説明

流量検出装置

HPLCシステムの実用流路内の流体のナノスケールの流量を監視し、制御するための方法および装置。第1の流量センサが、第1の分流器と流体T字管の間の第1の流路に配置される。第2の流量センサが、第2の分流器と流体T字管の間の第2の流路に配置される。第1の再循環流量制限機構が、第1の分流器と流体連絡する第1の再循環流路に配置される。第2の再循環流量制限機構が、第2の再循環通路に配置される。各再循環流量制限機構の透過率は、それぞれの流路で所望される流量をもたらすように選択されることが可能である。各流路内でポンプの出力を制御する第1の流量センサおよび第2の流量センサの出力信号。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年5月21日に出願した米国特許出願第10/851497号(整理番号19921/74−CIP)、および2003年11月26日に出願した米国特許出願第10/723973号(整理番号19921/66(WAA−03−326))の優先権を主張する。以上の出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、流量検出の方法および装置に関し、より詳細には、マイクロスケールまたは通常スケールのクロマトグラフィポンプを使用してナノスケールのクロマトグラフィシステムへの安定した流量の送出を可能にする分流ポンピングシステムを監視し、フィードバックを提供するのに使用される流量検出の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のプランジャ容積型(plunger displacement)ポンピングシステムは、通常スケールおよびマイクロスケールの高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)レジーム(regime)において安定した正確な流量を送出することに成功してきた。通常スケールのHPLCが、毎分約0.1〜5.0mLの移動相流量で実行され、マイクロスケールのHPLCが、毎分約1〜100μLの移動相流量で実行されるのに対して、ナノスケールのHPLCは、毎分50〜500nL範囲内の移動相流量を要求する。プランジャ容積型ポンピングシステムは、信頼性および精度を伴ってナノスケールのHPLC流量を送出することができない。
【0004】
HPLCシステムにおいてナノスケールの流量を提供するための一方法は、ポンプからの流れの大部分を廃棄ストリームに誘導し、ポンプ出力の少しの分量をHPLC実用ストリームに(すなわち、液体クロマトグラフィカラム(column)に)誘導する分流器(flow divider)を使用することである。廃棄ストリームおよび/または実用ストリームにおける分流制限機構(split restrictor)が、システムの分流比を制御する。通常スケールまたはマイクロスケールのHPLCポンプを分流モードで使用して、実用ストリームにおいてナノスケールのHPLC流量をもたらすことができる。
【0005】
HPLCシステムを分流モードで動作させるために、ユーザは、システムの分流比を計算しなければならない。分流比を計算するのに、ユーザは、分流制限機構とクロマトグラフィシステム(すなわち、充填されたカラム)の両方の透過率(permeability)を知らなければならない。それらの透過率を使用して、クロマトグラフィシステムを通る所望の流量をもたらすのに通常スケールまたはマイクロスケールのHPLCポンプによって供給されなければならない流量が計算される。所望される分流比をもたらすべき分流制限機構の寸法を計算することは可能であるが、時が経つにつれての分流制限機構またはクロマトグラフィカラムの透過率の変化により、予期できない分流比のばらつきが生じる可能性がある。そのようなばらつきは、クロマトグラフィカラムを通る流量の容認できないばらつきをもたらす。
【0006】
変化する分流比の問題に対する1つの可能な問題解決法は、適切な流量センサを使用してクロマトグラフィカラムへの流量を監視することである。流体流量は、制限機構を通って流れる液体の圧力を測定することによって算出することができる。一定の粘度を想定すると、制限機構を通って流れる液体の背圧は、その液体の流量に線形に比例する。流量は、流れに沿って制限機構の前後に圧力トランスデューサを配置することによって測定される。圧力トランスデューサからの信号が、電子的に減算され、増幅されて、高い度合いの同相雑音除去が達せられる。
【0007】
制限機構の透過率は、その透過率が、問題となっている流量範囲において測定可能な圧力差信号(ΔP)を生じさせるのに十分な背圧をもたらすが、ポンプに対して大きな背圧を生じさせないように選択される。例えば、長さ10cm、内径25μmの毛細管は、毎分5μLで流れている水に関して、1平方インチ(psi)当たり、およそ100ポンドの背圧をもたらす。この透過率は、ポンプにかかる流体負荷をあまり生じさせずに、流量測定をもたらすのに十分である。
【0008】
しかし、圧力測定流量センサは、測定される各流体の異なる粘度を補償するように較正されなければならない。これにより、流体組成が、クロマトグラフィラン(run)の間に劇的に変化する液体クロマトグラフィ応用例において、大きな不都合が生じる。
【0009】
流体の流量を検出するのに使用することができる別の方法が、熱流量検出である。スイス国、チューリッヒ所在のセンシリオンAG(Sensirion AG)、およびオランダ国、ルールロ(Ruurlo)所在のBronkhorst Nijverheidsstraatを含むいくつかの企業が、nL/分の範囲で流量を監視することができる熱流量センサを開発してきた。
【0010】
それらの熱流量センサの動作は、図1に関連して説明する。液体が充填された管/導管の中に導入された熱は、上流方向と下流方向の両方に拡散する(すなわち、熱伝導または熱拡散にそれぞれ起因して)。流量検出デバイスの管は、低い熱伝導率の材料(すなわち、ガラス、プラスチック)から作られる。0の流量の条件下で、管の中の流体の別々のセクションが継続的に加熱されると、図1の曲線「A」に類似した温度プロファイルが現れる。この温度プロファイルの形状は、流体に加えられた熱の量、ならびにその液体の上流温度と下流温度に依存する。0の流量の条件下で、同一の上流流体温度と下流流体温度を想定すると、Pで測定される液体温度とPで測定される液体温度は、熱拡散が両方向で等しいので、等しい。
【0011】
管の中の液体が、流れることを許される場合、Pにおける流体温度とPにおける流体温度は、液体の流れの速度(rate of liquid flux)、およびもたらされる熱対流に依存する。液体が、加熱された区域を越えて流れ始めると、図1の曲線Bに類似した温度プロファイルが現れる。熱の対称的な拡散に加え、加熱された流体の非対称的な対流が、流体の流れの方向で生じる。したがって、流れている条件下では、Pで測定される流体温度とPで測定される流体温度は異なる。
【0012】
で行われた温度測定とPで行われた温度測定が、現場で、電子的にサンプリングされ、減算され、増幅されて、高い度合いの同相雑音除去がもたらされる。これにより、極めて小さい上流温度と下流温度の差の識別が可能になる。温度測定プローブ(すなわち、PおよびP)を適切に配置すること、および/または流れている液体に加えられる熱の量を変えることにより、温度プロファイル上の変曲点で温度測定が行われることが可能である。変曲点における測定により、流量変化に応答する上流/下流ΔTが最大化される。
【0013】
熱流量検出のダイナミックレンジは、温度測定器具の感度および精度によって制限される。流体中の拡散を介する熱伝達、および管の壁への熱伝達は、低い流体の流れの(fluid flux)条件下(すなわち、寸法<100umの管/導管の中で<500nL/分)では、急速に生じる。したがって、熱を加えた点の近くにおける正確な温度測定が要求される。上方のダイナミックレンジは、温度センサのダイナミックレンジ、ならびに流れている液体に加えられることが可能な熱の量によって制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、測定される各流体の異なる粘度を補償するように較正されなければならない圧力測定流量センサと同様に。熱ベースの流量センサも、そのような較正を必要とする。これにより、流体組成が、クロマトグラフィ実施の間に劇的に変化する液体クロマトグラフィ応用例において、大きな不都合が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、HPLCにおいて通常、使用される、溶剤組成勾配を補償する複雑な較正ルーチンに依拠することなしに、HPLCシステムの実用流路(operating flow path)内の流体のナノスケールの流量を監視し、制御するための方法および装置を提供する。メイン流量センサが、ポンプと分流器の間のメイン流路に配置される。第2の流量センサが、スプリッタ(spliter)の下流の廃棄流路に配置されるか、または実用流路に配置される。第2の流量センサが、廃棄流路に配置される場合、差分回路において、第2の流量センサの出力信号が、メイン流量センサの出力信号から減算されて、実用流路を通る流れの間接的な測定値が得られる。第2の流量センサが、実用流路に配置される場合、実用流路を通る流れは、直接に測定される。いずれのケースでも、メイン流量センサによって測定される流量(すなわち、システムへの入力流量)は、除算回路において、実用流路を通って測定される流量(すなわち、廃棄流路を通る流れの測定によって間接的に測定される流量、または実用流路内の流路センサによって直接に測定される流量)で割られる。除算回路の出力は、分流器の経験的な分流比を表し、媒質組成およびシステム透過率とは独立である。除算回路出力は、オプションとして、制御回路にフィードバックされて、例えば、廃棄流路内の可変制限機構を制御することにより、またはポンプ流量を調整して、実用流路において所望の流量を得ることにより、廃棄ストリーム流量が、所望の値に調整されることが可能である。制御された流量は、したがって、測定された流量比(flow ratio)に基づく。
【0016】
前述した熱流量センサまたは圧力測定センサは、良好な精度と精密さ(accuracy and precision)で、上流流量センサとして、廃棄ストリーム流量センサとして、または実用ストリーム流量センサとして使用されることが可能である。流量センサが、容認できる精度と正確さを得るために、実用流路で使用される場合、メイン流量センサとは異なるスケーリングのセンサが使用される(すなわち、圧力ベースの流量センサの場合、透過率のより低い制限機構が使用されて、ナノスケールの流量に関して測定可能な圧力低下が生じさせられ、熱ベースの流量センサの場合、検出要素の熱質量が、ナノスケール質量の流量の測定を可能にするようにスケーリングされる)。
【0017】
本発明の例示的な実施形態は、毛細管システムの中の液体の流量を測定するための装置を含む。メイン流路が、液体を分流器に運ぶ。実用流路が、分流器の分流比に従って、分流器からその液体の一部を運ぶ。廃棄流路が、分流器からその液体の残りの部分を運ぶ。メイン流量センサが、メイン流路に対して動作するように配置され、メイン流路内の液体の体積流量(volumetric flow rate)を測定するように構成される。廃棄流量センサが、廃棄流路に動作可能に配置され、廃棄流路内の液体の体積流量を測定するように構成される。減算器が、メイン流量センサからメイン流量信号を受け取り、廃棄流量センサから廃棄流量信号を受け取る。減算器は、メイン流量信号と廃棄流量信号の差分を表す差分信号をもたらすように構成される。除算器が、差分信号およびメイン流量信号を受け取る。除算器は、分流器の分流比を表す商信号をもたらすように構成される。
【0018】
例示的な実施形態では、毛細管システムは、ナノスケール範囲の実用ストリーム流量を有する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムである。減算器は、通常、電子減算回路として実装され、除算器は、通常、電子除算回路として実装される。商信号は、溶剤組成とは独立である。
【0019】
別の例示的な実施形態では、メイン流量センサおよび廃棄流量センサは、熱タイプの流量センサである。熱タイプの流量センサは、流路に熱を導入するための手段、および熱を導入する点の上流および下流の流路において液体の温度を測定するための手段(すなわち、温度センサ)を含む。また、熱タイプの流量センサは、流路内の上流温度と下流温度の差に従って、流路内の液体の体積流量を計算するための、以下に説明する熱流量計算機のような、手段も含む。
【0020】
別の例示的な実施形態では、メイン流量センサおよび廃棄流量センサは、圧力タイプの流量センサである。圧力タイプの流量センサは、流路に配置された制限手段(restrictor means)、および制限手段の上流および下流の流体圧(fluid pressure)を測定するための手段を含む。また、圧力タイプの流量センサは、制限機構の上流で測定された圧力と、制限手段の下流で測定された圧力の差に従って、流路内の液体の体積流量を計算するための手段も含む。液体の体積流量を計算するための手段は、例えば、制限手段の上流と下流で測定された圧力の差(すなわち、圧力低下)をもたらすように実施される減算手段を含むことが可能である。代替として、実質的にあらゆる電子計算手段が、制限手段をまたいだ圧力低下の関数として液体流量を算出するように実施されることが可能である。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態は、除算器から商信号を受け取るコントローラを含む。コントローラは、商信号に応答して、実用流路内の液体流量を調整するように構成される。少なくとも1つの実施形態では、システムは、廃棄流路に動作可能に配置された廃棄流路可変制限機構を含む。廃棄流路可変制限機構は、コントローラからの信号に応答して、廃棄流路の透過率を変えることにより、実用流路内の液体流量を調整する。本発明の別の実施形態は、メイン流路に動作可能に配置されたメイン流路ポンプを含む。メイン流路ポンプ26は、コントローラからの信号に応答して、メインポンプの出力フローを変えることにより、実用流路14内の液体流量を調整する。
【0022】
別の例示的な実施形態では、本発明は、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて液体のナノスケールの流量を測定するための方法を含む。方法は、HPLCポンプと分流器の間のメイン流路内のメイン流量を測定することを含む。分流器は、分流器の分流比に従って、メイン流路を実用流路と廃棄流路に分ける。方法は、廃棄流路内の廃棄流量を測定すること、メイン流量から廃棄流量を減算して、流量差を算出すること、およびその流量差をメイン流量で割って、経験的な分流比を算出することをさらに含む。経験的な分流比は、変化する液体組成とは独立である。
【0023】
本発明によれば、実用流路内の液体流量は、経験的な分流比に応答して調整されることが可能である。少なくとも1つの実施形態では、実用流路内の液体流量は、廃棄流路に配置された可変制限機構の透過率を変えることによって調整される。別の実施形態では、実用流路内の液体流量は、HPLCポンプの出力流量を変えることによって調整される。
【0024】
さらに別の例示的な実施形態では、本発明は、2成分溶剤送出(binary solvent delivery)高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて液体のナノスケール流量を測定するための方法および装置を含む。この方法および装置は、2成分溶剤送出システムの各流路において、所望される送出量を超える流路から液体を分流させることを可能にする透過率を有する再循環フロー制限機構を選択することを含む。
【0025】
さらなる例示的な実施形態では、本発明は、2成分溶剤送出高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて液体のナノスケール流量を測定するための方法および装置を含む。この方法および装置は、第1の圧力流路において第1の圧力トランスデューサを使用すること、および第2の圧力流路において第2の圧力トランスデューサを使用することを含み、各圧力流路は、流体クロス(fluidic cross)との間で流体連絡する(in fluid communication with)。流体クロスは、流体クロス圧力トランスデューサとの間で流体連絡する。第1の圧力トランスデューサと流体クロス圧力トランスデューサの間の圧力低下測定値、および第2の圧力トランスデューサと流体クロス圧力トランスデューサの間の圧力低下測定値は、第1の圧力流路内の第1のポンプによって送出されるフロー、および第2の圧力流路内の第2のポンプによって送出されるフローにそれぞれ比例する。
【0026】
本発明の例示的な諸実施形態は、高い流量範囲で液体の流れを測定することにより、毛細管システムにおけるナノスケールの流量を測定し、制御するための方法を特徴とする。ナノスケール流量センサが、例えば、利用できない、または法外に高価である応用例では、精密で、正確で、容易に利用可能なセンサが、大量(high volume)ストリームにおいて構成され、実用ストリームにおける関連するナノスケールの流量を監視し、制御するのに使用される。時が経つにつれての液体組成の変化に影響されない、nL/分(ナノスケール)範囲内で毛細管流量を正確に測定し、制御するための方法が提供される。したがって、本発明は、HPLCシステムにおけるLC(液体クロマトグラフィ)カラムへの実用ストリームを測定し、制御するのに特に役立つ。
【0027】
本発明は、測定される各液体の熱伝導率に従って熱タイプのセンサを較正する必要性を事実上、回避する。また、圧力タイプの熱流量センサが、圧力タイプセンサの正確な動作範囲内で使用されることも可能である。本発明は、測定される各液体の粘度、または毛細管システムの変化する透過率に従って圧力タイプのセンサを較正する必要性を実質的に解消する。また、有利には、本発明は、センサを、ナノスケール流路の外などの、適切な場所に配置することにより、圧力タイプ流量センサの大きい内部容量によって生じさせられる遅延も最小限に抑える。適切なナノスケール流量センサが利用できない応用例では、本発明の諸実施形態は、熱流量センサの正確な動作範囲内で熱流量センサを使用してナノスケールの流量を検出するための方法および装置を提供する。
【0028】
本発明の以上、およびその他の特徴および利点は、添付の図面と併せて解釈される、例示的な諸実施形態の以下の詳細な説明から、より完全に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明による毛細管システム25の例示的な実施形態を、図3に関連して一般的に説明する。メイン流路10が、分流器12によって実用流路14と廃棄流路16に分けられる。メイン流量センサ18が、メイン流路10に動作可能に配置される。廃棄流量センサ20が、廃棄流路16に動作可能に配置される。メイン流量センサ18と廃棄流量センサ20の両方からの出力が、体積流量信号を減算器22に連絡するために、減算器22の入力に接続される。メイン流量センサ18と減算器22の両方からの出力が、メイン体積流量信号および差分信号を除算器24に連絡するために、除算器24の入力に接続される。除算器24の出力は、例えば、以下に説明するとおり、実用ストリームにおける流量を制御するために利用されることが可能である。
【0030】
図4に示された例示的な実施形態では、毛細管システム25は、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムである。HPLCシステム内で、ポンプ26が、メイン流路10に動作可能に配置される。HPLCカラム27が、実用流路14に配置される。ポンプ26は、メイン流路10内の液体(移動相)に適切な流量を与えるように構成される。分流器12および分流制限機構29が、移動相の適切な分量を実用ストリームに供給するように構成される。
【0031】
HPLCシステム内で、通常スケールのHPLCポンプ26を使用して、メイン流路10において、移動相の毎分約0.1ないし5.0mLの範囲内の流量をもたらすことができる。マイクロスケールのHPLCポンプ26を代替で使用して、メイン流路10において、毎分約1ないし100μLの範囲内の流量をもたらすこともできる。分流器12および分流制限機構29は、所望されるナノスケール(nL/分)の流量で実用流路14に移動相を供給するのに適切な分流比をもたらすように設計、もしくは選択される。本発明の代替の諸実施形態では、分流器12は、例えば、所望される毛細管スケール(毎分1〜20μL)またはマイクロボア(micro bore)スケール(毎分20〜100μL)の流量で実用流路に移動相を供給する分流比を有するように設計、もしくは選択されることが可能である。分流器12は、廃棄流路16および/または実用流路14に少なくとも1つの液体制限機構(図示せず)を含み、所望される分流比を実現する。したがって、廃棄流路16内の移動相の流れの結果の流量は、メイン流路10内の流量とほぼ同一の範囲内である。つまり、メイン流路10と廃棄流路16はともに、実用流路14によって運ばれるナノスケールの流量(flow volume)と比べて、大きい流量を運ぶ。
【0032】
マイクロスケールの流量範囲内で、精密で、正確な出力信号をもたらすことができる様々な流量センサのいずれも、本発明の例示的な実施形態に従ってメイン流量センサ18および廃棄流量センサ20を実装するのに使用することができる。通常スケール流量範囲内で、精密で、正確な出力信号をもたらす流量センサは、メイン流路10で通常スケールの流量をもたらすように構成されたポンプ26を有するシステムにおいて、メイン流量センサ18として、かつ/または廃棄流量センサ20として使用するのに適切であるものと企図されている。少なくとも1つの実施形態では、廃棄流量センサは、分流器12と分流制限機構29の間に配置される。これにより、分流制限機構を通る流れによって生じさせられる遅延であって、その間には、例えば、溶剤組成が変わっている可能性がある遅延より前の検出が可能になる。
【0033】
本発明によるメイン流量センサ18として、かつ/または廃棄流量センサ20として使用するのに適した流量センサの様々な例示的な実施形態を、図5〜図7に関連して以下に説明する。通常、ナノスケールのHPLC流量で生じる測定ドリフトは、メイン流量センサ18および廃棄流量センサ20によって提供される流量測定が、比較的高い質量流量で行われるため、最小限に抑えられる。
【0034】
減算器22は、当業者には知られているとおり、電子減算回路として実装される。減算器22への入力信号は、メイン流路10内の移動相の流量、および廃棄流路16内の移動相の流量を表す。これら2つの流量の差は、実用流路14内の移動相流量を表し、減算器22の出力信号で表される。
【0035】
除算器24は、当業者に知られているとおり、電子除算回路24として実装される。除算器24への入力信号は、メイン流路10内の移動相の流量、および実用流路14内の移動相の流量を表す。したがって、除算器24は、分流器12の分流比を表す信号を出力する。本発明による除算器24によって出力される信号は、測定される液体(移動相)の組成とは独立である。したがって、特定の液体組成向けに通常、較正されなければならない、毎分約10nLから毎分約1000mLの範囲内の流量を測定するための、これまで知られているシステムとは異なり、本発明の流量検出方法は、測定される液体の組成に影響されない。
【0036】
本発明の例示的な実施形態では、除算器24からの出力は、実用ストリームにおける流量を制御するのに利用される。図4は、実用ストリームにおける流量が、廃棄流路16に配置され、除算器24の出力に動作可能に接続された可変制限機構29の形態の、廃棄流路可変制限機構の透過率を調整することによって制御される、本発明の実施形態を示す。除算器24の出力と可変制限機構の入力の間で、追加の制御回路(図示せず)が要求される可能性があることが当業者には理解されよう。例えば、追加の制御回路が実装されて、除算器24の出力信号を、使用されている特定の可変制限機構に対する適切な制御入力として使用されるように調整することが可能である。例えば、バッファ、インバータ、増幅器、および/またはマイクロコントローラなどの回路コンポーネントを使用して、当業者にはよく知られているいくつかの方法に従って、制御回路を実装することができる。
【0037】
本発明の例示的な諸実施形態では、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ(図示せず)が、除算器24の出力と、可変制限機構の制御入力の間に実装される。マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサは、例えば、実用流路14において一定の流量を維持するのに適切な設定値に、可変制限機構の透過率、および/またはポンプ26の流量を調整するようにプログラミングされ、構成されることが可能である。
【0038】
圧力タイプの流量センサを使用する、本発明による毛細管システム25の例示的な実施形態が、図5に示されている。制限手段50、58が、メイン流路10および廃棄流路16の両方に配置される。制限手段には、予測可能な形で流路内の流体の流れを妨げて、制限手段の一方の側から反対側への、予測可能な圧力低下を生じさせるための、実質的にあらゆる構造または方法が含まれることが可能である。例えば、精密に寸法が定められた(dimensioned)内径を有する、ある長さの毛細管が、本発明の一部の実施形態における適切な制限手段であることが可能である。スクリーン、フィルタ、ならびに流れの妨げになるその他の障害物も、本発明の様々な実施形態において、制限手段として使用するために流路に配置されることが可能であるものと企図される。本発明の他の一部の実施形態は、液体の流れの妨げとなる障害物が当技術分野で知られるとおり制御されることが可能な、可変制限手段を要する。
【0039】
圧力検出手段52、54、60、62は、それぞれの流路内の各制限手段50、58の上流と下流に動作可能に配置される。本発明で使用するのに適した圧力検出手段は、一般に入手可能な圧力トランスデューサを含むことが可能である。圧力検出手段は、特定の制限機構をまたいだ圧力低下を正確に検出するのに適した動作範囲および精密さを有さなければならない。圧力検出手段52、54、60、62には、電子出力信号をもたらし、流体システムのダイナミックレンジ内で圧力を測定するのに十分な精度および精密さを有する実質的に任意のタイプの圧力センサを含むことが可能である。
【0040】
通常の圧力検出手段は、検出される圧力に比例する大きさを有するアナログ電圧信号を生成する。適切な圧力検出手段からの実質的にあらゆるタイプの出力が、本発明で利用されることが可能であるものと企図される。例えば、様々な圧力検出手段が、圧力依存の電流、圧力依存の変調された信号、圧力依存の可変抵抗、可変のキャパシタンス、光信号などを生成することが可能であるものと企図される。したがって、一部の圧力検出手段は、他の様々なコンポーネントを、例えば、信号調整コンポーネントとして組み込んで、出力信号を増幅するか、または特定のシステムにおいて使用するのにより適した形態に信号を変換する。
【0041】
メイン流路10内の上流圧力検出手段52および下流圧力検出手段54の出力は、メイン流路10の圧力減算手段56に接続される。減算手段には、当技術分野で知られる実質的にあらゆる電子減算回路が含まれる。適切な減算手段には、例えば、標準の演算増幅器(オペアンプ)減算回路が含まれることが可能である。代替として、アナログ−デジタル(A/D)変換器が実装されて、信号をデジタル形態に変換して、マイクロコントローラ、またはパーソナルコンピュータなどのデジタル減算手段が、当技術分野で知られる減算手段として使用できるようになることが可能である。廃棄流路16内の上流圧力検出手段60および下流圧力検出手段62の出力は、廃棄流路16の圧力減算手段64に接続される。メインストリーム圧力減算手段56および廃棄ストリーム圧力減算手段64からの出力が、メイン流量センサ18の出力、および廃棄流量センサ20の出力にそれぞれ対応し(図3および図4参照)、減算器22の入力に接続される。減算器22への入力は、各制限機構を通る流量が、各制限機構をまたいだ圧力低下に線形に関係しているため、メイン流路10内の流量、および廃棄流路16内の流量に対応する。
【0042】
圧力タイプの流量センサを使用する本発明による毛細管システム25の別の実施形態が、図6に示されている。制限手段52、58が、メイン流路10と廃棄流路16の両方に配置される。圧力検出手段が、それぞれの流路内の各制限手段の上流と下流に動作可能に配置される。しかし、図6に示された実施形態では、単一の分流圧力検出手段66が、メイン流路10内の制限機構50の下流、廃棄流路16内の制限機構58の上流の流体圧を測定する役割をする。図6に示されたシステムは、単一の圧力検出手段を使用して、メインストリーム制限機構の下流側、廃棄ストリーム制限機構の上流側の液圧の測定値がもたらされること以外は、図5に示されたシステムと実質的に同様である。この単一の圧力検出手段は、分流器12と一体化される。
【0043】
メイン流路10内の上流圧力検出手段52および分流圧力検出手段66の出力は、メイン流路10圧力減算手段56に接続される。廃棄流路16内の分流圧力検出手段66および下流圧力検出手段62の出力は、廃棄流路圧力減算手段64に接続される。メインストリーム圧力減算手段22の出力、および廃棄ストリーム圧力減算手段22の出力は、メイン流量センサ18の出力、および廃棄流量センサ20の出力にそれぞれ対応し(図3および図4参照)、減算器22の入力に接続される。減算器22の入力は、各制限機構を通る流量が、各制限機構をまたいだ圧力低下に線形に関係しているため、メイン流路10内の流量、および廃棄流路16内の流量に対応する。
【0044】
図7は、熱タイプの流量センサを使用する本発明の実施形態を示す。図7に示される例示的な実施形態では、熱を導入するための手段、すなわち、メイン流路加熱器68が、メイン流路を流れる流体に熱を注入すべき個別の位置に配置される。熱を導入するための手段には、流体ストリームの個別のセグメントを加熱するための任意の構造または手段が含まれることが可能である。例えば、正確な温度コントローラに接続された電気加熱コイルが、流路の小さいセグメントの周りに巻き付けられることが可能であるものと企図される。メイン流路温度センサ70、72は、メイン流路加熱器68の上流と下流に配置される。メイン流路温度センサ70、72からの出力が、メイン流路熱流量計算機74に連絡される。廃棄流路加熱器76が、廃棄流路16を流れる流体に熱、すなわち、ヒートプラグ(heat plug)を注入すべき個別の位置に配置される。廃棄流路温度センサ78、80は、廃棄流路加熱器76の上流と下流に配置される。廃棄流路温度センサ78、80からの出力が、廃棄流路熱流量計算機88に連絡される。メイン流路熱流量計算機74および廃棄流路熱流量計算機88は、対応する流路内の流量の計算を当技術分野でよく知られた手段に従ってそれぞれが行う、図1に関連して前述した熱流量センサのコンポーネントである。各熱流量計算機74、88は、対応する流路内の流量を表す信号を出力する。
【0045】
当技術分野で知られるいくつかの電子回路が、この実施形態による熱流量計算機74、88の役割をすることができる。例えば、マイクロプロセッサ回路、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途向け集積回路)、またはアナログ比較回路はすべて、当技術分野でよく知られており、温度センサ70、72、78、および80からの出力を比較し、それぞれの流路内の流体流量を計算するように構成されることが可能である。代替として、熱流量計算機74、88は、温度センサ70、72、78、および80に関する出力を受け入れるためのデータ獲得ポートを有するパーソナルコンピュータにおけるソフトウェアとして実装されることが可能である。
【0046】
熱流量計算機74、88からの出力信号は、メイン流量センサ18および廃棄流量センサ20からの出力に関連して前述したとおり、流量信号として減算器22および除算器24に連絡される。
【0047】
代替の実施形態では、移動相の流れをポンプ26から分流器12まで運ぶ(図示されていない)複数の管が、互いに隣接して配置される。共通の加熱器を使用して、両方の流路を通る流れが加熱される。温度センサが、各管の下流に、加熱器から実質的に同一の距離で配置される。共通の加熱器が使用され、配管および温度センサが、非常に近接して配置され、熱信号の差が、電子的に計算されるため、高い度合いの同相雑音除去が達せられる。そのような効果的な雑音除去により、メイン流路10内の流量と、廃棄流路16内の流量との間の微小な差の測定が可能になる。
【0048】
図4〜図7に示される本発明の諸実施形態は、廃棄流路16において可変制限機構29を使用するが、実用流路14内の流量も、ポンプ26の流量コントロールを変えることによって制御されることが可能である。
【0049】
本発明の別の実施形態では、実用ストリームにおける流量は、いずれかの可変制限機構を調整することによってではなく、メインストリームへのポンプ出力を直接に調整することによって制御されることが可能である。例えば、図8は、実用ストリームにおける流量が、測定された流量の変化に応答してポンプ26の設定値を調整することによって制御される、本発明の実施形態を示す。図8では(図3で示した諸実施形態の場合と同様に)、メイン流路10が、分流器12によって、実用流路14と廃棄流路16に分けられる。メイン流量センサ18が、メイン流路10に動作可能に配置される。廃棄流量センサ20が、廃棄流路16に動作可能に配置される。メイン流量センサ18と廃棄流量センサ20の両方からの出力が、体積流量信号を減算器22に連絡するために、減算器22の入力に接続される。メイン流量センサ18と減算器22の両方からの出力が、メイン体積流量信号および差分信号を除算器24に連絡するために、除算器24の入力に接続される。除算器24の出力は、ポンプ設定値を調整するために、ポンプ26に動作可能に接続される。
【0050】
除算器24の出力とポンプ26の制御入力の間で、追加の制御回路(図示せず)が要求される可能性があることが当業者には理解されよう。例えば、追加の制御回路が実装されて、除算器出力信号(商信号)を、使用されている特定のポンプ26に対する適切な制御入力として使用されるように調整することが可能である。例えば、バッファ、インバータ、増幅器、および/またはマイクロコントローラなどの回路コンポーネントを使用して、当技術分野でよく知られているいくつかの方法に従って、制御回路を実装することができる。代替として、ポンプ26は、ポンプ26および除算器24に接続された入出力回路を有し、除算器24から出力された商信号に応答してポンプ設定値を調整するソフトウェアを有するパーソナルコンピュータまたはワークステーション(図示せず)によって制御されてもよい。
【0051】
本発明の諸実施形態は、メイン流路において第1の流量検出器を有し、廃棄流路において第2の流量検出器を有すると前段で説明したが、本発明のさらなる実施形態は、廃棄流路ではなく、実用流路に第2の流量検出器を配置することによって実施される。このさらなる実施形態は、図2に関連して前段で説明した先行技術に優る利点をもたらす。というのは、先行技術とは異なり、2つの流量検出器からの出力を使用して、変化する液体組成とは独立である分流比を表す商信号がもたらされるからである。
【0052】
このさらなる実施形態を、図9に関連して説明し、この実施形態では、メイン流路10が、分流器12によって実用流路14と廃棄流路16に分けられる。メイン流量センサ18が、メイン流路10に動作可能に配置される。実用流量センサ92が、実用流路14に動作可能に配置される。メイン流量センサ18と実用流量センサ20の両方からの出力が、メイン体積流量信号および実用流量信号を除算器24に連絡するために、除算器24の入力に接続される。除算器24の出力は、例えば、以下に説明するとおり、実用ストリームにおける流量を制御するのに利用されることが可能である。実用ストリームにおける流量は、例えば、廃棄流路16に配置され、除算器24の出力に動作可能に接続された可変制限機構29の形態の、廃棄流路可変制限機構の透過率を調整すること、および/またはポンプ26の流量コントロールを調整することによって制御されることが可能である。
【0053】
本発明による2成分溶剤送出システム100の例示的な実施形態を、図10に関連して説明する。2成分溶剤送出システム100は、溶剤勾配の形成を可能にする第1の実用流路102と、第2の実用流路104とを有する。第1の実用流路102は、第1の溶剤タンク108を有する第1のポンプ106を有する。第1のポンプ106は、第1の流量スプリッタ110と流体連絡する。第1の流量スプリッタ110は、第1の流量センサ112を有する第1のセンサ流路111と流体連絡する。第1の流量スプリッタ110は、第1の流量制限機構114とさらに流体連絡する。第1の流量制限機構114は、第1の溶剤タンク108と流体連絡する。第1の流量センサ112は、流体T字管(fluidic tee)116と流体連絡する。第1の流量センサ112は、第1のポンプ106の制御システムと連絡する出力信号を生じさせる。第1のポンプ106の流量は、第1の流量センサ112の出力信号によって制御されることが可能である。
【0054】
第2の実用流路104は、第2の溶剤タンク120を有する第2のポンプ118を有する。第2のポンプ118は、第2の流量スプリッタ122と流体連絡する。第2の流量スプリッタ122は、第2の流量センサ124を有する第2のセンサ流路123と流体連絡する。第2の流量スプリッタ122は、第2の流量制限機構126との間で液体がさらに流体連絡する。第2の流量制限機構126は、第2の溶剤タンク120と流体連絡する。第2の流量センサ124は、流体T字管116と流体連絡する。第2の流量センサ124は、第2のポンプ118の制御システムと連絡する出力信号をもたらす。第2のポンプ118の流量は、第2の流量センサ124の出力信号によって制御されることが可能である。
【0055】
動作の際、各ポンプ106、118からの流量の一部が、それぞれの流量スプリッタ110、122を介して、それぞれ溶剤タンク107、120に分流させられる。流れを各溶剤タンク107、120に入るように分流させることは、流量制限機構114、126の透過率に応答して行われる。各流量制限機構114、126の透過率は、所望される再循環比を得るように選択される。動作の際、毎分約1μLの流量が要求され、使用されるポンプの最適流量が、毎分約100μLである場合、ポンプ出力の約99パーセントを溶剤タンクに戻すように再循環させる制限機構を選択することができる。それぞれのポンプからのそのような過剰な溶剤流量を、混合に先立って再循環させることにより、クロマトグラフィシステムに誘導されない流れが、溶剤タンクに戻るように再循環させられ、これにより、溶剤の浪費が無くなることが可能である。本発明の範囲内で、そのような過剰な溶剤が、廃棄(waste)に送られることも可能であることが企図される。
【0056】
本発明の2成分溶剤送出システム200のさらなる例示的な実施形態を、図11に関連して説明する。2成分溶剤送出システム200は、溶剤勾配の形成、およびクロマトグラフィシステム201への送出を可能にする、第1の流路202と、第2の流路204とを有する。第1の流路202は、第1の溶剤タンク208を有する第1のポンプ206を有する。第1のポンプ206は、第1の流量スプリッタ210と流体連絡する。第1の流量スプリッタ210は、第1の圧力トランスデューサ212と、第1の流量制限機構214とを有する第1の圧力流路203と流体連絡する。第1の流量制限機構214は、第1の溶剤タンク208と流体連絡する。本発明の範囲内で、第1の流量制限機構214からの流れが、廃棄に分流させられることが可能であることが企図される。第1の圧力トランスデューサ212は、第1の流量検出制限機構213と流体連絡する。第1の流量検出制限機構213は、流体T字クロス(tee cross)216と流体連絡する。流体T字クロス216は、流体クロス圧力トランスデューサ217と流体連絡する。この例示的な実施形態では、第1の圧力トランスデューサ212、流体クロス圧力トランスデューサ217、および第1の流量検出制限機構213は、デルタPタイプの流量センサを形成する。
【0057】
第2の流路204は、第2の溶剤タンク220を有する第2のポンプ218を有する。第2のポンプ218は、第2の流量スプリッタ222と流体連絡する。第2の流量スプリッタ222は、第2の圧力トランスデューサ224と、第2の流量制限機構226とを有する第2の圧力流路205と流体連絡する。第2の流量制限機構226は、第2の溶剤タンク220と流体連絡する。本発明の範囲内で、第2の流量制限機構226からの流れが、廃棄に分流させられることが可能であることが企図される。第2の圧力トランスデューサ224は、第2の流量検出制限機構225と流体連絡する。第2の流量検出制限機構225は、流体T字クロス216と流体連絡する。第2の圧力トランスデューサ224は、システムコントローラ219と連絡する出力信号をもたらす。この例示的な実施形態では、第2の圧力トランスデューサ224、流体クロス圧力トランスデューサ217、および第2の流量検出制限機構225は、デルタPタイプの流量センサを形成する。
【0058】
第1の圧力トランスデューサ212および第2の圧力トランスデューサ224は、システムコントローラ219と連絡する出力信号をもたらす。また、流体クロス圧力トランスデューサ217も、システムコントローラ219と連絡する出力信号をもたらす。流体クロス圧力トランスデューサ217は、制御弁221と流体連絡する。制御弁221は、システムコントローラ219と連絡している。この第1の例示的な実施形態における制御弁221は、廃棄制限機構223と流体連絡する。
【0059】
動作の際、第1の圧力トランスデューサ212と流体クロス圧力トランスデューサ217の間の圧力低下測定値、および第2の圧力トランスデューサ224と流体クロス圧力トランスデューサ217の間の圧力低下測定値は、第1のポンプ206によって送出される流量、および第2のポンプ218によって送出される流量にそれぞれ比例する。システムコントローラ219は、それらの圧力低下測定値差を、前もって導出済みの流量較正定数と併せて使用して、第1のポンプ206および第2のポンプ218から流量を算出する能力を有する。それらの流量を測定することに加えて、システムコントローラ219は、比例積分制御(PI)または比例積分微分制御(PID)などの閉ループ制御アルゴリズムを使用して、第1のポンプ206送出流量(flow delivery rate)および第2のポンプ218送出流量を調整して、クロマトグラフィシステム201に送出される全体的な流量および溶剤の組成を実現する。
【0060】
この例示的な実施形態における圧力トランスデューサ212、224は、動作の際、溶剤によって常にフラッシュ(flush)される貫流(flow through)トランスデューサである。また、流体クロス圧力トランスデューサ217も、流体クロス216における圧力を測定する貫流トランスデューサである。流体クロス圧力トランスデューサ217をその位置に配置することにより、トランスデューサ217が、両方の圧力トランスデューサ212、224によって使用されて、圧力流路203内、圧力流路205内のそれぞれの流量が算出されることが可能である。しかし、本発明の範囲内で、各圧力流路203、205は、2つの圧力トランスデューサを有することが可能であることが企図される。
【0061】
流体クロス圧力トランスデューサ217によって流体クロス216の圧力を正確に測定するために、トランスデューサ217を通り抜ける流れが全く存在しないように、トランスデューサ217の流出口が蓋締めされなければならない。この構成は、いくつかの状況で問題を生じさせる可能性がある。システム200の始動中または初期設定中、システム200は、それぞれの流路202、204、および圧力流路203、205を形成する流体管の中に空気を含む可能性がある。流体クロス圧力トランスデューサ217または、トランスデューサ217に通じる線の中に混入している空気は、流体クロス圧力トランスデューサ217の出口が蓋締めされた場合、閉じ込められる。この閉じ込められた空気は、システム内で未知の流体キャパシタンスを生じさせる可能性がある。また、システム200の勾配操作中、流体クロス圧力トランスデューサ217に通じる配管が、継続的にフラッシュされないため、システム圧力変化中に、流体が、その配管の中に流れ込む、またはその配管から、流れているストリームに流れ込む可能性がある。
【0062】
前の勾配ランからの溶剤混合液が、後続の勾配ランの中に放出されて、未知の溶剤組成変化を生じさせる可能性がある。これらの影響を弱めるため、廃棄弁221、および/または流体クロス圧力トランスデューサ217の出口における廃棄制限機構223を使用して、閉じ込められた空気が排出される。システム200初期設定中、廃棄弁221は、溶剤が、流体クロス圧力トランスデューサ217を通ってフラッシュされて、混入した空気が排除されることを可能にするように、開いたままであることが可能である。本発明の範囲内で、廃棄弁221が、システムコントローラ219によって勾配ラン中に、または勾配ランの始め、または終りに瞬間的に開かれて、流体クロス圧力トランスデューサ217、またはトランスデューサ217に通じる配管の中に閉じ込められた溶剤をフラッシュすることも可能であることが企図される。
【0063】
さらなる例示的な実施形態では、廃棄制限機構223は、システム200の動作中に、ほんのわずかな量の溶剤が、流体圧力トランスデューサ217を通って継続的に流れることを可能にするように選択される。廃棄制限機構223を使用して流体圧力トランスデューサ217を通る流量は、クロマトグラフィシステムへの総流量の小さいパーセンテージ(すなわち、<1%)である。有利には、廃棄制限機構223を通る低い流量により、流体クロス圧力トランスデューサ217、ならびにトランスデューサ217を流体クロス216に接続する配管の常時のフラッシングの流れが可能になる。廃棄制限機構223を調整、もしくは選択して、その常時のフラッシングの流れが、クロマトグラフィを行わないことを確実にすることができる。
【0064】
圧力トランスデューサをデルタPタイプの流量センサとして使用する場合、3つの圧力トランスデューサ212、217、224の差分を利用して正確な流量測定値を得るために、各圧力トランスデューサ212、217、224のゼロ位が、一定に保たれることが望ましい。ひずみゲージ圧力トランスデューサにおけるゼロ位ドリフトの一般的な原因は、トランスデューサ温度の変動である。ひずみゲージ圧力トランスデューサは、ひずみ要素の抵抗の変化を測定して、圧力を算出する。また、ひずみ要素の抵抗は、温度とともにも変化する。3つの圧力トランスデューサ212、217、224のゼロ位の1つまたは複数が、温度の変動のために変化した場合、流量を測定するのに使用される差分計算が、不正確になる。一貫した再現可能な結果のため、第1の例示的な実施形態における3つの圧力トランスデューサ212、217、224は、第1の等温ブロック228の中に含まれることが可能である。さらに、圧力トランスデューサ212、217、224と併せて使用される流量検出制限機構213、225もやはり、第2の等温ブロック230の中に含まれることが可能である。流量検出制限要素213、225の温度は、要素213、225の較正が行われたおおよその温度に保たれなければならない。流量検出制限要素213、225の温度の変化は、流量検出制限要素内部の流体の熱によって生じさせられた粘度変化により、流量検出制限要素213、225をまたいだ圧力差が変化するので、誤った流量測定値をもたらす。圧力トランスデューサ212、217、224および流量検出制限要素213、225は、等温に保たれている間、同一の温度に維持されることは必要ない。
【0065】
さらなる例示的な実施形態では、システムコントローラ219は、廃棄制限機構223のパラメータおよびシステム圧力に基づいてフラッシング流量を推定し、その流量を、圧力トランスデューサ212、224へのフィードバックを介して、ポンプによって送出される流量に追加することにより、前述の常時のフラッシングの流れに起因する流量損失を補償する。
【0066】
流量センサを、特定の熱タイプの流量センサおよび圧力タイプの流量センサに関して、本明細書で説明しているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの様々な流量センサタイプを、それらのセンサに代用することができることが当業者には理解されよう。例えば、いくつかのタイプの市販のセンサを、本発明に従ってメインストリーム流量センサとして、かつ/または廃棄ストリーム流量センサとして使用することができる。
【0067】
本発明の様々な実施形態を、様々なセンサコンポーネントからの圧力または温度を比較するための別々の回路コンポーネントに関して、本明細書で説明しているが、単一の回路コンポーネントを、本発明に従って複数の比較機能を果たすように実装することができることが当業者には理解されよう。例えば、複数の測定入力ポートおよび制御出力ポートを有する単一のマイクロコントローラを使用して、上流と下流の温度信号および/または圧力信号を受け取り、処理して、メイン流路廃棄流路流量を計算して、減算器および除算器に連絡するための出力信号を生成することができる。また、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、例えば、これらの機能を実行するとともに、デジタル演算またはアナログ演算により、減算器および除算器の諸機能を組み込むように、特定用途向け集積回路(ASIC)を設計することも可能である。
【0068】
廃棄流路またはメイン流路において可変制限機構を制御することにより、またはポンプまたは可変分流ベント(vent)を制御することにより、実用ストリームにおける流量を間接的に制御する本発明の諸実施形態を、本明細書で説明しているが、それらの様々な制御要素は、本発明に従って、様々な組み合わせで実施されることも可能であることが当業者には理解されよう。
【0069】
HPLCシステムにおいてナノスケールの流量を測定するのに使用するための本発明の様々な諸実施形態を、本明細書で説明しているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本発明は、様々な異なる毛細管システム、または液体制御−分析システムの測定および制御を行うのに使用することもできることが当業者には理解されよう。
【0070】
本発明を、本発明の例示的な諸実施形態に関連して以上に説明しているが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、諸実施形態の形態および詳細に、以上、およびその他の様々な変更、省略、および追加を行うこともできることが当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】先行技術による熱タイプの流量検出において使用されるセンサ間の温度−距離(temperature distance)を表すグラフである。
【図2】先行技術による毛細管内の液体の体積流量を測定するための装置を示す概略システム図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態による毛細管システムにおける液体のナノスケールの流量を測定するための装置を示す概略システム図である。
【図4】本発明の例示的な実施形態による、廃棄流路において可変制限機構を使用する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略システム図である。
【図5】本発明の例示的な諸実施形態による、メイン流路および廃棄流路において圧力タイプの流量センサを使用する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略システム図である。
【図6】本発明の例示的な諸実施形態による、メイン流路および廃棄流路において圧力タイプの流量センサを使用する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略システム図である。
【図7】本発明の例示的な実施形態による、メイン流路および廃棄流路において温度タイプの流量センサを使用する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略システム図である。
【図8】本発明の例示的な実施形態による、フィードバック信号を利用してシステムポンプを制御する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略システム図である。
【図9】本発明の代替の実施形態による、実用流路内のセンサからのフィードバック信号を利用する毛細管システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略図である。
【図10】本発明の代替の実施形態による、再循環閉ループ流量制御の2成分溶剤送出システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略図である。
【図11】本発明の代替の実施形態による、デルタP流量センサとセンサ排出(venting)コントロールとを有する再循環閉ループ流量制御の2成分溶剤送出システムにおいてナノスケールの流量を測定し、制御するための装置を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛細管システムにおいて勾配組成を形成するための装置であって、
第1のポンプと、第1のセンサ流路とを有し、第1のポンプは第1の分流器と流体連絡し、前記第1の分流器は第1の制限機構流路に動作可能に配置された第1の制限機構と流体連絡し、前記センサ流路内には、第1のセンサが動作可能に配置され、前記第1のセンサは、前記第1のセンサ流路内の前記液体の流量を測定して、第1の流量信号をもたらすように構成され、前記第1の制限機構は第1の流量をもたらす選択された透過率を有する、第1の流路と、
第2のポンプと、第2のセンサ流路とを有し、第2のポンプは第2の分流器と流体連絡し、前記第1の分留器は第2の制限機構流路に動作可能に配置された第2の制限機構と流体連絡し、前記第2のセンサ流路には、第2のセンサが動作可能に配置され、前記第2のセンサは、前記第2のセンサ流路内の前記液体の流量を測定して、第2の流量信号をもたらすように構成され、前記第2の制限機構は第2の流量をもたらす選択された透過率を有する、第2の流路と、
第1のセンサ流路内、および第2のセンサ流路内の流量を制御するための手段とを含む装置。
【請求項2】
前記毛細管システムは、毎分約50nLないし毎分約100μLの範囲内の流量を有する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記センサは、熱タイプの流量センサである請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記熱タイプの流量センサは、
流路に熱を導入するための手段と、
前記導入するための手段の上流および下流で前記流路内の液体の温度を測定するための手段と、
前記熱の導入に応答して、前記導入するための手段の下流で測定された温度変化と比較された、前記導入するための手段の上流で測定された温度変化に従って、前記流路内の液体の体積流量を計算するための手段とを含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記センサは、圧力タイプの流量センサである請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力タイプの流量センサは、
流路に配置された制限手段と、
前記制限手段の上流と下流で流体圧を測定するための手段と、
前記制限手段の上流で測定された圧力と、前記制限手段の下流で測定された圧力の差に従って、前記流路内の液体の体積流量を計算するための手段とを含む請求項5に記載の装置。
【請求項7】
制御するための前記手段は、前記センサから前記第1の流量信号および前記第2の流量信号を受け取り、前記流量信号に応答して、前記センサ流路内の液体流量を調整するように構成されたコントローラを含む請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の流量制限機構および前記第2の流量制限機構は、前記制限機構流路の透過率を変えることにより、前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の前記液体流量を調整するように構成された前記コントローラからの信号に応答する請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
第1のポンプおよび第2のポンプは、前記第1のポンプおよび前記第2のポンプの出力圧力を変えることにより、前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の前記液体流量を調整する前記コントローラからの信号に応答する請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて液体のナノスケールの流量をもたらすための方法であって、
第1の流路を、第1の分流器を使用して第1のセンサ流路と第1の制限流路に分け、前記第1の制限流路は、制限のための手段を有すること、
第2の流路を、第2の分流器を使用して第2のセンサ流路と第2の制限流路に分け、前記第2の制限流路は、制限のための手段を有すること、
第1のセンサ流路内の第1の流量を測定すること、
第2のセンサ流路内の第2の流量を測定すること、
前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の流量を調整することを含む方法。
【請求項11】
前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の前記調整された流量は、選択された第1の制限要素および第2の制限要素を使用することをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1のポンプおよび第2のポンプの出力を調整することにより、前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の液体流量を調整することをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の制限機構流路および前記第2の制限機構流路に可変制限機構を配置することをさらに含み、前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の前記液体流量は、前記可変制限機構の透過率を変えることによって調整される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記調整するステップは、前記第1のポンプおよび前記第2のポンプの出力流量を変えることおよび前記第1の制限要素および前記第2の制限要素の透過率を変えることによって、前記第1のセンサ流路内、および前記第2のセンサ流路内の液体流路を調整することを含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
毛細管システムにおいて液体の流量を測定するための装置であって、
第1の分流器および第2の分流器と、
前記第1の分流器に液体を運ぶ第1の流路と、
前記第2の分流器に液体を運ぶ第2の流路と、
前記第1の分流器から前記液体の第1の分量を運ぶ第1の圧力流路と、
前記第2の分流器から前記液体の第1の分量を運ぶ第2の圧力流路と、
前記第1の分流器から前記液体の第2の分量を運ぶ第1の再循環流路と、
前記第2の分流器から前記液体の第2の分量を運ぶ第2の再循環流路と、
前記第1の圧力流路に動作可能に配置され、前記第1の圧力流路内の前記液体の圧力を測定して、第1の圧力流路信号をもたらすように構成され、第1の流量検出制限機構と流体連絡する第1の圧力トランスデューサと、
前記第2の圧力流路に動作可能に配置され、前記第2の圧力流路内の前記液体の圧力を測定して、第2の圧力流路信号をもたらすように構成され、第2の流量検出制限機構と流体連絡する第2の圧力トランスデューサと、
前記第1の流量検出制限機構および前記第2の流量検出制限機構と流体連絡する流体クロスと、
前記流体クロスと流体連絡し、前記流体クロスにおける圧力を測定して、流体クロス圧力信号をもたらすように構成された流体クロス圧力トランスデューサと、
前記第1の圧力流量信号および前記第2の圧力流量信号、および前記流体クロス圧力信号を受け取り、前記第1の圧力流量および前記第2の圧力流量を表す出力を提供するコントローラとを含む装置。
【請求項16】
前記流体クロス圧力トランスデューサと流体連絡し、廃棄制限機構とさらに流体連絡し、前記コントローラと連絡するようになっている制御弁をさらに含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記廃棄制限機構は、前記流体クロス圧力トランスデューサを通る継続的な流れを可能にする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記圧力トランスデューサおよび前記流量検出制限機構は、等温ブロック内部にさらに含まれる請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記毛細管システムは、毎分約1nLないし毎分約100μLの範囲内の圧力流路を有する高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムを含む請求項15に記載の装置。
【請求項20】
高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)システムにおいて液体のナノスケールの流量をもたらすための方法であって、
第1の流路を、第1の分流器を使用して第1の圧力流路と第1の制限流路に分けること、
第2の流路を、第2の分流器を使用して第2の圧力流路と第2の制限流路に分けること、
流体クロス圧力トランスデューサを有する流体クロスを提供すること、
前記第1の圧力流路内で第1の圧力を測定すること、
前記第2のセンサ圧力流路内で第2の圧力を測定すること、
前記流体クロス内で第3の圧力を測定すること、
前記測定値に応答して前記第1の圧力流路内、および前記第2の圧力流路内の流量を調整することを含む方法。
【請求項21】
前記調整するステップは、前記第1の圧力測定値と前記第3の圧力測定値の間、および前記第2の圧力測定値と前記第3の圧力測定値の間における圧力測定差に比例して、前記第1の圧力流路内、および前記第2の圧力流路内の液体流量を調整することを含む請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−513338(P2007−513338A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541676(P2006−541676)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039415
【国際公開番号】WO2005/053813
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】