説明

流量変動監視装置及び生体成分測定装置

【課題】流量変動を生じ得る液体が流通する流路において、液体の流量変動を確実にかつ精度良く監視することのできる流量変動監視装置及び生体成分測定装置を提供すること。
【解決手段】流体Aが流通する第1流路2と、前記第1流路内を流通する前記流体Aの流量よりも少ない流量で前記流体Aが流通する第2流路3と、前記第1流路2と前記第2流路3との結合部8で分岐して設けられる分岐流路4であって、前記流体Aに対して界面を形成することのできる界面形成流体Bと前記流体Aとが、前記流体Aが前記界面形成流体Bに分割された状態で、流通する分岐流路4と、前記分岐流路4に設けられると共に、流通する前記界面形成流体Bと流体Aとの界面を検知する検知部6と、前記検知部6から出力される検知データにより、流量変動を算出する演算部7と、を備えることを特徴とする流量変動監視装置及び生体成分測定装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流量変動監視装置及び生体成分測定装置に関し、詳しく言うと、流量変動を生じ得る流体が流通する流路において、流体の流量変動を確実にかつ精度良く監視することのできる流量変動監視装置と、前記流量変動監視装置を備えた生体成分例えば血糖の値すなわち血糖値を測定することのできる生体成分測定装置例えば人工膵臓装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「液体を送出する液体送出ラインに一定容積量の前記液体を連続して送出させる回転子を収容した送出器を設け、前記送出器を介して前記液体を前記液体送出ラインに送出し、前記送出器における前記液体の単位時間における流量の変化を監視し、前記流量の変化が生じたとき、前記単位時間における前記液体の流量が基準となる流量に一致するように前記液体の送出制御を行うことを特徴とする液体送出方法」が記載されており、この「液体送出方法」を実現する「液体送出装置」も記載されている(特許文献1の請求項1及び10並びに図1参照)。
【0003】
前記「液体送出方法」を実現する「液体送出装置」では、「回転子駆動モータ1Mの回転速度に応じた周波数のパルスを発生するパルスエンコーダ1Sからなるシロップ流量調整器1と、希釈水Wの流量に応じた周波数のパルスを発生する希釈水流量計21と、希釈水流量計21と同様に形成されて炭酸水Wの流量に応じた周波数のパルスを発生する炭酸水流量計26と、・・・予め定められたパルスのサンプリング周期においてパルスエンコーダ1S、希釈水流量計21、および炭酸水流量計26から入力する各液体の流量に応じたパルスに基づいて希釈比率とのずれを監視する流量監視部4と」を設けている(特許文献1の段落番号0013欄及び図1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の発明のように多数の部材を設けると、全ての部材が正常にかつ正確に作動して初めて、正確な結果を得られるので、装置が複雑化し易い。
【0004】
流体の流量変動を監視する必要のある装置としては、特許文献1に記載の飲料用の装置以外に、医療機器を挙げることができる。医療機器においては、流体の流路としてチューブ回路を用いることが多く、衛生面を考慮してチューブ回路を含む接液品の大部分がディスポーザブルである。流量変動を監視する医療機器において多数の部材を設けると、多数のディスポーザブルの接液品を廃棄することとなるので、装置の製造及び保守に必要な原料及び工程が増加してしまう。
【0005】
したがって、接液する部品点数が少なく、液体の流量変動を正確にかつ確実に検知することのできる流量変動監視装置が望まれていた。また、そのような流量変動監視装置を備えている生体成分測定装置も望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−118796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、流量変動を生じ得る液体が流通する流路において、液体の流量変動を確実にかつ精度良く監視することができ、かつ接液する部品点数が少ない流量変動監視装置と、前記流量変動監視装置を備えた生体成分を測定する生体成分測定装置、例えば血糖値を測定することのできる人工膵臓装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、
流体Aが流通する第1流路と、
前記第1流路内を流通する前記流体Aの流量よりも少ない流量で前記流体Aが流通する第2流路と、
前記第1流路と前記第2流路との結合部で分岐して設けられる分岐流路であって、前記流体Aに対して界面を形成することのできる界面形成流体Bと前記流体Aとが、前記流体Aが前記界面形成流体Bに分割された状態で、流通する分岐流路と、
前記分岐流路に設けられると共に、流通する前記界面形成流体Bと流体Aとの界面を検知する検知部と、
前記検知部から出力される検知データにより、流量変動を算出する演算部と、
を備えることを特徴とする流量変動監視装置であり、
請求項2は、
前記流体Aが液体Aであり、前記界面形成流体Bが気体Bである請求項1に記載の流量変動監視装置であり、
請求項3は、
前記気体Bは、(1)前記第1流路に設けられた、若しくは、前記分岐流路に設けられた界面形成流体供給部により、又は、(2)前記第1流路の途中から前記結合部を経由して前記検知部までの流路のいずれかの部位に設けられた、液体Aの一部を気体Bに変換する流体変換部により、形成されてなる前記請求項2に記載の流量変動監視装置であり、
請求項4は、
前記第1流路は、
前記液体Aを形成するに必要な第1液体を前記第1流路内に供給する第1液体供給部と、
前記第1液体供給部の下流側に設けられ、前記第1流路内に前記気体Bを供給する界面形成流体供給部と、
前記界面形成流体供給部の下流側に設けられ、前記第1液体とで液体Aを形成する第2液体を供給する第2液体供給部とを備え、
前記結合部には、前記第1液体と前記第2液体とが混合してなる液体Aと気体Bとの気液混合物と気体Bを含まない液体Aとに分離する分離器を備え、
前記第2流路は、前記分離器で分離された、かつ気体Bを含まない流体Aを流通させ、
前記分岐流路は、前記第1液体と前記第2液体とが混合してなる液体Aと気体Bとの気液混合物を流通させることを特徴とする前記請求項2に記載の流量変動監視装置であり、
請求項5は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の流量変動監視装置を備える生体成分測定装置である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によると、第1流路、第2流路及び分岐流路のいずれかの流路で流通する流体の流量が変動しても、特に第1流路を流通する流体の流量が変動しても、その流量変動を確実にかつ精度良く監視することができ、更に接液する部品点数が少ない流量変動監視装置を提供することができる。
【0010】
また、この発明によると、前記流量変動監視装置を備えることにより、測定すべき生体成分、例えばグルコース等を含む液体の流量変動が生じても、その流量変動を確実にかつ精度良く監視することができ、更に接液する部品点数が少ない生体成分測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、この発明に係る流量変動監視装置の一例を示す説明図である。
【図2】図2は、この発明に係る流量変動監視装置の他の例を示す説明図である。
【図3】図3は、この発明に係る流量変動監視装置の他の例を示す説明図である。
【図4】図4は、この発明に係る流量変動監視装置の他の例を示す説明図である。
【図5】図5は、この発明に係る流量変動監視装置の他の例を示す説明図である。
【図6】図6は、この発明に係る血糖値測定ユニットの一例を示す説明図である。
【図7】図7は、この発明に係る血糖値測定ユニットの他の例を示す説明図である。
【図8】図8は、この発明に係る血糖値測定ユニットのさらに他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下にこの発明に係る流量変動監視装置の一実施態様を、図1を参照しつつ説明する。
【0013】
図1に示される流量変動監視装置1Aは、第1流路2、第2流路3、分岐流路4、気体混入器5、検知部6、演算部7を備えている。
【0014】
前記第1流路2は、流体Aが流通する流路である。
【0015】
前記流体Aとしては、流体である限り特に制限されることは無く、例えば水、油、生理食塩水、ゾル及び種々の溶液などの液体A並びに気体等を挙げることができる。
【0016】
前記第2流路3は、前記第1流路2内を流通する流体Aの流量よりも少ない流量で流体Aが流通する流路である。すなわち、第1流路2内を流通している流体Aは、結合部8を経由して第2流路3と分岐流路4とに分割されて流入していく。
【0017】
前記分岐流路4は、第1流路2と第2流路3との結合部8で分岐して設けられると共に、流体Aに対して界面を形成することのできる界面形成流体Bと流体Aとが、流体Aが界面形成流体Bで分割された状態で流通する流路である。換言すると、この分岐流路4の中で、流体A、界面形成流体B、流体A、界面形成流体B、流体A、及び界面形成流体Bの順に流体Aが界面形成流体Bにより分割されて流通して行く。このように流体Aと界面形成流体Bとが分割されて流通するためには、分岐流路4はその流路の任意の軸線に直交する断面における内部輪郭は円形である。なお、「結合部」は、第1流路の端部と第2流路の端部とを結合することにより形成することもできるが、流路の途中に分岐流路を分岐させることにより、流通方向において分岐流路の結合点よりも上流側を第1流路とし、分岐流路の結合点よりも下流側を第2流路とする場合には、第1流路が第2流路と分岐流路とに分岐する部位が結合部となる。
【0018】
前記界面形成流体Bとしては、流体Aに対して界面を形成することができ、形成した界面を保持しつつ流体Aと共に流路内を流通することのできる流体である限り、特に制限されることは無く、流体Aが、水、水溶液、及び生理食塩水と生体から採取した体液試料との混合液などのように水を主体とする液体並びにゾル溶液である場合には、界面形成流体Bとして例えば空気、種々のガスなどの気体B、油、前記流体Aと界面を形成することのできる種々の溶液及びゾルなどの液体を挙げることができる。このとき、界面形成流体Bとして特に好ましいのは、気体Bである空気である。空気は液体及びゾル溶液に短時間で溶解し難いので、界面形成流体Bは種々の流体Aに対して界面を形成し易い。更に言うと、この発明に係る流量変動監視装置においては、流体Aの種類に応じて界面形成流体Bを決定すれば良い。例えば流体Aとして水、生理食塩水、生理食塩水と生体から採取した体液例えば血液との混合液を用いる場合には、界面形成流体Bとして油、又は、水又は生理食塩水に溶解しない種々の気体例えば空気等を用いることができる。また、例えば流体Aとして油を用いる場合には、界面形成流体Bとして水、生理食塩水等の液体又は、油に溶解しない種々の気体例えば空気等を用いることができる。流体Aが空気又は種々のガス等の気体である場合には、界面形成流体Bとして例えば水、水溶液、油及び種々の溶液、ゾル並びにゲル等を挙げることができる。
また、この発明においては、界面形成流体Bが、流体Aの気化により形成される気泡であることもある。つまり、分岐流路4内を流通する液体である流体Aを気体混入器5により、その一部を気化させ、又はその流体Aに溶存する気体を気化させ、これによって生じた気泡を流体Bとしてもよい。液体Aの一部が気化して生じた、又は液体Aに溶存するガスが気化して生じた気泡を流体Bとするためには、前記気体混入器5は、分岐流路4の外部から分岐流路4内に気体を導入せず、分岐流路4を流通する流体Aである液体Aを加熱する加熱手段例えばニクロム線ヒータを備えていることが望ましい。この場合、前記加熱手段は、この発明に係る流量変動監視装置における流体変換部の一例である。
前記分岐流路4内で流体Aと界面形成流体Bとが界面を形成するためには、流体Aが液体Aであるときには、界面形成流体Bは液体Aと混和しない物質、或いは相互に溶解しない物質であればよく、例えば流体Aが水、水溶性アルコール、これらに生体成分等を溶解してなる水性溶液等の水性液体Aであるときには、界面形成流体Bとしては油性液体Bを挙げることができる。
【0019】
図1に示される流量変動監視装置1Aを生体成分測定装置例えば人工膵臓装置に組み込む場合には、流体Aは水性液体A例えば生理食塩水と生体から採取された体液例えば血液との混合液であり、界面形成流体Bは気体であるのが、好ましい。
【0020】
前記気体混入器5は、前記分岐流路4内に界面形成流体Bを供給する部材であり、この発明における界面形成流体供給部の一例である。この場合、分岐流路4内に界面形成流体Bを供給する態様として、分岐流路4内に分岐流路4以外の外部から界面形成流体Bを供給する態様、及び、流体Aが液体Aである場合に、分岐流路4内を流通する液体Aの一部を流体変換部により気化させ、又は前記液体Aに溶存するガスを流体変換部によって気化させることにより分岐流路4に界面形成流体Bである気泡を発生させる態様を、挙げることができる。前記したように、液体Aの一部を気化させ、又は液体Aに溶存するガスを気化させるには、この気体混入器5は加熱手段であるヒータを備える。
【0021】
気体混入器5が分岐流路4外から分岐流路4内に供給する界面形成流体Bの好適例としては、空気を挙げることができる。空気を送出することのできる気体混入器5の具体例としては、例えば遠心ポンプ、往復動ポンプ、ネジポンプ、回転ポンプ又はローラポンプ等を用いることができる。もっとも、界面形成流体Bが空気以外である場合にも、界面形成流体供給部として、上述のポンプを用いることができる。
【0022】
前記検知部6は、分岐流路4の気体混入器5の下流側に設けられると共に、流通する界面形成流体Bと流体Aとの界面を検知するセンサー部材である。
【0023】
この発明に係る流量変動監視装置における検知部は、流体Aと界面形成流体Bとの界面が検知部を通過することにより、その界面を検知することができるように形成されていれば良く、例えば光センサ又は超音波センサ等を採用することができる。なお、好適な検知部は、装置の簡素化及び操作性等を考慮して光センサを有する。図1に示される検知部6は、発光素子及び受光素子を有する光センサの一例である。
【0024】
前記演算部7は、前記検知部6から出力される検知データにより、流量変動を算出するように形成されて成る。
【0025】
この発明に係る流量変動監視装置における演算部としては、流体Aの流量変動を算出することのできる演算機能を有していれば適宜の部材を採用することができ、例えば電子計算機等を用いることができる。
【0026】
ここで、この発明に係る流量変動監視装置が流体A又は界面形成流体Bの流通を監視する方法としては、2つの好ましい方法を挙げることができる。
【0027】
流体A又は界面形成流体Bの流通を監視する第1の方法では、先ず、検知部で得られる吸光度等の測定値が、検知データとして演算部に出力される。次いで、演算部において、入力された測定値と予め設定しておいた閾値との差分を算出する。前記測定値が前記閾値を超える場合には界面形成流体Bが流通していると判別し、前記測定値が前記閾値に達しない場合には流体Aが流通していると判別することにより、流体A又は界面形成流体Bの流通を監視することができる。
【0028】
流体A又は界面形成流体Bの流通を監視する第2の方法では、先ず、検知部で得られる吸光度等の測定値が、検知データとして演算部に出力される。次いで、演算部において、入力された測定値を微分処理することにより、前記測定値の変化率を算出する。前記変化率と、予め設定しておいた閾値との差分を算出する。前記変化率が前記閾値を超える場合には流体Aの流通から界面形成流体Bの流通に切り替わったと判別し、前記変化率が再度前記閾値を超える場合には界面形成流体Bの流通から流体Aの流通に切り替わったと判別することにより、流体A又は界面形成流体Bの流通を監視することができる。
【0029】
上述した方法により流体A又は界面形成流体Bの流通を監視することができるのは、分岐流路内を流通する流体Aが界面形成流体Bに分割された状態で流通するからである。
【0030】
流体Aの流量は、流体Aと界面形成流体Bとの界面が検知部を通過する回数を単位時間当たりで積算した値と相関する。前記演算部における流体Aの流量変動を算出する方法としては、上述した流体A又は界面形成流体Bの流通を監視する方法により、流体Aの流通が変動していると判別された場合に、単位時間当たりの界面通過回数の積算値を算出することにより、前記積算値を用いて流体Aの流量変動も算出することができる。なお、前記単位時間は、流量変動の検知を迅速に行う必要がある場合には秒単位で短く設定すれば良く、逆に流量変動の検知に時間的余裕がある場合には数分間程度に長く設定しても良い。
【0031】
前記演算部における流体Aの流量変動を算出する別の方法としては、例えば流体Aの流量の経時変化を追跡する方法を挙げることができる。詳しく言うと、前記検知部で検知された界面形成流体Bと流体Aとの界面における任意の界面を検知した後に、その直近の界面を検知するまでの所要時間を測定し、測定した所要時間と予め測定しておいた流路径とを用いて単位時間毎の流体Aの流量を算出することができるので、算出した流体Aの流量の経時変化を追跡すれば良い。
【0032】
この発明に係る流量変動監視装置の第1流路、第2流路、結合部、分岐流路、検知部及び界面形成流体供給部において、各部材の材料としては、それぞれの内部を流通する流体A及び/又は界面形成流体Bが接することにより、変形及び変質しない材料を用いると良い。
【0033】
また、この発明に係る流量変動監視装置は、演算部で算出される流体Aの流量及び流量変動を、操作者が視認することができるように、CRT等の表示部材に流体Aの流量及び流量変動を示すこととしても良い。更に、流体Aに流量変動が生じた場合には、警報の鳴動等により操作者に報知する報知部材を付設しても良い。
【0034】
この発明に係る流量変動監視装置の他の実施態様を、図2に示す。図2に示す流量変動監視装置1Bには、気体混入器51及び分離器9が付設されている。流量変動監視装置1Bにおいて、流量変動監視装置1Aと相違する点は、気体混入器51を設ける位置、及び、結合点8に分離器9を設けた点である。流量変動監視装置1Bと流量変動監視装置1Aとは、この相違点以外は同一の部材を用いているので、共通の部材の詳細な説明を省略することがある。
【0035】
気体混入器51は、第1流路2に設けられ、第1流路2内に界面形成流体Bを供給することができる。この気体混入器51は、この発明における界面形成流体供給部の一例である。気体混入器51が第1流路2内に供給する界面形成流体Bは、前記気体混入器5と同様に、空気である。気体混入器51の具体例としては、気体混入器5と同様に、例えば遠心ポンプ、往復動ポンプ、ネジポンプ、回転ポンプ又はローラポンプ等を用いることができる。
【0036】
分離器9は、第1流路2と第2流路3との結合部に設けられ、界面形成流体B及び流体Aの混合物と、界面形成流体Bを含まない流体Aとに分離する部材である。この分離器9は、この発明における結合部の一例である。なお、流量変動監視装置1Bにおいては、分岐流路4に検知部6を設けているので、界面形成流体Bと流体Aとの混合物は分岐流路4に流通させ、界面形成流体Bを含まない流体Aは第2流路3に流通させるように分離器9で分離する。流体Aが液体であり、界面形成流体Bが気体である場合には、この分離器9は、液体Aと気体Bとの混合物を、分岐流路4に流入する液体A及び気体Bの混合物と、第2流路3に流入する、気体Bの除去された液体Aとに、分離する。
【0037】
なお、この発明に係る流量変動監視装置においては、検知部及び演算部が作動することにより流量変動を監視することができる限り、分離器を設ける必要は無い。換言すると、検知部及び演算部によって界面形成流体Bを含有する液体Aの流量変動を監視することができるのであれば、第2流路3に流体Aと界面形成流体Bとの混合物例えば液体Aと気体Bとの混合物が流通しても良い。第2流路3において、界面形成流体Bが流通していると不都合が生じる場合には、流量変動監視装置1Bにおけるように分離器を設ければ良い。
【0038】
続いて、図2に示した流量変動監視装置1Bの変形例を図3に示す。図3には流量変動監視装置1Cが示されている。流量変動監視装置1Cは、流量変動監視装置1Bにおける第1流路2に、第1流体供給部201と第2流体供給部202とを付設して成る。流量変動監視装置1Cと流量変動監視装置1Bとは、付設した第1流体供給部201及び第2流体供給部202以外は同一の構成であるので、同一の構成についての詳細な説明を省略することがある。
【0039】
前記第1流体供給部201は、第1流路2内に第1流体を供給する手段である。また、前記第2流体供給部202は、前記第1流体に第2流体を供給する手段である。第1流路2において、第1流体供給部201の下流側には、界面形成流体供給部の一例である気体混入器51が設けられ、更に気体混入器51の下流側には第2流体供給部202が設けられている。流量変動監視装置1Cにおいて、前記流体Aは、第1流体供給部201及び第2流体供給部202により供給される2種類の流体が混合されて成る。流量変動監視装置1Cでは、第1流路2の中で先ず第1流体が界面形成流体Bで分割されて、分割された第1流体、分割された界面形成流体B、分割された第1流体、及び分割された界面形成流体Bの順に従って第1流路内を流通し、次いでこのように分割されている第1流体中に第2流体が供給される。
【0040】
第1流体及び第2流体は、いずれも液体であるか、又はいずれも気体である。界面形成流体Bは液体又は気体である。更にいうと、界面形成流体Bは、第1流路2中で、第1流体及び第2流体に対して界面を形成する流体である。図3に示される流量変動監視装置1Cの好適な態様においては、第1流体及び第2流体は液体であり、界面形成流体Bが気体である。もっとも、界面形成流体Bが液体であるときには、第1流体及び第2流体が気体である。流体Aである液体を、液体である第1流体と液体である第2流体とに分けるのは、第1流体として希釈液を採用し、第2流体としてヘパリン加生理食塩水及び血液を混合した混合液を採用することがあるからである。
第1流体と第2流体とが液体であるときには、分離器9に到達する前に十分に混合されるのが好ましい。例えば液体である第1流体が、気体である界面形成流体Bにより分割された状態で流通していると、第2流体供給部202は、第1流体と気体とが流通する第1流路2に液体である第2流体を供給するだけで、自動的に第2流体が第1流体に供給されることとなる。更に言うと、例えば第1流体及び第2流体が液体であり、かつ界面形成流体が気体であるときには、第1流体及び第2流体は気体により分割された状態で分離器に向って流通するので、第1流体と第2流体との混合効率が向上する。効率よく第1流路内で第1流体と第2流体とを混合するには、第2流体供給部202から分離器9に到る第1流路2の途中に、例えばコイル状流路を有する混合器を介装し、このコイル状の流路内を流通させることで流体同士の混合を促すようにするのが、好ましい。
【0041】
この発明の一実施態様である流量変動監視装置1Cは、複数種類の流体が混合されて成る流体Aを第1流路中で作製する場合に有用である。なお、流体Aが1種類の流体から成る場合、又は予め複数種類の流体が十分に混合されて流体Aとして第1流路に供給される場合は、流量変動監視装置1A及び1B並びに後述の流量変動監視装置1D及び1Eを採用すれば良い。
【0042】
以下に、この発明に係る流量変動監視装置1A又は1Bの使用方法及びその作用について説明すると共に、この発明に係る流量変動監視装置1A又は1Bが流体A例えば液体の流量変動を監視する方法についても、説明する。
【0043】
流量変動監視装置1A又は1Bを使用するには、先ず流体Aである液体Aを第1流路2、第2流路3及び分岐流路4に流通させる。このとき、界面形成流体形成部である気体混入器5又は51が作動している。すなわち、流量変動監視装置1Aにおける分岐流路4内、又は流量変動監視装置1Bにおける第1流路2内には、界面形成流体Bである気体Bが供給され続けている。好ましい態様では、気体混入器5又は51が、一定間隔で定量づつ気体Bとして空気を流路内に供給している。
【0044】
なお、液体Aを第1流路2、第2流路3及び分岐流路4に流通させるときに、気体混入器5又は51は作動せず、流量変動監視装置1Aにおける分岐流路4内又は流量変動監視装置1Bにおける第1流路2内には、界面形成流体Bを供給しないようにしても良い。
【0045】
この発明に係る流量変動監視装置は、第1流路、第2流路及び分岐流路を備えているので、3種類の流量が存在する。例えば、流量変動を生じていない状態の流量は、図1及び2に示すように、第1流路2の流体Aの流量をfとし、第2流路3の流体Aの流量をfとし、分岐流路4の流体Aの流量をfとする。なお、図2に示す分岐流路4の流量fは、気体混入器51で供給される界面形成流体Bの流量は考慮しない流量、すなわち流体Aのみの流量である。
【0046】
図1及び2に示される状態では、f、f及びfに流量変動が生じていない場合は、定常状態であるといえる。しかしながら、第1流路、第2流路及び分岐流路はいずれにも流量変動を生じる可能性がある。
【0047】
この発明の流量変動監視装置における各流路の流量変動は、例えば流路が他の装置又は器具により挟み込まれることにより流路が押し潰され、所定の流量の流体Aが流通しなくなる等の状況によって生じる。流量変動が生じると、機械的には所定の流量が流通していると誤認した状態で流体Aを流通させ続けてしまうことにより、実際には流量変動が生じている流体Aの流量を正確に監視できていない状況が生じることがある。流量を誤認した状態で流体Aを流通させ続けると、例えば生体に接続される人工膵臓装置等の生体成分測定装置では、生体を危険に陥れる可能性がある。この発明に係る流量変動監視装置は、このような流量変動を確実にかつ精度良く検知できる。
【0048】
流体Aの流量変動を算出する方法としては、上述したように、単位時間当たりの界面通過回数の積算値を算出することにより、前記積算値を用いて流体Aの流量変動も算出する方法を採用すれば良い。また、流体Aの流量変動を算出する別の方法として、同様に上述した流体Aの流量の経時変化を追跡する方法を採用しても良い。
【0049】
第1流路、第2流路及び分岐流路における流量変動の態様としては、次の5通りを挙げることができる。
(1)fが変動しており、かつfが一定であると、fは変動する。
(2)fが一定であり、かつfが変動していると、fは変動する。
(3)fが一定であり、かつfが変動すると、fは変動する。
(4)fが変動しており、かつfがfの変動と同期して変動していると、fは一定である。
(5)fが変動しており、かつfがfの変動と同期せずに変動していると、fは変動する。
この発明に係る流量変動監視装置は、この5通りの流量変動の態様を監視することができれば良い。
【0050】
(1)fが変動しており、かつfが一定であると、fは変動する場合
図1に示される第1流路2の流量fは、第2流路3の流量fと分岐流路4の流量fとの和により算出される。すなわち、fは、fよりも小さい。流量変動が生じている場合、fが一定であるので、fの変動量はfの変動量に一致する。したがって、fにおける流量変動割合は、fにおける流量変動割合よりも大きくなる。換言すると、流量変動監視装置1A及び1Bは、第1流路2における流量変動割合を、分岐流路4で増幅して監視することができる。流量変動監視装置1A及び1Bは、分岐流路4において検知部6及び演算部7により流量変動を検知することができるので、仮に第1流路2においてfの流量変動が微小であっても、生じている流量変動を確実にかつ精度良く監視することができる。
【0051】
(2)fが一定であり、かつfが変動していると、fは変動する場合
は、fとfとの和により算出されるので、fが一定である場合には、fが増加するとfは減少し、逆にfが減少するとfは増加することとなる。すなわち、fが一定であると、fの変動量はfの変動量の正負を逆転した値と一致する。流量変動監視装置1A及び1Bは、第2流路3の流量が変動していても、分岐流路4の流量を監視することにより、第2流路3の流量変動も監視することができる。つまり、流量変動監視装置1A及び1Bは、前記(1)の場合だけでなく、(2)の場合も流量変動を監視することができる。
【0052】
(3)fが一定であり、かつfが変動すると、fは変動する場合
は、fとfとの和により算出されるので、fが一定である場合には、fが増加するとfは減少し、逆にfが減少するとfは増加することとなる。すなわち、fが一定であると、fの変動量はfの変動量の正負を逆転した値と一致する。流量変動監視装置1A及び1Bは、分岐流路4の流量を監視することにより、第2流路3の流量変動も監視することができる。つまり、流量変動監視装置1A及び1Bは、前記(1)及び(2)の場合だけでなく、(3)の場合も流量変動を監視することができる。
【0053】
(4)fが変動しており、かつfがfの変動と同期して変動していると、fは一定である場合
(4)の場合、図4に示す流量変動監視装置1Dを使用すると良い。図4に示す流量変動監視装置1Dは、図2に示される流動変動監視装置1Bにおける第1流路の、気体混入器51と分離器9との間に、第2検知部61が介装され、この第2検知部61から出力される検知信号を入力する第2演算部71が設けられていることの外は、図2に示される流量変動監視装置1Bと同じ構成を有する。流量変動監視装置1Dと流量変動監視装置1Bとが共通する構成については、その詳細な説明を省略することがある。
【0054】
前記第2検知部61は、前記検知部6と同一のセンサー部材であり、その作用も同一である。また、前記第2演算部71は、前記演算部7と同一の部材であり、その作用も同一である。流量変動監視装置1Dは、流体A例えば液体Aと界面形成流体B例えば空気などの気体Bとの界面を検知するセンサー部材、及び検知部から出力される検知データに基づいて流量変動を算出する演算手段を第1流路2にも設けているので、第1流路2の流量変動も検知することができる。演算部及び演算手段はいずれもコンピュータで実現することができる。
【0055】
は、fとfとの和により算出されるので、(4)の場合、fが一定であると、fの変動量はfの変動量に対応する。流量変動監視装置1Dは、第1流路2及び分岐流路4の流量を監視することにより、第1流路及び第2流路で生じる流量変動を監視することができる。この流量変動監視装置1Dは、前記(1)〜(3)の場合にも使用することができる。
【0056】
(5)fが変動しており、かつfがfの変動と同期せずに変動していると、fは変動する場合
(5)の場合、図5に示す流量変動監視装置1Eを使用すると良い。図5に示す流量変動監視装置1Eには、判別部10が付設されている。流量変動監視装置1Eは、判別部10を有することのほかは、前記流量変動監視装置1Cと同様の構成を有する。流量変動監視装置1Eは、この判別部10以外の構成が流量変動監視装置1Dの構成と同一であるから、判別部10以外の構成についてはその詳細な説明を省略することがある。
【0057】
前記判別部10は、演算部7及び演算部71から出力される演算結果に基づいて、(5)の場合を判別する手段である。
【0058】
は、fとfとの和により算出されるので、(5)の場合、fがfの変動と同期せずに変動していると、fの変動量はfの変動量とfの変動量との差分となる。すなわち、fの流量変動は、fの流量変動に一致しない。よって、前記判別部10は、演算部7で算出される演算結果が演算部71で算出される演算結果に追従している場合は前記(1)の場合と判別し、演算部7で算出される演算結果が一定である場合は前記(4)の場合と判別し、演算部7で算出される演算結果が演算部71で算出される演算結果に追従していない場合は(5)の場合と判別するように設定されているのが好ましい。流量変動監視装置1Eは、第1流路2及び分岐流路4の流量を監視することにより、第1流路及び第2流路で生じる流量変動を監視することができる。もっとも、流量変動監視装置1Eは、前記(1)〜(4)の場合に使用しても良い。
【0059】
このようにして、この発明に係る流量変動監視装置は、様々な態様の流量変動を監視することができる。
【0060】
この発明に係る流量変動監視装置は、流量変動を監視すべき流路を有する装置に組み込むことにより、正確にかつ精度良く流量変動を監視することができる。流量変動を監視すべき流路を有する装置としては、例えば生体成分測定装置を挙げることができる。以下、この発明に係る流量変動監視装置を備える生体成分測定装置を、本発明として説明することとする。
【0061】
この発明に係る生体成分測定装置は、医療行為の実施をするに当り、測定すべき生体成分を測定する装置である。なお、この発明の生体成分測定装置は、医療行為を支援する医療支援装置に組み込まれても良い。
【0062】
前記生体成分としては、例えばグルコース、尿素、尿酸、乳糖、ショ糖、ラクテート(乳酸)、エタノール、グルタミン酸、アンモニア、クレアチニン、酸素等が挙げられる。なお、医療行為を実施する際には、場合により生体液中のpH値、酸素濃度等を測定する必要がある。この発明の生体成分測定装置においては、生体成分なる概念に生体液のpH値、酸素濃度等を含める。
【0063】
前記生体成分測定装置としては、例えば測定血糖値に応じてインスリンを生体に供給する人工膵臓装置、透析を行う人工透析装置、生体の体液中に含まれる尿素の濃度を測定する尿素濃度計、生体の体液中に含まれる尿酸の濃度を測定する尿酸濃度計、生体の体液中に含まれる糖分例えば乳糖、蔗糖等を測定する糖分測定装置、ラクテート等を測定する乳酸測定装置、生体中のグルタミン酸濃度を測定するグルタミン酸濃度計、体液中のアンモニア濃度を測定するアンモニア濃度計、体液中のクレアチニンの濃度を測定するクレアチニン濃度計等を挙げることができる。
【0064】
これら各種の生体成分測定装置において、生体成分を測定する生体成分センサは、生体成分の種類に応じて各種のセンサを採用することができる。
【0065】
前記生体センサ(以下において「バイオセンサ」と称することがある。)として、例えば、酵素を用いた酵素センサ、微生物を用いた微生物センサ、酵素と微生物とを用いたハイブリッド型センサ等が挙げられる。
【0066】
このようなバイオセンサにおいて固定化される酵素又は微生物は、測定される被測定対象物つまり生体成分に応じて選択される。例えば、被測定対象物がグルコースであるときにはβ−D−グルコースオキシダーゼ、Pseudomonas fluorecens、被測定対象物が尿素であるときにはウレアーゼ、被測定対象物が尿酸であるときにはウリカーゼ、被測定対象物がラクテートであるときにはラクテートオキシダーゼ、被測定対象物が乳糖であるときにはラクターゼ又はβ−ガラクトシダーゼ、被測定対象物がエタノールであるときにはアルコールオキシダーゼ、Trichosporon brassicaes、被測定対象物がグルタミン酸であるときにはグルタメートデヒドロゲナーゼ、Escherichia coli、被測定対象物がアンモニアであるときには硝化細菌等が選択される。
【0067】
この発明に係る生体成分測定装置においては、測定可能な生体成分は一種であっても二種以上であってもよい。測定する生体成分が二種以上であるときには、生体から採取した体液を移送する体液移送流路の途中に二種以上のバイオセンサを接続するとよい。また、複数の生体成分を測定するときには、前記体液移送流路を複数に分岐させ、各分岐流路に一つ又は二つ以上のバイオセンサを接続させることもできる。
【0068】
この発明の生体成分測定装置は、強制的又は積極的に一方向にかつ定量的に、体液を流体移送手段と流路とが協働して移送することのできる流路を搭載していると、好ましい。なお、この流路内を流通する流体は、前記流体A、前記流体Aと前記界面形成流体Bとの混合物、及びその他の流体である。流路で流通させようとする流体の種類によって、生体から採取したままの体液例えば血液、尿、リンパ液、髄液等、生体から採取した体液と他の液例えば生理食塩水、ヘパリン含有液等の体液希釈用液との混合液、バイオセンサを較正する較正液、体液移送流路を較正する第2較正液、バイオセンサと体液移送流路とにおける経時変化を同時に較正するための第2較正液、及び生体成分を測定し終わった後の廃液等を挙げることができる。更に言うと、この発明の生体成分測定装置における流路は、複数に機能分化した複数種の流路を総称することとし、かつこの発明に係る流量変動監視装置が組み込まれて成る。また、機能分化した複数種の流路のうち、ある流路は生体から採取した体液と他の液との混合液を流通させ、別の流路は較正液を流通させ、また別の流路は前記流量変動監視装置における非定量部の気体が混入された液体を流通させるようになっている。この発明に係る生体成分測定装置においては、これら各種の液体、流体A、界面形成流体B、及び流体Aと界面形成流体Bとの混合物を、一括して流体と総称することがあり、流体がどのような態様であるかは、以下の説明欄の文脈に応じて容易に理解される。
【0069】
この発明に係る生体成分測定装置には、生体から生体成分を含有する体液を採取する部材、生体成分の測定に要する部材、及び、センサの較正に要する部材として接液品を付設することもできる。
【0070】
ここで、前記接液品としては、例えば留置針、カテーテル、生理食塩水槽、その生理食塩水槽から生理食塩水を導出する生理食塩水導出流路の一例である生理食塩水導出パイプ、生理食塩水導出パイプから導出される生理食塩水をカテーテルに導入する流路の一例であるパイプ、採取した体液に必要に応じて添加する各種の希釈液例えば緩衝液を貯留する希釈液収容槽、希釈液収容槽から希釈液を導出する希釈液導出流路の一例である希釈液導出パイプ、希釈液を前記流体移送手段に供給する希釈液移送流路、生体成分センサの一例であるバイオセンサを較正する較正液を貯留する較正液収容槽、較正収容槽から較正液を導出する較正液導出流路の一例である較正液導出パイプ、較正液を前記流体移送手段に供給する較正液移送流路、カテーテル及び流路を洗浄するフラッシング液を貯留するフラッシング液収容槽、フラッシング液収容槽からフラッシング液を導出するフラッシング液導出パイプ、フラッシング液を前記流体移送手段に供給するフラッシング液移送流路、バイオセンサから排出される廃液を貯留する廃液収容槽、場合によってはバイオセンサその他の流体と接することのある器具等を挙げることができる。要するに、前記接液品は、この発明に係る生体成分測定装置を稼働可能な状態にさせる部材を全て含む。
【0071】
以下に、この発明に係る生体成分測定装置の一例である人工膵臓装置について説明する。この人工膵臓装置は、人工膵臓装置本体と、この人工膵臓装置本体に着脱自在に装着されるグルコース測定ユニット(なお、以下において「血糖値測定ユニット」と称する。)とを有する。
【0072】
図6に示されるように、血糖値測定ユニット11Aは、流量変動監視装置1Aと、基板12と、生理食塩水用タンク13と、希釈液用タンク14と、較正液用タンク15と、廃液用タンク16と、グルコースセンサ17と、カテーテル18と、混合部19と、各種流路とを備えている。前記各種流路としては、グルコース測定流路20と、較正液移送流路21と、希釈液移送流路22と、第2希釈液移送流路23と、廃液移送流路24と、血液移送流路25と、生理食塩水移送流路26と、測定液導入路27と、測定液導出路28とを挙げることができる。また、上述の流路の途中には、各種流路中の流体の流通を切り替えることのできる第1流路切替部29及び第2流路切替部30が付設されている。各種流路は、コネクタ31により着脱自在に接続されている。
【0073】
前記基板12には、強制的又は積極的に一方向にかつ定量的に、流路内の流体を流通させる流体移送部材(図示せず)を、各種流路に作用させるための開口部32が開設されている。血糖値測定ユニット11Aにおいては、流体移送部材としてローラポンプにおけるローラ(図示せず)を基板12の裏側から各種流路に当接させ、前記開口部32に設置される各種流路を前記ローラでしごくようにして、流体を流通させる。基板12は、流量変動監視装置1A及び種々の液体を貯留可能なタンクと接続され、前記各種流路が配置され、かつ適宜の接液品に接続されている。
なお、基板12は、血糖値測定ユニット11Aが設置される環境に応じて、その形状、材料及び大きさを適宜に決定すれば良い。例えば、基板が、柔軟性を有する薄いシートで形成されている場合に、その基板の厚みは、通常0.01〜3mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。基板の硬さとしては、10度以上90度以下(JIS K 6253、デュロメータタイプA(ショアA))であることが好ましい。基板の材料としては特に限定されず、例えば、軟質PVC、各種エラストマー、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(PTFE、ETFE、PFA、FEP等)及びゴム類(天然ゴム、NBR、CR、FKM、FFKM、VQM等の合成ゴム等)等を挙げることができる。
【0074】
前記生理食塩水用タンク13には生理食塩水を貯留可能であり、希釈液用タンク14には採取した血液を希釈する希釈液を貯留可能であり、較正液用タンク15にはセンサを較正する較正液を貯留可能であり、廃液用タンク16には測定後の流体及び較正後の較正液等の廃液を貯留可能である。
【0075】
グルコースセンサ17は、血液と希釈液とが混合されて得られる測定液に含まれるグルコース濃度を測定する部材である。
【0076】
カテーテル18は、血液を採取する部材であり、生体に留置して使用する。なお、図6に示す実施態様においては、前記カテーテル18としてダブルルーメンカテーテルを採用している。
【0077】
混合部19は、前記カテーテル18が採取した血液と前記希釈液用タンク14に貯留されている希釈液とを混合する部材である。
【0078】
グルコース測定流路20は、血液と希釈液とが混合部19により混合されて得られる測定液が流通する流路である。なお、グルコース測定流路20は、流量変動監視装置1Aにおける第2流路3に該当する。較正液移送流路21は、グルコースセンサ17を較正する較正液が流通する流路である。希釈液移送流路22及び第2希釈液移送流路23は、血液又は較正液を希釈する希釈液が流通する流路である。廃液移送流路24は、測定後の測定液及びセンサ較正後の較正液が流通する流路である。血液移送流路25は、カテーテル17において採取された血液が流通する流路である。生理食塩水移送流路26は、カテーテル17に導入される生理食塩水が流通する流路である。測定液導入路27は、測定前の測定液をグルコースセンサ17に導入する流路であり、測定液導出路28は、測定後の測定液をグルコースセンサ17から導出する流路である。
【0079】
なお、希釈液について言うと、好ましくは、グルコースセンサ17に供給される測定液のpHを一定に維持することのできる液であれば良く、例えばリン酸緩衝液を例示することができる。リン酸緩衝液を一例とする液は緩衝液とも称される。したがって、図6に示される一実施形態においては、希釈液は緩衝液であるとも言える。希釈液として緩衝液を使用すると、緩衝液により測定液のpHが一定に維持されるので、pHに対する感度の鋭敏なグルコースセンサで、患者に依存することなく、安定した血糖値測定を行うことができる。
【0080】
この発明に係る流量変動監視装置が組み込まれて成る生体成分測定装置の実施態様としては、図6に示されるように、前記混合部19で混合された測定液、すなわち流体Aつまり液体Aの流路がこの発明における第1流路となり、かつ前記グルコース測定流路20が上述したようにこの発明における第2流路となり、かつ結合部8において分岐している流路が分この発明における岐流路となる。また、図6に示されるように、分岐流路4に流通する流体A又は流体Aと界面形成流体Bとの混合物は、気体混入器5及び検知部6を経て廃液を貯留する廃液用タンク16に移送される。図6では、結合部8が混合部19の下流側でかつ第1切替部29の上流側に位置しているが、この発明に係る生体成分測定装置の目的を達成することができ、かつこの発明に係る流量変動監視装置の作用を発揮することができる限り、適宜の設計変更を採用することができ、例えば混合部19の内部で分岐させても良い。
【0081】
図6に示される混合部19は、血液移送流路25から供給される血液と、希釈液移送流路22から供給される希釈液例えば緩衝液とを混合することができる限り様々の構造を採用することができる。この発明の生体成分測定装置の一実施態様である人工膵臓装置における血糖値測定ユニット11Aにおいては、混合部19からグルコースセンサ17迄の流路が短いので、グルコースセンサ17に至るまでに血液と希釈液とを十分に混合する機構を採用するのが好ましい。
【0082】
以下に、この発明の生体成分測定装置の一実施態様である血糖値測定ユニット11Aの使用方法及びその作用について、図6を参照しつつ説明する。
【0083】
(i)グルコースを測定する方法及びその作用
先ず、基板12の各流路を、それぞれ、前記生理食塩水用タンク13、前記カテーテル18、前記希釈液用タンク14、前記較正液用タンク15、前記廃液用タンク16及び分岐流路4に接続すると共に、各流路をローラポンプ(図示せず)が作用するように配置し、第1流路切替部29及び第2流路切替部30が流体の流通を切替可能なように設置する。各流路の接続は、各流路におけるコネクタ31と各接液品のコネクタ31とを接続することにより行われる。なお、コネクタ同士の接続は極めて簡単な操作である。このようにして、生体成分測定装置11Aの配管接続作業が終了し、生体成分測定装置が駆動可能な状態となる。
【0084】
次に、カテーテル18を生体内に留置する。続いて、生理食塩水用タンク13からカテーテル18へとヘパリン含有生理食塩水が送液される。また、このカテーテル18により採取された血液は、カテーテル18内でヘパリン含有生理食塩水と混合される。これにより、カテーテル18内のヘパリン含有血液が、開口部32を介して各種流路に当接するローラポンプにしごかれることにより、血液移送流路25内を強制的に移送され、混合部19に到達する。
【0085】
一方、ローラポンプにしごかれて、希釈液用タンク14から、希釈液が希釈液移送流路22内を送液される。送液された希釈液は、混合部19に到達する。この混合部19の混合により測定液、すなわちこの発明における流体Aすなわち液体Aが調製される。
【0086】
なお、図6に示される血糖値測定ユニット11Aでは、カテーテル18から採血された血液は定量であるが、希釈液移送流路22が希釈液用タンク14から垂れ下がって他の装置に挟まれる等して押し潰されることにより、移送される希釈液が所定の流量に満たなくなることがあり、そうすると流量変動を生じ得る。更に、他の流路、例えば分岐流路4、グルコース測定流路20及び廃液移送流路24等においても、流量変動を生じ得る。仮に、様々の流路において流量変動を生じたとしても、血糖値測定ユニット11Aは、この発明の一実施態様である流量変動監視装置1Aを備えているので、操作者は流量変動を監視することができる。
【0087】
図6に示される状態では、第1流路切替部29は、グルコース測定流路20に対して較正液移送流路21を不通状態にし、血液移送流路25と第1流路2とを流通状態にしている。また、分岐流路4は、第1流路切替部29よりも上流側に配置されているので、第1流路切替部29の動作に依らず、常に流通可能状態である。したがって、測定液は、第1流路2内を流通してコネクタ31を介してグルコースセンサ17内に注入される。なお、混合部19で調製された測定液は、流量変動監視装置1Aにおける第2流路3に該当するところのグルコース測定流路20と、分岐流路4とに分かれて流通することとなる。グルコースセンサ17内では、測定液中のグルコースが測定される。なお、測定されたグルコースの量のデータは、操作者が認識することができるように、図示しない表示部材等に転送される。
【0088】
測定液が流通する前記分岐流路4は、上述した前記流量変動監視装置の分岐流路4と同様に作用する。詳しく言うと、前記分岐流路4に流通する測定液は、気体混入部5において一定間隔で定量の気体、例えば空気等を混入される。すなわち、測定液が前記流体Aであり、気体が界面形成流体Bである。この気体の混入は、測定液が気体で分割された状態を保持しつつ流通するように実行される。次に、気体が混入された測定液は、検知部6を通過する。ここでは、検知部6として発行素子及び受光素子を備えた光センサが用いられ、液体と気体との吸光度の差により、気液界面が通過したことを検知するようになっている。続いて、前記検知部6で検知された検知データを演算部7に出力し、測定液の流量を算出する。前記検知部6を通過した測定液は、廃液用タンク16に送液され、廃液用タンク16内に貯留される。
【0089】
一方、測定の終わった測定液は、測定液導出路28、廃液移送流路24を通ってローラポンプにより、廃液移送流路24内を送液される。送液された測定液は、廃液用タンク16に達し、廃液用タンク16に貯留される。
【0090】
したがって、図6に示される実施形態においては、流量変動監視装置1Aにより確実にかつ精度良く流量変動を監視することができるので、機械的に誤認したまま液体が流通することがなく、結果として、血糖値測定の正確さが向上することにより、医療支援装置に対する安全性が高い血糖値測定ユニット11Aを提供することができるのである。
【0091】
図6に示される血糖値測定ユニット11Aは、血液中のグルコースを測定しているが、血液以外の体液を測定してもよい。このような体液としては、例えば、尿、汗、細胞間質液等を挙げることができる。
【0092】
更に、生体成分測定装置11Aにおけるカテーテル18は、生体成分測定装置11Aとは別体的に外部から接続されているが、この発明に係る生体成分測定装置においては、例えばカテーテル等の採血手段は、この生体成分測定装置に予め搭載されていてもよい。この場合には、前記採血手段における導入管に取り付けられたコネクタを前記生理食塩水移送流路26の他端のコネクタ31に結合すればよい。
【0093】
以上のようにして、この発明に係る生体成分測定装置は、グルコース等の生体成分を測定することができるだけでなく、この発明に係る流量変動監視装置を備えているので、各種流路に生じ得る流量変動を確実にかつ精度良く監視することができる。仮に、生体成分を測定するセンサに流入する液体に流量変動が生じている場合には、正確な生体成分の測定を行うことができないので、正確でない測定結果に基づいて治療を生体に施す可能性がある。しかしながら、この発明に係る流量変動監視装置により、流量変動を確実にかつ精度良く監視することができるので、生体成分の測定結果の正確さが向上することとなり、更にこの発明に係る生体成分測定装置を医療支援装置に組み込んでも安全性を担保することができる。
【0094】
以下に、図6に示した血糖値測定ユニット11Aの変形例を、図7に示す。
【0095】
図7に示す血糖値測定ユニット11Bにおいて、前記血糖値測定ユニット11Aとの相違点は、流量変動監視装置1Aに代えて流量変動監視装置1Bを使用した点と、血液と希釈液とを混合する混合部19において、気体を用いて混合効率を向上させた点との2つであり、この相違点以外の構成及び作用は血糖値測定ユニット11Aと同様である。血糖値測定ユニット11Aと共通する部材、使用方法及び作用については、説明を省略することがある。
【0096】
図7に示す血糖値測定ユニット11Bにおいては、混合部19は、希釈液と血液との混合効率を向上させる方法として、希釈液及び血液に対して不活性な気体、例えば、空気を導入して、希釈液と血液とを混合するようにしてもよい。図7に示されるように、流量変動監視装置1Bにおける気体混入器51は、混合効率を向上させる部材を兼ねている。また、基板12上に気体流路33を設けている。気体流路33は、血液移送路18等と同様に弾力性のあるチューブであり、気体流路33が開口部32においてローラポンプ(図示せず)によりしごかれて流路内の気体例えば空気を混合部19側に供給できるようになっている。混合部19で又は混合部19の上流側で、希釈液と空気とが混合され、更にこれに血液が混合される。混合部19の下流側には、前記分離器9を設けて、測定液と気体で分割された状態の測定液とを分離する。このように、気体混入器51から混合部19へと送気することにより、血液と希釈液との混合効率を向上でき、また混合部19及びグルコース測定流路20内の血液の滞留時間を短くできるので、採血した血液を迅速に測定できる。更に言うと、気体混入器51が混入する気体は、流量変動監視装置1Bの界面形成流体Bでもあるので、生体測定の効率が向上するだけでなく、装置全体の部品点数を現ずることもでき、好ましい。
【0097】
以下に、図6に示した血糖値測定ユニット11Cの変形例を、図8に示す。図8に示される血糖値測定ユニット11Cの構成は図7に示した血糖値測定ユニット11Cの構成と共通するところがあるので、血糖値測定ユニット11Cにおける血糖値測定ユニット11Bの構成と同じ構成についてはその説明を省略する。
図8に示される血糖値測定ユニット11Cはその気体混入器51によって気体例えば空気が希釈液用タンク14から混合部19に到る流路であって、混合部19の上流側かつ開口部32の下流側の流路途中に送り出される構造を有するに対し、図7に示される血糖値測定ユニット11Bはその気体混入器51bによって気体例えば空気が混合部19に送り出される構造を有する点において、血糖値測定ユニット11Cと血糖値測定ユニット11Bとがその構造を異にする。
【0098】
図8に示される血糖値測定ユニット11Cにあっては、希釈液用タンク14中の希釈液に浸漬する一端開口部から分離器9を経由し分離器9に到る流路が、この発明における第1流路に相当し、前記希釈用タンク14がこの発明における第1液体供給部に相当し、希釈液がこの発明における第1液体に相当し、気体混入器51と、気体混入器51から、混合部19の上流側かつ開口部32の下流側となる流路に結合する合流部Aまでに到る流路とが、この発明における界面形成流体供給部に相当し、気体混入器51から流路に混入される空気がこの発明における界面形成流体であり、カテーテル18がこの発明における第2液体供給部に相当し、カテーテル18で採取された体液と生理食塩水との混合液つまり採取試料液が第2液体に相当する。
【0099】
この血糖値測定ユニット11Cにあっては、開口部32の下流側かつ混合部19の上流側に位置する第1流路2に、合流部Aから空気が注入されると、合流部Aから混合部19までの流路内では、空気と希釈液とが分離された状態となって空気によって分割された希釈液と希釈液を分割する空気とが交互に存在する状態で、希釈液と空気とが混合部19に移送されて行く。
【0100】
混合部19では、カテーテル18から送り出されてきた採取試料液が混合部19内に供給されて前記最終試料液と希釈液とが混合される。なお、混合部19内における空気に採取試料液が供給されることがあっても、空気に隣接する希釈液に採取試料液が混合される。
【0101】
この混合部19を、血液移送流路と空気及び希釈液が分割された状態でこれらを移送する第1流路との合流点から分離器9までに到る螺旋状流路に、してもよい。螺旋状流路、換言するとコイル状流路をもって混合部19とすると、コンティニュアスフロー方式により液体を送液することができ、移送途上において希釈液と採取試料液とを混合することができる。
【0102】
図8に示される血糖値測定ユニット11Cにあっては、分離器9は気液分離器である。この発明おける第2流路であるグルコース測定流路には、気体を含まず、希釈液と採取試料液との混合液である測定液が、押し流されて行く。分離器9から液体が押出されて行くもう一つの流路は分岐流路4である。この分岐流路4には、液体Aに相当する測定液と気体Bに相当する空気とが分節又は分割された状態で、流れて行く。分岐流路4には検知部6が介装されているので、分岐流路4を分割されて流通する測定液と空気との界面が検知部6により検知され、演算部7において流量変動が算出される。
【符号の説明】
【0103】
1A、1B、1C、1D、1E 流量変動監視装置
2 第1流路
201 第1流体供給部
202 第2流体供給部
3 第2流路
4 分岐流路
5、51 気体混入器
6 検知部
61 第2検知部
7 演算部
71 第2演算部
8 結合部
9 分離器
10 判別部
11A、11B 血糖値測定ユニット
12 基板
13 生理食塩水用タンク
14 希釈液用タンク
15 較正液用タンク
16 廃液用タンク
17 グルコースセンサ
18 カテーテル
19 混合部
20 グルコース測定流路
21 較正液移送流路
22 希釈液移送流路
23 第2希釈液移送流路
24 廃液移送流路
25 血液移送流路
26 生理食塩水移送流路
27 測定液導入流路
28 測定液導出流路
29 第1流通路切替器
30 第2流通路切替器
31 コネクタ
32 開口部
33 気体流路
51 気体混入器
61 第2検知部
71 第2演算部
201 第1流体供給部
202 第2流体供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体Aが流通する第1流路と、
前記第1流路内を流通する前記流体Aの流量よりも少ない流量で前記流体Aが流通する第2流路と、
前記第1流路と前記第2流路との結合部で分岐して設けられる分岐流路であって、前記流体Aに対して界面を形成することのできる界面形成流体Bと前記流体Aとが、前記流体Aが前記界面形成流体Bに分割された状態で、流通する分岐流路と、
前記分岐流路に設けられると共に、流通する前記界面形成流体Bと流体Aとの界面を検知する検知部と、
前記検知部から出力される検知データにより、流量変動を算出する演算部と、
を備えることを特徴とする流量変動監視装置。
【請求項2】
前記流体Aが液体Aであり、前記界面形成流体Bが気体Bである請求項1に記載の流量変動監視装置。
【請求項3】
前記気体Bは、(1)前記第1流路に設けられた、若しくは、前記分岐流路に設けられた界面形成流体供給部により、又は、(2)前記第1流路の途中から前記結合部を経由して前記検知部までの流路のいずれかの部位に設けられた、液体Aの一部を気体Bに変換する流体変換部により、形成されてなる前記請求項2に記載の流量変動監視装置。
【請求項4】
前記第1流路は、
前記液体Aを形成するに必要な第1液体を前記第1流路内に供給する第1液体供給部と、
前記第1液体供給部の下流側に設けられ、前記第1流路内に前記気体Bを供給する界面形成流体供給部と、
前記界面形成流体供給部の下流側に設けられ、前記第1液体とで液体Aを形成する第2液体を供給する第2液体供給部とを備え、
前記結合部には、前記第1液体と前記第2液体とが混合してなる液体Aと気体Bとの気液混合物と気体Bを含まない液体Aとに分離する分離器を備え、
前記第2流路は、前記分離器で分離された、かつ気体Bを含まない流体Aを流通させ、
前記分岐流路は、前記第1液体と前記第2液体とが混合してなる液体Aと気体Bとの気液混合物を流通させることを特徴とする前記請求項2に記載の流量変動監視装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の流量変動監視装置を備える生体成分測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−30824(P2011−30824A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−180469(P2009−180469)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】