説明

消耗品管理サーバと方法およびプログラム

【課題】単一の重量計・単一のRFIDリーダで薬品それぞれの重量増減をリアルタイムに検出し、ひいては薬品の消費量を検出することができる消耗品管理サーバと方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】複数の薬品の容器4は、RFIDタグが付けられている。このRFIDには、薬品の容器を識別するためのタグIDが付加してある。RFIDリーダ付き薬品台2は、RFIDタグが貼り付けてある薬品の容器4より、それぞれのタグIDを一定時間毎に読み出し、これを管理サーバ3に送信する。重量計1は、複数の薬品の容器4の総重量を一定時間毎に読み出し、これを管理サーバ3に送信する。管理サーバ3は、RFIDリーダ付き薬品台2より薬品の容器4のタグIDを、重量計1より薬品の容器4の総重量を受信し、薬品を管理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の重量計・単一のRFIDリーダでRFIDが付属する容器に入れられた薬品などを管理する消耗品管理サーバと方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
薬品・香辛料・放射線物質など消耗品が入った容器(ビン・箱)の管理を考える。ここでは薬品を例に説明する。
薬品の種類は多岐にわたり、またその中には有害なものもあるため、薬品の持ち出し・持ち込みは厳しく管理する必要がある。近年、薬品の容器にRFIDタグを貼り付け、RFIDリーダで読み込ませることで、薬剤の管理を行う方法が開発されている。
しかしながら従来の技術では、ビンや箱など容器単位の管理はできるものの、その中に入っている薬品・錠剤をいくら使ったか、という管理ができなかった。使用量の管理をするためには使用者が手動で使用量を記録する必要があるため、多大な手間がかかっていた。
【0003】
薬品の使用量を容器単位で管理を目指したものもあるが(特許文献1と特許文献2を参照)、容器ごとに当該対象物の残量を検知する装置を取り付けなければならず、また残量が閾値以上か・以下かを検知するのみで、薬品について、いつ・どれを・どれくらい使用したのかを検出する手段がなかった。
【特許文献1】特開2003−223581号公報
【特許文献2】特開2005−112499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、単一の重量計・単一のRFIDリーダで薬品それぞれの重量増減をリアルタイムに検出し、ひいては薬品の消費量を検出することができる消耗品管理サーバと方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバであって、前記消耗品管理サーバが、前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信する重量情報受信手段と、前回受信した重量情報である前回重量情報を保持する前回重量情報保持手段と、前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出する重量変化量検出手段と、前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信するタグID情報受信手段と、前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持する前回タグID情報保持手段と、前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出するタグID差分検出手段と、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する管理手段と、を有することを特徴とする消耗品管理サーバである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の消耗品管理サーバにおいて、前記消耗品管理サーバが、更に、タグIDと消耗品名称情報を関連付けて記憶してある消耗品名称情報−タグID対応記憶手段を有し、前記管理手段が、更に、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶する時に、差分消耗品名称情報を前記タグID差分情報に基づいて前記消耗品名称情報−タグID対応記憶手段より検索し、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報と前記検索した差分消耗品名称情報を関連させて記憶する、ことを特徴とする消耗品管理サーバである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の消耗品管理サーバにおいて、前記消耗品管理サーバが、更に、時刻を検出する時刻検出手段を有しており、前記管理手段が、更に、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶する時に、前記時刻検出手段より時刻を検出し、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報と検出した時刻を関連して記憶することを特徴とする消耗品管理サーバである。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2から請求項3に記載の消耗品管理サーバにおいて、薬品管理記憶手段が、更に、前記薬品管理記憶手段に記憶されている重量変化量情報が予め決められた値より大きい場合には警告を発する規定使用量違反検知手段を有することを特徴とする消耗品管理サーバである。
【0009】
請求項5に記載の発明は、タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバにおいて用いられる方法であって、前記方法が、前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信し、前回受信した重量情報である前回重量情報を保持し、前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出し、前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信し、前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持し、前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出し、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する、ことを特徴とする消耗品管理方法である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバに用いられるコンピュータに、前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信する手順と、前回受信した重量情報である前回重量情報を保持する手順と、前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出する手順と、前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信する手順と、前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持する手順と、前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出する手順と、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する手順と、を実行させるための消耗品管理サーバプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、利用者が何らかの手動による処理を行うことなく、タグの読み取り状態と重さから、薬剤容器の持出時間・返却時間・使用量に関する情報を自動的に検出でき記録できる効果を奏する。
また、本発明によれば、単一のRFIDリーダ・単一の質量計で複数薬品の使用量の管理ができる効果を奏する。また、本発明によれば、上記データを用い、消耗品が規定量以上使われた場合、警告を発する効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の一実施形態による消耗品管理サーバの構成を示す概略図とその機能ブロック図である。
以下、同一の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0013】
まず図1上段を用いて、構成を示す概略図を示す。
複数の薬品の容器4は、RFIDタグが付けられている。このRFIDタグには、薬品の容器を識別するためのタグIDが付加してあり、後述のRFIDリーダ付き薬品台2により、それぞれのタグIDが読み取られる。例えば、薬品の容器4の底にRFIDタグが貼り付けられている。底に貼り付けられているのは、後述のRFIDリーダ付き薬品台2より、RFIDタグが読み出し易くするためである。
RFIDリーダ付き薬品台2は、RFIDタグが貼り付けてある薬品の容器4より、それぞれのタグIDを一定時間毎に読み出し、これを管理サーバ3に送信する。例えば、RFIDリーダ付き薬品台2は、複数の薬品を乗せるための台である。
重量計1は、複数の薬品の容器4の総重量を一定時間毎に読み出し、これを管理サーバ3に送信する。重量計1は、例えば、複数の薬品の容器4と、複数の薬品の容器4を載せているRFIDリーダ付き薬品台2の合計の重さを測定する。また、重量計1は、薬品の容器の重さと、容器に入れられている内容物薬品の重さをまとめて測定している。
管理サーバ3は、RFIDリーダ付き薬品台2より薬品の容器4のタグIDを受信し、また、重量計1より薬品の容器4の総重量を受信し、受信したタグIDと総重量により薬品を管理する。管理サーバ3は、例えば、RFIDリーダ付き薬品台2から送信されてくる情報と、重量計1より送信されてくる情報を、交互に受信する。
なお、ここで説明する対象となる薬品は、容器に入っている薬品であり、重量として測定するので、薬品自体は固体や液体でも構わない。
【0014】
次に、図1下段を用いて、それぞれの機能ブロック図を説明する。RFIDリーダ付き薬品台2はRFIDタグ読み取り機能部21を有する。RFIDタグ読み取り機能部21は、薬品台の上に置かれた薬品の容器の付けられているRFIDタグの情報を定期的に読み取り、そのタグID情報をタグ増減検出機能部31へ送信する。
重量計1は質量検出機能部11を有する。質量検出機能部11は、薬品台の上に置かれた薬品の総重量を定期的に測定し、その総重量情報を質量増減検出機能部32へ送信する。
【0015】
管理サーバ3はタグ増減検出機能部31、質量増減検出機能部32と薬品増減記録機能部33を有し、また、薬品―タグ対応付けDB1と薬品管理DB2を有する。
タグ増減検出機能部31は、RFIDタグ読み取り機能部21からの情報を受信し、前回のタグIDの情報との違いを検出し、その情報を薬品増減記録機能部33へ送信する。
タグ増減検出機能部31においてなされる、前回の情報との違いの検出は、タグ増減検出機能部31が前回の情報を記憶するためのメモリである記憶部を有し、記憶部に記憶された前回のタグIDの情報とRFIDタグ読み取り機能部21から受信したタグIDの情報を比較し、違いがある場合には、記憶部に記憶された前回のタグIDの情報とRFIDタグ読み取り機能部21から受信したタグIDの情報で違いがあるIDを検出することによりなされる。
【0016】
質量増減検出機能部32は、質量検出機能部11からの情報を受信し、前回の情報との違い(質量の増減)を検出し、その情報を薬品増減記録機能部33へ送信する。
質量増減検出機能部32においてなされる、前回の情報との違いの検出は、質量増減検出機能部32が前回の情報を記憶するためのメモリである記憶部を有し、記憶部に記憶された前回の重量の情報と、質量検出機能部11から受信した重量の情報を比較し、違いがある場合には、質量検出機能部11から受信した重量と記憶部に記憶された前回の重量の差を計算することによりなされる。
【0017】
薬品増減記録機能部33は、タグ増減検出機能部31、質量増減検出機能部32から受信した情報を元に、薬品−タグ対応付けDB1の情報を参照し、どの薬品がいつ使われ、どれだけ使われたかを計算し、薬品管理DB2に記録する。
薬品―タグ対応付けDB1は、薬品と、その薬品の容器に貼り付けられたタグIDを対応付けする情報を登録するDBである。薬品管理DB2は、どの薬品がいつ、どれだけ使用されたのかを記憶するDBである。
また、管理サーバ3はリアルタイムクロック(RTC)などの現在時刻を得ることが可能な現在時刻検出機能部を有している。
【0018】
次に、図2に薬品―タグ対応付けDB1と薬品管理DB2の内容の一例を示す。図2上段には、薬品―タグ対応付けDB1の一例としての内容が示してある。薬品―タグ対応付けDB1は、薬品名とそれに取り付けられたタグIDを対応付けするDBである。タグIDと薬品名が一対一に対応した対応テーブルとして、薬品―タグ対応付けDB1に保存されている。
また、タグIDは一意であり、タグIDを指定することにより、指定したタグIDに対応する薬品名が一意に選択される。このタグIDと薬品名との対応は、予め人の手により入力され、薬品―タグ対応付けDB1に登録されるものである。
【0019】
図2下段には、薬品管理DB2の一例としての内容が示してある。薬品管理DB2には、薬品名、持ち出し時間、持ち出し量、返却時間、返却量と使用量が保存されている。
これらは、後述するように、薬品増減記録機能部3により、自動的に追加更新されていくものである。
【0020】
次に、図3を用いて全体の処理を説明する。まず、薬品とその薬品容器に付けられたRFIDタグのIDの対応付けを、あらかじめ薬品−タグ対応付けDB1に登録しておく(ステップS301)。次に、RFIDタグ読み取り機能部21は、RFIDリーダ付き薬品台2より、薬品台の上に置かれているRFIDタグの全てを定期的にスキャンし、その情報をタグ増減検出機能部31へ送信する(ステップS302)。質量検出機能部11は、薬品台の上に置かれている薬品容器の重さの合計を重量計1より定期的にスキャンし、その情報を質量増減検出機能部32へ送信する(ステップS303)。
タグ増減検出機能部31による判定でRFIDタグに変化がなく、かつ、質量増減検出機能部32による判定で質量に増減がなかった場合には、ステップS302とS303を繰り返す。
次に、タグ増減検出機能部31は、RFIDタグに変化があった場合、その変化したタグIDの差分情報(変化の種別および変化したRFIDタグのタグID情報)を薬品増減記録機能部33へ送信する(ステップS304)。これは、前回受信したタグID情報を前回タグID情報として記憶部に記憶しておき、受信したタグID情報と比較し、異なる場合(変化があった場合)には、異なるタグIDであるタグID差分情報を検出し、タグID差分情報を送信することにより行われる。
同様に、質量増減検出機能部32は、質量に増減があった場合、その質量増減情報(増減した質量の値の情報)を薬品増減記録機能部33へ送信する(ステップS305)。これは、前回受信した重量情報を保持しておき、受信した重量情報との差を取ることにより重量の増減情報である重量増減情報を検出し、重量増減情報を送信することにより行われる。
薬品増減記録機能部33は、タグ増減検出機能部31より受信したRFIDタグの差分情報と、質量増減検出機能部32より受信した質量の増減情報により、薬品名を薬品−タグ対応付けDB1より取得し(ステップS305)、「薬品名」「増減種別」「重さ」「測定時間」を薬品管理DB2に登録する(ステップS307)。ここで登録する「増減種別」には、後に説明するように、「持出」、「返却」と「新規」の3種類がある。また、測定時間は、現在時刻検出機能より得られた現在の時間である。
【0021】
次に、タグ増減検出機能部31において成される処理を、図4のフローチャートを用いて説明する。まず、RFIDタグ読み取り機能部21から情報を受信する(ステップS41)。次に、RFIDタグ読み取り機能部21から受信した新しい情報とメモリに記録してある情報とを比較し、違いがあるかどうかの判定を行う(ステップS42)。ここで、メモリに記憶してある情報とは、後述のステップS44にてメモリに記録される情報である。
ステップS42の判定結果において、違いがないと判定した場合には、再度RFIDタグ読み取り機能部21から情報を受信する(ステップS41)。
ステップS42の判定結果において、違いがあると判定した場合には、差分と増減種別を薬品増減記録機能部33へ送信する(ステップS43)。例えば、メモリに記憶されている情報が何もなく、RFIDタグ読み取り機能部21から受信した新しい情報がID001である場合には、差分が「ID001」で、種別が「増加」となる。
次に、RFIDタグ読み取り機能部21から受信した新しい情報をメモリに記録する(ステップS44)。その後、再度RFIDタグ読み取り機能部21から情報を受信する(ステップS41)。
【0022】
次に、質量増減検出機能部32において成される処理を、図5のフローチャートを用いて説明する。まず、質量検出機能部11から情報を受信する(ステップS51)。次に、質量検出機能部11から受信した新しい情報とメモリに記録してある情報と異なるかどうかの判定を行う(ステップS52)。ここで、メモリに記憶してある情報とは、後述のステップS54にてメモリに記録される情報である。
ステップS52の判定結果において、異なっていない場合には、再度質量検出機能部11から情報を受信する(ステップS51)。
ステップS52の判定結果において、違いがある場合には、差分と増減種別を薬品増減記録機能部33へ送信する(ステップS53)。例えば、メモリに記憶されている情報が103.5gであり、RFIDタグ読み取り機能部21から受信した新しい情報が185.5gである場合には、差分が「82.0g」で、種別が「増加」となる。一方、例えば、メモリに記憶されている情報が180.5gであり、RFIDタグ読み取り機能部21から受信した新しい情報が160.5gである場合には、差分が「20.0g」で、種別が「減少」となる。
次に、質量検出機能部11から受信した新しい情報をメモリに記録する(ステップS54)。その後、再度質量検出機能部11から情報を受信する(ステップS51)。
【0023】
次に、薬品増減記録機能部33において成される処理を、図6のフローチャートを用いて説明する。まず、タグ増減検出機能部31から送信される情報を受信する(ステップS901)。次に、薬品−タグ対応付けDB1から対応する薬品名を取得する(ステップS902)。次に、質量検出機能部32から送信される情報を受信する(ステップS903)。次に、タグの増減種別が「増加」か「減少」かの判定が行われる(ステップS904)。
【0024】
ステップS904の判定結果が、「増加」である場合には、次に、薬品管理DB2より、当該薬品に対応する行が存在するかどうかの判定が行われる(ステップS906)。存在する場合には、「返却」と決定し、薬品管理DB2の空欄に返却情報として追記する(ステップS907)。その後、ステップS901から繰り返す。
例えば、図7に示す薬品管理DB2の内容のように、L71に、薬品名「○○製薬」についてのデータ行があるとする。L71においては、返却時間、返却量と使用量の欄については空白である。
ここで、増減種別が「増加」で、薬品名が「○○製薬」で、かつ薬品名に対応する行の返却時間・返却量・使用量が空欄の場合、返却時間、返却量に情報を書き込み、なおかつ「持ち出し量―返却量」を計算して使用量へ登録する。その結果、L72のように、返却時間、返却量と使用量の欄が登録される。
【0025】
またステップS906による判定結果が、存在しない場合には、「新規」と決定し、薬品管理DB2に新たな行を追加して返却情報のみを記録する(ステップS908)。その後、ステップS901から繰り返す。
例えば、図8上段のようにL81しか登録されていない状態において、増減種別が「増加」で、かつ薬品名に対応する行が存在しない場合、返却時間、返却量に情報を書き込み、それ以外の欄を「―」として登録する。その結果、図8下段のように、先に登録されていたL81に加えて、L82が新規に登録される。
このように、薬品管理DB2には、薬品の使用についての履歴が追加され登録されていくものである。
【0026】
ステップS904の判定結果が、「減少」である場合には、「持出」と決定し、薬品管理DB2に、新たな行を追加して持出情報のみを記録する。その後、ステップS901から繰り返す。
例えば、図9上段のようにL91しか登録されていない状態において、増減種別が「減少」の場合、新たな行を作成し、薬品名、持ち出し時間、持ち出し量へ登録する。その結果、例えば図9下段のように先に登録されていたL91に加えて、L92が新規に登録される。このように、薬品管理DB2には、薬品の使用についての履歴が登録されていくものである。
以上のように、薬品管理DB2に、どの薬剤が、いつ、どれだけ使われたかが登録されることにより、薬品の管理が可能となる。
【0027】
次に、薬品管理DB2に登録されているデータにより、いつ、どの薬剤が、どれだけ使われたかを検出するのみならず、「規定の使用量を超過したときに警告を出す。」、「一定時間を経過しても薬品台に戻らない薬剤があった場合、警告を出す。」、「そろそろ在庫が切れそうな薬剤があった場合、警告を出す。」などのサービスを提供することが可能である。
なお、警告を発する方法としては、例えば、管理サーバ3が、管理サーバ3に関連するスピーカより音を出す、または、管理サーバ3に関連する表示装置に警告文を表示するなどが可能である。
【0028】
例えば、薬品管理DB1の「使用量」の欄を検索し、予め決められた規定以上の使用量があった場合、警告を発する。これにより、「規定の使用量を超過したときに警告を出す。」ことが可能となる。
例えば、規定使用量が「一回につき10以内」と予め決められている場合において、図10の上段L101に示すように、使用量が9の場合には、警告は発せられない。しかし、図10の上段L102に示すように、使用量が20の場合には、警告を発する。
このように、「規定の使用量を超過したときに警告を出す。」ことにより、薬品の異常に多い使用を管理することが可能となる。
【0029】
また例えば、薬品管理DB1の「返却時間」「返却量」が空白であり、かつ、持ち出し時間が予め決められている規定の時間を越えている場合、警告を発する。これにより、「一定時間を経過しても薬品台に戻らない薬剤があった場合、警告を出す。」ことが可能となる。
例えば、現在時間が2005/10/15 10:00:00であり、規定持出時間が「24時間」と予め決められている場合において、図10の中段L103に示すように、
返却時間が空白でないものについては、警告は発せられない。しかし、図10の中段L104に示すように、「返却時間」「返却量」が空白であり、かつ、持ち出し時間から現在時刻までの時間が、予め決められた規定持出時間である「24時間」を越えている場合、警告を発する。
このように、「一定時間を経過しても薬品台に戻らない薬剤があった場合、警告を出す。」ことにより、薬品の持ち出し時間の管理をすることが可能となる。
【0030】
また例えば、薬品管理DB1の「返却量」の欄を検索し、返却量が予め決められた規定値以下の場合、警告を発する。これにより、そろそろ在庫が切れそうな薬剤があった場合、警告を出す。」ことが可能となる。
例えば、薬品の現在量が10以下のとき「在庫切れ」と判定される場合において、図10の下段L105に示すように、返却量が10より大きいものについては、警告は発せられない。しかし、図10の下段L106に示すように、返却量が10以下のものについては、警告を発する。
このように、在庫切れになることを先に検知し警告を発することにより、警告を見た人が、在庫が無くなる前に薬品を補充し、在庫切れをしないようにすることが可能となる。
【0031】
以上説明したように、薬品管理DB2に登録されているデータを用いることにより、消耗品が規定量以上使われた場合、警告を発することが可能となる。また、一定時間を経過しても棚に戻らない消耗品の容器があった場合、警告を発することが可能となる。また、在庫が切れそうな消耗品があった場合、警告を発することが可能となる。
【0032】
なお、今までの説明においては、薬品を1つずつ持ち出し、返却するものとして説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、複数薬品を並行して持ち出し・返却する場合においても適応可能である。この場合の処理を以下に説明する。
例えば、薬品Aと薬品Bが薬品台に置かれているものとして説明する。ここで、薬品Aを持ち出し、次に薬品Bを持ち出すとする。すると、薬品管理DB1には、薬品Aについての持ち出し時間と持ち出し量が登録され、返却時間、返却量、使用量が空白として新規に登録される。また、薬品Bについての持ち出し時間と持ち出し量が登録され、返却時間、返却量、使用量が空白として新規に登録される。
ここで、薬品Aが返却され、次に、薬品Bが返却されたものとすると、薬品Aの返却時間、返却量、使用量欄に返却時の情報が登録され、次に、薬品Bの返却時間、返却量、使用量欄に返却時の情報が登録される。このように、薬品AとBを同時に持ち出す場合においても、何ら問題なく管理を行うことが可能である。
また逆に、薬品Aを持ち出し、次に薬品Bを持ち出し、後に、薬品Bが返却され、次に、薬品Aが返却された場合についても、同様である。
【0033】
以上の処理は、薬品Aと薬品Bを、ほぼ同時に持ち出し、または、ほぼ同時に返却を行った場合においても、持ち出しまたは返却が同時でないことを識別できる程度に、重量計1およびRFリーダ付き薬品台2の測定間隔を短くして測定しておくことにより可能となる。
このように測定時間を短くすることにより、ほぼ同時の場合においても、本発明の方法により薬品の管理が可能である。また、薬品AとBの2つの場合でなく、複数薬品を並行して持ち出し・返却する場合においても、同様に適応可能である。
【0034】
なお、上記実施形態においては重さを測定してきたが、体積を測定することにより、同様の管理を行ってもよい。この場合、体積を測定する方法として、3次元画像処理による体積を測定する方法や、容器に入った液体の場合には液面を測定することや、光を当てた反射光により、体積を測定してもよい。
【0035】
なお、薬品管理DB1または薬品−タグ対応付けDB2は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや等の読み出しのみが可能な記憶媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。または、これらを用いたデータベース装置である。
なお、図1におけるタグ増減検出機能部31、質量増減検出機能部32または薬品増減記録機能部33は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、またはメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、その機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、この管理サーバ3には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも図示せず)が接続されるものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
【0036】
以上のように、本発明においては、薬品容器に付けられたRFIDにより、RFIDリーダ機能のある薬品台、および薬品台に載せられている複数の薬品容器の総量を計測する機器(ここでは重量計を例に説明する)として、単一の重量計・単一のRFIDリーダで測定し、変化のあった薬品の容器の重量増減とRFIDの変化をリアルタイムに検出したので、各々の薬品の消費量を検出することができる。
なお、説明において薬品の管理について説明をおこなってきたが、本発明は薬品管理についてのみ適応されるものではなく、RFIDが付けられた容器に入るものであれば薬品以外の固体でも液体でも任意に管理可能である。
【0037】
なお、説明において、例えば図7から図9のように、薬品管理DB2には薬品名が登録されており、薬品名について対象となる薬品があるか否かの検索を薬品管理DB2より行ったが(例えば図6のステップS906)、薬品管理DB2に薬品名だけではなく薬品名に対応するタグID情報を登録しておき、登録してあるタグID情報について対象となるタグID情報があるか否かの検索を薬品管理DB2より行うようにしてもよい。
【0038】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、薬品などを管理する消耗品管理システムに用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の一実施形態による消耗品管理サーバの概要を示す概略図とその機能構成を示す機能ブロック図である。
【図2】薬品−タグ対応付けDB1に記録されている内容と薬品管理DB2に記録されている内容の例を示すDB記録内容図である。
【図3】図1の消耗品管理サーバにおいてなされる全体の処理の流れを示す流れ図である。
【図4】タグ増減検出機能部31においてなされるフローチャート図である。
【図5】質量増減検出機能部32においてなされるフローチャート図である。
【図6】薬品増減記録機能部33においてなされるフローチャート図である。
【図7】薬品管理DB2における「返却」の例を示すDB記録内容図である。
【図8】薬品管理DB2における「新規」の例を示すDB記録内容図である。
【図9】薬品管理DB2における「持出」の例を示すDB記録内容図である。
【図10】薬品管理DB2における3つのサービスの例を示すDB記録内容図である。
【符号の説明】
【0041】
1 重量計
2 RFIDリーダ付き薬品台
3 管理サーバ
4 薬品の容器
11 質量検出機能部
21 RFIDタグ読み取り機能部
31 タグ増減検出機能部
32 質量増減検出機能部
33 薬品増減記録機能部
DB1 薬品−タグ対応付けDB
DB2 薬品管理DB


【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバであって、
前記消耗品管理サーバが、
前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信する重量情報受信手段と、
前回受信した重量情報である前回重量情報を保持する前回重量情報保持手段と、
前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出する重量変化量検出手段と、
前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信するタグID情報受信手段と、
前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持する前回タグID情報保持手段と、
前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出するタグID差分検出手段と、
前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する管理手段と、
を有することを特徴とする消耗品管理サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の消耗品管理サーバにおいて、
前記消耗品管理サーバが、更に、
タグIDと消耗品名称情報を関連付けて記憶してある消耗品名称情報−タグID対応記憶手段を有し、
前記管理手段が、更に、
前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶する時に、差分消耗品名称情報を前記タグID差分情報に基づいて前記消耗品名称情報−タグID対応記憶手段より検索し、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報と前記検索した差分消耗品名称情報を関連させて記憶する、
ことを特徴とする消耗品管理サーバ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の消耗品管理サーバにおいて、
前記消耗品管理サーバが、更に、
時刻を検出する時刻検出手段を有しており、
前記管理手段が、更に、
前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶する時に、前記時刻検出手段より時刻を検出し、前記タグID差分情報と前記重量変化量情報と検出した時刻を関連して記憶することを特徴とする消耗品管理サーバ。
【請求項4】
請求項2から請求項3に記載の消耗品管理サーバにおいて、
薬品管理記憶手段が、更に、
前記薬品管理記憶手段に記憶されている重量変化量情報が予め決められた値より大きい場合には警告を発する規定使用量違反検知手段を有することを特徴とする消耗品管理サーバ。
【請求項5】
タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバにおいて用いられる方法であって、
前記方法が、
前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信し、
前回受信した重量情報である前回重量情報を保持し、
前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出し、
前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信し、
前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持し、
前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出し、
前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する、
ことを特徴とする消耗品管理方法。
【請求項6】
タグIDの情報を有するRFIDタグが付属する複数の容器各々に入れられた消耗品を管理する消耗品管理サーバに用いられるコンピュータに、
前記複数の容器の重量の合計である重量情報を受信する手順と、
前回受信した重量情報である前回重量情報を保持する手順と、
前記重量情報と前回重量情報の差を取ることにより重量の変化量である重量変化量情報を検出する手順と、
前記複数の容器に関するRFIDタグの情報であるタグID情報を受信する手順と、
前回受信したタグID情報である前回タグID情報を保持する手順と、
前記タグID情報と前回タグID情報に違いがあるかを判定し、違いがある場合には前記タグID情報に含まれるタグIDと前回タグID情報に含まれるタグIDで異なるタグIDであるタグID差分情報を検出する手順と、
前記タグID差分情報と前記重量変化量情報を関連させて記憶することにより前記タグID差分情報に関連する消耗品の重量変化量を管理する手順と、
を実行させるための消耗品管理サーバプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−249910(P2007−249910A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76286(P2006−76286)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(397065480)エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社 (187)
【Fターム(参考)】