説明

流体移送システムおよび方法

本発明は、リザーバ(2)から、典型的にはノズルである送達装置まで流体を移送するための流体移送システムおよび方法に関する。本発明は特に、リザーバ(2)から1つまたは複数の燃焼機関(1)の排出システム(4)内に配置されたノズル(5)に、高精度に計量された量の尿素を移送することに関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体をリザーバから、典型的にはノズルである送達装置に流体を移送するための流体移送システムおよび方法に関する。本発明は特に、リザーバから1つまたは複数の燃焼機関の排出システム内に配置されたノズルに、高精度で計量した量の尿素を移送することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明概論
尿素を、燃焼機関から流れる排ガス中に、および触媒システム中に導入すると、NOxガスを変換する触媒成分の能力の効率が著しく増加する可能性があることが見い出されている。尿素はそれ自体では、環境に対し比較的無害であり、燃焼機関に導入される量は過剰注入される可能性があるが、そのような尿素の消耗は移動媒体に技術がしばしば適用され、そのような消耗は尿素が正確に注入された場合に実際に必要とされるものより大きな貯蔵能力を必要とするので、しばしば望ましくない。
【0003】
必要とされる量の尿素を排ガスに導入することのみが必要である。さらに、尿素は液滴噴霧として排ガス中に最も効率的に導入され、これには典型的には、尿素が加圧され、ノズルに供給されることが必要である。
【発明の開示】
【0004】
発明の簡単な説明
本発明の目的は、リザーバからノズルへの流体の効率的な制御可能な送達を提供する流体移送システムおよび方法を提供することである。
【0005】
このように、第1の局面では、本発明は好ましくは、リザーバから受容装置、好ましくはノズルまで流体を移送するための流体移送システムに関し、この流体移送システムは、
リザーバから流体を受容し、流体をシステムを通じて移送するように適合され、および/またはリザーバから受容装置まで移送される流体の量を測定するスルーフロー装置と、
受容装置の上流、好ましくはスルーフロー装置の下流に配置された制御可能な遮断弁と、
少なくとも遮断弁の状態を制御する制御ユニットと、
を含み、
制御ユニットは、
受容装置に供給される流体の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)より高いように、および/または
送達される量が要求に対応するように、
制御弁の状態を制御するために適合される。
【0006】
スルーフロー装置は好ましくは、注入ポンプ、ポンプ、測定ユニット、測定ポンプ、またはそれらの組み合わせを含み、またはそれらである。
【0007】
この文脈では多くの用語が使用される。これらの用語はその普通の意味で使用されるにしても、それらの用語のいくつかについてさらに例示的な説明を提供する。
【0008】
送達量の動的誤差:送達流体に対する要求が時間と共に変動すると動的誤差が起こり、これはある量が送達される時と送達されるべき時との間の遅延により引き起こされる。遅延は典型的には流体送達システムの弾性、信号などの制御および/または感知の実行における遅延による。動的誤差は予め規定された時間中の所望の量と実際に送達された量との間の差の最大値として規定してもよい。動的誤差は累積されない。
【0009】
送達量の累積誤差:送達量の累積誤差は、典型的には時間で調節していない誤差として規定される。
【0010】
注入ポンプ:制御ユニットからの電気信号により制御される正確な量の液体を送達するユニットであり、高圧に対してそのようにすることができる。
【0011】
ポンプ(pポンプ):高圧に対し制御されていない液体流を送達するユニット、または高圧を維持できるユニット。
【0012】
測定ユニット:流量または圧力に影響せずに、液体の流量についての情報(最もしばしば、電気信号として)を提供するユニット。
【0013】
測定ポンプ:ポンプおよび測定ユニットの組み合わせ。
【0014】
スルーフロー装置:リザーバから流体を受容し、流体を移送するように適合され、および/またはリザーバから受容装置に移送される流体の量を計量する装置。
【0015】
要求:送達すべき量。要求は例えば、リットル/時間[l/h]で表された即時要求または例えば時間[h]で表される間隔にわたって累積される要求であってもよい。
【0016】
送達:送達すべき量。送達は例えば、リットル/時間[l/h]で表された即時送達または例えば時間[h]で表される間隔にわたって累積される送達であってもよい。
【0017】
本発明は好ましくは、少なくとも2つの流体注入法を含む(さらなる方法は後で説明する)。第1の方法は下記のように要約してもよい。
【0018】
1.注入ポンプの使用:そのような態様では、注入ポンプは非常に正確に要求された量を提供し、したがって、注入ポンプは要求に対応する送達を提供するように制御される。流体の加圧は好ましくは注入ポンプの下流に配置された流体バッファおよびバッファの下流に配置された遮断弁の組み合わせにより得られる。
【0019】
第2のものは測定ユニットの使用に基づく。そのような態様では、流体はいくつかの様式で加圧され;典型的には、流体はリザーバに加圧して保存され、またはポンプにより加圧される。要求は典型的には規則的な間隔で表され、ある間隔で送達されるべき総量は間隔の開始時の要求(l/h)に間隔の長さ(時間)をかけたものに等しいと典型的には推定される。注入ユニットの使用は下記のように要約してもよい。
【0020】
2a:流体の送達は、1時間あたりの送達量に遮断弁の開口時間をかけたものを提供する関数関係から推定することができる。そのような関係から、ある間隔における時間、弁は要求を満たすために開いていなければならない。送達中、実際に送達された量が測定ユニットにより測定され、推定送達量と実際の送達量との間に相違が見いだされれば、遮断弁の開口時間を決定するアルゴリズムにフィードバックがなされ、相違が考慮される。
【0021】
2b:実際の送達は送達中に測定される。ある間隔での要求が満たされると、遮断弁は閉じられる。
【0022】
上記概要は例にすぎず、これら2つの変動が起こり、そのため、それらは、狭い意味で解釈されるものではないことに注意すべきである。しかしながら、それらは本発明に対する骨組みを示すと考えられる。例えば、本発明によるいくつかの態様では、測定ユニットおよび加圧ユニットは互いに統合される。
【0023】
以下で明らかになるように、ポンプはいくつかの態様では、タンクから受容した流体を加圧する。しかしながら、いくつかの他の態様では、システムはタンクから加圧流体を受容し、そのような態様では、ポンプは必要ないと思われる。
【0024】
本発明は第2の局面では、好ましくは流体をリザーバから受容装置、好ましくはノズルに移送する方法に関し、流体移送システムは、
リザーバから流体を受容し、流体をシステムを通じて移送させるように適合され、および/またはリザーバから受容装置まで移送される流体の量を測定するスルーフロー装置と、
受容装置の上流、好ましくはスルーフロー装置の下流に配置された制御可能な遮断弁(9)と、
少なくとも遮断弁の状態を制御する制御ユニットと、
を含み、
方法は、
受容装置に供給される流体の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)より高いように、および/または
送達される量が要求に対応するように
遮断弁の状態を制御する工程を含む。
【0025】
また、これに関連して、スルーフロー装置は好ましくは、注入ポンプ、ポンプ、測定ユニット、測定ポンプ、またはそれらの組み合わせを含み、またはそれらである。
【0026】
ある要求を満たすように遮断弁を制御するのは好ましくは、測定ユニットから最小動的誤差および訂正信号を得、累積誤差を避けるために弁を制御するためのアルゴリズムを変更するためのシステム特性に基づく遮断弁の直接制御に基づいて実行される。
【0027】
本発明、および特にその好ましい態様について以下、添付の図面を参照して詳細に記載する。
【0028】
発明の好ましい態様の詳細な説明
図1は燃焼機関1、典型的にはディーゼルエンジンと、尿素の液体溶液を保持するタンク2(AdBlueの商標名でも公知)と、触媒系3とを含む燃焼システムを示す。エンジン1のの排ガスは排出管4により触媒系3に接続される。燃焼システムはさらに、タンク2に接続される流体移送ユニット6(広く、「スルーフロー装置」と称される)に接続されたノズル5を含む。流体移送ユニット6は尿素の液体溶液を受容し、これをノズル5に、少なくともある程度触媒系での尿素の要求を満たす量で提供する。
【0029】
図2は尿素を燃焼機関の排出システムに導入するための、流体移送ユニット(図1の6)のアーキテクチャの概略図である。図1で要素を指定するために使用されるのと同じ符号が、図2の同様の要素を指定するために使用される。図2に示されるシステムアーキテクチャは、尿素をバッファ8にポンピングおよび注入するために、タンク2に対する入口に接続された注入ポンプ7を含む。バッファ8はノズル5に接続された遮断弁9を介する。
【0030】
図2による態様の注入ポンプ7は、流体を加圧し、制御可能な変動流速、そのため制御された送達を発生させるポンプである。これは、実際の流速が非常に正確に制御できることを意味する。注入ポンプ7により送達される流速の精度は典型的には、送達がフルスケール送達の10%より大きいと、フルスケール送達の+/-1%より低い。その量より低いと、精度は、注入ポンプ7が提供するように設定された量である読み取り値の+/-10%より低い。注入ポンプはモーター制御ユニット11により制御され、これは尿素に対する実際の要求を表す入力を受容し、モーター制御ユニット11は注入ポンプがこの実際の要求をポンピングするように設定する。
【0031】
図2のシステムの異なる機能をより視認可能なものにするために、モーター制御ユニット11および遮断弁制御ユニット10をシステムの異なる要素として示す。しかしながら、これらの2つのユニットは単一のユニットに組み立ててもよい。基本的には、2つのユニットは下記2つの目的を果たす。
【0032】
- モーター制御ユニット11は、エンジンの状態を規定するパラメータ、例えば負荷およびrpmに基づき、尿素に対する実際の要求を規定し、要求の信号を注入ポンプ7に送る。注入ポンプ7は、尿素に対する実際の要求を満たすある量の尿素を測定する普通の注入ポンプであってもよく、計量された量の尿素を、ノズルが計量した尿素を噴霧するのに十分な圧力レベルまで加圧してもよい。
【0033】
- 遮断弁の状態を制御する遮断弁制御ユニット10は、すなわち、バッファ8における測定流体の圧力に基づき、閉から開、またはその逆に遮断弁状態を変化させ、同時に、遮断弁が開かれている期間の所望の配分を提供する。
【0034】
システムの部品は全て、統合して単一のユニットとしてもよい。しかしながら、タンクおよびノズルは典型的にはシステムの統合部品ではなく、そのため、システムは例えばトラックの適当な場所に配置してもよい。
【0035】
ノズル5は、ノズル5に供給された流体の圧力がしきい値Pmaxを超えた場合直ちに、噴霧流体を提供するノズルである。しきい値を超えた場合、噴霧される流体の量は、注入ポンプ7により提供される流体の量に等しくなる。しかしながら、しきい値未満だと、ノズルに向かって流れる流体の量が少なすぎて、しきい値を超える圧力まで蓄積することができないので、ノズル5は流体を全て噴霧することができない。
【0036】
これが起こると、遮断弁9は下記で開示した様式で流体がノズル5に送られるべきかどうかを制御する。典型的な適用では、噴霧される流体の量は、噴霧される流体の最大量の例えば0.1%〜100%の範囲であり、そのような間隔にわたる連続流動流体の噴霧は典型的には実現可能と考えられない。
【0037】
遮断弁9は、それに向かってポンピングされた流体の圧力が最大圧力限界Pmax(図3)を超えた場合開き、圧力が最小限界Pminより低くなった場合閉じる。Pmaxは典型的にはPminより5%高く、Pminはノズル5に供給された流体がノズル5により噴霧されることを確保することができるレベルである。その圧力レベルより低いと、ノズル5は噴霧することができる可能性があるが、一般に確かなものとすることができず、これは、噴霧はノズルを横切るあるレベルの圧力差を必要とするからである。このように、注入ポンプ7からの流速が小さすぎてPminを超える圧力を提供できない場合、遮断弁は閉じ、注入ポンプ7が十分な流体をポンピングし、圧力が増加してPmaxを超えるまで閉じたままである。圧力がPmaxを超えた場合直ちに、遮断弁9が開き、流体がノズル5を通じて流れる。この流動中、噴霧される量は注入ポンプ7により送達されるものより高く、そのため、圧力はPminまで降下し、ここで、弁が閉じ、圧力増加が再び開始される。この手順により、時間平均で噴霧される流体の量は注入ポンプ7により送達される流体の量に等しい。
【0038】
図3について説明すると、この図は3つの異なる噴霧型、大流(図3a)、中流(図3b)および小流(図3c)を示す。図3aに示されるように、遮断弁9の入口で測定した流れの瞬間圧力は、しばらくすると、絶えず限界PmaxおよびPminより高い。要求が減少した場合、注入ポンプ7によりポンピングされる流体の量は減少し、その結果圧力が減少する。圧力はPminまで減少し、減少がPmaxより高いレベルから起こる限り、Pminより高いレベルで一定のままとすることができる。要求が非常に大きいまたは例えば、ノズル5が詰まると、圧力は、注入ポンプ7が流体をポンピングするのを中止するが、遮断弁9が開いたままである安全限界Phighに到達するまで増加する可能性がある。
【0039】
噴霧流体に対する要求が中流である場合、噴霧は図3bで開示された型に入る。この型では、遮断弁9の入口で測定された圧力は一例ではPmaxより低く、そのため遮断弁9が閉じられ;ここでは、遮断弁は開かれていない、すなわち、遮断弁が閉じられているレベルからその状態に到達されたと仮定される。遮断弁9が閉じられており、注入ポンプ7が依然としてポンピングしているので、流体はバッファ8中に累積し、バッファ8は弾性部材であるので、その中で流体の累積が起きると、遮断弁9の入口での圧力が増加することになる。この圧力増加は、注入ポンプ7がポンピングし、遮断弁9が閉じたままである限り続く。圧力がPmaxに到達した時点で、遮断弁9が開く。遮断弁9が開くと、流体がノズル5に向かって流れる。遮断弁9に向かって流れる流体は注入ポンプ7によりポンピングされる流体およびバッファ8の体積変化の組み合わせである。バッファ体積の減少効果は、図3bで、「流入なしの圧力降下」と表される点線で示される。注入ポンプ7によりポンピングされる流体の量は、図3bで示される型では、圧力をPminより高く維持するには不十分であり、圧力がPminまで降下すると直ちに、遮断弁9が閉じ、ここで、バッファ8内での流体の累積が開始した後、再び、圧力が増加する。このサイクルは、流体に対する要求が変わらない限り続く。明らかなように、この型のノズル5を通る流れは、パルス化され、各パルスの長さは、Pmaxで遮断弁が開いてからPminで遮断弁が閉じるまでの時間である。
【0040】
最小流型の概略を図3cに示す。図3cに示されるように、圧力は、遮断弁9が流体をノズル5まで流すために開く圧力であるPmaxの限界に到達しない。流体を噴霧するために、遮断弁9がある間隔、典型的には一定間隔で強制的に開かれる。遮断弁9が閉じられる時間が図3cにおいて「設定時間間隔」により示され、その長さが送達のためではない最大許容時間として予め選択される。パルスの時間長は図3cにおいて、「パルス時間」として示される。この最小流型のサイクルは2つの相を含む。第1の相は(例えば)圧力がPminとなり、遮断弁9が閉じると始まる。注入ポンプ7がポンピングを続けるので、中流型で上記で開示したように圧力が増加する。設定時間間隔をすぎると、遮断弁9が強制的に開き、流体がノズル5に向かって、およびノズルから流れるので、圧力がPminに到達するまで減少する。この遮断弁の強制開口を利用することにより、2つの相の間の時間間隔を、圧力がPmaxまで増加するのをまたなければならない場合より低く維持することができ、2つの相間の間隔を低く維持することができるので、例えば、流動排ガスにおいて尿素の均一な送達が提供される可能性がある。2つの相間の時間間隔の長さは典型的には予め選択され、典型的には実験を実施することにより見いだされる。
【0041】
様々な流動型、高、中および最小が、PmaxおよびPminを選択することにより、ならびに「設定時間間隔」の長さを選択することにより規定される。これらのパラメータの実際の値は、実際のノズル構造にしたがい選択される。典型的な態様では、Pmaxは8.4barに選択され、Pminは8.1barに選択され、「設定時間間隔」は1または数秒に選択される。そのような態様では、ノズル5に供給される流体の最小量は約0.010l/hであり、バッファ8の可撓性は160mm3/barである。
【0042】
遮断弁9の開閉は図2において接続部12により示されるように、弁制御ニット10から電磁的に制御される。接続部12は遮断弁9に電気信号を転送する。
【0043】
バッファ8は、遮断弁9が動作する周波数を、バッファ8がシステムに組み入れられていない場合よりも減少させることができる効果を提供する可能性がある。
【0044】
遮断弁9が閉じられ、注入ポンプ7が流体をポンピングする場合、流体移送システム内の圧力は増加する。流体は非圧縮性であると考えられ、遮断弁9が開くと直ちに、流体移送システム内の圧力は、バッファ8が組み入れられておらず、注入ポンプ7がポンピングしていない場合、ほとんど瞬間的にノズル5の外側のレベルまで降下する。しかしながら、バッファ8が弾性部材であれば、バッファ8の体積の収縮により、流体移送内の圧力がずっと長い期間Pminより高く維持され、このように2つの連続した遮断弁9の開口の間の時間は、遮断弁9の十分の寿命を確保するのに十分長いものとすることができる。弁寿命予測を改善する他に、バッファによりずっと遅い(このように、より安い)弁を使用することができる。バッファが大きすぎると、許容できない動的誤差が導入される可能性がある。
【0045】
圧力センサ13はバッファ8内の圧力を測定する。測定した圧力は遮断弁9の状態(開閉)を制御するために使用され、測定した圧力は弁の入口で測定した圧力であるかのように使用される。測定した圧力は接続部14を介して制御ユニット10に信号で伝えられる。
【0046】
遮断弁9からノズル5までの接続部15は十分剛性であり、遮断弁9が開くと直ちに、接続部内の圧力増加が実質的に接続部15の変形につながらないように保証される。他方、接続部が実質的に剛性ではない場合、遮断弁9の開口により、接続部15が膨張し、遮断弁9の出口から流れる尿素の量が実質的に瞬時に、流体移送システムに誤差を導入するものと通常考えられるノズル5から流れる量に等しくなることはない。適した剛性を提供するため、接続部15は典型的にはステンレス鋼製のラインである。接続部15の剛性により、遮断弁の遮断が十分速く実施されると、流体がノズルから流れないので、ノズルの出口で形成される液滴を最小に抑えられる。他方、接続部15が十分剛性でない場合、遮断弁が遮断すると直ちに接続部が収縮し、流体がノズルから押し出され、液滴がノズルの出口で形成される。そのような液滴は結晶化する可能性があり、結果的に、ノズルが詰まる。そのような剛性接続部は本発明の全ての態様に適用してもよいことに注意すべきである。
【0047】
図4は本発明の第2の態様を概念的に示す。注入ポンプ送達が実質的に実際の要求に等しく、バッファおよび弁での流体の蓄積の組み合わせにより加圧される第1の態様とは対照的に、図4のシステムにはポンプ17から、または加圧タンク18から、一定圧(流量に関係なく限界内)の液体が供給される。送達量に関する情報を提供する測定ユニット19は、実際の送達量を測定する。モータ/弁制御ユニット20は、システム特異パラメータ、例えばノズル定数、バルブ特性、ノズル前の流体圧力などに関連して尿素に対する実際の要求に従い、典型的に遮断弁9を動作させ、および好ましくはPMW(パルス幅変調)様式でパルス化させる。このように、モータ条件により要求される流量変化は非常に迅速にノズル5を介して提供され、このように、非常に小さな動的誤差が得られる。接続部21を介する測定ユニット19からの信号が、累積誤差を最小に抑えるために、遮断弁9のPMWを変化させるための情報を提供する。
【0048】
図5は測定ユニットおよびポンプが結合されて単一ユニット22とされた、図4のシステムの改良型である。
【0049】
下記図(6、7、8、および9)では、図4および図5に対応するポンピングおよび測定機能のための異なる態様が示される。全ての態様が、いくつかある可能性の中で特に、迅速な応答(小さな動的誤差)および高い精度(小さな累積誤差)を提供する可能性を有する。
【0050】
図6は図4に対応するシステムの1つの態様である。この態様では、移送システムは加圧流体を含むタンク18を備える。また、タンク2は大気圧の流体を含んでもよく、ポンプ17は加圧を提供してもよい。タンク18またはポンプ17の出口では、測定ユニットに接続された出口を有する弁23が提供される。測定ユニットは膜25に取り付けられ、その上で作用するピストン24を備える。図6に示されるように、ピストン24の動き、したがって膜25は、相対的に取り付けられるハウジングに限定される。ピストン24はバネ26により膜25に向かって偏る。測定ユニットの出口では、注入条件で、上記で図4に関し説明したように作用する遮断弁9が提供される。非注入条件では(ピストン24が後方に移動し液体が測定ユニットに流れ込む)、遮断弁9が閉じられなければならない。弁9および23はどちらも電磁弁である。遮断弁9が閉じると直ちに、弁23が開き、弁23を通って流れ、膜上で作用する流体からの力は、バネ26から得られるピストン24に対する力より大きく、バネ26が圧縮され、ピストン24はハウスに対向することにより止まるまで移動される。この最終位置はセンサ27により検出され、これを介して接続部21により、信号が制御ユニットに送られ、制御ユニットが弁23を閉じ、遮断弁9の動作を開始させる。この動作中、バネ26からのバイアス力がピストン24を反対方向に移動させ、これにより、圧縮流体が測定ユニットにおいて遮断弁9に向かって蓄積する。
【0051】
図6の流体移送システムを下記の様に使用する。最初に、遮断弁9を閉じ、弁23を開く。弁23が開くと直ちに、膜25およびピストン24がバネ26からのバイアス力に逆らって移動する。弁23は、ピストン24がバネ26の圧縮がさらには起こらない、その底位置に到達したことを変位センサ27が検出するまで開いたままである。ピストンがその底位置に到達すると直ちに、センサは信号を制御ユニット20に送る。その後、弁23が閉じられ、遮断弁9が開き、ピストンがその最上位置に到達するまでPMWモードで動作する。センサ27はこの信号を制御ユニット20に送る。ピストン24の変位が送達された尿素の量に対応するので、送達量はピストン24の最上または最低位置を表す信号を記録することによりモニタすることができる。ピストン24がその最上位置に到達した時点で、遮断弁9が閉じ、弁23が開き、サイクルが繰り返される。
【0052】
また、この態様は、上記態様に関連して開示されたように1つのユニットに組み立ててもよい。
【0053】
図7は図5に対応するシステムの1つの態様を示す。この態様では、結合させたポンプ/測定ユニットが流体の加圧を実行し、制御ユニット20に送達された量についての情報を提供する。また、移送システムは弁23を介してポンピング/測定ユニット22に接続されたタンク2を備える。しかしながら、この態様では、弁23は1方向弁であり、別の1方向弁28がポンプ/測定ユニットの出口に配置される。この態様のポンピングはまた、ピストン24、膜25およびバネ26を含む。ピストン24、膜25およびバネ26のアセンブリはサブピストン29にスライド可能に取り付けられる。サブピストン29は連接棒30を介してクランク31に結合され、そのため、クランク31が回転すると、サブピストン29の往復変位が得られる。ピストン24はサブピストン29の往復変位に従う傾向がある。しかしながら、ピストン24がサブピストン29内にスライド可能に配置され、バネ26により偏るので、ピストン24の変位はサブピストン29の変位とは異なる。
【0054】
また、この態様では、移送システムには、ピストン24とサブピストン29との間の相対移動における最終位置を感知するセンサ27が備えられる。別のセンサ32はクランク31の上部デッド位置を感知するために配置される。
【0055】
サブピストン29をその下方位置に移動させると、ピストン24は、バネ26が完全に拡大した時点で、この変位に従う。これにより、膜25上方の圧力が減少し、弁23が開き、弁28が閉じ、これにより、流体がタンクから引き出され、ポンプ/測定ユニットに引き込まれる。その後、サブピストン29がその上方位置に向かって移動すると、弁23が閉じる。サブピストン29のこの変位中、この動き中遮断弁9が閉じられるのでバネが圧縮され、膜25上の圧力由来の力は、バネ26によりピストン24に適用される力より大きい。バネ26が最大限に圧縮され、クランク31が上部デッド位置で停止されると(センサ32により制御ユニット20に信号が送られる)、ノズルは前述したようにPMWモードで尿素を噴霧することができ、バネ26が拡大し始める。バネ26のそのような拡大により、流体は、クランク31が回転していなくても、さらに加圧され、送達される可能性がある。実際、クランク31およびこのため、サブピストンが移動しないと、遮断弁9のみが作動することが、システムの機能にとって重要である可能性がある。
【0056】
図8は図5に対応するシステムの別の態様を示す。この態様は図7で示した態様と多くの類似性を有し、同様の要素に対し同じ符号が使用される。図6では、ピストン24の動きおよびこのため、膜25は相対的ハウジングに限定され、相対的にサブピストン29に限定されず、これにより、精度を改善させることができ、最終位置の検出を簡略化することができる。図8で示されるように、サブピストン29は事前搭載されたバネ33を介してピストン24と係合する。上部デッド位置では、バネ33とサブピストン29との間に隙間が存在し、下部デッド位置では、バネ33はわずかにさらに圧縮させることができる。これは、クランク機構の移動は精度に関して重要ではないことを意味する。これとは別に、機能は図7と関連させて記載した通りである。
【0057】
図9は図5に対応するシステムの別の態様を示す。この態様は入口で1方向弁23を介してタンクに接続されたポンプ/測定ユニットを備え、ポンピング/測定ユニットの出口では1方向弁28が配置される。2つの1方向弁23および28は標準ポンプの2つの1方向弁と同じ役割を果たす。ポンプ/測定ユニットは、上記態様のピストンおよび膜と同様のピストン24および膜25を含む。この態様におけるピストン24は連接棒30を介してクランク31に直接接続される。
【0058】
ポンプは典型的には、遮断弁9で実質的に一定の圧力を維持するように制御される。遮断弁9は典型的には、尿素に対する実際の要求に基づきパルス様式(PWM)で開閉される。高度に規定された構造により、クランクの各回転は、明確で既知の送達体積を表し、センサ32は各回転または回転の既知の一部に対する信号を獲得することによりポンピングされた量を検出してもよい。この検出は、誤差が累積しないので重要ではない。接続部34を介する信号は累積誤差を最小に抑えるために遮断弁9のPWMを変更するための情報を提供する。
【0059】
遮断弁9は前に記載した様式(PWM)で中断なしで動作させることができる。
【0060】
ポンプは逆相で動作する2つの膜を有してもよく、1つの膜は吸入行程を有し、もう一方はポンピングであることに注意すべきである。
【0061】
上記で、各々が液化尿素の排出システム中への送達に対応する多くの異なる態様を開示している。異なる態様の共通の特性はノズルの前に配置された遮断弁9の存在である。遮断弁を省略してもよいが、尿素のノズルへの流れを制御するために適用することが好ましく;いくつかの態様では、遮断弁は流体の十分な圧力を確保するために使用されるバッファと組み合わせられ、別の態様では、ノズルに送達される流体の量を制御するために使用される。当然、それらの組み合わせも可能である。
【0062】
示されるように、本発明による尿素の送達は主に4つの異なる様式で実施してもよい。
【0063】
I.開ループ動作
システムパラメータ(例えば、ノズル定数、ノズル前の流体の圧力、流体の温度および粘度、遮断弁の特性など)の知識から、モータ制御ユニットから要求される必要性(要求)に従うノズルへの尿素の送達は弁の開閉期間を決定する注入アルゴリズムに従い制御される。弁はシステムパラメータに基づき(例えば、温度および圧力測定値に基づき)、実際に送達された体積からのフィードバック無しで単独で動作する。典型的には、そのような動作はコストの高いシステムとなる。
【0064】
II.図2および3で示される注入ポンプの使用
注入ポンプは精度の高い流速を提供し、バッファと注入弁の組み合わせにより加圧が提供され;図2では、注入弁は遮断弁と呼ばれる。
【0065】
III.確実に噴霧するのに十分高い、大体一定の圧力を維持する測定ポンプの使用
測定ポンプは流体を加圧し、信号をモータ制御ユニットに送り、明確な量の尿素が送達される。これは、測定ポンプに符号22がつけられた図5で示されている。
【0066】
IV.図4で示した測定ユニットの使用
測定ユニットの使用はとりわけ、いくつかの場所で尿素が添加される場合、および/または加圧(例えば、加圧空気)への容易なアクセスが存在する場合に好都合である。測定ユニットの様々な態様を図12および13に示す。注入弁の動作は測定ポンプが使用される(図10)時と同様に実行されてもよい。
【0067】
図10は本発明の好ましい態様に従う、尿素の送達のための戦略の一例をグラフで示したものである。戦略はPWM(パルス幅変調)に基づく。PWMおよびPIM(パルス間隔変調)はどちらも本発明と共に適用される可能性があるが、送達の動的スパンが大きいため(時間単位あたりの最大送達量と最小送達量との間で係数100を超える)、PIMはパルス幅が固定されているので、パルス間隔を非常に大きくせずに、少量を送達させるためにはパルス幅を小さくしなければならない。その結果、より大きな送達では遮断弁を何回も活性化させなければならず、結果的に、弁の寿命が低くなるので、使用可能性が低いと考えられることが見いだされている。
【0068】
PWMは触媒系の動力学(典型的には緩衝効果)を考慮しながら適したパルス間隔を選択する可能性を提供する。
【0069】
図10で示した戦略は、ある時間点(測定ポンプまたは測定ユニットが送達量についての情報をモータ/弁制御ユニットに送る時)での、累積送達と累積要求との比較に基づく。この情報に基づき、良好な精度を維持するために、パルス幅を制御するためのアルゴリズムを変更する。
【0070】
図10では、C0、C1、C2、C3、C4およびC5は、累積送達を累積要求と比較した時の時間点を示す。即時要求(ml/s、図10の標識要求)は、制御ユニット、典型的にはモータ制御ユニットにより指示される。累積要求(ml)、送達量(ml/s、標識送達(パルス))および累積送達(ml)が図10で示されている。累積値は好ましくは積分により決定されてもよい。説明のために、累積曲線を連続曲線として示すが、実際には制御ユニットは間隔(C1、C2、…など)で値を比較し、(図11で示されるように)次の間隔で使用するための単一偏差値を計算する。
【0071】
遮断弁(パルス幅)の活性化を決定する注入アルゴリズムは、多くの要素、例えば、累積要求からの累積送達の偏差、2つのフィードバック時間の間の累積送達量誤差、そのような誤差が変化する変化率などを含んでもよい。
【0072】
図10について説明すると、要求が一定である場合、送達は各間隔内の一定パルスで実施される。C1では、累積送達が累積要求と比較され、送達が高すぎることが見出されている。結果的に、パルス幅はC1で減少し、C1からC2まで一定に維持される。C2では、累積要求が再び、累積送達と比較され、累積送達が依然として累積要求より高いが、累積送達は累積要求に近づいていることが見出されている。結果的に、パルス幅はさらに減少させられる。
【0073】
C2とC3の間では、送達に対する要求が増加し、累積要求がC3で累積送達よりも高くなるので、パルス幅は結果として、送達を増加させるために増加させられる。C4では、要求に見合うほど増加が十分ではなく、C4では、パルス幅が再び増加させられる。
【0074】
1つの間隔内で要求が変動する、このため、パルス幅が変動するより現実的な状況を図11に示す。この図では、図10と同じライン標識を有する単一の間隔Cn-Cn+1が示される。パルス幅はモータ/弁制御ユニットにより、システムパラメータ(ノズル定数、遮断弁での流体圧力、流体粘度、弁特性、など)、パルス開始時の送達流量の必要性およびパルス間の時間距離の関数として決定される。値は大体Fdemand/Fmax*Tpであり、ここで、Fdemandはパルス開始時の送達流量の必要性を示し、Fmaxは遮断弁が開いている場合の流量を表し、Tpは2つのその後のパルス間の時間である。体積V(対照)が測定ポンプから(時間Cn+1時に)送達された場合、補正信号がモータ/弁制御ユニットに送られ、累積要求がV(対照)と比較される。余剰(V(対照)-V(Cn-1-Cn))およびCnでの既知の累積誤差(△Cn)により、時間Cn+1での累積誤差が決定される。
【0075】
明らかに、次の間隔でのパルス幅に対するアルゴリズムを変更するための多くの戦略が存在する。単純なものは、パルス幅関数に係数(△Cn-△Cn+1)/V(対照)をかけることにより、次の間隔(△Cn+1=△Cn+2を意味する)に対する累積要求体積を送達することを目標としている。当然、要求は変動するので決して絶対的に正確ではないが、この変動は連続しており、間隔はかなり短いので、実用的な近似が得られる。別の戦略は、累積誤差を0とすることを目標としている(△Cn+2=0)。
【0076】
都合よく上記戦略と関連して使用することができる態様を図12および13に示す。図12には、いらか段(corbie-stepped)ピストン装置として成形された測定ユニット19が示されている。しかしながら、図12および13の態様は他の戦略と関連させて適用可能である。
【0077】
測定ユニット19は、いらか段ピストン38がスライド可能に配置されたシリンダ39を備える。ピストン38のいらか段形状は、ピストン部分38cにより提供され、これにより領域38aは図に示されるように領域38bより大きい。測定装置19は弁36を介して流体を受容する。流体は圧力Pまで加圧され、加圧リザーバまたはポンプから受容される。弁36の出口がシリンダ39のより大きな変位体積40aに接続され、弁37を介してシリンダ39のより小さな変位体積40bに接続される。弁37とより小さな変位体積40bとの間の接続はまた、図12に示される構造では放出部41を備える。
【0078】
ピストン38に接続された端と反対のピストン部分38cの端上には、変位体積42が提供される。この変位体積42は弁36に送られるものと同じまたは実質的に同じ圧力Pの流体を受容する。好ましい態様では、弁36および変位体積42に供給される流体は同一の源に由来する。
【0079】
図12は測定装置の2つのモードを示す。図12の上部は、弁36は開かれ、弁37は閉じられ、これにより圧力Pの流体がより大きな変位体積40aに向かって流れる。ピストン部分38cの上部の領域が領域38aよりも小さく、変位体積40aおよび42の圧力が等しいので、ピストン38は図12については右に変位する。右に行く移動により、変位体積40bに存在する流体が放出部41を通って押し出される。この動作は、ピストン38がその最も右側の位置に送達するまで続き、その位置では弁36が閉じられ、37が開かれ;この状況が図12の下部で開示されている。
【0080】
弁36が閉じられ、弁37が開かれると、変位体積42における圧力が、図12に関しては左側にピストン38を押す。変位体積40aに存在する流体は弁37を通って変位体積40b中に、放出部41を通じて外に流れる。この左に行く動作は、ピストン38が最も左の位置に到達するまで続き、その時には、弁36および37の状態はどちらも変更され、サイクルが繰り返される。
【0081】
図12の態様はとりわけ、ピストンの最も左および最も右の位置以外で送達が存在し、放出部41に送達される流体の圧力は明確であるという利点を有する。さらに、放出部41を介して送達される流体の量とピストン部分38cの移動との間には強い幾何学的関係が存在する。
【0082】
領域38aおよび38bのサイズは、ピストン38が移動する様式に関係なく、同じ量が放出部に送達されるように選択されてもよい。これは、領域38aのサイズが領域38bのサイズの2倍である時に達成される可能性がある。さらに、変位体積のサイズは下記比率2:1:1(40a:40b:42)を有する。図12で示したもののような態様はさらに、ピストン38の方向変更は非常に迅速に実行することができ、これにより、流体送達の中断はほとんど存在しない(方向変換は典型的にはバルブの状態を変更させることができる速度により支配される)という利点を有する。吸入行程が存在する別の態様では、中断がかなり大きくなる。
【0083】
図12に示されるように、弁36および37を配置することにより、リダイレクション弁は必要なく、かなり単純な遮断弁を適用してもよい。
【0084】
図13は図12と同様の態様を示す。図12で示した特徴と同様である、図13で示した態様の特徴は同じ符号で標識する。同様に、図12の上部は、ピストン38が右に移動する状況、下部はピストンが左に移動する状況を示す。
【0085】
図13の態様では、シーリング膜43aおよび43bが、ピストン38と変位体積40aとの間ならびにピストン部分38cと変位体積42との間に提供される。シーリング膜43aおよび43bの存在により、流体が体積40aと40bとの間を流れ、ピストン38の縁を通過しないようにするシールが提供される。
【0086】
本記載では、各々が明確な特徴を有する異なる態様に焦点を合わせてきたが、1つの態様に関連して開示した特徴は別の態様との関連で適用可能であることが強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の好ましい態様による燃焼システムの概略図である。
【図2】本発明による流体移送システムの第1の態様の概略図である。
【図3】本発明による流体移送システムにより得られる3つの異なる流れの型の概略図である。
【図4】概念的に本発明の第2の態様を示した図である。
【図5】加圧および測定機能を組み合わせた、図4のシステムの改良型を示す図である。
【図6】図4に対応する本発明による流体移送システムの1つの態様の概略図である。
【図7】図5に対応する流体移送システムの1つの態様の概略図である。
【図8】図5に対応する流体移送システムの別の態様の概略図である。
【図9】図5に対応する流体移送システムの第3の態様の概略図である。
【図10】本発明の好ましい態様による尿素の送達のための戦略に基づく一例のグラフである。
【図11】本発明の好ましい態様による尿素の送達のための戦略に関する詳細のグラフである。
【図12】本発明による測定ユニットの好ましい態様の概略図である。
【図13】本発明による測定ユニットの好ましい態様の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リザーバ(2)から流体を受容し、システムを通じて流体を移送するように適合され、および/またはリザーバから受容装置まで移送される流体の量を測定するスルーフロー装置(6)と、
受容装置の上流、好ましくはスルーフロー装置(6)の下流に配置された制御可能な遮断弁(9)と、
少なくとも遮断弁(9)の状態を制御する制御ユニットと
を含む、リザーバ(2)から受容装置、好ましくはノズル(5)まで流体を移送するための流体移送システムであって、
制御ユニットが、
受容装置に供給される流体の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)より高いように、および/または
送達される量が要求に対応するように
遮断弁の状態を制御するために適合される、流体移送システム。
【請求項2】
スルーフロー装置が、注入ポンプ、ポンプ、測定ユニット、測定ポンプ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1記載の流体移送システム。
【請求項3】
遮断弁(9)の上流の圧力が第2の予め選択された圧力限界(Pmax)を超えた場合、制御ユニットが遮断弁(9)を開状態にする、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
遮断弁(9)の上流の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)まで減少した場合、制御ユニットが遮断弁(9)を閉状態にする、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項5】
遮断弁(9)が電磁弁である、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項6】
遮断弁(9)の上流位置の流体の圧力を測定するように配置された圧力センサ(13)をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項7】
スルーフロー装置が、膜ポンプおよび/またはピストンポンプを含む注入ポンプを含む、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項8】
遮断弁の上流および注入ポンプの下流に配置された流体バッファ(8)を含む、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
スルーフロー装置の上流に配置された弁(23)をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のシステム。
【請求項10】
スルーフロー装置がピストン(24)および膜(25)を含み、ピストンが膜(25)に隣接する、例えば係合する、請求項9記載のシステム。
【請求項11】
ピストン(24)の変位を感知する変位センサ(27、32)をさらに含む、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
ピストン(24)を膜(25)に向かって偏らせるように配置されたバネ(26)をさらに含む、請求項10または11記載のシステム。
【請求項13】
ピストン(24)がサブピストン(29)とスライド可能に係合し、サブピストン(29)が連接棒(30)によりクランク(31)に接続される、請求項10〜12のいずれか一項記載のシステム。
【請求項14】
流体が遮断弁(9)のみに向かって流れるようにするために遮断弁(9)の上流に配置された一方向弁(28)をさらに含み、スルーフロー装置の上流に配置された弁(23)が、流体をスルーフロー装置のみに向かって流れるようにする一方向弁である、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
ピストン(24)が連接棒(30)によりクランク(31)に接続される、請求項9〜11のいずれか一項記載のシステム。
【請求項16】
スルーフロー装置と遮断弁(9)との間に配置された一方向弁(28)をさらに含み、流体が遮断弁(9)のみに向かって流れるように一方向弁(28)が配置される、請求項15記載のシステム。
【請求項17】
スルーフロー装置が測定ユニット(19)を含み、
システムが、いらか段(corbie-stepped)ピストン(38)がスライド可能に配置されたシリンダ(39)を含み、これにより異なるサイズの2つの変位体積(40a、40b)が提供され、
システムが第2の弁(37)を含み、スルーフロー装置の上流に配置された弁(36)の入口が流体源に接続され、または接続可能であり、弁(36)の出口はより大きな変位体積および第2の弁(37)の入口に接続され、第2の弁(37)の出口はより小さな変位体積および放出部に接続される、
請求項9記載のシステム。
【請求項18】
シリンダ(39)が、ピストン(38)の一部を形成するピストン部分(38c)の上方に提供されたさらなる変位体積(42)を含み、
変位体積(42)は流体源、好ましくは、弁(36)の入口に接続された、または接続可能な同一の流体源に接続されている、または接続可能である、
請求項17記載のシステム。
【請求項19】
2つの変位体積(40a、40b)が膜(43a)により互いに密閉され、請求項18に従属する場合、より小さな変位体積(40b)は膜(43b)によりさらなる変位体積(42)から密閉される、請求項17または18記載のシステム。
【請求項20】
遮断弁(9)から受容装置まで延びる流体接続部(15)をさらに含み、該接続部が剛性であって、これにより、遮断弁(9)が閉じられた場合の該接続部(15)の収縮により該接続部を通る流れを制御不能にする該接続部(15)の膨張が回避される、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項21】
リザーバ(2)をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項22】
送達装置がノズル(5)である、前記請求項のいずれか一項記載のシステム。
【請求項23】
ノズル(5)が排出システム内に配置され、これにより流体が排出システム中に噴霧される、請求項19記載のシステム。
【請求項24】
前記請求項のいずれか一項記載の流体移送システムを含む排出システム。
【請求項25】
流体移送システムが、
リザーバ(2)から流体を受容し、システムを通じて液体を移送するように適合され、および/またはリザーバから受容装置まで移送される流体の量を測定するスルーフロー装置(6)と、
受容装置の上流、好ましくはスルーフロー装置(6)の下流に配置された制御可能な遮断弁(9)と、
少なくとも遮断弁(9)の状態を制御する制御ユニットと
を含む、流体をリザーバ(2)から受容装置、好ましくはノズル(5)に移送する方法であって、
受容装置に供給される流体の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)より高いように、および/または
送達される量が要求に対応するように
遮断弁の状態を制御する工程を含む、方法。
【請求項26】
スルーフロー装置が、注入ポンプ、ポンピングユニット、測定ユニット、測定ポンプ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
遮断弁の状態を制御する工程が、遮断弁(9)の上流の圧力が第2の予め選択された圧力限界(Pmax)を超えた場合、遮断弁(9)を開状態にする工程を含む、請求項25または26記載の方法。
【請求項28】
遮断弁の状態を制御する工程が、遮断弁(9)の上流の圧力が第1の予め選択された圧力限界(Pmin)まで減少した場合、遮断弁(9)を閉状態にする工程を含む、請求項25〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
遮断弁(9)の上流およびポンプ(7)の下流の位置における流体の圧力を測定する工程をさらに含む、請求項26〜28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
スルーフロー装置を通って流れる量を測定する工程を含む、請求項25〜29のいずれか一項記載の方法。
【請求項31】
スルーフロー装置により測定した量が要求を超えた場合、弁の状態を閉状態にする工程をさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
スルーフロー装置が注入ポンプを含み、注入ポンプが即時要求に実質的に等しい即時送達を提供するように動作する、請求項25〜31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
スルーフロー装置が測定ユニットを含み、送達量が要求に対応するように遮断弁を制御する工程がPWMモード(パルス幅変調モード)で遮断弁を動作させる工程を含む、請求項25〜31のいずれか一項記載の方法。
【請求項34】
所定の間隔に対する累積要求を決定する工程、測定ユニットにより間隔の少なくとも一部の時間における送達を累積させる工程、および、該間隔の1つまたは複数のパルス幅を該間隔内での累積送達が累積要求に等しくなるように適合させる工程をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
遮断弁を制御する工程が、累積送達が間隔内で累積要求に到達した時点で遮断弁を閉じる工程を含む、請求項34記載の方法。
【請求項36】
スルーフロー装置が測定ユニットを含み、
A)ある時間間隔において1つまたは複数のパルス幅を有するPWMモードで遮断弁を動作させる工程、
B)該時間間隔の終点において、累積送達を累積要求と比較する工程、
C)該時間間隔の終点において、該比較に応じて後続の時間間隔に対しPWMモードのパルス幅を設定し、後続の間隔ではそのように変化させたパルス幅で遮断弁を動作させる工程、
D)工程B)およびC)を繰り返す工程
を含む、請求項33〜35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
間隔において送達を行いつつパルス幅を設定する工程をさらに含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
パルス幅を設定する工程が注入アルゴリズムを調整する工程を含む、請求項33〜37のいずれか一項記載の方法。
【請求項39】
パルス幅が時間間隔において変動する、請求項36〜38のいずれか一項記載の方法。
【請求項40】
パルス幅が時間間隔において等しい、請求項36〜38のいずれか一項記載の方法。
【請求項41】
累積送達が選択された時間点からの送達量であり、累積要求が選択された時間点からの要求量である、請求項36〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
選択された時間点が、累積要求および累積送達がリセットされる瞬間、例えば送達が開始される時点である、請求項41記載の方法。
【請求項43】
選択された時間点が、直前に選択された期間の終点であり、これにより方法がサイクル様式で実行される、請求項41または42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
流体が尿素または尿素誘導体である、前記請求項25〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
リザーバ(2)が、予め選択されたレベルで加圧流体を保持する、または予め選択されたレベルまで流体を加圧するポンプなどを含む、前記請求項25〜44のいずれか一項記載の方法。
【請求項46】
請求項1〜24のいずれか一項記載のシステムに埋め込まれる、請求項25〜45のいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−520581(P2009−520581A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546132(P2008−546132)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/DK2006/050084
【国際公開番号】WO2007/071263
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(507340175)
【Fターム(参考)】