説明

浄水器

【課題】並列に配置された二つのフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成された浄水器を提供する。
【解決手段】浄水器100は、フィルタ槽10とフィルタ槽20とを備えている。フィルタ槽10とフィルタ槽20とは、原水を通過させることによって原水を浄化するフィルタ11とフィルタ21とをそれぞれ収容している。また、浄水器100は、フィルタ槽10とフィルタ槽20とが並列に配置されている。さらに、浄水器100は、抑制部を備えている。抑制部としてのオゾン微細気泡発生機30は、浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽10とフィルタ槽20とを流れる水のうちフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィルタを洗浄する機能を有した浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平08−84989号公報(以下、特許文献1という)に記載されているように、浄水器等の液体浄化装置において、複数のフィルタ槽が備えられたものが知られている。複数のフィルタ槽には、中空糸膜型のフィルタがそれぞれ収容されている。フィルタ槽に流入する汚れた原水は、これらのフィルタを通過することによって浄化される。特許文献1に係る浄水器では、複数のフィルタ槽が並列に配置されている。
【0003】
特許文献1に係る浄水器では、フィルタが洗浄されるときは、少なくとも一つのフィルタ槽のフィルタを通過することによって浄化された浄水を他のフィルタ槽のフィルタに通過させることにより、他のフィルタ槽のフィルタを洗浄している。
【0004】
このように、特許文献1に係る浄水器では、少なくとも一つのフィルタ槽で浄化された浄水が、他のフィルタ槽に供給されている。これにより、特許文献1に係る浄水器は、フィルタの洗浄用の浄水を溜めるタンクを備えていない場合でも、少なくとも一つのフィルタ槽で浄化された浄水で他のフィルタ槽のフィルタを洗浄することができる。その結果、特許文献1に係る浄水器は、使用者に浄水を常に供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08−84989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係る浄水器のように、並列に配置された二つのフィルタ槽が備えられている場合に、それぞれのフィルタ槽が互いに同じ仕様であるときには、浄水器の製造コストまたはフィルタ等の交換に係るコストを低減させることができる。しかしながら、これら二つのフィルタ槽が同じ仕様である場合に、二つのフィルタ槽に同等の流量または流速にて水が流入するときには、それぞれのフィルタが同時に目詰まりするおそれがある。
【0007】
フィルタが目詰まりする場合には、フィルタを通過する水の流量または流速が低下することにより、フィルタによる原水の洗浄効果が低下する。そのため、両方のフィルタが同時に目詰まりする場合は、少なくとも一方のフィルタ槽で浄化された浄水を用いて他のフィルタ槽のフィルタを充分に洗浄することができなくなる。
【0008】
このように、この発明の目的は、並列に配置された二つのフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成された浄水器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に従った浄水器は、第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とを備えている。第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とは、原水を通過させることによって原水を浄化するフィルタをそれぞれ収容している。また、この発明に従った浄水器は、第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とが並列に配置されている。さらに、この発明に従った浄水器は、抑制部を備えている。抑制部は、当該浄水器において原水を浄化する場合に第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とを流れる水のうち第2のフィルタ槽を流れる水の流量または流速を抑制する。
【0010】
このように、この発明に従った浄水器では、第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とのうち、第2のフィルタ槽を流れる水の流量または流速が抑制部によって抑制される。そのため、並列に配置された第1のフィルタ槽のフィルタよりも第2のフィルタ槽のフィルタの方が目詰まりしにくい。すなわち、この発明に従った浄水器は、並列に配置された二つのフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成されている。
【0011】
例えば特許文献1に係る浄水器のように、二つのフィルタ槽が並列に配置されている場合に両方のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしているときには、両方のフィルタ槽のフィルタで原水を浄化することができない。これにより、特許文献1に係る浄水器において、一方のフィルタ槽のフィルタを通過した水が他のフィルタ槽のフィルタを通過する場合でも、他のフィルタ槽のフィルタが清潔に洗浄されないと考えられる。したがって、特許文献1に係る浄水器において、両方のフィルタ槽のそれぞれのフィルタが目詰まりしているときには、両方のフィルタを洗浄することができない。そのため、特許文献1に係る浄水器において、両方のフィルタを洗浄することができない場合には、両方のフィルタを同時期に交換する必要がある。
【0012】
一方、この発明に従った浄水器は、並列に配置された第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成されている。そのため、この発明に従った浄水器では、第1のフィルタ槽のフィルタと、第2のフィルタ槽のフィルタとを同時期に交換する必要が無い。
【0013】
また、この発明に従った浄水器は、当該浄水器において第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化された浄水が第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを通過するように構成されていることが好ましい。この場合、第1のフィルタ槽を通過する浄水は、当該浄水器において第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に流れていることが好ましい。
【0014】
この構成による浄水器は、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第1のフィルタ槽のフィルタと第2のフィルタ槽のフィルタとが同時に目詰まりすることが抑制されているため、第2のフィルタ槽を通過することによって原水を浄化させることができる。そのため、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第2のフィルタ槽のフィルタを通過することによって浄化された浄水を第1のフィルタ槽のフィルタに通過させることにより、第1のフィルタ槽のフィルタの目詰まりを解消することができる。このように、この構成による浄水器では、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第1のフィルタ槽のフィルタを清潔に洗浄することができる。
【0015】
この発明に従った浄水器は、第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合のみに、第2のフィルタ槽を原水が通過するように構成されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、当該浄水器が例えば原水を浄化する場合には、第2のフィルタ槽を原水が通過することが無い。このように、当該浄水器は、並列に配置された第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とにそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成されている。そのため、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第2のフィルタ槽を通過した浄水を用いて第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄することができる。したがって、この構成による浄水器では、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第1のフィルタ槽のフィルタを清潔に洗浄することができる。
【0017】
また、この構成によれば、第2のフィルタ槽を原水が通過することがより少なくなる。そのため、第2のフィルタ槽に収容されたフィルタの寿命を延ばすことが可能である。また、第2のフィルタ槽に収容されたフィルタの体積および第2のフィルタ槽の容積の縮小化を図ることが可能である。
【0018】
この発明に従った浄水器において、抑制部は、微細気泡発生器であることが好ましい。微細気泡発生器は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、第2のフィルタ槽よりも下流側に配置されている。
【0019】
この構成によれば、第2のフィルタ槽のフィルタを通過した浄水が微細気泡発生器を通過するときに浄水の流れが絞られることにより、第2のフィルタ槽を流れる水の流量または流速が抑制される。これにより、並列に配置された第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とのそれぞれのフィルタが同時に目詰まりしにくい。すなわち、この構成による浄水器は、並列に配置された二つのフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成されている。
【0020】
この発明に従った浄水器は、当該浄水器において第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、第1のフィルタ槽を通過するように構成されていることが好ましい。この場合、第1のフィルタ槽を通過する浄水は、当該浄水器において第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に流れていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第2のフィルタ槽のフィルタを通過することによって浄化され、且つ、微細気泡が混入した浄水を第1のフィルタ槽のフィルタに通過させることにより、第1のフィルタ槽のフィルタの目詰まりを効果的に解消することができる。このように、この構成による浄水器では、第1のフィルタ槽のフィルタを効果的に清潔に洗浄することができる。
【0022】
この発明に従った浄水器において、微細気泡発生器は、オゾン微細気泡発生器であることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、オゾン微細気泡発生器から発生されたオゾン微細気泡により、第1のフィルタ槽のフィルタをさらに効果的に清潔に洗浄することができる。
【0024】
この発明に従った浄水器は、浄水タンクをさらに備えていることが好ましい。浄水タンクは、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、第1のフィルタ槽よりも下流側に配置されていることが好ましい。さらに、この発明に従った浄水器は、当該浄水器において第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、当該浄水器において第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に第1のフィルタ槽を通過するように構成されていることが好ましい。また、当該浄水器において第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、浄水タンクに溜められるように構成されていることが好ましい。
【0025】
また、この発明に従った浄水器は、当該浄水器において第1のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄した後で第2のフィルタ槽に収容されたフィルタを洗浄する場合には、浄水タンクに溜められた微細気泡が混入した浄水と、第1のフィルタ槽によって浄化された浄水とが、第2のフィルタ槽を通過するように構成されていることが好ましい。この場合、第2のフィルタ槽を通過する浄水は、当該浄水器において第2のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が第2のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に流れていることが好ましい。
【0026】
この構成による浄水器では、浄水タンクは、第1のフィルタ槽のフィルタを通過することによって浄化された浄水を溜めることができる。
【0027】
また、この構成による浄水器では、当該浄水器において第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、当該浄水器において原水を浄化するときに第1のフィルタ槽を原水が通過する方向と反対の方向に浄水が流れるように第1のフィルタ槽を通過するように構成されている。さらに、浄水タンクは、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、第1のフィルタ槽よりも下流側に配置されている。そのため、当該浄水器において第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水が浄水タンクに流入する。これにより、当該浄水器において第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、浄水タンクは、第2のフィルタ槽によって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水を溜めることができる。
【0028】
このように、浄水タンクに溜められている微細気泡が混入した浄水は、第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄している間に、浄水タンクに溜められる。さらに、この発明に従った浄水器では、当該浄水器において第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄した後で第2のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、浄水タンクに溜められている微細気泡が混入した浄水と、第1のフィルタ槽によって浄化された浄水とを第2のフィルタ槽のフィルタに通過させることができる。この場合に第2のフィルタ槽のフィルタを通過する浄水は、当該浄水器において原水を浄化するときに第2のフィルタ槽のフィルタを原水が通過する方向と反対の方向に流れている。
【0029】
上述のように、この構成による浄水器は、第1のフィルタ槽のフィルタが目詰まりしている場合であっても、第2のフィルタ槽のフィルタによって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水を第1のフィルタ槽のフィルタに通過させることにより、第1のフィルタ槽のフィルタを効果的に清潔に洗浄することができる。そのため、当該浄水器において第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄した後で、洗浄された第1のフィルタ槽のフィルタを通過することによって浄化された浄水を第2のフィルタ槽のフィルタに通過させることにより、第2のフィルタ槽のフィルタの目詰まりを効果的に解消することができる。このとき、第2のフィルタ槽のフィルタを通過する浄水には、微細気泡が混入しているため、第2のフィルタ槽のフィルタを効果的に清潔に洗浄することができる。また、第2のフィルタ槽のフィルタを通過する浄水に、オゾンを含む微細気泡が混入している場合は、第2のフィルタ槽のフィルタをさらに効果的に清潔に洗浄することができる。
【0030】
また、この発明に従った浄水器は、抗菌成分を水に溶出する溶出部をさらに備えていることが好ましい。溶出部は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、第2のフィルタ槽よりも上流側に配置されていることが好ましい。
【0031】
この構成による浄水器では、第2のフィルタ槽を水が通過するときには、抗菌成分が水に溶解しているため、第2のフィルタ槽の内部を抗菌成分によって清潔に保つことができる。また、第2のフィルタ槽によって浄化された浄水によって第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、抗菌成分が溶解した浄水によって洗浄することができる。そのため、第1のフィルタ槽のフィルタをより清潔に洗浄することができる。
【0032】
また、この発明に従った浄水器は、抗菌成分を水に溶出する溶出部をさらに備えていることが好ましい。溶出部は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、第2のフィルタ槽よりも下流側に配置されていることが好ましい。
【0033】
この構成による浄水器では、第2のフィルタ槽を通過した水に抗菌成分が溶解しているため、第2のフィルタ槽よりも下流側の部材を抗菌成分によって清潔に保つことができる。また、第2のフィルタ槽によって浄化された浄水によって第1のフィルタ槽のフィルタを洗浄する場合には、抗菌成分が溶解した浄水によって洗浄することができる。そのため、第1のフィルタ槽のフィルタをより清潔に洗浄することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、この発明によれば、並列に配置された二つのフィルタ槽にそれぞれ収容されたフィルタが同時に目詰まりしないように構成された浄水器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の第1実施形態に係る浄水器が原水を浄化するときの水の流れを示す系統図である。
【図2】この発明に係る浄水器のオゾン微細気泡発生器の模式図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る浄水器が第1のフィルタ槽のフィルタを清掃するときの水の流れを示す系統図である。
【図4】この発明の第1実施形態に係る浄水器が第2のフィルタ槽のフィルタを清掃するときの水の流れを示す系統図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係る浄水器が原水を浄化するときの水の流れを示す系統図である。
【図6】この発明の第3実施形態に係る浄水器が原水を浄化するときの水の流れを示す系統図である。
【図7】この発明の第3実施形態に係る浄水器が第1のフィルタ槽のフィルタを清掃するときの水の流れを示す系統図である。
【図8】この発明の第4実施形態に係る浄水器が原水を浄化するときの水の流れを示す系統図である。
【図9】この発明の第4実施形態に係る浄水器が第2のフィルタ槽のフィルタを清掃するときの水の流れを示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1に示すように、浄水器100は、第1のフィルタ槽としてのフィルタ槽10と第2のフィルタ槽としてのフィルタ槽20とを備えている。フィルタ槽10はフィルタ11を収容し、フィルタ槽20はフィルタ21を収容している。フィルタ11とフィルタ21とは、それぞれ原水を通過させることによって原水を浄化する。つまり、フィルタ槽10のフィルタ11またはフィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された原水は浄水となる。
【0038】
浄水器100は、水が通る流路として、フィルタ槽10を通る流路13と、フィルタ槽20を通る流路23と、主通水路9とを備えている。流路13は少なくとも流路14と流路15とを有し、流路23は少なくとも流路24と流路25とを有している。流路14と流路24とは、主通水路9に接続されている。流路14と流路24とは、主通水路9を流れる原水をそれぞれフィルタ槽10とフィルタ槽20とに供給する。流路15は、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽10の内部の水をフィルタ槽10の外部に排出する。流路25は、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20の内部の水をフィルタ槽20の外部に排出する。このように、フィルタ槽10とフィルタ槽20とは、浄水器100において並列に配置されている。
【0039】
流路23のうちの流路25と流路26との間には、オゾン微細気泡発生器30が配置されている。オゾン微細気泡発生器30は、オゾンを含んだ微細気泡を発生させるものである。オゾン微細気泡発生器30は、フィルタ槽20よりも浄水器100において原水が浄化されるときの下流側に配置されている。流路26は、オゾン微細気泡発生器30よりも浄水器100において原水が浄化されるときの下流側に配置された流路である。また、流路26は、浄水器100において原水を浄化するときに、オゾンを含んだ微細気泡が混入した浄水をオゾン微細気泡発生器30の外部に排出する。
【0040】
図2に示すように、オゾン微細気泡発生器30は、オゾン発生装置31と微細気泡発生装置32とを有している。オゾン発生装置31は、オゾンを含んだ気体を発生させる。微細気泡発生装置32は、オゾン発生装置31にて発生したオゾンを含む気体を吸入して、微細気泡を発生させる。オゾン発生装置31は、気体流入口36を介して微細気泡発生装置32と接続している。
【0041】
微細気泡発生装置32は、いわゆるエジェクタ式のものである。ただし、微細気泡発生装置32はエジェクタ式のものに限定されず、オゾン微細気泡発生器30がオゾンを含んだ微細気泡を発生させるものであればよい。
【0042】
微細気泡発生装置32は、微細気泡発生装置32の内部に浄水を流入させる流入口33と、微細気泡発生装置32の外部に浄水を流出させる流出口34と、流入口33と流出口34との間に配置され、負圧を発生させる負圧部35と、オゾンを含む気体を吸入させる気体流入口36とを有している。負圧部35では、内部の口径が他の部分よりも絞られている。負圧部35では、負圧部35の前後の流速または圧力の急激な変動により、負圧が発生する。微細気泡発生装置32は、負圧部35において、オゾンを含む気体を吸引する。これにより、流入口33を介して流路25から微細気泡発生装置32に流入した浄水に、オゾンを含んだ微細気泡が混入、オゾンの一部が水に溶解する。
【0043】
オゾン微細気泡発生器30において、流入口33から微細気泡発生装置32に流入した浄水の流速または圧力が変動することにより、浄水の流れが絞られる。これにより、流路25と流路26とを有する流路23(図1参照)を流れる水の流量または流速が抑制される。その結果、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。このように、浄水器100は、抑制部としてのオゾン微細気泡発生器30を備えている。抑制部は、一般的に圧損を生じることによって流量を抑制する。そのため、抑制部を備えることで、フィルタ槽10のフィルタ11に水が逆方向に流れる際の圧力を低くできるため、フィルタ11に過剰な圧力がかかってフィルタ11が破損するという事態を避けることができる。
【0044】
オゾン微細気泡発生器30は、フィルタ槽10とフィルタ槽20とを流れる水のうち、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制する。浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制されることにより、フィルタ槽10を流れる水の積算流量とフィルタ槽20を流れる水の積算流量とに比較的大きな差が生じる。このような積算流量の差が生じることにより、浄水器100では、フィルタ11とフィルタ21が同時に目詰まりしにくい。
【0045】
浄水器100は、電磁弁41,42,43,44,45を備えている。電磁弁41は、流路14に配置され、主通水路9からフィルタ槽10に供給される原水の供給と非供給とを切り換えている。電磁弁42は、流路24に配置され、主通水路9からフィルタ槽20に供給される原水の供給と非供給とを切り換えている。
【0046】
浄水器100は、浄水器100において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽10よりも下流側に配置された浄水タンク12を備えている。浄水タンク12は、流路13のうちの流路15と流路16との間に配置されている。流路16は、浄水器100において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、浄水タンク12よりも下流側に配置された流路である。また、流路16は、浄水器100において原水が浄化されるときに、浄水タンク12に溜められた浄水を浄水タンク12の外部に流出させるものである。
【0047】
流路16と流路26とは、浄水流出路8に接続されている。浄水流出路8には電磁弁45が配置されている。フィルタ槽10またはフィルタ槽20を通過することによって浄化された浄水は、電磁弁45が浄水流出路8を開放することにより、浄水流出路8から浄水器100の外部に流出する。電磁弁43は、流路16に配置され、浄水タンク12またはフィルタ槽10と浄水流出路8との間の通水と非通水とを切り換えている。電磁弁44は、流路26に配置され、オゾン微細気泡発生器30と浄水流出路8との間の通水と非通水とを切り換えている。電磁弁45は、浄水流出路8に配置され、浄水流出路8と浄水器100の外部との間の通水と非通水とを切り換えている。なお、流路13と流路23と主通水路9と浄水流出路8とは、それぞれ図示しない管状部材によって構成されている。
【0048】
以下では、浄水器100において原水が浄化される場合、つまり、主通水路9からフィルタ槽10またはフィルタ槽20に供給された原水がフィルタ11またはフィルタ21を通過することによって原水が浄化される場合の上記各電磁弁等の作動について説明する。
【0049】
フィルタ槽10のフィルタ11を原水が通過することによって原水が浄化される場合には、電磁弁41によって流路14が開放されている。流路14を通ってフィルタ槽10に流入した原水は、フィルタ11を通過することによって浄化され、浄水となる。フィルタ槽10の浄水は、流路15を通って浄水タンク12に溜められる。ただし、浄水器100は浄水タンク12を備えていなくてもよく、フィルタ槽10の浄水は、少なくとも流路15と浄水流出路8とを通り、電磁弁45が浄水流出路8を開放しているときに浄水器100の外部に流出する。
【0050】
フィルタ槽20のフィルタ21を原水が通過することによって原水が浄化される場合には、電磁弁42によって流路24が開放されている。流路24を通ってフィルタ槽20に流入した原水は、フィルタ21を通過することによって浄化され、浄水となる。フィルタ槽20の浄水は、流路25とオゾン微細気泡発生器30とを通る。オゾン発生装置31がオゾンを発生させているときには、オゾン微細気泡発生器30においてオゾンが浄水に溶解する。オゾン微細気泡発生器30を浄水が通過するときに上述のように流速または流量が抑制された浄水は、流路26と浄水流出路8とを通り、電磁弁45が浄水流出路8を開放しているときに浄水器100の外部に流出する。
【0051】
なお、浄水器100は、流路25と浄水タンク12とを接続する流路22と、流路25と流路22との接続部27よりも原水浄化時の流路25の下流側に配置された電磁弁46と、流路22に配置された電磁弁47とを備えていてもよい。電磁弁42が流路24を開放し、電磁弁46が流路25を閉塞し、且つ、電磁弁47が流路22を開放しているときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過した浄水は、流路22を通って浄水タンク12に溜められる。浄水タンク12に溜められた浄水は、流路16と浄水流出路8とを通り、電磁弁45が浄水流出路8を開放しているときに浄水器100の外部に流出する。
【0052】
なお、これら電磁弁41,42,43,44,45,46,47の開閉は、制御部50によって制御されている。また、オゾン微細気泡発生器30のオゾン発生装置31は、制御部50によって制御されている。
【0053】
次に、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合、つまり、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させる場合の上記各電磁弁等の作動について、図3を用いて説明する。
【0054】
浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、電磁弁41によって流路14が閉塞され且つ電磁弁42によって流路24が開放されている。フィルタ槽20の浄水は、流路25とオゾン微細気泡発生器30とを通る。オゾン微細気泡発生器30を浄水が通る場合にオゾン発生装置31がオゾンを発生させているときには、オゾン微細気泡発生器30においてオゾンを含む微細気泡が浄水に混入され、オゾンの一部が浄水に溶解する。
【0055】
また、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、電磁弁44によって流路26が開放され、電磁弁43によって流路16が開放され、且つ、電磁弁45によって浄水流出路8が閉塞されている。したがって、浄水器100の内部に原水が流入して主通水路9に原水が流れるときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水は、流路25と流路26と流路16と浄水タンク12と流路15とを通り、フィルタ槽10のフィルタ11を通過する。このとき、フィルタ槽10のフィルタ11を通過する浄水は、浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽10のフィルタ11を水が通過する方向と反対の方向に流れている。
【0056】
さらに、浄水器100の内部に原水が流入して主通水路9に原水が流れるときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水は、流路25と流路26と流路16とを通り、浄水タンク12に流入する。その結果、浄水タンク12には、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水が溜められる。
【0057】
浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽10のフィルタ11を水が通過する方向と反対の方向にフィルタ槽10のフィルタ11を通過することによってフィルタ11を洗浄した水は、排水路28を通って浄水器100の外部に排水される。
【0058】
ところで、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合にオゾン発生装置31がオゾンを発生させているときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生したオゾン微細気泡が混入した浄水が、流路26と流路16と浄水タンク12と流路15とを通り、フィルタ槽10のフィルタ11を通過する。このとき、フィルタ槽10のフィルタ11を通過するオゾン微細気泡が混入した浄水は、浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽10のフィルタ11を水が通過する方向と反対の方向に流れている。
【0059】
オゾンを含んだ微細気泡がフィルタ11の表面に衝突すること、または、オゾンを含んだ微細気泡が破裂することによる破裂振動(超音波振動)がフィルタ11の表面に作用することにより、フィルタ11の表面に付着もしくは堆積した汚濁物質がフィルタ11の表面から剥離される。また、これにより、フィルタ11の表面に汚濁物質が付着しにくくなるとともに、フィルタ11の表面に汚濁物質が付着または堆積することが防止される。
さらに、微細気泡中のオゾンにより、フィルタ11を殺菌することができる。その結果、フィルタ11を効果的に洗浄することができる。
【0060】
さらに、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合にオゾン発生装置31がオゾンを発生させているときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生したオゾン微細気泡が混入した浄水は、流路26と流路16とを通って浄水タンク12に流入する。その結果、浄水タンク12には、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生したオゾン微細気泡が混入した浄水が溜められる。
【0061】
なお、浄水器100が浄水タンク12を備えていない場合であって主通水路9に原水が流れるときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水は、少なくとも流路25と流路26と流路15とを通り、フィルタ槽10のフィルタ11を通過する。
【0062】
また、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させる場合は、電磁弁46(図1参照)が閉塞され且つ電磁弁47(図1参照)が開放されることにより、オゾン微細気泡発生器30を通過させることなく、少なくとも流路15を流通させることによってフィルタ槽10のフィルタ11を通過させることにしてもよい。さらに、この場合は、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水が、浄水タンク12に溜められることに限定されない。例えば、流路22(図1参照)が浄水タンク12を介さずに流路15に接続されているときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水が、浄水タンク12に溜められることなくフィルタ槽10のフィルタ11を通過することができる。
【0063】
次に、浄水器100において、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合、つまり、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後で、フィルタ槽10のフィルタ11を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽20のフィルタ21に通過させる場合の上記各電磁弁等の作動について、図4を用いて説明する。
【0064】
浄水器100において、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、電磁弁42によって流路24が閉塞され且つ電磁弁41によって流路14が開放されている。フィルタ槽10の浄水は、流路15と浄水タンク12とを通る。
【0065】
また、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、電磁弁43によって流路16が開放され、電磁弁44によって流路26が開放され、且つ、電磁弁45によって浄水流出路8が閉塞されている。
【0066】
浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、オゾン発生装置31はオゾンを発生させていない。しかしながら、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合に、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生したオゾン微細気泡が混入した浄水が、浄水タンク12に溜められている。したがって、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合であって、浄水器100の内部に原水が流入して主通水路9に原水が流れるときには、浄水タンク12に溜められたオゾン微細気泡が混入した浄水と、フィルタ槽10のフィルタ11を通過することによって浄化された浄水とは、流路16とオゾン微細気泡発生器30と流路25とを通り、フィルタ槽20のフィルタ21を通過する。このとき、フィルタ槽20のフィルタ21を通過する浄水は、浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽20のフィルタ21を水が通過する方向と反対の方向に流れている。
【0067】
浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽20のフィルタ21を水が通過する方向と反対の方向にフィルタ槽20のフィルタ21を通過することによってフィルタ21を洗浄した水は、排水路29を通って浄水器100の外部に排水される。
【0068】
なお、浄水器100において、原水が浄化される場合と、フィルタ槽10のフィルタ11が洗浄される場合と、フィルタ槽20のフィルタ21が洗浄される場合とでは、流路15と流路16と流路26と流路25とは、それぞれ同一の管状部材によって構成されていてもよく、それぞれ異なる管状部材によって構成されていてもよく、いずれかの部分において同一の管状部材によって構成されていてもよい。つまり、浄水器100において、原水が浄化される場合と、フィルタ槽10のフィルタ11が洗浄される場合と、フィルタ槽20のフィルタ21が洗浄される場合とでは、水の流れは、同一の管状部材を流れていてもよく、それぞれ他の管状部材を流れていてもよく、いずれかの部分においてそれぞれ同一の管状部材を流れていてもよい。
【0069】
以上のように、上記の浄水器100は、フィルタ槽10とフィルタ槽20とを備えている。フィルタ槽10とフィルタ槽20とは、原水を通過させることによって原水を浄化するフィルタ11とフィルタ21とをそれぞれ収容している。また、浄水器100は、フィルタ槽10とフィルタ槽20とが並列に配置されている。さらに、浄水器100は、抑制部の一例としてオゾン微細気泡発生器30を備えている。オゾン微細気泡発生器30は、浄水器100において原水を浄化する場合にフィルタ槽10とフィルタ槽20とを流れる水のうちフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制する。
【0070】
このように、浄水器100では、フィルタ槽10とフィルタ槽20とのうち、フィルタ槽20を流れる水の流量または流速がオゾン微細気泡発生器30によって抑制される。そのため、並列に配置されたフィルタ槽10のフィルタ11よりもフィルタ槽20のフィルタ21の方が目詰まりしにくい。すなわち、浄水器100は、並列に配置されたフィルタ槽10とフィルタ槽20とにそれぞれ収容されたフィルタ11とフィルタ21とが同時に目詰まりしないように構成されている。そのため、浄水器100では、フィルタ槽10のフィルタ11と、フィルタ槽20のフィルタ21とを同時期に交換する必要が無い。
【0071】
なお、浄水器100において、抑制部は、オゾン微細気泡発生器30であることに限定されない。
【0072】
例えば、流路23に配置された電磁弁42または電磁弁44の弁の開度が調整されることにより、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制することができる。つまり、浄水器100において原水を浄化する場合に、流路13に配置された電磁弁41または電磁弁43のうちの弁の開度が小さい方の弁の開度に比べ、電磁弁42または電磁弁44のいずれかの弁の開度が小さいときには、フィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。一方、流路23に配置された電磁弁42または電磁弁44の弁の開閉時間が調整されることにより、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制することも可能である。このように、抑制部は、流路23に配置された電磁弁42または電磁弁44であってもよい。
【0073】
また例えば、フィルタ槽10を通る流路13とフィルタ槽20を通る流路23とに形状等の違いが設けられている場合には、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制することができる。
【0074】
例えば、流路13の行程距離に比べて流路23の行程距離が長い場合、または、流路13を構成する管状部材の管径に比べて流路23を構成する管状部材の管径が小さい場合には、流路23を水が流れるときの摩擦損失が流路13のものに比べて大きい。その結果、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。また、流路13を構成する管状部材の形状に比べて流路23を構成する管状部材の形状が複雑である場合、つまり、流路13を構成する管状部材に比べて流路23を構成する管状部材が例えば曲線部を多く有している場合には、流路23を構成する管状部材の内部において水が円滑に流れることが妨げられる。このように、抑制部は、流路23によって構成されていてもよい。
【0075】
さらに例えば、フィルタ槽10とフィルタ槽20とに形状等の違いが設けられている場合にも、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制することができる。
【0076】
例えば、フィルタ槽20が略円筒形状を有し、フィルタ槽20またはフィルタ21の断面の中心からフィルタ槽20の内壁までの距離が比較的小さい場合には、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。また、フィルタ槽10とフィルタ槽20とが、それぞれ、槽内に水を導入させる導入部と、槽内から水を導出させる導出部とを有し、フィルタ槽20の導入部の内部の断面積または導出部の内部の断面積が比較的小さい場合には、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。さらに、フィルタ槽20の内部は、フィルタ槽20での水の流れが絞られるような形状または構成を有していてもよい。このように、抑制部は、フィルタ槽20であってもよい。
【0077】
抑制部が電磁弁42もしくは電磁弁44である場合、抑制部が流路23によって構成されている場合、または、抑制部がフィルタ槽20である場合は、浄水器100は、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20を流れる水の流量または流速を抑制することのみに利用される他の抑制部を備えていなくてもよい。そのため、浄水器100の構成部品の数量が低減される。その結果、浄水器100の構成が簡素化される。
【0078】
また、図示していないポンプが流路13と流路23とにそれぞれ配置されていてもよい。流路13に配置されたポンプは、例えば主通水路9から原水を流路13に強制的に送水する。同様に、流路23に配置されたポンプは、例えば主通水路9から原水を流路23に強制的に送水する。浄水器100において原水を浄化する場合に、流路13に配置されたポンプの出力に比べて流路23に配置されたポンプの出力が低いときには、フィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。なお、流路23に配置されたポンプは、流路23を通る水をオゾン微細気泡発生器30に送水することができる。
【0079】
また、浄水器100は、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水がフィルタ槽10のフィルタ11を通過するように構成されている。この場合、フィルタ槽10を通過する浄水は、浄水器100においてフィルタ槽10によって原水を浄化するときに原水がフィルタ槽10を通過する方向と反対の方向に流れている。
【0080】
浄水器100は、フィルタ槽10のフィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽10のフィルタ11とフィルタ槽20のフィルタ21とが同時に目詰まりすることが抑制されているため、フィルタ槽20を通過することによって原水を浄化させることができる。そのため、フィルタ槽10のフィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させることにより、フィルタ槽10のフィルタ11の目詰まりを解消することができる。このように、浄水器100では、フィルタ槽10のフィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽10のフィルタ11を清潔に洗浄することができる。
【0081】
浄水器100において、抑制部は、オゾン微細気泡発生器30である。オゾン微細気泡発生器30は、フィルタ槽20よりも浄水器100において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽20よりも下流側に配置されている。
【0082】
この構成によれば、フィルタ槽20のフィルタ21を通過した浄水が微細気泡発生器としてのオゾン微細気泡発生器30を通過するときに浄水の流れが絞られることにより、フィルタ槽20を流れる水の流量または流速が抑制される。これにより、並列に配置されたフィルタ槽10とフィルタ槽20とのそれぞれのフィルタ11とフィルタ21とが同時に目詰まりしにくい。すなわち、浄水器100は、並列に配置されたフィルタ槽10とフィルタ槽20とのそれぞれのフィルタ11とフィルタ21とが同時に目詰まりしないように構成されている。
【0083】
浄水器100は、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20によって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生した微細気泡が混入した浄水が、フィルタ槽10を通過するように構成されている。この場合、フィルタ槽10を通過する浄水は、浄水器100においてフィルタ槽10によって原水を浄化するときに原水がフィルタ槽10を通過する方向と反対の方向に流れている。
【0084】
この構成によれば、フィルタ槽10のフィルタが目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され、且つ、微細気泡が混入した浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させることにより、フィルタ槽10のフィルタ11の目詰まりを効果的に解消することができる。このように、浄水器100では、フィルタ槽10のフィルタ11を効果的に清潔に洗浄することができる。
【0085】
浄水器100において、抑制部としての微細気泡発生器は、オゾン微細気泡発生器30である。
【0086】
この構成によれば、オゾン微細気泡発生器30から発生されたオゾン微細気泡により、フィルタ槽10のフィルタ11をさらに効果的に清潔に洗浄することができる。
【0087】
浄水器100は、浄水タンク12をさらに備えている。浄水タンク12は、浄水器100において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽10よりも下流側に配置されている。さらに、浄水器100は、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20によって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生した微細気泡が混入した浄水が、浄水器100においてフィルタ槽10によって原水を浄化するときに原水がフィルタ槽10を通過する方向と反対の方向にフィルタ槽10を通過するように構成されている。また、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20によって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生した微細気泡が混入した浄水が、浄水タンク12に溜められるように構成されている。
【0088】
また、浄水器100は、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、浄水タンク12に溜められた微細気泡が混入した浄水と、フィルタ槽10によって浄化された浄水とがフィルタ槽20を通過するように構成されている。この場合、フィルタ槽20を通過する浄水は、浄水器100においてフィルタ槽20によって原水を浄化するときに原水がフィルタ槽20を通過する方向と反対の方向に流れている。
【0089】
浄水器100では、浄水タンク12は、フィルタ槽10のフィルタ11を通過することによって浄化された浄水を溜めることができる。
【0090】
また、浄水器100では、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20によって浄化され且つオゾン微細気泡発生器30にて発生した微細気泡が混入した浄水が、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽10を原水が通過する方向と反対の方向に浄水が流れるようにフィルタ槽10を通過するように構成されている。さらに、浄水タンク12は、浄水器100において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽10よりも下流側に配置されている。そのため、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、フィルタ槽20によって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水が浄水タンク12に流入する。これにより、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、浄水タンク12は、フィルタ槽20によって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水を溜めることができる。
【0091】
このように、浄水タンク12に溜められている微細気泡が混入した浄水は、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄している間に、浄水タンク12に溜められる。さらに、浄水器100では、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、浄水タンク12に溜められている微細気泡が混入した浄水と、フィルタ槽10によって浄化された浄水とをフィルタ槽20のフィルタ21に通過させることができる。この場合にフィルタ槽20のフィルタ21を通過する浄水は、浄水器100において原水を浄化するときにフィルタ槽20のフィルタ21を原水が通過する方向と反対の方向に流れている。
【0092】
上述のように、浄水器100は、フィルタ槽10のフィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化され且つ微細気泡が混入した浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させることにより、フィルタ槽10のフィルタ11を効果的に清潔に洗浄することができる。そのため、浄水器100においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後で、洗浄されたフィルタ槽10のフィルタ11を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽20のフィルタ21に通過させることにより、フィルタ槽20のフィルタ21の目詰まりを効果的に解消することができる。このとき、フィルタ槽20のフィルタ21を通過する浄水には、微細気泡が混入しているため、フィルタ槽20のフィルタ21を効果的に清潔に洗浄することができる。また、フィルタ槽20のフィルタ21を通過する浄水に、オゾンを含む微細気泡が混入している場合は、フィルタ槽20のフィルタ21をさらに効果的に清潔に洗浄することができる。
【0093】
以上のように、第1実施形態によれば、並列に配置されたフィルタ槽10とフィルタ槽20とにそれぞれ収容されたフィルタ11とフィルタ21とが同時に目詰まりしないように構成された浄水器100を提供することができる。
【0094】
(第2実施形態)
図5に第2実施形態に係る浄水器200を示す。浄水器200が第1実施形態の浄水器100と異なる点は、浄水器200は、抗菌成分を溶出する溶出部6を備えている。
【0095】
溶出部6は、浄水器200において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽20よりも上流側に配置されている。溶出部6は、銀イオンを溶出する溶出剤によって構成されている。
【0096】
溶出部6としては、例えば、ポリエチレンペレットに銀イオン溶出ゼオライトが練り込まれた溶出剤が用いられる。このような溶出剤に水が接触することにより、溶出部6から水中に銀イオンが溶出される。
【0097】
なお、銀イオンは、抗菌成分の一例である。ただし、抗菌成分の例は銀イオンに限定されない。抗菌成分は、浄水器が供給する水に溶解されることにより、その物質が溶解された水はフィルタ11,21や流路13または流路23を形成する部材に対して有用である。または、抗菌成分は、その物質が溶解された水を使用者が使用する際には使用者にとって有用な物質である。
【0098】
なお、溶出部6は、流路25または流路26に配置されていてもよい。また、溶出部6は、フィルタ槽10のフィルタ11を通過するまたは通過した水に抗菌成分が溶解するように、流路13に配置されていてもよい。
【0099】
流路13もしくは流路23を形成する部材は常に水に接触しているため、流路13もしくは流路23内、流路13もしくは流路23を形成する部材、またはフィルタ11,21に菌が繁殖しやすい。フィルタ11,21に菌が繁殖する場合には、フィルタ11,21の目詰まりが生じてフィルタ11,21の浄水性能が低下する。そこで、溶出部6を流路13または流路23に配置することによって、銀イオンによる殺菌効果で菌の繁殖を抑え、フィルタ11,21の目詰まりを防止することができる。
【0100】
浄水器200のその他の構成は、第1実施形態に係る浄水器100と同様である。浄水器200のその他の構成についての説明は省略する。
【0101】
浄水器200において原水が浄化される場合の各電磁弁等の作動は、第1実施形態に係る浄水器100と同様である。
【0102】
浄水器200においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合の各電磁弁等の作動は、第1実施形態に係る浄水器100と同様である。
【0103】
浄水器200において、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄した後でフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合の各電磁弁等の作動は、第1実施形態に係る浄水器100と同様である。
【0104】
以上のように、浄水器200は、抗菌成分を水に溶出する溶出部6を備えている。溶出部6は、浄水器200において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽20よりも上流側に配置されている。
【0105】
浄水器200によれば、フィルタ槽20を水が通過するときには、抗菌成分が水に溶解しているため、フィルタ槽20の内部を抗菌成分によって清潔に保つことができる。また、フィルタ槽20によって浄化された浄水によってフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、抗菌成分が溶解した浄水によって洗浄することができる。そのため、フィルタ槽10のフィルタ11をより清潔に洗浄することができる。
【0106】
なお、溶出部6が浄水器200において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、フィルタ槽20よりも下流側に配置されている場合には、フィルタ槽20を通過した水に抗菌成分が溶解しているため、フィルタ槽20よりも下流側の部材を抗菌成分によって清潔に保つことができる。
【0107】
(第3実施形態)
図6と図7とに、第3実施形態に係る浄水器300を示す。浄水器300において原水を浄化する場合には、フィルタ槽10とフィルタ槽20とのうち、フィルタ槽10のみを原水が通過する。つまり、浄水器300は、浄水器300においてフィルタ槽10に収容されたフィルタ11を洗浄する場合のみに、フィルタ槽20を原水が通過するように構成されている。
【0108】
第3実施形態に係る浄水器300は、例えば第2実施形態に係る浄水器200のように溶出部6を備えた浄水器においてフィルタ槽10に収容されたフィルタ11を洗浄する場合のみに、フィルタ槽20を原水が通過するように構成されている。浄水器300は、第1実施形態に係る浄水器100のように溶出部6を備えていない浄水器においてフィルタ槽10に収容されたフィルタ11を洗浄する場合のみに、フィルタ槽20を原水が通過するように構成されたものであってもよい。
【0109】
以下では、浄水器300において原水が浄化される場合、つまり、主通水路9からフィルタ槽10に供給された原水がフィルタ11を通過することによって原水が浄化される場合の上記各電磁弁等の作動について、図6を用いて説明する。
【0110】
浄水器300において原水が浄化される場合には、電磁弁41によって流路14が開放され且つ電磁弁42が流路24を閉塞している。なお、この場合には、電磁弁46は、流路25を閉塞していてもよく、流路25を開放していてもよい。また、電磁弁47は、流路22を閉塞していてもよく、流路22を開放していてもよい。
【0111】
流路14を通ってフィルタ槽10に流入した原水は、フィルタ11を通過することによって浄化され、浄水となる。フィルタ槽10の浄水は、少なくとも流路15と浄水流出路8とを通り、電磁弁45が浄水流出路8を開放しているときに浄水器300の外部に流出する。
【0112】
次に、浄水器300において、フィルタ槽20のフィルタ21を通過することによって浄化された浄水をフィルタ槽10のフィルタ11に通過させる場合の上記各電磁弁等の作動について、図7を用いて説明する。
【0113】
浄水器300においてフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合には、電磁弁41によって流路14が閉塞され且つ電磁弁42によって流路24が開放されている。
【0114】
フィルタ槽20の浄水は、流路25と流路26と流路16と流路15とを通り、フィルタ槽10のフィルタ11を通過する。ただし、フィルタ槽20の浄水は、オゾン微細気泡発生器30をつまり流路26と流路16とを通らなくてもよい。また、フィルタ槽20の浄水は、浄水タンク12とオゾン微細気泡発生器30とを通らなくてもよい。
【0115】
浄水器300によれば、浄水器300が溶出部6を備えているか否かにかかわらず、以下のような効果を得ることができる。
【0116】
浄水器300は、フィルタ槽10のフィルタ11を洗浄する場合のみに、フィルタ槽20を原水が通過するように構成されている。この構成によれば、浄水器300が例えば原水を浄化する場合には、フィルタ槽20を原水が通過することが無い。このように、浄水器300は、並列に配置されたフィルタ槽10とフィルタ槽20とにそれぞれ収容されたフィルタ11,21が同時に目詰まりしないように構成されている。そのため、フィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽20を通過した浄水を用いてフィルタ11を洗浄することができる。したがって、浄水器300では、フィルタ槽10のフィルタ11が目詰まりしている場合であっても、フィルタ槽10のフィルタ11を清潔に洗浄することができる。
【0117】
浄水器300によれば、フィルタ槽20を原水が通過することがより少なくなる。そのため、フィルタ槽20に収容されたフィルタ21の寿命を延ばすことが可能である。また、フィルタ槽20に収容されたフィルタ21の体積およびフィルタ槽20の容積の縮小化を図ることが可能である。
【0118】
なお、図7に示すように、浄水器300が溶出部6を備えていることにより、フィルタ槽20の内部を清潔に保つことできると共に、抗菌成分が溶解した浄水によってフィルタ槽10のフィルタ11を洗浄することができる。これにより、フィルタ11をより清潔に洗浄することができると共に、フィルタ槽10の内部とフィルタ槽20の内部とを抗菌成分によって清潔に保つことができる。
【0119】
一方、溶出部6は、図7に示すような水の流れ方向において、フィルタ槽20の下流側に配置されていてもよい。つまり、溶出部6は、流路25、流路26、流路16、流路15、または流路22に配置されていてもよい。溶出部6がこのように配置されている場合は、例えば浄水タンク12の周辺を清潔に保つことができる。
【0120】
(第4実施形態)
図8と図9とに、第4実施形態に係る浄水器400を示す。浄水器400において原水を浄化する場合には、フィルタ槽10とフィルタ槽20とのうち、フィルタ槽20のみを原水が通過する。つまり、浄水器400は、浄水器400においてフィルタ槽20に収容されたフィルタ21を洗浄する場合のみに、フィルタ槽10を原水が通過するように構成されている。
【0121】
第4実施形態に係る浄水器400は、例えば第2実施形態に係る浄水器200のように溶出部6を備えた浄水器においてフィルタ槽20に収容されたフィルタ21を洗浄する場合のみに、フィルタ槽10を原水が通過するように構成されている。
【0122】
図8に示すように、浄水器400において原水が浄化される場合には、電磁弁41によって流路14が閉塞され且つ電磁弁42が流路24を開放している。流路24を通ってフィルタ槽20に流入した原水は、フィルタ21を通過することによって浄化され、浄水となる。フィルタ槽20の浄水は、少なくとも流路25を通り、電磁弁45が浄水流出路8を開放しているときに浄水器400の外部に流出する。
【0123】
なお、この場合に、電磁弁46は、浄水にオゾン微細気泡発生器30を通過させないために流路25を閉塞していてもよく、浄水にオゾン微細気泡発生器30を通過させるために流路25を開放していてもよい。また、フィルタ槽20を通過することによって浄化された水は、浄水タンク12を通っていてもよく、通らなくてもよい。例えば、流路22が浄水タンク12を介さずに流路16に接続されているときには、フィルタ槽20のフィルタ21を通過した浄水が、浄水タンク12に溜められることなく浄水流出路8を流通することができる。
【0124】
図9に示すように、浄水器400においてフィルタ槽20のフィルタ21を洗浄する場合には、電磁弁42によって流路24が閉塞され且つ電磁弁41によって流路14が開放されている。フィルタ槽10を通過した浄水は、流路15と流路16と流路26と流路25とをまたは流路15と流路22と流路25とを通り、フィルタ槽20のフィルタ21を通過する。フィルタ21を洗浄した水は、排水路29を通って浄水器400の外部に排水される。ただし、フィルタ21が洗浄される際には、フィルタ槽10を通過した浄水が少なくとも流路15と流路25とを通ってフィルタ槽20のフィルタ21を通過していればよい。
【0125】
浄水器400によれば、浄水器400が溶出部6を備えているか否かにかかわらず、フィルタ槽10を原水が通過することがより少なくなる。そのため、フィルタ槽10に収容されたフィルタ11の寿命を延ばすことが可能である。また、フィルタ槽10に収容されたフィルタ11の体積およびフィルタ槽10の容積の縮小化を図ることが可能である。
【0126】
なお、浄水器400において、溶出部6は、流路14、流路15、流路25、流路26、流路16、流路15、または流路22に配置されていてもよい。
【0127】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0128】
6:溶出部、10:フィルタ槽、11:フィルタ、20:フィルタ槽、21:フィルタ、30:オゾン微細気泡発生器、100,200,300,400:浄水器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を通過させることによって原水を浄化するフィルタをそれぞれ収容した第1のフィルタ槽と第2のフィルタ槽とを備え、
前記第1のフィルタ槽と前記第2のフィルタ槽とが並列に配置された浄水器であって、
当該浄水器において原水を浄化する場合に前記第1のフィルタ槽と前記第2のフィルタ槽とを流れる水のうち前記第2のフィルタ槽を流れる水の流量または流速を抑制する抑制部をさらに備えた、
浄水器。
【請求項2】
当該浄水器において前記第1のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄する場合には、前記第2のフィルタ槽によって浄化された浄水が、当該浄水器において前記第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が前記第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に、前記第1のフィルタ槽を通過するように構成されている、
請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
当該浄水器において前記第1のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄する場合のみに、前記第2のフィルタ槽を原水が通過するように構成されている、
請求項2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記抑制部は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して前記第2のフィルタ槽よりも下流側に配置された微細気泡発生器である、
請求項1または請求項2に記載の浄水器。
【請求項5】
当該浄水器において前記第1のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄する場合には、前記第2のフィルタ槽によって浄化され且つ前記微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、当該浄水器において前記第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が前記第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に、前記第1のフィルタ槽を通過するように構成されている、
請求項4に記載の浄水器。
【請求項6】
前記微細気泡発生器はオゾン微細気泡発生器である、
請求項4または請求項5に記載の浄水器。
【請求項7】
当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、前記第1のフィルタ槽よりも下流側に配置された浄水タンクをさらに備え、
当該浄水器において前記第1のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄する場合には、前記第2のフィルタ槽によって浄化され且つ前記微細気泡発生器にて発生した微細気泡が混入した浄水が、当該浄水器において前記第1のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が前記第1のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に前記第1のフィルタ槽を通過し、且つ、前記浄水タンクに溜められるように構成され、
当該浄水器において前記第1のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄した後で前記第2のフィルタ槽に収容された前記フィルタを洗浄する場合には、前記浄水タンクに溜められた微細気泡が混入した浄水と、前記第1のフィルタ槽によって浄化された浄水とが、当該浄水器において前記第2のフィルタ槽によって原水を浄化するときに原水が前記第2のフィルタ槽を通過する方向と反対の方向に、前記第2のフィルタ槽を通過するように構成されている、
請求項5または請求項6に記載の浄水器。
【請求項8】
抗菌成分を水に溶出する溶出部をさらに備え、
前記溶出部は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、前記第2のフィルタ槽よりも上流側に配置されている、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の浄水器。
【請求項9】
抗菌成分を水に溶出する溶出部をさらに備え、
前記溶出部は、当該浄水器において原水が浄化される場合の原水の流れ方向に関して、前記第2のフィルタ槽よりも下流側に配置されている、
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の浄水器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−76072(P2012−76072A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46611(P2011−46611)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】