説明

流体用コラプシブル容器

流体用のコラプシブル(畳める)容器が、カバーに気密的に取り付けられた軟質バッグ又はパウチから成る。容器は、平らに畳まれると共にあらかじめ滅菌されて気密包装された状態で得られ、この容器は、子供や乳児用の飲料壜に有用な一回使用の使い捨て容器であるのがよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を保持するために使用できる流体受け器、特に飲料容器、特に使い捨ての飲料容器に関する。
【0002】
本発明は特に、乳児及び小さな子供用の壜、特に使い捨て乳児用壜に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、空になったときには平らに包装(フラットパック)でき、あらかじめ滅菌状態で提供でき、容易に充填でき、使用後に使い捨てできる流体容器を提供する。特に、本発明は、これら望ましい特性を備えた乳児用壜を提供する。乳児及び子供用の飲料容器は典型的には、容器を充填したり清浄化できるように取外し可能な蓋を備え、飲むことができるようにする乳首を備える場合の多い剛性の容器である。これら容器は、多数回にわたって使用される傾向があり、使用毎にその前に滅菌を必要とする場合がある。容器は又、空になって使用されていない場合でも相当なスペースを取る。さらに、これら容器は、家庭以外の環境では容易に滅菌することができない。コラプシブル(畳める)容器が、例えば、独国実用新案第20202205号明細書で知られている。しかしながら、この容器は、使用中別個のスタンドを必要とすると共に取っ手の取付けのために別個のクリップを必要とし、又この容器は、これをいったん充填すると、内容物を保持するための弁又はシールを備えていない。さらに、この容器は、丸ごと使い捨てではなく、或いはその完全な形態でリサイクル可能ではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、一実施形態では、密封カバーに気密的に取り付けられた軟質バッグ又はパウチを有し、更に、カバーに逆止弁によって密封された容器の充填を可能にする開口部を備えた平らに包装された状態の排気されると共に(或いは)折り畳まれた容器を提供する。
【0005】
好ましい実施形態では、容器は、例えば図1Cに示す引きリング(ring pull)又は薄手のフィルムのシールを有する可変カバー密封システム及び(又は)図1D、図8、図9及び図10に示すように、物体を例えば内容物を飲むことにより容器から出すことができるようにする流体送り出しチューブ及びプラグ及び(或いは)キャップ/蓋を備えている。
【0006】
別の実施形態では、容器は、平らに包装するのに先立って滅菌され、更に別の実施形態では、容器は、好ましくは滅菌状態で、使用に先立って汚染の恐れを減少させるよう気密封止バッグ又はエンベロープ内に収納できる。バッグ又はエンベロープは有利には、容器及び内容物を紫外線に対して保護できる材料で作られるのがよい。
【0007】
本発明の好ましい容器は、軟質バッグ又はパウチと、別個のカバー蓋と、バッグ又はパウチを蓋のリングに気密的に取り付けることができるようにするバンド又はクリップとから成る。蓋のリムは、水を備えるのがよく、バンドは、この溝に嵌まって蓋のリム内に締まり嵌め状態でバッグ又はパウチの口を保持する。このように、バッグ又はパウチ及び蓋は、これらが実行する必要のある機能に応じて互いに異なる材料で作られるのがよい。追加的に又は代替的に、バッグ又はパウチをバンド又はクリップを必要としないで、溶接により蓋のリムに封着してもよい。バッグを蓋に封着する場合、バッグを蓋のベースにより提供される水平な表面に封着するのが好ましく、この実施形態では、バッグ又はパウチは超音波溶接により蓋に容易に封着できる。
【0008】
軟質バッグ又はパウチは、容器の予定用途に応じて任意のサイズのものであってよい。容器を小さな子供又は乳児用の飲料壜として用いようとする場合、容器又はパウチの容積は、年齢に応じて、そのインフレートされた形態では、少なくとも1ml、好ましくは50〜300mlである。特に乳児に関し、バッグの正確な容量は、必要とされる授乳量と関連があることが好ましい。他の用途及び他の状況に関し、容量は様々であってよい。バッグ又はパウチは、内容物の容積又は量の指標を備えるのがよい。バッグ又はパウチは、任意の軟質材料で作られたものであってよく、かかる材料は、容器の予定用途及び容器の受ける条件に応じて選択されるべきである。バッグ又はパウチを熱可塑性材料、例えばポリマーフィルム、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレン又はポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレートで作ることが好ましく、ポリプロピレンが好ましい。フィルムは、層状であるのがよく、このフィルムは、容器の予定用途について必要ならば表面被膜を備えるのがよい。バッグ又はパウチは、半透明であることが好ましく、内容物が見えることが好ましく、バッグ及び(又は)エンベロープも又、内容物の利用用途に応じて説明文又はイラストを更に備えるのがよい。また、バッグ又はパウチは、最高100℃までの温度に耐えることができ、温度計を備えるのがよいことが好ましい。
【0009】
バッグ又はパウチの開口端の周囲は、バッグ又はパウチをカバーの周囲に沿って嵌めることができ、そしてバンド/クリップ及び(又は)シール、例えば溶接部によってカバーの周囲にぴったりと保持できるようなものでなければならない。バッグ又はパウチを溶接によりカバーに取り付ける場合、バッグ又はパウチ及びカバーを同種の材料で作ることが好ましく、両方をポリプロピレンで作ることが特に好ましい。樹脂又は接着剤を材料の選択により本発明の幾つかの構成例で用いることができるが、これは好ましくない。
【0010】
カバーも又、容器の予定用途に応じて任意適当な材料のものであってよい。しかしながら、カバーは、容器がその設計対象の特定の液体を収容する場合、容器に強度及び健全性を提供するほど十分剛性であるべきである。好ましくは、カバーは熱可塑性材料のものであり、このカバーは、好ましく射出成形により作られる。特に、本発明者の所見によれば、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマーゴム又はポリアミドがカバーの特に有用な構成材料である。カバーを射出成形により作る場合、逆止弁又はシールをカバーに一体成形するのがよい。
【0011】
容器が乳児の授乳に用いられる本発明の好ましい実施形態では、容器は、乳首を備える。乳首は好ましくは、軟質材料、例えば合成ゴム、特にシリコーンゴム又は熱可塑性ゴム、例えばクラトン(Kraton)という商品名で市販されているスチレンイソプレンブロックコポリマーのものである。乳首は好ましくは、容器のカバー内に押しつぶされて、この乳首は、乳首に被せて配置されたプラグを取り外すことによりその使用可能な位置に解放できる。プラグを再配置することにより乳首をカバー内に再び押しつぶすことができる。このように、容器の残りの内容物を授乳が内容物の全てを用いない場合には固定するのがよい。また、乳首をこれに触ることなく再び押しつぶすことができ、かくして、実質的に滅菌状態の環境が保たされる。
【0012】
別の実施形態では、プラグの裏側は、プラグをカバーに当てたときに乳首の圧縮を容易にするリブ及びキャビティを備えている。別の好ましい実施形態では、プラグをカバーに所望の程度まで係合させ、プラグが、結果的に乳首への損傷をもたらす場合のある過剰係合をしないようにする停止部が設けられる。
【0013】
別の実施形態では、小さな突起をカバーの内側リングの周りに設けてカバーを組み付けたときにカチッという可聴音が生じてカバーのコンポーネントが完全に係合したことを示すようになっている。
【0014】
好ましい実施形態では、本発明の容器は、カバーシステムのベースに気密的に封着されたバッグ又はパウチを有する乳児用壜から成り、このカバーシステムは、バッグ又はパウチが固定されるバッグホルダと、ホルダに取外し可能に係合できるキャップとを有し、キャップとホルダは、キャップが乳首のベースをホルダ内に固定するようなものである。カバーシステムは、乳首をカバーシステム内に押し下げるようキャップに嵌着すると共に(或いは)キャップ内に嵌まり込むプラグを更に有する。このように乳首は、プラグを導入し又は外すことにより押しつぶされ又は使用状態にされるのがよい。別の実施形態では、ホルダは、バッグ又はパウチ内への物体の導入を可能にする開放装置を備えている。本発明者の好ましい開放装置は、ホルダに一体成形できる引きリングから成る。
【0015】
別の実施形態では、容器は、壜ホルダ及び(又は)ウォーマと共に使用できる。これは又、平らに包装されたものであり、容易に使い捨てできる材料、例えば厚紙で作られたものであるのがよい。ホルダ又はウォーマは、充填状態の容器を安全目的で及び(又は)内容物を温めるためにホルダ内に設けることができるようなものである。かかる容器のうち1つ又は2つ以上を本発明の1つ又は数個の平らに包装された容器のパッケージと一緒に調達できる。
【0016】
したがって、使用に先立って容器を組み立てることができ、バッグ又はパウチを排気すると共に(或いは)折り畳んで容器が平らに位置し、それによりコンパクトでスペースを節約し、すぐに使える容器が得られるようにするのがよい。容器を特に小さな子供や乳児のための飲料容器として用いる場合、容器を平らに包装するのに先立って滅菌するのがよい。別の実施形態では、本発明の真空包装という特徴の一部として、容器の滅菌状態を保つと共に任意的にバリヤ保護層状フィルムを用いて紫外線からの保護を行うために組立て状態の容器を例えば熱可塑性フィルム、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンフィルムで真空パックするのがよい。
【0017】
したがって、すぐに使える容器を平らに包装されたスペース節約モードで調達でき、かかる容器をあらかじめ滅菌し、これらの滅菌状態を保護するのがよい。すぐに使える容器を数個の容器入りのパッケージの状態で、例えば、ピクニック又は休日に役に立つ6個又は8個の容器入りパッケージとして調達できる。
【0018】
使用に当たり、容器を包装材から取り出し、所望の内容物を、逆止弁を通すかシールを取り外すかのいずれかにより容器内に導入するのがよい。次に、内容物入りの容器を例えば旅行の際、例えばピクニック等のために持ち運ぶことができる。内容物をいったん消費すると、容器を好ましくはリサイクルのために処分するのがよい。
【0019】
したがって、本発明の容器は、特に子供や乳児用の飲料容器として用いられる場合、以下の利点を有する。あらかじめ滅菌された容器を用いることにより、現行の労力のいる滅菌プロセス及び関連の装置が不要になる。容器は、小さく且つコンパクトであり、しかもスペースを取らない。充填状態の容器をマイクロ波で加熱でき、水で温めることができ、或いは、充填状態の容器を一例として絞り出したミルクを貯蔵するために深冷凍結できる。特定の実施形態では、容器を容器が所望の温度に達すると変色する材料で作るのがよい。飲むことができる液体を収容した軟質バッグ又はパウチの触ってソフトな感触は、飲む人、特に小さな子供に楽しさをもたらすことができる。加うるに、弁ホルダは、ユーザがこの部分も保持できるよう形作られたものであるのがよい。
【0020】
本発明の別の実施形態では、成分、例えば粉末、シロップ、ペースト、興奮性飲料、ドライフーズ、液体及び(又は)顆粒、特に粉末ミルク又は飲料香料を平らに包装するのに先立って容器内に入れるのがよく、その結果、所望の飲料を得るのに水だけを追加すればよいようになる。
【0021】
容器の壁は、軟質且つ非弾性であるべきである。「軟質」という用語は、材料がその使用厚さに関し、圧縮、押しつぶし、平らな包装、折り畳み、積み重ね、曲げ又はひねりからその元の形状及び形態を完全に回復できることを意味している。この意味の広い軟質という性質は内容物の一体性(又は結合性)を同時に維持する。非弾性により、容器は、その所望の容積を超えて拡張することはできないようになる。
【0022】
容器は、有利には、大量生産方法により製造される。有利には、容器は、幾つかの部分、即ち、バッグ又はパウチそれ自体、逆止弁又はシール(開放装置)、ホルダ(逆止弁ホルダ)、任意的にいたずら防止クリップ及び流体送り出しチューブ、カバー及び任意的にキャップ(プラグを収容できるキャップ)の状態で作られる。バッグ又はパウチは好ましくは、一端が溶接法により押し出されて封止され、このバッグ又はパウチは、ホルダ(弁ホルダ)及び逆止弁又はシールを嵌めることができる開口部を備える。変形例として、あらかじめ計量された成分、例えば粉末状ミルク又は出来合いの配合物を出荷に先立って容器内に入れる場合、バッグ又はパウチを開いたままにし、容器があらかじめ充填されるまで密封しないようにするのがよい。弁又はシールホルダを弁又はシールと同様、例えば医用又は食品用ポリプロピレンのような材料から射出成形するのがよい。真空を容器内に作るのがよく、容器を滅菌して真空パックし、それにより使用前の汚染を回避する。弁又はシールは一形態では、任意適当な材料で作られたものであってよく、弁又はシールは、軟質であり、迅速に元に戻ることが必要である。エラストマーが適しており、或いは、弁又はシールを剛性ゴムで作ってもよい。変形例として、別の形態では、逆止弁を図1Cに示すシールと同様、逆止弁ホルダと同一又はほぼ同一の材料で作るのがよい。別の実施形態では、弁は、弁を取り付けたとき、弁を回転させて図1Aに示すようにバッグ又はシールの内部への開放部を形成することができるようなものであるのがよい。図1Cに示すシール(開放装置)は、薄手のフィルム又は取り外すことができ又は穴あけできるホルダとほぼ同じ材料の形態で提供されるのがよい。これは、容器が使用前にあらかじめ充填される場合に特に有用である。図1Dでは、シール(開放装置)は、バッグの内部への開口部が得られるよう図1Cに示すように取り外されている。可変カバー密封システムのシール機能に取って代わるため、図10A及び図10Bの形態で示すような流体送り出しチューブ、キャップ/蓋及び(又は)プラグは、バッグの内容物に対するシール又はしたがって、回転、変位又は取外しによりバッグの内容物に接近できる開口部をもたらしてもよい。
【0023】
本発明者の好みによれば、バッグ又はパウチの側壁は、押し出し成形されてシームレスであるか薄手のフィルムであるかのいずれかであり、又本発明者の好みによれば、かかる側壁の厚さは、25μm〜150μm、より好ましくは40μm〜110μm、最も好ましくは約100μmである。これら肉厚は、バッグ又はパウチの折り畳み性、復元性及び柔軟性を保証する。また、本発明者の知見によれば、この厚さでは、壁は、インフレーション時に十分に強固であって非弾性である。
【0024】
弁ホルダは好ましくは、不撓性であり、容器を組み立てる際、逆止弁を弁ホルダ内に挿入することができ、そしてこの弁ホルダを押し出し成形され又は薄手のフィルム材料で作られたパウチ又はバッグ内に挿入し、それにより材料が非弾性であることにより弁ホルダの形状の周りに成形されてバンド又はクリップ、或いは溶接部により固定できる気密シールをもたらすことができる。変形例として、逆止弁をこの作業後に取り付けてシールを形成してもよい。容器がいたずらされないようにするため、締め付け及びはね防止を可能にするため、容器内へ増大した圧力を加えることができるようにするため、バッグ又はパウチの開口端部を隠すため、円形バンドであるのがよいいたずら防止クリップを弁ホルダの縁部を包囲して取り付けるのがよい。いたずら防止のクリップのサイズは好ましくは、定位置にあるときに張力をもたらす弁ホルダの直径よりも小さい。変形例として、いたずら防止クリップの機能は、ホルダ(弁ホルダ)自体の一体部分であってもよい(図3B参照)。
【0025】
本発明者の好みによれば、ホルダ(弁ホルダ)は剛性であり、その理由は、いたずら防止クリップは使用時に、取り付けられたときの容器の頂部周りに圧力を加えることができ、頂部は、張力を受けても撓まないことが望ましいからである。加うるに、剛性のホルダ(弁ホルダ)を用いることにより、側壁の形状は、その形状を一様に保持することができる。本発明の好みによれば、或る特定の箇所では円筒形であるが、長円形及び(又は)テーパ付きの形状が等しく望ましい。また、それにより、容器は、底部から引かれたときにその折り畳み状態では、放出された流体を受け入れ、一定の容積を維持できる。ホルダ(弁ホルダ)は好ましくは、流体送り出しチューブ、例えばマウスピースをバッグ又はパウチの頂部に容易に取り付けることができるように形作られる。代表的には、一例として、乳首、例えば乳児用のシリコン又はクラトン乳首が適している場合がある。
【0026】
本発明の好ましい容器が液体で既にあらかじめ充填されているわけではない場合、飲料の準備を図4である流れ図に示すような仕方で行うのがよい。押しつぶし状態のマウスピース(この例では、乳首である)を収容した蓋を回転させると、蓋をホルダから取り外すことができる。シール、例えば引きリング(シールに加えて乳首がホルダに係合するのを阻止している)を取り外してもよい。次に、バッグ又はパウチを選択された液体で所望の又はあらかじめ計量されたレベルまで充填するのがよく、液体は、他のあらかじめ混合された内容物を含むのがよい。代表的には、一例を挙げると、乳児に授乳するため、バッグは、液体として加えられるべき沸騰水と共に、計量された量の粉末ミルクを内部に有する。充填後、マウスピース付きの蓋をホルダ内に戻し、蓋の回転時に、ホルダのより剛性の高い材料の形状周りに成形されたマウスピース材料が可撓性なのでマウスピースはホルダに固定されることになる。マウスピースがカチッという可聴音によりユーザに分かる正確な位置にいったん位置すると、シールが形成される。流体送り出しチューブ/蓋機構が依然として密封位置にある状態で、内容物をゆすぶり、攪拌し混合し且つ(或いは)内容物の消費が必要になるまで所望の状態に単に置いておくのがよい(図4B参照)。消費が必要になったとき、蓋シールを回転により逆にするのがよく、そして蓋の取外し時に、マウスピースは、いつでも使用できる形状にそれ自体復元する。使用後、シールは、蓋をマウスピース上に位置決めし、下向きの力を加えながら蓋を回転することによりシールを再び確立するのがよい。本発明の別の好ましい実施形態では、キャップ/蓋内に位置する交換可能なプラグを用い、それによりキャップ/蓋がその固定位置のままであり、図10A及び図10Bに示すように取外し時に乳首を復元させる。これにより、本明細書において説明している容器を汚染及び(又は)内容物の放出を阻止した状態で後日使用できる。本発明のこの実施形態では、手でマウスピースに触る必要はなく、したがって、滅菌性が保たれる。加うるに、いったん定位置に固定したマウスピースは、漏れを阻止するほど強固なシールを形成する。容器が液体であらかじめ充填された状態で提供される場合、この実施形態では、引きリングの取外しが依然として必要であり、マウスピースを上述したように固定するのがよい。容器の内容物を温め又は冷やすことが必要な場合、弁ホルダの形状により、充填状態のバッグ又はパウチを水が図4Bに示すようにマウスピース又は蓋に触れることになる水中に沈めることができ、この場合も、マウスピース及び内容物の滅菌性が保たれる。容器の内容物の温度を変更する場合、容器のマウスピース/キャップ/プラグのうちの1つ以上及び(又は)引きリングの組合せ密封システムを密封状態にしておくことが好ましい。
【0027】
本発明の別の実施形態では、シールそれ自体が容器の内部に通じる開口部を形成できない場合、マウスピース/流体送り出しチューブは、シール機能を逆にできることが必要である。これは、図1Cのシールがまだ取り外されていない場合、このシールを穴あけするか、回転により又は下向きの圧力を取付け状態のマウスピースに加えて図1Bに示すように軟質逆止弁を押し戻すことにより突起を通る開口部を形成するかのいずれかによって達成できる。
【0028】
容器の組立て又は製造において樹脂又は接着剤を用いず、それにより容器の内容物の一体性が維持されるようにすることが好ましい。真空を容器内に生じさせるのがよく、次に容器を滅菌して真空パックし、それにより使用前の汚染を回避するのがよい。
【0029】
流体容器は、空の状態で使用し又は購入してもよく、或いは、流体容器を物質/流体が内部に入った状態で用い又は購入してもよい。いずれの場合においも、使用又は購入は、流体容器及び(又は)アタッチメントの個々のもの、多数の同じもの、或いは異なる配置の組合せであるのがよい。
【0030】
流体容器は、内容物の効率、品質及び一体性をどこでもいつでも向上させて維持する単一又は多数のシステム又は手順に用いることができる平らに包装され、滅菌状態であり、安価であり、汎用性があり、あらかじめ計量された包装形態の融通性のある組合せを提供する。容器は又、充填時、衝撃の際の破損に強い。
【0031】
添付の図面を参照して本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1Aは、開口部をもたらすよう回す蓋(2)に逆止弁(1)をどのようにして設ければよいかを示している。同様に、図1Bは、回して押し下げることができる弁(3)により開口部をどのようにもたらせばよいかを示している。図1Cは、引きリング(4)を用いた場合に特定の開口部(1)をどのようにしてもたらすことができるかを示している。
【0033】
図1Dは、マウスピース(例えば、乳首)(5)をキャップと共にどのように収納すればよいか、開口部をどのように設ければよいか、キャップを回すことによりマウスピースをどのようにして取り出してバッグ(6)の頂部に固定できるか、キャップ蓋又はプラグによりマウスピースをどのようにしてカバー内で圧縮してキャップ蓋又はプラグの取外しにより使用のための位置に変換できるかを示している。
【0034】
図2A及び図2Bは、逆止弁又はシール(8)を備えた容器(7)のホルダ(カバー)を示しており、バッグ又はパウチは、ホルダの下に押しつぶされているので図2Aでは見えない。しかしながら、図2Aは、バッグ又はパウチをホルダ(7)に取り付ける周方向バンド及び(又は)溶接部(9)を示し、図2Bでは、バッグ又はパウチ(5)は、ホルダー(7)に溶接されている。
【0035】
図2Aでは、容器は、流体送り出しチューブ(11)を更に有するのがよい不浸透性バッグ(10)により保護された状態で示され、図2Bでは、流体送り出しチューブ(11)は、折り畳まれてキャップ(12)内に一時的に固定されている。
【0036】
図3A及び図3Bは、インフレートされてホルダに取り付けられた軟質バッグ又はパウチ(12)を示している。パウチ又はバッグの溶接端部は、任意形状のものであってよいが、図3Aの記載の示すところによれば、容器を釣り下げることができるよう材料に穴が開けられている。代替的に又は追加的に、フラップが、掴むための余分の場所をもたらすのがよい。
【0037】
図4A及び図4Bは、どのようにすれば図2Bの容器から不浸透性バッグ(10)を取り外し、充填して温め、そしてマウスピースに触れないで又はこれとは違ったやり方でマウスピースを汚染しないで置いておくことができるかを示している。
【0038】
図5A及び図5Bは、図3A及び図3Bの容器の分解組立てバージョンである。
【0039】
図6は、容器をどのようにすればよちよち歩きの乳児用に形作ることができるかを示している。
【0040】
図7は、平らに包装された再生可能な乳児用壜スタンドを示しており、このスタンドは、バッグの薄いフィルム材料を図示のようにスタンドに取り付けた場合に容器及びその内容物を温め又は冷やすために使用できる。この設計では、ウォーマ/クーラの側壁は、折り畳み可能であるが、いったん立てて充填すると、乳児用壜/容器は、内容物を加熱し/温めるためにウォーマの頂部からぶら下がることができる。変形例として、平らに包装された再生可能な乳児用壜スタンドは、乳児用壜/容器を直立に置くために使用できる。
【0041】
図8は、バッグ又はパウチ(13)と、バッグを気密的に密着できるホルダ(14)と、キャップ(16)をホルダに係合させることによりホルダに固定できる乳首(15)とを有する本発明の好ましい容器の分解組立て斜視図である。プラグ(17)を乳首が使用されていないとき、キャップの頂部に取り付けて乳首(15)を圧縮するのがよい。次に、プラグ(17)を取り外すと、乳首が使用できるよう解除される。ホルダ(14)は、使用に先立ってバッグ又はパウチを密封する引きリング(図示せず)を備えるのがよく、この引きリングを取り外すと、所望の内容物をバッグ内に入れることができる。
【0042】
図9Aは、プラグ(17)をキャップ(16)上に配置することによりどのようにすれば乳首(15)を押しつぶすことができるかを示す略図であり、図9Bは、どのようにすればプラグを取り外すことにより乳首をいつでも使用可能な状態に配置できるかを示している。
【0043】
図10A及び図10Bは、図9A及び図9Bの略図の容器の外部を示す図である。
【0044】
コラプシブル流体容器は、多くのものの中の一例として、外出中のユーザのための飲料、例えばコーヒー又はお茶の準備及び消費を容易にするために使用できる。容器は、カウンタで又は自動販売機から購入でき、平らに包装された流体容器は、任意的にあらかじめ計量されたタイプのコーヒー、ミルク及び砂糖の混合物を収容でき、これに手で注ぎ込むことにより又は機械から注入することによりお湯又は沸騰水を追加することができる。逆止弁が内容物を密封した状態で、容器をゆすぶり又は攪拌して混合するのがよい。任意形態の流体送り出しチューブを使用できる。マウスピースは、内部の内容物(コーヒー)にいつでも接近できるようにし、或いは、単にひねり又は下向きの圧力を及ぼして逆止弁を逆にして内容物を放出させることができる。図1A、図1B及び図1Cに示すような逆止弁の設計により、液体は、要望があったときだけ出されることになる。こぼれは問題とはならず、側壁が軟質なので容器は、その形状を適合するよう成形することによって多くのスペース内に嵌まり込むことができる。
【0045】
きわめて高い耐熱性を必要とする場合、例えば沸騰水、いたずら防止帯の特性及び(又は)弁ホルダの形状を用いると、紙コップに用いられる断熱スリーブのやり方とほぼ同じやり方でユーザに対するやけど又は外傷を防止することができる。
【0046】
本発明の容器を主として乳児及び子供用の壜と関連して説明したが、これら容器は、スペースの節約、1回使用及び使い捨て性が必要な種々の他の用途で使用できる。例えば、これら容器は、軍事作業で、例えば宇宙旅行又は航空機による旅行のような旅行中、例えばウォーキングや山登りのようなスポーツ活動やレクリエーション活動において例えば飲料のような液体を提供するために使用できる。コラプシブル流体容器の使用の別の例は、経口投与されるべき薬剤の運搬、貯蔵及び消費並びに平らに包装されていて容易に貯蔵でき、使用に先立って持ち運びできる滅菌容器内にあらかじめ計量された物質を入れることができる獣医用途である。容器は又、油、塗料等を収容することができる。正確な流体送り出しチューブ、例えばブラシアタッチメント又はスポンジを用いることにより、例えば、ユーザは、所望の表面に塗布できる充填内容物入りの軟質パウチ又はバッグを握り締めることにより力を加えることができる。体積流量をバッグに加える圧力の大きさ及び逆止弁により得られる開口部のサイズにより制御できる。これについては、図1A、図1B及び図1Cを参照されたい。加うるに、適当な流体送り出しチューブを用いることにより、液体は、平らに包装された容器を満たすことができ、そして、この液体を処分するか又はサンプル採取のため、例えば、分析のための尿サンプルを採取するために持ち去ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明の一実施形態で有用な一形式の逆止弁を示す図である。
【図1B】本発明の一実施形態で有用な別の形式の逆止弁を示す図である。
【図1C】本発明の別の実施形態で有用な引きリングの形態をした代表的なシールを示す図である。
【図1D】代表的なマウスピースと蓋の形態及び相互作用を示す図である。
【図2】分図2A及び2Bは、本発明の平らに包装された包装容器を示す図である。
【図3】分図3A及び3Bは、図2A及び図2Bの容器(図2B及び図3Bのマウスピース及び蓋を含む)を液体を収容したインフレート形態で示す図である。
【図4A】図2B及び図3Bの容器をどのようにすれば使用できるかを示す図である。
【図4B】図2B及び図3Bの容器をどのようにすれば使用できるかを示す図であり、更に、ホルダの形状がどのようにすれば水ホルダ上に座り又は引っ掛かることができるかを示す図である。
【図5】分図5A及び5Bは、容器の構成部品(図5Bのマウスピース及び蓋を含む)及びこれらの組立て方法を示す分解組立て図である。
【図6】容器をどのようにすればよちよち歩きの乳児用に形作ることができるかを示す図である。
【図7】平らに包装された再生可能な乳児用壜スタンドを示す図である。
【図8】バッグ又はパウチと、バッグを気密的に密着できるホルダと、キャップをホルダに係合させることによりホルダに固定できる乳首とを有する本発明の好ましい容器の分解組立て斜視図である。
【図9A】プラグをキャップ上に配置することによりどのようにすれば乳首を押しつぶすことができるかを示す略図である。
【図9B】どのようにすればプラグを取り外すことにより乳首をいつでも使用可能な状態に配置できるかを示す図で或る。
【図10A】図9Aの略図の容器の外部を示す図である。
【図10B】図9Bの略図の容器の外部を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密封カバーに気密的に取り付けられた軟質バッグ又はパウチを有し、充填を可能にする開口部及び容器の密封を可能にするシール、例えば逆止弁を更に備えた、平らに包装された状態の排気されると共に(或いは)折り畳まれた容器。
【請求項2】
前記逆止弁の前記シールを、以下の技術、即ち、
i)前記逆止弁機構それ自体、
ii)前記逆止弁を穴あけし又は変位させる流体送り出しチューブ、又は
iii)前記逆止弁の取外し
のうちの1つ又は2つ以上により物体を前記容器内に出し入れできるよう逆にすることができる、請求項1記載の容器。
【請求項3】
平らに包装するのに先立って滅菌される、請求項1又は2記載の容器。
【請求項4】
気密封止包装状態で密閉されている、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項5】
軟質バッグ又はパウチと、別個のカバーと、前記バッグ又はパウチを前記カバーのリムに気密的に取り付けることができるバンドとから成る、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項6】
互いに溶接された軟質バッグ又はパウチと別個のカバーとから成る、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項7】
前記容器の容量は、そのインフレートされた形態では、50〜300mlである、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項8】
前記容器の容量は、そのインフレートされた形態では、少なくとも1mlである、請求項1〜6のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項9】
前記バッグ又はパウチは、熱可塑性材料、例えばポリマーフィルム、例えばポリオレフィン、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレン又はポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート若しくはポリブチレンテレフタレートで作られている、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項10】
前記バッグ又はパウチは、半透明である、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項11】
前記バッグ又はパウチは、内容物が見えるようなものである、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項12】
前記バッグ又はパウチは、あらかじめ印付けられた容量標識を備えている、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項13】
前記バッグ又はパウチの前記側壁は、押し出し成形されると共にシームレスであるか薄手のフィルムであるかのいずれかである、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項14】
前記バッグ又はパウチの前記側壁の厚さは、25μm〜150μmである、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項15】
前記カバーの位置は、所望の容積を定める、請求項1〜14のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項16】
最高100℃までの温度に耐えることができる、請求項1〜15のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項17】
前記カバーは、前記容器が前記容器の設計対象の特定の液体を収容しているとき、前記容器に強度及び健全性をもたらすほど十分剛性である、請求項1〜16のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項18】
前記カバーは、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマーゴム又はポリアミドで作られている、請求項17記載の容器。
【請求項19】
流体送り出しチューブを取り付けることができる、請求項1〜18のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項20】
前記流体送り出しチューブは、マウスピースである、請求項1〜19のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項21】
あらかじめ計量された成分を収容している、請求項1〜20のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項22】
前記あらかじめ計量された成分は、粉末、シロップ、ペースト、興奮性飲料、ドライフーズ、液体及び(又は)顆粒を含む、請求項21記載の容器。
【請求項23】
前記あらかじめ計量された成分は、粉乳である、請求項21又は22記載の容器。
【請求項24】
前記あらかじめ計量された成分は、液体、油又は塗料である、請求項1又は22記載の容器。
【請求項25】
前記液体は、滅菌水である、請求項24記載の容器。
【請求項26】
温度計を備えている、請求項1〜25のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項27】
経口投与されるべき薬剤を収容している、請求項1〜26のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項28】
ホルダに気密的に封着されたバッグ又はパウチを有する容器であって、前記ホルダは、キャップに解除自在に係合するようになっており、前記キャップは、前記バッグ又はパウチの内容物のための送り出し機構を有し、前記ホルダは、キャップを取り外すことにより露出させてちぎることができ、それにより物体を前記バッグ又はパウチ内に導入できるようにする前記バッグ又はパウチ用密封機構を有し、前記キャップは、前記送り出し機構を構成するよう前記ホルダ内に戻すことができる、容器。
【請求項29】
前記送り出し機構は、乳首である、請求項28記載の容器。
【請求項30】
前記キャップに解除自在に係合できるプラグが用意されている、請求項28又は29記載の容器。
【請求項31】
前記プラグは、取り付けられると前記乳首を圧縮し、取り外されると前記乳首を放してこれを使用できるようにする、請求項30記載の容器。
【請求項32】
前記密封機構は、引きリングから成る、請求項28〜31のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項33】
前記キャップは、前記送り出し機構を定位置に固定する仕方で前記ホルダと係合可能である、請求項28〜32のうちいずれか一に記載の容器。
【請求項34】
前記キャップは、ねじ山によって前記ホルダに係合可能であり、前記キャップを前記ホルダに係合できる程度を制御する停止部が、前記ホルダに設けられている、請求項33記載の容器。
【請求項35】
請求項1〜34のうちいずれか一に記載の平らに包装された容器を複数個収容したパッケージ。
【請求項36】
充填状態の前記容器のための1つ又は2つ以上のホルダを更に収容している、請求項35記載のパッケージ。
【請求項37】
前記ホルダは、折り畳まれている、請求項36記載のパッケージ。
【請求項38】
液体/流体の準備及び(又は)消費のための請求項1〜34のうちいずれか一に記載の容器の用途。
【請求項39】
液体/流体の処分のための請求項1〜34のうちいずれか一に記載の容器の用途。
【請求項40】
液体サンプルの補集及び(又は)運搬のための請求項1〜34のうちいずれか一に記載の容器の用途。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9AandB】
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【図10AandB】
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【公表番号】特表2007−536961(P2007−536961A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512096(P2007−512096)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005136
【国際公開番号】WO2005/107680
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506377617)エラン ヴァイタル (ユーケイ) リミテッド (1)
【Fターム(参考)】