説明

流量制御装置及び方法

【課題】 高い制御性を維持しつつ、高いレンジアビリティで流量を制御することができる流量制御装置及び方法を提供する。
【解決手段】 この流量制御装置は、流体管路1,2,4,5と、該流体管路の途中に配置された平板状の弁支持基板3とを備えている。弁支持基板3には、複数の個別に操作可能な開閉弁11が設置されている。複数の開閉弁11の内から適宜に選択したものを開閉することにより、レンジアビリティの高い流量制御を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量制御装置及び方法に関するもので、例えば化学反応を精密に制御するような場合の流量制御のために用いる流量制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バイオテクノロジー、ファインケミカル等の技術分野の要請により、微細径の流路を用いる化学反応の用途が開拓されつつある。また、微細加工技術の発達により、おおよそ内径1mm以下の程度の流路を用いるマイクロ化学反応も実用化されつつある。このような微細な流路を用いる場合、試薬量を大幅に少なくできる、反応時間を短縮できる、反応の温度場や濃度場等の精密制御が可能になり反応物の収率を上げることができるなどの利点がある。
【0003】
このようなマイクロ化学反応を利用する装置では、流量の精密な制御が重要な課題となる。例えば、精密な反応制御を要する化学反応用の流体管路系では、最大流量と制御可能な流量変化幅の最小値の比を表すレンジアビリティとして500:1以上の値が要求される場合もある。従来は、弁により流量を制御する場合、ニードルバルブ等の調節弁を用い、その弁開度を変更することによって流量を変化させていた。このような弁を用いた場合、レンジアビリティは100:1程度であり最大でも500:1程度であった。
【0004】
一方、複数の調節弁を並列に配置して用いれば、より高いレンジアビリティを実現することができるが、寸法が大きくなってこれを用いる装置への制約が大きくなるとともに、構造も複雑になり、制御が煩雑になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高い制御性とコンパクト性を維持しつつ、高いレンジアビリティで流量を制御することができる流量制御装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の流量制御装置は、流体管路と、該流体管路の途中に配置された平板状の弁支持基板とを備え、前記弁支持基板には、複数の個別に操作可能な開閉弁が設置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の流量制御装置においては、弁支持基板に設置された複数の開閉弁の内から適宜に選択したものを開閉することにより、開状態の弁を流れる流体の総和としての流量が流れる。個々の開閉弁を通過する流量は、差圧が一定の場合、その流量係数に比例すると考えられるので、流量係数の組み合わせを適当に設定すれば、レンジアビリティの高い流量制御を行うことができる。
ここで、流量係数Cは、Q=C(P)1/2、C=kcA、で定義される。ここで、Qは体積流量、Pは弁上流下流の差圧であり、kは補助係数、Aは弁開口面積、cは弁形状による損失の影響を現す流量係数である。つまり、ここで言う流量係数は、弁形状による損失の影響を現す流量係数だけでなく、補助係数と弁開口面積をも含む係数である。
【0008】
請求項2に記載の流量制御装置は、請求項1に記載の発明において、前記弁支持基板の少なくとも一方の側に、前記複数の開閉弁にそれぞれ個別に連通する分岐管または集合管が設置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の流量制御装置においては、分岐管または集合管が開閉弁を通過する流体の流れを安定化させるので、流量制御の精度を向上させるとともに、流体中の異物との衝突による開閉弁の破損を抑制できる。
請求項3に記載の流量制御装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記複数の開閉弁は前記弁支持基板上に規則的に配置されていることを特徴とする。
請求項3に記載の流量制御装置においては、複数の開閉弁が規則的に配置されていることで、開状態の各弁に対して対称な流れ場を作りやすくし、流量制御の精度を向上させる。
【0009】
請求項4に記載の流量制御装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記複数の開閉弁の開閉を制御することにより、少なくとも500通りの流量調整が可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の流量制御装置は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記複数の開閉弁の下流側に、それぞれの開閉弁に個別に連通する分配管が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の流量制御装置においては、開閉弁に個別に連通する分配管により、流体が個別に必要な場所に移送される。
【0010】
請求項6に記載の流量制御装置は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、前記複数の開閉弁が同一の開口寸法を有することを特徴とする。
請求項6に記載の流量制御装置においては、複数の開閉弁が同一の開口寸法を有するので、必要な数の開閉弁を選択して開とすれば、必要な流量を得ることができる。
請求項7に記載の流量制御装置は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発明において、前記複数の開閉弁が異なる開口寸法を有することを特徴とする。
請求項7に記載の流量制御装置においては、異なる開口寸法の開閉弁を適宜に組み合わせて必要な流量を得ることができる。
【0011】
請求項8に記載の流量制御装置は、請求項7に記載の発明において、前記複数の開閉弁の少なくとも一部の流量係数の比が2の等比数列を構成するように設定されていることを特徴とする。
流量係数Cは、上述したように、Q=C(P)1/2、C=kcA、で定義される。ここで、Qは体積流量、Pは弁上流下流の差圧であり、kは補助係数、Aは弁開口面積、cは弁形状による損失の影響を現す流量係数である。つまり、ここで言う流量係数は、弁形状による損失の影響を現す流量係数だけでなく、補助係数と弁開口面積をも含む係数である。
【0012】
請求項9に記載の流量制御装置は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発明において、前記複数の開閉弁を選択的に開閉制御することにより流量を制御する制御部を有することを特徴とする。
請求項10に記載の流量制御方法は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の流量制御装置を用い、前記複数の開閉弁を選択的に開閉制御することにより流量を制御することを特徴とする。
請求項11に記載の流量制御方法は、請求項10に記載の発明において、前記開閉弁の近傍における流体の物理量を検出し、この検出値に基づいて流量を制御することを特徴とする。
【0013】
請求項12に記載の弁支持基板は、基材上に、成膜および膜除去プロセスを用いて形成された弁構造と、これらの弁構造を少なくとも部分的に独立に開閉制御するための配線構造が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1ないし請求項9に記載の流量制御装置および請求項10ないし請求項11に記載の流量制御方法によれば、流量係数を適当に設定した複数の開閉弁の内から適宜に選択したものを開閉することにより、レンジアビリティの高い流量制御を行うことができる。
請求項12に記載の弁支持基板によれば、レンジアビリティの高い流量制御を行うためのコンパクトな構成の流量制御装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の流量制御装置の本体部Aを示すもので、この流量制御装置は、流量をデジタルに900段階変えることができる、つまり、レンジアビリティは900:1である。この本体部Aは、流入管1と、900本の流路を有する分岐流路部2と、基材10上に900個の同一のON-OFFバルブ11を有する概ね平板状の弁支持基板3と、900本の流路を有する集合流路部4と、流出管5とが直列に連結されて構成されている。また、各バルブ11の開閉とポンプのモータの回転数を制御する制御部6が設けられている。勿論、流入管1と流出管5は外部の配管を用いても良い。
【0016】
弁支持基板3は、微小な寸法の場合には、一枚のシリコンウェーハ等の基材10上に半導体製作技術を用いて規則的に配置して形成される。例えば、直径300mmのシリコンウェーハ上に概ね5mm角の微小なバルブ11を上下左右方向に概ね8mm間隔で並べれば、900個のバルブ群を形成することができる。勿論、一枚の基材10でこれを構成する必要はなく、バルブを有するウェーハ片を適当数用意し、これを並列に継ぎ合わせて構成してもよい。図示例は全体が円形であるが、流体の流通や制御に問題が無い限り、任意の形状とすることができる。
【0017】
このような弁支持基板3およびバルブ11を構成する素材は、流体流れに対する充分な物理的強度を有するとともに、流体に対する化学的な耐性を有することが必要である。各バルブ11の駆動制御手段(アクチュエータ、図示略)へ給電するための配線は、導電性のある流体中や短絡の危険のある雰囲気中で使用する場合は、絶縁体で完全に被覆することが必要である。各バルブ11への給電配線は接続配線12を介して制御部6に接続されている。基材10上に弁構造、アクチュエータ構造および配線を形成する技術は、半導体製造プロセスで用いられる周知の成膜やエッチングプロセス等を応用することで製造することができる。
【0018】
図2(a)に示すのは、このような弁支持基板3およびバルブ11の構成の例である。この例では、Si等からなる基材10にこれを貫通する微小な流路50を形成し、この流路にテーパ状の弁座51を形成するとともに、微小な球状弁体52を配置している。そして、基材10に設けた電磁石53で駆動することにより複数のバルブ11を有する弁支持基板3を構成している。また、図2(b)に示すのは、流路54中に弾性膜55を設け、流路54の近傍に可動静電素子56と固定静電素子57、及びこれらを駆動する電源58を設けたものである。これにより、可動静電素子56を静電引力または静電斥力で移動させて弾性膜を駆動し、流路54を開閉するように構成されている。
【0019】
なお、バルブ11を駆動するアクチェーターの種類は任意であり、例えば液圧式あるいはガス圧式を用い、弁支持基板およびバルブに電気配線を設置せず駆動用液圧あるいは駆動用ガス圧の配管をとりつけてバルブを駆動する構成も可能である。また、バルブ11の寸法がある程度以上である場合は、従来のように機械的に組み立てたものを穴空き板に取り付けることにより製造するようにしてもよい。
【0020】
分岐流路部2と集合流路部4は、基本的に同じ構造であり、弁支持基板3と同様に流体流れに対する充分な物理的強度と化学的な耐性を有する素材から構成されている。これらは、それぞれのバルブ11に対応する流路13を形成する管を集合させて構成することができる。この場合は、素材に応じて溶接や接着、隙間を樹脂等で充填する等の方法を採用することができる。また、柱状体に貫通穴を加工する、あるいは樹脂やセラミクス等の素材を用いて型成形する、金属を用いて押出成形する等の手法を用いることもできる。
【0021】
図3は、上述した本体部Aを含む流量制御装置の全体の構成を示すもので、外部流入管14の下流側にポンプ15が設けられ、ポンプ吐出管16の下流側には図1に示した本体部Aが設けられ、本体部Aの下流側には流出管17が設けられている。ポンプ吐出管16と流出管17にはそれぞれ圧力計18、19が設けられている。これらの圧力計18、19の出力は制御部6に入力され、制御部6はこれから本体部Aの前後の差圧を算出する。制御部6からは駆動制御信号がポンプ駆動用のモータ20に出力されるようになっている。
【0022】
この流量制御装置による流量制御方法の一例を説明する。この装置においては、同じ流体について差圧が一定であれば、流量は本体部A内の開バルブ個数で決定される。そこで、予めある流体について、差圧、開バルブ個数および流量の検定データを調べておき、制御部6の記憶領域に記憶させておく。装置の特徴から、基本的には同一差圧下の流量は開バルブ個数に比例すると考えて良い。流量制御方法としては、ポンプ回転数一定方式と差圧一定方式、および両者ともに可変する方式が考えられる。
【0023】
ポンプ回転数一定方式では、回転数を維持しながら開バルブ個数を変化させ差圧を測定する。予め記憶された検定データから目標流量と一致する(あるいは最も近い)開バルブ個数と差圧の組み合わせにいたるまで開バルブ個数を変化させる。差圧一定方式では、現状の差圧下で目標の流量となる開バルブ個数を検定データから決定し、開バルブ個数を変更する。この間、差圧が一定値を保つようにモータ10の回転数が調整され、流量は目標値に到達する。この回転数の調整に関しては、圧力計18,19の指示値を制御部6にフィードバックさせて実施するのが望ましい。またポンプ回転数で差圧を制御する場合、差圧の目標値に対し達成された差圧値の間に定常偏差が生じる場合もあるが、その場合は差圧の定常偏差による流量誤差を相殺するようにバルブ開個数を微調整し、流量の制御精度を高めることも可能である。ポンプ回転数と差圧を共に変更する方式では、バルブ開個数を制御性の良い値(制御の可変幅が大きい値)例えば本バルブ個数900に対して、その中央値である450にバルブ個数を決定し、その個数で目標流量を発生する差圧となるまでポンプ回転数を調整する。これらの方式は、適宜組み合わせることもできる。
【0024】
一般に大流量機器では正確な流量計測が困難な場合も多いが、上記の制御方法により流量計測機器無しに精度良く流量を制御することができる。もちろん、流量計を設けてこの測定値も制御部6にフィードバックさせ、より高精度な制御を実現することも可能である。また、本装置の用途によっては、体積流量ではなく質量流量を制御する必要がある場合もある。その場合は予め、対象流体の温度と密度の状態線図データを計測しておき、このデータを制御部6に記憶させておく。そして本体部A内および/または本体部Aの上/下流における流体の温度を計測して弁内の流体密度を算出し、これを考慮して本体部A内の開バルブ個数、ポンプ回転数、および差圧を適宜制御し、目標の質量流量を達成することができる。
【0025】
上記の実施の形態では、すべてのバルブ11を独立に開閉可能としたので、状況に応じて使用するバルブ11を適宜に選択でき、各バルブ11からの流量の精度も高いという利点が有る。しかしながら、例えば、複数のバルブ11の給電配線を共有させてグループ化し、これらを同時に開閉するようにしておいても、同じレンジアビリティを達成することができる。これは、以下の第2の実施の形態と基本的に同じ考え方であるので、ここでは説明を省略する。
【0026】
図4は本発明の他の実施の形態であり、レンジアビリティ2047:1の流量制御装置の本体部A’である。これは、流入管21と、N(=11)本の異径流路33a〜33kを有する分岐流路部22と、N個の寸法の異なるバルブ31a〜31kを有する弁支持基板23と、N本の異径流路33a〜33kを有する集合流路部24と、流出管25とが直列に接続されて構成され、さらに各バルブ31a〜31k(以下、31nと記載する。)を制御する制御部26を有する。弁支持基板23と制御部6は接続配線32で接続されている。バルブ31nは流量係数Cが2倍の等比(1:2:4:8:16:・・・:512:1024)で大きくなる。なお、C= Q /(P)1/2と定義され、Pはバルブ31n上流下流の差圧、Qは各バルブ31nを通過する流量である。
【0027】
この実施の形態の本体部A’が、先の第1の実施の形態の場合と異なるのは、第1に、バルブ31nの流量係数の比率が、この実施の形態では最小と最大のもので、2N(=1024)に達する点である。したがって、バルブ31nの構造、製造方法、アクチュエータ等は同一でない方が好適な場合も有る。例えば、小さいバルブ31nは半導体製造工程を応用する手法で、大きいバルブ31nは通常の組立工程を用いてそれぞれ製造し、これらを同一平面上に配置する。小さいバルブ31nは、精密な制御に重要であり、使用頻度が高い上に詰まりや破損等しやすいので、予備を用意しておくのが好ましい。また、この実施の形態では、分かりやすくするためにバルブ31nを同一円周上に配置しているが、特にこの配置にする必要はなく、隙間を作らないように密に配置すれば、全体をコンパクトに、すなわち、配管自体を小径にすることができる。
【0028】
この実施の形態の本体部A’が、先の第1の実施の形態の場合と異なる第2の点は、制御の仕方である。本体部A’は、図3のようにして用いられるが、このような流量係数Cが2の等比数列に比例している構成においては、開バルブの組み合わせを選ぶことで任意の整数倍流量を実現できる。この場合、制御部26が目標流量を達成するために選択するバルブ31nは一義的に決まるので、先の実施の形態のように任意ではない。なお、例えば、1023ユニット→1024ユニット(1ユニットは最小バルブの流量)へ流量が変わる場合、大きいバルブ31nを開閉するのは小さいバルブ31nに比較して時間が掛かる。したがって、その遅れを考慮して小さいバルブ31nを閉じるように制御すれば、切換に伴う流量変動を軽減することができる。
【0029】
この実施の形態の本体部A’では、先の実施の形態と同等のレンジアビリティを達成しつつ、弁支持基板23におけるバルブ31nの数を大幅に減少させることができる。したがって、機械系、および制御系の構成も格段に簡略化して、製造や制御ソフト等のコストも大幅に低下させることができる。なお、大きいバルブ31nには開閉の遅れが有ることに鑑み、一定以上の大きさのバルブ31nは、より小さいバルブ31nを複数設けることで代用するのも良い。例えば、1024ユニットのバルブ31nの代わりに512ユニットのバルブ31nを2つ配置するようにする。
【0030】
図5(a)は、本発明の他の実施の形態を示すもので、流量制御装置をマイクロ化学反応用の薬液輸送系に用いたものである。この流量制御装置は、薬液タンク41a、41bと、その下流の薬液流路42a、42bに配置されたポンプ43a、43bと、本体部B、Bと、これら本体部B、Bに接続された900個の反応器44からなる。本体部B、Bは、図1に示す第1の実施の形態の本体部Aと同じように、900本の流路を有する分岐流路部2と、基材10上に900個の同一のON-OFFバルブ11を有する概ね平板状の弁支持基板3と、900本の流路を有する集合流路部4を有しているが、集合流路部4に形成された分配流路45a、45bが合流することなく、各反応器44に接続されている点で第1の実施の形態の本体部Aと異なっている。
【0031】
反応器44は、図5(b)に示すように、分配流路45a、45bがY字型に合流する微小流路46において、二種類の薬液を混合させ反応を起こす反応器である。流路45a、45bは、配管またはチューブを利用して、それぞれ900個の反応器に直接連結されている。
【0032】
この装置を用いることにより、900個の反応器44に独立して薬液を供給することができる。個々のバルブ11を開閉制御することにより、流量を900段階に制御することができるのは、第1の実施の形態と同様であり、これにより、反応器44の個数に合わせた高精度な生産調整を実施することができる。また、別途設置したセンサ等により、例えば微小粒子による閉塞等で不調を起こした反応器44が検出された場合、本体部B,Bの中で不調な反応器44に接続されたバルブ11を閉鎖してその反応器44を生産ラインから切り離すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】(a)は、本発明の流量制御装置の本体部の実施の形態を示す図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図2】(a)は、弁支持基板の1つの実施の形態を示す断面図であり、(b)は弁支持基板の他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明の流量制御装置の全体の構成を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の流量制御装置の本体部の他の実施の形態を示す図であり、(b)はその分解斜視図である。
【図5】(a)は、本発明の他の実施の形態の流量制御装置の本体部の実施の形態を示す図であり、(b)はその要部の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 流入管
2 分岐流路部(分岐管)
3 弁支持基板
4 集合流路部(集合管)
5 流出管
6 制御部
10 基材
11 バルブ(開閉弁)
15 ポンプ
18 圧力計
20 モータ
21 流入管
22 分岐流路部
23 弁支持基板
24 集合流路部
25 流出管
26 制御部
31a-31k バルブ
33a-33k 異径流路
45a、45b 分配流路
A,A’ 本体部
,B 本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管路と、
該流体管路の途中に配置された平板状の弁支持基板とを備え、
前記弁支持基板には、複数の個別に操作可能な開閉弁が設置されていることを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
前記弁支持基板の少なくとも一方の側に、前記複数の開閉弁にそれぞれ個別に連通する分岐管または集合管が設置されていることを特徴とする請求項1に記載の流量制御装置。
【請求項3】
前記複数の開閉弁は前記弁支持基板上に規則的に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流量制御装置。
【請求項4】
前記複数の開閉弁の開閉を制御することにより、少なくとも500通りの流量調整が可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項5】
前記複数の開閉弁の下流側に、それぞれの開閉弁に個別に連通する分配管が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項6】
前記複数の開閉弁が同一の開口寸法を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項7】
前記複数の開閉弁が異なる開口寸法を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項8】
前記複数の開閉弁の少なくとも一部の流量係数の比が2の等比数列を構成するように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の流量制御装置。
【請求項9】
前記複数の開閉弁を選択的に開閉制御することにより流量を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の流量制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の流量制御装置を用い、前記複数の開閉弁を選択的に開閉制御することにより流量を制御することを特徴とする流量制御方法。
【請求項11】
前記開閉弁の近傍における流体の物理量を検出し、この検出値に基づいて流量を制御することを特徴とする請求項10に記載の流量制御方法。
【請求項12】
基材上に、成膜および膜除去プロセスを用いて形成された弁構造と、これらの弁構造を少なくとも部分的に独立に開閉制御するための配線構造が設けられていることを特徴とする弁支持基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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