説明

流動性固形物の密填方法および装置

本発明は、流動性固形物、特に粉末、穀粉または類似の物質を、好ましくは分包または袋詰めによって密填するための方法と装置に関する。プロセスの信頼性を高めるために、固形物の真空引きとその袋詰めが、均一に真空引きされた周囲の状況で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した、流動性固形物、特に粉末、穀粉または類似の物質を、好ましくは分包または袋詰めによって密填するための方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、流動性固形物を密填するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1に記載された、ばら物を重量計測供給するための方法の場合には、排出装置が完全に空にされる。この場合、ばら物の量が測定され、後流として考慮される。そのために、排出装置は供給プロセスの間少なくとも一度空運転され、空の排出装置の質量と充填された排出装置の質量が測られ、その差が考慮すべき後流を形成する。
【0004】
このような排出装置のための二軸排出スクリューが知られている(特許文献2)。このスクリューのねじ山は互いにかみ合っている。案内作用を低下させないようにするために、排出スクリュー内には負圧が発生している。
【0005】
ばら物は押し固めまたは圧縮によって、すなわち真空引きせずに脱気可能である。この場合、押し固め要素または圧縮要素を取り外した後で、膨張が起こり得る。
【0006】
特許文献3に記載された、流動性ばら物用の密填方法の場合、密填室にばら物が充填され、続いて密填室が縮小させられる。続いて、密填室が気密に閉鎖され、そして負圧を発生するために再び拡大される。その後で、密填されたばら物が排出口から流出する。
【0007】
特許文献4には、スロートまたは弁を備えた、例えば吸湿製品のための大型容器を、製品充填および真空引きするための方法が開示されている。この場合、容器は真空引きされた室内で製品を充填される。不活性ガスの追加によって真空を適合させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許第19645505号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0131063A号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1561685A号明細書
【特許文献4】国際公開第9007452A号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の根底をなす課題は、密填された固形物の貯蔵および搬送を、省スペース的にかつ安定した状況で可能にする、流動性固形物、特に粉末、穀粉または類似の物質を、好ましくは分包または袋詰めによって密填するための方法を提供することである。その際、コストを低減し、プロセスの信頼性を高めるべきである。
【0010】
その際、密填された固形物の貯蔵期間はきわめて長い期間が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は請求項1の特徴によって解決される。ばら物用貯蔵室と袋室が充填の前または充填中に真空引きされるので、袋詰めの際にばら物の流動特性を損なうことなく、確実にかつ高度に密填することができる。袋充填は事実上「通常の状態」のように行われる。
【0012】
有利な実施形態は従属請求項に開示されている。
【0013】
例えば小麦粉末の密填は、保持期間を引き延ばし(酸素供給しない)、包装された容積の低減をもたらす。さらに、包装容器の積層性と、その取扱またはパレットによる運搬が改善される。さらに、虫の成長またはカビの繁殖と、脂肪の酸化が抑制される。
【0014】
本発明はさらに、流動性固形物、特に粉末、穀粉または類似の物質を、好ましくは分包または袋詰めによって密填するための装置に関する。装置は貯蔵室と、この貯蔵室の後に配置された袋室を有し、この貯蔵室と袋室の両方が真空引き可能である。
【0015】
真空の形成はできるだけ短時間で行うべきであり、場合によって予め真空引きして行うべきである。
【0016】
さらに、ホース状袋の充填を行うことができる。この場合、袋用接続短管の代わりに、袋形成装置が使用され、製品が予め秤量される。
【0017】
ホース状袋のような袋のための本発明に係る装置は、回転式ステーションのような単一ステーションに統合可能である。回転式ステーションではさらに、真空引きを段階的にまたは予め行うときわめて有利である。脱気の代わりに、先行するステーションの負圧を利用することができる。
【0018】
次に、図に基づいて本発明の実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】密填装置の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
装置は穀粉等のための貯蔵室1と、その下に設けられた袋室2を有する。この両室1、2の間には、遮断機構としてのスライダ5と、袋室内に突出する接続短管6が配置されている。両室は真空接続部4を備えている。貯蔵室1はさらに、蓋3によって密閉可能な充填口を備えている。
【0021】
接続短管6(袋用接続短管)には、充填すべき袋(図示せず)が通常の方法で懸吊される。
【0022】
負圧の作用によって両室が互いに保持されるので、基本的には固定要素は不要である。しかし、安全のためにこのような固定要素を配置してもよい。
【0023】
さらに、袋を所定の形にする図示していない要素を、袋室2内に設けることができる。
【0024】
袋に穀粉を詰めるために貯蔵室に穀粉を充填し、袋室2内または接続短管6に袋を準備した後で、蓋3とスライダ5を閉じた状態で、両室1、2は充分な負圧が達成されるまで真空接続部4を経て均一に真空引きされる。続いて、接続短管6のクランプが閉じられ(袋が懸吊され)、所望な袋充填が達成されるまでスライダが開放される。続いて、スライダが閉鎖され、袋が気密に閉じられる。それに続いて、両室1、2が通気されて標準圧力となり、接続短管のクランプが弛められ、図示していない開口を通って袋室2から袋が押し出される。
【0025】
接続短管6は袋閉鎖装置を備えていてもよい。貯蔵室1の手前に計量供給装置が接続配置されている。
【0026】
スライダ5の密閉時に、貯蔵室1が複数の袋に充填するための製品を収容してもよい。それによって、袋詰めコストおよび脱気コストが低減される。そのために、貯蔵室1は計量供給装置を備えている。
【符号の説明】
【0027】
1 貯蔵室
2 袋室
3 蓋
4 真空接続部
5 スライダ
6 接続短管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物を真空引きし、真空引きされた容器内に固形物を込めるまたは詰めることによって、流動性固形物を密填するための方法において、
固形物の真空引きとその詰め込みが、均一に真空引きされた周囲の状況で行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
固形物の真空引きとその詰め込みが、互いに分離されかつ同時に互いに気密に連結された室内で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
固形物を真空引きし、真空引きされた容器内に固形物を込めるまたは詰めることによって、流動性固形物を密填めするための装置において、
装置が固形物用の貯蔵室(1)と、この貯蔵室の後段に配置された、固形物の詰め込みのための袋室(2)とを備え、この両室(1、2)が真空引き可能であり、かつ互いに気密に連結されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
両室(1、2)の間に密閉遮断機構が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。

【図1】
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【公表番号】特表2010−501429(P2010−501429A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525885(P2009−525885)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000391
【国際公開番号】WO2008/025175
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(591063350)ビユーラー・アクチエンゲゼルシヤフト (3)
【Fターム(参考)】