説明

流体接続装置、ならびにこの装置を使用して流体マイクロサンプルを連続的に採取するためのシステムおよび方法

【課題】流体接続装置、及びこの装置を使用して流体マイクロサンプルを採取するための連続的、かつ自動化されたシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】第1の開口を介して第1の配管21へと接続されるように意図されており、さらに第2の配管28を通す第2の開口を備えている装置20が、第1の開口を定めている雌の流体コネクタ22であって、前記第1の配管が開いている雌の端部24を終端とする内側フィッティング面23を有している雌の流体コネクタ22と、第2の開口を定めている雄の流体コネクタ25であって、外面26を介して雌のコネクタへと装着され、雌のコネクタの内側の雄のラジアル端27を終端とする雄の流体コネクタ25とを備える。第2の配管が、柔軟なマイクロチューブから形成され、この第2の配管の自由端が、雌の端部へと密封の様相で押し付けられ、第1の配管と雄のコネクタとの間の死体積を最小にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の運搬を目的とする死体積(dead volume)のない流体接続装置に関する。さらに、本発明は、一連の液体マイクロサンプルを連続的に採取するための自動システムおよび方法であって、そのようにして採取されたサンプルが後の処理のための一時保管容器まで空間および時間において不連続なパケットであるような自動システムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、これに限られるわけではないが、例えばラットまたはマウスなどといった哺乳類からの全血マイクロサンプルを運搬するための流体接続装置に適用される。
【背景技術】
【0002】
医学および生物学の両者において、一方ではカテーテルに組み合わせられ、他方では柔軟なマイクロチューブに組み合わせられて使用される流体接続装置は、通常は、1986年のISO59461規格によって定められた「ルアー(Luer)」式、または1998年のISO594−2規格によって定められた「ルアーロック(Luer‐lock)」式の標準化されたコネクタである。本明細書に添付の図2を参照すると、通常の接続装置20’は、基本的には、
カテーテルが押し込まれる雌の流体コネクタ22’であって、このカテーテルが開いている雌の端部24’へと収束する円錐形の内側フィッティング面23’を有しているコネクタ22’と、
雌のコネクタの内表面23’と同じ円錐性を有しており、最大限に挿入された状態において雌の端部24’から距離dlを残しつつ雄の端部27’へと収束している円錐形の外表面26’を介して雌のコネクタ22’へと装着される雄の流体コネクタ25’(図2参照)と
を有している。
【0003】
下記の表1が、上述の規格に従い、使用される材料に応じたルアー接続装置(6%の円錐角)の主たる寸法の特徴を列挙している。
【0004】
【表1】


この表の符号および**について:
の寸法L、M、Nは、基本寸法からもたらされる。
**または鋭い角度を有していない同等の入り口の面取り。
【0005】
上述の規格によって定められた接続装置の主たる欠点は、雄および雌のコネクタのそれぞれの端部の間の距離dl(典型的には、約3mm)が、さまざまな状況において不利となる内在の死体積を生み出す点にある。最も頻繁には、コネクタがきわめて少量(この死体積に比肩する大きさの程度であり、あるいはこの死体積よりも小さい)の液体サンプルを循環させるために使用される場合に生じる。例を挙げると、哺乳類の血液マイクロサンプルの注入または採取の場合に、約4mmの直径を有するコネクタが設けられた柔軟な配管を使用することが一般的な実務であり、結果として画定される空間が、15μl〜30μl程度の死体積を決定し、これが使用において以下の問題を引き起こしうる。
【0006】
いくつかの順次のマイクロサンプルが、この死体積を満たすように機能するため、これが、最初のマイクロサンプルの通過を遅延させ、流体のより大きな体積が採取されて失われることを意味する。
【0007】
流体配管の断面が、この死体積ゆえに顕著に拡大されるため、種々のマイクロサンプルが互いに混ざり合い、これは、流体が液体であって、これらのマイクロサンプルが例えば分析の目的のために順次使用される場合に、有害である。これは、それらのトレーサビリティを損ない、それぞれのマイクロサンプルが初期の特性を流通配管の全長にわたって保つことができることが基本的に重要である急激な生物学的現象の監視の場合に、きわめて不利である。
【0008】
残留の流体との混合を防止することが望まれる場合の配管のパージの必要性など、他の欠点も、ここからもたらされる可能性があり、さらには、このパージの作業が、死体積の存在および形状ゆえに実行がきわめて困難である。
【0009】
さらに、文献US−A−4 966 588から、
段部が設けられたそれぞれの円筒形のフィッティング面を介して雌のコネクタへと装着される雄のコネクタであって、注射端を形成するカニューレを受け入れるように意図されている雄のコネクタと、
2つのコネクタの間に配置されたシール用ワッシャを貫くことによって雄のコネクタおよび雌のコネクタの両者ならびにカニューレを通過するように挿入され、処置対象の体へと埋め込まれるように意図されている剛な注射針と
を基本的に有する流体接続装置を、治療用の液体物質を注入するために使用することが知られている。
【0010】
コネクタおよびカニューレを真っ直ぐに通過する剛な注射針を使用するこの装置の主たる欠点は、この針の直径が、雄のコネクタの開口の直径に比べて小さい点にある。他の欠点は、シール用ワッシャが、注射後に針がコネクタから除去された後に意図せずに動いてしまう可能性があるという事実から生じる。これは、複数回の使用の場合に配置の問題を生じさせる可能性があり、あるいはアクセスの困難なシール用ワッシャを、使用のたびごとに交換しなければならないことを意味する可能性がある。
【0011】
最後に、他の欠点は、シール用ワッシャを貫く針が、必然的に或る長さを有しており、これが針の上流または下流において問題となりうる点にある。すなわち、ラットまたはマウスなどといった小型の哺乳類における液体の注入または血液サンプルの取り出しに全く適していない。特にはラットにおいて、コネクタを介して柔軟な配管へと直接接続されたカテーテルを導入するために、この動物の尾静脈(あるいは、注入の場合には尾動脈)を使用することが一般的な実務である。特定の長さの金属針をシール用ワッシャを貫いて導入することで、この針が静脈(または、動脈)へと突き出すことが当然であり、これが、動物が尻尾を動かすときに損傷する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は、採取または注入されるマイクロサンプル(採取の場合には、例えば血液であり、注入の場合には、一般に液体である)などの流体を輸送するように意図された流体接続装置であって、この装置の第1の開口を介して第1の配管へと接続されるように意図されており、この流体を輸送すべく第1の配管と連絡するように意図された第2の配管を通す第2の開口を備えており、
前記第1の配管が挿入されるように意図された前記第1の開口を定めている雌の流体コネクタであって、この第1の配管が開いている雌のラジアル端を終端とする内側フィッティング面を有している雌の流体コネクタと、
前記第2の開口を定めている雄の流体コネクタであって、外面を介して雌のコネクタへと装着され、雌のコネクタの内側の雄のラジアル端を終端とする雄の流体コネクタと
を有しており、上述の欠点の全てを是正している装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のため、本発明による装置は、この第2の配管が、雄のコネクタを真っ直ぐに貫いて、軸方向において前記雄の端部を過ぎて押し込まれる柔軟なマイクロチューブから形成され、この第2の配管の自由端が、前記雌の端部へと密封の様相で押し付けられ、第1の配管と雄のコネクタとの間の死体積を最小にするような装置である。
【0014】
用語「マイクロサンプル」は、本明細書において、それぞれ100μl未満、好ましくは30μl以下の体積を有する血液サンプルなどの液体サンプル(すなわち、典型的には、小動物から採取されるサンプル)を意味するものと解釈される。好ましくは、本発明による各マイクロサンプルは、ラットまたはマウスの種類の哺乳類からの全血サンプルであり、8μl〜30μlの範囲の体積を有している。
【0015】
本発明による装置によって最小化されるこの死体積が、公知の接続装置における典型的には30μl以下の体積を有するマイクロサンプルの流れに関する上述の欠点(特には、最初のマイクロサンプルの通過の遅れ、採取された液体の体積の喪失、およびトレーサビリティを損なうマイクロサンプルの混合)の改善を可能にすることに、留意されたい。
【0016】
本発明の別の特徴によれば、雌のコネクタの前記内側フィッティング面が、前記雄の端部へと収束する雄のコネクタの前記外面と同じ円錐性にて前記雌の端部へと収束する円錐面であってよい。好ましくは、前記雄および雌のコネクタが、どちらも、1986年のISO59461規格によって定められた「ルアー」式のコネクタ、または1998年のISO594−2規格によって定められた「ルアーロック」式のコネクタであってよい。
【0017】
好ましくは、前記第2の配管を、前記規格の一方または他方に従って雄のコネクタが雌のコネクタの内側の接続位置へと真っ直ぐに押し込まれたときに、2つのコネクタの前記それぞれの端部を隔てている最小距離に少なくとも等しい軸方向の長さだけ、前記雄の端部を超えて延在させることができる。
【0018】
やはり好ましくは、前記第2の配管が、自身の円筒形の壁の周囲かつ自由端の付近に、前記雌のコネクタの内側において該第2の配管を補強することができる補強手段を備えることができる。
【0019】
有利には、前記補強手段が、少なくとも前記第2の配管の剛性に等しく、好ましくは前記第2の配管の剛性よりも大きい剛性を有する材料で作られ、前記第2の配管へと固定することができるリングから形成されており、この固定は、直接的であっても、あるいは前記雄のコネクタを介してもよい。後者の場合には、当然ながら、雄のコネクタが前記第2の配管へと固定される。
【0020】
好ましい変種によれば、補強手段が、補強手段によってクランプされる第2の配管の端部へと固定され、第2の配管および雌のコネクタの前記円錐形の内側フィッティング面の間に位置するように取り付けられる。例として、この補強手段は、ポリマー樹脂に基づくことができる。
【0021】
このリングを、第2の配管の周囲に貼り付けることができ、あるいは第2の配管と一緒に共押し出しすることができる。工業的な製造により適した変種によれば、雄のコネクタを、この補強手段を取り入れることができるように金型の当初の形状にわずかな手直しを加えるだけで、ただ1回の成型作業にて製造することができる。
【0022】
本発明による接続装置に取り付けられる前記第1の配管に関しては、この第1の配管が、有利には、血液マイクロサンプルの採取の目的のために小型の哺乳類の尾静脈へと埋め込まれる柔軟なカテーテルなど、前記液体の動物からの採取または動物への注入に適した柔軟なマイクロチューブである。
【0023】
ラットまたはマウスの種類の哺乳類からの血液マイクロサンプルなど、採取すべき液体を含んでいる体からの一連の液体マイクロサンプルを連続的に採取するための本発明による自動サンプリングシステムは、保存容器へと運ばれるべき所定の量の液体を突発にて吸い上げるための蠕動ポンプなどの定量ポンプによって一体に接続された配管の連続を有しており、この配管の連続が、前記体へと埋め込まれるように意図され、マイクロサンプルをポンプに向かって運ぶための接続装置へと接続されているカテーテルの種類の第1の柔軟な配管を含んでおり、前記接続装置が、上述のような接続装置であることを特徴とする(すなわち、この第1の配管を延長する前記第2の配管を含んでいる)。
【0024】
本発明の他の特徴によれば、前記サンプリングシステムが、特には前記ポンプを制御するために設けられたコンピュータ支援の制御装置へと接続されている。
【0025】
本発明の他の特徴によれば、前記配管の連続が、順次流れるマイクロサンプルのそれぞれが、これらの配管の最大の内部横断寸法(例えば、それらの内径)の少なくとも5倍よりも大きい軸方向長さを占めて流れるように、ほぼ一定の断面を有している。
【0026】
本発明が、下流の装置への供給の目的で不連続な一連のサンプルを生成するように意図されている場合には、有利には、前記配管の連続が、マイクロノズルとして機能するより剛な部位を終端とすることができる。この場合、マイクロサンプルの預け入れをより容易にするために、マイクロノズルの端部が、前記下流の装置の受け止め壁に接し、好ましくはこの壁が、前記マイクロノズルの端部の切断面と5°〜85°の間の角度をなしている。好ましくは、この角度が45°にほぼ等しい。これは、この角度が90°よりも大きい場合、このマイクロノズルによって形成される液滴の全てまたは一部が、表面張力の理由のためにマイクロノズルに付着したままになりうるためである。
【0027】
本発明の別の重要な特徴によれば、前記配管の連続の断面の拡大が、これらの配管を順次流れるマイクロサンプルが空間および時間において不連続なパケットであり、特には30μl以下の体積を有するマイクロサンプルがこれらの配管において混ざり合うことが実質的にないよう、全て面積比に関して20%以下である。
【0028】
本発明の別の特徴によれば、前記第2の配管を形成している前記柔軟なマイクロチューブが、少なくとも特に平坦であって長方形の断面である少なくとも1つの部位によって延長されており、この部位が、この部位を流れるそれぞれの液体マイクロサンプルによって放射される粒子(ベータマイナスまたはベータプラス崩壊からもたらされる電子または陽電子、あるいは蛍光によってカウントされる場合の光子、など)のカウントを最適化するために、これらの粒子の減衰を最小化するように設計されている。
【0029】
好ましくは、前記平坦部が、ほぼ矩形の断面を有しており、その長辺および/または短辺が、この部位が少なくとも部分的にほぼ凸状または凹状の外面を有するよう、相互に対称な曲率で湾曲している。
【0030】
有利には、前記平坦部が、20%未満、好ましくは5%〜10%の間の[内部の高さ(h)/内部の幅(l)]の比を有しており、ここで内部の高さおよび内部の幅はそれぞれ、ほぼ直交する2つの方向に沿って測定されるこの部位の最小および最大の横断寸法を表している。
【0031】
やはり有利には、前記平坦部の流れの断面について、この平坦部に隣接するそれぞれの円筒形の部位の流れの断面に対する面積比が、35%以下であってよい。
【0032】
好ましくは、平坦部の前記内部の高さが、500μm未満、好ましくは100μm〜200μmの間であってよく、隣接する円筒形の部位または隣接する円筒形の部位のそれぞれが、おそらくは1mm程度の直径を有している。
【0033】
本発明の別の特徴によれば、有利には、前記平坦部が、肉厚e(単位はμm)および密度d(単位はg/cm)を有しており、その積e×dが、カウント対象の粒子が電子または陽電子である場合に、それらの粒子のこの部位による減衰が最小限になるよう、100未満であり、好ましくは50未満である(電子および陽電子のどちらの場合も、減衰は、公知のとおり、積e×dに比例する)。
【0034】
有利には、前記平坦部が、1.3〜1.5g/cmの密度を有するポリイミド(例えば、「Kapton」)に基づいており、この平坦部が、50μm未満、好ましくは30μm未満の肉厚を有している。この平坦部は、例えば熱成形によって得られる。
【0035】
本発明の他の特徴によれば、前記平坦部が、この平坦部を流れるそれぞれの液体マイクロサンプルの前記粒子をカウントできる2組の検出器を、この平坦部の大きい方の面に直面させ、かつこの平坦部の小さい方の面を超えて張り出させて備えている。
【0036】
この検出器の張り出しが、カウント対象の粒子の「捕捉」(幾何学的なアクセプタンスの概念)の最適化を可能にすることに、留意されたい。
【0037】
有利には、前記検出器が、前記大きい方の面に当接または近接して配置されている。
【0038】
本発明の別の特徴によれば、採取されるマイクロサンプルが、血漿および血球を含む哺乳類の全血のマイクロサンプルであり、
当該システムが、前記コンピュータ制御の定量ポンプの上流に、
この全血に希釈された放射線追跡子によって放射され、材料を通過することによって大きく減衰させられるα、β、またはγ放射能(αまたはγ粒子ならびに電子または陽電子)をカウントするための装置であって、やはりコンピュータ制御であり、前記2つのプレートに実質的に当接して分配されたシリコンダイオードなどの前記検出器の組を測定箱の内部に備えており、さらにこれらの測定のための電子処理/インターフェイスカードを備えているカウント装置と、
検出器の読み出しならびにデータの取得および伝達のための電子モジュールと
を備えることができる。
【0039】
したがって、このシステムが、これらの測定をマイクロサンプルの採取の直後に有利に実行できることに留意されたい。
【0040】
ラットまたはマウスの種類の哺乳類からの血液マイクロサンプルなど、採取すべき液体を含んでいる体からの液体マイクロサンプルを、連続的に採取するための本発明による自動の方法は、これらのマイクロサンプルが、あらかじめプログラムされた体積のマイクロサンプルを採取するための信号を、コンピュータ支援の制御装置によって上述の自動サンプリングシステムへとあらかじめプログラムされた瞬間tにおいて送信することによって、単調な時間関数に従って上述の自動サンプリングシステムによって連続的に採取され、このようにして定量ポンプによって採取されたこれらのマイクロサンプルが、前記配管の連続に沿って前記保存容器まで空間的および時間的に続くことを特徴とする。
【0041】
有利なことに、本発明による連続的なサンプリング方法においては、最小のサンプリング時間が1秒であり、従来技術において使用されるサンプリング時間の半分でしかないことに留意されたい。
【0042】
このように、本発明によるサンプリングシステムは、特には、一方では時間的および空間的に不連続なパケット(例えば、マイクロチューブ内の空白によって容易に分離できる)にてのマイクロサンプル(好ましくは、血液マイクロサンプル)の採取で構成され、他方では例えば(特には、小型の哺乳類についての放射線画像化のための入力関数の測定の目的のため、特には、PET(陽電子放射断層撮影)における追跡子の定量的画像化のために)区別の行為を加えるためのマイクロサンプルの相のうちの少なくとも1つの各マイクロサンプルにおける空間的な分離で構成される2つの機能(どちらも自動化されている)の並びの自動的な(すなわち、人手の介在を必要としない)実行および結合を可能にする。
【0043】
マイクロサンプルの採取に好ましく使用される動物の小さなサイズが、これらのマイクロサンプルの総体積を、動物の健康に矛盾しないだけでなく、動物の代謝を可能な限り乱さない量に制限することを必要とすることに、留意されたい。
【0044】
本発明の上述の特徴ならびに他の特徴が、あくまで本発明を限定するものではない例として添付の図面を参照しつつ行われる本発明のいくつかの例示的な実施形態についての以下の説明を検討することで、さらに明確に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は、柔軟な毛管またはマイクロチューブの形式の配管4および5の連続を含んでいるサンプリングシステム3によって、例えばラットまたはマウスといった種類の小型の哺乳類2からの血液マイクロサンプルの採取を順次かつ連続的に実行し、それらのマイクロサンプルを一時的に保管し、それらについて測定を実行するための自動設備1を、例として示している。このサンプリングシステム3は、基本的には、
接続装置20(図3に見ることができる)が備えられており、採取すべき同じ量の血液を蠕動ポンプ7によって突発にて吸い上げるように意図されているカテーテル21(図3に見ることができる)と、
可能な限り採取点の近くに配置され、前記配管4、5の連続の測定部4aに実質的に接触し、採取したマイクロサンプルに存在する粒子をカウントするためのカウント装置6(この例では、全血マイクロサンプルの場合にベータ放射能6からもたらされる粒子をカウントするカウント装置6であり、前記部位4aが、後述のように、このカウントに最適化された形状および材料の特性を有しており、カウンタ6の備える検出ダイオード6aに対して中心に位置している)と、
蠕動ポンプ7の下流に配置され、採取および分析された前記マイクロサンプルを保存および処理するサンプル処理システム8と、
前記ポンプ7を含む全システム3を制御するためのコンピュータ支援の制御装置9(この制御については、図1の両矢印AおよびBを参照)と
を有している。
【0046】
本発明によれば、配管4および5の連続は、この配管4および5の連続を順次流れるマイクロサンプルが、この配管4および5において拡散による混合を実質的に受けることがないよう、これらの配管に沿って存在する断面の拡大が、面積比に関して常に20%以下であるような配管4および5の連続である。この方法で、これらのマイクロサンプルが、空間的および時間的に不連続なパケットである。
【0047】
図3に示されているように、本発明による接続装置20は、 カテーテル21が押し込まれる雌の流体コネクタ22であって、カテーテル21が開いている雌のラジアル端24へと収束する円錐形の内側フィッティング面23を有している雌の流体コネクタ22と、
雌のコネクタ22の前記内表面23と同じ円錐性を有している円錐形の外表面26を介して雌のコネクタ22へと装着され、雄のラジアル端27へと収束している雄の流体コネクタ25と、
空間および時間において不連続なパケットである採取されたマイクロサンプルを保存容器へと運ぶために適したLDPE(「LDPE 50」または「LDPE 100」などといった低密度ポリエチレン)で作られた柔軟なマイクロチューブ28であって、雄のコネクタ25へと真っ直ぐに押し込まれて、軸方向において雄の端部27を超え、直面する雌の端部24に直接に隣接して、これら2つのそれぞれの端部27および24の間の雌のコネクタ22の内側の局所の死体積を最小にする柔軟なマイクロチューブ28と
を、例えば哺乳類2の尾静脈へと埋め込まれるように意図され、1.5mmの外径および0.8mmの内径を有している柔軟なカテーテル21へと接続して有している。
【0048】
より詳細には、これらのコネクタ22および25が、1986年のISO59461規格によって定められたルアーコネクタ、または1998年のISO594−2規格によって定められたルアーロックコネクタである。
【0049】
好ましくは、これらの規格の一方または他方に従って雄のコネクタ25が雌のコネクタ22の内側の接続位置へと押し込まれたときに、マイクロチューブ28が、端部27および24を隔てている最小距離dlに少なくとも等しい軸方向の長さだけ、雄の端部27を超えて通過している。実際、図3に示されているように、このマイクロチューブ28は、雌の端部24に密封の様相で当接している。
【0050】
本発明による雄のコネクタ25によれば、図2に示した公知の接続装置に関するときの上述の長さの差dlに内在する死体積を克服することができる。
【0051】
この図3に示されているように、本発明のマイクロチューブ28は、カテーテル21に隣接する自由端に、マイクロチューブ28の円筒形の壁と雌のコネクタ22の内表面23との間に取り付けられた補強リング29を備えている。有利には、補強手段29は、少なくともマイクロチューブ28の剛性に等しく、好ましくはマイクロチューブ28の剛性よりも大きい剛性を有する材料で作られ、マイクロチューブ28へと固定することができるリングによって形成されており、この固定は、直接的であっても、雄のコネクタ25を介してもよい。後者の場合には、当然ながら、雄のコネクタ25が、マイクロチューブ28へと固定される。
【0052】
好ましい変種によれば、リング29が、マイクロチューブ28の端部へと固定され、ポリマー樹脂に基づくことができる。このリング28を、マイクロチューブ28の周囲へと取り付けることができ、あるいはマイクロチューブ28と一緒に共押し出しすることができる。
【0053】
本発明による接続装置20は、マイクロチューブ28を強制的に導入するために従来技術の装置20’に環状の断面の開口を穿孔することによって、従来技術の装置20’から製造される(端部の鋭い切断が、マイクロチューブ28の軸に直角である)。
【0054】
したがって、本発明による雄のコネクタ25が、上述の規格による標準的な雌のルアー装置の全範囲と互換であり、接続装置20における死体積(この死体積は、配管の最小断面に対する断面の20%の増加に相当しうる)をなくすことを有利に可能にし、結果として、特には血液マイクロサンプルを混ざり合う恐れなく輸送する(したがって、完璧なトレーサビリティを備え、配管を出るサンプルが配管に進入するサンプルに一致する)ことを有利に可能にすることに、留意されたい。さらに、この構成によれば、測定または分析を開始するために過剰に多数のマイクロサンプルが採取されるのを待つ必要がなくなり、さらには、死体積に相当する液体の体積が無駄にされることが防止される。
【0055】
図4および図4aに示されているように、平坦な測定部4aが、本発明によるサンプリング配管の連続に設けられ、この平坦な部位が、図3の前記第2の配管28を延長するとともに、図1の粒子カウントシステム6(小型の哺乳類2の入力関数を測定するために有利に使用されるベータカウンタなど)によるカウントを最適化するように設計されている。この方法で、選択される検出体積が減じられ、カウントの効率が高められる。
【0056】
この目的のため、長方形の断面の前記平坦な測定部4aが、熱成形によって製造され、商標「Kapton」のポリイミド(1.42g/cmの密度および25μm±10%の肉厚を有している)で製作され、この部位が、例えばLDPEで製作され、例えば約1mmの内径を有している2つの円筒形の配管を一体に結び付けている。図4aに示されているように、カウントシステム6の上述の検出ダイオード6aが、ここでは部位4aの高さhで構成されている部位4aの最小の横断寸法に対して、この部位4aの両側に配置されている。
【0057】
この例示的実施形態においては、平坦部4aが、概ね矩形の断面を有しており、その短辺が、相互に対称な凸の曲率で湾曲しており、この部位の[内部の高さh/内部の幅l]の比が、約8%であり、内部の高さおよび内部の幅が、それぞれ130μmおよび1490μmに等しい。
【0058】
平坦部4aの流れの断面(約0.19mm)の隣接するそれぞれの円筒形部分(約0.78mmの内側断面を有している)の流れの断面に対する面積比に関しては、わずかに25%未満である。
【0059】
さらに、平坦部4aは、肉厚eおよび密度dを有しており、その積e×dが、ほぼ35.5(e=25μmおよびd=1.42g/cmにて)に等しく、これは、LDPE製のマイクロ配管(「Kapton」よりも低い密度を有するが、厚さが大幅に大きい)の場合において一般的には150〜200の間である通常使用される値よりもはるかに小さく、したがって電子または陽電子などといったカウント対象の粒子について、この本発明による部位4aによる減衰が顕著に最小化される。
【0060】
図4aに示されているように、平坦部4aには、平坦部4aを流れるそれぞれの液体マイクロサンプルの前記粒子をカウントすることができる2組の前記検出ダイオード6aが、平坦部4aの大きい方の面に面し、平坦部4aの小さい方の面よりも突き出して装備されている(このダイオード6aの突き出しが、カウント対象の粒子の「捕捉」の最適化を可能にする)。
【0061】
この本発明による平坦部4aを得るために使用される熱成形工程は、特には、
部位4aを、低温で、成形用金型に配置する工程と、
その両端を、加圧のために柔軟なマイクロチューブへと接続する工程と、
圧力(1.5barの相対圧力)を加える工程と、
金型を、15分間にわたって300℃に加熱する工程と、
金型を、加圧下で冷却する工程と、
冷却後に圧力をゆっくりと下げる工程と
を含んでいる。
【0062】
図5のグラフが、実験によって確認されたシミュレーション曲線の形態で、2つの一連の実験S1およびS2について得られたカウント効率の結果を示している。実験S1およびS2を、それぞれ、
・円筒形部分の半径が0.5mmであって、上記平坦部4aが取り入れられている本発明による配管にて、採取される血液マイクロサンプルの体積を(マウスに適合する)8μlとして実行し、
0.5mmの半径を有する全長にわたって円筒形である(すなわち、平坦部を備えない)第1の「対照」配管にて、採取される血液マイクロサンプルの体積を(ラットに適合する)30μlとして実行し、
0.25mmの半径を有する全長にわたって円筒形である(すなわち、平坦部を備えない)第2の「対照」配管にて、採取される血液マイクロサンプルの体積を8μlとして実行した。
【0063】
この平坦部4aのおかげで、陽電子の検出効率が、最小のしきい値(約46keV)において、円筒形のマイクロチューブでの32%から、本発明のマイクロチューブでの60%超まで向上することに注目できる。利得は、8μlのサンプルに適合する円筒形のマイクロチューブ配管が約25%の効率を与えるため、さらに大きい。このように、本発明による最適化されたマイクロチューブは、8μlの試料において、全長にわたってすべてが円筒形であるマイクロチューブでのわずか25%に比べ、最小のしきい値において60%を超える効率を達成して動作することを可能にする。これが、本発明によるサンプリングシステム3を、マウスの入力関数の測定によく適したものにしている。
【0064】
次に、図3の接続装置20へと挿入され、図4に示した本発明によるサンプリング配管の平坦部4aによって延長されるマイクロチューブ28に関して使用されるシステムおよびベータ放射カウント方法を、図1に関してさらに詳しく説明する。
【0065】
この接続装置20の数センチメートル下流において、それぞれのマイクロサンプルが、ベータ放射能からもたらされる粒子をカウントするためのカウンタ6の可能な限り近くを通過し、このカウンタ6にとって、配管の肉厚は、きわめてわずかな減衰しか引き起こさない。図1に示されているように、カウンタ6の箱6bに固定された平坦部4aが、壁における陽電子の消滅の量を最小限にすることを可能にし、その形状は、サンプルの体積(30μlまたは8μl)を部位4aを囲んでいる6つのシリコン検出ダイオード(10×10×0.3mmを測定する)の直下に正しく中心合わせして含むことができるような形状である。これらのダイオード6aは、それ自体が、動物2から生じる光子に起因する物理的な雑音を除くように意図された厚さ2cmの鉛シールドによって囲まれている。この測定システム6の残りの部分は、小さな寸法(16×11×4cm)の箱6bの形態であってシステム全体を小型かつ頑強にする電子処理/インターフェイスカードを有している。
【0066】
ベータ放射線から由来する陽電子の血液中での消滅の確率を最小にするために、柔軟なマイクロチューブに、少なくともダイオード6aの前方を通過する地点において、部位4aの平坦な形状を与えることが有利である。さらに、上述のように、この幾何学的構成は、液体が薄いシートとして広がるように保証し、検出面に面する液体の面積を増加させる。測定システム6について採用される構成は、以下のとおりである。
【0067】
25μmの肉厚を有する平坦部4aが、0.3mmの厚さを有するダイオード6aの間に挟まれている(上側の3つのダイオード6aおよび下側の3つのダイオード6a)。
【0068】
これらのダイオード6aのための読み出し用の電子機器、ならびにデータの取得および伝達を制御する電子機器は、電子雑音を可能な限り少なくして検出しきい値を最適な効率のために最小化できるように最適化された単一の電子機器モジュールへと統合されている。
【0069】
「前処理」の電子機器(整形器および弁別器)が、ASIC(16のチャネル、共通のしきい値、16の出力+1つのORを有している)によってもたらされている。しきい値は、ユーザによって調節される。取得カードは、パーソナルコンピュータのUSBインターフェイスの柔軟性、およびFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)設定可能デジタル回路においてなされた進歩を有利に利用する設定可能なUSBテストカードである。これは、多数の信号の迅速な処理を可能にし、コンピュータのインターフェイスからプログラムすることが可能である。
【0070】
基本的な仕組みが、図1に示されている。動物2の動脈から来るカテーテル21が、箱6bの片側に到着する図3のマイクロチューブ28によって延長され、次いで箱6bの内部を横切る平坦部4aによって延長されており、血液は、箱6bの反対側に現われる。この血液の流れは、蠕動ポンプ7によって実行される。採取されるマイクロサンプルの体積を、調節することが可能であり、採取の時間も同様である。これらのパラメータは、設備1の制御装置9のコンピュータによって制御される。
【0071】
2つのマイクロサンプルの採取の間の最小時間は、1秒である。血液中の放射線追跡子の運動の動的な範囲をカバーするために、マイクロサンプルは、約30秒〜1分にわたる注入の後に1秒ごとに採取され、次いで、より開いた時間間隔で採取される(この段階においては、曲線の勾配がより緩やかである)。
【0072】
図3に関して上述したように、サンプル採取用のカテーテル21と箱6bへと開いているマイクロチューブ28との間の接続は、隣り合う2つのマイクロサンプルの混合を引き起こしかねない死体積を除くように行われている。マイクロチューブと箱6bとの間の接続に関しては、マイクロサンプルの体積の喪失を防止するように設計されている。さらに、箱6bの外部の2つのマイクロチューブの寸法は、隣接する2つのマイクロサンプルの間の拡散が不可能であるような寸応である。
【0073】
したがって、血液マイクロサンプルが、空間的および時間的に不連続なパケットとして採取され、したがって、サンプル処理システム8まで、拡散なしで進行し、サンプル処理システム8において保管され、例えば遠心分離によってそれらの相またはそれらの成分の少なくとも1つの抽出が有利に加えられる。
【0074】
この本発明によるサンプリングシステム3を、特には陽電子放射断層撮影(PET)における新規な追跡子の定量的画像化のための臨床前の研究の分野において、有利に使用できることに注目できる。この場合、該当の液体は、血液であり、用途は、ラットまたはマウスなどといった小動物の入力関数の測定にある。これらの動物は小型であり、したがってそれらの有する血液の総量が少ないため、それぞれのマイクロサンプルの体積は、ラットの場合に約30μlに制限され、マウスの場合には約8μlに制限される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】ベータ放射能によって放射される粒子をカウントするためのカウンタなどの測定システムを採取されたマイクロサンプルの処理のためのサンプル処理装置の上流に配置して備えている本発明による自動サンプリングシステムの概略の部分図である。
【図2】公知の形式の雄および雌のコネクタを備えており、片側がカテーテルへと接続されるように意図され、他方の側がマイクロサンプルを採取するための柔軟なマイクロチューブへと接続されるように意図されている接続装置の一部分の放射断面の図である。
【図3】雄および雌のコネクタを備えており、このカテーテルへと接続されるように意図され、図1のサンプリングシステムの上流部を構成する本発明による接続装置の一部分の放射断面の図である。
【図4】この接続装置の下流に設けられ、図1の測定システムによって実行される粒子のカウントのための平坦部を有している本発明によるサンプリングシステムの配管の形状および相対寸法を、ユーロ10セント硬貨との比較にて説明する写真である。
【図4a】図1に示した2組の検出器を備える本発明によるこの平坦部の概略の断面図である。
【図5】本発明によるこの平坦な測定部ならびに対照試験としての2つの円筒形のマイクロチューブを含む3種類のサンプリング配管について、18F放射線追跡子の検出効率を検出しきい値の関数として示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
採取または注入されるマイクロサンプルなどの流体を輸送するように意図され、第1の開口を介して第1の配管(21)へと接続されるように意図されており、この流体を輸送すべく第1の配管と連絡するように意図された第2の配管(28)を通す第2の開口を備えた流体接続装置(20)であって、
前記第1の開口を規定する雌の流体コネクタ(22)であって、第1の配管が開口する雌のラジアル端(24)を終端とする内側フィッティング面(23)を有している雌の流体コネクタ(22)と、
前記第2の開口を規定する雄の流体コネクタ(25)であって、外面(26)を介して雌のコネクタへと装着され、雌のコネクタの内部に収納される雄のラジアル端(27)を終端とする雄の流体コネクタ(25)と、を有しており、
第2の配管が、雄のコネクタを真っ直ぐに貫いて、軸方向において前記雄の端部(27)を越えて押し込まれる柔軟なマイクロチューブから形成され、この第2の配管の自由端が、前記雌の端部(24)へと密封状態で押し付けられ、第1の配管と雄のコネクタとの間の死体積を最小にする流体接続装置(20)。
【請求項2】
雌のコネクタの前記内側フィッティング面(23)が、雄のコネクタの前記外面(26)と同じ円錐状にて前記雌の端部(24)へ向かって細くなり、雄のコネクタは、前記雄の端部(27)へ向かって細くなる、請求項1に記載の流体接続装置(20)。
【請求項3】
前記雄のコネクタ(25)および雌のコネクタ(22)が、両方とも、1986年のISO59461規格によって定められた「ルアー」式のコネクタ、または1998年のISO594−2規格によって定められた「ルアーロック」式のコネクタである、請求項2に記載の流体接続装置(20)。
【請求項4】
前記第2の配管(28)が、前記規格の一方または他方に従って雄のコネクタが雌のコネクタの内側の接続位置へと真っ直ぐに押し込まれたときに、2つのコネクタ(22および25)の前記それぞれの端部(24および27)を隔てている最小距離(dl)に少なくとも等しい軸方向の長さだけ、前記雄の端部(27)を越えて延びている、請求項3に記載の流体接続装置(20)。
【請求項5】
前記第2の配管(28)が、自身の円筒形の壁の周囲かつ自由端の付近に、前記雌のコネクタ(22)の内側において該第2の配管(28)を補強することができる補強手段(29)を備えている、請求項1から4のいずれかに記載の流体接続装置(20)。
【請求項6】
前記補強手段(29)が、少なくとも前記第2の配管(28)の剛性に等しく、好ましくは前記第2の配管(28)の剛性よりも大きい剛性を有する材料で作られ、前記第2の配管(28)へと固定することができるリングから形成されており、このリングが、例えばポリマー樹脂に基づいており、前記第2の配管(28)と前記雌のコネクタ(22)の前記円錐形の内側フィッティング面(23)との間に位置するように取り付けられている、請求項5に記載の流体接続装置(20)。
【請求項7】
前記第1の配管(21)を装備しており、当該第1の配管(21)が、血液マイクロサンプルの採取の目的のために小型の哺乳類の尾静脈へと埋め込まれる柔軟なカテーテルなど、前記液体の動物からの採取または動物への注入に適した柔軟なマイクロチューブである、請求項1から6のいずれかに記載の流体接続装置(20)。
【請求項8】
ラットまたはマウスの種類の哺乳類からの血液マイクロサンプルなど、採取すべき液体を含んでいる体(2)からの一連の液体マイクロサンプルを、連続的に採取するための自動サンプリングシステム(3)であって、
保存容器(8)へと運ばれるべき所定の量の液体を突発にて吸い上げるための蠕動ポンプなどの定量ポンプ(7)によって一体に接続された配管(4、5)の連続を有しており、
この配管(4、5)の連続が、前記体へと埋め込まれるように意図され、マイクロサンプルをポンプに向かって運ぶための接続装置(20)へと接続されているカテーテルの種類の第1の柔軟な配管(21)を含んでおり、
前記接続装置が、請求項1から7のいずれかに記載の接続装置である、自動サンプリングシステム(3)。
【請求項9】
前記ポンプ(7)を制御するためのコンピュータ支援の制御装置(9)へと接続されている、請求項8に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項10】
前記配管(4および5)の連続がほぼ一定の断面を有しており、これによって順次流れるマイクロサンプルのそれぞれが、これらの配管の最大の内部横断寸法の少なくとも5倍よりも大きい軸方向長さを占めて流れる、請求項8または9に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項11】
前記配管(4および5)の連続の断面の拡大が、これらの配管を順次流れるマイクロサンプルが空間および時間において不連続なパケットであり、特には30μl以下の体積を有するマイクロサンプルがこれらの配管において混ざり合うことが実質的にないよう、全て面積比に関して20%以下である、請求項8から10のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項12】
前記第2の配管(28)を形成している前記柔軟なマイクロチューブが、長方形断面の少なくとも1つの平坦部(4a)によって延長されており、この少なくとも1つの平坦部(4a)が、この部位を流れるそれぞれの液体マイクロサンプルによって放射される粒子であって、ベータ崩壊からもたらされる電子または陽電子などの粒子のカウントを最適化するために、これらの粒子の減衰を最小化するように設計されている、請求項8から11のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項13】
前記平坦部(4a)が、ほぼ矩形の断面を有しており、その長辺および/または短辺が、この部位が少なくとも部分的にほぼ凸状または凹状の外面を有するよう、相互に対称な曲率で湾曲している、請求項12に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項14】
前記平坦部(4a)が、20%未満、好ましくは5%〜10%の間の[内部の高さ(h)/内部の幅(l)]の比を有しており、ここで内部の高さおよび内部の幅はそれぞれ、ほぼ直交する2つの方向に沿って測定されるこの部位の最小および最大の横断寸法を表している、請求項13に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項15】
前記平坦部(4a)の流れの断面について、この平坦部に隣接するそれぞれの円筒形の部位の流れの断面に対する面積比が、35%以下である、請求項14に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項16】
平坦部(4a)の前記内部の高さ(h)が、500μm未満、好ましくは100μm〜200μmの間であり、隣接する円筒形の部位または隣接する円筒形の部位のそれぞれが、1mm程度の直径を有している、請求項15に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項17】
前記平坦部(4a)が、肉厚e(単位はμm)および密度d(単位はg/cm)を有しており、その積e×dが、カウント対象の粒子が電子または陽電子である場合に、それらの粒子のこの平坦部による減衰を最小限にするよう、100未満であり、好ましくは50未満である、請求項12から16のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項18】
前記平坦部(4a)が、ポリイミドに基づいており、例えば「Kapton」と呼ばれるポリイミドに基づいている、請求項17に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項19】
前記平坦部(4a)が、50μm未満、好ましくは30μm未満の肉厚を有している、請求項18に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項20】
前記平坦部(4a)が、この平坦部(4a)を流れるそれぞれの液体マイクロサンプルの前記粒子をカウントできる2組の検出器(6a)を、この平坦部(4a)の大きい方の面(6aa)に直面させ、かつこの平坦部(4a)の小さい方の面(6ab)を超えて延在させて備えている、請求項12から19のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項21】
前記検出器(6a)が、前記大きい方の面(6aa)に当接または近接して配置されている、請求項20に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項22】
前記配管(4、5)の連続が、下流の装置の受け止め壁に接触するマイクロノズルを形成するより剛な部位を終端としており、このマイクロノズルの端部の切断面が、前記受け止め壁に対して5°〜85°の間の角度をなしている、請求項8から21のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項23】
採取されるマイクロサンプルが、血漿および血球を含む哺乳類(2)の全血のマイクロサンプルであり、
前記コンピュータ制御の定量ポンプ(7)の上流に、
この全血に希釈された放射線追跡子によって放射されるベータ粒子をカウントするための装置(6)であって、やはりコンピュータ制御であり、シリコンダイオードなどの前記検出器(6a)の組を測定箱(6b)の内部に備えており、さらに電子処理/インターフェイスカードを備えているカウント装置(6)と、
検出器の読み出しならびにデータの取得および伝達のための電子モジュールと
を備えている、請求項20または21に記載の自動サンプリングシステム(3)。
【請求項24】
ラットまたはマウスの種類の哺乳類からの血液マイクロサンプルなど、採取すべき液体を含んでいる体(2)からの液体マイクロサンプルを、連続的に採取するための自動の方法であって、
これらのマイクロサンプルが、あらかじめプログラムされた体積のマイクロサンプルを採取するための信号を、コンピュータ支援の制御装置(9)によって請求項8〜23のいずれかに記載の自動サンプリングシステム(3)へとあらかじめプログラムされた瞬間tにおいて送信することによって、単調な時間関数に従って前記自動サンプリングシステム(3)によって連続的に採取され、
このようにして前記定量ポンプ(7)によって採取されたこれらのマイクロサンプルが、前記配管(4および5)の連続に沿って前記保存容器(8)まで空間的および時間的に続く方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−39513(P2009−39513A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−159311(P2008−159311)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(506423291)コミサリア ア レネルジィ アトミーク (85)
【Fターム(参考)】