説明

流量制御装置

【課題】燃料ガスの組成の違いや変化に拘わりなく、発熱量を管理値として燃料ガスの流量を制御することのできる流量制御装置を提供する。
【解決手段】燃料ガスの通流路に設けられて燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、上記通流路を通流する燃料ガスの質量流量を検出する熱式質量流量センサと、前記熱式質量流量センサの出力から、前記燃料ガスの体積流量と該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とにより決定される前記燃料ガスの熱量流量を求める熱量流量算出手段と、制御目標値として設定した熱量流量と前記熱量流量算出手段にて求められた熱量流量とを比較して前記流量調整弁の作動を制御する流量制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスの供給量を該燃料ガスが有する発熱量に着目して制御することのできる流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーナを用いて燃料ガスを燃焼させる場合、燃焼状態を最適化するべく上記バーナに供給する燃料ガスの供給量(燃料ガスの流量)と空気の供給量(空気の流量)とをそれぞれ調整し、その混合気における上記空気の質量と燃料ガスの質量との比、いわゆる空燃比[A/F]を一定化することが行われる。このような空燃比制御は、例えば熱式質量流量センサを用いて上記燃料ガスの質量流量および空気の質量流量をそれぞれ計測し、理想空燃比となるように燃料ガスおよび空気の少なくとも一方の流量(質量流量)を調整(制御)することによって行われる(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また上述した空燃比制御を行うに際して前記燃料ガスとして組成の異なる複数の種別が存在したり、その組成比が変化するような場合には、その燃焼熱量や単位時間当たりの発生熱量を求め、これを流量制御にフィードバックすることも提唱されている(例えば特許文献2を参照)。尚、燃料ガスに空気と酸素とをそれぞれ混合し、その混合気をバーナに供給して燃焼させる場合にも、上記燃料ガス、空気および酸素の各質量流量をそれぞれ計測し、これらの各成分が理想の混合比となるように各流量をそれぞれ制御することも提唱されている(例えば特許文献3を参照)。
【特許文献1】特開2002−267159号公報
【特許文献2】特開2003−35612号公報
【特許文献3】特開2007−87029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでガラス管の封止工程等で用いられるバーナにおいては、その燃焼量を高精度に制御することが要求される。しかしながら前述したように燃料ガスの質量流量に基づいてその供給量を制御し、また燃料ガス、空気および酸素の各成分が理想の混合比となるように空気および酸素の各流量をそれぞれ制御しても、燃料ガスの組成が変化した場合には該燃料ガス(混合気)の燃焼量(発熱量)を所望とする管理値に保つことができないと言う問題がある。しかも燃料ガスの組成の変化に伴ってガス密度も変化するので、その混合比も理想状態からずれると言う問題が生じる。そしてこれらの問題は燃料ガスの不完全燃焼の要因ともなる。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、燃料ガスの組成の違いや変化に拘わりなく、発熱量を管理値として燃料ガスの流量を制御することができ、例えば一定の発熱量の燃料ガスを安定に供給することのできる流量制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するべく本発明に係る流量制御装置は、燃料ガスの通流路に設けられて上記燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、上記通流路を通流する燃料ガスの質量流量を検出する熱式質量流量センサとを備え、
特に前記熱式質量流量センサの出力から、前記燃料ガスの体積流量と該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とにより決定される前記燃料ガスの熱量流量を求める熱量流量算出手段と、制御目標値として設定した熱量流量と前記熱量流量算出手段にて求められた熱量流量とを比較して前記流量調整弁の作動を制御する流量制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
ちなみに前記燃料ガスは、例えば都市ガスや天然ガスのようなメタン、エタン、プロパン、ブタン等を含むCH系のガスからなる。そして前記熱量流量算出手段は、予め求められた前記熱式質量流量センサの出力と前記燃料ガスの熱量流量との関係を記述したテーブルを参照して、前記熱式質量流量センサの出力に応じた前記燃料ガスの熱量流量を求めるように構成される。
【0008】
また本発明に係る流量制御装置は、更に前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求める発熱量検出手段と、予め求められた燃料ガスの基準状態における単位体積当たりの発熱量と前記発熱量検出手段にて求められた前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とから、前記燃料ガスの発熱量比を求める発熱量比演算手段を備えることを特徴としている。
ちなみに上記発熱量検出手段は、例えば燃料ガスの流れが停止した状態における前記熱式質量流量センサの出力から前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求めるように、或いは前記熱式質量流量センサの駆動条件(ヒータ温度)を変化させたときの該熱式質量流量センサの出力変化から前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求めるように構成される。尚、前記熱式質量流量センサに併設されて前記燃料ガスの熱伝導率を計測する熱量センサを用い、この熱量センサにて計測した熱伝導率に基づいて前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求めることも勿論可能である。
【発明の効果】
【0009】
上記構成の流量制御装置によれば、熱量流量算出手段において燃料ガスの質量流量を検出する熱式質量流量センサの出力から該燃料ガスの熱量流量を求め、流量制御手段においては制御目標値として設定した熱量流量と前記熱量流量算出手段にて求められた熱量流量とを比較して流量調整弁の作動を制御するので、燃料ガスの流量を上記制御目標値として設定した熱量流量に一定化することができる。即ち、燃料ガスの質量流量と該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とにより決定される熱量流量を管理値として該燃料ガスの流量を制御することができる。
【0010】
この結果、燃料ガスの組成(種別)が想定した組成(種別)と異なる場合であっても、或いは燃料ガスの組成自体が変化した場合であっても、燃料ガスの発熱量に着目して該燃料ガスの熱量流量を制御することができるので、簡易にして効果的に一定の発熱量の燃料ガスを安定に供給することができる。しかも熱式質量流量センサの出力と前記燃料ガスの熱量流量との関係を予め求め、これをテーブルとして記述しておけばセンサ出力に応じて燃料ガスの熱量流量を簡易に求めることができるので、流量制御の負担が増えることもない等の効果が奏せられる。
【0011】
また燃料ガスの基準状態における単位体積当たりの発熱量と、センサ出力から求められる燃料ガスの単位体積当たりの発熱量との比、つまり燃料ガスの発熱量比を求める発熱量比演算手段を備えれば、該燃料ガスが有する発熱量の変化を容易に捉えることができ、ひいては燃料ガスの組成の変化を検出することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る流量制御装置について説明する。
この流量制御装置は、図1にその概略構成図を示すように燃料ガスの通流路1に設けられて上記燃料ガスの流量を調整する流量調整弁(バルブ)2を備えると共に、上記通流路1を通流する燃料ガスの質量流量を検出する熱式質量流量センサ3を備える。前記流量調整弁2は上記熱式質量流量センサ3によって検出される流量に応じて駆動されるバルブ制御回路4によってその弁開度が制御される。特に流量調整弁(バルブ)2は、制御演算器5の制御の下で前記熱式質量流量センサ3を用いて検出された流量と、該制御演算器5に設定された制御目標値(流量)との偏差がなくなるようにフィードバック制御されて前記燃料ガスの流量を調整するものとなっている。
【0013】
ちなみに上述した流量調整弁2と熱式質量流量センサ3とを備えて構成される流量制御装置は、図2にその概略的な構造を示すように燃料ガスの通流路1を形成した流路体11に上記通流路1に臨ませて熱式質量流量センサ3を設けると共に、ソレノイド機構12によって弁開度が制御される流量調整弁(バルブ)2を前記通流路1の入口と出口の間を区画するように前記流路体11に組み込んで構成される。更にこの流量制御装置には、前述した制御演算器5やバルブ制御回路4等を搭載した駆動ユニット13が前記流路体11の外側に一体に組み付けられる。尚、上述した構成の流量制御装置や熱式質量流量センサ3については、前述した特許文献3等に紹介されるように良く知られる通りである。
【0014】
さて基本的には上述した如く構成される流量制御装置において本発明は、前記熱式質量流量センサ3の出力が熱量流量に比例していることに着目している。即ち、燃料ガスの質量流量Fmの検出に用いられる熱式質量流量センサ3は、センサ近傍における流体(燃料ガス)の温度分布を検出するものであり、上記温度分布は燃料ガスの熱拡散率αと該燃料ガスの流速(体積流量)とによって変化する。ちなみに燃料ガスの熱拡散率αは、該燃料ガスの熱伝導率をλ、燃料ガスのガス密度をρ、そして燃料ガスの比熱をCpとしたとき
α=λ/(ρ×Cp)
として与えられる。
【0015】
一方、燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvはその組成(種別)によって異なり、例えば一般的な燃料ガスであるCH系ガスの基準温度(例えば0℃)における単位体積当たりの発熱量Qvは次表に示す通りである。
【0016】
【表1】

【0017】
このような燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvの違いは、専ら燃料ガスの組成の異なりに伴うガス密度ρの違いに起因する。従って熱式質量流量センサ3を用いて質量流量Fmを検出している燃料ガスの組成が変化すると、これに伴って該燃料ガスのガス密度ρが変化し、更にこのガス密度ρの変化に伴って上記熱式質量流量センサ3によって検出される質量流量Fmが変化する。
【0018】
しかしながら上述したCH系ガスを組成とする燃料ガスの密度ρは、その組成の違いに拘わることなく図3に示すようにその熱拡散率αの逆数[1/α]に比例している。またCH系ガスを組成とする燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvは、図4に示すように組成の違いに拘わらずその密度ρに比例している。また燃料ガスの質量流量Vmの検出に用いられる熱式質量流量センサ3は、センサ近傍における燃料ガスの温度分布に応じた出力を得るものであり、上記温度分布は流体(燃料ガス)の流量Fvおよび単位体積当たりの発熱量Qvによって変化する。換言すれば熱式質量流量センサ3が出力する信号(センサ出力)は、CH系の燃料ガスの組成に拘わらずその単位体積当たりの発熱量Qvに比例し、また同時にその流速(体積流量)Fvに比例している。故に熱式質量流量センサ3が出力する信号(センサ出力)は、相対的には図5に示すように燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qとその流速(体積流量)Fvとの積として定義される熱量流量Fcと1対1の関係を有すると言える。
【0019】
そこで本発明に係る流量制御装置においては、前記熱式質量流量センサ3の出力(センサ出力)から前記燃料ガスの体積流量Fvと該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvとにより決定される前記燃料ガスの熱量流量Fcを求める熱量流量検出部(熱量流量算出手段)6を設けている点を特徴としている。即ち、熱式質量流量センサ3の出力(センサ出力)から前記燃料ガスの質量流量Fmを求めることに代えて、該燃料ガスの熱量流量Fcを求めることを特徴としている。
【0020】
そして前述した制御演算器5に与える制御目標値として、バーナ等の燃焼系に与える熱量を直接的に管理する為の熱量流量Foを設定し、この管理設定値(熱量流量Fo)と前記熱量流量検出部(熱量流量算出手段)6にて求められた熱量流量Fcとを比較して、燃料ガスの熱量流量Fcが上記設定流量Foとなるように前述した前記流量調整弁2の作動を制御することを特徴としている。この場合、前記制御演算器5は、熱式質量流量センサ3を用いて検出された熱量流量Fcに基づく燃料ガスの流量制御手段として機能する。
【0021】
このように構成された流量制御装置によれば、前記熱式質量流量センサ3の出力(センサ出力)から前記燃料ガスの熱量流量Fcを直接的に検出し、検出した熱量流量Fcと制御目標値として設定された熱量流量Foと比較して前記流量調整弁2の作動を制御して前記燃料ガスの流量(熱量流量;発熱量)Fを調整するので、仮に燃料ガスの組成が変化した場合であっても該流量制御装置(流量調整弁2)を通してバーナ等の燃焼系に供給される燃料ガスの熱量流量(発熱量)Fcを一定に、しかも安定に保つことができる。
【0022】
特に従来一般的な熱式質量流量センサ3を用いて検出される質量流量Fmに基づいて燃料ガスの流量制御を行うものと異なり、燃料ガスが有する発熱量Qvに着目して流量制御を行うので、その流量変動のみならず組成変化に伴う発熱量の変動に対しても確実に追従してその熱量流量(発熱量)Fcを一定化することができる。故に熱式質量流量センサ3の出力の変化が流量変化に起因するものであるか、或いは組成変化に伴う熱量変化に起因するものであるかを判断する必要がなくなり、燃料ガスが有する発熱量Qvに着目した流量制御を安定に実行することが可能となる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0023】
ところで上述した燃料ガスを安定に完全燃焼させるには、該燃料ガスに空気や酸素を適切な割合で混合することが必要である。ちなみにCH系ガスを完全燃焼させる際の混合気における空気の質量と燃料ガスの質量との理想的な比[理想空燃比;A/F]、および酸素の質量と燃料ガスの質量との理想的な比、いわゆる理想酸燃比[O/F]は次表に示す通りである。
【0024】
【表2】

【0025】
従って燃焼ガスの組成が変化した場合、これに伴って理想空燃比[A/F]および理想酸燃比[O/F]も変化する。これ故、図6にその概略構成を示すように燃料ガス、空気および酸素の各流量を流量制御装置21,22,23を用いてそれぞれ流量制御した後、混合気24,25を用いて混合ガスを生成し、これをバーナ(燃焼系)26に供給するような場合、燃料ガスの組成とその流量とに応じて空気および酸素の流量をそれぞれ調整することが望ましい。
【0026】
このような観点から本発明に係る流量制御装置は、前述した構成に加えて図1に示すように前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求める発熱量検出手段7を備えると共に、予め求められているCH系燃料ガスの基準状態における単位体積当たりの発熱量と、前記発熱量検出手段7にて求められた前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とから、前記燃料ガスの発熱量比を求める発熱量比演算手段8を備えている。
【0027】
発熱量検出手段7は、例えば燃料ガスの流れが停止した状態における前記熱式質量流量センサ3の出力から前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvを求めるように構成される。具体的には前記流量調整弁(バルブ)2が閉じられて前記燃料ガスの流れが停止したときに前記熱式質量流量センサ3の出力から前記燃料ガスの質量(ガス密度)を求め、このガス密度が燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvに比例していることを利用してその発熱量を検出するように構成される。
【0028】
尚、前記燃料ガスの通流路1の一部に該燃料ガスが入り込むだけの、つまり燃料ガスの流れが生じることのない、いわゆるガス溜まり部を凹部等として形成し、このガス溜まり部に前記熱式質量流量センサ3とは独立した熱式質量流量センサ3aを設け、前述した熱量流量Fcの検出と併行して上記熱式質量流量センサ3aの出力から前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvを求めることも勿論可能である。このようにすれば前記流量調整弁(バルブ)2を閉じて燃料ガスの流れを停止させることなく、燃料ガスが連続的に通流している状態で該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvを求めることが可能となる。
【0029】
また或いは、例えば特表2004−514138号公報に開示されるように、熱式質量流量センサ3の駆動条件であるヒータ温度を2段階に変えたときのヒータ電力をそれぞれ求め、これらのヒータ電力から求められる燃料ガスの熱伝導率λから、熱伝導率λと燃料ガスの密度との関係に従ってその単位体積当たりの発熱量Qvを求めるように前記発熱量検出手段7を構成することも可能である。
【0030】
前記発熱量比演算手段8は、上述したように前記発熱量検出手段7が求めた燃料ガスの単位体積当たりの発熱量Qvと、予め想定した種別の燃料ガスについて予め求められている基準状態における単位体積当たりの発熱量Qsとの比、つまり発熱量比[Qv/Qs]を求めるものである。尚、上記燃料ガスの基準状態における単位体積当たりの発熱量Qsは、例えば制御対象とする燃料ガスの種別を指定することによって、予め燃料ガスの種別毎に求められた単位体積当たりの発熱量Qsを記述したテーブルを参照する等して求められる。
【0031】
このようにして前記発熱量比演算手段7にて前記燃料ガスの発熱量比[Qv/Qs]を求めることにより、該燃料ガスの発熱量Qvが予め想定した燃料ガスの発熱量Qsからどの程度変化しているかを把握することが可能となる。ちなみに上記燃料ガスの発熱量Qvの変化の要因は、専ら、燃料ガスの組成の変化である。そしてこの組成の変化に伴って該燃料ガスを燃焼させる上での最適な理想空燃比[A/F]および理想酸燃比[O/F]も変化する。従って上述した如く求められた発熱量比[Qv/Qs]と、前述した如く求められた燃料ガスの熱量流量Fcとに応じて、空気および酸素の流量をそれぞれ制御すれば、これによって混合気を形成する上での空燃比[A/F]および酸燃比[O/F]をそれぞれ最適化することが可能となる。そして燃焼ガスを最適状態で燃焼させ得る混合気を、その燃焼系(バーナ)26に供給することが可能となる。
【0032】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば前記熱量流量検出部6にて求められた熱量流量と共に、前記熱式質量流量センサ3にて検出される質量流量を並列的に出力するように構成することも勿論可能である。また熱量流量に基づく流量制御と、質量流量に基づく流量制御とを選択的に設定可能な構成とすることも可能である。更には周知の温度補正手段等の機能を適宜組み込むことも勿論可能であり、要は本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係る流量制御装置の概略的な機能ブロック構成図。
【図2】図1に示す流量制御装置の流路構造の例を示す図。
【図3】CH系の燃料ガスの密度と熱拡散率αの逆数[1/α]との関係を示す図。
【図4】CH系の燃料ガスの密度とその単位体積当たりの発熱量との関係を示す図。
【図5】燃料ガスの熱量流量と熱式質量流量センサのセンサ出力との関係を示す図。
【図6】本発明に係る流量制御装置を用いて構成される燃料供給装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1 燃料ガスの通流路
2 流量調整弁(バルブ)
3 熱式質量流量センサ
4 バルブ制御回路
5 制御演算器
6 熱量流量検出部(熱量流量算出手段)
7 発熱量検出手段
8 発熱量比演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスの通流路に設けられて上記燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、
上記通流路を通流する燃料ガスの質量流量を検出する熱式質量流量センサと、
前記燃料ガスの体積流量と該燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とにより決定される前記燃料ガスの熱量流量を前記熱式質量流量センサの出力から求める熱量流量算出手段と、
制御目標値として設定した熱量流量と前記熱量流量算出手段にて求められた熱量流量とを比較して前記流量調整弁の作動を制御する流量制御手段と
を具備したことを特徴とする流量制御装置。
【請求項2】
前記燃料ガスはCH系のものであって、
前記熱量流量算出手段は、予め求められた前記熱式質量流量センサの出力と前記燃料ガスの熱量流量との関係を記述したテーブルを参照して前記熱式質量流量センサの出力に応じた前記燃料ガスの熱量流量を求めるものである請求項1に記載の流量制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流量制御装置において、
前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求める発熱量検出手段と、
予め求められた燃料ガスの基準状態における単位体積当たりの発熱量と、前記発熱量検出手段にて求められた前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量とから、前記燃料ガスの発熱量比を求める発熱量比演算手段を備えたことを特徴とする流量制御装置。
【請求項4】
前記発熱量検出手段は、前記燃料ガスの流れが停止した状態における前記熱式質量流量センサの出力から、または前記熱式質量流量センサの駆動条件を変化させたときの該熱式質量流量センサの出力変化から、若しくは前記熱式質量流量センサに併設された熱量センサの出力から前記燃料ガスの単位体積当たりの発熱量を求めるものである請求項3に記載の流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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