説明

浴室乾燥機

【課題】乾燥ムラを低減して、乾燥を促進することができる浴室乾燥機を提供すること。
【解決手段】この浴室乾燥機DMは、吹出口13から吹き出される空気により浴室内に並べられた衣類を乾燥する乾燥モードを実行する際に、ルーバ10とルーバ11との間に形成される空間が吹出口13から離れるに従って絞られるようにルーバ10及びルーバ11を制御することで、吹出口13から吹き出される空気をルーバ10とルーバ11の間において、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に広げて流す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内に並べられた衣類を乾燥させる浴室乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような浴室乾燥機として、浴室の空気を吸い込み、ヒータを経由させて浴室方向に空気を噴出する乾燥モードを実行可能なように、噴出口に可動ルーバを備えるものが知られている。乾燥モードの実行時には、浴室内に吊り下げられる乾燥対象に向けて噴出口からの空気が流れるように、可動ルーバの向きを制御するものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3157494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の従来技術では、可動ルーバの向きを変更して、噴出口からの空気が乾燥対象に噴出するように調整されるため、可動ルーバの幅範囲で噴出される空気が乾燥対象に向かうことになる。そのため、乾燥対象である衣類を浴室の壁際に掛けた場合や、浴室内の広い範囲に乾燥対象である衣類を配置した場合には、直接噴出される空気で乾燥されるのではなく、浴室内の湿度が低下することによる乾燥となっていた。そのため、浴室内の側壁付近等、噴出口の直下から外れた領域に乾燥対象である衣類を吊り下げておくと、その領域には噴出口からの空気が噴出されず、乾燥ムラの原因となっていた。このように乾燥ムラが生じてしまうと、最も乾きにくい箇所が乾くまで浴室乾燥機を駆動する必要があるので乾燥時間が長引いてしまい、結果として電気代も嵩んでしまう。
【0005】
そこで本発明では、乾燥ムラを低減して、乾燥を促進することができる浴室乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る浴室乾燥機は、浴室内に並べられた衣類を乾燥させる浴室乾燥装置であって、浴室内の空気を吸い込む吸込口と、前記吸込口から吸い込んだ空気に流れを発生させるファンと、前記ファンにより流れが発生した空気を浴室内に吹き出す吹出口と、前記吹出口から吹き出される空気の方向を規制する風向規制手段と、前記風向規制手段が規制する空気の方向を制御する制御手段と、を備え、前記風向規制手段は、前記吹出口から突出する板状の第1ルーバと、前記第1ルーバと対向して配設され前記吹出口から突出する板状の第2ルーバと、を有し、前記制御手段は、前記吹出口から吹き出される空気により浴室内に並べられた衣類を乾燥する乾燥モードを実行する際に、前記第1ルーバと前記第2ルーバとの間に形成される空間が前記吹出口から離れるに従って絞られるように前記第1ルーバ及び前記第2ルーバを制御することで、前記吹出口から吹き出される空気を前記第1ルーバと前記第2ルーバの間において、前記第1ルーバ及び前記第2ルーバの延在方向に広げて流すことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、乾燥モードの実行時に、浴室側となる第1ルーバの端部と第2ルーバの端部とが近づくように風向規制手段を制御するので、第1ルーバと第2ルーバとが吹出口から離れるにつれて、第1ルーバと第2ルーバとの間隔が除々に絞られ、吹出口から水平方向に沿った流路が形成される。これにより、吹出口からの空気が、第1ルーバと第2ルーバにあたり、第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向である水平方向に沿って流れる。そのため、吹出口から噴出された空気を第1ルーバと第2ルーバとの両端から吹き出させることができ、浴室の側壁方向にも行き亘らせることができる。従って、浴室の側壁側に並べられた乾燥対象物にも直接的に空気をあてることができ、乾燥ムラを防止することができる。本発明では、吹出口からの空気を広い範囲に吹き出すことができ、浴室内に並べられた乾燥対象物である衣類全体に乾燥した空気が行き亘り、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。
【0008】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、第1ルーバ及び第2ルーバは長方形であり、第1ルーバ及び第2ルーバの短手方向が吹出口から突出するように配置することも好ましい。
【0009】
この好ましい態様では、第1ルーバ及び第2ルーバの短手方向が吹出口から突出するように配置することで、吹出口の近傍に第1ルーバ及び第2ルーバの浴室側端部を配置することができる。従って、吹出口から吹き出された空気は勢いがつく前に第1ルーバ及び第2ルーバの全体によって方向転換がなされ、第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向である水平方向に空気が円滑に流れる。そのため、吹出口から吹き出された空気が円滑により広い範囲へと吹き出され、浴室全体に衣類を干した場合でもその干した衣類全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。
【0010】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、第1ルーバの短手方向の長さと、第2ルーバの短手方向の長さとがそれぞれ等しいことも好ましい。
【0011】
この好ましい態様では、第1ルーバの短手方向の長さと、第2ルーバの短手方向の長さとがそれぞれ等しいので、第1ルーバと第2ルーバとを所定距離離隔させて配置し、第1ルーバ及び第2ルーバそれぞれの先端を近づけて空気流路を形成した場合に、その空気流路断面形状が略二等辺三角形となるため、それぞれのルーバの短手方向長さを十分に活かすことができる。従って、第1ルーバと第2ルーバとで形成される空気流路の断面積を広く確保することができ、第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向に流れる空気量を十分に確保することができるため、浴室全体に衣類を干した場合でもその干した衣類全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。また、実際の施工現場で、この浴室乾燥機を水平方向に180度回転して設置してしまった場合であっても、第1ルーバと第2ルーバとが短手方向同じ長さであるため、方向性の違いをそれぞれの動作を変更することで対応することができる。具体的には、コントローラの設定を変更し、本来第1ルーバがすべき動作を第2ルーバに行わせ、本来第2ルーバがすべき動作を第1ルーバに行わせることで対応することができる。
【0012】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、第1ルーバの短手方向の長さと、第2ルーバの短手方向の長さと、吹出口の一辺の長さとがそれぞれ等しいことも好ましい。
【0013】
この好ましい態様では、第1ルーバの短手方向の長さと、第2ルーバの短手方向の長さと、吹出口の一辺の長さとがそれぞれ等しいので、第1ルーバ及び第2ルーバそれぞれの先端を近づけて空気流路を形成した場合に、その空気流路断面形状が略正三角形となるため、それぞれのルーバの短手方向長さを最大限に活かすことができる。従って、第1ルーバと第2ルーバとで形成される空気流路の断面積を広く確保することができ、第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向に流れる空気量を十分に確保することができるため、浴室全体に衣類を干した場合でもその干した衣類全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。また、実際の施工現場で、この浴室乾燥機を水平方向に180度回転して設置してしまった場合であっても、第1ルーバと第2ルーバとが短手方向同じ長さであるため、方向性の違いをそれぞれの動作を変更することで対応することができる。具体的には、コントローラの設定を変更し、本来第1ルーバがすべき動作を第2ルーバに行わせ、本来第2ルーバがすべき動作を第1ルーバに行わせることで対応することができる。
【0014】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、第1ルーバ及び第2ルーバは吹出口に収納可能であることも好ましい。この好ましい態様では、第1ルーバ及び第2ルーバが吹出口から突出せずフラットに収納することができるので、収納時におけるデザイン性が向上する。
【0015】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、第1ルーバ及び第2ルーバを吹出口に収納した際に、第1ルーバ及び第2ルーバの少なくとも一方が吹出口を覆うカバーになることも好ましい。この好ましい態様では、第1ルーバ及び第2ルーバが収納時にカバーとなるので、吹出口を覆うカバー部材を別途設けることなく、吹出口を覆うことができる。
【0016】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、制御手段は、浴室内に入浴者がいる場合に暖房する入浴暖房モードを実行する際に、第1ルーバと第2ルーバとの間に形成される空間が吹出口から離れるに従って絞られるように第1ルーバ及び第2ルーバを制御し、乾燥モードの実行時よりも第1ルーバの先端と第2ルーバの先端を近づけ、吹出口から吹き出される空気を第1ルーバと第2ルーバとの間において、第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向に広げて流すことも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、浴室内に入浴者がいる場合に暖房する入浴暖房モードを実行する際に、乾燥モードの実行時よりも第1ルーバの先端と第2ルーバの先端を近づけるので、吹出口から吹き出される空気をより第1ルーバ及び第2ルーバの延在方向に広げて流すことができる。従って、吹出口からの空気を入浴者に直接的にあたらないようにすることができる。
【0018】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、制御手段は、浴室内の暖房をする暖房モードを実行する際に、第1ルーバと第2ルーバとを互いに沿わせるように制御し、吹出口から吹き出される空気を洗い場に向かって吹きつけることも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、浴室内の暖房をする暖房モードを実行する際に、吹出口からの空気を浴室の洗い場に向かって確実に流すことができるので、洗い場を早く暖めることができ、入浴者が快適に入浴を楽しむことができる。
【0020】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、制御手段は、浴室内の空気を循環させながら換気する循環換気モードを実行する際に、第1ルーバと第2ルーバとを互いに沿わせるように制御し、吹出口から吹き出される空気を浴室内壁に向かって吹きつけることも好ましい。
【0021】
この好ましい態様では、循環換気モードの実行時に、吹出口からの空気を浴室の内壁に向かって確実に流すことができるので、浴室の内壁を素早く乾燥でき、内壁におけるカビの発生を抑制することができる。
【0022】
また、本発明に係る浴室乾燥機では、制御手段は、浴室内の空気を換気する換気モードを実行する際に、第1ルーバ及び第2ルーバを吹出口に収納することも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、換気モードの実行時に、第1ルーバ及び第2ルーバを吹出口に収納するので、吸い込んだ浴室内の空気が吹出口から浴室内に漏れ出ることなく浴室乾燥機内を流れ、浴室の外へ確実に排出することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、乾燥ムラを低減して、乾燥を促進することができる浴室乾燥機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態である浴室乾燥機を浴室に取り付けた状態を示す図である。
【図2】本発明の実施形態である浴室乾燥機を下方から見た状態を示す外観斜視図である。
【図3】図2におけるII-II断面を示す断面図である。
【図4】図3におけるIII-III断面を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態である浴室乾燥機の制御的な構成を示すブロック構成図である。
【図6】本発明の実施形態である浴室乾燥機の各運転モードにおける動作状態を示す図である。
【図7】衣類乾燥モードにおけるルーバの状態を示す図である。
【図8】入浴暖房モードにおけるルーバの状態を示す図である。
【図9】暖房モードにおけるルーバの状態を示す図である。
【図10】循環換気モードにおけるルーバの状態を示す図である。
【図11】換気モードにおけるルーバの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0027】
本発明の実施形態である浴室乾燥機について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態である浴室乾燥機DMを浴室BRに取り付けた状態を示す図である。浴室乾燥機DMは、浴室BRの天井BRcに取り付けられるものである。浴室乾燥機DMは、吹き出す風の方向を、直下方向の空気流AFaや斜下方向の空気流AFbのみならず、浴室BRの側壁面BRwに向かう水平方向の空気流AFcとなるように吹き出している。従って、乾燥対象物である衣類CLを浴室BRの広い範囲に分散して干した場合でも、その衣類CLに風を当てることができる。
【0028】
図2に、浴室乾燥機DMを下方から見た状態を示す外観斜視図を示す。図2に示されるように、浴室乾燥機DMは、吸込口20から浴室BR(図1参照)内の空気を吸い込んで、通常の換気モードの場合にはその空気を浴室BR外に送り出し、その他の場合は吸い込んだ空気の少なくとも一部を吹出口13から浴室BR内に送り出すように構成されている。
【0029】
本実施形態の浴室乾燥機DMの場合、吹出口13に風向規制手段としてのルーバ10及びルーバ11が設けられている。ルーバ10及びルーバ11の方向を調整することで、吹出口13から吹き出す空気が、直下方向の空気流AFaや斜下方向の空気流AFbのみならず、浴室BRの側壁面BRw(図1参照)に向かう水平方向の空気流AFcとなるように調整している。
【0030】
続いて、浴室乾燥機DMの内部構造について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、図2におけるII-II断面を示す断面図である。図4は、図3におけるIII-III断面を示す断面図である。図3及び図4に示すように、浴室乾燥機DMは、本体部DMaと、カバー部DMbとを備えている。本体部DMaは、浴室BRの天井BRc(図1参照)に直接取り付けられる部分である。カバー部DMbは、浴室BRの天井BRcに沿って、本体部DMaを覆うように取り付けられるカバーである。
【0031】
本体部DMa内部には、ファン30と、ファン30を回転駆動するファンモータ30aが設けられている。ファンモータ30aが回転すると、ファン30が回転駆動され、カバー部DMbに形成された吸込口20から浴室BR内の空気を吸い込むように構成されている。ファン30の回転によって吸い込まれた空気は、ファン30から内部流路50へと送り出される。
【0032】
内部流路50は、換気側内部流路51と循環側内部流路52とに繋がっている。内部流路50と、換気側内部流路51及び循環側内部流路52との間には、ダンパ40が設けられている。ダンパ40は、内部流路50を流れる空気を、換気側内部流路51と循環側内部流路52とに振り分けて流すためのものである。
【0033】
換気側内部流路51は、浴室外に繋がる排気流路(図示しない)に繋がっている。循環側内部流路52には、ヒータ41が設けられている。ヒータ41に通電することで、循環側内部流路52を流れる空気が温められる。循環側内部流路52の末端は、カバー部DMbに形成された吹出口13に繋がっている。
【0034】
吹出口13の一側にはルーバ10が設けられており、吹出口13の他側にはルーバ11が設けられている。従って、ルーバ10とルーバ11とは、吹出口13を挟んで互いに対向するように設けられている。更に、ルーバ10とルーバ11とを吹出口13に収納した際に、ルーバ10とルーバ11とが吹出口13から突出せず収納されるとともに、ルーバ10及びルーバ11の少なくとも一方がカバー部DMbとフラットになるように構成されている。
【0035】
ルーバ10は、矩形板状の部材によって構成されており、平面視で長方形を成している。ルーバ10の長手辺の一方側は、ルーバモータ10aに繋がれている。ルーバモータ10aが駆動されることで、ルーバ10は長手辺の一方側を中心として回動するように構成されている。
【0036】
ルーバ11は、矩形板状の部材によって構成されており、平面視で長方形を成している。ルーバ11の長手辺の一方側は、ルーバモータ11aに繋がれている。ルーバモータ11aが駆動されることで、ルーバ11は長手辺の一方側を中心として回動するように構成されている。
【0037】
続いて、浴室乾燥機DMの制御的な構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、浴室乾燥機DMの制御的な構成を示すブロック構成図である。図5に示されるように、浴室乾燥機DMは、制御的な構成要素として、リモコン60と、制御部CU(制御手段)と、ファンモータ30aと、ダンパモータ40aと、ルーバモータ10a,11aと、ヒータ41とを備えている。
【0038】
リモコン60を操作することで、浴室乾燥機DMの運転開始や運転停止、浴室乾燥機DMの運転モードの情報が制御部CUに出力される。制御部CUは、CPUやメモリやインターフェイスといった機能部の集合体として構成されている。制御部CUは、リモコン60から入力された情報及び制御部CU内で自律的に演算された情報に基づいて、ファンモータ30a、ダンパモータ40a、ルーバモータ10a,11a、及びヒータ41に動作を指示する指示信号を出力する。ファンモータ30a、ダンパモータ40a、ルーバモータ10a,11a、及びヒータ41は、その出力された指示信号に基づいて、所定の動作を実行する。
【0039】
本実施形態の浴室乾燥機DMは、運転モードとして、乾燥モードと、入浴暖房モードと、暖房モードと、循環換気モードと、換気モードと、を実行可能なように構成されている。各運転モードの動作態様について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態である浴室乾燥機DMの各運転モードにおける動作状態を示す図である。
【0040】
乾燥モードでは、ファン30は「入」となっており回転駆動され、ダンパ40は「半開」となっており、ヒータ41は「入」となっており通電されている。ダンパ40が「半開」とは、内部流路50を流れる空気が換気側内部流路51と循環側内部流路52とに1:2に振り分けられるような位置に移動されていることを示している。
【0041】
更に乾燥モードでは、図7に示すような位置にルーバ10,11が移動されている。図7は、乾燥モードにおけるルーバ10,11の状態を示す図である。図7に示されるように、ルーバ10とルーバ11との間に形成される空間が吹出口13から離れるに従って絞られるようにルーバ10及びルーバ11を制御することで、吹出口13から吹き出される空気をルーバ10とルーバ11の間において、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に広げて流している。
【0042】
本実施形態の場合、吹出口13の幅であるルーバ10が取り付けられている辺とルーバ11が取り付けられている辺との距離L1と、ルーバ10の短手方向の長さである距離L2と、ルーバ11の短手方向の長さである距離L3と、がそれぞれ同じ長さになるように構成されている。また、この乾燥モードにおいてルーバ10とルーバ11とは、それぞれの自由端101と自由端111とが互いに近接するように制御されている。
【0043】
このように、乾燥モードの実行時に、浴室側となるルーバ10の自由端101(端部)とルーバ11の自由端111(端部)とが近づくように制御するので、ルーバ10とルーバ11とが吹出口13から離れるにつれて、ルーバ10とルーバ11との間隔が除々に絞られ、吹出口13から水平方向(紙面を貫く方向)に沿った流路(図7で斜線を付した領域S1)が形成される。
【0044】
これにより、吹出口13からの空気が、ルーバ10とルーバ11にあたり、ルーバ10及びルーバ11の延在方向である水平方向に沿って流れる。そのため、吹出口13から噴出された空気をルーバ10とルーバ11との両端から吹き出させることができ(図1の空気流AFc)、浴室BRの側壁面BRw方向にも行き亘らせることができる。従って、浴室BRの側壁面BRw側に並べられた衣類CL(乾燥対象物)にも直接的に空気をあてることができ、乾燥ムラを防止することができる。
【0045】
また、本実施形態では、ルーバ10及びルーバ11は長方形であり、ルーバ10及びルーバ11の短手方向が吹出口13から突出するように配置されている。
【0046】
このように、ルーバ10及びルーバ11の短手方向が吹出口13から突出するように配置することで、吹出口13の近傍にルーバ10及びルーバ11の自由端101,110(浴室側端部)を配置することができる。従って、吹出口13から吹き出された空気は勢いがつく前にルーバ10及びルーバ11の全体によって方向転換がなされ、ルーバ10及びルーバ11の延在方向である水平方向に空気が円滑に流れる。そのため、吹出口13から吹き出された空気が円滑により広い範囲へと吹き出され、浴室BR全体に衣類CLを干した場合でもその干した衣類CL全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。
【0047】
また、本実施形態では、ルーバ10の短手方向の長さである距離L2と、ルーバ11の短手方向の長さである距離L3とがそれぞれ等しくなるように構成されている。
【0048】
このように、ルーバ10の短手方向の長さである距離L2と、ルーバ11の短手方向の長さである距離L3とがそれぞれ等しいので、ルーバ10とルーバ11とを所定距離離隔させて配置し、ルーバ10及びルーバ11それぞれの先端である自由端101,111を近づけて空気流路を形成した場合に、その空気流路断面形状が略二等辺三角形となるため、それぞれのルーバ10,11の短手方向長さを十分に活かすことができる。従って、ルーバ10とルーバ11とで形成される空気流路(領域S1)の断面積を広く確保することができ、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に流れる空気量を十分に確保することができるため、浴室BR全体に衣類CLを干した場合でもその干した衣類CL全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。また、実際の施工現場で、この浴室乾燥機DMを水平方向に180度回転して設置してしまった場合であっても、ルーバ10とルーバ11とが短手方向同じ長さであるため、方向性の違いをそれぞれの動作を変更することで対応することができる。具体的には、コントローラである制御部CUの設定を変更し、本来第1ルーバであるルーバ10がすべき動作をルーバ11に行わせ、本来第2ルーバであるルーバ11がすべき動作をルーバ10に行わせることで対応することができる。
【0049】
更に、本実施形態では、ルーバ10の短手方向の長さである距離L2と、ルーバ11の短手方向の長さである距離L3と、吹出口13の一辺の長さである距離L1とがそれぞれ等しいように構成されている。
【0050】
このように、ルーバ10の短手方向の長さである距離L2と、ルーバ11の短手方向の長さである距離L3と、吹出口13の一辺の長さである距離L1とがそれぞれ等しいので、ルーバ10及びルーバ11それぞれの先端である自由端101,111を近づけて空気流路を形成した場合に、その空気流路断面形状が略正三角形となるため、それぞれのルーバ10,11の短手方向長さを最大限に活かすことができる。従って、ルーバ10とルーバ11とで形成される空気流路の断面積を広く確保することができ、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に流れる空気量を十分に確保することができるため、浴室BR全体に衣類CLを干した場合でもその干した衣類CL全体に空気を行き渡らせることができ、乾燥ムラを軽減し乾燥の促進を図ることができる。
【0051】
図6に戻って説明を続ける。入浴暖房モードでは、ファン30は「入」となっており回転駆動され、ダンパ40は「全閉」となっており、ヒータ41は「入」となっており通電されている。ダンパ40が「全閉」とは、内部流路50を流れる空気のほぼ全てが、循環側内部流路52に流れるような位置に移動されていることを示している。
【0052】
更に入浴暖房モードでは、図8に示すような位置にルーバ10,11が移動されている。図8は、入浴暖房モードにおけるルーバ10,11の状態を示す図である。図8に示されるように、ルーバ10とルーバ11との間に形成される空間が吹出口13から離れるに従って絞られるようにルーバ10及びルーバ11を制御することで、吹出口13から吹き出される空気をルーバ10とルーバ11の間において、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に広げて流している。より具体的には、乾燥モードの実行時よりもルーバ10の先端とルーバ11の先端を近づけ、吹出口13から吹き出される空気をルーバ10とルーバ11との間において、ルーバ10及びルーバ11の延在方向に広げて流している。
【0053】
このように、浴室内に入浴者がいる場合に暖房する入浴暖房モードを実行する際に、乾燥モードの実行時よりもルーバ10の自由端101(先端)とルーバ11の自由端111(先端)を近づけるので、吹出口13から吹き出される空気をよりルーバ10及びルーバ11の延在方向に広げて流すことができる。従って、吹出口13からの空気を入浴者に直接的にあたらないようにすることができる。
【0054】
図6に戻って説明を続ける。暖房モードにおいては、ファン30は「入」となっており回転駆動され、ダンパ40は「全閉」となっており、ヒータ41は「入」となっており通電されている。ダンパ40が「全閉」とは、内部流路50を流れる空気のほぼ全てが、循環側内部流路52に流れるような位置に移動されていることを示している。
【0055】
更に暖房モードにおいては、図9に示すような位置にルーバ10,11が移動されている。図9は、暖房モードにおけるルーバ10,11の状態を示す図である。図9に示されるように、ルーバ10とルーバ11とを互いに沿わせるように制御し、吹出口13から吹き出される空気を洗い場に向かって吹きつけるようにしている。より好ましくは、ルーバ10とルーバ11の傾きを等しくなるように制御し、吹出口13から吹き出される空気を洗い場に向かって効果的に吹きつけることが考えられる。
【0056】
このようにすることで、浴室内の暖房をする暖房モードを実行する際に、吹出口13からの空気を浴室の洗い場に向かって確実に流すことができるので、洗い場を早く暖めることができ、入浴者が快適に入浴を楽しむことができる。
【0057】
図6に戻って説明を続ける。循環換気モードでは、ファン30は「入」となっており回転駆動され、ダンパ40は「半開」となっており、ヒータ41は「切」となっており通電されていない。ダンパ40が「半開」とは、内部流路50を流れる空気が換気側内部流路51と循環側内部流路52とに1:2に振り分けられるような位置に移動されていることを示している。
【0058】
また、浴室内の空気を循環させながら換気する循環換気モードを実行する際に、図10に示すような位置にルーバ10,11が移動されている。図10は、循環換気モードにおけるルーバ10,11の状態を示す図である。図10に示されるように、ルーバ10とルーバ11とを互いに沿わせるように制御し、吹出口13から吹き出される空気を浴室内壁に向かって吹きつけている。より好ましくは、ルーバ10とルーバ11の傾きを等しくなるように制御し、吹出口13から吹き出される空気を浴室内壁に向かって効果的に吹きつけていることが考えられる。
【0059】
このように、循環換気モードの実行時に、吹出口13からの空気を浴室の内壁に向かって確実に流すことができるので、浴室の内壁を素早く乾燥でき、内壁におけるカビの発生を抑制することができる。
【0060】
図6に戻って説明を続ける。換気モードでは、ファン30は「入」となっており回転駆動され、ダンパ40は「全開」となっており、ヒータ41は「切」となっており通電されていない。ダンパ40が「全開」とは、内部流路50を流れる空気の全てが、換気側内部流路51に流れるような位置に移動されていることを示している。
【0061】
また、浴室内の空気を換気する換気モードを実行する際に、図11に示すような位置にルーバ10,11が移動されている。図11は、換気モードにおけるルーバ10,11の状態を示す図である。図11に示されるように、ルーバ10及びルーバ11を吹出口13に収納している。
【0062】
このように、換気モードの実行時に、ルーバ10及びルーバ11を吹出口13に収納するので、吸い込んだ浴室内の空気が吹出口13から浴室内に漏れ出ることなく浴室乾燥機DM内を流れ、浴室の外へ確実に排出することができる。
【0063】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0064】
DM:浴室乾燥機
DMa:本体部
DMb:カバー部
CU:制御部
BR:浴室
BRw:側壁面
BRc:天井
AFa:空気流
AFb:空気流
AFc:空気流
10:ルーバ
10a:ルーバモータ
11:ルーバ
11a:ルーバモータ
13:吹出口
20:吸込口
30:ファン
30a:ファンモータ
40:ダンバー
40a:ダンパモータ
41:ヒータ
50:内部流路
51:換気側内部流路
52:循環側内部流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に並べられた衣類を乾燥させる浴室乾燥装置であって、
浴室内の空気を吸い込む吸込口と、
前記吸込口から吸い込んだ空気に流れを発生させるファンと、
前記ファンにより流れが発生した空気を浴室内に吹き出す吹出口と、
前記吹出口から吹き出される空気の方向を規制する風向規制手段と、
前記風向規制手段が規制する空気の方向を制御する制御手段と、を備え、
前記風向規制手段は、前記吹出口から突出する板状の第1ルーバと、前記第1ルーバと対向して配設され前記吹出口から突出する板状の第2ルーバと、を有し、
前記制御手段は、
前記吹出口から吹き出される空気により浴室内に並べられた衣類を乾燥する乾燥モードを実行する際に、
前記第1ルーバと前記第2ルーバとの間に形成される空間が前記吹出口から離れるに従って絞られるように前記第1ルーバ及び前記第2ルーバを制御することで、前記吹出口から吹き出される空気を前記第1ルーバと前記第2ルーバの間において、前記第1ルーバ及び前記第2ルーバの延在方向に広げて流すことを特徴とする浴室乾燥装置。
【請求項2】
前記第1ルーバ及び前記第2ルーバは長方形であり、前記第1ルーバ及び前記第2ルーバの短手方向が前記吹出口から突出するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の浴室乾燥装置。
【請求項3】
前記第1ルーバの短手方向の長さと、前記第2ルーバの短手方向の長さとがそれぞれ等しいことを特徴とする請求項2に記載の浴室乾燥装置。
【請求項4】
前記第1ルーバの短手方向の長さと、前記第2ルーバの短手方向の長さと、前記吹出口の一辺の長さと、がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項3に記載の浴室乾燥装置。
【請求項5】
前記第1ルーバ及び前記第2ルーバは前記吹出口に収納可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の浴室乾燥装置。
【請求項6】
前記第1ルーバ及び前記第2ルーバを前記吹出口に収納した際に、前記第1ルーバ及び前記第2ルーバの少なくとも一方が前記吹出口を覆うカバーになることを特徴とする請求項5に記載の浴室乾燥装置。
【請求項7】
前記制御手段は、浴室内に入浴者がいる場合に暖房する入浴暖房モードを実行する際に、
前記第1ルーバと前記第2ルーバとの間に形成される空間が前記吹出口から離れるに従って絞られるように前記第1ルーバ及び前記第2ルーバを制御し、前記乾燥モードの実行時よりも前記第1ルーバの先端と前記第2ルーバの先端を近づけ、前記吹出口から吹き出される空気を前記第1ルーバと前記第2ルーバとの間において、前記第1ルーバ及び前記第2ルーバの延在方向に広げて流すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴室乾燥装置。
【請求項8】
前記制御手段は、浴室内の暖房をする暖房モードを実行する際に、
前記第1ルーバと前記第2ルーバとを互いに沿わせるように制御し、前記吹出口から吹き出される空気を洗い場に向かって吹きつけることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴室乾燥装置。
【請求項9】
前記制御手段は、浴室内の空気を循環させながら換気する循環換気モードを実行する際に、
前記第1ルーバと前記第2ルーバとを互いに沿わせるように制御し、前記吹出口から吹き出される空気を浴室内壁に向かって吹きつけることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴室乾燥装置。
【請求項10】
前記制御手段は、浴室内の空気を換気する換気モードを実行する際に、
前記第1ルーバ及び前記第2ルーバを前記吹出口に収納することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の浴室乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−459(P2013−459A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136520(P2011−136520)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】