説明

消毒および保存のための4級アンモニウムエステル

コンタクトレンズを消毒し、眼科用レンズ組成物を保存するための1つ以上の4級アンモニウムエステル組成物の使用が記載される。一つ以上の4級アンモニウムエステル組成物を含む眼科用レンズ組成物およびこの眼科用レンズ組成物を調製し使用する方法もまた記載される。上記4級アンモニウムエステル組成物の例としては、N−ミリストイルオキシプロピル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−カプリロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−カプロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ラウロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−パルミトイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージドなどが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本宣言により、37CFR1.78(a)(4)に従い、本非仮出願において、2002年12月13日出願の、仮出願第60/433,624号に対する優先権が主張される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、消毒および保存のための4級アンモニウムエステルの使用に関する。より特定すれば、本発明は、眼科用溶液および眼科用デバイスの消毒および保存のための4級アンモニウムエステルの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
幅広い用途におけるコンタクトレンズは、今日、ハードおよびソフトの、2つの一般的範疇に分類される。このハードまたは剛直な角膜タイプのレンズは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などの、アクリル酸エステルの重合により調製される材料から形成される。そのゲルタイプ、ヒドロゲルタイプまたはソフトタイプのレンズは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などのようなモノマーの重合により、または、長期間着用レンズの場合においては、シロキシ含有モノマーまたはマクロモノマーを重合することにより作製される。このハードタイプのコンタクトレンズおよびソフトタイプのコンタクトレンズの両方は、普通の着用の間に、幅広い範囲の微生物に曝露され、比較的急速に汚損された状態になる。それゆえに、ハードであろうとソフトであろうと、コンタクトレンズは、日常の洗浄および消毒を必要とする。コンタクトレンズを日常的に適切に洗浄および消毒しないことは、着用しているときの単なる不快感から深刻な眼の感染症にわたって、様々な問題につながり得る。Pseudomonas aeruginosaなどの毒性の微生物により引き起こされる眼の感染症は、非処置のまま放置された場合または処置を開始する前に進んだ段階に到達することを許した場合には、その感染した眼の喪失につながり得る。
【0004】
Dassanayakeらは、米国特許第5,631,005号に、コンタクトレンズを消毒し、そして眼科用の組成物を保存するための所定のアミドアミンの使用を開示する。そのようなアミドアミンが4級化される場合には、そのアミドアミンの消毒能力は大きく低下する。例えば、組成物N−ミリストアミドプロピル−N,N−ジメチルアミン(この構造:
【0005】
【化2】

で表される)は、Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Candida albicansおよびFusarium solaniに対して有効であったが、Serratia marcescensに対しては有効でなかった。このデータは、BBS中、25ppmの濃度で得られた。類似のデータは、上記の構造の類似のエステル、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチルアミン(N−myristoyloxypropyl−N,B−dimethylamine)(下記の構造:
【0006】
【化3】

で表される)について得られた場合には、このエステルは、研究された5つの微生物、すなわち、S.aureus、P.aeruginosa、C.albicans、F.solaniおよびS.marcescensの各々に対して有効ではなかった。同様に、類似の静置での(stand−alone)生物致死データが得られた場合には、この4級化組成物N−ミリストアミドプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド(この構造:
【0007】
【化4】

で表される)は、S.aureusおよびP.aeruginosaに対して有効であることが判明したが、S.marcescens、C.albicansおよびF.solaniに対しては有効ではなかった。従って、真菌類の消毒を高めるために商業的に使用されるこのアミドアミン化合物、AldoxTM(Alcon Laboratories,Inc.,Fort Worth,Texas)の消毒能力は、4級化された場合には、大きく低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱、過酸化水素、アミドアミンおよび他の化学的薬剤などの様々な商業的に利用可能なコンタクトレンズ消毒システムの利用可能性にも関わらず、改善された消毒システムの必要が引き続き存在する。そのような改善された消毒システムとしては、簡単に使用できる系、幅広い範囲の微生物に対して有効である系、非毒性であり眼の刺激を引き起こさない系が挙げられる。コンタクトレンズの消毒および眼科用組成物保存の分野においては、抗菌活性を備える安全で有効な化学的薬剤に対する特別の必要が存在する。
【0009】
従って、眼科用消毒システムの製造において、抗菌剤として有用な組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
本発明の別の目的は、抗菌剤として有用な組成物を使用するための方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、コンタクトレンズを消毒するための眼科用システムにおいて有用な組成物を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、微生物汚染から眼科用システムを保存することにおいて有用な組成物を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、低減された眼の刺激または解消された眼の刺激をともなってコンタクトレンズを消毒するための眼科用システムにおいて有用な組成物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、向上した表面活性および、従って、向上した洗浄を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、抗菌剤として有用な組成物を製造する方法を提供することである。
【0016】
本発明のこれらの目的および他の目的ならびに利点は、それらのうちのいくつかは、特に記載され、他は記載されていないが、以下の詳細な記述および特許請求の範囲から明確になる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(発明の要旨)
本発明は、微生物汚染に対するコンタクトレンズなどの医療用デバイスの消毒ならびに薬剤、人工涙、および快適点眼薬などの眼科用組成物の貯蔵のための一つ以上の4級アンモニウムエステルの使用に関する。
【0018】
本発明の4級アンモニウムエステルは、一般に、以下の式1:
【0019】
【化5】

の構造により表され、ここで、Rは、飽和または不飽和のおよび分枝鎖または非分枝鎖の、C1−24のアルキル、C1−24のアルケン、C6−24のアリール、C6−36のアラルキル、C1−24のアルキルオキシ、C1−24のハロアルキルまたはC6−24のハロアリールであり;Rは、分枝鎖もしくは非分枝鎖の、C1−24のアルキレン、C6−36のアルキレンアリーレン、C6−24のアリーレン、C1−24のアルキルオキシまたはC6−36のアリールオキシであり;上記R基は、同一のまたは異なる、飽和もしくは不飽和のおよび分枝鎖もしくは非分枝鎖の、C1−24のアルキル、C6−36のアリールアルキル、C1−24のヒドロキシアルキル、C1−24のアルコキシアルキル、C1−24のアルコキシアルコキシアルキルまたはC1−24のハロアルキルであり得;そしてXは、ハライド、C1−24のアルキルスルフェート、C6−36のアリールスルフェート、または他の薬学的に受容可能な塩である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の4級アンモニウムエステルは有効な抗菌剤であり、無毒性で、使用するのに簡単で、眼の刺激を引き起こさない消毒システムの製造に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(発明の詳細な説明)
本発明の4級アンモニウムエステル組成物は、従来のハードレンズおよびソフトレンズ、ならびに剛直なレンズおよびソフトで気体透過性のレンズなどのすべてのコンタクトレンズについて使用され得る。そのようなレンズとしては、ヒドロゲルレンズおよび非ヒドロゲルレンズの両方が挙げられるが、本発明の4級アンモニウムエステル組成物は、特に、シリコーン含有レンズおよびフッ素含有レンズなどのソフトレンズに対して有用である。第1に興味深いことは、使用中のレンズの水分含量が少なくとも20重量パーセントであるように、一定割合の親水性の繰返し単位を有する材料から製造されたソフトレンズである。この用語「ソフトコンタクトレンズ」とは、本明細書中で使用される場合、一般に、小さい量の力の下で容易に曲がるコンタクトレンズをいう。代表的には、ソフトコンタクトレンズは、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/または他の親水性のモノマーなどのモノマーから、代表的には、架橋剤を用いて誘導される、所定の割合の繰返し単位を有するポリマーから処方される。しかしながら、より新しいソフトレンズ、特に長期着用のためのソフトレンズは、高Dk(high−Dk)シリコーン含有材料から製造されている。
【0022】
本発明の4級アンモニウムエステル組成物は、コンタクトレンズを消毒するためのコンタクトレンズケア溶液において有用である。消毒するために、本発明の溶液は、脱イオン水中に一つ以上の本発明の4級アンモニウムエステル組成物を、コンタクトレンズの表面上の有害な微生物を、推奨される最短の浸漬時間の中で破壊するために十分な濃度で、含有しなければならない。この推奨される最短の浸漬時間は、この溶液の使用についてパッケージの取扱説明書に含まれている。この用語「消毒溶液」とは、本発明の組成物を含有する特定の処方物に依存して、この溶液がまた、保存溶液としても有用であり得る可能性、またはこの消毒溶液が、コンタクトレンズの日常の洗浄、すすぎ、および貯蔵などの他の目的のために有用であり得る可能性を排除しない。さらには、本発明の4級アンモニウム組成物は、望まれる場合には、他の公知の消毒用化合物または保存用化合物と一緒に使用され得る。
【0023】
本発明に従う溶液は、生理学的に適合性である。特に、この溶液はコンタクトレンズについての使用のために、「眼科的に安全」でなければならず、このことは、この溶液で処理されるコンタクトレンズが、一般に、すすぐことなしでの眼の上への直接の配置のために適切で安全であること、すなわち、この溶液が、その溶液で濡れているコンタクトレンズを経由しての眼との日常の接触に対して、安全で快適であることを意味する。眼科的に安全な溶液は、その眼と適合する張度およびpHを有し、ISO(International Standards Organization)標準および米国FDA(Food and Drug Administration)規制に従って非細胞毒性である材料、ならびにその量を含む。この溶液は、発売に先立って、製品中の微生物汚染物の不在が、そのような製品のために必要な程度まで統計学的に実証されなければならないので、滅菌されているべきである。
【0024】
本発明の溶液は、以下の式1:
【0025】
【化6】

の構造により一般に表される、少なくとも一つの本発明の4級アンモニウムエステル組成物を含有し、ここで、Rは、飽和または不飽和のおよび分枝鎖または非分枝鎖の、C1−24のアルキル(例えば、メチル、プロピル、ヘキシル、またはトリデシルが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のアルケン(例えば、ヘキセンまたはドデセンが挙げられるが、これらに限定されない)、C6−24のアリール(例えば、フェニル、ナフチルまたはビフェニルが挙げられるが、これらに限定されない)、C6−36のアリールアルキル(例えば、アルキル置換フェニル基またはフェニル置換アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のアルキルオキシ(例えば、プロポキシまたはブトキシが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のハロアルキル(例えば、フッ素置換アルキル基、塩素置換アルキル基、または臭素置換アルキル基が挙げられるが、これらに限定されない)またはC6−24のハロアリール(例えば、クロロフェニルが挙げられるが、これに限定されない)であり;Rは、分枝鎖または非分枝鎖の、C1−24のアルキレン(例えば、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレンが挙げられるが、これらに限定されない)、C6−36のアルキレンアリーレン(例えば、メチレンフェニレンが挙げられるが、これに限定されない)、C6−24のアリーレン(例えば、フェニレンが挙げられるが、これに限定されない)、C1−24のアルキルオキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたはプロポキシが挙げられるが、これらに限定されない)またはC6−36のアリールオキシ(例えば、フェノキシが挙げられるが、これに限定されない)であり;上記R基は、同一のまたは異なる、飽和または不飽和のおよび分枝鎖または非分枝鎖の、C1−24のアルキル(例えば、メチルまたはブチルが挙げられるが、これらに限定されない)、C6−36のアリールアルキル(例えば、アルキル置換のフェニル基またはフェニル置換のアルキル基が挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシエチルまたはヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のヒドロキシアルコキシアルキル(例えば、ヒドロキシエトキシエチルまたはヒドロキシエトキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のアルコキシアルキル(例えば、エトキシエチルまたはエトキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のアルコキシアルコキシアルキル(例えば、メトキシエトキシエチルまたはメトキシエトキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない)またはC1−24のハロアルキル(例えば、フルオロメチルまたはクロロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない)であり得;そしてXは、ハライド(例えば、クロリド、ブロミドまたはヨージドが挙げられるが、これらに限定されない)、C1−24のアルキルスルフェート、C6−36のアリールスルフェート、または他の薬学的に受容可能な塩である。
【0026】
本発明の目的の4級アンモニウムエステル組成物は、以下のスキーム1:
【0027】
【化7】

に図示される反応スキームに従って合成され得る。
【0028】
本発明の4級アンモニウムエステルは、上記スキーム1に従って製造された。本発明の4級アンモニウムエステル組成物の合成および生物致死性研究は、以下に続く実施例の中でさらにより詳細に記載される。
【実施例】
【0029】
(実施例I:4級アンモニウムエステルの合成)
(A.アミノエステルの合成)
100ml中のクロロホルム中、ヒドロキシアミン(0.0932モル)を、酸塩化物(0.0810モル)の冷たい(すなわち、0℃の)クロロホルム溶液(300ml)に滴下した。この添加が完了したあと、その冷浴を取り除き、そしてこの反応物を窒素下で終夜攪拌した。400ml飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、その混合物を45分間攪拌した。この有機層を200mlの重炭酸ナトリウム/塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過しそして真空中で濃縮した。この化合物を、さらなる精製なしで、4級アンモニウムエステルの合成に用いた。
【0030】
(B.4級アンモニウムエステルの合成)
5グラムの上記アミノエステルおよび適切な重量の4級化剤を50mlの酢酸エチル中に溶解した。この溶液を窒素下で終夜攪拌した。この沈殿を濾過し、真空オーブン中、40℃で終夜乾燥した。この塩を酢酸エチルから再結晶した。
【0031】
本発明の組成物の特定の実施例を以下の表1に示す。
【0032】
【表1−1】

【0033】
【表1−2】

【0034】
【表1−3】

【0035】
【表1−4】

【0036】
【表1−5】

【0037】
【表1−6】

(実施例II:殺細菌性および殺真菌性の研究手順)
本発明の4級アンモニウムエステルを含有する溶液の殺微生物効力を研究するために、ホウ酸塩緩衝生理食塩水(BBS)を用いて試験を実施した。コンタクトレンズの化学的消毒のための様々な組成物の各々の抗微生物効力を評価した。微生物の負荷接種物を、Pseudomonas aeruginosa(ATCC 9027)、Staphylococcus aureus(ATCC 6538)、Serratia marcescens(ATCC 13880)、Candida albicans(ATCC 10231)、およびFusarium solani(ATCC 36031)を用いて調製した。その試験生物を適切な寒天上で培養し、その培養物を無菌のDPBST(Dulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水に0.05重量/体積パーセントのポリソルベート80を加えたもの)または適切な希釈液を用いて収集し、適切な容器に移した。芽胞懸濁液を無菌のガラスウールを通して濾過し、菌糸のフラグメントを除去した。必要に応じて、Serratia marcescensを1.2mμフィルターを通して濾過し、上記懸濁液を清澄にした。収集後、この懸濁液を5000×g以下で、20〜25℃で、最長30分間、遠心分離した。この上清を捨て、DPBST中または他の適切な希釈液中に再び懸濁させた。この懸濁液を2度目の遠心分離にかけ、そしてDPBST中または他の適切な希釈液中に再び懸濁させた。すべての負荷細菌細胞および負荷真菌細胞の懸濁液を、DPBSTまたは他の適切な希釈液を用いて、1×10cfu/ml〜1×10cfu/mlに調整した。この適切な細胞濃度は、例えば、例えば490nmの予め選択される波長で分光光度計を用いて、この懸濁液の濁度を測定することにより見積られ得る。1種の負荷生物あたり最少10mlの試験溶液を含有する1本のチューブを調製した。試験されるべき溶液の各々のチューブを、1×10cfu/ml〜1×10cfu/mlの最終カウントを提供するのに十分な、上記試験生物の懸濁液を用いて接種し、上記接種物の体積は、上記試料体積の1パーセントを超えなかった。この接種物の分散を、上記試料を少なくとも15秒間ボルッテックスにかけることにより保証した。接種された生成物を10℃〜25℃で保存した。所定時間の消毒後の生育可能なカウントの決定のために、1.0mlの量のアリコートをこの接種された生成物から取り出した。上記細菌に対する時点は、提案されたレジメンの浸漬時間が4時間である場合には、例えば、1、2、3および4時間であった。酵母および糸状菌を16時間(上記レジメン時間の4倍)のさらなる時点で試験した。上記懸濁液を、少なくとも5秒間ボルッテックスにかけることにより、よく混合した。指定の時間間隔で取り出された1.0mlのアリコートを、実証済みの中和媒体中で適切なシリーズの10倍ずつの希釈に供した。この懸濁液を激しく混合し、適切な時間の間インキュベートし、室温で上記微生物因子の中和を可能にした。細菌に対してはトリプチカーゼソイ(trypticase soy)寒天培地(TSA)の、糸状菌および酵母に対してはサブローデキストロース寒天(SDA)の3連のプレートの調製により、適切な希釈液の中で、生物の生育可能なカウントを決定した。細菌の回復プレートを30〜35℃で、2〜4日間インキュベートした。上記酵母を20〜30℃で、2〜4日間インキュベートし、そして糸状菌回復プレートを20〜25℃で、3〜7日間インキュベートした。コロニー形成単位の平均数を、数えられるプレート上で決定した。数えられるプレートとは、コロニーが10または10の希釈プレートに対してのみ観察される場合を除いて、細菌および酵母に対しては1プレートあたり30〜300cfuのプレートをいい、糸状菌に対しては1プレートあたり8〜80cfuのプレートをいう。その細菌の減少を、次いで指定の時点で計算した。試験生物の増殖のために使用される媒体の適切さを実証し、そして初期の芽胞濃度の見積りを提供するために、上記に列挙された生物を懸濁するために用いられるのと同一の体積の希釈液を用いて、上記接種物の同一のアリコートを適切な希釈液、例えばDPBSTに分散させることにより、接種物対照を調製した。実証された中和ブロス中での接種および適切な時間の間のインキュベートの後で、この接種物対照は1.0×10cfu/ml〜1.0×10cfu/mlの間に存在していなければならない。
【0038】
「製品の消毒のための静置での手順」(このあと、「静置での試験」)と呼ばれる性能要件を基礎として、上記溶液を評価した。この性能要件は、上市前の届出書(510(k))コンタクトレンズケア製品のためのガイダンスドキュメント(1997年5月1日付け、米国食品医薬品局眼科用デバイス課(U.S.Food and Drug Administration,Division of Ophthalmic Devices)により作成)の下でのコンタクトレンズケア製品のための消毒性効力試験(Disinfection Efficacy Testing)を基礎としている。この性能要件は、こすり洗いの手順を含んでいない。この性能要件は、コンタクトレンズの消毒に対する現状のISO標準(1995年改訂)に匹敵する。この静置での試験は、代表的な範囲の微生物の標準の接種物を、消毒用製品に負荷し、この製品が使用され得る期間に匹敵する所定の時間間隔で、生存率の低下の程度を確立する。所与の消毒期間(潜在的な最短の推奨消毒時間に対応する)に対する第1の判断基準は、1mLあたりの回収された細菌の数が、所与の消毒時間内に、3.0対数以上の平均値だけ減少していなければならないということである。1mLあたりの回収された糸状菌および酵母の数は、最短の推奨消毒時間内に、1.0対数以上の平均値だけ減少していなければならず、しかもその数は最短推奨消毒時間の4倍の時点で、増加していてはならない。
【0039】
本発明の殺微生物研究の結果を以下の表2に示す。
【0040】
【表2−1】

【0041】
【表2−2】

(実施例III:殺アメーバ性(Amoebacidal)研究手順)
(A.Acanthamoeba polyphaga:)
Acanthamoeba polyphagaの株Rosを本研究で用いた。栄養型(trophozoite)を、1リットルの脱イオン水あたり20.0gのBiosateTM(Becton Dickinson,United Kingdom)、5.0gのグルコース、0.3gのKHPO、10μgのビタミンB12および15.0mgのL−メチオニンから構成される無菌のブロス培地中で、30℃で維持した。121℃で12分間加圧滅菌する前に、1MのNaOHでそのpHを6.5〜6.6に調整した。使用前に、ペニシリンおよびストレプトマイシンを150μ/mlの最終濃度になるように添加した。
【0042】
50mMのMgClを補充された無菌の培地を用いて、栄養型培養物から嚢を調製した。この被嚢培地に、約2×10/mlの、培養物のための栄養型を、30℃、振とうインキュベーター(100rpm)内で、7日間接種した。血球計算板計数を用いて細胞数を数えた。顕微鏡検査は、90%より多い成熟した嚢を示し、その嚢を14日以内に試験するために、4℃で保存した。
【0043】
(B.負荷試験プロトコル:)
R.HughesおよびS.Kilvington,Comparison of Hydrogen Peroxide Contact Lens Disinfection Systems and Solutions Against Acanthamoeba Polyphaga,Antimicrob.Agents Chemother.45:2038〜2043,(2001)に記載される通りの、負荷試験アッセイプロトコルを以下に詳細に示す。生存生物の数を、L.J.ReedおよびH.Muench,A Simple Method for Estimating Fifty Percent Endpoints,Am.J.Hyg.,27:493〜497,(1938)により記載されるように計算した。そのデータの統計学的分析は、一元分散分析(ANOVA)によった。
【0044】
(Acanthamoebaコンタクトレンズ消毒負荷試験アッセイ)
1.50mlポリプロピレン遠心分離管を、15mlの消毒溶液、すなわちReNueTM02(Bausch & Lomb、Rochester、New York)を用いて、終夜熟成した。その管を、次いで水切りし、上記消毒溶液を捨て、その管を試験のために10mlの新しい消毒溶液で再び満たした。
【0045】
2.8列が「A」〜「H」とラベルされた平底の96ウェルのマイクロタイタープレートに、180μlの中和剤、すなわちビグアニドベースの消毒液用の4分の1の強度のRinger液中の0.1パーセントのTweenTM80(Baker,Inc.,Phillipsburg,NJ)をA列およびH列という外側のウェルへ添加した。180μlの4分の1の強度のRinger溶液を、次いでB列〜G列という残りの内側のウェルに添加した。
【0046】
3.アメーバを、4分の1の強度のRinger溶液中、5×10/mlに調整し、100μl(5×10)を10mlの消毒剤(5×10/ml)または生理食塩水対照に添加した。
【0047】
4.0時間、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間および24時間の時間間隔において:
i.管を5秒間ボルテックスにかけ;
ii.4連で、20μl(1000細胞)を取り出し、所与の時点に対する中和剤ウェル(すなわち、A列、横9〜12列)に添加し、マイクロタイタープレートを横切って(すなわち、D列、横9〜12列へ)、10倍連続希釈物を調製し;そして
iii.各時点について繰返した。
【0048】
5.3mlパステット(pastette)からの生きているE.coliの一滴(約5×10の細菌/mlの25μl)を次いで各ウェルに添加した。
【0049】
6.上記プレートを次いで32℃で7日までインキュベートした。
【0050】
7.上記プレートを7日間毎日、栄養型複製または脱嚢および栄養型複製のいずれかで、上記ウェル中のアメーバの増殖について検査した。
【0051】
8.生存する生物の数を、次いで各時間間隔においてReedおよびMuenchの計算により評価し、以下の表3に示した。
【0052】
【表3−1】

【0053】
【表3−2】

(実施例IV:組成物1および組成物14のナトリウムフルオレセイン透過性アッセイ)
2×10個の細胞を含有する0.5mlの細胞懸濁液を、Millicell HA 13mmインサート(Millipore,Bedford,Massachusetts)中に接種した。このインサートを、1ウェルあたり0.5mlの最少必須培地(MEM)(BioWhittaker,Walkersville,Maryland)を含有する24ウェルのプレートに移した。これらのプレートを次いで37℃で5パーセントの二酸化炭素とともに6日間インキュベートした。新しい培地を2日目〜6日目まで毎日上記ウェルに添加した。6日目に、上記インサートを上記透過性アッセイに使用した。
【0054】
各インサートを、1mlのHanks平衡塩溶液(HBSS)で10mlの注射器を針なしで用いて、やさしく3回すすいだ。0.5mlの量の試験溶液を、新しい24ウェルのプレート中に置かれていた別のインサートに添加した。各試験溶液に対して3連のインサートを使用した。このインサートを、100パーセントに加湿されたチャンバ内で、37℃で20分間、インキュベートした。各シリーズの3連の試料を連続して扱い、処理および引き続く工程の正確なタイミングを可能にした。インキュベーションの後、各インサートを、個別に、1mlのHBSSで10mlの注射器を針なしで用いて、やさしく5回すすぎ、そして次いで、各ウェルに0.5mlのHBSSを含有する新しい24ウェルプレート中に置いた。各インサートに、0.5mlのフルオレセインナトリウム(HBSS中、100mlあたり3mg)を添加した。このインサートを、室温で20分間インキュベートし、上記ウェルから取り出し、そしてフルオレセインナトリウムの量を、蛍光計を用いて540nm励起および590nm発光で測定した。3連の負の対照(HBSS溶液)および水中のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)からなる正の対照を、これらの評価の間に含めた。組成物番号1および14に対するフルオレセインナトリウム透過性アッセイの結果を以下の表4にまとめる。
【0055】
【表4】

一つ以上の本発明の4級アンモニウムエステル組成物は、コンタクトレンズを消毒するためのコンタクトレンズケア溶液中の抗微生物剤として有用である。抗微生物剤の消毒量は、用いられた処方物中の微生物の集団を少なくとも部分的に減少させる量である。好ましくは、消毒量は、代表的な細菌の微生物負荷を、4時間のうちに3対数桁減少させ、代表的な真菌の微生物負荷を、1時間のうちに1対数桁減少させる量である。最も好ましくは、消毒量は、推奨される浸漬時間の間、そのレジメン(FDA化学物質消毒効力試験(FDA Chemical Disinfection Efficacy Test)−1985年7月、コンタクトレンズ溶液ガイドライン案)に従って使用される場合に、コンタクトレンズ上の微生物負荷を除去する量である。代表的には、そのような薬剤は、約0.00001〜約0.5パーセント重量/体積(w/v)、そしてより好ましくは、約0.00003〜約0.5パーセントw/v(25ppmは、0.0025% w/vに等しい)の範囲の濃度で存在する。
【0056】
本発明の溶液は、同様に、洗浄効力および快適性の観点から公知の利点を有する少なくとも一つの界面活性剤を含有し得る。例えば、本明細書中にその全体が参考として援用される米国特許第4,820,352を参照のこと。この界面活性剤は、上記レンズケア溶液に可溶であるべきであって、濁った状態になるべきではなく、そして眼の組織に対して非刺激性であるべきである。
【0057】
同様に、一つ以上の水に可溶な粘度剤を本発明の溶液中に含有することが望まれ得る。粘度剤の刺激を軽減する効果に起因して、粘度剤は、眼に対する衝撃を和らげるレンズ表面上の膜によって、レンズ着用者の快適性を増す傾向がある。適切な粘度剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースポリマー、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、ポビドン、ポリ(ビニルアルコール)などが挙げられるが、これらに限定されない。粘度剤は、約0.01〜約4.0重量パーセント以下の範囲にわたる量またはそれ未満で用いられ得る。
【0058】
本発明の溶液は、同様に、当業者に公知の緩衝系のような緩衝系を含有し得る。好ましい実施形態においては、この緩衝系は、少なくとも一つのリン酸緩衝剤および、少なくとも一つのホウ酸緩衝剤を含有し、この緩衝系は、そのpHを1単位変化させるには、0.01〜0.5mM、好ましくは0.03〜0.45mMの0.01NのHClおよび0.01〜0.3mM、好ましくは0.025〜0.25mMの0.01NのNaOHという緩衝能力を有する。緩衝能力は、緩衝剤のみの溶液により測定される。
【0059】
本発明の溶液は、同様に、塩化ナトリウムの0.9パーセント溶液または2.5%のグリセリン溶液に等しい正常な涙液流体の浸透圧に近付けるための一つ以上の張度剤を含有し得る。適切な張度剤の例としては、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、デキストロース、マンノース、グリセリン、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。これらの薬剤は、代表的には、個々に約0.01〜約2.5パーセントw/v、そして好ましくは約0.2〜約1.5パーセントw/vの範囲にわたる量で用いられる。好ましくは、この張度剤は、200〜450mOsm/kgの、そしてより好ましくは約220mOsm/kgと約350mOsm/kgとの間の、そして最も好ましくは約220mOsm/kgと約320mOsm/kgとの間の最終の浸透値を提供する量で用いられる。
【0060】
本発明のレンズケア溶液のpHは、好ましくは、5.0〜8.0の範囲内に、より好ましくは約6.0〜8.0の範囲内に、最も好ましくは約6.5〜7.8の範囲内に維持される。
【0061】
上記のように、コンタクトレンズは、そのレンズを本発明の水溶液に接触させることにより消毒される。これはレンズを本発明の溶液に単に浸漬することにより達成され得るが、数滴の上記溶液が最初にそのレンズの各側に置かれ、そしてそのレンズを一定の時間の間、例えば約20秒間こすり洗いする場合に、より優れた洗浄が達成され得る。そのレンズは、次いでその後数ミリリットルの本発明の溶液に浸漬され得る。好ましくは、このレンズは少なくとも4時間、上記溶液に浸漬したままにされる。そのレンズは、次いでその溶液から取り出され、同一の溶液または異なる溶液、例えば、保存された等張生理食塩水ですすがれ、そして次いでその眼に再び装着される。
【0062】
一つ以上の本発明の4級アンモニウムエステル組成物を含有する溶液は、眼科学の分野で通例のものとしての使用のために特定のコンタクトレンズケア製品に処方され得る。そのような製品としては、湿潤溶液、浸漬溶液、洗浄溶液およびコンディショニング溶液、ならびに多目的型のレンズケア溶液および眼中での洗浄液および眼中でのコンディショニング溶液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
本発明は、本発明の特定の実施例に関して記載されてきたが、その一方でこれは例示にすぎない。従って、多くの代替物、改変およびバリエーションは、上記の記載に照らせば当業者に明確であり、それゆえに、添付される特許請求の範囲の精神および範囲に入るようなすべてのそのような代替物、改変およびバリエーションを含むことが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

を含む組成物であって、ここで、Rは、飽和または不飽和の、C1−24のアルキル、C1−24のアルケン、C6−24のアリール、C6−36のアリールアルキル、C1−24のアルキルオキシ、C6−24のハロアリールまたはC1−24のハロアルキルであり;Rは、C1−24のアルキレン、C6−36のアルキレンアリーレン、C6−24のアリーレン、C6−36のアリールオキシまたはC1−24のアルキルオキシであり;該R基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、C1−24のアルキル、C6−36のアリールアルキル、C1−24のヒドロキシアルキル、C1−24のアルコキシアルキル、C1−24のアルコキシアルコキシアルキルおよびC1−24のハロアルキルからなる群から選択され;そしてXは、ハライド、C1−24のアルキルスルフェート、C6−36のアリールスルフェート、または薬学的に受容可能な塩である、組成物。
【請求項2】
N−ミリストイルオキシプロピル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−カプリロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−カプロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ラウロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−パルミトイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ステアロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−エチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N−ブチル−N,N−ジメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−ペンチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−ヘキシルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N−デシル−N,N−ジメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシエチル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムヨージドおよびN−ミリストイルオキシエトキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージドの組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物を製造する方法であって、該方法が:
アミノエステルを適切な重量の4級化剤と合わせる工程
を包含する、方法。
【請求項4】
溶液であって、該溶液が:
脱イオン水中に、少なくとも一つの4級アンモニウムエステル
を含む、溶液。
【請求項5】
前記溶液が、緩衝系を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項6】
前記溶液が、一つ以上の張度剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項7】
前記溶液が、一つ以上の界面活性剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項8】
前記溶液が、一つ以上の粘度剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項9】
請求項4に記載の溶液を使用する方法であって、該方法が:
コンタクトレンズの表面を前記溶液に、該コンタクトレンズ上の微生物負荷を除去するために適切な時間の間、接触させる工程
を包含する、方法。
【請求項10】
請求項4に記載の溶液を製造する方法であって、該方法が:
有効な消毒量の4級アンモニウムエステルを水に添加する工程
を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非刺激性の抗微生物量の以下の化合物:
【化1】

および水を含む組成物であって、ここで、Rは、飽和または不飽和の、C1−24のアルキル、C1−24のアルケン、C6−24のアリール、C6−36のアリールアルキル、C1−24のアルキルオキシ、C6−24のハロアリールまたはC1−24のハロアルキルであり;Rは、C1−24のアルキレン、C6−36のアルキレンアリーレン、C6−24のアリーレン、C6−36のアリールオキシまたはC1−24のアルキルオキシであり;該R基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、C1−24のアルキル、C6−36のアリールアルキル、C1−24のヒドロキシアルキル、C1−24のアルコキシアルキル、C1−24のアルコキシアルコキシアルキルおよびC1−24のハロアルキルからなる群から選択され;そしてXは、ハライド、C1−24のアルキルスルフェート、C6−36のアリールスルフェート、または薬学的に受容可能な塩であり、ここで該量は、約0.00001〜約0.5パーセント重量/体積の範囲にある、組成物。
【請求項2】
N−ミリストイルオキシプロピル−N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N−カプリロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−カプロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ラウロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−パルミトイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ステアロイルオキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−エチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−プロピルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N−ブチル−N,N−ジメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−ペンチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N,N−ジメチル−N−ヘキシルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシプロピル−N−デシル−N,N−ジメチルアンモニウムヨージド、N−ミリストイルオキシエチル−N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムヨージドおよびN−ミリストイルオキシエトキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムヨージドの組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組成物を製造する方法であって、該方法が:
アミノエステルを適切な重量の4級化剤と合わせる工程
を包含する、方法。
【請求項4】
溶液であって、該溶液が:
脱イオン水中に、少なくとも一つの4級アンモニウムエステル
を含む、溶液。
【請求項5】
前記溶液が、緩衝系を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項6】
前記溶液が、一つ以上の張度剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項7】
前記溶液が、一つ以上の界面活性剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項8】
前記溶液が、一つ以上の粘度剤を含有する、請求項4に記載の溶液。
【請求項9】
請求項4に記載の溶液を使用する方法であって、該方法が:
コンタクトレンズの表面を前記溶液に、該コンタクトレンズ上の微生物負荷を除去するために適切な時間の間、接触させる工程
を包含する、方法。
【請求項10】
請求項4に記載の溶液を製造する方法であって、該方法が:
有効な消毒量の4級アンモニウムエステルを水に添加する工程
を包含する、方法。

【公表番号】特表2006−516968(P2006−516968A)
【公表日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508303(P2005−508303)
【出願日】平成15年12月3日(2003.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/038434
【国際公開番号】WO2004/054630
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(391008847)ボシュ・アンド・ロム・インコーポレイテッド (137)
【氏名又は名称原語表記】BAUSCH & LOMB INCORPORATED
【Fターム(参考)】