消費監視システム
【課題】電力などのエネルギーの的確な消費抑制を図る。
【解決手段】居住者は、契約電力以内で任意に消費目標電力値Pmを設定する。監視制御盤は、各電気機器の消費電力から総消費電力値Pcを算出し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた場合(ステップ110〜114)に、予め設定されている優先順位に基づき、動作中の電気機器から停止させる電気機器を選択し、消費電力過剰と共に報知し、所定のタイミングで停止する(ステップ122〜130)。また、優先順位の高い電気機器のみが動作している場合は、消費目標電力を一時的に増加させ、消費目標電力Pmの変更を促す表示を行う(ステップ132、134)。
【解決手段】居住者は、契約電力以内で任意に消費目標電力値Pmを設定する。監視制御盤は、各電気機器の消費電力から総消費電力値Pcを算出し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた場合(ステップ110〜114)に、予め設定されている優先順位に基づき、動作中の電気機器から停止させる電気機器を選択し、消費電力過剰と共に報知し、所定のタイミングで停止する(ステップ122〜130)。また、優先順位の高い電気機器のみが動作している場合は、消費目標電力を一時的に増加させ、消費目標電力Pmの変更を促す表示を行う(ステップ132、134)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーや資源の節約が望まれている。ここから、電力線に接続される機器ごとに優先度及び動作電流を設定し、新たに要求された機器を動作させることで、全負荷電流が所定の電流容量を超える場合、低優先度の機器を停止させることで、建物内で消費される電流が契約電力を超えてしまうのを防止する提案がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、各機器の消費電力値を取得し、消費電力値の合計が、契約電力値に基づく許容最大消費電力値を超える場合に警報を発する提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
一方、発電や電力消費により環境負荷の増加を招く場合がある。ここから、家屋内で使用される電気機器を電力線通信ネットワークによって接続し、接続した電気機器から入力される消費電力を、各電器機器から排出される環境負荷物質の排出量に換算することで、環境負荷物質の排出量を管理する提案がなされている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03−245743号公報
【特許文献2】特開平11−069625号公報
【特許文献3】特開2008−204278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、環境負荷物質の排出量を管理したり、契約電力等を超えないように電力の消費を管理するのみでは、必ずしも省エネルギーの促進を図り得るものではない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力などのエネルギーの消費の抑制を促進しうる消費監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、入力される目標値を監視領域内で消費されるエネルギーの上限とする消費上限目標値に設定する設定手段と、前記監視領域内での前記エネルギーの総消費値が前記消費上限目標値を超えた場合に、前記総消費値が前記消費上限目標値を超えたことを報知する報知手段と、を含む。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、目標値を入力することでエネルギーの消費上限目標値が設定され、エネルギーの総消費値が消費上限目標値を超えた場合に、エネルギーの総消費値が消費上限目標値を超えたことを報知し、注意を喚起する。これにより、設定した消費上限目標値を超えないようにエネルギーの消費を抑えることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エネルギーが電力であり、前記総消費値として前記電力により動作する電気機器ごとの消費電力値から総消費電力値を検出する検出手段を備え、前記設定手段が、前記消費上限目標値として消費上限目標電力値を設定し、前記報知手段が、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に報知する。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、消費電力の目標値を入力することで、この目標値が消費上限目標電力値に設定され、検出手段により検出される総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に報知される。これにより、設定した消費上限目標電力値を超えないように電力の消費を抑えることができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、前記設定手段は、系統電源で許容される範囲で前記消費上限目標電力値を設定する。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、例えば、系統電源の契約電力の範囲内で消費上限目標電力値を設定する。これにより、電力消費の抑制を図りながら、総消費電力値が契約電力に達してしまうのを確実に防止することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記報知手段が、前記消費上限目標電力値及び前記総消費電力値を表示手段に表示させると共に、前記総消費電力値が前記消費目標電力値を超えた場合に、当該超えたことを前記表示手段に表示させる表示制御手段を含む。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、表示手段に表示されるので、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えたことを視認できる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記電気機器ごとの機器情報として動作の優先順位が設定されて記憶され、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に、前記電気機器毎の前記優先順位に基づき、動作中の前記電気機器のうちで前記優先順位の低い電気機器を、動作を停止させる電気機器として報知する。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、電気機器ごとに動作の優先順位を設定することで、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、動作の優先順位が低い電気機器を報知する。これにより、電力消費を抑えるために停止させる電気機器の選択が容易となる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記優先順位の低い順に前記電気機器の動作を停止させる停止手段を含む。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、優先順位の低い電気機器の動作を順に停止させるので、的確な電力消費の抑制が可能となると共に、優先順位の高い電気機器が停止されるのを抑えることができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項5に記載の発明において、前記作動中の前記電気機器の前記優先順位が所定順位以上である場合に、前記報知手段は、前記優先順位が高いことを示す情報を報知すると共に前記消費上限目標電力値を高くするように報知する。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、動作している電気機器が優先順位の高い電気機器のみであると、その旨を報知する。これと共に、消費上限目標電力値を高くする提案を行うので、優先順位の高い電気機器の動作を停止させてしまうことによる問題の発生を防止することができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超える直前に動作された前記電気機器を報知すると共に、当該電気機器の動作を継続するか否かの指示を促すように報知する。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超える原因となった電気機器を表示し、該当電気機器の動作を継続させるか否かを確認するので、緊急で電気機器を動作させた場合でも、不用意に停止してしまうことがない。
【0024】
請求項9の発明は、請求項8に記載の発明において、前記電気機器ごとの機器情報として当該電気機器の前記監視領域内での位置情報を含み、前記報知手段は、前記電気機器ごとの前記位置情報に基づき、前記直前に動作した前記電気機器の前記監視領域内での位置を報知する。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超える原因となっている電気機器の建物内での位置を表示するので、当該電気機器を的確に特定することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載の発明において、前記直前に動作された前記電気機器の動作の継続が指示された場合に、前記消費上限目標電力値を高くし、当該電気機器の動作が継続されるようにする。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、例えば、緊急を要する電気機器であるときに、消費上限目標電力値を一時的に高くするので、当該電気機器を確実に作動させることができる。
【0028】
このような本発明では、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えてから暫時前記消費上限目標電力値を高くする増加手段を含み、前記報知手段は、前記増加手段により前記消費上限目標電力値が高くされている間に、前記直前に動作した前記電気機器を動作させる時間帯として、前記総消費電力値が前記消費目標電力値以下となる時間帯を報知しても良い。
【0029】
これにより、電気機器を所定時間動作させながら、当該電気機器を動作させることができる時間を探して報知するので、当該電気機器を、次の動作させることができるタイミングを明確に把握できる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、エネルギーの消費を抑えるための消費上限目標値を任意に設定できるので、所望の条件で省エネルギーを促進することができるという優れた効果を有し、請求項2に記載の発明によれば、所望の条件で省電力化を図ることができるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、総消費電力値が契約電力などの上限値に達してしまうのを確実に防止することができ、請求項4に記載の発明では、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えたことを的確に把握することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、電力消費を抑えるために停止させる電気機器の把握が容易となり、請求項6に記載の発明によれば、的確に電力消費の抑制を行うことができる。また、請求項7に記載の発明によれば、停止させるのが好ましくない電気機器の動作状態を継続させることができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、例えば、緊急で動作させた電気機器について、不用意に動作が停止させられてしまうのを防止することができ、請求項9に記載の発明によれば、総消費電力値が消費目電力値を超える直前に動作を開始した電気機器を容易に特定することができる。
【0034】
また、請求項10に記載の発明によれば、緊急を要する電気機器等の作動を継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態に係る住宅の要部の概略図である。
【図2】分電盤への電力供給を示す概略構成図である。
【図3】分電盤と電気機器との接続の概略を示す単結図である。
【図4】監視制御盤の概略構成図である。
【図5】監視制御盤の一例を示す概略概観図である。
【図6】(A)は消費目標電力の設定の一例を示す流れ図、(B)は電気機器毎の優先順位の一例を示す図表である。
【図7】(A)は時刻に対する総消費電力と消費目標電力の一例を示す線図、(B)は時刻に対する太陽光発電装置の発電電力の一例を示す線図である。
【図8】住宅の間取りの一例を示す概略図である。
【図9】第1の実施の形態に係る監視処理を示す流れ図である。
【図10】(A)から(C)のそれぞれは、第1の実施の形態に係るディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【図11】対象電気機器を動作可能な時間帯の提示するときのディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態に係る監視処理を示す流れ図である。
【図13】(A)から(C)のそれぞれは、第2の実施の形態に係るディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る消費監視システムについて説明する。図1には、本実施の形態に係る建物の一例とする住宅10の概略構成が示されている。本実施の形態では、エネルギー資源の一例として電気エネルギーである電力を適用し、消費監視システムでは、電力の消費(消費電力値)を監視するものとしており、この住宅10には、電力として商用電源などの系統電源12が引込まれている。
【0037】
本実施の形態に係る住宅10としては、電力(電気エネルギー)の発生源として、太陽光パネル14で太陽光を受光することで受光量に応じた電力を発生する太陽光発電装置16、風力によって発電機が回転駆動されることで発電する風力発電装置18などの自然エネルギーを用いた各種の発電装置を設けることができる。また、住宅10としては、燃料電池20を設けることもできる。さらに、住宅10としては、電気エネルギー源として蓄電池22、蓄電池を有する電気自動車(EV:Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid electric Vehicle)などの車両24などを設けることができる。
【0038】
なお、以下では、エネルギーの一例として電力を用いて説明するが、本発明は、これに限らず、住宅10でエネルギーとして用いられるガスや水道などに適用することが可能である。
【0039】
一方、住宅10には、系統電源12等の電力を消費する電力負荷として、電力が供給されることにより点灯する照明器具26、電力により動作する冷蔵庫28、空調装置(エアコン30)、テレビジョン(図示省略)などの各種の家電製品が設けられた一般的構成となっている。
【0040】
また、住宅10に設けられる蓄電池、及び住宅の電力配線に接続される車両24は、それぞれに電力を蓄積する充電が行われる場合、電力負荷としてみなされる。なお、以下では、照明器具26や各種の家電製品を含め、電力により動作する機器(電力負荷)を総称して電気機器として説明する。
【0041】
図2に示されるように、住宅10には、分電盤32が設けられており、屋外から引込まれた系統電源12は、積算電力計(図示省略)を介して分電盤32に供給される。なお、太陽光発電装置16の発電電力、風力発電装置18の発電電力、燃料電池の発電電力、蓄電池22の放電電力、及び車両24からの放電電力などの住宅10内で発生された電力は、系統電源12の電圧、周波数、位相に変換され、系統電源12を介して、又は直接分電盤32へ供給されることで住宅10において使用(消費)可能となる。また、電力変換機構は、公知の一般的構成を適用することができる。また、電力源の電力を住宅10内の電気機器で使用するか、又は系統電源12へ供給する所謂売電を行う構成としている。
【0042】
図3に示されるように、この分電盤32には、メインブレーカ(主開閉器)34が設けられており、系統電源12は、このメインブレーカ34の一次側に供給される。このメインブレーカ34としては、契約電力に応じた遮断容量のものを適用することができる。また、メインブレーカ34としては、住宅10内の電気負荷の総容量に応じて設定された遮断容量のものを適用することもできる。
【0043】
分電盤32内には、複数の分岐ブレーカ36が設けられており、分岐ブレーカ36のそれぞれの一次側がメインブレーカ34の二次側に接続されている。また、分岐ブレーカ36のそれぞれには、住宅10内に設けられている電気機器が接続される。また、住宅10に設けられた電気機器のそれぞれには、分岐ブレーカ36の何れかに接続される。
【0044】
これにより、住宅10では、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36を介して、電気機器のそれぞれに系統電源12を含む電力が供給される。なお、本実施の形態に係る住宅10には、単相3線式の100V/200Vの系統電源が供給され、各電気機器には、電気機器ごとの定格電圧に応じた電圧(100V又は200V)が供給される。
【0045】
ここで、分岐ブレーカ36Aには、住宅10内に設けられた照明器具26が接続される。これにより、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36Aをオン(閉じる)することで、住宅10内の照明器具26の点灯が可能となる。なお、ここでは、一つの分岐ブレーカ36Aを照明器具26用としているが、照明器具26の総容量に応じて、複数の分岐ブレーカ36Aが用いられる。
【0046】
分岐ブレーカ30Bには、住宅10に設けられている汎用コンセント(図示省略)が接続される。この汎用コンセントには、住宅10に設けられる冷蔵庫28を含む各種の家電機器が接続され、これにより、各家電機器に電力が供給される。
【0047】
さらに、住宅10では、エアコン30が接続されるコンセント、蓄電池22の充放電器22A用の専用コンセント、車両24に設けられた蓄電池用の充放電器24A用の専用コンセント、燃料電池20へ動作用の電力供給のための専用コンセントが設けられる。この場合、専用コンセント毎に異なる分岐ブレーカ36Cに接続される。なお、専用コンセントに換えてそれぞれの電気機器の近傍に手元開閉器を設けた構成であっても良い。
【0048】
ところで、図2に示されるように、本実施の形態に適用した住宅10には、電力の消費を監視する消費監視システム40が設けられている。この消費監視システム40は、監視制御盤42を備えている。この監視制御盤42は、住宅10のエネルギー消費を管理するHEMS(Home Energy Management System)を形成し、太陽光発電装置16等の発電手段の発電電力の管理、蓄電池22等への充放電の制御などを行う機能を併せ持つ。なお、以下では、分電盤32と別に監視制御盤42を設けて説明するが、分電盤32と監視制御盤42とが一体とされた構成であっても良い。
【0049】
図4に示されるように、監視制御盤42は、CPU44A、RAM44B、ROM44C、HDD44Dを備え、これらがバス44Eに接続された一般的構成のマイクロコンピュータを備えている。ROM44C及び記憶手段として用いられるHDD44Dには、各種のプログラム及びデータが記憶されており、CPU44Aは、ROM44C及びHDD44Dに記憶されているプログラムを実行することで各種の処理を行う。このとき、RAM44Bはワークメモリとして使用される。
【0050】
この監視制御盤42には、ネットワークインターフェイス(NET I/F)46が設けられ、このネットワークI/F46がインターネットなどの公衆回線網又は専用回線網に接続されることで、監視制御盤42が所定のホストサーバ48に接続される(図2も参照)。これにより、監視制御盤42は、予め設定されたデータをホストサーバ48へ送信すると共に、ホストサーバ48から各種のデータの取得が可能となり、消費監視システム40が、HEMSとして機能する。
【0051】
また、監視制御盤42には、U/I(ユーザインターフェイス)50が設けられている。図5に示されるように、U/I50は、表示手段とされるディスプレイ52A、電源スイッチ52B、メニュースイッチ52C及びスピーカ52D等が設けられている。ディスプレイ52Aとしては、LCDを用いたタッチパネル式とし、これにより、各種の表示と共に、表示面に触れる(以下、「操作」とする)ことで、ディスプレイ52Aに表示しているUI(ユーザインターフェイス)に応じた各種の情報の入力操作が可能となっている。
【0052】
図4に示されるように、U/I50は、バス44Eに接続されている。これにより、CPU44Aは、U/I50のディスプレイ52Aに各種の情報を表示させる。また、CPU44Aは、予め設定したUIをディスプレイ52Aに表示し、この表示に応じたタッチ操作によって各種の情報の入力が可能となるようにしている。なお、監視制御盤42としては、ディスプレイ52Aを含むU/I50が別に設けられて、U/I50が監視制御盤42に接続されるなどの任意の構成を適用することができる。
【0053】
一方、図3に示されるように、分電盤32には、照明器具26用の分岐ブレーカ36Aの二次側に、スイッチ54及び検出手段の一つとされる電流センサ56が設けられている。これにより、照明器具26の消費電流が電流センサ56により検出され、スイッチ54により照明器具32への電力供給が一括してオン/オフ(通電/遮断)される。このスイッチ54及び電流センサ56は、監視制御盤42に接続されている。
【0054】
図4に示されるように、監視制御盤42には、入出力インターフェイス(入出力I/F)58が設けられ、この入出力I/F58に、ドライバ60及びA/D変換器62が接続されている。また、ドライバ60にはスイッチ54が接続され、A/D変換器62には電流センサ56が接続されている。これにより、CPU44Aは、電流センサ56からの入力信号から照明器具26で消費される電力値(w又はkw)の検出が可能となっていると共に、必要に応じてスイッチ54を操作することで照明器具26の消灯(供給電力の遮断)が可能となっている。
【0055】
監視制御盤42には、通信ユニット64が設けられている。本実施の形態に係る住宅10に設けられる各電気機器と監視制御盤42とは、例えば無線通信によってデータ及び制御信号の送受信が可能となっている。住宅10に設ける各電気機器は、無線通信等の通信手段を介して動作中か否か及び動作中の消費電力の送信を行う。これにより、監視制御盤42では、住宅10内での各電気機器の動作状態(動作中か否か)及び消費電力の検出が可能となっている。
【0056】
また、各電器機器は、通信ユニット64を介して監視制御盤42から入力される制御信号によって停止される。CPU44Aは、必要に応じて電気機器へ作動を停止する制御信号を送信し、これにより、該当電気機器が作動を停止する。
【0057】
なお、監視制御盤42と各電気機器との接続は、無線通信に限らず、電力線を介した通信、住宅10(建物)に設置した通信回線を用いた屋内ネットワークによる通信など、任意の通信方法を適用することができる。また、監視制御盤42は、太陽光発電装置16、風力発電装置18、燃料電池20、蓄電池22の充電装置、車両24への充電装置等とも接続され、それぞれの動作状態の検出が検出されると共に、監視制御盤42により動作が制御される。
【0058】
一方、監視制御盤42には、ディスプレイ52Aに所定のUIを表示することで、消費電力値の上限の目標値(消費上限目標電力値、以下、消費目標電力Pm(kw)とする)が入力される。監視制御盤42では、消費目標電力Pmが入力されることで、この消費目標電力Pmを記憶する。また、監視制御盤42は、住宅10内で消費される消費電力の総量である総消費電力値(以下、総消費電力Pc(kw)とする)を算出し、総消費電力Pcと消費目標電力Pmとを比較することで、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以内か否かを監視する。
【0059】
また、監視制御盤42は、ディスプレイ52Aに所定のUIを表示することで、居住者が予め定めた電気機器ごとの動作の優先順位(以下、優先順位とする)の設定を行うことができる。
【0060】
監視制御盤42では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えると、消費目標電力を超えたこと(以下、消費電力過剰という場合もある)をディスプレイ52Aに表示して居住者に報知する。このとき、監視制御盤42は、電力消費を抑えるために停止する電気機器として、作動中の電気機器の中で優先順位の最も低い電気機器をディスプレイ52Aに表示する。なお、消費電力過剰を報知する場合、ディスプレイ52Aでの表示と共に、少なくとも住宅10内の居住者に消費電力過剰を認識される各種の構成を適用できる。この場合、認識監視制御盤42に設けているスピーカ52Dから音声やアラームを発するようにしてもよく、また、音声やアラームを発するか否かを選択できるものであって良い。
【0061】
図6(A)には、監視制御盤42で実行する消費目標電力Pmの設定の概略を示している。消費目標電力Pmは、例えば、U/I50に設けているメニュースイッチ52Cを操作することで、ディスプレイ52Aに消費目標電力Pmの設定用のUIを表示して行う。
【0062】
このフローチャートでは、最初のステップ100で時間帯を指定し、次のステップ102では、指定した時間帯の消費目標電力Pmを入力する。また、ステップ104では、設定が完了したか否かを確認し、全ての時間帯についての消費目標電力Pmが設定されることで、ステップ104において肯定判定されて、ステップ106へ移行し、設定された消費目標電力PmをHDD44Dに格納して終了する。
【0063】
また、次の時間帯の消費目標電力Pmを設定する場合には、ステップ104で否定判定されてステップ100へ移行し、次の時間帯に対する消費目標電力Pmの設定が行われる。なお、一部の時間帯について消費目標電力Pmを変更する場合は、ステップ100で該当時間帯を選択して、ステップ102で選択した時間帯の消費目標電力Pmを入力する。
【0064】
ここで、時間帯としては、1時間単位とすることができ、これにより、1日24時間について1時間ごとに消費目標電力Pmが設定される。また、時間帯としては、1時間程度で細かく区切ることが好ましいが、これに限らず、2時間単位であっても良く、居住者の1日の生活サイクルや系統電源12の料金等を考慮して区分けすることができる。この場合、例えば、午後11時から午前6時(深夜早朝帯)、午前6時から午前9時(朝帯)、午前9時から午後4時(昼帯)午後4時から午後6時(夕方帯)、午後6時から午後11(夜帯)等とすることができる。
【0065】
消費目標電力Pmは、例えば、系統電源12について契約電力が設定されている場合、この契約電力を上限として、住宅10で使用する電気機器の電力、使用状況、電力消費の抑制を考慮して居住者が任意に設定することができる。このとき、例えば、契約電力が単相3線100V/200Vで40Aの場合、8kwが上限となり、契約電力が30Aの場合6kwが上限となる。
【0066】
消費目標電力Pmは、この契約電力を考慮して、例えば、最も電力を使用する例えば夕方から夜の時間帯では、消費目標電力Pmを高くし、電力使用が少ない深夜や早朝では、消費目標電力Pmを低くする。なお、消費目標電力Pmは、契約電力、住宅の床面積、居住者の人数等に応じて予め複数のパターンを記憶し、居住者が記憶しているパターンの何れかを暫定的に選択するようにしても良い。
【0067】
図7(A)には、住宅10の時間毎の消費電力に基づいた消費目標電力Pmのパターンの一例を示している。この消費目標電力Pmのパターンでは、午後11時(23時)から午前6時までの深夜料金の時間帯で蓄電池22や車両24の蓄電池の充電が行われるように、それぞれの時間帯に対する値が設定されている。
【0068】
また、太陽光発電装置16が設けられている場合、図7(B)に示されるように、日中(昼間)は、太陽光発電装置16の発電電力が得られる。ここから、図7(A)に示す消費目標電力Pmのパターンでは、太陽光発電装置16の発電電力が得られない時間帯(例えば、午後4時から午前8時)で消費目標電力Pmを一定とし、太陽光発電装置16の発電電力が得られる昼の時間帯(午前9時から午後3時)では、消費目標電力Pmを低く設定して、太陽光発電装置16の発電電力を消費するようにし、かつ、余剰電力が生じたときに、売電を行うように設定できる。
【0069】
一方、監視制御盤42では、居住者により住宅10で使用する電気機器毎に、少なくとも使用の優先順位、電気機器を特定する情報(以下、一例として機器IDとする)を含む機器情報が入力されることで、各電器機器の登録が行われる。機器情報に含まれる機器IDは、監視制御盤42が電気機器を特定可能とする電気機器ごとに固有のコードを用いる。このようなコードは、公知の任意の構成を適用しうる。
【0070】
監視制御盤42は、機器IDを用いて各電気機器と通信を行うことで、該当電気機器が動作中か否か、動作中の消費電力を把握し、また、電気機器を停止する場合に、停止する電気機器の特定に用いる。
【0071】
図6(B)には、機器情報として入力される優先順位の一例が示されている。この優先順位では、動作が最優先されるレベル1に、照明器具26、冷蔵庫28が設定され、夜に住宅の照明が消えたり、冷蔵庫28が停電により機能しなくなってしまうのを防止するようにしている。
【0072】
また、次の優先順位とするレベル2には、蓄電池22(蓄電池22の充放電器22A)、車両24(車両24の充放電器24A)などが設定される。また、優先順位が最も低いレベル4には、エアコン36等が設定される。さらに、レベル3には、テレビジョンやステレオなどのAV機器等、電子レンジやトースター、電気炊飯器などの台所回りの家電製品等を設定することができる。
【0073】
また、例えば、複数の部屋にエアコン36が設置されているなど、同じ種類の電気機器が複数ある場合、その電気機器ごとに優先順位を設定しても良く、同じ種類の電気機器については、同じ優先順位を設定するものであっても良い。
【0074】
なお、電気機器の優先順位は、電気機器毎にデフォルトの優先順位を記憶し、このデフォルトの優先順位を用いても良く、また、必要に応じて居住者がデフォルトの優先順位を、電気機器の種類ごと又は電気機器ごとに変更するものであっても良い。また、ここでは、優先順位をレベル1からレベル4の4段階としているが、少なくとも2段階以上とし、4段階以上などとして、細かく優先順位を設定しうる構成としても良い。
【0075】
機器情報としては、住宅10内での設置場所を含むことができる。機器情報に設置場所を含む場合、監視制御盤42は、電気機器毎の住宅10内での設置場所を入力するUIをディスプレイ52Aに表示する。また、設置場所の入力は、例えば、住宅10内の間取りを登録し、その間取り(間取り図)をディスプレイ52Aに表示して、各電器機器の位置を入力するものであっても良い。
【0076】
図8には、このときの一例を示している。なお、図8では、電気機器の一部のみを図示している。この間取り図66に示されるように、住宅10には、居間(リビング)68に照明器具26、エアコン30及びテレビジョンなどの家電機器(図示省略)が配置され、台所(キッチン)70に、照明器具26、冷蔵庫28等が配置される。このとき、例えば、和室72にもエアコン30が設けられている場合、居間68のエアコン30(30A)及び和室72のエアコン30(30B)が識別されるように入力される。なお、ここでは、間取り図66上で電気機器の位置を特定するように説明するが、これに限らず、居住者が電気機器の設置位置を特定しうるものであれば、居室名などの居室を特定する情報を用いるなどの任意の構成を適用することができる。
【0077】
消費監視システム40の監視制御盤42は、入力された電気機器ごとの機器情報に基づき電気機器毎の優先順位を設定すると、電気機器を優先順位と共にHDD44Dに格納することで登録する。また、機器情報に電気機器の設置位置を含む場合、設置位置を含めて電気機器の登録を行う。消費監視システム40(監視制御盤42)は、各電器機器の登録内容に基づき、消費目標電力Pmに対する消費電力の監視及び監視結果の報知を行う。
【0078】
以下に、消費監視システム40の監視制御盤42で実行する電力消費の監視処理を説明する。
【0079】
〔第1の実施の形態〕
【0080】
図9には、第1の実施の形態に係る監視処理の概略を示している。このフローチャートでは、予め設定された時間間隔(例えば、1分〜10分程度)で実行され、最初のステップ110で、電流センサ56によって検出する電流値を読み込むことで、照明器具32の消費電力を検出する。これと共に、監視制御盤42は、各電気機器と通信を行うことで、作動中の電気機器を特定し、特定した電気機器の消費電力値(以下、消費電力とする)を検出する。なお、各証明器具26を除く各電器機器の消費電力の検出は、電流センサを用いて消費電流を検出して算出するようにしても良く、電力計を用いて検出するものであっても良い。
【0081】
次のステップ112では、検出した消費電力から住宅10におけるその時点の総消費電力Pcを算出し、ステップ114では、算出した総消費電力Pcとその時間帯における消費目標電力Pmを比較し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認する。
【0082】
ここで、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以下(Pc≦Pm)である場合、ステップ114で否定判定して、ステップ116へ移行し、消費目標電力Pm及び総消費電力Pcをディスプレイ52Aに表示する。次のステップ118では、総消費電力Pmを履歴としてHDD44Dに格納する。
なお、図9では、予め設定された時間間隔で総消費電力Pcを検出し、検出した総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認するようにしているが、これに限らず、例えば、総消費電力Pcを連続的に検出(瞬間値を検出)しながら、消費目標電力Pmと比較することで、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認するなど、総消費電力Pcと消費目標電力Pmを比較する任意の構成を適用することができる。
【0083】
図10(A)には、ディスプレイ52Aにおける表示の一例とする表示画面74を示している。この表示画面74では、その時間帯に対して設定された消費目標電力Pcが表示されると共に、その時点で算出された総消費電力値Pmが表示される。居住者は、このディスプレイ52Aの表示を見ることで、その時点でどの程度の電力消費があるかを確認できると共に、総消費電力Pcと自己の設定した消費目標電力Pmとの差を認識することができる。
【0084】
これに対して、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えていると(Pc>Pm)、図9に示されるフローチャートでは、ステップ114で肯定判定してステップ120へ移行する。このステップ120では、動作中の電気機器のそれぞれについて登録されている優先順位を読出し、最も優先順位の低い電気機器を選択する。このとき、該当する優先順位の電気機器が複数あれば、それぞれの電気機器を選択する。また、ステップ122では、優先順位の低い電気機器が動作しているか否かを確認する。
【0085】
ここで、優先順位がレベル2又はレベル2より低いレベル3、レベル4の電気機器が動作していれば、ステップ122で肯定判定してステップ124へ移行する。このステップ124では、ディスプレイ52Aに、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた消費電力過剰が発生したことを居住者に報知する表示を行う。これと共に、ディスプレイ52Aに、選択した電気機器を表示することで、電力消費を抑えるために停止させる電気機器を提示する。
【0086】
図10(B)には、このときの一例とする表示画面76を示している。この表示画面76では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたことを示すメッセージ78が表示される。また、表示画面76では、選択した機器を停止させるように提案するメッセージ80を表示する。このとき、エアコン30が動作しており、動作している電気機器の中でエアコン30の優先順位が最も低いことで、表示画面76には、エアコン30を停止するように薦めるメッセージ80が表示される。
【0087】
また、表示画面76では、メッセージ80に対して確認ボタン80Aが表示される。これにより、ディスプレイ52Aの表示を見た居住者がこの確認ボタン80Aを操作(タッチ)することで、提示した電気機器を停止するように指示できる(停止を了承)。
【0088】
なお、ここでは、2つのメッセージ78、80を表示するようにしているが、これに限らず、例えば、メッセージ78のみを先に表示し、所定のタイミングでメッセージ80が表示されるように画面を切換えるものであっても良い。また、ディスプレイ52Aの電気機器の表示に触れるなどの操作を行うことで、住宅10の間取り図66(図8参照)を簡略化してディスプレイ52Aに表示し、該当電気機器の設置位置を明示するようにしても良い。このときの簡略化した表示は、居住者が該当電気機器の設置位置を特定しうるものであれば良い。
【0089】
この図10(B)では、選択された電気機器が一つの場合を示しているが、同じレベルの電気機器が複数台ある場合、それぞれをディスプレイ52Aに表示するようにしても良い。図10(C)には、このときの一例とする表示画面76Aを示している。この表示画面76Aでは、2台の「エアコンA」、「エアコンB」(例えば、エアコン30A、30B)が動作しているために、これらのエアコン30A、30Bを停止することを薦めるメッセージ82A、82B、82Cが表示される。このとき、表示した電気機器ごとに確認ボタン82D、82Eを表示して、停止させる電気機器を個々に指定できるようにしているが、一つの確認ボタンで停止を指示できるようにしも良い。
【0090】
また、図9のステップ124では、ディスプレイ52Aへの表示に加え、スピーカ52Dから表示内容を音声で知らせるか、消費電力過剰が表示されたことを示すアラームを発するようにしても良い。
【0091】
次のステップ126では、ディスプレイ52Aに表示した確認ボタン80Aが操作されたか否か(停止が指示されたか否か)を確認し、ステップ128では、ディスプレイ52Aにメッセージ80等を表示してから所定時間が経過したか否かを確認する。
【0092】
ここで、確認ボタン80Aが操作された場合、ステップ126で肯定判定してステップ130へ移行する。また、所定時間が経過しても確認ボタン80Aが操作されなかった場合、ステップ128で肯定判定してステップ130へ移行する。
【0093】
このステップ130では、ディスプレイ52Aに表示して停止を薦めている電気機器(ここではエアコン30)を停止させる。この後に、ステップ118へ移行する。なお、このときには、消費電力過剰となった総消費電力Pcを記憶するようにしても良い。
【0094】
なお、ディスプレイ52Aの表示を居住者が確認することで、表示した電気機器を停止するようにしているが、居住者の確認を行わずに、表示した電気機器を停止するようにしても良い。また、同じ優先順位の電気機器の間で更に優先順位を設定し、優先順位の低い電気機器として複数の電気機器を表示している場合に、表示している電気機器の間で優先順位の低い電気機器を順に停止させるようにしても良い。このとき、電気機器を停止させるごとに総消費電力Pcを算出し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmと等しくなるか下回ったとき(Pc≦Pm)に、次の電気機器の作動停止を中止するようにしても良い。
【0095】
一方、優先順位の低い電気機器が動作しておらず、優先順位の高い(例えばレベル1)のみが動作している場合、ステップ122で否定判定されてステップ132へ移行する。このステップ132では、消費目標電力Pmを一時的に増加させる。また、ステップ134では、消費電力過剰を報知する表示に加えて、消費電力目標Pmの見直しを薦める表示を行う。ここで、消費目標電力Pmを変更する場合、図6(A)に示した処理を行えば良い。
【0096】
図11には、ステップ134に基づいたディスプレイ52Aの表示の一例とする表示画面84を示している。この表示画面84では、消費電力過剰を示すメッセージ78を表示すると共に、動作している電気機器の優先順位が高く停止しうる電気機器が無いことを示すメッセージ86Aを表示する。また、表示画面84では、現時点の総消費電力Pc及び消費目標電力Pm(メッセージ86B)に加え、見直しを薦める消費電力値Pmcを表示する(メッセージ86C)。ここで、見直しを薦める消費目標電力Pmcの値(目標値)としては、少なくとも、消費電力過剰となった時点の総消費電力Pcを僅かに超える値とすることができる。
【0097】
なお、一時的に変更した消費目標電力Pmは、例えば、次の時刻が次の時間帯に移行し、その時間帯の消費目標電力Pmが適用されたときに、元の値に戻される。
【0098】
このように、監視制御装置42では、優先順位が高く設定された電気機器のみが動作しているときには、動作中の電気機器を停止しないことで、それらの電気機器を停止させてしまうことによる問題の発生を未然に防ぐことができる。すなわち、照明器具26及び冷蔵庫28を優先順位の高い電気機器として設定しており、例えば、冷蔵庫28を停止させてしまうと、冷蔵庫28に収納されている食品に保存期間が短くなったり、冷凍食品が解凍してしまうなどの各種の問題が生じるが、このような問題の発生を防止できる。
【0099】
また、夜間に照明器具26を消灯させることは、居住者に不安を与えることになるが、照明器具26を消さないことで、このような問題の発生を防止できる。なお、照明器具26については、屋外が明るい昼間では、点灯が不要であることが多いので、例えば、昼間(例えば、午前10時から午後4時頃で、午後0時から午後1時を除く時間帯)とそれ以外の時間帯とで、優先順位が異なるようにしても良い。
【0100】
また、消費目標電力Pmを一時的増加させることで、優先順位の高い電気機器を停止させることなく、同一の報知(アラーム)が継続して発することになるのを防止している。
【0101】
このように、監視制御装置42では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたときに、電気機器を停止して消費電力を抑えるように促すので、居住者が設定した消費目標電力Pmを超えて電力消費がなされるのを抑えることができる。すなわち、監視制御盤42では、消費目標電力Pmを、居住者が任意の設定できるので、居住者が消費目標電力Pmを低く設定すれば、省電力を促進することができる。
【0102】
また、消費電力目標Pmは、契約電力などの制限値よりも低く設定されることで、電力消費過剰が発生したときにも、総消費電力Pcが契約電力に達するなどして、メインブレーカ34が遮断動作して、全ての電気機器への電力供給が停止してしまうのを防止することができる。
【0103】
第1の実施の形態では、優先順位の高い機器のみが作動している時間帯で総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたときに、消費目標電力Pmの変更を薦めるようにしているが、監視制御盤42では、総消費電力Pcの履歴を記憶しており、この履歴を参照することで、消費目標電力Pmに対して総消費電力Pcの少ない時間帯について、消費目標電力Pmを下げるように提案しても良い。
【0104】
例えば、図7(A)に示されるように、深夜の時間帯では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmより低くなっている。ここから、監視制御盤42は、総消費電力Pcと消費目標電力Pmとの差の電力を算出することで、深夜の時間帯の消費目標電力Pmを低減するようにディスプレイ52Aに表示して提案することができる。
【0105】
また、図7(A)に示されるように、消費目標電力Pmに対する総消費電力Pcでは、朝夕の時間帯で、総消費電力Pcが消費目標電力Pmより多くなる場合、優先順位の低い電気機器の作動を停止することで、消費電力量(kwh)を下げることができる。
【0106】
〔第2の実施の形態〕
【0107】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図12には、第2の実施の形態に係る監視処理の概略を示している。なお、図12のフローチャートは、第1の実施の形態に係る図9のフローチャートに換えて適用され、同一の処理については、同じステップ番号を付与してその説明を省略する。
【0108】
このフローチャートは、作動中の電気機器の消費電力を検出し、総消費電力Pcを算出すると、ステップ150では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたか否かを確認する。
【0109】
ここで、何れかの電気機器が作動されるなどして、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えるとステップ150で肯定判定してステップ152へ移行する。このステップ152では、ディスプレイ52Aに総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた消費電力過剰に至ったことを表示して居住者に報知する。また、ステップ152では、直前に動作を開始した電気機器を対象電気機器として表示すると共に、上記表示に合わせて消費目標電力Pmを高くする(以下では、消費目標電力Pmを増加させるとも言う)ことを提案する表示を行う。ステップ154では、消費目標電力Pmを暫定的に増加させる(以下、増加させた消費目標電力Pmを消費目標電力Pmsとする)。なお、このときの増加量は、総消費電力Pcが消費目標電力Pms以下となる値としている。
【0110】
また、ステップ156では、対象電気機器の機器情報に基づいて住宅10での設置位置を読み取り、対象電気機器の設置位置を特定する。この後、ステップ158では、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促す表示を行う。このとき、ディスプレイ52Aには、例えば住宅10の間取り図66を簡略化して表示し、該当間取り図上で対象電気機器の位置を示す表示を行うと共に、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促す表示を行う。
【0111】
図13(A)には、前記ステップ152で適用する表示の一例を示している。ディスプレイ52Aに表示される表示画面88には、対象電気機器(直前に動作された電気機器)が動作したことを報知するメッセージ88A、それにより消費電力過剰となったことを報知するメッセージ88Bを表示する。このメッセージ88Bには、消費目標電力Pmを暫定的に増加させる(高くする)ことを提案するメッセージを含ませている。
【0112】
また、この表示画面88には、確認ボタン88Cが表示され、この確認ボタン88Cが操作されることで、ディスプレイ52Aの表示が切り替わり、前記ステップ158に対応する表示がなされる。図13(B)には、このときにディスプレイ52Aの表示の一例を示している。この表示画面90では、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促すメッセージ90Aを表示し、住宅10の間取り図66を簡略化した間取り図92を表示する。このとき、表示画面90では、間取り図92に重ねて、対象電気機器の設置位置を表示するマーク92A(図13(B)では、一例として星印で示している)。これにより、居住者が意図しない電気機器が作動した場合でも、その電気機器の確認が容易となる。
【0113】
この表示画面90には、対象電気機器の作動を継続することを選択する継続ボタン90Bを表示することが好ましく、これにより居住者が対象電気機器を緊急で作動させたい場合に、作動を継続するように指示可能となる。
【0114】
一方、図12のフローチャートでは、ステップ160で、作動の継続が指示されたか否かを確認し、ステップ162では、所定時間が経過したか否かを確認する。ここで、居住者が、対象電気機器の作動に緊急性が有ると判断し、ディスプレイ52Aの表示画面90上で継続ボタン90Bを操作するとステップ160で肯定判定されてステップ164へ移行する。このステップ164では、消費目標電力Pmを増加した状態(消費目標電力Pms)に維持するように設定する。
【0115】
これにより、例えば、車両24が電気自動車であり、車両24の蓄電池に緊急に充電するために充放電器24Aを作動させ、これにより消費電力過剰が生じた場合でも、車両24への充電を継続することができる。なお、この場合、例えば、増加させていない消費目標電力Pmと総消費電力Pcとを比較し、総消費電力Pcが増加させていない消費目標値Pm以下(Pc≦Pm)となったときに、増加させている消費目標電力Pmsを元に戻すなどの制御を適用することができる。
【0116】
これに対して、所定時間が経過しても継続の指示がないと、ステップ162で肯定判定されてステップ166へ移行する。このステップ166では、消費目標電力Pmの増加が、予め定めている時間だけ継続するように設定する。すなわち、所定時間の間、消費目標電力Pmsに維持する。また、次のステップ168では、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以下(Pc≦Pm)となる時間帯を抽出する(以下、探索するとも言う)。すなわち、対象電気機器の動作が可能となる時間帯の探索を行う。
【0117】
このような時間帯の探索は、監視制御盤42では、総消費電力Pcの履歴を記憶していることから、この履歴を用いて総消費電力Pcが消費目標電力Pmを下回る時間帯を予測するようにできる。この予測は、例えば、記憶されている総消費電力Pcに対象電気機器の消費電力を加えた総消費電力Pcsが、消費目標電力Pm以下となる時間帯、すなわち、消費目標電力Pmが総消費電力Pcs以上となる時間帯を探索する。このとき、総消費電力Pcsの算出に適用する総消費電力Pcは、時間帯ごとに平均値を算出し、この平均値を適用することができる。また、対象電気機器の消費電力は、対象電気機器の動作前の総消費電力Pcと対象電気機器の動作中の総消費電力Pcの差から取得することができる。
【0118】
この後、ステップ170では、探索した時間帯での対象電気機器の作動を促す表示を行う。この後に、前記した所定時間が経過することで、暫定的に増加させていた消費目標電力Pmを元の値に戻すと共に、対象電気機器の作動を停止する(ステップ172)。
【0119】
ここで、例えば、午後11時(23時)を過ぎると総消費電力Pcが減少し、午前5時までは、総消費電力Pcsがその時間帯の消費目標電力Pm以下となる(Pcs≦Pm)と判断されると、探索結果として午後11時から午前5時の時間帯を取得する。この取得した時間帯がディスプレイ52Aに表示される。
【0120】
図13(C)には、ステップ170におけるディスプレイ52Aの表示の一例を示している。この表示画面94では、探索により取得した時間帯で、対象電気機器を動作させるように提案するメッセージ94Aを表示する。なお、表示画面94は、例えば、確認ボタン94Bを設け、この確認ボタン94Bが操作されることで表示が消される。また、これに限らず、対象電気機器の作動が停止されてから所定時間が経過することで消されるものであっても良い。
【0121】
このように、居住者が緊急性の要否を入力しなかった場合には、緊急性がないと判断して、所定時間が経過した後に、対象電気機器の作動を停止することで、電力消費の増加を抑える。また、対象電気機器を停止するまでに、代替となる時間帯をディスプレイ52Aに表示することで、居住者が対象電気機器を動作させることで消費電力過剰となってしまうのを防止することができる。
【0122】
なお、図12のステップ154では、居住者の確認を行わずに消費目標電力Pmを暫定的に増加するようにしたが、これに限らず、例えば、図13(A)の表示画像88上で居住者が確認ボタン88Cを操作することで、ステップ154を実行して、消費目標電力Pmを暫定的に増加させるようにしても良い。このときには、ステップ166へ移行した時に、消費目標電力Pmを暫定的に増加させれば良い。
【0123】
このように、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えてから暫時的に消費上限目標電力値を高くする増加手段を含み、増加手段により消費上限目標電力値が高くされている間に、報知手段が、直前に動作した電気機器を動作させる時間帯として、総消費電力値が消費目標電力値以下となる時間帯を報知することで、電力消費を抑制している状態で所望の電気機器を的確に動作させることができる。
また、本実施の形態に係る建物としている住宅10では、消費監視システム40が設けられていることで、居住者が、自己の立てた電力消費の目標値に合わせて省エネを図ることができる。
【0124】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、照明器具26用にスイッチ54を設けているが、照明器具26の優先順位が最も高く、電力を遮断する可能性が無ければスイッチ54を省略しても良い。また、ディスプレイ52Aに表示する各種のメッセージは、その意図が的確に伝達される表現であれば、任意の表現を適用することができる。
【0125】
また、本実施の形態では、ディスプレイ52Aに各種のメッセージを表示することで、居住者に報知するように説明したが、これに限らず、音声やアラームにより居住者に報知するなど、居住者がそのメッセージを容易に認識しうる各種の報知手段を適用することができる。
【0126】
さらに、以上説明した本実施の形態の構成および制御は一例であり、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0127】
10 住宅
12 系統電源
26 照明器具(電気機器)
28 冷蔵庫(電気機器)
30 エアコン(電気機器)
32 分電盤
40 消費監視システム
42 監視制御盤
50 U/I
52A ディスプレイ
54 スイッチ
56 電流センサ
64 通信ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーや資源の節約が望まれている。ここから、電力線に接続される機器ごとに優先度及び動作電流を設定し、新たに要求された機器を動作させることで、全負荷電流が所定の電流容量を超える場合、低優先度の機器を停止させることで、建物内で消費される電流が契約電力を超えてしまうのを防止する提案がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、各機器の消費電力値を取得し、消費電力値の合計が、契約電力値に基づく許容最大消費電力値を超える場合に警報を発する提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
一方、発電や電力消費により環境負荷の増加を招く場合がある。ここから、家屋内で使用される電気機器を電力線通信ネットワークによって接続し、接続した電気機器から入力される消費電力を、各電器機器から排出される環境負荷物質の排出量に換算することで、環境負荷物質の排出量を管理する提案がなされている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平03−245743号公報
【特許文献2】特開平11−069625号公報
【特許文献3】特開2008−204278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、環境負荷物質の排出量を管理したり、契約電力等を超えないように電力の消費を管理するのみでは、必ずしも省エネルギーの促進を図り得るものではない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力などのエネルギーの消費の抑制を促進しうる消費監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1の発明は、入力される目標値を監視領域内で消費されるエネルギーの上限とする消費上限目標値に設定する設定手段と、前記監視領域内での前記エネルギーの総消費値が前記消費上限目標値を超えた場合に、前記総消費値が前記消費上限目標値を超えたことを報知する報知手段と、を含む。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、目標値を入力することでエネルギーの消費上限目標値が設定され、エネルギーの総消費値が消費上限目標値を超えた場合に、エネルギーの総消費値が消費上限目標値を超えたことを報知し、注意を喚起する。これにより、設定した消費上限目標値を超えないようにエネルギーの消費を抑えることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記エネルギーが電力であり、前記総消費値として前記電力により動作する電気機器ごとの消費電力値から総消費電力値を検出する検出手段を備え、前記設定手段が、前記消費上限目標値として消費上限目標電力値を設定し、前記報知手段が、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に報知する。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、消費電力の目標値を入力することで、この目標値が消費上限目標電力値に設定され、検出手段により検出される総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に報知される。これにより、設定した消費上限目標電力値を超えないように電力の消費を抑えることができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2に記載の発明において、前記設定手段は、系統電源で許容される範囲で前記消費上限目標電力値を設定する。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、例えば、系統電源の契約電力の範囲内で消費上限目標電力値を設定する。これにより、電力消費の抑制を図りながら、総消費電力値が契約電力に達してしまうのを確実に防止することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記報知手段が、前記消費上限目標電力値及び前記総消費電力値を表示手段に表示させると共に、前記総消費電力値が前記消費目標電力値を超えた場合に、当該超えたことを前記表示手段に表示させる表示制御手段を含む。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、表示手段に表示されるので、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えたことを視認できる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記電気機器ごとの機器情報として動作の優先順位が設定されて記憶され、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に、前記電気機器毎の前記優先順位に基づき、動作中の前記電気機器のうちで前記優先順位の低い電気機器を、動作を停止させる電気機器として報知する。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、電気機器ごとに動作の優先順位を設定することで、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、動作の優先順位が低い電気機器を報知する。これにより、電力消費を抑えるために停止させる電気機器の選択が容易となる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記優先順位の低い順に前記電気機器の動作を停止させる停止手段を含む。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、優先順位の低い電気機器の動作を順に停止させるので、的確な電力消費の抑制が可能となると共に、優先順位の高い電気機器が停止されるのを抑えることができる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項5に記載の発明において、前記作動中の前記電気機器の前記優先順位が所定順位以上である場合に、前記報知手段は、前記優先順位が高いことを示す情報を報知すると共に前記消費上限目標電力値を高くするように報知する。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、動作している電気機器が優先順位の高い電気機器のみであると、その旨を報知する。これと共に、消費上限目標電力値を高くする提案を行うので、優先順位の高い電気機器の動作を停止させてしまうことによる問題の発生を防止することができる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超える直前に動作された前記電気機器を報知すると共に、当該電気機器の動作を継続するか否かの指示を促すように報知する。
【0023】
請求項8に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超える原因となった電気機器を表示し、該当電気機器の動作を継続させるか否かを確認するので、緊急で電気機器を動作させた場合でも、不用意に停止してしまうことがない。
【0024】
請求項9の発明は、請求項8に記載の発明において、前記電気機器ごとの機器情報として当該電気機器の前記監視領域内での位置情報を含み、前記報知手段は、前記電気機器ごとの前記位置情報に基づき、前記直前に動作した前記電気機器の前記監視領域内での位置を報知する。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、総消費電力値が消費上限目標電力値を超える原因となっている電気機器の建物内での位置を表示するので、当該電気機器を的確に特定することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は請求項9に記載の発明において、前記直前に動作された前記電気機器の動作の継続が指示された場合に、前記消費上限目標電力値を高くし、当該電気機器の動作が継続されるようにする。
【0027】
請求項10に記載の発明によれば、例えば、緊急を要する電気機器であるときに、消費上限目標電力値を一時的に高くするので、当該電気機器を確実に作動させることができる。
【0028】
このような本発明では、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えてから暫時前記消費上限目標電力値を高くする増加手段を含み、前記報知手段は、前記増加手段により前記消費上限目標電力値が高くされている間に、前記直前に動作した前記電気機器を動作させる時間帯として、前記総消費電力値が前記消費目標電力値以下となる時間帯を報知しても良い。
【0029】
これにより、電気機器を所定時間動作させながら、当該電気機器を動作させることができる時間を探して報知するので、当該電気機器を、次の動作させることができるタイミングを明確に把握できる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、エネルギーの消費を抑えるための消費上限目標値を任意に設定できるので、所望の条件で省エネルギーを促進することができるという優れた効果を有し、請求項2に記載の発明によれば、所望の条件で省電力化を図ることができるという優れた効果を有する。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、総消費電力値が契約電力などの上限値に達してしまうのを確実に防止することができ、請求項4に記載の発明では、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えた場合に、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えたことを的確に把握することができる。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、電力消費を抑えるために停止させる電気機器の把握が容易となり、請求項6に記載の発明によれば、的確に電力消費の抑制を行うことができる。また、請求項7に記載の発明によれば、停止させるのが好ましくない電気機器の動作状態を継続させることができる。
【0033】
請求項8に記載の発明によれば、例えば、緊急で動作させた電気機器について、不用意に動作が停止させられてしまうのを防止することができ、請求項9に記載の発明によれば、総消費電力値が消費目電力値を超える直前に動作を開始した電気機器を容易に特定することができる。
【0034】
また、請求項10に記載の発明によれば、緊急を要する電気機器等の作動を継続させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態に係る住宅の要部の概略図である。
【図2】分電盤への電力供給を示す概略構成図である。
【図3】分電盤と電気機器との接続の概略を示す単結図である。
【図4】監視制御盤の概略構成図である。
【図5】監視制御盤の一例を示す概略概観図である。
【図6】(A)は消費目標電力の設定の一例を示す流れ図、(B)は電気機器毎の優先順位の一例を示す図表である。
【図7】(A)は時刻に対する総消費電力と消費目標電力の一例を示す線図、(B)は時刻に対する太陽光発電装置の発電電力の一例を示す線図である。
【図8】住宅の間取りの一例を示す概略図である。
【図9】第1の実施の形態に係る監視処理を示す流れ図である。
【図10】(A)から(C)のそれぞれは、第1の実施の形態に係るディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【図11】対象電気機器を動作可能な時間帯の提示するときのディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【図12】第2の実施の形態に係る監視処理を示す流れ図である。
【図13】(A)から(C)のそれぞれは、第2の実施の形態に係るディスプレイの表示の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る消費監視システムについて説明する。図1には、本実施の形態に係る建物の一例とする住宅10の概略構成が示されている。本実施の形態では、エネルギー資源の一例として電気エネルギーである電力を適用し、消費監視システムでは、電力の消費(消費電力値)を監視するものとしており、この住宅10には、電力として商用電源などの系統電源12が引込まれている。
【0037】
本実施の形態に係る住宅10としては、電力(電気エネルギー)の発生源として、太陽光パネル14で太陽光を受光することで受光量に応じた電力を発生する太陽光発電装置16、風力によって発電機が回転駆動されることで発電する風力発電装置18などの自然エネルギーを用いた各種の発電装置を設けることができる。また、住宅10としては、燃料電池20を設けることもできる。さらに、住宅10としては、電気エネルギー源として蓄電池22、蓄電池を有する電気自動車(EV:Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid electric Vehicle)などの車両24などを設けることができる。
【0038】
なお、以下では、エネルギーの一例として電力を用いて説明するが、本発明は、これに限らず、住宅10でエネルギーとして用いられるガスや水道などに適用することが可能である。
【0039】
一方、住宅10には、系統電源12等の電力を消費する電力負荷として、電力が供給されることにより点灯する照明器具26、電力により動作する冷蔵庫28、空調装置(エアコン30)、テレビジョン(図示省略)などの各種の家電製品が設けられた一般的構成となっている。
【0040】
また、住宅10に設けられる蓄電池、及び住宅の電力配線に接続される車両24は、それぞれに電力を蓄積する充電が行われる場合、電力負荷としてみなされる。なお、以下では、照明器具26や各種の家電製品を含め、電力により動作する機器(電力負荷)を総称して電気機器として説明する。
【0041】
図2に示されるように、住宅10には、分電盤32が設けられており、屋外から引込まれた系統電源12は、積算電力計(図示省略)を介して分電盤32に供給される。なお、太陽光発電装置16の発電電力、風力発電装置18の発電電力、燃料電池の発電電力、蓄電池22の放電電力、及び車両24からの放電電力などの住宅10内で発生された電力は、系統電源12の電圧、周波数、位相に変換され、系統電源12を介して、又は直接分電盤32へ供給されることで住宅10において使用(消費)可能となる。また、電力変換機構は、公知の一般的構成を適用することができる。また、電力源の電力を住宅10内の電気機器で使用するか、又は系統電源12へ供給する所謂売電を行う構成としている。
【0042】
図3に示されるように、この分電盤32には、メインブレーカ(主開閉器)34が設けられており、系統電源12は、このメインブレーカ34の一次側に供給される。このメインブレーカ34としては、契約電力に応じた遮断容量のものを適用することができる。また、メインブレーカ34としては、住宅10内の電気負荷の総容量に応じて設定された遮断容量のものを適用することもできる。
【0043】
分電盤32内には、複数の分岐ブレーカ36が設けられており、分岐ブレーカ36のそれぞれの一次側がメインブレーカ34の二次側に接続されている。また、分岐ブレーカ36のそれぞれには、住宅10内に設けられている電気機器が接続される。また、住宅10に設けられた電気機器のそれぞれには、分岐ブレーカ36の何れかに接続される。
【0044】
これにより、住宅10では、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36を介して、電気機器のそれぞれに系統電源12を含む電力が供給される。なお、本実施の形態に係る住宅10には、単相3線式の100V/200Vの系統電源が供給され、各電気機器には、電気機器ごとの定格電圧に応じた電圧(100V又は200V)が供給される。
【0045】
ここで、分岐ブレーカ36Aには、住宅10内に設けられた照明器具26が接続される。これにより、メインブレーカ34及び分岐ブレーカ36Aをオン(閉じる)することで、住宅10内の照明器具26の点灯が可能となる。なお、ここでは、一つの分岐ブレーカ36Aを照明器具26用としているが、照明器具26の総容量に応じて、複数の分岐ブレーカ36Aが用いられる。
【0046】
分岐ブレーカ30Bには、住宅10に設けられている汎用コンセント(図示省略)が接続される。この汎用コンセントには、住宅10に設けられる冷蔵庫28を含む各種の家電機器が接続され、これにより、各家電機器に電力が供給される。
【0047】
さらに、住宅10では、エアコン30が接続されるコンセント、蓄電池22の充放電器22A用の専用コンセント、車両24に設けられた蓄電池用の充放電器24A用の専用コンセント、燃料電池20へ動作用の電力供給のための専用コンセントが設けられる。この場合、専用コンセント毎に異なる分岐ブレーカ36Cに接続される。なお、専用コンセントに換えてそれぞれの電気機器の近傍に手元開閉器を設けた構成であっても良い。
【0048】
ところで、図2に示されるように、本実施の形態に適用した住宅10には、電力の消費を監視する消費監視システム40が設けられている。この消費監視システム40は、監視制御盤42を備えている。この監視制御盤42は、住宅10のエネルギー消費を管理するHEMS(Home Energy Management System)を形成し、太陽光発電装置16等の発電手段の発電電力の管理、蓄電池22等への充放電の制御などを行う機能を併せ持つ。なお、以下では、分電盤32と別に監視制御盤42を設けて説明するが、分電盤32と監視制御盤42とが一体とされた構成であっても良い。
【0049】
図4に示されるように、監視制御盤42は、CPU44A、RAM44B、ROM44C、HDD44Dを備え、これらがバス44Eに接続された一般的構成のマイクロコンピュータを備えている。ROM44C及び記憶手段として用いられるHDD44Dには、各種のプログラム及びデータが記憶されており、CPU44Aは、ROM44C及びHDD44Dに記憶されているプログラムを実行することで各種の処理を行う。このとき、RAM44Bはワークメモリとして使用される。
【0050】
この監視制御盤42には、ネットワークインターフェイス(NET I/F)46が設けられ、このネットワークI/F46がインターネットなどの公衆回線網又は専用回線網に接続されることで、監視制御盤42が所定のホストサーバ48に接続される(図2も参照)。これにより、監視制御盤42は、予め設定されたデータをホストサーバ48へ送信すると共に、ホストサーバ48から各種のデータの取得が可能となり、消費監視システム40が、HEMSとして機能する。
【0051】
また、監視制御盤42には、U/I(ユーザインターフェイス)50が設けられている。図5に示されるように、U/I50は、表示手段とされるディスプレイ52A、電源スイッチ52B、メニュースイッチ52C及びスピーカ52D等が設けられている。ディスプレイ52Aとしては、LCDを用いたタッチパネル式とし、これにより、各種の表示と共に、表示面に触れる(以下、「操作」とする)ことで、ディスプレイ52Aに表示しているUI(ユーザインターフェイス)に応じた各種の情報の入力操作が可能となっている。
【0052】
図4に示されるように、U/I50は、バス44Eに接続されている。これにより、CPU44Aは、U/I50のディスプレイ52Aに各種の情報を表示させる。また、CPU44Aは、予め設定したUIをディスプレイ52Aに表示し、この表示に応じたタッチ操作によって各種の情報の入力が可能となるようにしている。なお、監視制御盤42としては、ディスプレイ52Aを含むU/I50が別に設けられて、U/I50が監視制御盤42に接続されるなどの任意の構成を適用することができる。
【0053】
一方、図3に示されるように、分電盤32には、照明器具26用の分岐ブレーカ36Aの二次側に、スイッチ54及び検出手段の一つとされる電流センサ56が設けられている。これにより、照明器具26の消費電流が電流センサ56により検出され、スイッチ54により照明器具32への電力供給が一括してオン/オフ(通電/遮断)される。このスイッチ54及び電流センサ56は、監視制御盤42に接続されている。
【0054】
図4に示されるように、監視制御盤42には、入出力インターフェイス(入出力I/F)58が設けられ、この入出力I/F58に、ドライバ60及びA/D変換器62が接続されている。また、ドライバ60にはスイッチ54が接続され、A/D変換器62には電流センサ56が接続されている。これにより、CPU44Aは、電流センサ56からの入力信号から照明器具26で消費される電力値(w又はkw)の検出が可能となっていると共に、必要に応じてスイッチ54を操作することで照明器具26の消灯(供給電力の遮断)が可能となっている。
【0055】
監視制御盤42には、通信ユニット64が設けられている。本実施の形態に係る住宅10に設けられる各電気機器と監視制御盤42とは、例えば無線通信によってデータ及び制御信号の送受信が可能となっている。住宅10に設ける各電気機器は、無線通信等の通信手段を介して動作中か否か及び動作中の消費電力の送信を行う。これにより、監視制御盤42では、住宅10内での各電気機器の動作状態(動作中か否か)及び消費電力の検出が可能となっている。
【0056】
また、各電器機器は、通信ユニット64を介して監視制御盤42から入力される制御信号によって停止される。CPU44Aは、必要に応じて電気機器へ作動を停止する制御信号を送信し、これにより、該当電気機器が作動を停止する。
【0057】
なお、監視制御盤42と各電気機器との接続は、無線通信に限らず、電力線を介した通信、住宅10(建物)に設置した通信回線を用いた屋内ネットワークによる通信など、任意の通信方法を適用することができる。また、監視制御盤42は、太陽光発電装置16、風力発電装置18、燃料電池20、蓄電池22の充電装置、車両24への充電装置等とも接続され、それぞれの動作状態の検出が検出されると共に、監視制御盤42により動作が制御される。
【0058】
一方、監視制御盤42には、ディスプレイ52Aに所定のUIを表示することで、消費電力値の上限の目標値(消費上限目標電力値、以下、消費目標電力Pm(kw)とする)が入力される。監視制御盤42では、消費目標電力Pmが入力されることで、この消費目標電力Pmを記憶する。また、監視制御盤42は、住宅10内で消費される消費電力の総量である総消費電力値(以下、総消費電力Pc(kw)とする)を算出し、総消費電力Pcと消費目標電力Pmとを比較することで、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以内か否かを監視する。
【0059】
また、監視制御盤42は、ディスプレイ52Aに所定のUIを表示することで、居住者が予め定めた電気機器ごとの動作の優先順位(以下、優先順位とする)の設定を行うことができる。
【0060】
監視制御盤42では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えると、消費目標電力を超えたこと(以下、消費電力過剰という場合もある)をディスプレイ52Aに表示して居住者に報知する。このとき、監視制御盤42は、電力消費を抑えるために停止する電気機器として、作動中の電気機器の中で優先順位の最も低い電気機器をディスプレイ52Aに表示する。なお、消費電力過剰を報知する場合、ディスプレイ52Aでの表示と共に、少なくとも住宅10内の居住者に消費電力過剰を認識される各種の構成を適用できる。この場合、認識監視制御盤42に設けているスピーカ52Dから音声やアラームを発するようにしてもよく、また、音声やアラームを発するか否かを選択できるものであって良い。
【0061】
図6(A)には、監視制御盤42で実行する消費目標電力Pmの設定の概略を示している。消費目標電力Pmは、例えば、U/I50に設けているメニュースイッチ52Cを操作することで、ディスプレイ52Aに消費目標電力Pmの設定用のUIを表示して行う。
【0062】
このフローチャートでは、最初のステップ100で時間帯を指定し、次のステップ102では、指定した時間帯の消費目標電力Pmを入力する。また、ステップ104では、設定が完了したか否かを確認し、全ての時間帯についての消費目標電力Pmが設定されることで、ステップ104において肯定判定されて、ステップ106へ移行し、設定された消費目標電力PmをHDD44Dに格納して終了する。
【0063】
また、次の時間帯の消費目標電力Pmを設定する場合には、ステップ104で否定判定されてステップ100へ移行し、次の時間帯に対する消費目標電力Pmの設定が行われる。なお、一部の時間帯について消費目標電力Pmを変更する場合は、ステップ100で該当時間帯を選択して、ステップ102で選択した時間帯の消費目標電力Pmを入力する。
【0064】
ここで、時間帯としては、1時間単位とすることができ、これにより、1日24時間について1時間ごとに消費目標電力Pmが設定される。また、時間帯としては、1時間程度で細かく区切ることが好ましいが、これに限らず、2時間単位であっても良く、居住者の1日の生活サイクルや系統電源12の料金等を考慮して区分けすることができる。この場合、例えば、午後11時から午前6時(深夜早朝帯)、午前6時から午前9時(朝帯)、午前9時から午後4時(昼帯)午後4時から午後6時(夕方帯)、午後6時から午後11(夜帯)等とすることができる。
【0065】
消費目標電力Pmは、例えば、系統電源12について契約電力が設定されている場合、この契約電力を上限として、住宅10で使用する電気機器の電力、使用状況、電力消費の抑制を考慮して居住者が任意に設定することができる。このとき、例えば、契約電力が単相3線100V/200Vで40Aの場合、8kwが上限となり、契約電力が30Aの場合6kwが上限となる。
【0066】
消費目標電力Pmは、この契約電力を考慮して、例えば、最も電力を使用する例えば夕方から夜の時間帯では、消費目標電力Pmを高くし、電力使用が少ない深夜や早朝では、消費目標電力Pmを低くする。なお、消費目標電力Pmは、契約電力、住宅の床面積、居住者の人数等に応じて予め複数のパターンを記憶し、居住者が記憶しているパターンの何れかを暫定的に選択するようにしても良い。
【0067】
図7(A)には、住宅10の時間毎の消費電力に基づいた消費目標電力Pmのパターンの一例を示している。この消費目標電力Pmのパターンでは、午後11時(23時)から午前6時までの深夜料金の時間帯で蓄電池22や車両24の蓄電池の充電が行われるように、それぞれの時間帯に対する値が設定されている。
【0068】
また、太陽光発電装置16が設けられている場合、図7(B)に示されるように、日中(昼間)は、太陽光発電装置16の発電電力が得られる。ここから、図7(A)に示す消費目標電力Pmのパターンでは、太陽光発電装置16の発電電力が得られない時間帯(例えば、午後4時から午前8時)で消費目標電力Pmを一定とし、太陽光発電装置16の発電電力が得られる昼の時間帯(午前9時から午後3時)では、消費目標電力Pmを低く設定して、太陽光発電装置16の発電電力を消費するようにし、かつ、余剰電力が生じたときに、売電を行うように設定できる。
【0069】
一方、監視制御盤42では、居住者により住宅10で使用する電気機器毎に、少なくとも使用の優先順位、電気機器を特定する情報(以下、一例として機器IDとする)を含む機器情報が入力されることで、各電器機器の登録が行われる。機器情報に含まれる機器IDは、監視制御盤42が電気機器を特定可能とする電気機器ごとに固有のコードを用いる。このようなコードは、公知の任意の構成を適用しうる。
【0070】
監視制御盤42は、機器IDを用いて各電気機器と通信を行うことで、該当電気機器が動作中か否か、動作中の消費電力を把握し、また、電気機器を停止する場合に、停止する電気機器の特定に用いる。
【0071】
図6(B)には、機器情報として入力される優先順位の一例が示されている。この優先順位では、動作が最優先されるレベル1に、照明器具26、冷蔵庫28が設定され、夜に住宅の照明が消えたり、冷蔵庫28が停電により機能しなくなってしまうのを防止するようにしている。
【0072】
また、次の優先順位とするレベル2には、蓄電池22(蓄電池22の充放電器22A)、車両24(車両24の充放電器24A)などが設定される。また、優先順位が最も低いレベル4には、エアコン36等が設定される。さらに、レベル3には、テレビジョンやステレオなどのAV機器等、電子レンジやトースター、電気炊飯器などの台所回りの家電製品等を設定することができる。
【0073】
また、例えば、複数の部屋にエアコン36が設置されているなど、同じ種類の電気機器が複数ある場合、その電気機器ごとに優先順位を設定しても良く、同じ種類の電気機器については、同じ優先順位を設定するものであっても良い。
【0074】
なお、電気機器の優先順位は、電気機器毎にデフォルトの優先順位を記憶し、このデフォルトの優先順位を用いても良く、また、必要に応じて居住者がデフォルトの優先順位を、電気機器の種類ごと又は電気機器ごとに変更するものであっても良い。また、ここでは、優先順位をレベル1からレベル4の4段階としているが、少なくとも2段階以上とし、4段階以上などとして、細かく優先順位を設定しうる構成としても良い。
【0075】
機器情報としては、住宅10内での設置場所を含むことができる。機器情報に設置場所を含む場合、監視制御盤42は、電気機器毎の住宅10内での設置場所を入力するUIをディスプレイ52Aに表示する。また、設置場所の入力は、例えば、住宅10内の間取りを登録し、その間取り(間取り図)をディスプレイ52Aに表示して、各電器機器の位置を入力するものであっても良い。
【0076】
図8には、このときの一例を示している。なお、図8では、電気機器の一部のみを図示している。この間取り図66に示されるように、住宅10には、居間(リビング)68に照明器具26、エアコン30及びテレビジョンなどの家電機器(図示省略)が配置され、台所(キッチン)70に、照明器具26、冷蔵庫28等が配置される。このとき、例えば、和室72にもエアコン30が設けられている場合、居間68のエアコン30(30A)及び和室72のエアコン30(30B)が識別されるように入力される。なお、ここでは、間取り図66上で電気機器の位置を特定するように説明するが、これに限らず、居住者が電気機器の設置位置を特定しうるものであれば、居室名などの居室を特定する情報を用いるなどの任意の構成を適用することができる。
【0077】
消費監視システム40の監視制御盤42は、入力された電気機器ごとの機器情報に基づき電気機器毎の優先順位を設定すると、電気機器を優先順位と共にHDD44Dに格納することで登録する。また、機器情報に電気機器の設置位置を含む場合、設置位置を含めて電気機器の登録を行う。消費監視システム40(監視制御盤42)は、各電器機器の登録内容に基づき、消費目標電力Pmに対する消費電力の監視及び監視結果の報知を行う。
【0078】
以下に、消費監視システム40の監視制御盤42で実行する電力消費の監視処理を説明する。
【0079】
〔第1の実施の形態〕
【0080】
図9には、第1の実施の形態に係る監視処理の概略を示している。このフローチャートでは、予め設定された時間間隔(例えば、1分〜10分程度)で実行され、最初のステップ110で、電流センサ56によって検出する電流値を読み込むことで、照明器具32の消費電力を検出する。これと共に、監視制御盤42は、各電気機器と通信を行うことで、作動中の電気機器を特定し、特定した電気機器の消費電力値(以下、消費電力とする)を検出する。なお、各証明器具26を除く各電器機器の消費電力の検出は、電流センサを用いて消費電流を検出して算出するようにしても良く、電力計を用いて検出するものであっても良い。
【0081】
次のステップ112では、検出した消費電力から住宅10におけるその時点の総消費電力Pcを算出し、ステップ114では、算出した総消費電力Pcとその時間帯における消費目標電力Pmを比較し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認する。
【0082】
ここで、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以下(Pc≦Pm)である場合、ステップ114で否定判定して、ステップ116へ移行し、消費目標電力Pm及び総消費電力Pcをディスプレイ52Aに表示する。次のステップ118では、総消費電力Pmを履歴としてHDD44Dに格納する。
なお、図9では、予め設定された時間間隔で総消費電力Pcを検出し、検出した総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認するようにしているが、これに限らず、例えば、総消費電力Pcを連続的に検出(瞬間値を検出)しながら、消費目標電力Pmと比較することで、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えているか否かを確認するなど、総消費電力Pcと消費目標電力Pmを比較する任意の構成を適用することができる。
【0083】
図10(A)には、ディスプレイ52Aにおける表示の一例とする表示画面74を示している。この表示画面74では、その時間帯に対して設定された消費目標電力Pcが表示されると共に、その時点で算出された総消費電力値Pmが表示される。居住者は、このディスプレイ52Aの表示を見ることで、その時点でどの程度の電力消費があるかを確認できると共に、総消費電力Pcと自己の設定した消費目標電力Pmとの差を認識することができる。
【0084】
これに対して、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えていると(Pc>Pm)、図9に示されるフローチャートでは、ステップ114で肯定判定してステップ120へ移行する。このステップ120では、動作中の電気機器のそれぞれについて登録されている優先順位を読出し、最も優先順位の低い電気機器を選択する。このとき、該当する優先順位の電気機器が複数あれば、それぞれの電気機器を選択する。また、ステップ122では、優先順位の低い電気機器が動作しているか否かを確認する。
【0085】
ここで、優先順位がレベル2又はレベル2より低いレベル3、レベル4の電気機器が動作していれば、ステップ122で肯定判定してステップ124へ移行する。このステップ124では、ディスプレイ52Aに、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた消費電力過剰が発生したことを居住者に報知する表示を行う。これと共に、ディスプレイ52Aに、選択した電気機器を表示することで、電力消費を抑えるために停止させる電気機器を提示する。
【0086】
図10(B)には、このときの一例とする表示画面76を示している。この表示画面76では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたことを示すメッセージ78が表示される。また、表示画面76では、選択した機器を停止させるように提案するメッセージ80を表示する。このとき、エアコン30が動作しており、動作している電気機器の中でエアコン30の優先順位が最も低いことで、表示画面76には、エアコン30を停止するように薦めるメッセージ80が表示される。
【0087】
また、表示画面76では、メッセージ80に対して確認ボタン80Aが表示される。これにより、ディスプレイ52Aの表示を見た居住者がこの確認ボタン80Aを操作(タッチ)することで、提示した電気機器を停止するように指示できる(停止を了承)。
【0088】
なお、ここでは、2つのメッセージ78、80を表示するようにしているが、これに限らず、例えば、メッセージ78のみを先に表示し、所定のタイミングでメッセージ80が表示されるように画面を切換えるものであっても良い。また、ディスプレイ52Aの電気機器の表示に触れるなどの操作を行うことで、住宅10の間取り図66(図8参照)を簡略化してディスプレイ52Aに表示し、該当電気機器の設置位置を明示するようにしても良い。このときの簡略化した表示は、居住者が該当電気機器の設置位置を特定しうるものであれば良い。
【0089】
この図10(B)では、選択された電気機器が一つの場合を示しているが、同じレベルの電気機器が複数台ある場合、それぞれをディスプレイ52Aに表示するようにしても良い。図10(C)には、このときの一例とする表示画面76Aを示している。この表示画面76Aでは、2台の「エアコンA」、「エアコンB」(例えば、エアコン30A、30B)が動作しているために、これらのエアコン30A、30Bを停止することを薦めるメッセージ82A、82B、82Cが表示される。このとき、表示した電気機器ごとに確認ボタン82D、82Eを表示して、停止させる電気機器を個々に指定できるようにしているが、一つの確認ボタンで停止を指示できるようにしも良い。
【0090】
また、図9のステップ124では、ディスプレイ52Aへの表示に加え、スピーカ52Dから表示内容を音声で知らせるか、消費電力過剰が表示されたことを示すアラームを発するようにしても良い。
【0091】
次のステップ126では、ディスプレイ52Aに表示した確認ボタン80Aが操作されたか否か(停止が指示されたか否か)を確認し、ステップ128では、ディスプレイ52Aにメッセージ80等を表示してから所定時間が経過したか否かを確認する。
【0092】
ここで、確認ボタン80Aが操作された場合、ステップ126で肯定判定してステップ130へ移行する。また、所定時間が経過しても確認ボタン80Aが操作されなかった場合、ステップ128で肯定判定してステップ130へ移行する。
【0093】
このステップ130では、ディスプレイ52Aに表示して停止を薦めている電気機器(ここではエアコン30)を停止させる。この後に、ステップ118へ移行する。なお、このときには、消費電力過剰となった総消費電力Pcを記憶するようにしても良い。
【0094】
なお、ディスプレイ52Aの表示を居住者が確認することで、表示した電気機器を停止するようにしているが、居住者の確認を行わずに、表示した電気機器を停止するようにしても良い。また、同じ優先順位の電気機器の間で更に優先順位を設定し、優先順位の低い電気機器として複数の電気機器を表示している場合に、表示している電気機器の間で優先順位の低い電気機器を順に停止させるようにしても良い。このとき、電気機器を停止させるごとに総消費電力Pcを算出し、総消費電力Pcが消費目標電力Pmと等しくなるか下回ったとき(Pc≦Pm)に、次の電気機器の作動停止を中止するようにしても良い。
【0095】
一方、優先順位の低い電気機器が動作しておらず、優先順位の高い(例えばレベル1)のみが動作している場合、ステップ122で否定判定されてステップ132へ移行する。このステップ132では、消費目標電力Pmを一時的に増加させる。また、ステップ134では、消費電力過剰を報知する表示に加えて、消費電力目標Pmの見直しを薦める表示を行う。ここで、消費目標電力Pmを変更する場合、図6(A)に示した処理を行えば良い。
【0096】
図11には、ステップ134に基づいたディスプレイ52Aの表示の一例とする表示画面84を示している。この表示画面84では、消費電力過剰を示すメッセージ78を表示すると共に、動作している電気機器の優先順位が高く停止しうる電気機器が無いことを示すメッセージ86Aを表示する。また、表示画面84では、現時点の総消費電力Pc及び消費目標電力Pm(メッセージ86B)に加え、見直しを薦める消費電力値Pmcを表示する(メッセージ86C)。ここで、見直しを薦める消費目標電力Pmcの値(目標値)としては、少なくとも、消費電力過剰となった時点の総消費電力Pcを僅かに超える値とすることができる。
【0097】
なお、一時的に変更した消費目標電力Pmは、例えば、次の時刻が次の時間帯に移行し、その時間帯の消費目標電力Pmが適用されたときに、元の値に戻される。
【0098】
このように、監視制御装置42では、優先順位が高く設定された電気機器のみが動作しているときには、動作中の電気機器を停止しないことで、それらの電気機器を停止させてしまうことによる問題の発生を未然に防ぐことができる。すなわち、照明器具26及び冷蔵庫28を優先順位の高い電気機器として設定しており、例えば、冷蔵庫28を停止させてしまうと、冷蔵庫28に収納されている食品に保存期間が短くなったり、冷凍食品が解凍してしまうなどの各種の問題が生じるが、このような問題の発生を防止できる。
【0099】
また、夜間に照明器具26を消灯させることは、居住者に不安を与えることになるが、照明器具26を消さないことで、このような問題の発生を防止できる。なお、照明器具26については、屋外が明るい昼間では、点灯が不要であることが多いので、例えば、昼間(例えば、午前10時から午後4時頃で、午後0時から午後1時を除く時間帯)とそれ以外の時間帯とで、優先順位が異なるようにしても良い。
【0100】
また、消費目標電力Pmを一時的増加させることで、優先順位の高い電気機器を停止させることなく、同一の報知(アラーム)が継続して発することになるのを防止している。
【0101】
このように、監視制御装置42では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたときに、電気機器を停止して消費電力を抑えるように促すので、居住者が設定した消費目標電力Pmを超えて電力消費がなされるのを抑えることができる。すなわち、監視制御盤42では、消費目標電力Pmを、居住者が任意の設定できるので、居住者が消費目標電力Pmを低く設定すれば、省電力を促進することができる。
【0102】
また、消費電力目標Pmは、契約電力などの制限値よりも低く設定されることで、電力消費過剰が発生したときにも、総消費電力Pcが契約電力に達するなどして、メインブレーカ34が遮断動作して、全ての電気機器への電力供給が停止してしまうのを防止することができる。
【0103】
第1の実施の形態では、優先順位の高い機器のみが作動している時間帯で総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたときに、消費目標電力Pmの変更を薦めるようにしているが、監視制御盤42では、総消費電力Pcの履歴を記憶しており、この履歴を参照することで、消費目標電力Pmに対して総消費電力Pcの少ない時間帯について、消費目標電力Pmを下げるように提案しても良い。
【0104】
例えば、図7(A)に示されるように、深夜の時間帯では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmより低くなっている。ここから、監視制御盤42は、総消費電力Pcと消費目標電力Pmとの差の電力を算出することで、深夜の時間帯の消費目標電力Pmを低減するようにディスプレイ52Aに表示して提案することができる。
【0105】
また、図7(A)に示されるように、消費目標電力Pmに対する総消費電力Pcでは、朝夕の時間帯で、総消費電力Pcが消費目標電力Pmより多くなる場合、優先順位の低い電気機器の作動を停止することで、消費電力量(kwh)を下げることができる。
【0106】
〔第2の実施の形態〕
【0107】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図12には、第2の実施の形態に係る監視処理の概略を示している。なお、図12のフローチャートは、第1の実施の形態に係る図9のフローチャートに換えて適用され、同一の処理については、同じステップ番号を付与してその説明を省略する。
【0108】
このフローチャートは、作動中の電気機器の消費電力を検出し、総消費電力Pcを算出すると、ステップ150では、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えたか否かを確認する。
【0109】
ここで、何れかの電気機器が作動されるなどして、総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えるとステップ150で肯定判定してステップ152へ移行する。このステップ152では、ディスプレイ52Aに総消費電力Pcが消費目標電力Pmを超えた消費電力過剰に至ったことを表示して居住者に報知する。また、ステップ152では、直前に動作を開始した電気機器を対象電気機器として表示すると共に、上記表示に合わせて消費目標電力Pmを高くする(以下では、消費目標電力Pmを増加させるとも言う)ことを提案する表示を行う。ステップ154では、消費目標電力Pmを暫定的に増加させる(以下、増加させた消費目標電力Pmを消費目標電力Pmsとする)。なお、このときの増加量は、総消費電力Pcが消費目標電力Pms以下となる値としている。
【0110】
また、ステップ156では、対象電気機器の機器情報に基づいて住宅10での設置位置を読み取り、対象電気機器の設置位置を特定する。この後、ステップ158では、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促す表示を行う。このとき、ディスプレイ52Aには、例えば住宅10の間取り図66を簡略化して表示し、該当間取り図上で対象電気機器の位置を示す表示を行うと共に、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促す表示を行う。
【0111】
図13(A)には、前記ステップ152で適用する表示の一例を示している。ディスプレイ52Aに表示される表示画面88には、対象電気機器(直前に動作された電気機器)が動作したことを報知するメッセージ88A、それにより消費電力過剰となったことを報知するメッセージ88Bを表示する。このメッセージ88Bには、消費目標電力Pmを暫定的に増加させる(高くする)ことを提案するメッセージを含ませている。
【0112】
また、この表示画面88には、確認ボタン88Cが表示され、この確認ボタン88Cが操作されることで、ディスプレイ52Aの表示が切り替わり、前記ステップ158に対応する表示がなされる。図13(B)には、このときにディスプレイ52Aの表示の一例を示している。この表示画面90では、対象電気機器の作動を継続するか否かの確認を促すメッセージ90Aを表示し、住宅10の間取り図66を簡略化した間取り図92を表示する。このとき、表示画面90では、間取り図92に重ねて、対象電気機器の設置位置を表示するマーク92A(図13(B)では、一例として星印で示している)。これにより、居住者が意図しない電気機器が作動した場合でも、その電気機器の確認が容易となる。
【0113】
この表示画面90には、対象電気機器の作動を継続することを選択する継続ボタン90Bを表示することが好ましく、これにより居住者が対象電気機器を緊急で作動させたい場合に、作動を継続するように指示可能となる。
【0114】
一方、図12のフローチャートでは、ステップ160で、作動の継続が指示されたか否かを確認し、ステップ162では、所定時間が経過したか否かを確認する。ここで、居住者が、対象電気機器の作動に緊急性が有ると判断し、ディスプレイ52Aの表示画面90上で継続ボタン90Bを操作するとステップ160で肯定判定されてステップ164へ移行する。このステップ164では、消費目標電力Pmを増加した状態(消費目標電力Pms)に維持するように設定する。
【0115】
これにより、例えば、車両24が電気自動車であり、車両24の蓄電池に緊急に充電するために充放電器24Aを作動させ、これにより消費電力過剰が生じた場合でも、車両24への充電を継続することができる。なお、この場合、例えば、増加させていない消費目標電力Pmと総消費電力Pcとを比較し、総消費電力Pcが増加させていない消費目標値Pm以下(Pc≦Pm)となったときに、増加させている消費目標電力Pmsを元に戻すなどの制御を適用することができる。
【0116】
これに対して、所定時間が経過しても継続の指示がないと、ステップ162で肯定判定されてステップ166へ移行する。このステップ166では、消費目標電力Pmの増加が、予め定めている時間だけ継続するように設定する。すなわち、所定時間の間、消費目標電力Pmsに維持する。また、次のステップ168では、総消費電力Pcが消費目標電力Pm以下(Pc≦Pm)となる時間帯を抽出する(以下、探索するとも言う)。すなわち、対象電気機器の動作が可能となる時間帯の探索を行う。
【0117】
このような時間帯の探索は、監視制御盤42では、総消費電力Pcの履歴を記憶していることから、この履歴を用いて総消費電力Pcが消費目標電力Pmを下回る時間帯を予測するようにできる。この予測は、例えば、記憶されている総消費電力Pcに対象電気機器の消費電力を加えた総消費電力Pcsが、消費目標電力Pm以下となる時間帯、すなわち、消費目標電力Pmが総消費電力Pcs以上となる時間帯を探索する。このとき、総消費電力Pcsの算出に適用する総消費電力Pcは、時間帯ごとに平均値を算出し、この平均値を適用することができる。また、対象電気機器の消費電力は、対象電気機器の動作前の総消費電力Pcと対象電気機器の動作中の総消費電力Pcの差から取得することができる。
【0118】
この後、ステップ170では、探索した時間帯での対象電気機器の作動を促す表示を行う。この後に、前記した所定時間が経過することで、暫定的に増加させていた消費目標電力Pmを元の値に戻すと共に、対象電気機器の作動を停止する(ステップ172)。
【0119】
ここで、例えば、午後11時(23時)を過ぎると総消費電力Pcが減少し、午前5時までは、総消費電力Pcsがその時間帯の消費目標電力Pm以下となる(Pcs≦Pm)と判断されると、探索結果として午後11時から午前5時の時間帯を取得する。この取得した時間帯がディスプレイ52Aに表示される。
【0120】
図13(C)には、ステップ170におけるディスプレイ52Aの表示の一例を示している。この表示画面94では、探索により取得した時間帯で、対象電気機器を動作させるように提案するメッセージ94Aを表示する。なお、表示画面94は、例えば、確認ボタン94Bを設け、この確認ボタン94Bが操作されることで表示が消される。また、これに限らず、対象電気機器の作動が停止されてから所定時間が経過することで消されるものであっても良い。
【0121】
このように、居住者が緊急性の要否を入力しなかった場合には、緊急性がないと判断して、所定時間が経過した後に、対象電気機器の作動を停止することで、電力消費の増加を抑える。また、対象電気機器を停止するまでに、代替となる時間帯をディスプレイ52Aに表示することで、居住者が対象電気機器を動作させることで消費電力過剰となってしまうのを防止することができる。
【0122】
なお、図12のステップ154では、居住者の確認を行わずに消費目標電力Pmを暫定的に増加するようにしたが、これに限らず、例えば、図13(A)の表示画像88上で居住者が確認ボタン88Cを操作することで、ステップ154を実行して、消費目標電力Pmを暫定的に増加させるようにしても良い。このときには、ステップ166へ移行した時に、消費目標電力Pmを暫定的に増加させれば良い。
【0123】
このように、総消費電力値が消費上限目標電力値を超えてから暫時的に消費上限目標電力値を高くする増加手段を含み、増加手段により消費上限目標電力値が高くされている間に、報知手段が、直前に動作した電気機器を動作させる時間帯として、総消費電力値が消費目標電力値以下となる時間帯を報知することで、電力消費を抑制している状態で所望の電気機器を的確に動作させることができる。
また、本実施の形態に係る建物としている住宅10では、消費監視システム40が設けられていることで、居住者が、自己の立てた電力消費の目標値に合わせて省エネを図ることができる。
【0124】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、照明器具26用にスイッチ54を設けているが、照明器具26の優先順位が最も高く、電力を遮断する可能性が無ければスイッチ54を省略しても良い。また、ディスプレイ52Aに表示する各種のメッセージは、その意図が的確に伝達される表現であれば、任意の表現を適用することができる。
【0125】
また、本実施の形態では、ディスプレイ52Aに各種のメッセージを表示することで、居住者に報知するように説明したが、これに限らず、音声やアラームにより居住者に報知するなど、居住者がそのメッセージを容易に認識しうる各種の報知手段を適用することができる。
【0126】
さらに、以上説明した本実施の形態の構成および制御は一例であり、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0127】
10 住宅
12 系統電源
26 照明器具(電気機器)
28 冷蔵庫(電気機器)
30 エアコン(電気機器)
32 分電盤
40 消費監視システム
42 監視制御盤
50 U/I
52A ディスプレイ
54 スイッチ
56 電流センサ
64 通信ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される目標値を監視領域内で消費されるエネルギーの上限とする消費上限目標値に設定する設定手段と、
前記監視領域内での前記エネルギーの総消費値が前記消費上限目標値を超えた場合に、前記総消費値が前記消費上限目標値を超えたことを報知する報知手段と、
を含む消費監視システム。
【請求項2】
前記エネルギーが電力であり、前記総消費値として前記電力により動作する電気機器ごとの消費電力値から総消費電力値を検出する検出手段を備え、前記設定手段が、前記消費上限目標値として消費上限目標電力値を設定し、前記報知手段が、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に報知する請求項1に記載の消費監視システム。
【請求項3】
前記設定手段は、系統電源で許容される範囲で前記消費上限目標電力値を設定する請求項2に記載の消費監視システム。
【請求項4】
前記報知手段が、前記消費上限目標電力値及び前記総消費電力値を表示手段に表示させると共に、前記総消費電力値が前記消費目標電力値を超えた場合に、当該超えたことを前記表示手段に表示させる表示制御手段を含む請求項2又は請求項3に記載の消費監視システム。
【請求項5】
前記電気機器ごとの機器情報として動作の優先順位が設定されて記憶され、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に、前記電気機器毎の前記優先順位に基づき、動作中の前記電気機器のうちで前記優先順位の低い電気機器を、動作を停止させる電気機器として報知する請求項2から請求項4の何れか1項に記載の消費監視システム。
【請求項6】
前記優先順位の低い順に前記電気機器の動作を停止させる停止手段を含む請求項5に記載の消費監視システム。
【請求項7】
前記作動中の前記電気機器の前記優先順位が所定順位以上である場合に、前記報知手段は、前記優先順位が高いことを示す情報を報知すると共に前記消費上限目標電力値を高くするように報知する請求項5に記載の消費監視システム。
【請求項8】
前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超える直前に動作された前記電気機器を報知すると共に、当該電気機器の動作を継続するか否かの指示を促すように報知する請求項2から請求項4の何れか1項に記載の消費監視システム。
【請求項9】
前記電気機器ごとの機器情報として当該電気機器の前記監視領域内での位置情報を含み、前記報知手段は、前記電気機器ごとの前記位置情報に基づき、前記直前に動作した前記電気機器の前記監視領域内での位置を報知する請求項8に記載の消費監視システム。
【請求項10】
前記直前に動作された前記電気機器の動作の継続が指示された場合に、前記消費上限目標電力値を高くし、当該電気機器の動作が継続されるようにする請求項8又は請求項9に記載の消費監視システム。
【請求項1】
入力される目標値を監視領域内で消費されるエネルギーの上限とする消費上限目標値に設定する設定手段と、
前記監視領域内での前記エネルギーの総消費値が前記消費上限目標値を超えた場合に、前記総消費値が前記消費上限目標値を超えたことを報知する報知手段と、
を含む消費監視システム。
【請求項2】
前記エネルギーが電力であり、前記総消費値として前記電力により動作する電気機器ごとの消費電力値から総消費電力値を検出する検出手段を備え、前記設定手段が、前記消費上限目標値として消費上限目標電力値を設定し、前記報知手段が、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に報知する請求項1に記載の消費監視システム。
【請求項3】
前記設定手段は、系統電源で許容される範囲で前記消費上限目標電力値を設定する請求項2に記載の消費監視システム。
【請求項4】
前記報知手段が、前記消費上限目標電力値及び前記総消費電力値を表示手段に表示させると共に、前記総消費電力値が前記消費目標電力値を超えた場合に、当該超えたことを前記表示手段に表示させる表示制御手段を含む請求項2又は請求項3に記載の消費監視システム。
【請求項5】
前記電気機器ごとの機器情報として動作の優先順位が設定されて記憶され、前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超えた場合に、前記電気機器毎の前記優先順位に基づき、動作中の前記電気機器のうちで前記優先順位の低い電気機器を、動作を停止させる電気機器として報知する請求項2から請求項4の何れか1項に記載の消費監視システム。
【請求項6】
前記優先順位の低い順に前記電気機器の動作を停止させる停止手段を含む請求項5に記載の消費監視システム。
【請求項7】
前記作動中の前記電気機器の前記優先順位が所定順位以上である場合に、前記報知手段は、前記優先順位が高いことを示す情報を報知すると共に前記消費上限目標電力値を高くするように報知する請求項5に記載の消費監視システム。
【請求項8】
前記報知手段は、前記総消費電力値が前記消費上限目標電力値を超える直前に動作された前記電気機器を報知すると共に、当該電気機器の動作を継続するか否かの指示を促すように報知する請求項2から請求項4の何れか1項に記載の消費監視システム。
【請求項9】
前記電気機器ごとの機器情報として当該電気機器の前記監視領域内での位置情報を含み、前記報知手段は、前記電気機器ごとの前記位置情報に基づき、前記直前に動作した前記電気機器の前記監視領域内での位置を報知する請求項8に記載の消費監視システム。
【請求項10】
前記直前に動作された前記電気機器の動作の継続が指示された場合に、前記消費上限目標電力値を高くし、当該電気機器の動作が継続されるようにする請求項8又は請求項9に記載の消費監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−106380(P2013−106380A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246762(P2011−246762)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]