説明

消費物

開示するのは、加糖消費物ならびに、特定の甘味料および式(1)


で表され、式中RがOHおよびOCHからなる群から選択され、RがHおよびOHからなる群から選択され、RおよびRが少なくとも1つのOH基を含み、RがOHである場合には、RがHであり(トリロバチン)、RがOCHである場合には、RがOHである(HDG)化合物を、その甘味検出しきい値付近の濃度において含む、前記加糖消費物の製造方法である。甘味料には、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンまたはこれらの組み合わせが含まれる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示するのは、加糖(sweetened)消費物(consumable)ならびに、前記の加糖消費物を形成する方法であって、特定の甘味料および式(1)で表される化合物(トリロバチン(trilobatin)およびHDGを含む)をその甘味検出しきい値付近の濃度において含んで甘味を増強する、前記方法である。
【背景技術】
【0002】
トリロバチンは、タスイカ(Chinese sweet tea)という植物であるLithocarpus polystachyus中に存在する天然のジヒドロカルコンタイプの甘味料であり、この葉は、何世紀にもわたり中国の南部において甜茶として消費されている。これはまた、リンゴ種のMalus trilobata中に発見され、この源から、名称トリロバチンは由来した。トリロバチンは、先ず1942年に名称p−フロリジンの下で化学的に合成された。名称プルニン(prunin) ジヒドロカルコンの下で、US 3,087,821には、甘味料としてのこの使用が1963年に記載された。
【0003】
トリロバチンは、その甘味検出レベルより十分高い濃度において、甘味料として用いられている。
【0004】
ヘスペレチン(Hesperetin) ジヒドロカルコン4’’−ベータ−D−グルコシド(HDG)は、一般的に、オレンジとして知られているCitrus sinensis L.(ミカン科)の果皮/果実および一般的にタンジェリンまたはマンダリンとして知られているC. reticulata中に存在するヘスペリジンから合成することができる、既知の甘味料である。HDGの合成を、ヘスペリジンジヒドロカルコンを生成する希アルカリでヘスペリジンを還元し、続いて、酸により、または溶解したかもしくは固定された酵素により部分的に加水分解して、HDGを生成することにより、行ってもよく、これは、例えば米国特許第3,429,873号に記載されているとおりである。
この場合も、HDGは、その甘味検出レベルより十分高い濃度において用いられる。
【0005】
本出願人は、驚くべきことに、式(1)で表される化合物(トリロバチンおよびHDG)が甘味増強剤であり、糖類スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖(フルクトースおよびグルコースを含む)、キシロース、アラビノースおよびラムノース、糖アルコール類であるエリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトール、ならびに人工甘味料AceK、アスパルテーム、ネオテーム(neotame)、スクラロースおよびサッカリンを含む特定の甘味料と組み合わせて、これらの甘味検出しきい値付近の低濃度において用いて、前記甘味料の甘味を増強することができることを、見出した。
【発明の概要】
【0006】
提供するのは以下である:
(1)以下のもの
a)天然の、および人工の甘味料を含み、
ここで前記甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンまたはこれらの組み合わせを含み、
ここで前記少なくとも1種の甘味料または甘味料の組み合わせが、2%のスクロースに対して少なくとも等甘味度(isosweet)の濃度における甘味検出しきい値より高い濃度において存在する、
少なくとも0.0001%(w/w)の少なくとも1種の甘味料、ならびに
【0007】
b)式(1)
【化1】

式中、Rは、OHおよびOCHからなる群から選択され、Rは、HおよびOHからなる群から選択され、RおよびRは、少なくとも1つのOH基を含み、またRがOHである場合にはRはHであり(トリロバチン)、RがOCHである場合にはRはOHである(HDG)、
で表される化合物、
を含み、
【0008】
ここで、式(1)で表される化合物は、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、
ここで、消費物中のトリロバチン濃度は、3〜200ppmであり、酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品である消費物においては10ppm〜750ppmであり、
ここで、消費物中のHDG濃度は、0.3〜20ppmであり、酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品である消費物においては1ppm〜75ppmである、
加糖消費物。
【0009】
トリロバチンまたはHDGを、本明細書中に記載するように、種々の消費物において変化し得るこれらのそれぞれの甘味しきい値付近の濃度において、用いる。
あるいはまた、トリロバチンは、消費物中3〜150もしくは3〜100ppm、または酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品である消費物において用いる際には、10ppm〜750ppm、10ppm〜700ppm、10ppm〜650ppm、10ppm〜600ppm、10ppm〜550ppmまたは10〜500ppmの濃度において、存在してもよい。
【0010】
あるいはまた、6.5より低いpHを有する消費物において、トリロバチン濃度は、6〜300ppmであってもよい;5より低い、または4より低いpHを有する消費物において、トリロバチン濃度は、6〜400ppmであってもよい。
あるいはまた、HDGは、消費物中0.3〜15もしくは0.3〜10ppm、または酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品である消費物において用いる際には、1ppm〜75ppm、1ppm〜70ppm、1ppm〜65ppm、1ppm〜60ppm、1ppm〜55ppmまたは1〜50ppmの濃度において、存在してもよい。
あるいはまた、6.5より低いpHを有する消費物において、HDG濃度は、0.6〜30ppmであってもよい;5より低い、または4より低いpHを有する消費物において、HDG濃度は、0.6〜40ppmであってもよい。
【0011】
(2)式(1)で表される化合物がトリロバチンである、項目1の加糖消費物。
(3)式(1)で表される化合物がヘスペリチン(hesperitin) ジヒドロカルコン4’’−ベータ−D−グルコシド(HDG)である、項目1の加糖消費物。
【0012】
(4)水をベースとする消費物であり、飲料、水、水性の飲料、増強された/わずかに加糖された水飲料、ミネラルウォーター、炭酸飲料、非炭酸飲料、炭酸水、炭酸なしの水(still water)、清涼飲料、ノンアルコール飲料、アルコール飲料、ビール、ワイン、蒸留酒、果実飲料、ジュース、果実ジュース、野菜ジュース、ブイヨン飲料、コーヒー、茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ハーブティー、ココア(水をベースとする)、茶をベースとする飲料、コーヒーをベースとする飲料、ココアをベースとする飲料、シロップ、冷凍果実、冷凍果実ジュース、水をベースとするアイス、果実アイス、シャーベット、ドレッシング、サラダドレッシング、ソース、スープおよび飲料用植物材料(全体の、もしくは粉末タイプの)、または再構成のためのインスタント粉末(コーヒー豆、挽いたコーヒー、インスタントコーヒー、カカオ豆、ココア粉末、インスタントココア、茶葉、インスタントティー粉末)が含まれるがこれらには限定されない、本明細書中に記載した、項目(1)〜(3)中に含まれる、加糖消費物。
【0013】
(5)固体の乾燥消費物であり、シリアル、焼いた食品、ビスケット、パン、朝食用シリアル、シリアルバー、エネルギーバー/栄養バー(nutritional bar)、グラノーラ、ケーキ、クッキー、クラッカー、ドーナツ、マフィン、ペーストリー、菓子類、チューインガム、チョコレート、フォンダン、ハードキャンディー、マシュマロ、圧縮錠剤、スナック食品、植物材料(全体の、または粉末タイプの)、および再構成のためのインスタント粉末が含まれるがこれらには限定されない、本明細書中に記載した、項目(1)〜(3)中に含まれる、加糖消費物。
【0014】
(6)本明細書中に記載した酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品であり、牛乳、液体乳、発酵乳製品、発酵した、および非発酵の酪農ベース飲料、乳酸菌で発酵された発酵乳製品、ヨーグルト、ヨーグルトをベースとする飲料、スムージー、ラッシー、ミルクセーキ、酸乳、酸乳飲料、バターミルク、ケフィア、牛乳をベースとする飲料、牛乳/ジュース配合物、醗酵乳飲料、アイスクリーム、デザート、サワークリーム、ディップ、サラダドレッシング、カッテージチーズ、フローズンヨーグルト、豆乳、ライスミルク、大豆飲物およびライスミルク飲料が含まれるがこれらには限定されない、本明細書中に記載した、項目(1)〜(3)中に含まれる、加糖消費物。
【0015】
(7)ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイド(mogroside)V、スウィングル(swingle)抽出物、ルブソシド(rubusoside)、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシド(rebaudioside)AおよびNHDCまたはこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる甘味増強剤を含み、ここで各々のさらなる甘味増強剤が、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、これがナリンギンジヒドロカルコンについて2〜60ppmであり、ルブソシドについて1.4ppm〜56ppmであり、キイチゴ抽出物について2ppm〜80ppmであり、モグロサイドVについて0.4ppm〜12.5ppmであり、スウィングル抽出物について2〜60ppmであり、ステビオサイドについて2〜60ppmであり、レバウジオシドAについて1〜30ppmであり、NHDCについて1〜5ppmである、本明細書中に記載した、項目(1)〜(6)のいずれか中に含まれる、加糖消費物。
【0016】
(8)2〜60ppmのナリンギンジヒドロカルコンを含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
(9)1.4ppm〜56ppmのルブソシドまたは2ppm〜80ppmのキイチゴ抽出物を含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
(10)0.4ppm〜12.5ppmのモグロサイドVまたは2〜60ppmのスウィングル抽出物を含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
【0017】
(11)1〜30ppmのレバウジオシドAを含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
(12)2〜60ppmのステビオサイドを含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
(13)1〜5ppmのネオヘスペリジン(neohesperidin)ジヒドロカルコンを含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
【0018】
(14)ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAおよびネオヘスペリジンジヒドロカルコンからなる群から選択されるさらなる甘味増強剤の2種を含む、本明細書中に記載した、項目(7)中に含まれる、加糖消費物。
【0019】
(15)さらなる甘味増強剤の1種が、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAからなる群から選択され、他のさらなる甘味増強剤が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンギンジヒドロカルコンからなる群から選択される、本明細書中に記載した、項目(14)中に含まれる、加糖消費物。
【0020】
(16)飲料である、本明細書中に記載した、加糖消費物。
(17)さらにネオヘスペリジンジヒドロカルコンを1〜2ppmの濃度において含む、本明細書中に記載した、項目(16)中に含まれる飲料。
【0021】
(18)消費物に甘味を付与する方法であって:
a)天然の、および人工の甘味料を含み、
ここで前記甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンまたはこれらの組み合わせを含み、
ここで前記少なくとも1種の甘味料または甘味料の組み合わせが、2%のスクロースに対して少なくとも等甘味度の濃度における甘味検出しきい値より高い濃度において存在する、
少なくとも0.0001%の少なくとも1種の甘味料、ならびに
【0022】
b)式(I)
【化2】

式中、Rは、OHおよびOCHからなる群から選択され、Rは、HおよびOHからなる群から選択され、RおよびRは、少なくとも1つのOH基を含み、またRがOHである場合にはRはHであり(トリロバチン)、RがOCHである場合にはRはOHである(HDG)、
で表される化合物、
【0023】
(ここで、式(1)で表される化合物は、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、
ここで、トリロバチンについて、消費物中の前記濃度は、3〜200ppmであり、酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品である消費物においては10ppm〜750ppmであり、
ここで、HDGについて、消費物中の前記濃度は、0.3〜20ppmであり、酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品である消費物においては1ppm〜75ppmである)
を、消費物に混合する、前記方法。
【0024】
あるいはまた、トリロバチンは、消費物中3〜150もしくは3〜100ppm、または酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品である消費物において用いる際には、10ppm〜750ppm、10ppm〜700ppm、10ppm〜650ppm、10ppm〜600ppm、10ppm〜550ppmまたは10〜500ppmの濃度において、存在してもよい。
あるいはまた、6.5より低いpHを有する消費物において、トリロバチンは、6〜300ppmの濃度において存在してもよい;5より低い、または4より低いpHを有する消費物において、トリロバチンは、6〜400ppmの濃度において存在してもよい。
【0025】
あるいはまた、HDGは、消費物中0.3〜15もしくは0.3〜10ppm、または酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品である消費物において用いる際には、1ppm〜75ppm、1ppm〜70ppm、1ppm〜65ppm、1ppm〜60ppm、1ppm〜55ppmまたは1〜50ppmの濃度において、存在してもよい。
あるいはまた、6.5より低いpHを有する消費物において、HDGは、0.6〜30ppmの濃度において存在してもよい;5より低い、または4より低いpHを有する消費物において、HDGは、0.6〜40ppmの濃度において存在してもよい。
【0026】
(19)さらに、ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAおよびNHDCからなる群から選択される少なくとも1種の増強剤の混合物を含み、
ここで各々の増強剤が、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、これがナリンギンジヒドロカルコンについて2〜60ppmであり、ルブソシドについて1.4ppm〜56ppmであり、キイチゴ抽出物について2ppm〜80ppmであり、モグロサイドVについて0.4ppm〜12.5ppmであり、スウィングル抽出物について2〜60ppmであり、ステビオサイドについて2〜60ppmであり、レバウジオシドAについて1〜30ppmであり、NHDCについて1〜5ppmである、本明細書中に記載した、項目(18)中に含まれる方法。
【0027】
本明細書中に記載した、項目(1)〜(19)のいずれか中に含まれる消費物および方法は、すべての源からの式(1)で表される化合物を含んでいてもよく、これを、化学的に合成するか、または植物源を含むすべての源から抽出してもよい。
トリロバチンについて、前記植物源には、Lithocarpus polystachyus(タスイカ)の部分または葉およびリンゴ種の部分または葉が含まれるがこれらには限定されず、前記リンゴ種には、Malus trilobataが含まれる。
【0028】
HDGは、合成されるか、またはこの前駆体であるヘスペリジンの反応から誘導されてもよく、ヘスペリジンは、合成されるか、または植物源を含むすべての源から抽出してもよい。前記植物源には、一般的にオレンジとして知られているCitrus sinensis L.(ミカン科)および一般的にタンジェリンまたはマンダリンとして知られているC. reticulataの果皮および果実が含まれる。
【0029】
詳細な説明
トリロバチン、即ち1−[4−(ベータ−D−グルコピラノシルオキシ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノンはまた、p−フロリジン、フロレチン(Phloretin)4’−グルコシド、フロレチン(Phloretine)−4’−グルコシド、プルニンジヒドロカルコンまたはp−フロリジンとして知られている。この化学的構造を、以下に示す。
【化3】

【0030】
HDGまたはヘスペリチンジヒドロカルコン4’’−ベータ−D−グルコシドはまた、1−[4−(−D−グルコピラノシルオキシ)−2,6−ジヒドロキシフェニル]−3−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1−プロパノンとして知られている。HDGの化学的構造を、以下に示す。
【化4】

【0031】
トリロバチン、HDGおよび任意の増強剤についての甘味検出しきい値を、本出願人により決定した。
甘味検出しきい値は、種々の個人においていくぶん変化する。例えば、数人の個人は、0.4%の極めて低い濃度においてスクロースの甘味を検出することができ、他の個人は少なくとも0.7%、または少なくとも1%、またはより高濃度を必要とする。すべての例を、少なくとも0.5%またはこれより低いスクロースを検出することができる甘味に対して感受性のパネリストを用いて行った。したがって、平均的な消費者によって検出可能な濃度は、より高い。
【0032】
甘味増強剤の甘味検出しきい値付近の濃度は、本明細書中では、甘味感受性のパネリストにより検出して、1%までのスクロースまたはこれより低い、例えば0.8%まで、0.75%まで、0.7%までまたは0.5%までのスクロースの、スクロースに対する等強度を有する濃度として定義される。
その甘味検出しきい値付近のトリロバチンの有用な濃度の例は、消費物中3〜200ppm、または3〜150ppm、または3〜100ppmである。
【0033】
さらなる例は、限定せずに、酪農製品、酪農由来製品もしくは酪農代替製品である消費物中10ppm〜750ppmのトリロバチン濃度、または6.5より低いpHを有する消費物中6〜300ppmの濃度、または5より低い、もしくは4より低いpHを有する消費物中6〜400ppmの濃度である。
その甘味検出しきい値付近のHDGの有用な濃度の例は、消費物中0.3〜20ppm、または0.3〜15ppm、または0.3〜10ppmである。
【0034】
さらなる例は、限定せずに、酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品である消費物中1ppm〜75ppmのHDG濃度、または6.5より低いpHを有する消費物中0.6〜30ppmの濃度、または5より低い、もしくは4より低いpHを有する消費物中0.6〜40ppmの濃度である。
式(1)で表される化合物(トリロバチン、HDGまたはこれらの混合物)を、水をベースとする消費物、固体の乾燥消費物ならびに酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品を含むがこれらには限定されない種々の消費物において、用いることができる。
【0035】
水をベースとする消費物には、飲料、水、水性の飲料、増強された/わずかに加糖された水飲料、ミネラルウォーター、炭酸飲料、非炭酸飲料、炭酸水、炭酸なしの水、清涼飲料、ノンアルコール飲料、アルコール飲料、ビール、ワイン、蒸留酒、果実飲料、ジュース、果実ジュース、野菜ジュース、ブイヨン飲料、コーヒー、茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ハーブティー、ココア(水をベースとする)、茶をベースとする飲料、コーヒーをベースとする飲料、ココアをベースとする飲料、シロップ、冷凍果実、冷凍果実ジュース、水をベースとするアイス、果実アイス、シャーベット、ドレッシング、サラダドレッシング、ソース、スープおよび飲料用植物材料(全体の、もしくは粉末タイプの)、または再構成のためのインスタント粉末(コーヒー豆、挽いたコーヒー、インスタントコーヒー、カカオ豆、ココア粉末、インスタントココア、茶葉、インスタントティー粉末)が含まれるが、これらには限定されない。
【0036】
固体の乾燥消費物には、シリアル、焼いた食品、ビスケット、パン、朝食用シリアル、シリアルバー、エネルギーバー/栄養バー、グラノーラ、ケーキ、クッキー、クラッカー、ドーナツ、マフィン、ペーストリー、菓子類、チューインガム、チョコレート、フォンダン、ハードキャンディー、マシュマロ、圧縮錠剤、スナック食品、および植物材料(全体の、または粉末タイプの)、および前述の再構成のためのインスタント粉末が含まれるが、これらには限定されない。
【0037】
特定の製品において、甘味検出しきい値は、例えば酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品においては比較的高い。酪農由来食品は、ミルクまたは乳タンパク質を含有する。酪農代替製品は、(哺乳類のミルクに由来する酪農タンパク質の代わりに)植物源(大豆、米など)からのタンパク質を含有する。
【0038】
酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品には、牛乳、液体乳、発酵乳製品、発酵した、および非発酵の酪農ベース飲料、乳酸菌で発酵された発酵乳製品、ヨーグルト、ヨーグルトをベースとする飲料、スムージー、ラッシー、ミルクセーキ、酸乳、酸乳飲料、バターミルク、ケフィア、牛乳をベースとする飲料、牛乳/ジュース配合物、醗酵乳飲料、アイスクリーム、デザート、サワークリーム、ディップ、サラダドレッシング、カッテージチーズ、フローズンヨーグルト、豆乳、ライスミルク、大豆飲物およびライスミルク飲料が含まれるが、これらには限定されない。
ミルクには、全乳、スキムミルク、コンデンスミルク、エバミルク、脂肪を減らしたミルク(reduced fat milk)、低脂肪乳(low fat milk)、脱脂乳および乳固形分(これは脂肪含有であるかまたは無脂肪であってもよい)が含まれるが、これらには限定されない。
【0039】
酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品について、トリロバチンの甘味検出しきい値付近の有用な濃度は、約10〜500ppmまたはこれ以上であり、550ppm、600ppm、650ppm、700ppmまたは750ppmまでであってもよい;HDGの甘味検出しきい値付近の有用な濃度は、約1〜50ppmまたはこれ以上であり、55ppm、60ppm、65ppm、70ppmまたは75ppmまでであってもよい。
【0040】
種々のトリロバチン濃度の等強度を、水中で決定し、100ppmのトリロバチンは0.5%のスクロースと等甘味度であり、200ppmは1.0%のスクロースと等甘味度であった。
同様に、種々のHDG濃度の等強度を、水中で決定し、10ppmのHDGは0.5%のスクロースと等甘味度であり、15ppmのHDGは約0.75%のスクロースと等甘味度であり、20ppmは1.0%のスクロースと等甘味度であった。
【0041】
式(1)で表される化合物(トリロバチン、HDGまたはこれらの混合物)を、改善された甘味増強効果のために、これらの甘味検出しきい値付近の低濃度において、任意の増強剤と混ぜ合わせてもよい。これらの任意の増強剤および数種のこれらの同一の概念を表すものおよび植物源を、以下で一層詳細に議論する。
【0042】
1種または2種以上の任意の増強剤には、ナリンギンジヒドロカルコン、キイチゴ抽出物、ルブソシド、スウィングル抽出物、モグロサイドV、レバウジオシドA、ステビオサイドおよびネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NHDC)が含まれるが、これらには限定されない。
【0043】
これらの任意の増強剤についての有用な濃度を、以下に示す。
2〜60ppmのナリンギンジヒドロカルコン
1.4〜42のルブソシドまたは2〜60ppmのキイチゴ抽出物
0.4〜12.5ppmのモグロサイドVまたは2ppm〜60ppmのスウィングル抽出物
1〜30ppmのレバウジオシドA
2〜100ppm、例えば2〜60ppmまたは2〜100ppmのステビオサイド
1〜5ppmのNHDC。
【0044】
キイチゴ抽出物についての他の有用な濃度は、例えば2ppm〜80ppmまでであってもよい。ルブソシドについての他の有用な濃度は、2ppm〜56ppmまでであってもよい。
【0045】
任意の増強剤のスクロース溶液に対する決定された等強度を、以下に示す。
45ppmのナリンギンジヒドロカルコンは、0.5%のスクロースと等甘味度である。
60ppmのナリンギンジヒドロカルコンは、1.25%のスクロースと等甘味度である。
42ppmのルブソシドを含む60ppmのキイチゴ抽出物は、1%のスクロースの強度よりも低い。
12.48ppmのモグロサイドVを含む60ppmのスウィングル抽出物は、0.75%のスクロースと等甘味度である。
20ppmのレバウジオシドAは、0.75%のスクロースと等甘味度である。
30ppmのステビオサイドは、0.5%のスクロースと等甘味度である。
40ppmのステビオサイドは、0.75%のスクロースと等甘味度である。
2ppmのNHDCは、0.5%のスクロースと等甘味度である。
【0046】
ナリンギンジヒドロカルコン(NarDHC)はまた、1−[4−[[2−O−(6−デオキシ−アルファ−L−マンノピラノシル)−ベータ−D−グルコピラノシル]オキシ]−2,6−ジヒドロキシフェニル]−3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノンとして知られている。
キイチゴ抽出物は、植物Rubus suavissimusの抽出物であり、ルブソシドを含有する。ルブソシドを、当該抽出物から精製し、精製した形態で用いることができ、または当該抽出物を、用いることができる。Rubus suavissimus抽出物の代替として、十分な量のルブソシドを含有する他の植物抽出物を、用いてもよい。
【0047】
スウィングル抽出物はまた、スウィングル、Lo HanまたはLo Han Guoとして知られている。スウィングル抽出物はモグロサイドを含有し、植物Siraitia grosvenoriiから抽出することができる。Siraitia grosvenorii(同義語Momordica grosvenorii、Thladiantha grosvenorii);また阿羅漢果実または長寿果実;または簡体字中国語でルオハングオ(luo han guo)もしくはルオハンクオ(luo han kuo)と呼ばれている。当該植物は、モグロサイド、即ち新鮮な果実の果肉の約1%を構成する一群のトリテルペン配糖体類を含有する。抽出により、80%のモグロサイドを含有する粉末の形態の抽出物を、得ることができる。モグロサイド抽出物は、モグロサイドV(主要活性)、モグロサイドIIa、モグロサイドIIb、モグロサイドIII、モグロサイドIV、11−オキソモグロサイドVおよびシアメノシド(siamenoside)Iを含む。
【0048】
スウィングル抽出物の代替として、十分な量のモグロサイドVを含有する他の植物抽出物を、用いてもよい。
レバウジオシドAは、Stevia rebaudianaの抽出物中に見出されるテルペノイド配糖体である。
ステビオサイドは、テルペノイド配糖体であり、ステビアとしても知られており、植物Stevia rebaudianaの抽出物中に見出される。
【0049】
ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NHDC、E959)は、スクロースおよび/またはステビオサイドと相乗的に作用することが知られているが、スクロースについてのその甘味検出しきい値におけるその有効性について、真正さが疑われている。例えば、Kroeze et al., Chem. Senses 2000, 25, 555-559には、NHDCがその甘味検出しきい値にてスクロース甘味を増強しないことが、開示されている。
【0050】
甘味料には、糖類スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖(フルクトースおよびグルコースを含む)、キシロース、アラビノースおよびラムノース、糖アルコール類エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトールおよびイノシトール、ならびに人工甘味料AceK、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロースおよびサッカリン、ならびにこれらの甘味料の組み合わせが含まれるが、これらには限定されない。
【0051】
テーブルシュガーまたはサッカロースとしても知られているスクロースは、グルコースとフルクトースとの二糖類である。この組織的名称は、アルファ−D−グルコピラノシル−(1→2)−ベータ−D−フルクトフラノースである。
フルクトースおよびグルコースは、単糖類糖である。
【0052】
ブドウ糖果糖液糖(HFCS)は、グルコースとフルクトースとの混合物からなる。通常のコーンシロップと同様に、高フルクトースの種類は、コーンスターチから酵素を用いて作製される。コーンシロップ(グルコース)のフルクトース含量は、酵素的加工により増大する。ブドウ糖果糖液糖の一般的な商業的階級には、42%、55%または90%のフルクトース含量が含まれる。55%の階級が、清涼飲料において最も一般的に用いられる。
【0053】
エリスリトール(組織的名称1,2,3,4−ブタンテトロール)は、天然のノンカロリーの(non-caloric)糖アルコールである。
AceK、アスパルテーム、ネオテームおよびスクラロースは、人工甘味料である。
アセサルフェームカリウム(AceK)は、6−メチル−1,2,3−オキアチアジン−4(3H)−1 2,2−ジオキシド、N−スルホニルアミドのカリウム塩である。これはまた、アセサルフェームKもしくはAceKとして、またはSunett(登録商標)およびSweet One(登録商標)を含む種々の商標名の下で知られている。欧州連合において、これはまた、E番号(付加的コード)ではE950として知られている。
【0054】
アスパルテームは、アスパルチル−フェニルアラニン−1−メチルエステルについての名称であって、ジペプチドである。これは、Equal(登録商標)およびCanderel(登録商標)を含む種々の商標名の下で知られている。欧州連合において、これはまた、E番号(付加的コード)ではE951として知られている。
スクラロースは、1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクト−フラノシル4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシドについての名称であり、これはクロロデオキシ糖である。これはまた、商品名Splenda(登録商標)により知られている。欧州連合において、これはまた、E番号(付加的コード)ではE955として知られている。
【0055】
天然甘味料を、純粋であるかまたは部分的に精製された形態で用いてもよく、化学的に合成するか、発酵を含むバイオ技術プロセスにより生成するか、または天然源、特に植物源(限定されずに、果実、サトウキビ、サトウダイコンを含む)、例えば、限定されずにコーンシロップ、ブドウ糖果糖液糖、蜂蜜、糖蜜、メープルシロップ、果実濃縮物ならびに他のシロップおよび抽出物を含む植物抽出物もしくはシロップから単離することができる。
【0056】
甘味料、即ち式(1)で表される化合物(トリロバチン、HDGおよびこれらの混合物)ならびに任意の増強剤を、精製されたかもしくは単離された形態で、または甘味強化活性成分を含む植物抽出物の形態で、用いることができる。例えば、トリロバチンを、化学的に、または、Lithocarpus polystachusおよびリンゴ属種が含まれるがこれらには限定されない植物源から、合成することができ;HDGを、合成するか、または天然源から単離するか、または当該分野において十分知られており、上記で記載したように、植物源から抽出されるヘスペリジンから合成される半天然形態において、用いることができる。
【0057】
式(1)で表される化合物(トリロバチン、HDGおよびこれらの混合物)を、単独で、または本明細書中に記載する1種もしくは2種以上の任意の増強剤と組み合わせて、0.0001〜15%(wt/wt)またはより多くの少なくとも1種の甘味料を含む組成物中で、以下に示す濃度において用いることができる。甘味料についての有用な濃度は、単独で少なくとも2%、例えば2%〜15%または5%〜12%のスクロース溶液に等強度を提供する濃度である。
例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖(HFCS)またはエリスリトールの有用な濃度は、約5%〜約12%であってもよい。
【0058】
式(1)で表される化合物(トリロバチン、HDGおよびこれらの混合物)ならびに任意の増強剤を、消費物に加えて、前記消費物中に存在するかまたはこのような消費物に加えられた、本明細書中に記載した甘味料の甘味を増強することができる。
【0059】
消費物には、すべての食品が含まれ、これには、シリアル製品、米製品、タピオカ製品、サゴ製品、パン屋の製品、ビスケット製品、ペストリー製品、パン製品、菓子類製品、デザート製品、ガム、チューインガム、チョコレート、アイス、蜂蜜製品、糖蜜製品、酵母製品、ベーキングパウダー、食塩および香辛料製品、良好な風味の製品、マスタード製品、酢製品、ソース(調味料)、タバコ製品、シガー、シガレット、加工食品、調理した果実および野菜製品、肉および肉製品、ゼリー、ジャム、果実ソース、卵製品、牛乳および酪農製品、ヨーグルト、チーズ製品、バターおよびバター代替製品、ミルク代替製品、大豆製品、食用油脂製品、医薬、飲料、炭酸飲料、アルコール飲料、ビール、清涼飲料、ミネラルウォーターおよび炭酸水ならびに他のノンアルコール飲料、果実飲物、果実ジュース、コーヒー、人工コーヒー、茶、再構成を必要とする形態を含むココア、食物抽出物、植物抽出物、肉抽出物、調味料、甘味料、栄養補給食品、ゼラチン、薬学的および非薬学的粘剤、錠剤、トローチ剤、ドロップ、エマルジョン類、エリキシル、シロップおよび飲料を作製するための他の調製物、ならびにこれらの組み合わせが含まれるが、これらには限定されない。
【0060】
消費物は、酸を含有して、低いpHを提供してもよい。例えば、多くの飲料は、例えばpH2.6〜3の低いpHを有する。本明細書中に記載する任意の増強剤を含むトリロバチンおよびトリロバチン組成物はまた、低いpH条件下で作用し、増強効果を示す。
【0061】
しかし、当該分野において十分知られているように、低いpHにより甘味の感受性は低下し、したがって甘味料および甘味増強剤の両方についての甘味しきい値は、より高い。
【0062】
したがって、低いpHの、例えばpH6.5またはこれより低い消費物についての甘味しきい値は、より高く、より多くの甘味料および/または甘味増強剤を用いて、同様の甘味料/増強効果に到達する。pH6.5またはこれより低い消費物中のトリロバチンについての有用な濃度範囲は、6〜300ppmであり得る;HDGについて、これは0.6〜30ppmであり得る。飲料を含むがこれには限定されない、pH5より低い、またはpH4より低い、例えばpH2.6〜pH3の消費物において、濃度範囲はより一層高く、例えば、それぞれトリロバチンについて400ppmまで、およびHDGについて40ppmまでであってもよい。
【0063】
本明細書中に記載する甘味料を十分な量で用いていかにして消費物を甘くするかは、当該分野において十分知られている。消費物に依存して、甘味料の量を、トリロバチンおよび本明細書中に記載する任意の増強剤を加えることにより減少させることができる。例えば、甘味料としてのスクロースについて、約1〜4°ブリックスまたはこれ以上の減少を、達成することができる。
【0064】
消費物は、本明細書中に記載した任意の量の甘味料を含有していてもよく、有用な範囲は、例えば少なくとも2%、例えば約2%〜15%または約5%〜12%の、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖またはエリスリトールから選択される1種または2種以上である。
【0065】
人工甘味料についての有用な範囲は、約2〜15%のスクロースと等甘味度である濃度にある。
種々の甘味料を、スクロースに対して少なくとも2%の等強度に等しい濃度において、組み合わせで用いてもよい。
【0066】
例えば、炭酸飲料は、通常約10%〜12%のブドウ糖果糖液糖および/またはスクロースを含有する。
果実であるかまたは、果実もしくは果実の一部もしくは果実フレーバーを含む消費物における、トリロバチンおよびHDGで増強された甘味の追加の効果は、より強い果実フレーバーの影響である。
特に、ベリーノート、グリーンノートおよびシナモンノートが増強され、これらはより強いフレーバーの影響を有する。
【0067】
このような増強された果実または果実フレーバーは、レモン、ライム、オレンジ、クレメンタイン、タンジェリン、タンジェロ、キンカン、温州ミカン、ミネオーラ、グレープフルーツ、パメロ、スウィーティー、アグリー(ugli)、カランボラ、アプリコット、バナナ、ブドウ、スイカ、カンタロープ、パッションフルーツ、パパイヤ、カキ、ザクロ、グアバ、ライチ、リンゴ、セイヨウナシ、モモ、パイナップル、キウィ、マンゴー、ネクタリン、セイヨウスモモ、イチジクおよびベリーを含む、柑橘類果実を含み得る。
果実フレーバー増強は、ベリー果実またはフレーバー、例えば限定されずにイチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ヤマモモ、グーズベリーおよびブルーベリーを含むキイチゴ果実において、特に顕著である。
【0068】

単位を%で示すすべての濃度は、他に示さない限り%(wt/wt)である。すべての例を、他に述べない限り、少なくとも0.5%またはこれ以下のスクロースを検出することができる甘味感受性のパネリストにより行った。平均的な消費者により検出可能な濃度は、より高い。
【0069】
例1
トリロバチンおよびHDGの甘味検出しきい値の決定
甘味検出しきい値を、トリロバチンについて1a、1bおよび1cに、およびHDGについて1dに詳述するように、決定した。
【0070】
1a.20〜100ppmのトリロバチン対0〜1%のスクロースの一対比較
水試料中のトリロバチン(20ppm、60ppm、100ppm)を、0、0.5および1%のスクロースの濃度において、スクロース溶液に対する等強度について、一対比較法を用いて評価した。試料を対にし、甘味検出のために訓練された1人のパネリストにより、中間に洗浄(水)を伴って、左から右に味見した。一連の操作を完了した後に、パネリストは、試料の対を甘味について順位付けし、次に以下の記載を用いて互いに関して試料を評価した(昇順で):
「顕著により甘味が弱い」、「より甘味が弱い」、「特により甘味が弱い」、「等甘味度」、「わずかにより甘味が強い」、「より甘味が強い」、「特により甘味が強い」、「顕著により甘味が強い」。
【0071】
トリロバチン試料を、0%、0.5%または1%のスクロース溶液のいずれかと比較した。結果を以下の表に示す。
【表1】

【0072】
トリロバチンの20ppm溶液は、0%スクロースとの検出可能な差異がなく、0.5%スクロースより特に甘味が弱かった。60ppmのトリロバチン試料は、0%スクロースよりわずかに甘味が強かったが、ほとんど検出可能に甘くない0.5%スクロースより甘味が弱いことが見出された。したがって、内挿法により、60ppmのトリロバチン試料は、0.25%スクロースと等甘味度であったか、または甘味検出しきい値より低かった。100ppmのトリロバチン試料は、0%のスクロースより甘味が強く、わずかに甘い0.5%スクロースと等甘味度であった。
【0073】
1b.100ppmのトリロバチンの等強度
官能評価を、順位法を用いて行った。周囲温度の試料を、15mlのブラインドアリコート(パネリストにより確認不能)において無作為に提示した。パネルは、15人の甘味感受性の対象からなり、試料を、1つのセッションにわたり2反復提示した。各々の試料を味見した後に、口を、次の試料を味見する前に、周囲温度の水で完全に洗浄した。パネリストに、水に溶解した0.5%、1%、1.5%および2%のスクロース溶液ならびに水中の100ppmトリロバチンの第5の試料を提示した。対象に、試料を、知覚された甘い味覚に関して弱いから強いまで順位付けするように依頼した。R指数を、100ppmのトリロバチン対0.5%、1%、1.5%または2%スクロースのいずれかについて計算した。
【0074】
高い方の臨界値より大きいR指数は、甘味増強剤試料がスクロース試料より顕著に甘味が強かったことを意味する。50%から上方の臨界値までのR指数は、甘味増強剤試料が比較したスクロース試料と同等の甘味を有していたことを意味する。低い方の臨界値より低いR指数(下の表を参照)は、スクロース試料が甘味増強剤試料より甘味が強かったことを示す。
【0075】
【表2】

【0076】
臨界値範囲(35.39〜64.61%)内にある44%のR指数は、水試料中の100ppmのトリロバチンが0.5%スクロースと等甘味度であったことを意味する。低い方の臨界値より低い0〜13%のR指数は、試料が1%、1.5%および2%のスクロースのいずれよりも甘味が弱かったことを意味する。このように、水試料中の100ppmのトリロバチンは、0.5%のスクロース溶液に対して等強度であると知覚された。
【0077】
1c.200ppmのトリロバチンの等強度
官能評価を、例1bに記載した方法を用いて行った。パネルは、7人の甘味感受性のパネリストからなっていた。パネリストに、水に溶解した0.5%、1%および1.5%のスクロース溶液、ならびに水中の200ppmトリロバチンの第4の試料を提示した。パネリストに、試料を、知覚された甘い味覚に関して弱いから強いまで順位付けするように依頼した。
水中の200ppmのトリロバチンは、1%のスクロースと等甘味度であると決定された。
【0078】
平均的な消費者群内の個人についての甘味検出しきい値は、0.4%より低い値から0.7%のスクロースまたはこれ以上まで変化する。すべての例を、少なくとも0.5%またはこれ以下のスクロースを検出することができる甘味感受性のパネリストにより行った。したがって、例1a、bおよびcから外挿して、平均的な消費者により検出可能な濃度はより高く、平均的な消費者の甘味検出しきい値付近の平均濃度は、約100〜200ppmである。
【0079】
1d.10、15および20ppmのHDGの等強度
HDGの甘味検出しきい値の決定。
他に述べない限り、すべての例を、少なくとも0.5%またはこれ以下のスクロースを検出することができる甘味感受性のパネリストにより行った。平均的な消費者により検出可能な濃度は、より高い。結果を、20人のパネリストで2反復行い、得た。
【0080】
HDGに対する甘味において等強度を味見するスクロース濃度を、15ppmおよび20ppmの試料を用いて決定し、この各々を、スクロース試料(0.5%、1%、1.5%および2%の濃度のスクロース溶液)と直接比較した。15ミリリットルの各々のブラインドにした試料を、室温にて、20人の甘味感受性のパネリストに順不同に提示した。2反復(1つのセッションにわたる)において、パネリストに、最も甘味が弱いから最も甘味が強いまで、溶液を順位付けするように依頼した。データに、R指数分析を施した。結果を、以下の表に示す。
【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
15ppmのHDGは、0.5%のスクロース試料より顕著に甘味が強い(計算されたR指数値は臨界値を超える)が、1.0%、1.5%および2%のスクロース試料より顕著に甘味が弱い(計算されたR指数値は臨界値より低い)と知覚された。
20ppmのHDGは、1.0%のスクロース試料の甘味に対して等強度であり、0.5%スクロースより顕著に甘味が強く(計算されたR指数値は臨界値を超える)、1.5%および2%スクロースより顕著に甘味が弱い(計算されたR指数値は臨界値より低い)と知覚された。
【0084】
さらなる3つの小パネル試験を行った。HDG試料を、水中5ppm、10ppm、15ppmおよび20ppmの濃度において調製した。すべての試料を符号化し(ブラインドで提示)、順不同にパネルに提示した。パネルに、比較のためのスクロース溶液をも提示した。パネルに、各々の試料を味見し、試料を、最も甘味が弱いから最も甘味が強いまで順位付けするように依頼した。結果を、以下の表に示す。
【0085】
【表5】

【0086】
HDGの5ppm溶液が、甘くない(甘味検出しきい値より低い)ことが見出された。10ppmのHDGが、極めてわずかに甘く、0.5%スクロースと等甘味度であることが見出された。このように、甘味感受性の個人(当該個人は平均的な消費者より感受性が高い)により検出されたHDGの甘味しきい値は、約10ppmにおいてである。15ppmおよび20ppmの試料は、わずかに甘い、および甘い(それぞれ0.75%スクロースおよび1%スクロースと等甘味度である)と、確認された。
【0087】
例2a
7%スクロース溶液中の100ppmトリロバチンの等強度
官能評価を、順位法を用いて行った。周囲温度の試料を、15mlのブラインドアリコート(パネリストにより確認不能)において、無作為に提示した。パネルは、15人の甘味感受性の対象からなり、試料を、1つのセッションにわたり2反復提示した。各々の試料を味見した後に、口を、次の試料を味見する前に、周囲温度の水で完全に洗浄した。パネリストに、水に溶解した7%、8%、9%、10%および11%のスクロース溶液ならびに7%スクロース中の100ppmトリロバチンの第6の試料を提示した。対象に、試料を、知覚された甘い味覚に関して弱いから強いまで順位付けするように依頼した。R指数を、7%スクロース中の100ppmのトリロバチン対7%、8%、9%、10%または11%スクロースのいずれかについて、計算した。
【0088】
【表6】

【0089】
低い方の臨界値(35.39%)より低い0〜12%のR指数は、試料が9%、10%または11%スクロースのいずれよりも甘味が弱いことを示す。高い方の臨界値(64.61%)より大きい79%のR指数は、7%スクロース試料中の100ppmのトリロバチンが7%スクロースより顕著に甘味が強かったことを示す。臨界値範囲(35.39〜64.61%)内にある38%のR指数は、試料が8%スクロースと等甘味度であったことを示す。したがって、7%スクロース中の100ppmのトリロバチンは、1°ブリックスのスクロース甘味強度を加えて、甘味を増強し、したがって7%が8%スクロース溶液と同等の風味を呈する。
【0090】
甘味増強をさらに決定するために、7%スクロース中の100ppmのトリロバチンの7.5%スクロース溶液との直接的な比較を、8人の甘味感受性のパネリストにより行い、すべてのパネリストにより、7%スクロース試料中の100ppmのトリロバチンが7.5%スクロース溶液より顕著に甘味が強い風味を呈し、これは7%スクロース試料中の100ppmのトリロバチンが等甘味度の風味を呈すると予測されるスクロース濃度であり、単に付加的な効果が推測されることが、示された(例1bと比較されたい、水中の100ppmのトリロバチンの甘味は0.5%スクロースに等しい)。しかし、7%スクロース試料中の100ppmのトリロバチンは、8%のスクロースと等甘味度であり、これは明らかに単なる付加的な効果を超えていると、見出された。
【0091】
例2b
7%砂糖溶液中の20ppmのHDGの等強度
官能評価を、トリロバチンについて本質的に上記に記載したように行い、結果を以下の表に示すように明示する。パネルは20の甘味感受性の対象からなっており、試料を、1つのセッションにわたり2反復提示した。パネリストに、水に溶解した7%、8%、9%および10%スクロース溶液ならびに7%スクロース中の20ppmのHDGの第5の試料を、順不同に提示した。対象に、試料を、知覚された甘い風味に関して弱いから強いまで順位付けするように依頼した。
【0092】
【表7】

【0093】
低い方の臨界値(37.11%)より低い6.8%のR指数は、7%スクロース試料中の20ppmのHDGが10%スクロースより甘味が弱かったことを示す。高い方の臨界値(62.89%)より高い94.8%のR指数は、試料が7%スクロースより顕著に甘味が強かったことを示す。臨界値範囲(37.11〜62.89%)内にある46.0%のR指数は、試料が9%スクロースと等甘味度であったことを示す。臨界値範囲内にある(37.11〜62.89%)が、ほとんど高い方の臨界値(37.11〜62.89%)に等しい62.6%のR指数は、試料が8%のスクロースに対しても等甘味度であったことを示す。このように、7%砂糖中の20ppmのHDGの甘味は、9%グルコース、または少なくとも8.5%もしくはこれ以上に関してより強い。
【0094】
したがって、7%スクロース中の20ppmのHDGは、スクロース甘味強度の約1.5〜2°ブリックスを加えて、甘味を増強し、したがって7%は、8.5〜9%スクロース溶液と同等の風味を呈した。
【0095】
例3
7%スクロース中の100ppmのトリロバチン+60ppmのスウィングル抽出物の順位検定、このスクロース等強度の決定
7%のスクロース試料中の100ppmのトリロバチン+60ppmのスウィングル抽出物を、例2に記載した方法を用いて、7〜11%スクロース溶液(表を比較されたい)に対する等強度について評価した。結果を、以下の表に示す。
【0096】
【表8】

【0097】
高い方の臨界値(64.61%)より大きい79〜97%のR指数は、7%スクロース試料中の100ppmトリロバチン+60ppmスウィングルが、7%および8%スクロースより顕著に甘味が強かったことを示す。臨界値限界(35.39〜64.61%)の間の52%のR指数は、試料が9%スクロースと等甘味度であったことを示す。低い方の臨界値(35.39%)より低い4〜25%のR指数は、試料が10%および11%スクロースより顕著に甘味が弱かったことを示す。
【0098】
対照として、水中100ppmのトリロバチンを試験し(例1bを参照)、0.5%スクロースに対して甘味等強度を有することが見出された。
さらに、水中60ppmのスウィングルを例1bに記載したようにトリロバチンについて試験し、0.5%より高いが1%より低いスクロースに対して甘味等強度を有することが見出された(例6に示すように内挿法により0.75%)。
【0099】
したがって、7%スクロース試料中の100ppmのトリロバチン(0.5%より低いスクロースに対して等強度)および60ppmのスウィングル抽出物試料(1%より低いスクロースと等甘味度、内挿して0.75%スクロース)は、8.25%より低いスクロースと等甘味度であると予測され、付加的効果が推測される。
しかし、決定された等強度は9%スクロースであり、これは明らかに単なる付加的効果よりも高い。
【0100】
例4
7%スクロース中の100ppmのトリロバチン+60ppmのスウィングル抽出物+2ppmのNHDCの順位検定、このスクロース等強度の決定
7%スクロース中の100ppmのトリロバチン+60ppmのスウィングル抽出物+2ppmのNHDCの試料を、7〜11%スクロース溶液に対する甘味等強度(表を比較されたい)について、例2に記載した順位法を用いて評価した。結果を、以下の表に示す。
【0101】
【表9】

【0102】
上方の臨界値(64.61%)より大きい81〜98%のR指数は、7%のスクロース+100ppmのトリロバチン+2ppmのNHDC+60ppmのスウィングル試料が、7%、8%および9%スクロースより顕著に甘味が強いことを示す。臨界値限界(35.39〜64.61%)の範囲内にある56%のR指数は、試料が10%のスクロースと等甘味度であったことを意味する。低い方の臨界値(35.39%)より低い28%のR指数は、試料が11%スクロースより甘味が弱かったことを意味する。
【0103】
水中の2ppmのNHDCは、0.5%スクロースに対して等強度である甘味を有していた(例7を参照)。水中の100ppmのトリロバチンは、0.5%スクロースに対して等強度である甘味を有していた。水中の60ppmのスウィングルは、0.5%スクロースより高いが1%スクロースより低い等強度を有していた(例5に示すように内挿法により0.75%)。
【0104】
したがって、7%のスクロース+2ppmのNHDC(0.5%スクロースと等甘味度)+100ppmのトリロバチン(0.5%スクロースに対して等強度)+60ppmのスウィングル抽出物(1%より低いスクロースと等甘味度、内挿して0.75%スクロース)試料は、内挿により9%より低いスクロースまたは8.75%より低いスクロースと等甘味度であると予測され、付加的効果が推測される。
しかし、決定された甘味等強度は10%スクロースと同等であり、これは明らかに単なる付加的効果より高い。
【0105】
例5
7%スクロースコーラ飲料における100ppmのトリロバチン+2種の任意の甘味増強剤の組み合わせのスクロース等強度、このスクロース等強度の決定
官能評価を、直接的な比較により行った。試料を、周囲温度の15mlのブラインドアリコートにおいて提示した。パネルは、7人の甘味感受性のパネリストからなっていた。各々の試料を味見した後に、口を、次の試料を味見する前に、周囲温度の水で完全に洗浄した。パネリストに、7%スクロースコーラ飲料中の100ppmのトリロバチン+任意の増強剤および10%スクロースコーラ飲料の基準を提示した。パネリストに、基準、次に試料を味見して、相対的な甘味を決定するように依頼した。
【0106】
5a−60ppmのスウィングル抽出物+2ppmのNHDCとの組み合わせ
試験した試料は、7%スクロースコーラ飲料中に100ppmのトリロバチン+60ppmのスウィングル抽出物+2ppmのNHDCを含有していた。結果を、以下の表に示す。
【0107】
【表10】

【0108】
7人のパネリストの中で、5人は、試料と基準との両方を同等に甘いとして選択し、各々の1人は、試料または基準のいずれかをより甘味が強いとして選択した。
【0109】
5b−30ppmのレバウジオシドA+2ppmのNHDCとの組み合わせ
レバウジオシドAをスウィングル抽出物の代わりに用いた以外は、当該例を、上記の例5aに記載したように行った。
【0110】
【表11】

【0111】
7人のパネリストの中で、5人は、試料と基準との両方を同等に甘いとして選択し、2人は、基準をより甘味が強いとして選択した。
【0112】
例5aおよびbは、トリロバチンが、単独で甘味を顕著に増強することができるのみならず、またこれを他の甘味増強剤と組み合わせて、甘味をさらに増強することができることを明示する(本明細書中で、スウィングル抽出物/レバウジオシドAおよびNHDCについて示される)。特に、甘味増強剤を組み合わせた際に、効果は同様であるか、またはより一層低い場合があり、例えば、化合物が同様の作動機構を有する際には、さらなる改善には到達し得ず、または混ぜ合わせた化合物は、むしろ互いにまたは相互作用する化合物に負に影響し得る。スウィングル抽出物またはレバウジオシドまたはNHDCと組み合わせた際には、これはトリロバチンについては該当しない。
【0113】
例6−水中のスウィングル抽出物の甘味
水中60ppmのスウィングル抽出物対0%、0.5%および1%スクロースの強制選択試験
試験試料を、10人の甘味感受性のパネリストの感覚パネルにより評価した。試料を、各々のパネリストに3反復提示して、各々のパネルについてn=30の評価を得た。官能評価を、強制選択法を用いて行った。試料をブラインドで提示し、これはパネリストにより確認不能であった。各々の反復において、水試料中の60ppmのスウィングル抽出物を、パネリストにより、0%スクロースおよび/または0.5%スクロースおよび/または1%スクロースと比較した。パネリストに、当該パネリストが試料の1つをより甘味が強いとして選択しなければならないと指示した。データを、ベータ二項分析を用いて分析した。
【0114】
さらに、パネリストに、各々の提示された試料を甘味について、汎用の標識された等級目盛(0=甘味なし;10=すべての種類における最も強い想像可能な感覚)を用いて評定するように依頼した。評定データを、対応のあるt−検定を用いて比較した。
【0115】
強制選択試験の結果:
【表12】

【0116】
評定試験の結果:
【表13】

【0117】
1− 0%スクロース/水と比較して、水試料中の60ppmのスウィングルは、すべてのパネリスト(30人のパネリストのうち30人、p<0.001の強制選択についての統計的有意水準による)によって甘味がより強いと知覚された。0.63の低い甘味強度評定は、極めて弱い知覚可能な甘味を反映する(0.1の評定を有する0%スクロースを比較されたい。最も強い想像可能な甘味を10と評定する)。
【0118】
2− 0.5%スクロースと比較して、水中の60ppmのスウィングル試料は、大多数のパネリスト(30人のパネリストのうち28人、p<0.001の強制選択についての統計的有意水準による)によって甘味がより強いと知覚された。
【0119】
3− わずかに甘い1%スクロースと比較して、水試料中の60ppmのスウィングル抽出物は、この甘い知覚についてのしきい値濃度に接近しており、顕著により甘味が弱かった−パネリストの顕著な大多数(30人のうち24人)は、わずかに甘い1%のスクロース溶液を、p<0.001の強制選択についての統計的有意水準により、60ppmのスウィングル抽出物溶液よりも甘味が強いとして選択した。水中のスウィングル抽出物についての0.58に対して1%スクロースについての0.72の低い甘味強度評定は、1%スクロースの甘味より顕著に低い60ppmのスウィングルの極めて弱い知覚可能な甘味を反映する。内挿により、60ppmのスウィングル抽出物の甘味は、約0.75%のスクロースと同等であった。
【0120】
例7−水中のNHDCの甘味
水中の2ppmのNHDCの順位検定、このスクロース等強度の決定
水試料中の2ppmのNHDCを、0.5および1%のスクロース溶液に対するこの等強度について、例3bに記載した順位法を用いて評価した。結果を、以下の表に示す。
【0121】
【表14】

【0122】
臨界値(35.39%)より顕著に高くない41%のR指数は、2ppmのNHDC試料が0.5%スクロースと等甘味度であったことを示す。臨界値(35.39%)より低い5%のR指数は、2ppmのNHDC試料が1%スクロースより顕著に甘味がより弱かったことを示す。
【0123】
甘味増強組成物、加糖消費物および関連する方法を特定の例示的態様と関連して上記で記載した一方、他の同様の態様を用いることができるか、または修正および付加を、同一の機能を遂行するために、記載した態様に対して行うことができることを、理解するべきである。さらに、種々の態様を組み合わせて所望の特徴を提供することができるため、開示したすべての態様は、必ずしも代替法にあるわけではない。変化を、開示の精神および範囲から逸脱せずに、当業者により行うことができる。したがって、甘味増強組成物、加糖消費物および関連する方法を、すべての単一の態様に限定してはならず、むしろ広さおよび範囲において、添付した特許請求の範囲の記述に従って解釈しなければならない。
【0124】
例8
ヨーグルトにおける甘味検出しきい値
トリロバチンを、プレーン無脂肪ヨーグルトにおいて6人の甘味感受性のパネリストにより試験した。
ヨーグルト試料は、500ppmのトリロバチン、1%のスクロースおよび2%のスクロースであった。パネリストは、500ppmのトリロバチン試料を各々のスクロース試料と比較し、甘味を比較し、結果を以下の表に示す。
【0125】
【表15】

【0126】
例9
ヨーグルトにおける甘味増強
トリロバチンを、プレーン無脂肪ヨーグルトにおいて6人の甘味感受性のパネリストにより試験した。
5%スクロースで甘味を付与したヨーグルト中の62.5ppm、125ppmおよび500ppmのトリロバチンの試料を、パネリストにより、5%スクロースで甘味を付与したヨーグルトおよび7%スクロースで甘味を付与したヨーグルト試料と比較した;結果を、以下の表に示す。
【0127】
【表16】

【0128】
結果は、500ppmの濃度において用いる際に、加えられた1%スクロース(5%スクロースは7%と同様の風味を呈する)と同等の甘味増強効果を示す(1%スクロースに対する自体の甘味、例8に示す)。
【0129】
例10
ミルクにおける甘味検出しきい値
トリロバチンを、6人のパネリストにより全乳において試験した。
ミルク試料は、62.5ppm、125ppm、250ppm、500ppmのトリロバチン;1%スクロースおよび2%スクロースであった。パネリストは、トリロバチン試料を各々のスクロース試料と比較し、甘味を比較し、結果を以下の表に示す。
【0130】
【表17】

【0131】
ミルクの甘味検出しきい値は、水におけるよりも高い。すべてのパネリスト(6/6)は、62.5ppmのトリロバチン、125ppmおよび250ppmのトリロバチンが、ミルク中の1%スクロースのものより弱い甘味を有することを見出した。500ppmのトリロバチンについて、パネリストの半数(3/6)は、甘味が1%スクロースと等甘味度であることを見出し、残りの半数は、甘味が1%スクロースのものより弱いことを見出した。
【0132】
ミルク中の500ppmのトリロバチンは、ミルクにおける甘味検出しきい値より低いかまたはこの付近の濃度である。550ppm、600ppm、650ppm、700ppmまたは750ppmの濃度は、まだ甘味検出しきい値付近の濃度であり得る。
【0133】
例11
シリアルにおける甘味増強
トリロバチンを、シリアル試料において4人の甘味感受性のパネリストにより試験した(シリアルは、Kix, General Mills; USAからのものであった)。シリアルは、比較的低糖の製品であり、30gのシリアルあたり3gのスクロースを含有する。パネリストは、試料を全乳において試験した。
【0134】
シリアル試料に、スクロースを、対応する量の水に溶解した10%スクロース溶液を噴霧することにより局所的に加えて、1%を得た。試料を、250℃にて約15分間対流式オーブン中で焼いて、水を乾燥/除去した。同様に、トリロバチンを、50/50 w/wエタノール/水に溶解した0.1%溶液としてシリアル試料に適用して、種々のトリロバチン濃度(100ppm、200ppm、400ppm)を得た。
【0135】
以下のシリアル試料を比較した:
【表18】

【0136】
200ppmのトリロバチンにより、1%スクロースより甘味が強い良好な感じの風味が生じ、400ppmは、はるかに甘味がより強く、甘過ぎると考えられた。これは、加糖シリアルの甘味がトリロバチンを加えることにより増強され得ることを示す。
【0137】
例12
10ppmのHDGによる甘味増強
HDGの甘味増強の程度を、HDGにより増強された試料の等強度をスクロース試料に対する比較において決定することにより試験した。試料は、10ppmのHDGを7%スクロース中に(HDG−10)、および異なる濃度の種々のスクロース溶液を水中に(7%、8%、9%および10%)含有していた。
【0138】
15mlの各々の試料を、室温にて順不同に、20人の甘味感受性のパネリストに提示した。1つのセッションにわたり2反復において、パネリストに、試料を、最も甘味が弱いから最も甘味が強いまで比較し、順位付けするように依頼した。結果にR指数分析を施し、以下の表に示す。臨界値は、2つの試料の差異が有意ではない範囲を示す。当該範囲外のR指数は、有意に異なる試料を示す。
【0139】
【表19】

【0140】
HDG試料(7%スクロース中の10ppmのHDG)は、7%スクロース溶液より顕著に甘味が強く(計算されたR指数値は、p>0.05において高い方の臨界値(62.9%)を超えている)、8%スクロース試料と等甘味度であり、9%および10%スクロース試料より顕著に甘味が弱い(計算されたR指数値は、p>0.05において低い方の臨界値(37.1)より低い)と知覚された。臨界値範囲(37.1〜62.9%)内にある37.5のR指数は、試料が8%のスクロースと等甘味度であったことを示す。したがって、7%スクロース中の10ppmのHDGは、約1°ブリックスのスクロース甘味強度を加えて、甘味を増強し、したがって7%が8%スクロース溶液と同等の風味を呈する。
【0141】
したがって、10ppmの濃度におけるHDG試料が0.5%スクロースと等甘味度であることが見出されたため(例1dを比較されたい)、これは、7.5%と等甘味度であることが予測され、単なる付加的効果が推測される。しかし、7%スクロース試料中のHDGは、8%スクロースと等甘味度であることが見出され、これは明らかに単なる付加的効果より高い。
【0142】
例13
ヨーグルトにおけるトリロバチン(750ppm)の甘味
プレーンヨーグルトベースにおける750ppmのトリロバチンに対して等強度であるスクロース濃度を、以下のように決定した。
試料は、750ppmのトリロバチンを有するプレーンヨーグルトベース、または種々の濃度におけるスクロース(0%、0.5%、1.0%、1.5%および2.0%のスクロース)を有する同一のプレーンヨーグルトベースを含有していた。
【0143】
30mlの各々のヨーグルト試料を、低温で、順不同に、21人の甘味感受性のパネリストに供した。1つのセッションにわたり2反復において、パネリストに、試料を、最も甘味が弱いから最も甘味が強いまで順位付けするように依頼した。データに、R指数分析を施した。得られた臨界値範囲は、有意でない範囲を示し、この範囲外にあるR指数は、示すように有意に異なる(p<0.05)。
【0144】
【表20】

【0145】
パネリストは、プレーンヨーグルト中の750ppmのトリロバチンを、プレーンヨーグルトベース単独より顕著に甘味が強い(計算されたR指数値は、高い方の臨界値(62.6%)より大きかった)が、プレーンヨーグルト中の1.0%、1.5%および2%スクロースより顕著に甘味が弱い(計算されたR指数値は、p>0.05において低い方の臨界値(37.4%)より低い)と知覚した。
プレーンヨーグルトにおいて、750ppmのトリロバチンの甘味強度は、0.5%スクロースに対して等強度であると知覚された。
【0146】
例14
コーラ飲料におけるHDGの甘味
7%スクロースで甘味を付与したコーラ飲料中の20ppmのHDGを、9人のパネリストにより、対照試料(HDGを有さず、7または9%スクロースで甘味を付与したコーラ)と比較した。
パネリストに、これらの甘味強度およびプロフィールにおいて、試料を味見し、比較するように指示した。
【0147】
7%のコーラ試料中のHDGは、すべてのパネリストにより、7%スクロース試料より顕著に甘味が強いが、9%スクロース対照と同程度には甘味が強くないことが見出された。甘味の開始および継続期間においてスクロース対照と同様の継続的でない味覚プロフィールを有することが、記載された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加糖消費物であって、以下のもの
a)天然の、および人工の甘味料を含み、
ここで前記甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンまたはこれらの組み合わせを含み、
ここで前記少なくとも1種の甘味料または甘味料の組み合わせが、2%のスクロースに対して少なくとも等甘味度の濃度における甘味検出しきい値より高い濃度において存在する、
少なくとも0.0001%(w/w)の少なくとも1種の甘味料、ならびに
b)式(1)
【化1】

式中、Rは、OHおよびOCHからなる群から選択され、Rは、HおよびOHからなる群から選択され、RおよびRは、少なくとも1つのOH基を含み、またRがOHである場合にはRはHであり(トリロバチン)、RがOCHである場合にはRはOHである(HDG)、
で表される化合物、
を含み、
ここで、式(1)で表される化合物は、前記消費物中にその甘味検出しきい値付近の濃度において存在する、
前記加糖消費物。
【請求項2】
式(1)で表される化合物がトリロバチンである、請求項1に記載の加糖消費物。
【請求項3】
トリロバチン濃度が3〜200ppmである、請求項2に記載の消費物。
【請求項4】
消費物が酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品から選択され、トリロバチン濃度が10ppm〜750ppmである、請求項2に記載の消費物。
【請求項5】
消費物が6.5より低いpHを有し、トリロバチン濃度が6〜300ppmである、請求項1に記載の消費物。
【請求項6】
消費物が5より低いpHを有し、トリロバチン濃度が6〜400ppmである、請求項2に記載の消費物。
【請求項7】
式(1)で表される化合物がヘスペリチンジヒドロカルコン4’’−ベータ−D−グルコシド(HDG)である、請求項1に記載の加糖消費物。
【請求項8】
HDG濃度が0.3〜20ppmである、請求項7に記載の消費物。
【請求項9】
消費物が酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品から選択され、HDG濃度が1ppm〜75ppmである、請求項7に記載の消費物。
【請求項10】
消費物が6.5より低いpHを有し、HDG濃度が0.6〜30ppmである、請求項7に記載の消費物。
【請求項11】
消費物が5より低いpHを有し、HDG濃度が0.6〜40ppmである、請求項7に記載の消費物。
【請求項12】
水をベースとする消費物であり、これには、飲料、水、水性の飲料、増強された/わずかに加糖された水飲料、ミネラルウォーター、炭酸飲料、非炭酸飲料、炭酸水、炭酸なしの水、清涼飲料、ノンアルコール飲料、アルコール飲料、ビール、ワイン、蒸留酒、果実飲料、ジュース、果実ジュース、野菜ジュース、ブイヨン飲料、コーヒー、茶、紅茶、緑茶、ウーロン茶、ハーブティー、ココア(水をベースとする)、茶をベースとする飲料、コーヒーをベースとする飲料、ココアをベースとする飲料、シロップ、冷凍果実、冷凍果実ジュース、水をベースとするアイス、果実アイス、シャーベット、ドレッシング、サラダドレッシング、ソース、スープおよび飲料用植物材料(全体の、もしくは粉末タイプの)、または再構成のためのインスタント粉末(コーヒー豆、挽いたコーヒー、インスタントコーヒー、カカオ豆、ココア粉末、インスタントココア、茶葉、インスタントティー粉末)が含まれるがこれらには限定されない、請求項1〜11のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項13】
固体の乾燥消費物であり、これには、シリアル、焼いた食品、ビスケット、パン、朝食用シリアル、シリアルバー、エネルギーバー/栄養バー、グラノーラ、ケーキ、クッキー、クラッカー、ドーナツ、マフィン、ペーストリー、菓子類、チューインガム、チョコレート、フォンダン、ハードキャンディー、マシュマロ、圧縮錠剤、スナック食品、植物材料(全体の、または粉末タイプの)、および再構成のためのインスタント粉末が含まれるがこれらには限定されない、請求項1〜11のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項14】
酪農製品、酪農由来製品または酪農代替製品であり、これが、任意に牛乳、液体乳、発酵乳製品、発酵した、および非発酵の酪農ベース飲料、乳酸菌で発酵された発酵乳製品、ヨーグルト、ヨーグルトをベースとする飲料、スムージー、ラッシー、ミルクセーキ、酸乳、酸乳飲料、バターミルク、ケフィア、牛乳をベースとする飲料、牛乳/ジュース配合物、醗酵乳飲料、アイスクリーム、デザート、サワークリーム、ディップ、サラダドレッシング、カッテージチーズ、フローズンヨーグルト、豆乳、ライスミルク、大豆飲物およびライスミルク飲料からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項15】
ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAおよびNHDCまたはこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる甘味増強剤を含み、
ここで各々のさらなる甘味増強剤が、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、これがナリンギンジヒドロカルコンについて2〜60ppmであり、ルブソシドについて1.4ppm〜56ppmであり、キイチゴ抽出物について2ppm〜80ppmであり、モグロサイドVについて0.4ppm〜12.5ppmであり、スウィングル抽出物について2〜60ppmであり、ステビオサイドについて2〜60ppmであり、レバウジオシドAについて1〜30ppmであり、NHDCについて1〜5ppmである、請求項1〜14のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項16】
2〜60ppmのナリンギンジヒドロカルコンを含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項17】
1.4ppm〜56ppmのルブソシドまたは2ppm〜80ppmのキイチゴ抽出物を含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項18】
0.4ppm〜12.5ppmのモグロサイドVまたは2〜60ppmのスウィングル抽出物を含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項19】
1〜30ppmのレバウジオシドAを含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項20】
2〜60ppmのステビオサイドを含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項21】
1〜5ppmのネオヘスペリジンジヒドロカルコンを含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項22】
ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAおよびネオヘスペリジンジヒドロカルコンからなる群から選択されるさらなる甘味増強剤の2種を含む、請求項15に記載の加糖消費物。
【請求項23】
さらなる甘味増強剤の1種が、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAからなる群から選択され、他のさらなる甘味増強剤が、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンおよびナリンギンジヒドロカルコンからなる群から選択される、請求項22に記載の加糖消費物。
【請求項24】
飲料である、請求項1〜23のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項25】
さらにネオヘスペリジンジヒドロカルコンを1〜2ppmの濃度において含む、請求項16に記載の飲料。
【請求項26】
消費物に甘味を付与する方法であって:
a)天然の、および人工の甘味料を含み、
ここで前記甘味料が、スクロース、フルクトース、グルコース、ブドウ糖果糖液糖、コーンシロップ、キシロース、アラビノース、ラムノース、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、アセサルフェームカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、サッカリンまたはこれらの組み合わせを含み、
ここで前記少なくとも1種の甘味料または甘味料の組み合わせが、2%のスクロースに対して少なくとも等甘味度の濃度における甘味検出しきい値より高い濃度において存在する、
少なくとも0.0001%の少なくとも1種の甘味料、ならびに
b)式(1)
【化2】

式中、Rは、OHおよびOCHからなる群から選択され、Rは、HおよびOHからなる群から選択され、RおよびRは、少なくとも1つのOH基を含み、またRがOHである場合にはRはHであり(トリロバチン)、RがOCHである場合にはRはOHである(HDG)、
で表される化合物、
(ここで、式(1)で表される化合物は、その甘味検出しきい値付近の濃度において前記消費物中に存在する)
を、消費物に混合する、前記方法。
【請求項27】
式(1)で表される化合物がトリロバチンである、請求項26に記載の加糖消費物。
【請求項28】
トリロバチン濃度が3〜200ppmである、請求項27に記載の消費物。
【請求項29】
消費物が酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品から選択され、トリロバチン濃度が10ppm〜750ppmである、請求項27に記載の消費物。
【請求項30】
消費物が6.5より低いpHを有し、トリロバチン濃度が6〜300ppmである、請求項27に記載の消費物。
【請求項31】
消費物が5より低いpHを有し、トリロバチン濃度が6〜400ppmである、請求項27に記載の消費物。
【請求項32】
式(1)で表される化合物がヘスペリチンジヒドロカルコン4’’−ベータ−D−グルコシド(HDG)である、請求項26に記載の加糖消費物。
【請求項33】
HDG濃度が0.3〜20ppmである、請求項32に記載の消費物。
【請求項34】
消費物が酪農製品、酪農由来製品および酪農代替製品から選択され、HDG濃度が1ppm〜75ppmである、請求項32に記載の消費物。
【請求項35】
消費物が6.5より低いpHを有し、HDG濃度が0.6〜30ppmである、請求項32に記載の消費物。
【請求項36】
消費物が5より低いpHを有し、HDG濃度が0.6〜40ppmである、請求項32に記載の消費物。
【請求項37】
さらに、ナリンギンジヒドロカルコン、モグロサイドV、スウィングル抽出物、ルブソシド、キイチゴ抽出物、ステビオサイド、レバウジオシドAおよびNHDCからなる群から選択される少なくとも1種の増強剤の混合物を含み、
ここで各々の増強剤が、その甘味検出しきい値付近の濃度において存在し、これがナリンギンジヒドロカルコンについて2〜60ppmであり、ルブソシドについて1.4ppm〜56ppmであり、キイチゴ抽出物について2ppm〜80ppmであり、モグロサイドVについて0.4ppm〜12.5ppmであり、スウィングル抽出物について2〜60ppmであり、ステビオサイドについて2〜60ppmであり、レバウジオシドAについて1〜30ppmであり、NHDCについて1〜5ppmである、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
トリロバチンが、Lithocarpus polystachyus(タスイカ)の部分または葉およびリンゴ種の部分または葉を含む植物源から抽出され、前記リンゴ種がMalus trilobataを含む、請求項1〜25のいずれかに記載の加糖消費物。
【請求項39】
トリロバチンが、Lithocarpus polystachyus(タスイカ)の部分または葉およびリンゴ種の部分または葉を含む植物源から抽出され、前記リンゴ種がMalus trilobataを含む、請求項36または37に記載の方法。

【公表番号】特表2010−528632(P2010−528632A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510634(P2010−510634)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000253
【国際公開番号】WO2008/148239
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】