説明

浴槽装置

【課題】入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽装置11において、浴槽2の背側の内壁面を、垂直方向に対して傾斜した傾斜面2bと、この傾斜面2bよりも垂直に近い垂直面2cとから構成する。また、浴槽装置11の傾斜面2bに進出部3を設ける。進出部3は、その表面が傾斜面2bと略同一平面をなす標準状態と、この標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能とする。更に、進出部3を駆動する駆動手段4を設ける。そして、浴槽2の背側の内壁面の上方にヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の支持面6aは浴槽2に対して可動とし、傾斜面2bの延長面Fよりも背側の位置と、足側の位置とで固定可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者にマッサージを施す浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、浴槽内で入浴者にマッサージを施す浴用マッサージ装置が開発されている。例えば、特許文献1には、浴槽内に設置する浴用マッサージ装置であって、入浴者の背中に接触する面が凸アール面とされており、この凸アール面から押し玉をエアーポンプにより突出させる装置が開示されている。特許文献1には、入浴者が浴槽内に座り、背中を凸アール面に接触させた状態で、エアーポンプを作動させて押し玉を突出させることにより、入浴者にマッサージを施すことができると記載されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術には以下に示すような問題点がある。すなわち、入浴者が凸アール面にもたれ掛かると、入浴者の姿勢が1つの姿勢に決められてしまい、この状態でマッサージを受けても、同じ感覚の刺激しか受けることができない。このため、特許文献1に記載された技術では、マッサージの効果が不十分である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−342653号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、背側の内壁面が、垂直方向に対して傾斜した第1壁面と、前記第1壁面の下方に前記第1壁面と連続して配置され前記第1壁面よりも垂直に近い第2壁面と、を有する浴槽と、前記第1壁面に設けられ、表面が標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能な進出部と、前記進出部を駆動する駆動手段と、前記背側の内壁面の上方に配置されたヘッドレストと、を備え、前記ヘッドレストの支持面は前記浴槽に対して可動であることを特徴とする浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができる浴槽装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1乃至図4は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、
図1は、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が標準状態にある場合を示し、
図2は、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示し、
図3は、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、進出部が標準状態にある場合を示し、
図4は、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【0009】
図1に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は、上方から見て略長方形であり、長手方向の両端部が背側及び足側となっている。浴槽2の底面2aは略水平に形成されている。また、浴槽2の背側の内壁面は上下に分かれた2つの面からなり、上部は垂直方向に対して傾斜した傾斜面2bであり、下部は傾斜面2bの下方に傾斜面2bと連続して配置された垂直面2cである。傾斜面2bは、入浴者Mが臀部を底面2aに接触させ、背中を傾斜面2bに接触させたときに、仰臥姿勢をとれる程度に傾斜している。傾斜面2bと底面2aとのなす角度θは、例えば110乃至150度であることが好ましい。また、垂直面2cは底面2aから例えば略垂直に起立している。底面2a及び垂直面2cにより、凹部2dが形成されている。
【0010】
また、浴槽2の足側の内壁においては、底面2aから略垂直方向に起立した垂直面2eと、垂直面2eの上端縁から略水平方向に延びる水平面2fと、水平面2fの垂直面2eとは反対側の端縁から略垂直方向に起立した垂直面2gとが連続的に形成されている。水平面2fは底面2aよりも高い位置にあり、入浴者が入浴姿勢をとったときに足を乗せるステップとなる。
【0011】
そして、傾斜面2bの下部領域、すなわち、垂直面2cとの境界の近傍には、進出部3が設けられている。進出部3は、その表面が傾斜面2bと略同一平面をなす状態(以下、「標準状態」という)と、この標準状態よりも浴槽2の内部に向けて進出した状態(以下、「進出状態」という)との間で変位可能とされている。進出部3の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。また、進出部3は、浴槽2の外部に設けられた駆動手段4に連結されている。駆動手段4は、進出部3を駆動するものである。
【0012】
また、浴槽2の傾斜面2bの上方には、ヘッドレスト6が設けられている。ヘッドレスト6は、入浴者Mの後頭部を支持する部材であり、例えば、防水性及びクッション性を有する材料により形成されている。ヘッドレスト6の足側の面は、入浴者Mの後頭部を支持する支持面6aとなっている。そして、ヘッドレスト6の支持面6aは、浴槽2に対して移動可能とされている。例えば、ヘッドレスト6自体が浴槽2の傾斜面2bの延長面Fに交差する方向に移動可能とされており、ヘッドレスト6の支持面6aは、延長面Fよりも足側の位置(以下、「足側位置」という)と、延長面Fよりも背側の位置(以下、「背側位置」という)との間の任意の位置で固定可能とされており、例えば、支持面6aは背側位置及び足側位置の少なくとも2ヶ所で固定可能とされている。なお、浴槽2における「足側」とは、垂直面2g側であり、「背側」とは傾斜面2b側である。
【0013】
なお、図1においては、浴槽2の形状を明確に示すために、各面はそれぞれ直線的に描かれており、各面間の境界部は尖った角部として描かれている。しかし、実際には、各面は緩やかな曲面となっていてもよく、各角部は丸みを帯びていてもよい。この場合において、傾斜面2bの延長面Fとは、傾斜面2bの主面部に接する平面をいう。これは、後述する他の図においても同様である。
【0014】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る浴槽装置の動作について説明する。
先ず、ヘッドレスト6の支持面6aを背側位置とした場合の動作について説明する。
図1に示すように、浴槽2内に湯Wを溜め、また、進出部3を標準状態とする。そして、入浴者Mが浴槽2内に入り、臀部を底面2aに乗せ、後頭部をヘッドレスト6の支持面6aに押し当て、足を水平面2fに乗せて、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者Mの背中は傾斜面2bにもたれかかり、仰臥姿勢となる。入浴者Mが仰臥姿勢をとると、背中の筋肉は弛緩する。また、入浴者の頭部、頸部及び肩は湯Wの外部に位置し、これらの部分の重みは、主として背中における傾斜面2bに接触した領域によって支えられる。そして、進出部3の表面は、入浴者Mの腰部に相当する位置に位置する。
【0015】
次に、図2に示すように、駆動手段4が進出部3を進出状態とする。すなわち、進出部3の表面を傾斜面2bから突出させる。このとき、入浴者Mは仰臥姿勢をとっており、背中の筋肉は弛緩しているため、進出部3は、主として入浴者Mの背骨を押すことになる。これにより、入浴者Mに、背中の筋肉が弛緩した状態での押圧感と、身体を両脇に開くようなストレッチ感を与えることができる。
【0016】
また、入浴者Mの腰部は、進出部3によって斜め上方に持ち上げられる。この結果、入浴者Mの臀部は底面2aから離れ、また凹部2dが形成されているため傾斜面2bに接触することもなく、水中に浮いた状態となる。これにより、入浴者Mの水面から出ている部分、すなわち、頭部、頸部及び肩などの重みは、主として入浴者Mの背中における進出部3に当接した領域にかかることになる。このため、進出部3によるマッサージ効果及びストレッチ効果が増大する。
【0017】
更に、図1に示す状態においては、頭部などの重みの一部を臀部によっても支えているため、入浴者Mの上半身には一定の圧縮力が印加されている。これに対して、図2に示す状態においては、入浴者Mの腰部は進出部3によって斜め上方に持ち上げられ、臀部が底面2aから浮いて自由になるため、上半身に圧縮力が印加されなくなる。これにより、入浴者Mの上半身が上下方向に伸ばされる。この結果、入浴者Mに上下方向のストレッチ感を与えることができる。
更にまた、進出部3が進出状態となったときには、臀部が浮いた浮遊浴となるため、入浴による温熱効果と合わせて、臀部付近の血行を促進することもできる。
【0018】
次に、駆動手段4が進出部3を標準状態とする。これにより、入浴者Mの入浴姿勢が図1に示す状態に戻る。以後、駆動手段4が進出部3を往復運動させることにより、図1に示す状態と図2に示す状態とを繰り返し実現する。なお、図2に示す状態においても、入浴者Mの身体は、ヘッドレスト6の支持面6aに当接した後頭部、背中における進出部3に当接した領域、及び水平面2f又は垂直面2gに当接した足の3点で支持されるため、入浴姿勢が大きく崩れることはない。
【0019】
次に、ヘッドレスト6の支持面6aを足側位置とした場合の動作について説明する。
先ず、図3に示すように、進出部3を標準状態とする。そして、入浴者Mが臀部を底面2aに乗せ、後頭部をヘッドレスト6の支持面6aに押し当て、足を水平面2fに乗せて、入浴姿勢をとる。このとき、入浴者Mの姿勢は座位姿勢となり、臀部は凹部2d内に入り込み、背中は傾斜面2bには接触しない。入浴者Mが座位姿勢をとると、背中の筋肉は伸張する。また、頭部、頸部及び肩は湯Wの外部に位置し、これらの部分の重みは、主として臀部における底面2aに接触した領域によって支えられる。そして、進出部3の表面は、入浴者Mの腰部に相当する位置に位置する。
【0020】
次に、図4に示すように、駆動手段4が進出部3を進出状態とする。すなわち、進出部3の表面を傾斜面2bから突出させる。これにより、入浴者Mの腰部が進出部3によって押圧される。このとき、入浴者Mは座位姿勢をとっており、背中の筋肉は伸張しているため、進出部3により、背中の筋肉を強くマッサージすることができる。なお、このとき、入浴者Mの臀部には、入浴者Mの水面から出ている部分、すなわち、頭部、頸部及び肩などの重みが印加されているため、臀部が底面2aから浮くことはない。
【0021】
次に、駆動手段4が進出部3を標準状態とする。これにより、入浴者Mの入浴姿勢が図3に示す状態に戻る。以後、駆動手段4が進出部3を往復運動させることにより、図3に示す状態と図4に示す状態とを繰り返し実現する。
【0022】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る浴槽装置によれば、ヘッドレスト6の支持面6aの位置を変えることにより、入浴者Mの姿勢を変化させることができる。そして、それぞれの姿勢において、進出部3を駆動させてマッサージを施すことにより、入浴者Mに、異なる感覚の刺激を与えることができる。本実施形態においては、例えば上述の如く、ヘッドレスト6の支持面6aの位置を傾斜面2bの延長面Fよりも背側の位置(背側位置)又は足側の位置(足側位置)としている。これにより、支持面6aを背側位置で固定したときは、入浴者の姿勢は仰臥姿勢となり、背中の筋肉が弛緩した状態での押圧感と、身体が両脇及び上下に伸びるようなストレッチ感とを与えることができる。また、支持面6aを足側位置に固定したときには、入浴者の姿勢は座位姿勢となり、背中の筋肉が伸張した状態での押圧感を与えることができる。
【0023】
また、本実施形態においては、上下方向における傾斜面2bの長さが垂直面2cの長さよりも長く、傾斜面2bにおける垂直面2cとの境界の近傍に進出部3が設けられているため、進出部3を入浴者Mの腰椎付近に押し当てることができる。これにより、入浴者Mの腰椎を確実に押圧することができる。また、このとき、ヘッドレスト6の支持面6aが背側位置にあれば、入浴者Mの頭部を後方に反らせることができるため、進出部3の動作と協調して、腰椎より上の上体を傾斜面2bに向かってより深く傾斜させることができる。この結果、入浴者の姿勢が胸腔を開くような姿勢になるように、上体をストレッチさせることができる。これにより、入浴者の胸腔を押し広げることができ、呼吸量を増大させることが期待できる。呼吸量が増大すると酸素摂取量が増加し、それに伴い、疲労回復、リラックスなどの効果を期待できる。また、従来は、入浴中は胸部に水圧がかかり呼吸量が減少するためあまりリラックスできず、これを避けるために半身浴での入浴を強いられる場合があった。しかしながら、本実施形態によれば、入浴者に胸腔を広げるようなストレッチを施すことができるため、入浴者は、通常の入浴のように胸までお湯につかりながらでも、リラックスすることができる。
【0024】
このように、本実施形態によれば、姿勢を変えることにより、マッサージの感覚を変化させることができるため、入浴者が長時間入浴しても姿勢が窮屈にならず、また、同じ姿勢又は押圧感に飽きたときなどに、好みに応じて姿勢及び押圧感を変化させることができる。これにより、マッサージ効果を向上させることができる。
【0025】
また、ヘッドレスト6の支持面6aを背側位置とすれば、入浴者Mの姿勢は仰臥姿勢となるため、入浴者Mは精神的にも肉体的にもリラックスすることができる。そして、リラックスした仰臥姿勢のまま、マッサージ及びストレッチを受けることができる。これにより、マッサージ効果及びストレッチ効果をより一層向上させることができる。
【0026】
更に、本実施形態においては、傾斜面2bと底面2aとのなす角度θを110度以上としているため、入浴者Mの仰臥姿勢を十分にリクライニングさせることができる。これにより、入浴者Mをより確実にリラックスさせることができると共に、進出部3が進出状態にあるときに、体重を進出部3に集中させることができ、強いマッサージ効果を得ることができる。一方、本実施形態においては、角度θを150度以下としているため、凹部2dを深く形成し、進出部3が進出状態となったときに、入浴者Mの臀部をより確実に浮かせることができる。また、入浴者Mの頭部を水面上に出した状態で、胸部を確実に湯につからせることができる。
【0027】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
先ず、本実施形態の第1の変形例について説明する。
図5は、本変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
なお、図5において、前述の実施形態における図1乃至図4と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。後述する他の図において同様である。
【0028】
図5に示すように、本変形例に係る浴槽装置21においては、浴槽2の傾斜面2bにおいて、進出部3よりも上方の領域に、第2の進出部5が設けられている。進出部5の表面は、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの肩胛骨に相当する位置に配置されている。また、進出部5の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。更に、進出部5の進出量、すなわち、進出部5が標準状態にあるときの進出部5の表面の位置と、進出状態にあるときの進出部5の表面の位置との間の距離は、進出部3の進出量よりも小さい。更にまた、駆動手段4は、進出部3と共に進出部5も駆動する。本変形例における上記以外の構成は、前述の実施形態と同様である。
【0029】
本変形例においては、進出部3が標準状態にあるときは、進出部5も標準状態にある。そして、進出部3が進出状態となるときは、進出部5も進出状態となる。この結果、進出部5により、入浴者Mの肩胛骨の周辺をマッサージすることができる。また、下段の進出部3の進出量を上段の進出部5の進出量よりも大きくすることにより、前述の実施形態と同様に、ヘッドレスト6の支持面6aを背側位置としたときに、臀部を浮かすことができ、ストレッチ効果を得ることができる。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0030】
次に、本実施形態の第2の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図6に示すように、本変形例に係る浴槽装置31においては、下段の進出部3の進出方向が、傾斜面2bに垂直な方向に対して上方に傾斜している。すなわち、進出部3の根元から傾斜面2bに沿って上方に向かう方向と、進出部3の進出方向とのなす角度が、90度未満である。本変形例における上記以外の構成は、前述の第1の変形例と同様である。
【0031】
本変形例においては、進出部3が傾斜面2bの法線方向よりも上方に向けて進出することにより、入浴者Mの腰部におけるS字曲線部の凹んだ部分を略垂直に押圧することができる。これにより、マッサージ効果がより向上する。また、入浴者Mの腰部をより効果的に伸ばすことができると共に、腰部を高く持ち上げることができるため、ストレッチ効果がより向上する。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の変形例と同様である。
【0032】
次に、本実施形態の第3の変形例について説明する。
図7は、本変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図7に示すように、本変形例に係る浴槽装置41においては、浴槽2の傾斜面2bにおいて、進出部5よりも上方の領域に、第3の進出部7が設けられている。すなわち、本変形例においては、傾斜面2bに進出部が3段設けられている。そして、上段の進出部7は、浴槽2のリムの近傍に配置されており、入浴者Mが入浴姿勢をとったときに、入浴者Mの肩に相当する位置に配置されている。進出部7は、通常の条件で浴槽2内に湯Wを溜めたときに、湯Wの外に出る。また、進出部7の進出方向は、例えば、傾斜面2bに対して略垂直な方向である。更に、進出部7の進出量は、例えば、中段の進出部5の進出量よりも大きく、例えば、下段の進出部3の進出量よりも小さい。更にまた、駆動手段4は、進出部3及び5と共に進出部7も駆動する。本変形例における上記以外の構成は、前述の第1の変形例と同様である。すなわち、中段の進出部5は入浴者の肩胛骨に相当する位置に配置されており、下段の進出部3は入浴者の腰部に相当する位置に配置されている。本変形例における上記以外の構成は、前述の第1の変形例と同様である。
【0033】
本変形例においては、進出部3及び5が標準状態にあるときは、進出部7も標準状態にある。そして、進出部3及び5が進出状態にあるときは、進出部7も進出状態にある。これにより、進出部7により入浴者Mの肩を押圧することができ、肩揉みを行うことができる。また、各進出部が進出状態にあるときに、入浴者Mを肩の部分でも支えることができるため、入浴者の姿勢がより安定する。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の第1の変形例と同様である。
【0034】
次に、本実施形態の第4の変形例について説明する。
図8は、本変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
図8に示すように、本変形例に係る浴槽装置51おいては、上段の進出部7の進出方向が、傾斜面2bに垂直な方向に対して下方に傾斜している。すなわち、進出部7の根元から傾斜面2bに沿って下方に向かう方向と、進出部7の進出方向とのなす角度が、90度未満である。本変形例における上記以外の構成は、前述の第3の変形例と同様である。
【0035】
本変形例においては、進出部7が傾斜面2bの法線方向よりも下方に向けて進出することにより、入浴者Mの肩を上方から押圧することができる。すなわち、肩を、肩の表面に対して略垂直な方向に押圧することができる。この結果、肩揉みによるマッサージ効果を増大させることができる。また、入浴者Mの身体を上方から押えることにより、入浴者Mの姿勢をより一層安定させることができる。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の第3の変形例と同様である。
【0036】
以下、前述の本発明の実施形態を具現化するための具体例について説明する。
先ず、第1の具体例について説明する。
図9は、本具体例に係る浴槽装置を例示する図であり、
図10は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図11は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図12は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態から進出状態に移行する途中にある場合を示し、
図13は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が進出状態にある場合を示し、
図14は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図15は、本具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【0037】
図9乃至図15に示すように、本具体例に係る浴槽装置61において、浴槽2の形状は、前述の実施形態と同様である。一方、浴槽2の傾斜面2bには4個の進出部が設けられており、上下方向に2個、水平方向に2個配列されたマトリクス状に配置されている。すなわち、下段には、進出部13が水平方向に2個配列されており、上段には、進出部15が水平方向に2個配列されている。そして、入浴者が入浴姿勢をとったときに、下段の進出部13は入浴者の腰部に相当する位置に配置され、上段の進出部15は肩胛骨周辺に相当する位置に配置される。また、各進出部の進出方向は、傾斜面2bの表面に対して略垂直な方向である。更に、下段の進出部13の進出量は、上段の進出部15の進出量よりも大きい。
【0038】
また、浴槽2の背側の上面には、ヘッドレスト16が取り付けられている。ヘッドレスト16はエアバックにより構成されており、内部に空気が出入りすることにより、浴槽2の長手方向に沿って伸縮する。また、このエアバックはゴムなどの弾力性のあるシート材料によって形成されており、内部に空気を流入するための圧力が印加されていなければ、それ自体の弾力によって内部の空気を排出し、縮んだ状態になる。そして、ヘッドレスト16の背側部分の下面は浴槽2の上面に固定されており、足側部分は自由端となっている。これにより、エアバック内に空気を注入すると、エアバックが膨張し、ヘッドレスト16の足側の面、すなわち、支持面16aは足側位置をとる。また、エアバック内から空気を抜くと、エアバックは縮小し、支持面16aは背側位置をとる。
【0039】
また、図9に示すように、進出部13及び15並びにヘッドレスト16には、駆動手段14が接続されている。駆動手段14においては、ポンプ141と、このポンプ141と各進出部及びヘッドレスト16とを連通する5本のエアチューブ142と、進出部に接続された4本のエアチューブ142の途中にそれぞれ設けられた切替弁143と、ヘッドレスト16に接続された1本のエアチューブ142の途中に設けられた切替弁144が設けられている。切替弁143及び144は例えば電磁弁である。また、ポンプ141並びに切替弁143及び144には、制御部19が接続されている。
【0040】
以下、各進出部の構成をより詳細に説明する。
図16は、本具体例の進出部を例示する斜視図であり、進出状態を示し、
図17は、この進出部を例示する斜視分解図であり、
図18は、この進出部を例示する斜視断面分解図であり、
図19は、この進出部を例示する断面図であり、標準状態を示し、
図20は、この進出部を例示する断面図であり、進出状態を示す。
【0041】
図16乃至図20に示すように、本具体例に係る進出部13は、エアバック方式の進出部である。進出部13においては、表側、すなわち、浴槽2内に露出して入浴者の背中が当接する側から順に、カバー131、エアバック132、ステイ133、パッキン134及びステイ止め135が設けられている。カバー131の形状はリング状であり、ステイ133と結合することにより、ステイ133との間でエアバック132の周辺部を挟持する。エアバック132は、バック部136と、このバック部136の背面側中央部に連結されたストロー部137とから構成されている。ストロー部137の内部は中空となっており、バック部136内に連通されている。バック部136は、ストロー部137を介して空気が出入りすることにより、膨張及び収縮する。
【0042】
ステイ133はカバー131と共にエアバック132を保持するものであり、中央に孔が形成された円板部138と、この円板部138の背面側中央部に連結された筒状部139とからなり、筒状部139の内部は円板部138の孔に連通されている。パッキン134の形状は両端部が広がったリング状であり、浴槽2の傾斜面2bに形成された孔2hに挿通されている。パッキン134の開口部には、ステイ133の筒状部139が挿通し、筒状部139内にはエアバック132のストロー部137が挿通している。パッキン134は、浴槽2の水密性を保持しつつ、筒状部139を浴槽2の内部から外部に引き出すものである。ステイ止め135の形状はリング状であり、その開口部内にステイ133の筒状部139が嵌合されることにより、ステイ133との間でパッキン134を挟持している。これにより、進出部13全体が浴槽2の傾斜面2bに対して固定される。
なお、上述の説明は進出部13についての説明であるが、進出部15の構成も進出部13と同様である。
【0043】
次に、本具体例の動作について説明する。
ポンプ141が作動していないときは、図19に示すように、エアバック132のバック部136は水圧により潰されて、縮んだ状態にある。これにより、進出部13は標準状態にある。進出部15も同様である。また、ヘッドレスト16も縮んだ状態にあり、支持面16aは背側位置にある。すなわち、浴槽装置61は、図11に示す状態にある。
【0044】
そして、入浴者が、臀部を底面2aに乗せ、背中を傾斜面2bに凭れさせて進出部13、15の各バック部136の表面に当接させ、後頭部をヘッドレスト16の支持面16aに押し付けた状態で、制御部19がポンプ141を作動させることにより、ポンプ141がエアチューブ142に対して空気を供給する。そして、制御部19が切替弁143を操作して、ポンプ141と各進出部とを連通させることにより、進出部13及び15に空気を供給する。これにより、図20に示すように、エアバック132のストロー部137を介してバック部136内に空気が流入し、この空気の圧力によってバック部136が膨張する。この結果、進出部13及び15は進出状態になる。すなわち、浴槽装置61は図12に示す状態を経て、図13に示す状態になる。
【0045】
その後、制御部19が切替弁143を切替えて、各進出部を外部に連通させると、バック部136は水圧により縮み、標準状態に戻る。すなわち、浴槽装置61は図11に示す状態に戻る。この動作を繰り返すことにより、各進出部が標準状態と進出状態とを繰り返す。
【0046】
一方、制御部19が切替弁144を切替えて、ポンプ141をヘッドレスト16に連通させると、ヘッドレスト16が膨張し、支持面16aは足側位置に位置する。すなわち、浴槽装置61は、図14及び図15に示す状態となる。また、制御部19が切替弁144を切替えて、ヘッドレスト16を外部に連通させると、ヘッドレスト16はそれ自体の弾力によって内部の空気を排出して縮み、支持面16aは背側に位置する。すなわち、浴槽装置61は、図10及び図11に示す状態となる。
【0047】
本具体例によれば、浴槽の内部に電気部品を配置することなく、浴槽装置を構成することができる。これにより、漏電及び感電に対する対策並びに湯による電気部品の腐食に対する対策などが不要になり、低コストで信頼性が高い浴槽装置を実現することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の変形例と同様である。なお、本具体例において、エアバック内に空気以外の流体、すなわち、気体又は液体を供給してもよい。
【0048】
次に、第2の具体例について説明する。
図21は、横軸に時間をとり、縦軸にエアバックの状態をとって、本具体例に係る浴槽装置の動作を例示するタイミングチャートである。
なお、図21に示す「ヘッドレストエアバック」とは、図9に示すヘッドレスト16を構成するエアバックをいい、「上側エアバック」とは、図9に示す進出部15を構成するバック部136(図16参照)をいい、「下側エアバック」とは、図9に示す進出部13を構成するバック部136(図16参照)をいう。また、「ON」は各エアバックが膨張した状態を表し、「OFF」は各エアバックが縮小した状態を表す。
【0049】
本第2の具体例に係る浴槽装置は、前述の第1の具体例と比較して、動作が異なっている。すなわち、図21に示すように、本具体例においては、先ず、上側エアバック、下側エアバック、ヘッドレストエアバックがいずれも縮小している状態から、上側エアバック及び下側エアバックを膨張させる。このとき、ヘッドレストエアバックは縮小させたままとする。これにより、図13に示すように、進出部13及び15は進出状態となり、ヘッドレスト16の支持面16aは背側位置をとる。この状態を時間T1だけ維持する。
【0050】
次に、ヘッドレストエアバックを縮小させたまま、上側エアバック及び下側エアバックを縮小させる。これにより、図11に示すように、支持面16aは背側位置に位置したまま、進出部13及び15は標準状態となる。この状態を時間T2だけ維持する。
【0051】
次に、上側エアバック及び下側エアバックを縮小させたまま、ヘッドレストエアバックを膨張させる。これにより、図15に示すように、進出部13及び15は標準状態のまま、支持面16aは足側位置をとる。この状態を時間T3だけ維持する。
【0052】
次に、ヘッドレストエアバックを縮小させる。これにより、図11に示すように、支持面16aが背側位置に戻る。このように、本具体例に係る浴槽装置は、図13に示す状態、すなわち、進出部がいずれも進出状態にあり支持面16aが背側にある状態と、図15に示す状態、すなわち、進出部がいずれも標準状態にあり支持面16aが足側にある状態とを、図11に示す状態、すなわち、進出部がいずれも標準状態にあり支持面16aが背側にある状態を挟んで、交互に実現する。この結果、入浴者は、ストレット浴及び浮遊浴を楽しむことができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0053】
また、本具体例によれば、腰椎の押圧とヘッドレストの縮小とを同じタイミングで行うことにより、腰椎より上の上体を傾斜面2bに向ってより傾斜させ、胸腔をより開くように姿勢を変化させることができる。これにより、より胸腔を押し広げ、呼吸量を増大させることができる。このとき、入浴者は、浴槽装置の動作と同期して呼吸を行うことで、より一層リラックスすることもできる。すなわち、入浴者は、ヘッドレストの縮小及び進出部の進出により胸腔が押し広がる姿勢となった時に、息を吸い、ヘッドレストの拡大及び進出部の縮小により胸腔が縮小する姿勢となった時に、息を吐くようにすることで、呼吸が自然と深呼吸になり、リラックスしながらストレッチ浴を楽しむことができる。
【0054】
次に、第3の具体例について説明する。
図22乃至図27は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、
図22は、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図23は、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、上側の進出部が進出状態にあり、下側の進出部が標準状態にある場合を示し、
図24は、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、上側の進出部が標準状態にあり、下側の進出部が進出状態にある場合を示し、
図25は、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示し、
図26は、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、上側の進出部が進出状態にあり、下側の進出部が標準状態にある場合を示し、
図27は、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、上側の進出部が標準状態にあり、下側の進出部が進出状態にある場合を示す。
【0055】
本第3の具体例は、前述の第1の具体例と比較して、ヘッドレストの構成が異なっている。すなわち、図22に示すように、本具体例に係る浴槽装置71においては、ヘッドレスト26が設けられている。ヘッドレスト26は、例えば、人工皮革などからなる防水性及び柔軟性を有する袋の中に、クッション性を有する詰物を充填させたものである。従って、入浴者がヘッドレスト26に後頭部を乗せると、クッション性を感じられる程度には変形はするものの、エアバックのように体積及び形状が大きく変化することはない。ヘッドレスト26の足側の面は、入浴者の後頭部を支持する支持面26aとなっている。
【0056】
そして、本具体例においては、ヘッドレスト26の両側面に、浴槽2の長手方向に延びるガイド部材27が取り付けられている。ガイド部材27には、浴槽2の長手方向に延びるガイド穴27aが形成されている。また、浴槽2の背側の上面には、ヘッドレスト26を挟むように1対の支持部材28が設けられており、各支持部材28には、ネジ29が取り付けられている。ネジ29は支持部材28に形成されたネジ孔を外側から貫通し、その先端部がガイド部材27のガイド穴27aに嵌合するようになっている。これにより、ネジ29を緩めているときは、ネジ29の先端部がガイド部材27のガイド穴27a内を相対的に移動することにより、ヘッドレスト26及びガイド部材27が1対の支持部材28間を浴槽2の長手方向に沿って移動可能となる。一方、ネジ29を締めているときは、ネジ29の先端部がガイド穴27a内における任意の位置で固定されることにより、ヘッドレスト26及びガイド部材27がその移動域の任意の位置で固定される。
【0057】
本具体例においては、ヘッドレスト26の位置を手動で調整することにより、支持面26aの位置が調整される。すなわち、図22乃至図24に示すように、ヘッドレスト26をその移動域における背側の端部に位置させると、支持面26aは背側位置になる。この状態から、ヘッドレスト26を足側に引き出すことにより、ネジ29の先端部がガイド穴27a内を相対的に移動し、ヘッドレスト26はガイド部材27に案内されて、足側にスライドする。そして、図25乃至図27に示すように、ヘッドレスト26をその移動域における足側の端部で固定すると、支持面26aは足側位置をとる。また、ヘッドレスト26がその移動域における任意の位置にあるときに、ネジ29を締めることにより、ヘッドレスト26をその位置に固定し、支持面26aの位置を固定することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0058】
次に、第4の具体例について説明する。
図28乃至図30は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、
図28は、ヘッドレストの支持面が背側位置にある場合を示し、
図29は、ヘッドレストが回動中である場合を示し、
図30は、ヘッドレストの支持面が足側位置にある場合を示す。
【0059】
本第4の具体例は、前述の第1の具体例と比較して、ヘッドレストの構成が異なっている。すなわち、図28に示すように、本具体例に係る浴槽装置81においては、ヘッドレスト36が設けられている。ヘッドレスト36は、例えば、前述の第3の具体例におけるヘッドレスト26(図22参照)と同様に、防水性及び柔軟性を有し、形状がほぼ固定されている。ヘッドレスト36の一端部には、ヘッドレスト36を左右方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0060】
また、浴槽2の背側の上面には、ヘッドレスト36を挟むように1対の支持部材38が設けられており、各支持部材38間には、水平方向に延びる軸39が支持部材38に対して回転自在に設けられている。軸39はヘッドレスト36の貫通孔を貫通している。これにより、ヘッドレスト36は、支持部材38に対して軸39を中心として回動可能とされている。
【0061】
本具体例においては、ヘッドレスト36の向きを手動で調整することにより、ヘッドレスト36の支持面の位置が選択される。すなわち、図28に示すように、ヘッドレスト36の長軸側の端部、すなわち、貫通孔が設けられていない側の端部を背側とし、短軸側、すなわち、貫通孔が設けられている側の端部を足側とした場合は、短軸側の端面36bが入浴者の後頭部を支持する支持面となる。この場合、ヘッドレスト36の支持面は背側位置に位置する。一方、図28に示す状態から、ヘッドレスト36を軸39を中心として回動させると、図29に示すように、ヘッドレスト36の長軸側の端部が軸39の上方を通過し、図30に示すように、ヘッドレスト36の短軸側の端部が背側に位置し、長軸側の端部が足側に位置した状態となる。この場合は、ヘッドレスト36の長軸側の端面36cが支持面となる。このとき、ヘッドレスト36の支持面は足側位置に位置する。また、ヘッドレスト36の支持面が背側位置又は足側位置にあるときは、入浴者が後頭部を支持面に押し付けてもヘッドレスト36は回動しないため、支持面は背側位置又は足側位置のそれぞれで固定される。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0062】
次に、第5の具体例について説明する。
図31は、本具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が低位置にある場合を示し、
図32は、その断面図であり、
図33は、この浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が高位置にある場合を示し、
図34は、その断面図である。
【0063】
本第5の具体例は、前述の第1の具体例と比較して、ヘッドレストの構成が異なっている。すなわち、図31に示すように、本具体例に係る浴槽装置91においては、ヘッドレスト46が設けられている。ヘッドレスト46は、例えば、前述の第3の具体例におけるヘッドレスト26(図22参照)と同様に、防水性及び柔軟性を有し、形状がほぼ固定されている。ヘッドレスト46の形状は例えば円柱形であり、その中心軸は浴槽2の左右方向に延び、中心軸に沿って貫通孔が形成されている。また、ヘッドレスト46の側面のうち、足側の領域が支持面46aとなっている。
【0064】
また、浴槽2の背側の上面には、ヘッドレスト46を挟むように1対の支持部材48が設けられている。図31乃至図34に示すように、支持部材48は多段構成となっており、垂直方向に伸縮自在であり、従って、その最上段は、垂直方向に移動可能となっている。また、支持部材48の最上段はその移動域における任意の位置で固定可能である。更に、1対の支持部材48の最上段間には、水平方向に延びる軸49が張架されており、この軸49はヘッドレスト46の貫通孔を貫通している。これにより、ヘッドレスト46は、支持部材48の最上段間に支持されており、支持部材48を伸縮させることにより、任意の高さに固定可能とされている。
【0065】
本具体例においては、ヘッドレスト46の高さを手動で調節することにより、支持面46aの位置を調節することができる。すなわち、図31及び図32に示すように、支持部材48を縮め、ヘッドレスト46をその移動域における最も低い位置に固定した場合には、支持面46aは低位置をとる。一方、図33及び図34に示すように、支持部材48を上に向けて伸ばし、ヘッドレスト46をその移動域における最も高い位置に固定した場合には、支持面46aは高位置をとる。また、ヘッドレスト46をその移動域における任意の位置に固定すると、支持面46aを任意の高さで固定することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0066】
なお、本具体例においては、支持部材48を浴槽2の上面におけるより背側の領域に取り付けて、ヘッドレスト46が低位置にあるときに、支持面46aが浴槽2の傾斜面2bの延長面よりも背側に位置するようにし、ヘッドレスト46が高位置にあるときに、支持面46aがこの延長面よりも足側に位置するようにしてもよい。これにより、ヘッドレスト46の高さを調節することによって、支持面46aの位置を背側位置又は足側位置とし、入浴者の姿勢を仰臥姿勢又は座位姿勢とすることができる。
【0067】
また、本具体例においては、支持部材48の伸縮方向を垂直方向に対して傾斜した方向としてもよい。更に、支持部材48の伸縮方向を変えられるようにしてもよい。これにより、ヘッドレスト46の位置を入浴者の体格に合わせて調整することができ、入浴者により快適な姿勢をとらせることができる。
【0068】
次に、第6の具体例について説明する。
図35は、本具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面分解図であり、
図36(a)及び(b)は、この進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、(a)は標準状態を示し、(b)は進出状態を示す。
本具体例は、前述の第1の具体例と比較して、進出部及び駆動手段の構成が異なっている。本具体例における浴槽の形状、ヘッドレストの構成、並びに進出部の配置、進出方向及び進出量は、前述の第1の具体例と同様である。
【0069】
図35に示すように、本具体例における進出部23は、リニアアクチュエータ方式の進出部である。進出部23においては、表側、すなわち、入浴者の背中が当接する側から順に、押当板231、ガイド232、パッキン233、ガイド押え234及びアクチュエータ固定具235設けられている。また、本具体例の駆動手段には、リニアアクチュエータ241が設けられている。リニアアクチュエータ241においては、円柱形の本体部242及び円柱形のアーム部243が設けられている。本体部242は、アーム部243をその軸方向に沿って往復直線運動させる。アーム部243の先端には、凹部244が形成されている。リニアアクチュエータ241の動作は、制御部(図示せず)により制御される。
【0070】
押当板231は、入浴者の背中を押圧するものである。押当板231の裏面には、リニアアクチュエータ241の凹部244に嵌合する凸部246が形成されている。ガイド232の形状は筒状であり、その内部をリニアアクチュエータ241のアーム部243が挿通することにより、アーム部243の移動方向を規制する。パッキン233の形状は両端部が広がったリング状であり、浴槽2の傾斜面2bに形成された孔2hに挿通されている。パッキン233の開口部には、ガイド232が挿通し、ガイド232内にはリニアアクチュエータ241のアーム部243が挿通している。パッキン233は、浴槽2の水密性を保持しつつ、ガイド232を浴槽2の内部から外部に引き出すものである。
【0071】
ガイド押え234の形状はリング状である。ガイド押え234は、その開口部にガイド232が嵌合されることにより、ガイド232との間で、パッキン233を介して浴槽2の内壁を挟持する。これにより、進出部23全体が浴槽2の傾斜面2bに対して固定される。アクチュエータ固定具235は、リニアアクチュエータ241の本体部242を進出部23に対して固定するものである。
【0072】
次に、本具体例の動作について説明する。
図36(a)及び(b)に示すように、制御部がリニアアクチュエータ241を作動させることにより、本体部242がアーム部243に往復運動させ、押当板231をその表面に垂直な方向に往復運動させる。これにより、図36(a)に示す標準状態と(b)に示す進出状態とを繰り返し実現する。本具体例によれば、制御部の制御を変更することにより、押当板231の速度及び変異量を容易且つ自由に変更することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0073】
次に、第7の具体例について説明する。
図37は、本具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、標準状態を示し、
図38は、この進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、進出状態を示す。
本具体例は、前述の第1の具体例と比較して、進出部及び駆動手段の構成が異なっている。本具体例における浴槽の形状、並びに進出部の配置、進出方向及び進出量は、前述の第1の具体例と同様である。
【0074】
図37及び図38に示すように、本具体例における進出部33は、カム方式の進出部である。進出部33においては、表側、すなわち、入浴者の背中が当接する側から順に、押当板331、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334、バネ押え335及びカム当て板336が設けられている。ガイド332、パッキン333及びガイド押え334の構成は、前述の第6の具体例と同様であり、これらの形状はいずれもリング状である。バネ押え335及びカム当て板336も、中央部が開口したリング状の円板である。
【0075】
また、押当板331においては、その表面に入浴者の背中が当接する円板部337と、この円板部337の背面側中央部から起立した円柱部338とが設けられている。円柱部338は、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334、バネ押え335及びカム当て板336の中央部に開口された開口部を挿通している。そして、円柱部338は、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334及びバネ押え335に対しては固定されておらず、これらの開口部内を円柱部338の軸方向に沿って摺動可能であるが、カム当て板336に対しては固定されている。従って、押当板331及びカム当て板336は、一体的に、ガイド332、パッキン333、ガイド押え334及びバネ押え335に対して摺動する。
【0076】
更に、バネ押え335とカム当て板336との間における円柱部338の周囲を周回するように、バネ339が設けられている。バネ339は、カム当て板336をバネ押え335から離隔する方向に付勢している。
【0077】
一方、本具体例の駆動手段34においては、カム341が設けられている。カム341の形状は、略卵形の板状であり、その中心から外れた部分を回転軸342として回転する。また、この駆動手段34においては、カム341をその回転軸342を回転中心として回転させるモータ(図示せず)が設けられている。また、本変形例に係る入浴装置においては、このモータを制御する制御部(図示せず)が設けられている。
【0078】
次に、本具体例の動作について説明する。
図37に示すように、カム当て板336は、常にバネ339によりカム341に向けて付勢されているため、カム341の短軸側がカム当て板336に当接しているときには、押当板331は浴槽2の傾斜面2bに近づいており、進出部33は標準状態にある。一方、図38に示すように、カム341の長軸側がカム当て板336に当接しているときには、押当板331は浴槽2の傾斜面2bから離隔しており、進出部33は進出状態にある。そして、制御部がモータを駆動することにより、モータがカム341を回転させ、押当板331を往復運動させる。これにより、進出部33は標準状態と進出状態とを繰り返し実現する。そして、このとき、各進出部に対応するカムの位相を同位相とすれば、各進出部の動作も同位相となる。
【0079】
本具体例によれば、カムの形状を選択することにより、進出部の動作を任意に設定することができる。例えば、進出部の動作を、加速度が大きく変化する動作とすることができる。これにより、例えば、複数種類のカムを用意しておき、モータに装着するカムを交換することにより、進出部の動作のパターンを変更することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の具体例と同様である。
【0080】
以上、本発明の実施形態並びにその変形例及び具体例を参照しつつ、本発明の特徴を説明した。しかし、本発明は、これらの実施形態などに限定されるものではない。すなわち、前述の実施形態、変形例及び具体例を適宜組み合わせたもの、並びに、実施形態、変形例及び具体例のいずれかに係る浴槽装置に対して、当業者が構成要素の追加、省略又は設計変更を加えたものも、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。
【0081】
例えば、前述の実施形態及び第1乃至第4の変形例における進出部の配置と、前述の第1、第3乃至第5の具体例におけるヘッドレストの構成と、前述の第1、第6及び第7の具体例における進出部及び駆動手段の構成は、任意に組合せ可能である。また、前述の各浴槽装置に設けられた制御部は、進出部の動作タイミング及び動作量などをプログラム可能となっていてもよい。これにより、入浴者は、自分で好みのマッサージ形態をプログラムすることができる。また、予め記憶された複数のプログラムの中から、任意のプログラムを選択して実行させることもできる。
【0082】
また、前述の第1の具体例において、エアバックの内部における入浴者に当接する側の壁面に振動子を固定してもよい。これにより、エアバックの押圧に振動子の振動を加えたマッサージを行うことができ、入浴者に押圧刺激だけでなく振動刺激も与えることができる。またこの場合は、エアバックの押圧力により振動子を入浴者に押し付けることができるため、振動によるマッサージ効果が高い。更に、振動子はエアバックに取り付けられているため、エアバック自体の弾性力により防振効果が得られ、浴槽や浴室などに振動が伝わることがない。
【0083】
このように、エアバックの内部に振動子を設ける場合、振動子のリード線は、エアバックの空気導入孔(図14に示すストロー部137)又は別途設けられたリード線取出口から取り出し、振動発生装置又は増幅器に接続することができる。なお、このとき、リード線の取出部をシールすることにより、空気の漏れを防ぐことができる。振動発生装置はマッサージに適した周波数の信号を振動子に対して出力することにより、振動子を振動させることができる。また、増幅器は音楽の再生信号を振動子に対して出力することにより、振動子を振動させることができる。そして、音楽を再生する際には、エアバックの素材がスピーカーのコーンのような役割を発揮し、マッサージと同時に音楽を楽しむことができる。
【0084】
更に、前述の第1の具体例において、エアバックの表面に、エアバックを覆うように硬質の半球状カバーを取り付けてもよい。このカバーは例えば樹脂により形成することができる。これにより、入浴者に固い押圧感を与えてマッサージ効果を高めると共に、エアバックを保護することができる。この結果、入浴時や清掃時における不慮の事故によってエアバックに傷が入り、空気が漏れてしまったり、浴槽外にお湯が流出したりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が標準状態にある場合を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図3】本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、進出部が標準状態にある場合を示す。
【図4】本発明の実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図5】本発明の実施形態の第1の変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図6】本発明の実施形態の第2の変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図7】本発明の実施形態の第3の変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図8】本発明の実施形態の第4の変形例に係る浴槽装置を例示する模式的断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、進出部が進出状態にある場合を示す。
【図9】本発明の実施形態の第1の具体例に係る浴槽装置を例示する図である。
【図10】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図11】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図12】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態から進出状態に移行する途中にある場合を示す。
【図13】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が進出状態にある場合を示す。
【図14】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図15】第1の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図16】第1の具体例の進出部を例示する断面図であり、進出状態を示す。
【図17】第1の具体例の進出部を例示する斜視分解図である。
【図18】第1の具体例の進出部を例示する斜視断面分解図である。
【図19】第1の具体例の進出部を例示する断面図であり、標準状態を示す。
【図20】第1の具体例の進出部を例示する断面図であり、進出状態を示す。
【図21】横軸に時間をとり、縦軸にエアバックの状態をとって、第2の具体例に係る浴槽装置の動作を例示するタイミングチャートである。
【図22】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図23】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、上側の進出部が進出状態にあり、下側の進出部が標準状態にある場合を示す。
【図24】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にあり、上側の進出部が標準状態にあり、下側の進出部が進出状態にある場合を示す。
【図25】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、各進出部が標準状態にある場合を示す。
【図26】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、上側の進出部が進出状態にあり、下側の進出部が標準状態にある場合を示す。
【図27】第3の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にあり、上側の進出部が標準状態にあり、下側の進出部が進出状態にある場合を示す。
【図28】第4の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が背側位置にある場合を示す。
【図29】第4の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストが回動中である場合を示す。
【図30】第4の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が足側位置にある場合を示す。
【図31】第5の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が低位置にある場合を示す。
【図32】第5の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が低位置にある場合を示す。
【図33】第5の具体例に係る浴槽装置を例示する斜視断面図であり、ヘッドレストの支持面が高位置にある場合を示す。
【図34】第5の具体例に係る浴槽装置を例示する断面図であり、ヘッドレストの支持面が高位置にある場合を示す。
【図35】第6の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面分解図である。
【図36】(a)及び(b)は、第6の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、(a)は標準状態を示し、(b)は進出状態を示す。
【図37】第7の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、標準状態を示す。
【図38】第7の具体例の進出部及び駆動手段を例示する斜視断面図であり、進出状態を示す。
【符号の説明】
【0086】
2 浴槽、2a 底面、2b 傾斜面、2c 垂直面、2d 凹部、2e 垂直面、2f 水平面、2g 垂直面、2h 孔、3、5、7 進出部、4 駆動手段、6 ヘッドレスト、6a 支持面、11、21、31、41、51、61、71、81、91 浴槽装置、13、15 進出部、14 駆動手段、16、26、36、46 ヘッドレスト、16a、26a、46a 支持面、19 制御部、27 ガイド部材、27a ガイド穴、28、38、48 支持部材、29 ネジ、36b、36c 端面、39、49 軸、131 カバー、132 エアバック、133 ステイ、134 パッキン、135 ステイ止め、136 バック部、137 ストロー部、138 円板部、139 筒状部、141 ポンプ、142 エアチューブ、143、144 切替弁、231、331 押当板、232、332 ガイド、233、333 パッキン、234、241 リニアアクチュエータ、242 本体部、243 アーム部、244 凹部、334 ガイド押え、235 アクチュエータ固定具、236 凸部、335 バネ押え、336 カム当て板、337 円板部、338 円柱部、339 バネ、341 カム、342 回転軸、F 傾斜面2bの延長面、M 入浴者、W 湯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側の内壁面が、垂直方向に対して傾斜した第1壁面と、前記第1壁面の下方に前記第1壁面と連続して配置され前記第1壁面よりも垂直に近い第2壁面と、を有する浴槽と、
前記第1壁面に設けられ、表面が標準状態と前記標準状態よりも前記浴槽の内部に向けて進出した進出状態との間で変位可能な進出部と、
前記進出部を駆動する駆動手段と、
前記背側の内壁面の上方に配置されたヘッドレストと、
を備え、
前記ヘッドレストの支持面は前記浴槽に対して可動であることを特徴とする浴槽装置。
【請求項2】
前記ヘッドレストの支持面は、前記第1壁面の延長面よりも足側にある足側位置と、前記第1壁面の延長面よりも背側にある背側位置と、で固定可能であることを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項3】
前記ヘッドレストの支持面は、前記進出部の動作に連動して移動することを特徴とする請求項1記載の浴槽装置。
【請求項4】
前記進出部が前記標準状態にあるときに、前記ヘッドレストの支持面が前記足側位置となり、前記進出部が前記進出状態にあるときに、前記ヘッドレストの支持面が前記背側位置となることを特徴とする請求項3記載の浴槽装置。
【請求項5】
前記第1壁面から前記第2壁面に向かう方向において、前記第1壁面の長さは前記第2壁面の長さよりも長いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項6】
前記第1進出部は、前記第1壁面の下部であって、前記第2壁面との境界の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項7】
前記第1壁面と前記浴槽の底面とのなす角度は、110乃至150度であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項8】
前記ヘッドレストは、流体が出入りすることにより伸縮するバックを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項9】
前記ヘッドレストは、前記浴槽の長手方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項10】
前記ヘッドレストは、前記浴槽に対して回動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項11】
前記ヘッドレストは、垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の浴槽装置。
【請求項12】
前記駆動手段は、前記進出部と共に前記ヘッドレストを駆動することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の浴槽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2008−93035(P2008−93035A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275669(P2006−275669)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】