説明

流量計測装置、通信システム、流量計測方法、流量計測プログラムおよび流体供給システム

【課題】流量計測装置の使用環境下における新事象に対する対策をより迅速かつ適切なものとする。
【解決手段】ガスメータ100において、超音波流量計104は、流路102に流れるガスの流量を計測し、計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新事象が新たに生じたことを、新事象検知部108は検知する。送受信部110は、新事象検知部108が検知した新事象を表す新事象信号を、ネットワーク300を介してセンター装置200に送信する。新事象としてはその家にとっての新しいガス器具の導入、器具の異常使用、CO発生検知などがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流量変化を捕らえることにより、流体を使用している環境に何らかの変化が生じたことを検知し、外部へ通知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス流路を流れるガスの流量変化を捉えることにより、ガス流量計測装置の製造後であっても、市場に登場した新しい器具の使用パターンの情報を逐次取り入れて、器具別の正確な流量を検出するシステムが存在する(特許文献1参照)。
【0003】
上記システムにおいては、各家庭に配置された流量計測装置が、サービスセンターと通信回線を通じて接続されている。そして、市場に新しいガス器具が登場した場合、サービスセンターによってガス器具のデータベースの内容が更新され、通信手段を介して流量計測装置のデータベース記憶手段の記憶内容が更新されることとなる。従って、家庭内にこの新しいガス器具が導入された場合であっても、常に正しい器具判別ができることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−24753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の構成においては、サービスセンター側のデータベースが更新されて、初めて流量計測装置の情報が更新されることとなる。従って、市場に新しく投入された新製品のガス器具が導入された時点においても、データベースの更新が遅れてデータベースが古いままである場合、流量計測装置の持つ器具情報は古いままであり、流量計測装置は新しいガス器具の情報を持っていないこととなる。従って、流量計測装置は新しいガス器具を判別することが困難となる。
【0006】
また、従来保安の点検、新器具の把握はガス会社、プロパン業者等が定期的にユーザ宅を直接訪問して行っていた。従って、定期訪問の間隔が長い場合、新しいガス器具が導入されても、ガス使用の状況を正確に把握できないこととなり、ガス器具の判別が困難となる。
【0007】
また、上記特許文献は、市場に新しく投入された新製品のガス器具の導入に対応するものであり、既に市場に出回っている器具であっても、その家にとって今までにない新しい器具の導入や、ましてその他特別な事象が生じた場合に対応するものではない。
【0008】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたもので、その目的は、流量計測装置の使用環境において何らかの新事象が生じた場合、外部の監視装置等に通知することにより、適切な流体の使用環境の維持を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の流量計測装置は、流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、前記流量計測部によって計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新事象が新たに生じたことを検知する新事象検知部と、前記新事象検知部が検知した新事象を表す新事象信号を、外部の受信装置に送信する送信部と、を備え、前記新事象検知部は、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知する。
【0010】
本発明によれば、器具の異常使用が適切に把握されることとなり、器具の交換、事故防止などが容易なものとなる。
【0011】
この場合、前記新事象検知部は、異常使用の流量パターンが複数回得られた場合、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知するようにしてもよい。さらに新事象検知部は、異常使用の流量パターンが連続して、または不連続で複数回得られた場合、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知するようにしてもよい。
【0012】
流量計測装置と前記受信装置をネットワークで結ぶことにより通信システムが構成される。当該通信システムに、COを検知するCOセンサを設け、前記流量計測装置に、前記COセンサからのCO検知信号を受信する受信部を設け、特定の器具の流量パターンと前記CO検知信号オンの組み合わせが複数回得られた場合、前記新事象検知部は前記新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0013】
さらに本発明は、流路に流れる流体の流量を計測するステップと、計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新しい流量パターンが複数回得られた場合、流体を使用する器具として新しい器具が導入されたことを新事象として検知するステップと、前記新事象を表す新事象信号を、外部の装置に送信するステップとを備える流量計測方法を含む。また、このようなステップを、流量計測装置を制御するコンピュータに実行させる流量計測プログラムも本発明に含まれる。さらに上述の流量計測装置、通信システム、流量計測方法または流量計測プログラムを用いた流体供給システムも本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、流量計測装置の使用環境下における新事象に対する対策がより適切なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態におけるガスメータを含むガス供給システムのブロック図
【図2】新たなガス器具Cを一度使用したときの流量パターンを示すグラフ。
【図3】新たなガス器具Cを複数回使用したときの流量パターンを示すグラフ。
【図4】新たなガス器具Cを複数回使用したとき、誤った流量パターンを計測したときの例を示すグラフ。
【図5】ガス器具の異常使用を示す複数の流量パターンが連続して現れた例を示すグラフ。
【図6】ガス器具の異常使用を示す複数の流量パターンの間に通常の流量パターンが現れた例を示すグラフ。
【図7】ガス器具の流量パターンとCOセンサのオンオフ信号の関係を示すグラフであって、特定のガス器具の流量パターンと同時に必ずCOセンサ信号がオンとなる例。
【図8】ガス器具の流量パターンとCOセンサのオンオフ信号の関係を示すグラフであって、特定のガス器具の流量パターンと同時に必ずしもCOセンサ信号がオンとならない例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態における流量計測装置としてのガスメータ100と、センター装置200と、ネットワーク300と、COセンサ400からなる流体供給システムのブロック図を示すものである。ガスメータ100とCOセンサは建物に配置され、例えば無線または有線通信によって互いに通信可能となっている。また、センター装置200はガス会社、プロパン業者、もしくはこれらと関係のある会社などの管理部署に設置され、各建物に配置されたガスメータ100を集中管理する装置であり、ガスメータ100とは無線、電話回線、インターネットなどのネットワーク300を介してネットワーク通信可能に接続されている。
【0018】
ガスメータ100は、流路102と、流量計測部としての超音波流量計104と、計測流量情報記憶部106と、新事象検知部108と、送受信部110と、器具判別部116と、器具別流量履歴情報保持部118とを備えたものである。さらにガスメータ100は、流路102に配置され、緊急時などにガスを遮断する流路遮断弁122を含む。
【0019】
超音波流量計104は、流路102に流れる流体としてのガスに対し、一定時間間隔(例えば2秒など)で超音波を発射してその流量を計測するものであり、一般的なものを使用することができる。計測流量情報記憶部106は、超音波流量計104で計測された計測流量値と、当該計測流量値を計測した計測時間が対応付けられて記述された対象データ(流量パターン)を記憶する。
【0020】
新事象検知部108は、ガスメータ100の使用環境において、従前の使用環境には存在しない、何らかの新しい事象(新事象)が生じた場合、器具判別部116における、従前の器具により生じる事象との比較により、従前の器具ではないこのような事象を検知し、当該新事象を表す新事象信号を生成する。このような新事象信号が、外部の監視装置等に送信されることにより、適切な流体の使用環境の維持を図ることが可能となる。
【0021】
送受信部110は、外部の他の装置と、種々の情報を送受信するものであり、通信手段、通信方法は有線、無線を問わず何ら限定されない。送受信部110は、新事象検知部108が生成した新事象信号を、無線、インターネットなどのネットワーク300を介して、ガス会社、プロパン業者などが管理するセンター装置200のごとき外部の装置に送信する送信部として機能する。
【0022】
COセンサ400は、ガス器具13〜15からCO(一酸化炭素)が漏洩した場合等にCOを検知し、COの検知を示すCO検知信号を送受信部(CO検知信号を受信する受信部として機能する)110に無線通信(有線通信でもよい)により送信する。もちろん、このCO検知信号の送受信部が別途設けられて、送受信部110に信号が送られてもよい。送受信部110は受信したCO検知信号を新事象検知部108に送信する。
【0023】
器具判別部116は、計測流量情報記憶部106に記憶された流量パターンに対して、流体としてのガスを使用しているガス器具を判別する。ここで器具判別部116は、流量パターンと、予めガス器具ごとに器具別流量履歴情報保持部118に記憶されたガス器具固有の流量履歴情報を比較し、その類似関係等からガスを使用するガス器具を判別する。
【0024】
また、ガスメータ100は上流側においてガス管路19に接続されるとともに、下流側にてガステーブル、ファンヒータ、床暖房等、種々のガス器具13,14,15に接続されている。
【0025】
本実施形態のガスメータ100は、流量計測部たる超音波流量計104によって計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新事象が新たに生じたことを検知し、外部のセンター装置200に通知する。本実施形態においては、図2以下のグラフに示すように、超音波流量計104が一定時間間隔(例えば2秒など)をおいて計測される流量(絶対流量)Qを計測し、計測された各流量が計測流量情報記憶部106に記憶され、グラフに示すような流量パターンが生成される。このような生成流量パターンに基づき、新事象が検知される。
【0026】
(第1の実施形態)
本実施形態では、ガスメータ100が、生成された流量パターンから、ガスを使用するガス器具として新しい器具が導入されたことを新事象として検知する。本発明において、「新しい(ガス)器具」とは、市場に投入された新しい器具(いわゆる新製品)のみならず、家庭内など、当該ガスメータ100の使用環境に初めて導入された器具の双方を含む。図2は、ガス器具13,14,15としてガス器具A、ガス器具B、ガス器具Cが使用されたときの流量パターンを示す。例えば、従前からガス器具A、ガス器具Bのみが使用され、これらの器具以外の新たなガス器具が使用されない場合、新たな流量パターンは得られないため、新事象検知部は新事象信号を生成しない。
【0027】
そして、新たなガス器具としてガス器具Cが使用開始されたとする。図2のグラフに示すように、ガス器具Cの流量パターンはガス器具Aおよびガス器具Bの流量パターンとは異なっている。そこで、新事象検知部108は、新しい器具であるガス器具Cが導入されたことを新事象として検知し、新事象信号を生成して送受信部110に新事象信号を送る。送受信部110は、当該新事象信号をネットワーク300を介してセンター装置200に送る。センター装置200は所定の通報手段により管理部署に新事象信号を通報し、管理部署は、何らかの新事象が生じたことを把握し、さらに新しいガス器具が導入されたことを把握して、ガスメータ100の器具別流量履歴情報保持部118の情報を更新するなど、ガス器具の管理などのための所定の対策をたてることが可能となる。センター装置200は新事象信号を受信する受信装置として機能し、ガスメータ100と受信装置からなる通信システムが構成される。
【0028】
上記の例では、新事象検知部108は、新しいガス器具Cの流量パターンが1回得られた場合、新事象信号を発する。しかしながら1回の流量パターンのみでは、ノイズなどのせいによる誤動作、誤検知を招き、新しいガス器具が導入されていないにもかかわらず、新事象信号を生成してしまうおそれがある。そこで、図3のグラフに示す例では、新しいガス器具Cの流量パターンが3回得られたとき、新事象信号を生成することとしている。これにより、誤動作、誤検知を招く可能性を減らすことができる。尚、ここで必要とされる流量パターンの登場回数は3回に限定されるものではなく、所定の複数回に設定することができる。
【0029】
図3の例は、新しいガス器具の流量パターンが連続して複数回得られた場合、すなわちガス器具Cの流量パターンの間に何ら他のパターンが混じっていない例である。しかしながら、このような連続して新しいガス器具の流量パターンが得られない場合であっても、新事象信号を生成するようにすることも可能である。例えば、図4の例では、ガス器具Cの流量パターンが本来なら3回連続して得られるはずなのに、2回目の流量パターンにおける流量の計測において、超音波流量計104がサンプリングのタイミングにより、緩点火点Pのような、流量の変化の乏しい個所を捉えきれていない。このように、ガス器具Cの流量パターンの発生が不連続の場合においても、複数回の不連続流量パターンに基づき、新事象検知部108は新しいガス器具Cが導入されたことを検知し、新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0030】
(第2の実施形態)
本実施形態では、ガスメータ100が、生成された流量パターンから、ガスを使用するガス器具の異常使用を新事象として検知する。「異常使用」とは、ガス器具の故障時の異常運転や、操作者による不適切な運転等、正常な仕様とは異なる使用態様を意味する。異常使用時における流量パターンは、正常使用時における流量パターンと異なるため、ガスメータ100は、異常使用を検知することができる。
【0031】
図5は、ガス器具A、ガス器具Bが使用された後、何らかのガス器具が異常使用された場合の流量パターンを示す。図5のグラフは、明らかに通常の器具使用における流量パターンとは異なる細いパルス形状で、互いに類似した異常流量パターンが発生している(異常1〜異常3)例である。このようなパルス形状の流量パターンが複数回続く場合、新事象検知部108は、何らかのガス器具が異常使用されている(ガスへの着火が正常になされない等)と判断し、異常使用を新事象として検知し、新事象信号を生成して送受信部110に新事象信号を送る。送受信部110は、当該新事象信号をネットワーク300を介してセンター装置200に送る。センター装置200は所定の通報手段によりオペレータに新事象信号を通報し、オペレータは、何らかの新事象が生じたことを把握し、さらにガスメータ100の異常使用を把握して、ガスメータ100を点検するなど、所定の対策をたてることが可能となる。
【0032】
図5の例は、異常使用の流量パターンが連続して複数回得られた場合、すなわち異常使用流量パターンの間に何ら他のパターンが混じっていない例である。しかしながら、このような連続して異常使用流量パターンが得られない場合であっても、新事象信号を生成するようにすることも可能である。例えば、図6の例では、二つの異常使用流量パターンの間に、ガス器具Bの流量パターンが入っている。このように、異常使用の流量パターンの発生が不連続の場合においても、複数回の異常使用流量パターンに基づき、新事象検知部108は異常使用を検知し、新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0033】
上記の例では、異常使用の流量パターンが複数回得られた場合、新事象検知部108が新事象信号を生成するようにしている。しかしながら、誤検知の可能性が少ない場合は、1回の異常使用の流量パターンに基づき、新事象検知部108が新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0034】
(第3の実施形態)
本実施形態では、ガスメータ100が、生成された流量パターンと、COセンサ400によるCOの検知の組み合わせに基づき、COの発生を新事象として検知する。図7は、ガス器具A、ガス器具Bの使用中に、COセンサ400からのCO検知信号がオンまたはオフとなる状況を示したものである。
【0035】
図7のグラフからわかるように、ガス器具Bが使用されたとき、CO検知信号は必ずオン(CO発生あり)となっている。このような同タイミングのガス器具Bの流量パターンとCO検知信号の組み合わせが複数回続く場合、新事象検知部108は、ガス器具BがCO発生を起こしていると判断し、CO発生を新事象として検知し、新事象信号を生成して送受信部110に新事象信号を送る。送受信部110は、当該新事象信号をネットワーク300を介してセンター装置200に送る。センター装置200は所定の通報手段により管理部署に新事象信号を通報し、管理部署は、何らかの新事象が生じたことを把握し、さらにCOが発生していることを把握して、家庭に警報を通知するなど、所定の対策をたてることが可能となる。
【0036】
図7の例は、ガス器具Bの流量パターンと、オンCO検知信号が必ず同タイミングで生じている例である。しかしながら、このようにガス器具Bの流量パターンと、オンCO検知信号が必ず重なって得られない場合であっても、新事象信号を生成するようにすることも可能である。例えば、図8の例では、二つ目のガス器具Bの流量パターンでは、CO検知信号はオフ(CO発生なし)となっている。このように、所定ガス器具の流量パターンとオンCO検知信号の組み合わせの発生が不連続の場合においても、複数回の組み合わせの発生に基づき、新事象検知部108はCO発生を検知し、新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0037】
上記の例では、所定ガス器具の流量パターンとオンCO検知信号の組み合わせが複数回得られた場合、新事象検知部108が新事象信号を生成するようにしている。しかしながら、誤検知の可能性が少ない場合は、1回の組み合わせに基づき、新事象検知部108が新事象信号を生成するようにしてもよい。
【0038】
また、上記の例では、送受信部110が、ネットワーク300を介して新事象信号をセンター装置に送信している。送信態様は有線でも無線でも良い。このように、ガスメータ100とセンター装置200がネットワーク300によって結ばれることにより、新事象を迅速に関係者に通知することができる。また、迅速性が要求されない場合は、検針員が家庭を訪問するたびに、手持ちの装置を用いて新事象信号を送受信部110から読み出しても良い。
【0039】
上述したように、ガスメータ100は、流体の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新事象が新たに生じたことを検知し、外部のセンター装置200に種々の手段を介して通知する。そして、センター装置のオペレータは、何らかの新事象が生じたことを把握し、所定の対策をたてることが可能となる。従って、ガスメータ100の使用環境下における新事象に対する対策が適切なものとなる。また、ネットワーク300のような有線通信または無線通信を使用することにより、迅速に新事象をセンター装置に送ることが可能となる。
【0040】
以上のような流量計測方法を実施するため、新事象検知部108や図示せぬコンピュータ(演算装置)には、本発明の流量計測方法の各ステップを実行させるプログラムが記憶されている。また、本発明の流量計測装置、流量計測方法、コンピュータに実行させるプログラムを用いた流体(ガス)の供給源を含む流体供給システムも本発明に含まれる。
【0041】
上記実施形態においては、新事象として、新器具の導入、器具の異常使用、CO発生の例を挙げた。しかしながら、新事象はこのようなものには限定されず、センター装置200に通知することが望ましいもの総てを含む。
【0042】
なお、以上の説明は超音波流量計を用いた場合について説明したが、他の瞬間式の流量計測装置でも、同様の効果が得られることは明白である。
【0043】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように、本発明によれば、流量計測装置の使用環境下における新事象に対する対策がより適切なものとなる。
【符号の説明】
【0045】
13、14、15 ガス器具
19 ガス管路
100 ガスメータ(流量計測装置)
102 流路
104 超音波流量計(流量計測部)
106 計測流量情報記憶部
108 新事象検知部
110 送受信部
116 器具判別部
118 器具別流量履歴情報保持部
122 流路遮断弁
200 センター装置
300 ネットワーク
400 COセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路に流れる流体の流量を計測する流量計測部と、
前記流量計測部によって計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象である新事象が新たに生じたことを検知する新事象検知部と、
前記新事象検知部が検知した新事象を表す新事象信号を、外部の受信装置に送信する送信部と、
を備え、前記新事象検知部は、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知する流量計測装置。
【請求項2】
請求項1記載の流量計測装置であって、
前記新事象検知部は、異常使用の流量パターンが複数回得られた場合、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知する流量計測装置。
【請求項3】
請求項2記載の流量計測装置であって、
前記新事象検知部は、異常使用の流量パターンが連続して複数回得られた場合、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知する流量計測装置。
【請求項4】
請求項2記載の流量計測装置であって、
前記新事象検知部は、異常使用の流量パターンが不連続で複数回得られた場合、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知する流量計測装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項記載の流量計測装置と前記受信装置をネットワークで結んで構成される通信システム。
【請求項6】
請求項5記載の通信システムであって、
COを検知するCOセンサをさらに備え、
前記流量計測装置は、前記COセンサからのCO検知信号を受信する受信部を備え、
特定の器具の流量パターンと前記CO検知信号オンの組み合わせが複数回得られた場合、前記新事象検知部は前記新事象信号を生成する通信システム。
【請求項7】
流路に流れる流体の流量を計測するステップと、
計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象であって、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知するステップと、
前記新事象を表す新事象信号を、外部の装置に送信するステップと、
を備える流量計測方法。
【請求項8】
流量計測装置を制御するコンピュータに、以下のステップを実行させる流量計測プログラムであって、
流路に流れる流体の流量を計測するステップと、
計測された流量の流量パターンから、流体の使用環境下において、従前の使用環境には存在しない事象であって、流体を使用する器具の異常使用を新事象として検知するステップと、
前記新事象を表す新事象信号を、外部の装置に送信するステップと、
をコンピュータに実行させる流量計測プログラム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項記載の流量計測装置、通信システム、流量計測方法または流量計測プログラムを用いた流体供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−177709(P2012−177709A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119679(P2012−119679)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−204329(P2007−204329)の分割
【原出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【出願人】(000168643)高圧ガス保安協会 (92)
【Fターム(参考)】