説明

浴槽装置

【課題】入浴者の筋肉の緊張を十分にほぐすことができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置11において、浴槽2の背側の内壁面を、垂直方向に対して傾斜した傾斜面2bと、この傾斜面2bよりも垂直に近い垂直面2cとから構成する。垂直面2cは、傾斜面2bの下方に傾斜面2bと連続して配置する。これにより、底面2a及び垂直面2cにより凹部2dが形成される。また、浴槽装置11の傾斜面2bに進出部3を設ける。進出部3は、その表面が傾斜面2bと略同一平面をなす標準状態と、この標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能とする。また、進出部3を駆動する駆動手段4を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者にマッサージを施す浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴槽内で入浴者にマッサージを施す浴用マッサージ装置が開発されている。例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面とされており、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術には以下に示すような問題点がある。すなわち、入浴者は座った姿勢でマッサージを受けるため、十分にリラックスすることができない。また、入浴者は浴槽の底面で体重を支え、浴用マッサージ装置の凸アール面には背中を接触させるだけであるため、押し玉が突出すると身体が前方に移動してしまい、十分なマッサージ効果を得ることができない。更に、筋肉の緊張をほぐすためには、マッサージと共にストレッチを行うことが有効であるが、特許文献1に記載された装置では、入浴者にストレッチをさせることはできない。これらのことから、特許文献1に記載された技術では、入浴者の筋肉の緊張をほぐす効果が不十分である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−342653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、入浴者の筋肉の緊張を十分にほぐすことができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、背側の内壁面が、垂直方向に対して傾斜した第1壁面と、前記第1壁面の下方に前記第1壁面と連続して配置され前記第1壁面よりも垂直に近い第2壁面と、を有する浴槽と、前記第1壁面に設けられ、表面が標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能な第1進出部と、前記第1進出部を駆動する駆動手段と、を備えたことを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入浴者の筋肉の緊張を十分にほぐすことができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、図1は、進出部が標準状態にある場合を示し、図2は、進出部が進出状態にある場合を示す。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は、上方から見て略長方形であり、長手方向の両端部が背側及び足側となっている。浴槽2の底面2aは略水平に形成されている。また、浴槽2の背側の内壁面は上下に分かれた2つの面からなり、上部は垂直方向に対して傾斜した傾斜面2bであり、下部は傾斜面2bの下方に傾斜面2bと連続して配置された垂直面2cである。傾斜面2bは、入浴者Mが臀部を底面2aに接触させ、背中を傾斜面2bに接触させたときに、仰臥姿勢をとれる程度に傾斜している。傾斜面2bと底面2aとのなす角度θは、例えば110乃至150度であることが好ましい。また、垂直面2cは底面2aから例えば略垂直に起立している。底面2a及び垂直面2cにより、凹部2dが形成されている。そして、上下方向、すなわち、傾斜面2bから垂直面2cに向かう方向において、傾斜面2bの長さは垂直面2cの長さよりも長い。
【0010】
また、浴槽2の足側の内壁においては、底面2aから略垂直方向に起立した垂直面2eと、垂直面2eの上端縁から略水平方向に延びる水平面2fと、水平面2fの垂直面2eとは反対側の端縁から略垂直方向に起立した垂直面2gとが連続的に形成されている。水平面2fは底面2aよりも高い位置にあり、入浴者が入浴姿勢をとったときに足を乗せるステップとなる。
【0011】
なお、図1においては、浴槽2の形状を明確に示すために、各面はそれぞれ直線的に描かれており、各面間の境界部は尖った角部として描かれている。しかし、実際には、各面は緩やかな曲面となっていてもよく、各角部は丸みを帯びていてもよい。この場合においても、垂直面2cは全体として傾斜面2bの全体よりも垂直に近くなっており、垂直面2c及び底面2aにより凹部2dが形成されている。これは、後述する他の図においても同様である。
【0012】
そして、傾斜面2bの下部領域、すなわち、垂直面2cとの境界の近傍には、進出部3が設けられている。進出部3は、その表面が傾斜面2bと略同一平面をなす状態(以下、「標準状態」という)と、この標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した状態(以下、「進出状態」という)との間で変位可能とされている。進出部3の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。なお、傾斜面2bが緩やかにカーブしている場合には、進出部3の進出方向は、傾斜面2bにおける進出部3が設けられた領域に対して略垂直な方向とする。また、進出部3は、浴槽2の外部に設けられた駆動手段4に連結されている。駆動手段4は、進出部3を駆動するものである。
【0013】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
先ず、図1に示すように、浴槽2内に湯Wを溜め、また、進出部3を標準状態とする。そして、入浴者Mが浴槽2内に入り、臀部を底面2aに乗せ、背中を傾斜面2bに接触させ、足を水平面2fに乗せて、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者Mの姿勢は仰臥姿勢となり、頭部、頸部及び肩は湯Wの外部に位置し、これらの部分の重みは、主として背中における傾斜面2bに接触した領域によって支えられる。また、進出部3の表面は、入浴者Mの腰部に相当する位置に位置する。更に、このとき、入浴者の足裏が垂直面2gに当接してもよい。
【0014】
次に、図2に示すように、駆動手段4が進出部3を進出状態とする。すなわち、進出部3の表面を傾斜面2bから突出させる。これにより、入浴者Mの腰部が進出部3によって斜め上方に持ち上げられる。この結果、入浴者Mの臀部は底面2aから離れ、また凹部2dが形成されているため傾斜面2bに接触することもなく、水中に浮いた状態となる。このとき、入浴者Mの水面から出ている部分、すなわち、頭部、頸部及び肩などの重みは、主として入浴者Mの背中における進出部3に当接した領域にかかることになる。なお、入浴者Mの身体は、傾斜面2bの上端部に当接した頸部、背中における進出部3に当接した部分、及び水平面2f又は垂直面2gに当接した足の3点で浴槽2に接しているため、入浴姿勢が大きく崩れることはない。
【0015】
次に、駆動手段4が進出部3を標準状態とする。これにより、入浴者Mの入浴姿勢が図1に示す状態に戻る。以後、駆動手段4が進出部3を往復運動させることにより、図1に示す状態と図2に示す状態とを繰り返し実現する。
【0016】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、図2に示すように、進出部3が進出状態となったときに、入浴者Mの腰部が進出部3によって斜め上方に持ち上げられる。これにより、臀部が底面2aから浮き、入浴者Mの背中における進出部3に当接した部分に、頭部、頸部及び肩などの重みが集中的にかかる。このため、入浴者Mの背中は、進出部3に強く押圧される。この結果、進出部3により、十分な押圧感を伴うマッサージが可能となり、強いマッサージ効果を得ることができる。
【0017】
また、図1に示す状態においては、頭部などの重みの一部を臀部によっても支えているため、入浴者Mの上半身には一定の圧縮力が印加されている。これに対して、図2に示す状態においては、臀部が底面2aから浮いて自由になるため、上半身に圧縮力が印加されなくなる。これにより、入浴者Mの上半身が上下方向に伸ばされる。この結果、入浴者Mにストレッチをさせることができる。
更に、進出部3が進出状態となったときには、臀部が浮いた浮遊浴となるため、入浴による温熱効果と合わせて、臀部付近の血行を促進することもできる。
【0018】
更にまた、本実施形態においては、上下方向における傾斜面2bの長さが垂直面2cの長さよりも長く、傾斜面2bにおける垂直面2cとの境界の近傍に進出部3が設けられているため、進出部3を入浴者Mの腰椎付近に押し当てることができる。これにより、入浴者Mの腰椎を確実に押圧することができ、腰椎より上の上体を傾斜面2bに向かって傾斜させることができる。この結果、入浴者の姿勢が胸腔を開くような姿勢になるように、上体をストレッチさせることができる。これにより、入浴者の胸腔を押し広げることができ、呼吸量を増大させることが期待できる。呼吸量が増大すると酸素摂取量が増加し、それに伴い、疲労回復、リラックスなどの効果を期待できる。また、従来は、入浴中は胸部に水圧がかかり呼吸量が減少するためあまりリラックスできず、これを避けるために半身浴での入浴を強いられる場合があった。しかしながら、本実施形態によれば、入浴者に胸腔を広げるようなストレッチを施すことができるため、入浴者は、通常の入浴のように胸までお湯につかりながらでも、リラックスすることができる。
【0019】
更にまた、本実施形態においては、入浴者Mは仰臥姿勢を取っているため、精神的にも肉体的にもリラックスすることができる。そして、リラックスした仰臥姿勢のまま、マッサージ及びストレッチを受けることができる。これにより、マッサージ効果及びストレッチ効果をより一層向上させることができる。このように、本実施形態によれば、入浴者Mの筋肉の緊張を十分にほぐすことができる。
【0020】
更にまた、本実施形態においては、傾斜面2bと底面2aとのなす角度θを110度以上としているため、入浴者Mの姿勢を十分にリクライニングさせることができる。これにより、入浴者Mをより確実にリラックスさせることができると共に、進出部3が進出状態にあるときに、体重を進出部3により確実に集中させることができ、強いマッサージ効果を得ることができる。すなわち、角度θを110度以上とすることにより、進出部3に十分な荷重をかけることができ、十分な押圧力を得ることができる。一方、本実施形態においては、角度θを150度以下としているため、凹部2dを深く形成し、進出部3が進出状態となったときに、入浴者Mの臀部をより確実に浮かせることができる。また、入浴者Mの頭部を水面上に出した状態で、胸部を確実に湯につからせることができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
なお、図3において、前述の第1の実施形態における図1及び図2と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。後述する他の図において同様である。
【0022】
図3に示すように、本実施形態に係る浴槽装置21においては、浴槽2の傾斜面2bにおいて、進出部3よりも上方の領域に、第2の進出部5が設けられている。進出部5の表面は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの肩胛骨に相当する位置に配置されている。また、進出部5の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。更に、進出部5の進出量、すなわち、進出部5が標準状態にあるときの進出部5の表面の位置と、進出状態にあるときの進出部5の表面の位置との間の距離は、進出部3の進出量よりも小さい。更にまた、駆動手段4は、進出部3と共に進出部5も駆動する。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0023】
本実施形態においては、進出部3が標準状態にあるときは、進出部5も標準状態にある。そして、進出部3が進出状態となるときは、進出部5も進出状態となる。この結果、進出部5により、入浴者Mの肩胛骨の周辺をマッサージすることができる。また、下段の進出部3の進出量を上段の進出部5の進出量よりも大きくすることにより、前述の第1の実施形態と同様に臀部を浮かすことができ、ストレッチ効果を得ることができる。また、前述の第1の実施形態と同様に、入浴者の胸腔を押し開くことができて、効果的なストレッチが可能となる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0024】
なお、本実施形態においては、進出部3と進出部5とを交互に進出させてもよい。これにより、入浴者の腰部は長いストロークでストレッチさせることができ、肩甲骨は短いストロークで強い押圧力を印加することができる。
【0025】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図4に示すように、本実施形態に係る浴槽装置31においては、下段の進出部3の進出方向が、傾斜面2bに垂直な方向に対して上方に傾斜している。すなわち、進出部3の根元から傾斜面2bに沿って上方に向かう方向と、進出部3の進出方向とのなす角度が、90度未満である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0026】
本実施形態においては、進出部3が傾斜面2bの法線方向よりも上方に向けて進出することにより、入浴者Mの腰部におけるS字曲線部の凹んだ部分を略垂直に押圧することができる。これにより、マッサージ効果がより向上する。また、入浴者Mの腰部をより効果的に伸ばすことができると共に、腰部を高く持ち上げることができるため、ストレッチ効果がより向上する。更に、傾斜面2bに向かって入浴者Mの上体をより傾斜させることができ、胸腔を押し広げる効果が向上する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0027】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図5は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図5に示すように、本実施形態に係る浴槽装置41においては、浴槽2の傾斜面2bにおいて、進出部5よりも上方の領域に、第3の進出部7が設けられている。すなわち、本実施形態においては、傾斜面2bに進出部が3段設けられている。そして、上段の進出部7は、浴槽2のリムの近傍に配置されており、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの肩に相当する位置に配置されている。これにより、進出部7は、通常の条件で浴槽2内に湯Wを溜めたときに、湯Wの外に出る。また、進出部7の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。更に、進出部7の進出量は、例えば、中段の進出部5の進出量よりも大きく、例えば、下段の進出部3の進出量よりも小さい。更にまた、駆動手段4は、進出部3及び5と共に進出部7も駆動する。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第2の実施形態と同様である。すなわち、中段の進出部5は入浴者の肩胛骨に相当する位置に配置されており、下段の進出部3は入浴者の腰部に相当する位置に配置されている。
【0028】
本実施形態においては、進出部3及び5が標準状態にあるときは、進出部7も標準状態にある。そして、進出部3及び5が進出状態にあるときは、進出部7も進出状態にある。これにより、進出部7により入浴者Mの肩を押圧することができ、肩揉みを行うことができる。また、各進出部が進出状態にあるときに、入浴者Mを肩の部分でも支えることができるため、入浴者の姿勢が安定する。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第2の実施形態と同様である。
【0029】
なお、本実施形態においては、3段の進出部を1つずつ順次進出させてもよい。これにより、一時に1段の進出部のみが進出するため、極めて大きな押圧力を加えることができる。例えば、(進出部3(下段)→進出部5(中段)→進出部7(上段)→進出部3→進出部5→進出部7→・・・)の順に巡回的に進出させてもよく、(進出部3→進出部5→進出部7→進出部5→進出部3→進出部5→・・・)の順に往復的に進出させてもよく、ランダムに進出させてもよい。
【0030】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図6は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図6に示すように、本実施形態に係る浴槽装置51おいては、上段の進出部7の進出方向が、傾斜面2bに垂直な方向に対して下方に傾斜している。すなわち、進出部7の根元から傾斜面2bに沿って下方に向かう方向と、進出部7の進出方向とのなす角度が、90度未満である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第4の実施形態と同様である。
【0031】
本実施形態においては、進出部7が傾斜面2bの法線方向よりも下方に向けて進出することにより、入浴者Mの肩を上方から押圧することができる。すなわち、肩を、肩の表面に対して略垂直な方向に押圧することができる。この結果、肩揉みによるマッサージ効果を増大させることができる。また、入浴者Mの身体を上方から押えることにより、入浴者Mの姿勢をより一層安定させることができる。本実施形態における上記以外の動作及び効果は、前述の第4の実施形態と同様である。
【0032】
次に、前述の本発明の実施形態を具現化するための具体例について説明する。
先ず、第1の具体例について説明する。
図7は、本具体例に係る浴槽装置を例示する図であり、
図8は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図9は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図10は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、各進出部が進出状態にある場合を示し、
図11は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、各進出部が進出状態にある場合を示す。
【0033】
図7乃至図11に示すように、本具体例に係る浴槽装置61においては、浴槽2の形状は、前述の各実施形態と同様である。一方、浴槽2の傾斜面2bには6個の進出部が設けられており、上下方向に3個、水平方向に2個配列されたマトリクス状に配置されている。すなわち、下段には、第1の進出部である進出部13が水平方向に2個配列されており、中段には、第2の進出部である進出部15が水平方向に2個配列されており、上段には、第3の進出部である進出部17が水平方向に2個配列されている。そして、入浴者が入浴姿勢をとったときに、下段の進出部13は入浴者の腰部に相当する位置に配置され、中段の進出部15は肩胛骨周辺に相当する位置に配置され、上段の進出部17は肩に相当する位置に配置される。また、各進出部の進出方向は、傾斜面2bの表面に対して略垂直な方向である。更に、各進出部の進出量は、下段の進出部13の進出量が最も大きく、次いで上段の進出部17の進出量が大きく、中段の進出部15の進出量が最も小さい。
【0034】
また、進出部13、15及び17には、駆動手段14が接続されている。図7に示すように、駆動手段14においては、ポンプ141と、このポンプ141と各進出部とを連通する6本のエアチューブ142と、このエアチューブ142の途中にそれぞれ設けられた切替弁143とが設けられている。切替弁143は例えば電磁弁である。また、ポンプ141及び切替弁143には、制御手段19が接続されている。
【0035】
以下、各進出部の構成をより詳細に説明する。
図12は、本具体例の進出部を例示する斜視図であり、進出状態を示し、
図13は、この進出部を例示する斜視分解図であり、
図14は、この進出部を例示する斜視断面分解図であり、
図15は、この進出部を例示する断面図であり、標準状態を示し、
図16は、この進出部を例示する断面図であり、進出状態を示す。
【0036】
図12乃至図16に示すように、本具体例に係る進出部13は、エアバック方式の進出部である。進出部13においては、表側、すなわち、浴槽2内に露出して入浴者の背中が当接する側から順に、カバー131、エアバック132、ステイ133、パッキン134及びステイ止め135が設けられている。カバー131の形状はリング状であり、ステイ133と結合することにより、ステイ133との間でエアバック132の周辺部を挟持する。エアバック132は、バック部136と、このバック部136の背面側中央部に連結されたストロー部137とから構成されている。ストロー部137の内部は中空となっており、バック部136内に連通されている。バック部136は、ストロー部137を介して空気が出入りすることにより、膨張及び収縮する。
【0037】
ステイ133はカバー131と共にエアバック132を保持するものであり、中央に孔が形成された円板部138と、この円板部138の背面側中央部に連結された筒状部139とからなり、筒状部139の内部は円板部138の孔に連通されている。パッキン134の形状は両端部が広がったリング状であり、浴槽2の傾斜面2bに形成された孔2hに挿通されている。パッキン134の開口部には、ステイ133の筒状部139が挿通し、筒状部139内にはエアバック132のストロー部137が挿通している。パッキン134は、浴槽2の水密性を保持しつつ、筒状部139を浴槽2の内部から外部に引き出すものである。ステイ止め135の形状はリング状であり、その開口部内にステイ133の筒状部139が嵌合されることにより、ステイ133との間でパッキン134を挟持している。これにより、進出部13全体が浴槽2の傾斜面2bに対して固定される。
なお、上述の説明は進出部13についての説明であるが、進出部15及び17の構成も進出部13と同様である。
【0038】
次に、本具体例の動作について説明する。
ポンプ141が作動していないときは、図15に示すように、エアバック132のバック部136は水圧により潰されて、縮んだ状態にある。これにより、進出部13は標準状態にある。進出部15及び17も同様である。そして、入浴者が浴槽2の傾斜面2bに凭れ、背中を進出部13、15、17の各バック部136の表面に当接させた状態で、制御手段19がポンプ141を作動させることにより、ポンプ141がエアチューブ142に対して空気を供給する。そして、制御手段19が切替弁143を操作して、ポンプ141と各進出部とを連通させることにより、進出部13、15、17に空気を供給する。これにより、図16に示すように、エアバック132のストロー部137を介してバック部136内に空気が流入し、この空気の圧力によってバック部136が膨張する。この結果、進出部13、15、17は進出状態になる。その後、制御手段19が切替弁143を切替えて、各進出部を外部に連通させると、バック部136は水圧により縮み、標準状態に戻る。この動作を繰り返すことにより、各進出部が標準状態と進出状態とを繰り返す。
【0039】
本具体例によれば、浴槽の内部に電気部品を配置することなく、浴槽装置を構成することができる。これにより、漏電及び感電に対する対策並びに湯による電気部品の腐食に対する対策などが不要になり、低コストで信頼性が高い浴槽装置を実現することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第4の実施形態と同様である。なお、本具体例において、エアバック内に空気以外の流体、すなわち、気体又は液体を供給してもよい。
【0040】
次に、第2の具体例について説明する。
図17は、本具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面分解図であり、
図18(a)及び(b)は、この進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、(a)は標準状態を示し、(b)は進出状態を示す。
本具体例は、前述の第1の具体例と比較して、進出部及び駆動手段の構成が異なっている。本具体例における浴槽の形状、並びに進出部の配置、進出方向及び進出量は、前述の第1の具体例と同様である。
【0041】
図17に示すように、本具体例における進出部23は、リニアアクチュエータ方式の進出部である。進出部23においては、表側、すなわち、入浴者の背中が当接する側から順に、押当板231、ガイド232、パッキン233、ガイド押え234及びアクチュエータ固定具235設けられている。また、本具体例の駆動手段には、リニアアクチュエータ241が設けられている。リニアアクチュエータ241においては、円柱形の本体部242及び円柱形のアーム部243が設けられている。本体部242は、アーム部243をその軸方向に沿って往復直線運動させる。アーム部243の先端には、凹部244が形成されている。リニアアクチュエータ241の動作は、制御手段(図示せず)により制御される。
【0042】
押当板231は、入浴者の背中を押圧するものである。押当板231の裏面には、リニアアクチュエータ241の凹部244に嵌合する凸部246が形成されている。ガイド232の形状は筒状であり、その内部をリニアアクチュエータ241のアーム部243が挿通することにより、アーム部243の移動方向を規制する。パッキン233の形状は両端部が広がったリング状であり、浴槽2の傾斜面2bに形成された孔2hに挿通されている。パッキン233の開口部には、ガイド232が挿通し、ガイド232内にはリニアアクチュエータ241のアーム部243が挿通している。パッキン233は、浴槽2の水密性を保持しつつ、ガイド232を浴槽2の内部から外部に引き出すものである。
【0043】
ガイド押え234の形状はリング状である。ガイド押え234は、その開口部にガイド232が嵌合されることにより、ガイド232との間で、パッキン233を介して浴槽2の内壁を挟持する。これにより、進出部23全体が浴槽2の傾斜面2bに対して固定される。アクチュエータ固定具235は、リニアアクチュエータ241の本体部242を進出部23に対して固定するものである。
【0044】
次に、本具体例の動作について説明する。
図18(a)及び(b)に示すように、制御手段がリニアアクチュエータ241を作動させることにより、本体部242がアーム部243に往復運動させ、押当板231をその表面に垂直な方向に往復運動させる。これにより、図18(a)に示す標準状態と(b)に示す進出状態とを繰り返し実現する。本具体例によれば、制御手段の制御を変更することにより、押当板231の速度及び変異量を容易且つ自由に変更することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第4の実施形態と同様である。
【0045】
次に、第3の具体例について説明する。
図19は、本具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、標準状態を示し、
図20は、この進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、進出状態を示す。
本具体例は、前述の第1及び第2の具体例と比較して、進出部及び駆動手段の構成が異なっている。本具体例における浴槽の形状、並びに進出部の配置、進出方向及び進出量は、前述の第1の具体例と同様である。
【0046】
図19及び図20に示すように、本具体例における進出部33は、カム方式の進出部である。進出部33においては、表側、すなわち、入浴者の背中が当接する側から順に、押当板331、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334、バネ押え335及びカム当て板336が設けられている。ガイド332、パッキン333及びガイド押え334の構成は、前述の第2の具体例と同様であり、これらの形状はいずれもリング状である。バネ押え335及びカム当て板336も、中央部が開口したリング状の円板である。
【0047】
また、押当板331においては、その表面に入浴者の背中が当接する円板部337と、この円板部337の背面側中央部から起立した円柱部338とが設けられている。円柱部338は、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334、バネ押え335及びカム当て板336の中央部に開口された開口部を挿通している。そして、円柱部338は、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334及びバネ押え335に対しては固定されておらず、これらの開口部内を円柱部338の軸方向に沿って摺動可能であるが、カム当て板336に対しては固定されている。従って、押当板331及びカム当て板336は、一体的に、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334及びバネ押え335に対して摺動する。
【0048】
更に、バネ押え335とカム当て板336との間における円柱部338の周囲を周回するように、バネ339が設けられている。バネ339は、カム当て板336をバネ押え335から離隔する方向に付勢している。
【0049】
一方、本具体例の駆動手段34においては、カム341が設けられている。カム341の形状は、略卵形の板状であり、その中心から外れた部分を回転軸342として回転する。また、この駆動手段34においては、カム341をその回転軸342を回転中心として回転させるモータ(図示せず)が設けられている。また、本変形例に係る入浴装置においては、このモータを制御する制御手段(図示せず)が設けられている。
【0050】
次に、本具体例の動作について説明する。
図19に示すように、カム当て板336は、常にバネ339によりカム341に向けて付勢されているため、カム341の短軸側がカム当て板336に当接しているときには、押当板331は浴槽2の傾斜面2bに近づいており、進出部33は標準状態にある。一方、図20に示すように、カム341の長軸側がカム当て板336に当接しているときには、押当板331は浴槽2の傾斜面2bから離隔しており、進出部33は進出状態にある。そして、制御手段がモータを駆動することにより、モータがカム341を回転させ、押当板331を往復運動させる。これにより、進出部33は標準状態と進出状態とを繰り返し実現する。そして、このとき、各進出部に対応するカムの位相を同位相とすれば、各進出部の動作も同位相となる。
【0051】
本具体例によれば、カムの形状を選択することにより、進出部の動作を任意に設定することができる。例えば、進出部の動作を、加速度が大きく変化する動作とすることができる。これにより、例えば、複数種類のカムを用意しておき、モータに装着するカムを交換することにより、進出部の動作のパターンを変更することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第4の実施形態と同様である。
【0052】
以上、本発明の実施形態及びその具体例を参照しつつ、本発明の特徴を説明した。しかし、本発明は、これらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。すなわち、前述の各実施形態及び具体例を適宜組み合わせたもの、並びに、各実施形態及び変形例のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものも、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0053】
例えば、前述の各浴槽装置に設けられた制御手段は、進出部の動作タイミング及び動作量などをプログラム可能となっていてもよい。これにより、入浴者は、自分で好みのマッサージ形態をプログラムすることができる。また、予め記憶された複数のプログラムの中から、任意のプログラムを選択して実行させることもできる。
【0054】
また、前述の第1の具体例において、エアバックの内部における入浴者に当接する側の壁面に振動子を固定してもよい。これにより、エアバックの押圧に振動子の振動を加えたマッサージを行うことができ、入浴者に押圧刺激だけでなく振動刺激も与えることができる。またこの場合は、エアバックの押圧力により振動子を入浴者に押し付けることができるため、振動によるマッサージ効果が高い。更に、振動子はエアバックに取り付けられているため、エアバック自体の弾性力により防振効果が得られ、浴槽や浴室などに振動が伝わることがない。
【0055】
このように、エアバックの内部に振動子を設ける場合、振動子のリード線は、エアバックの空気導入孔(図14に示すストロー部137)又は別途設けられたリード線取出口から取り出し、振動発生装置又は増幅器に接続することができる。なお、このとき、リード線の取出部をシールすることにより、空気の漏れを防ぐことができる。振動発生装置はマッサージに適した周波数の信号を振動子に対して出力することにより、振動子を振動させることができる。また、増幅器は音楽の再生信号を振動子に対して出力することにより、振動子を振動させることができる。そして、音楽を再生する際には、エアバックの素材がスピーカーのコーンのような役割を発揮し、マッサージと同時に音楽を楽しむことができる。
【0056】
更に、前述の第1の具体例において、エアバックの表面に、エアバックを覆うように硬質の半球状カバーを取り付けてもよい。このカバーは例えば樹脂により形成することができる。これにより、入浴者に固い押圧感を与えてマッサージ効果を高めると共に、エアバックを保護することができる。この結果、入浴時や清掃時における不慮の事故によってエアバックに傷が入り、空気が漏れてしまったり、浴槽外にお湯が流出したりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が標準状態にある場合を示す。
【図2】第1の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図7】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する図である。
【図8】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図9】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図10】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、各進出部が進出状態にある場合を示す。
【図11】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、各進出部が進出状態にある場合を示す。
【図12】第1の具体例の進出部を例示する斜視図であり、進出状態を示す。
【図13】第1の具体例の進出部を例示する斜視分解図である。
【図14】第1の具体例の進出部を例示する斜視断面分解図である。
【図15】第1の具体例の進出部を例示する断面図であり、標準状態を示す。
【図16】第1の具体例の進出部を例示する断面図であり、進出状態を示す。
【図17】第2の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面分解図である。
【図18】(a)及び(b)は、第2の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、(a)は標準状態を示し、(b)は進出状態を示す。
【図19】第3の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、標準状態を示す。
【図20】第3の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、進出状態を示す。
【符号の説明】
【0058】
2 浴槽、2a 底面、2b 傾斜面、2c 垂直面、2d 凹部、2e 垂直面、2f 水平面、2g 垂直面、2h 孔、3、5、7 進出部、4 駆動手段、11、21、31、41、51、61 浴槽装置、13、15、17 進出部、14 駆動手段、19 制御手段、131 カバー、132 エアバック、133 ステイ、134 パッキン、135 ステイ止め、136 バック部、137 ストロー部、138 円板部、139 筒状部、141 ポンプ、142 エアチューブ、143 切替弁、231、331 押当板、232、332 ガイド、233、333 パッキン、234、241 リニアアクチュエータ、242 本体部、243 アーム部、244 凹部、334 ガイド押え、235 アクチュエータ固定具、236 凸部、335 バネ押え、336 カム当て板、337 円板部、338 円柱部、339 バネ、341 カム、342 回転軸、M 入浴者、W 湯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側の内壁面が、垂直方向に対して傾斜した第1壁面と、前記第1壁面の下方に前記第1壁面と連続して配置され前記第1壁面よりも垂直に近い第2壁面と、を有する浴槽と、
前記第1壁面に設けられ、表面が標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能な第1進出部と、
前記第1進出部を駆動する駆動手段と、
を備えたことを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記第1壁面から前記第2壁面に向かう方向において、前記第1壁面の長さは前記第2壁面の長さよりも長いことを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
前記第1進出部は、前記第1壁面の下部であって、前記第2壁面との境界の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記第1壁面における前記第1進出部よりも上方の領域に設けられた第2進出部をさらに備え、
前記第1進出部の進出量は、前記第2進出部の進出量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記第1壁面における前記第2進出部よりも上方の領域に設けられた第3進出部をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記第3進出部の進出量は、前記第2進出部の進出量よりも大きいことを特徴とする請求項5記載の浴槽装置。
【請求項7】
前記第3進出部の進出方向は、前記第1壁面に垂直な方向に対して下方に傾斜していることを特徴とする請求項5または6に記載の浴槽装置。
【請求項8】
前記第1壁面と前記浴槽の底面とのなす角度は、110乃至150度であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項9】
前記第1進出部の進出方向は、前記第1壁面に垂直な方向に対して上方に傾斜していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−86380(P2008−86380A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267740(P2006−267740)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】