをOFFにする時間が発生することになり、ヒータが遊ぶ時間が生じてしまう。また、デューティ制御はON・OFFの比率が変化することから、ヒータが消費する電力が経時的に変化し、消費電力を推定しずらい。このため、装置の設計において、性能に余裕があるヒータを選択しなければならず、コスト削減や小スペース化或いは軽量化を妨げる場合がある。
【0005】
本発明は、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体の温度制御を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、発熱手段と、前記発熱手段に流体を送出する送出手段と、前記発熱手段を通過した前記流体の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段と、を備えたことを特徴とする流体加熱装置が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、廃棄物を減量処理する処理槽を備えた処理装置であって、発熱手段と、前記発熱手段に前記処理槽内の空気を送出する送出手段と、前記発熱手段を通過した前記空気の温度を検出する温度検出手段と、前記発熱手段を通過した前記空気を前記処理槽内に導入する導入手段と、前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段と、を備えたことを特徴とする処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体の温度制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る処理装置の外観図。
【図2】前記処理装置の内部構造の説明図。
【図3】(A)は制御部のブロック図、(B)は流量、ヒータ制御の説明図。
【図4】制御部が実行する流量制御処理のフローチャート。
【図5】制御部が実行するヒータ制御処理のフローチャート。
【図6】(A)は流体加熱装置の他の構成例、(B)は制御部のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置Aの外観図、図2は処理装置Aの内部構造の説明図である。図中、矢印Zは鉛直方向(処理装置Aの高さ方向)を示し、矢印X及びYは互いに直交する水平方向(X方向は処理装置Aの幅方向、Y方向は処理装置Aの奥行き方向)を示す。処理装置Aは生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置である。
【0011】
<装置の概要>
図1に示すように、処理装置Aの上面には、生ごみを投入する投入口1aを開閉するドア1が回動自在に設けられている。処理装置Aの上面にはまた、操作部3が設けられている。操作部3には処理装置Aの処理開始、停止等をユーザが指示するためのスイッチ等が設けられる。処理装置Aの正面には、減量処理済の廃棄物を排出するための開口部2、及び、この開口部2を開閉するためのドア2aが回動自在に設けられている。ドア1、ドア2aを閉鎖した状態では、処理装置A内の気密性が保たれるようにドア1やドア2aの周囲には不図示のシール部材が設けられる。
【0012】
図2を参照して、処理装置Aは底板4を備え、その下面にはキャスタ5が取り付けられており、処理装置Aの移動を容易なものとしている。底板4上にはX方向に互いに離間した仕切壁6乃至8が立設されている。仕切壁6乃至8は底板4に固定された隔壁である。処理装置A内では、処理対象物として、例えば、生ごみ等の廃棄物を加温処理する。詳細には、廃棄物の前処理となる醗酵処理と、後処理となる乾燥処理とによる廃棄物の減量処理である。
【0013】
仕切壁6と仕切壁7との間の空間は廃棄物処理槽10を、仕切壁7と仕切壁8との間の空間は廃棄物処理槽11を、それぞれ形成し、X方向に連続して配設されたこれらの処理槽10及び11が生ごみを減量処理する処理槽を構成している。本実施形態では処理槽を2槽構成としているが、1槽構成としてもよく、或いは、3槽以上の構成としてもよい。
【0014】
処理槽11のX方向の側方には、仕切壁8で仕切られた回収室12が形成されている。回収室12は減量処理された廃棄物が処理槽11から導入される。回収室12は排出口2と連通しており、ドア2aを開放することで回収室12から減量処理済の廃棄物を取り出すことができる。
【0015】
処理装置Aは、駆動ユニット20を備える。駆動ユニット20は、処理槽10及び11を横断する駆動軸21を備える。駆動軸21はX方向に延設され、仕切壁6乃至8にそれぞれ設けた軸受け22により回転自在に支持されている。駆動ユニット20は、また、駆動軸21の一方端部に固定されたスプロケット23と、モータ24と、を備える。スプロケット23と、モータ24の出力軸に固定したスプロケットとにはベルトが巻きまわされてベルト伝動機構が構成されている。そして、モータ24の駆動により駆動軸21が回転するようにしている。
【0016】
駆動軸21にはその径方向に延びる攪拌棒25が複数取り付けられている。駆動軸21の回転により、攪拌棒25によって処理槽11及び12内の廃棄物が攪拌される。本実施形態では棒状の攪拌棒25を採用したが、槽内を攪拌可能な形状であればよい。仕切壁7の下部には、処理槽10と処理槽11とを連通させる連通孔71が形成されており、攪拌棒25による攪拌により、処理槽10から処理槽11へ廃棄物が移動可能となっている。
【0017】
なお、本実施形態では、仕切壁7の下部に連通孔71を設けて処理槽10から処理槽11へ廃棄物を移動可能としたが、仕切壁7の上部に開口部を設けて、仕切壁7を超えて処理槽10から処理槽11へ廃棄物がオーバーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0018】
処理槽11内の廃棄物は、その堆積量の増加により仕切壁8を超えて回収室12へ落下し、回収室12内に堆積する。なお、本実施形態では、仕切壁8を超えて処理槽11から回収室12へ廃棄物が移動可能としたが、仕切壁8の下部に連通孔を設けて処理槽11から回収室12へ廃棄物がアンダーフローすることにより、廃棄物を移動可能としてもよい。
【0019】
処理槽10には、送風機61が設けられている。送風機61は処理槽10内の空気を図2で矢印で示す方向に吸引・送風し、処理槽10内の空気を循環させる。
【0020】
<流体加熱装置>
処理装置Aは流体加熱装置30を備える。流体加熱装置30は、送風機31と、筒状のケース32と、ケース32内に収容されたヒータ33と、温度センサ34と、を備える。ケース32は、その一方端部に入口部32a、他方端部に出口部32bを備えた気密な中空体である。
【0021】
送風機31はダクト31bを介して入口部32aに接続されており、仕切壁7を通過するダクト31aを介して処理槽10内の空気を吸引してケース32内のヒータ33に空気を送出する。送風機31は例えば電動ファンであり、本実施形態では空気の送出流量(風量)が可変のものである。ヒータ33は通電により発熱する発熱体であり、送風機31から送出される空気を加熱する。本実施形態では、ヒータ33をケース32に収容して処理槽11内に配設したが、処理槽外に配設してもよい。温度センサ34はヒータ33を通過した空気の温度を検出する。
【0022】
ケース32の出口部32bにはダクト35が接続されている。ダクト35は酸化触媒40と出口部32bとを接続しており、ヒータ33で加熱された空気の一部は酸化触媒40に導かれて脱臭される。本実施形態において、ヒータ33は処理槽10及び11内を循環する空気を加熱する役割を有すると共に、装置外へ排出する空気を酸化触媒40が活性化する温度に加熱する役割も有する。
【0023】
酸化触媒40には、ダクト41aを介して送風機41が接続されている。送風機41は、酸化触媒40で脱臭された空気を吸引し、ダクト42及び換気孔43を介して処理装置Aの外部へ排気する。処理槽10及び11並びに回収室12は換気孔43を除いて気密性が維持されるよう構成され、ダクト42から排気された空気量に相当する外気が換気孔43から処理装置A内に自然吸気され、処理槽10及び11へ進入する。
【0024】
ダクト35は、途中で分岐した導入部35aを有する。導入部35aはヒータ33で加熱された空気の残りを処理槽11に戻す。仕切壁7の上部には、処理槽10と処理槽11とを連通させる連通孔72が形成されており、ダクト35aから処理槽11へ導かれた空気は連通孔72を通って処理槽10にも流入する。こうして本実施形態では、ヒータ33で加熱された空気が、処理槽10、11を循環するようにしている。
【0025】
<減量処理>
処理装置Aによる生ごみ等の廃棄物の減量処理について説明する。生ごみの減量処理としては、生ごみを単に脱水させる方式、生ごみを乾燥させる方式、微生物による分解処理(醗酵処理)が知られている。本実施形態の減量処理は、分解処理と乾燥とを組み合わせた減量処理である。
【0026】
投入口1aから投入された生ごみは、始めに処理槽10に入る。処理槽10内の、水分を多量に含む生ごみRD1は、生ごみRD1に存する微生物或いは予め投入された大鋸屑等の菌床となる基材の働きにより分解される。また、ダクト35aから排気される加温された空気が連通孔72を介して処理槽10に導入され、処理槽10内が加温されることで、廃棄物の乾燥が促進される。また、攪拌棒25による攪拌や送風機61による空気の循環により、生ごみRD1の均一な分解、乾燥が促進される。
【0027】
生ごみRD1の醗酵により、処理槽10内の空気は異臭を伴うが、酸化触媒40で脱臭されて処理装置Aの外部に排気され、また、換気孔43から処理装置A内に外気が自然吸気されるので、その程度は軽減される。
【0028】
分解処理が進行して減量された処理槽10内の生ごみRD1は、仕切壁7の下部の連通孔71を介して処理槽10から処理槽11へ移動する。処理槽11内の生ごみRD2は、主として、ダクト35aから排気される加温された空気の吹き付けにより、乾燥される。処理槽11内に堆積した、乾燥の進んだ生ごみRD2は、攪拌棒25による攪拌により処理槽11からオーバーフローして回収室12に排出される。回収室12には、こうした減量処理によって生じた、生ごみの残渣RD3が堆積されることになる。
【0029】
<制御部>
図3(A)は処理装置Aの制御部13のブロック図である。制御部13は、CPU131、ROM132、RAM133及びI/F(インターフェース)134を備える。CPU131は、I/F134を介して、操作部3の操作状態を取得し、送風機31、41、61、ヒータ33、モータ24を制御し、特に、温度センサ34の検出結果に基づいて送風機31の風量を制御する。ROM132にはCPU121が実行する制御プログラムやデータが記憶される。RAM133には一時的なデータが記憶される。ROM132、RAM133は他の種類の記憶手段を採用してもよい。なお、図示しないが、送風機31についてはその風量を可変にする駆動回路が、ヒータ33についてはその出力(発熱量)を可変にする駆動回路が、それぞれ設けられる。
【0030】
<流量・ヒータ制御>
ヒータ33による処理槽10及び11内の空気の温度制御に関し、デューティ制御を採用せずに投入する熱エネルギをできるだけ一定としておくこと、つまり、ヒータ33の出力をできるだけ一定としておくことで、ヒータ33の遊ぶ時間をなくし、必要な出力性能を持ったヒータ33を設備することが出来る。特に、生ごみ等の廃棄物の加熱乾燥処理の場合には、ヒータの出力を最大としておけば短時間で処理を終えられる。
【0031】
本実施形態では、ヒータ33を原則として出力一定で駆動し、特に出力を最大(定格出力)で駆動する。出力を最大に維持していくことにより、廃棄物に対して与えられる単位時間あたりの熱エネルギを大きくすることができ、特に廃棄物の乾燥の点で、処理の短時間化を図ることができる。
【0032】
一方、廃棄物処理装置においては、装置外の気温や処理槽内での廃棄物の状態により、処理槽内の空気の温度が変化する。このため、ヒータの制御に代えて、ヒータ33を通過させる空気の温度を制御する仕組みが必要となる。
【0033】
処理槽10及び11内の空気の温度はヒータ33を通過させる空気の流量、つまり、送風機31の風量で制御する。ヒータ33を通過した空気の温度は、ヒータ33の出力に比例し、通過する流量に反比例する。よって、処理槽10及び11内の空気の温度を下げたい場合は送風機31の風量を増大し、温度を上げたい場合は送風機31の風量を減少させる。これにより、投入する熱エネルギの変化を必要とせずに、流体(空気)の温度制御を実現することができる。なお、本実施形態の場合、送風機31の風量増大では温度が下がらない場合はヒータ33の出力を減少させる。
【0034】
図3(B)は本実施形態における流量・ヒータ制御の説明図である。温度T1〜T2の範囲が、処理槽10及び11内の空気の温度について、制御の目的とする温度範囲(規定温度範囲)である。この規定温度範囲は、微生物が活動可能である共に廃棄物の乾燥が促進される温度範囲が好ましい。
【0035】
送風機31の風量制御は、処理槽10及び11内の空気の温度、つまり、温度センサ34の検出温度が規定温度範囲に収まるように行い、規定温度範囲を下回った場合は風量を減少し、規定温度範囲を上回った場合は風量を増大させる。
【0036】
温度T3は規定温度範囲の最高温度T2よりも高い閾値温度であり、温度T3まではヒータ33の出力を一定として送風機31の風量により温度制御を行うが、温度T3に達した場合はヒータ33の出力を変更(減少)して、規定温度範囲に空気の温度を維持するようにする。
【0037】
温度T4は処理の終了を判断するための温度である。温度T4に至った場合は廃棄物が乾燥したものとして、処理を終了する。
【0038】
<制御例>
図4は制御部13のCPU131が実行する流量制御処理のフローチャートを示し、送風機31の風量制御内容を示す。また、図5は制御部13のCPU131が実行するヒータ制御処理のフローチャートを示し、ヒータ33の制御内容を示す。処理装置Aのユーザは、廃棄物を装置内に投入後、操作部3から処理の開始を指示する。CPU131は該指示を契機としてこれらの処理を含む処理を実行する。
【0039】
まず、図4を参照して流量制御について説明する。S1では初期処理を行う。ここでは、送風機31を予め定めた初期風量で駆動する。S2では規定時間が経過かしたか否かを判定し、規定時間を経過した場合はS3へ進む。規定時間は処理槽10及び11内が始動から安定した状態(例えば槽内温度が醗酵分解処理に適した温度に達した状態)に移行するのに必要な時間が設定される。
【0040】
S3では温度センサ34の検出結果を取得して、その検出温度が温度T1未満か否かを判定する。温度T1未満の場合はS4へ進み、温度T1以上の場合はS5へ進む。S4では送風機31の風量を1制御単位だけ減少させ、S3へ戻る。風量を減少することで、処理槽10及び11内の空気温度を高められる。
【0041】
S5では温度センサ34の検出結果を取得して、その検出温度が温度T2以上か否かを判定する。温度T2以上の場合はS6へ進み、温度T2未満の場合はS3へ戻る。S6では送風機31の風量を1制御単位だけ増大させ、S7へ進む。風量を増大することで、処理槽10及び11内の空気温度を下げられる。
【0042】
S7では温度センサ34の検出結果を取得して、その検出温度が温度T4以上か否かを判定する。温度T4以上の場合はS8へ進み、温度T4未満の場合はS3へ戻る。S8では、廃棄物の乾燥が終了したとして送風機31を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0043】
次に、図5を参照してヒータ制御について説明する。S11では初期処理を行う。ここでは、本実施形態の場合、ヒータ33を最大(定格出力)で駆動する。S12では温度センサ34の検出結果を取得して、その検出温度が温度T3以上か否かを判定する。温度T3以上の場合はS13へ進み、温度T3未満の場合はS14へ進む。S13では、ヒータ33の出力を減少してS15へ進む。出力の減少は、一回の処理で1制御単位ずつ減少させるようにしてもよいし、一律に予め定めた出力(例えば50%)にしてもよい。S14では、ヒータ33の出力を最大(定格出力)にし、S15へ進む。S13で出力を減少したことで、検出温度が温度T3未満に下がった場合に、最大(定格出力)に戻す処理である。
【0044】
S15では温度センサ34の検出結果を取得して、その検出温度が温度T4以上か否かを判定する。温度T4以上の場合はS16へ進み、温度T4未満の場合はS12へ戻る。S16では、廃棄物の乾燥が終了したとしてヒータ33を停止させる。以上により一単位の処理が終了する。
【0045】
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、ヒータ33を通過させる空気の流量を、風量可変の送風機31で変化させたが、風量固定の送風機と流量制御弁との組み合わせで流量を制御してもよい。図6(A)は流体加熱装置30の他の構成例を示す図、図6(B)は図6(A)の構成例を採用した場合の制御部13のブロック図である。
【0046】
上記第1実施形態と異なる点についてのみ説明すると、図6(A)の流体加熱装置30は、送風機31'が風量固定である一方、ヒータ33の下流側にはヒータ33を通過する空気の流量を調整する流量制御弁(電磁弁)36が設けられている。流量制御弁36はヒータ33の上流側に設けてもよい。
【0047】
図6(B)に示すように流量制御弁36はCPU131により制御され、その開弁量が制御される。しかして、図4に示した流量制御において、送風機31の風量を変化させる制御に代えて、流量を減少する場合は流量制御弁36の開弁量を減少し、流量を増大する場合は流量制御弁36の開弁量を増大すればよい。
【0048】
<第3実施形態>
上記第1及び第2実施形態では、流体加熱装置30を廃棄物処理装置の槽内空気の加熱に適用した例を説明したが、本発明の流体加熱装置は他の用途にも適用可能である。その際、加熱対象とする流体の種類に応じて、送風機に代えてポンプ等の送出装置が適宜採用されることは言うまでもない。
【0049】
また、上述した各実施形態においては、処理対象物として生ごみ等の廃棄物を処理する廃棄物処理装置を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加熱処理装置、攪拌処理装置、混合処理装置、減溶処理装置等に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱手段と、
前記発熱手段に流体を送出する送出手段と、
前記発熱手段を通過した前記流体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段と、
を備えたことを特徴とする流体加熱装置。
【請求項2】
前記発熱手段は、その出力が一定で駆動され、
前記流量制御手段は、前記温度検出手段の検出結果が規定温度範囲内に収まるように前記流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の流体加熱装置。
【請求項3】
前記発熱手段は、その定格出力で駆動されることを特徴とする請求項2に記載の流体加熱装置。
【請求項4】
前記送出手段は送出流量が可変であり、
前記流量制御手段は、前記送出手段を制御して前記流量を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流体加熱装置。
【請求項5】
前記送出手段は送出流量が固定であり、
前記流量制御手段は、
前記発熱手段を通過する前記流体の流量を調整する流量制御弁と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記流量制御弁を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流体加熱装置。
【請求項6】
前記発熱手段の出力制御を行う発熱制御手段を備え、
前記発熱制御手段は、
前記温度検出手段の検出結果が前記規定温度範囲の最高温度よりも高い閾値温度以下の場合は前記発熱手段を一定の出力で駆動し、前記閾値温度を超えた場合は前記発熱手段の出力を変更することを特徴とする請求項2に記載の流体加熱装置。
【請求項7】
廃棄物を減量処理する処理槽を備えた処理装置であって、
発熱手段と、
前記発熱手段に前記処理槽内の空気を送出する送出手段と、
前記発熱手段を通過した前記空気の温度を検出する温度検出手段と、
前記発熱手段を通過した前記空気を前記処理槽内に導入する導入手段と、
前記温度検出手段の検出結果に基づいて前記発熱手段を通過する前記流体の流量を制御する流量制御手段と、
を備えたことを特徴とする処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−117690(P2011−117690A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277024(P2009−277024)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】