説明

消費者カスタマイズ可能な口腔ケア製品

消費者がその必要性及び好みにしたがって直接カスタマイズすることができる口腔ケア製品が開示される。消費者は、基本口腔ケア製品、並びに望ましい治療的効果、審美的効果及び使用経験を提供するカスタマイズされた製品を作るために基本製品に添加する1種以上のカスタマイズ剤、を選択する。カスタマイズされる基本口腔ケア製品としては、歯磨剤、練り歯磨き、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、マウススプレー、歯のホワイトニングゲル、義歯製品、及びデンタルフロス又はテープが挙げられる。カスタマイズ剤は、口腔ケア活性物質;香味料;甘味剤;味、口の感触、におい又は芳香油、冷却剤及び加温剤のようなその他の感覚に影響を与える材料;着色剤、不透明化剤、染み及び質感又はレオロジー変性剤のような製品の美観剤;並びにこれらの組み合わせから選択される組成物を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
消費者がその必要性及び好みにしたがって直接カスタマイズすることができる口腔ケア製品が開示される。消費者は、基本口腔ケア製品、並びに所望の治療的効果と審美的効果及び使用経験を提供するカスタマイズされた製品を作るために基本製品に添加する1種以上のカスタマイズ剤を選択する。
【背景技術】
【0002】
歯及び口腔の健康状態及び外観は、日常生活の最も重要な関心事である。消費者には、歯垢及び歯石の予防、染みの除去、歯のホワイトニング並びに口臭の抑制を含む様々なニーズがある。
【0003】
歯垢、歯石及び口臭の全てに口腔内の微生物活動が関与している。歯垢は、細菌、上皮細胞、白血球、マクロファージ及びその他の口腔の滲出物の混合マトリクスである。細菌は、歯垢マトリクスのおよそ4分の3を構成する。歯垢のいずれの所与の試料も、400種類もの異なる微生物を含有する可能性がある。歯の結石又は時には歯石と呼ばれるものは、歯肉縁における歯の表面上に形成される沈着物である。歯肉縁上歯石は、主として唾液管開口部付近;例えば、下顎前歯の舌面上、上顎第一及び第二臼歯の頬面上、並びに後臼歯遠心面上に見られる。成熟した結石は、骨、エナメル質及び象牙質に類似したヒドロキシアパタイト結晶格子構造中に配置された、主としてリン酸カルシウムである無機部分からなる。有機部分もまた存在し、落屑上皮細胞、白血球、唾液堆積物、食物の残屑及び様々な種類の微生物からなる。成長中の歯垢は、結石により生成されたもののような比較的不規則な表面に最も容易に付着し得る。成熟した結石が成長すると、何らかの外来剤により染色又は変色されない限り、目に見えて白又は黄色がかった色になる。審美的観点から、見苦しい及び望ましくないことに加えて、成熟した結石の付着は、歯肉の炎症の慢性的原因となる。
【0004】
歯垢及び結石の増殖を抑制又は阻止がなされないと、口腔の健康に有害となる。歯垢及び結石の形成は、虫歯、歯肉肉芽腫生成、歯周病及び最終的に歯の喪失につながる場合がある。更に結石及び歯垢は、行為及び環境要因と共に、歯の審美的外観に著しく影響する歯の染みの形成につながる。歯の染色傾向の一因となる行為及び環境要因には、コーヒー、お茶、コーラ又はたばこ製品の常用、また染みを促進する口腔製品の使用も挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、口腔の徹底した洗浄及びケアを提供する歯磨剤、リンス、及びデンタルフロスのような日用の口腔ケア製品にとっては、抗菌、歯垢防止及び抗歯石効果、加えて染みの除去、染みの抑制、歯のホワイトニング、口臭の抑制及び息のフレッシュニングを提供するために異なる機構によって働く複数の成分を添加することが必要である。そのような製品の配合には、複数成分の不適応性から生じるような多くの困難が存在する。更に、例えば、口腔ケア製品の風味、外観、及び質感に対する消費者の様々なニーズ及び好みに配慮した多くの異なる製品が要求される。しかしながら、生産能力、出荷数量、及び棚スペースに関する制限により、製造業者は消費者にとって利用可能なように作られ得る製品の多様性について典型的に限定されてしまう。更に、製造業者により提供される選択肢に限定されるよりはむしろ自分独自の製品を「作り出す(create)」ことを消費者が望む場合がある。
【0006】
本発明は、消費者が自らのニーズ及び好みに対して直接カスタマイズすることができる口腔ケア製品を提供することによってこれらの問題に対処する。消費者は、基本製品に、口腔ケア製品から生じる効果、審美的魅力又は使用経験を高める1種以上のカスタマイズ剤を添加することによりカスタマイズされた口腔ケア製品を作る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カスタマイズ可能な口腔ケア製品及び組成物に関し、
a)基本口腔ケア製品と、
b)該基本口腔ケア製品の1つ以上の性能及び/又は審美的特性を強化又は変性することが可能な構成成分を含む1種以上のカスタマイズ剤(customization agents)と、を消費者に提供することを包含し、該カスタマイズ剤は該基本口腔ケア製品と物理的及び化学的に適合するものであり、これにより、該消費者は該1種以上のカスタマイズ剤を基本口腔ケア製品と組み合わせて該消費者が選択した効果又は効果の組み合わせ、及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた口腔ケア製品を作ることが可能となる。カスタマイズされる基本口腔ケア製品としては、練り歯磨き、歯磨剤、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、マウススプレー、歯のホワイトニングゲル、義歯製品、及びデンタルフロス又はテープが挙げられる。カスタマイズ剤は、口腔ケア活性物質;香味料;甘味剤;味、口の感触、におい又は芳香油、冷却剤及び加温剤のようなその他の感覚に影響を与える材料;着色剤、不透明化剤、染み及び質感又はレオロジー変性剤のような製品の美観剤;並びにこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を特に指摘しかつ明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0009】
本明細書の以下で使用される全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。本明細書で言及される成分の全ての百分率、比率及び濃度は、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、市販製品として成分と組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
【0010】
本明細書で言及される全ての測定は、特に明記されない限り、25℃で行なわれる。
【0011】
本明細書中で、「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の構成成分が追加され得ることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「含む」及びその変形は非限定的であることを意図し、挙げられた品目の詳細説明は、本発明の材料、組成物、装置及び方法でも有用であるその他のものを除外しない。
【0013】
本明細書で使用するとき、単語「好ましい」、「好ましくは」及びその変形は、特定の状況下において特定の効果をもたらす本発明の実施形態を指す。しかし、同一又は異なる状況下において、その他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを意味せず、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図していない。
【0014】
「口腔ケア組成物」とは、通常の使用過程では、特定の治療剤の全身投与の目的で意図的に嚥下されず、むしろ、口腔の活性を目的として実質的に全ての歯の表面及び/又は口腔組織と接触させるのに充分な時間、口腔内に保持される製品を意味する。本発明の口腔ケア組成物は、歯磨剤、練り歯磨き、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤若しくはうがい薬、マウススプレー、ホワイトニング若しくは漂白剤ゲル、義歯製品、薬用キャンデー、咀しゃく錠、又はチューインガムを含む様々な形状であってよい。本口腔ケア組成物はまた、口腔表面への直接適用又は貼付用のストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
【0015】
本明細書で使用するとき、「歯磨剤」という用語は、特に指定がない限り、ペースト、ゲル、又は液体製剤を意味する。歯磨剤組成物は、単一相組成物であってもよいし、又は2つ以上の別々の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深くまで達する縞状、表面的な縞状、ペーストを囲むゲルを有する多層状又はこれらのいずれかの組み合わせのような、いずれの所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサーの物理的に分離された区画内に収容され、同時に投与されてよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ディスペンサー」とは、歯磨剤などの組成物を分配するのに好適なあらゆるポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「歯」とは、天然歯、並びに人工歯又は歯科補綴物を指す。
【0018】
用語「経口で許容可能なキャリア、活性物質、又は賦形剤」は、口腔ケア組成物に使用される安全且つ有効な材料及び従来の添加物を含み、このような物質には、フッ化物イオン供給源、抗結石又は抗歯石剤、緩衝剤、シリカなどの研磨剤、過酸化物供給源、アルカリ金属重炭酸塩、増粘材料、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、香料系、甘味剤、キシリトール、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0019】
本明細書に有用な活性物質及び他の成分は、美容的及び/若しくは治療的な効果、又はそれらが要求される作用様式若しくは機能によって、本明細書中で分類又は記述することができる。ただし、本明細書に有用な活性物質及び他の成分が、場合によっては美容的及び/若しくは治療的な1つを超える効果をもたらすこと、又は1つを超える作用様式で作用することもあることを理解すべきである。したがって、本明細書での分類は便宜上実施されるものであって、成分を特に規定した用途又は列挙した用途に制限しようとするものではない。
【0020】
語句「使用経験」(use experience)は、口腔ケア製品を選択する間、口腔ケア製品を作製及びカスタマイズしている間、投与及び使用する間の消費者の経験の全て、特に味、香り、冷却、加温、泡立ち、さわやかさ、清潔感、質感等を含むがこれらに限定されない製品の使用中及び使用後に経験される感覚を含む。
【0021】
本発明の一つの実施形態において、基本口腔ケアリンス及び該基本リンスと混合するための数々のカスタマイズ剤が提供される。基本リンスとしては典型的に、溶媒(例えば、水、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物)及び界面活性剤(例えば、トゥイーン(Tween)80、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウム等)が挙げられる。好ましくは、基本リンスを更にカスタマイズせずにそのまま使用し得るように、基本リンスとしてはまた、口腔ケア活性物質(例えば、抗菌剤、息フレッシュニング剤、脱臭剤)及び着香料並びに甘味剤が挙げられる。カスタマイズ剤は、例えば、錠剤、ビーズ、ビードレット(beadlet)、カプセル、粉末、液体、ペースト又はゲルとして提供されてよい。更にカスタマイズ剤は、1回の使用のために基本口内洗浄剤の適量を計量するのに好適な個々の包み、袋、バイアル瓶又は使い捨てカップとして包装及び販売されてよい。或いは、複数種のカスタマイズ剤を、基本製品の推奨用量又は使用の数に対応させて包装してよい。例えば、使用ごとに25mLを10回使用することが推奨される250mLの基本製品を補完するために、カスタマイズ剤10カプセルのブリスター・パックを包装してよい。カスタマイズ剤は、製品の外観(色、半透明、輝き);香味料の種類又は強さ、使用中の経験及び感覚(例えば、冷却、加温、灼熱感、ヒリヒリ感等);質感(希薄さ、濃厚さ、コーティング)を変化させるため、及び治療的やその他の効果(例えば、口臭の原因となる細菌を殺す、歯垢の除去を助ける、ホワイトニング、染みの防止、非侵食)を増強するために添加されてよい。
【0022】
具体的な組み合わせを、基本リンス及び/又はカスタマイズ剤の包装又は使用説明書において推奨する。消費者は独自の組み合わせを作り、ウエブサイト、電子メール、電話又は携帯電話でのメールを介してそれらを共有することができる。
【0023】
本発明の前述の実施形態は、柔軟性及び多様性を提供するなどの多くの利益を消費者にもたらす。例えば、種類豊富な香味料は、個々のビーズ又はカプセルのような単位形で提供されてもよい。このことが、無限の種類の予め香りの付けられたリンスを提供する必要性を回避させる。消費者は、香り付けされていない又は少し香り付けされた基本リンスを種類豊富な香りのビーズ又はカプセルと共に提供され得る。香味カスタマイズ剤(flavor customization agent)は、カスタマイズされた製品からの感覚効果をより増強するために冷却剤或いは加温剤のような追加的な感覚材料を任意に含んでもよく、又は感覚材料はまたカスタマイズ剤として提供されてもよいそのような数々の香味料/感覚材料カスタマイズ剤は、製造コスト(製造する必要があるのは1若しくは2種類の香り付けされていない又は少し香り付けさされた基本リンス製品のみ)、輸送費(香り/感覚材料のユニット製品は完全な製品よりも嵩高が著しく小さい)、及び棚スペース(基本リンス製品及びカスタマイズ剤ユニット製品に提供されるために必要なスペースは種類豊富な予め香り付けされたリンスよりも顕著に少ないスペースを占める)を大幅に削減する。
【0024】
消費者は「いろいろな種類が入っている包み」から所望の香味料/感覚材料を選ぶことができ、香り又は感覚の強さを、例えば、添加されるビーズ又はカプセルの数によって調節することができる。消費者は、更に異なる香味料を組み合わせて、独自の香りの組み合わせを作ることができる。一つの実施形態において、香味料並びに任意で甘味剤及び感覚材料は、液体、ペースト又はゲル状に予め溶解させてカプセル封入されてもよい。カプセル殻は、好ましくは、基本リンスに添加されたときに急速に溶解し得る高溶解性材料から作られる。封入はまた、カプセルコアに収容された香味料及び甘味剤材料に対する酸化及び劣化保護も提供する。カプセルは容易に持ち運び可能であり、個々に包装されること又はブリスター・パックのような取扱いの簡単なディスペンサーに収容されることができる。カプセルは、香味料の種類を示すために、例えば、ミントは緑、桂皮は赤、いちごはピンク、レモンは黄色、シトラスはオレンジ色、バニラは明るいキャラメル色又は透明等のように色分けされてよい。
【0025】
香味カスタマイズ剤は、嫌な味を有する及び/又過酸化物のような着香剤と不適合な剤を含有する基本口内洗浄剤をカスタマイズ香味付け(custom flavor)するために特に有用である。過酸化水素及びその他の過酸素含有剤は、虫歯、歯垢、歯肉炎、歯周炎、口臭、歯の染み、慢性再発性アフター、義歯炎症、歯列矯正器具による損傷、抜歯後及び歯根膜手術後、外傷性口腔病変及び粘膜感染、ヘルペス口内炎等、に対する治療法及び/又は予防的治療において有効であることは長年認識されている。口腔内の過酸化物含有剤は、組織及び唾液酵素との相互作用によって生じる何千もの小さな酸素の泡を生成する化学機械的作用を及ぼす。口内洗浄剤の激しい動き(swishing action)が、この特有の化学機械的作用を増強する。そのような作用は、その他の剤を感染した歯肉のクレバスに送達するために推奨されてきた。過酸化物の口内洗浄剤は、歯周病に関連があると知られている嫌気性細菌のコロニー形成及び増殖を防ぐ。しかしながら、過酸化水素及びそのような口腔組成物中で化合物を放出するその他の過酸化物は、当該組成物中の他の一般的な賦形剤と相互作用し、保管の際に不安定であり、比較的短期間にわたり活性物質又は発生期の酸素を放出する能力を継続的に失う傾向があり、そのような賦形剤の所望の機能を弱める又は損なう傾向がある。そのような賦形剤のうち、口腔過酸化物処理(oral peroxidizing treatment)を必要としている製品中に口内洗浄剤の受容性を高めるために添加されるのが香味料、感覚材料及び着色剤である。
【0026】
したがって、本発明の一つの実施形態において、1種以上の香味料、風味、感覚又は着色カスタマイズ剤で消費者によってカスタマイズされ得る基本過酸化リンス(base peroxide rinse)が提供される。好ましくは、カスタマイズ剤は使用直前に基本過酸化リンスと混合され、これによりあらゆる構成成分の劣化を防ぎ、製品が好まし外観、風味及び感覚経験、並びに重要なことには過酸化物構成成分からの効果を有することを確実にする。
【0027】
他の実施形態において、香り、感覚又は着色カスタマイズ剤は、通常高濃度の過酸化物を含有し、典型的には、過酸化物と不適合な香味料又は着色剤のような成分を含まないホワイトニングゲルと共に使用される。特に、使用前にホワイトニングゲルに添加される香味カスタマイズ剤は、ホワイトニング処理を消費者にとってより好ましいものとする。
【0028】
或いは、過酸化物又は他の漂白剤はそれ自体で、或いは任意で香味カスタマイズ剤と一緒になってカスタマイズ剤であることができ、非過酸化物ベースの口内洗浄剤と組み合わされてカスタマイズ香味付けされたホワイトニングリンス又は漂白リンスを作製することができる。消費者は、所望に応じて、それぞれの機会に又はそれほど頻繁でなくそのようなホワイトニングリンスを使用することを選択してよい。例えば、ホワイトニングリンスは、夜間のホワイトニング処理を含むレジメンの一部であってよい。
【0029】
本発明の更なる実施形態において、過酸化物カスタマイズ剤は、基本歯磨剤、義歯洗浄剤又はデンタルフロス/テープと組み合わされ、これら製品の効果を高め及び/又は歯を白くする。過酸化物ホワイトニング剤は、個々のカプセル或いは袋内の安定化されたゲルとして提供されてもよく、又は、例えば、歯ブラシ上にストリップ或いはリボン状に分与するための絞り出しチューブに基本歯磨剤のストリップと組み合わせて詰められてもよい。過酸化物カプセルは義歯洗浄錠剤と組み合わされて、義歯を浸す洗浄、ホワイトニング槽を作製してもよい。デンタル/フロス又はテープは、過酸化物を歯間隙間及び歯肉組織に送達するために使用前に過酸化物ゲルでコーティングされてもよい。
【0030】
カスタマイズ剤としての香味料、感覚材料及び過酸化物に加えて、本発明は、フッ化物イオン源、抗カリエス剤、抗結石又は抗歯石剤、減感剤、砥粒研磨物質、pH調整剤、増粘材料、湿潤剤のようなその他の口腔ケア活性物質及び賦形剤の使用を意図している。
【0031】
カスタマイズ剤は、活性物質を、基本製品と混合した際に、組成物が適用される口腔表面に不利益を与えずにユーザーが求める効果を提供する有効量を送達するであろう濃度で含む。これらの活性物質が対象にする効果としては、白化、染み漂白、染み除去、歯垢、歯石、虫歯、虫歯穴及び象牙質の過敏性の予防及び治療と、炎症を起こした及び/又は出血している歯肉、粘膜創傷、損傷、潰瘍、アフター性潰瘍、ヘルペス及び歯の膿瘍などの口腔状態の治療と、並びに、上記状態から、及び、微生物増殖などの他の原因から生じた口腔の悪臭の除去を含む歯への外観及び構造上の変化が挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
好適な口腔ケア活性物質としては、口腔での使用に安全であると一般に考えられ、口腔の全体的な外観及び/又は健康に変化をもたらす材料が挙げられる。本発明のカスタマイズされた組成物中の口腔ケア活性物質の濃度は、活性物質及び処理される状況に応じて、約0.01%〜約50%の範囲であってよい。いくつかの実施形態において、活性物質の濃度は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、約0.5重量%〜約10重量%、又は約1重量%〜約7重量%であってよい。
【0033】
以下は、本発明によるカスタマイズ剤として使用されてよい口腔ケア活性物質の非限定的な一覧である。
【0034】
1.歯のホワイトニング活性物質
白化に適した活性物質は、過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、ペルオキシ酸、ペルオキソ硫酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。適した過酸化物化合物としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム及びこれらの混合物が挙げられる。好適な金属亜塩素酸塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。追加的な白化活性物質は、次亜塩素酸塩及び二酸化塩素であってもよい。好ましい過炭酸塩は、過炭酸ナトリウムである。好ましい過硫酸塩はオキソンである。
【0035】
2.抗歯石剤
デンタルケア製品に使用される公知の抗歯石剤はリン酸塩を含む。リン酸塩としては、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩(例えば、トリポリホスフェート;ヘキサメタホスフェート)、ポリホスホン酸塩及びこれらの混合物が挙げられる。ピロリン酸塩は、デンタルケア製品への使用が中でも一番良く知られている。ピロリン酸塩及びポリリン酸塩イオンは、ピロリン酸塩又はポリリン酸塩を用いて歯に送達される。本発明の組成物に有用なピロリン酸塩には、ピロリン酸ジアルカリ金属塩、ピロリン酸テトラアルカリ金属塩、及びこれらの混合物が挙げられる。非水和形態並びに水和形態の、ピロリン酸二水素二ナトリウム(Na)、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、及びピロリン酸四カリウム(K)が、好ましい種である。上記のピロリン酸塩のいずれかが使用されてもよいが、四ナトリウム及びピロリン酸四カリウムが好ましい。例えばポリリン酸ナトリウム及びポリリン酸トリエタノールアミンも有用である。
【0036】
ピロリン酸塩は、キール及びオットマー(Kirk & Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopediaof Chemical Technology)、第3版、第17巻、ウイリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-Interscience Publishers)(1982年)、及び米国特許第4,590,066号(1986年5月20日発行)により詳細に記載されている。結石抑制剤として用いる直鎖分子の脱水されたポリリン酸塩は、1988年1月27日に出願され、1988年8月10日に発行された、ガファル(Gaffar)、ナビ(Nabi)及びジャナン(Jannone)の英国特許出願第GB2,200,551号;並びに1986年12月9日にガファルらに発行された米国特許番号第4,627,977号に開示されている。その塩の中に含まれるのは、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)である。STPPを開示するその他の参考文献としては、1990年5月8日のイブラヒム(Ibrahim)らへの米国特許番号第4,923,684号、並びに両方共ホワイト(White)らへの1992年3月17日に発行された同第5,096,701号及び1993年1月5日に発行された第5,176,900号が挙げられる。同一出願人による米国特許番号第5,939,052号;同第6,350,436号;同第6,667,027号及び同第6,713,049号は、直鎖濃縮ポリリン酸塩をフッ化物源と組み合わせて含有する安定した口腔製剤を記載している。これら製剤の治療的及び美容的効果の詳細な研究は、フッ化物の抗カリエス効果の驚くべき水準を、歯石及び染み防止の改善された効果と共に明らかにしている。
【0037】
ピロリン酸又はピロリン酸塩の代わりに又はこれと組み合わせて使用してよい他の抗結石剤は、米国特許第3,429,963号(1969年2月25日発行)、同第4,304,766号(1981年12月8日発行)及び同第4,661,341号(1987年4月28日発行)に開示されているようなポリカルボキシレート;同第4,846,650号(1989年7月11日発行)に開示されているポリエポキシコハク酸塩;英国特許第490,384号(1937年2月15日付)に開示されているエチレンジアミン四酢酸;米国特許第3,678,154号(1972年7月18日発行)に開示されているニトリロ三酢酸及び関連化合物;同第3,737,533号(1973年6月5日発行)及び同第3,988,443号(1976年10月26日発行)及び同第4,877,603号(1989年10月31日発行)に開示されているポリホスホン酸塩を含む。
【0038】
抗歯石剤の特定の例としては、例えば、米国特許第4,627,977号に記載されているような、ポリアクリレート及び無水マレイン酸又はマレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー(例えば、ガントレッツ(Gantrez))を包含する合成アニオン性ポリマー類として既知の物質などが挙げられ、加えて、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ジホスホネート(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、並びにフィチン酸及びその塩のようなリン酸イノシトール化合物が挙げられる。
【0039】
3.フッ化物イオン源
フッ化物イオン源は、口腔ケア組成物において虫歯予防剤として使用されることが周知である。フッ化物イオンは、この目的のために多数の口腔ケア組成物、特に練り歯磨きに含有される。そのような練り歯みがきを開示している特許としては、米国特許第3,538,230号(1970年11月3日発行)、同第3,689,637号(1972年9月5日発行)、同第3,711,604号(1973年1月16日発行)、同第3,911,104号(1975年10月7日発行)、同第3,935,306号(1976年1月27日発行)、同第4,040,858号(1977年8月9日発行)が挙げられる。
【0040】
フッ化物イオンのエナメル質への適用は、歯を腐食から保護する役割を果す。多種多様なフッ化物イオン生成物質が、本発明の組成物の可溶性フッ化物源として採用されることができる。好適なフッ化物イオン産出材料の例としては、米国特許第3,535,421号(1970年10月20日発行)及び同第3,678,154号(1972年7月18日発行)に開示されており、例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化スズ及びフッ化アンモニウムなどである。一つの実施形態において、カスタマイズされた組成物は、歯の表面に接触する組成物中に、約50ppm〜10,000ppmのフッ化物イオンを提供し、別の実施形態においては約100ppm〜3,000ppmのフッ化物イオンを提供する。
【0041】
フッ化物カスタマイズ剤は、例えば典型的に、フッ素入りでない基本口内洗浄剤に添加するのに有用である。複数ユーザーの世帯は一つの基本口内洗浄剤製品を入手する選択肢を有し、該製品に、例えば子供のようにフッ化物処理を必要とする人が用いるために必要に応じてフッ素を添加してもよい。好ましいフッ化物カスタマイズ剤は、フッ化物並びにスズイオンを提供し、抗菌及び抗過敏症を含む追加的効果も提供するフッ化第一スズである。カスタマイズ剤としてフッ化第一スズを送達することにより、水性系でのスズの不安定性のようなフッ化第一スズに付随する処方の難しさ、酸化しやすさ及び口腔ケア製品中の一般的賦形剤との相互作用に起因する活性の消失が解決される。
【0042】
4.抗菌剤
抗菌剤としては、メルク・インデックス(Merck Index)、第11版(1989年)、1529頁(項目番号9573)、米国特許第3,506,720号、及び欧州特許出願第0,251,591号、(1988年1月7日公開)に記載の5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール(トリクロサン);米国特許第4,994,262号(1991年2月19日)に開示されているマグネシウム一カリウムフタレート、クロルヘキシジン(メルク・インデックス、番号2090)、アレキシジン(メルク・インデックス、番号222)などのフタル酸及びその塩類であるがこれらに限定されない;ヘキセチジン(メルク・インデックス、番号4624)、サンギナリン(メルク・インデックス、番号8320)、塩化ベンザルコニウム(メルク・インデックス、番号1066)、サリチルアニリド(メルク・インデックス、番号8299);臭化ドミフェン(メルク・インデックス、番号3411);塩化セチルピリジニウム(CPC)(メルク・インデックス、番号2024);塩化テトラデシルピリジニウム(TPC);、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC);オクテニジン;デルモピノール;オクタピノール及びその他のピペリジノ誘導体類;ナイアシン製剤(nicin preparations);亜鉛/スズ/銅イオン剤;オーグメンチン、アモキシシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール及び上記の類似体及び塩のような抗生物質類;チモール、ゲラニオール、カルバクロール、シトラール、ヒノキチオール、ユーカリプトール、カテコール(特に4−アリルカテコール)、サリチル酸メチル及びこれらの混合物を含む芳香油類;過酸化水素;並びにクロライトの金属塩類が挙げられるがこれらに限定されない。
【0043】
口腔ケア製品を、歯肉炎、歯周病、歯肉の炎症及び/又は出血、粘膜の創傷、損傷、潰瘍、アフター性潰瘍、ヘルペス、歯の膿瘍のような口腔状態、並びに上記状態及び微生物増殖などの他の理由に起因する口臭の治療効果を上げるために抗菌剤と共にカスタマイズすることが可能である。
【0044】
5.抗炎症剤
抗炎症剤を、炎症、特に歯肉炎及び歯周病を伴う状態を治療する口腔ケア製品の効果を上げるためにカスタマイズ剤としても使用することができる。このような薬剤としては、ケトロラク、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、アスピリン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びメクロフェナム酸などの非ステロイド性抗炎症剤又はNSAIDが挙げられるが、これらに限定されない。口腔又は中咽頭の一次及び再発の扁平上皮細胞癌を防止する及び、又は治療するためにケトロラクなどのNSAIDを使用することが、米国特許第5,626,838号(1997年5月6日発行)に開示されている。
【0045】
6.栄養素
栄養素は口腔の状態を改善する可能性があり、基本口腔ケア組成物の効果を上げるためのカスタマイズ剤として使用することができる。栄養素としては、ミネラル、ビタミン、経口栄養補給剤、経腸栄養補給剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
本発明の組成物と共に含有されることができるミネラルとしては、カルシウム、リン、フッ化物、亜鉛、マンガン、カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。これらのミネラルは、ウォルタース・クルー・カンパニー(Wolters Kluer Company)(ミズーリ州、セントルイス(St. Lous)(ルーズリーフ式医薬品情報サービス)の「薬物の事実と比較(Drug Facts and Comparisons)」(1997年)の10ページ〜17ページに開示される。
【0047】
ビタミンは、ミネラルと共に含有されることもでき、又は別個に使用されることもできる。ビタミン類としては、ビタミンC及びD、チアミン、リボフラビン及びリボフラビンホスフェート、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、葉酸、ニコチンアミド、ピリドキシン、シアノコバラミン、パラ−アミノ安息香酸、バイオフラボノイド類、及びこれらの混合物が挙げられる。そのようなビタミン類は、薬物の事実と比較の3〜10ページに開示されている。
【0048】
薬物の事実と比較の54〜54eページに開示されるように、経口栄養補給剤は、アミノ酸、脂肪親和物質、魚油、及びこれらの混合物を含む。アミノ酸としては、L−トリプトファン、L−リシン、メチオニン、スレオニン、レボカルニチン又はL−カルニチン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪親和物質としては、コリン、イノシトール、ベタイン、リノール酸、リノレン酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。魚油は、大量のオメガ3(N−3)多不飽和脂肪酸類、エイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する。
【0049】
経腸の栄養補給剤としては、薬物の事実と比較の55〜57ページに開示されるように、タンパク質製品、グルコースポリマー、とうもろこし油、ベニバナ油、中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
7.口及び咽喉剤
本発明と共に使用できる他の材料は、抗カビ、抗生物質及び鎮痛剤剤を含む周知の口及び咽喉剤が挙げられるが、これらに限定されない。そのような薬剤は、薬物の事実と比較の520b〜527ページに開示されている。
【0051】
8.酸化防止剤
酸化防止剤はまた、口腔ケア組成物をカスタマイズするための追加的活性物質として使用されてもよい。酸化防止剤は、カデナス&パッカー(Cadenas and Packer)(版権)の「酸化防止剤便覧(The Handbook of Antioxidants)」(1996年、マーセル・デッカー社(Marcel Dekker, Inc.))などのテキストに開示されている。カスタマイズ剤として使用される可能性のある酸化防止剤としては、ビタミンE、アスコルビン酸、尿酸、カロチノイド類、ビタミンA、フラボノイド類及びポリフェノール類、薬草抗酸化剤、メラトニン、アミノインドール類、リポ酸類及びこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。
【0052】
9.H−2拮抗物質
ヒスタミン−2(H−2又はH2)受容体拮抗化合物(H−2拮抗物質)を、口腔ケア組成物のカスタマイズ剤として使用してもよい。本明細書において使用されるように、選択的H−2拮抗物質は、H−2受容体を遮断するが、ヒスタミン−1(H−1又はH1)受容体の遮断の有意な活性の無い化合物である。選択的H−2拮抗物質は、消化管や気管のような様々の臓器の平滑筋の収縮を刺激するが、この効果は、典型的な抗ヒスタミン剤である低濃度のメピラミンで抑制することができる。これらのメピラミン感受性ヒスタミン反応に含まれる薬理学的受容体は、H−1受容体(「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・キーモザー(Brit. J. Pharmacol Chemother)」(1966年)第27巻、427ページ)として定義されてきた。ヒスタミンも胃によって酸の分泌を促進し(「プロシーディング・オブ・ザ・ソサエティ・フォー・エクスペリメンタルバイオロジー&メディシン(Proc. Soc. Exp. Biol. Med.)」(1941年)第48巻、65ページ)、心拍数(「ジャーナルオブファーマコロジー」(1960年)第130巻、450ページ)を高め、ラットの子宮の収縮を抑止し(「ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・キーモザー」(1946年)第1巻、278ページ)、これらの作用は、メピラミン及び関連薬によって拮抗されることができない。本明細書で有用なH−2拮抗物質は、メピラミンに非感受性の非H−1(H−2)ヒスタミン応答に関与する受容体を遮断し、メピラミン感受性のヒスタミン応答に関与する受容体を遮断しないものである。
【0053】
選択的H−2拮抗物質は、H−2拮抗物質の機能についての古典的な前臨床スクリーニングテストにおけるそれらの性能を通してH−2拮抗物質であることが見出される化合物である。選択的H−2拮抗物質は、H−2受容体の機能に特に依存するスクリーニングモデルでは、ヒスタミン媒介効果の競合的又は非競合的阻害物質として機能するが、H−1受容体の機能に依存するスクリーニングモデルでは、著しいヒスタミン拮抗物質活性を欠くことが明示され得る化合物として識別される。具体的には、これは、J.W.ブラックら(J. W. Black et al.)の「ヒスタミンH2−受容体の定義及び拮抗作用」(「ネイチャー(Nature)」第236巻(1972年4月21日)、385ページ〜390ページに記載のように、自然発生的右の心房を打つモルモットの生体外アッセイ及びラットの胃酸分泌の生体内アッセイによるテストを通じて、J.W.ブラックらにより記載されているように評価される場合、H−2拮抗物質として分類される化合物を含むが、モルモットの回腸収縮の生体外アッセイ又はマウスの胃の筋肉の収縮の生体内アッセイをJ.W.ブラックらに記載のように評価する場合、H−2拮抗物質活性と関連して、重要なH−1拮抗物質活性が不足することを示す。好ましくは、選択的H−2拮抗物質は、上記のH−1テストにおいて妥当な投与濃度において、有意のH−1活性を全く示さない。典型的な妥当な投与濃度は、ヒスタミンの90%の抑制、好ましくはヒスタミンの99%の抑制が上記H−2テストにおいて実現される最低投与濃度である。
【0054】
選択的H−2拮抗物質は、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)に譲渡された米国特許第5,294,433号及び同第5,364,616号、)に開示される、上記基準を満たす化合物を含み、シメチジン、エチンチジン、ラニチジン、ICIA−5165、チオチジン、ОRF−17578、ルピチジン、ドネチジン、ファモチジン、ロキサチジン、ピファチジン(pifatidine)、ラムチジン、BL−6548、BMY−25271、ザルチジン、ニザチジン、ミフェンチジン、BMY−25368(SKF−94482)、BL−6341A、ICI−162846、ラミキソチジン、Wy−45727、SR−58042、BMY−25405、ロクスチジン(loxtidine)、DA−4634、ビスフェンチジン、スフォチジン(sufotidine)、エブロチジン、HE−30−256、D−16637、FRG−8813、FRG−8701、インプロミジン、L−643728、及びHB−408からなる群から選択的H−2拮抗物質は選択される。特に好ましいのは、シメチジン(SKF−92334)、N−シアノ−N’−メチル−N”−(2−(((5−メチル−1H−イミダゾール−4−イル)メチル)チオ)エチル)グアニジンである。
【化1】

【0055】
シメチジンはまた、「メルク・インデックス」第11版(1989年)、354ページ(エントリーナンバー2279)、及び「医師用卓上参考書(Physicians' Desk Reference)」第46版(1992年)、2228ページに開示されている。関連する好ましいH−2拮抗物質としては、ブリマミド及びメチアミドが挙げられる。
【0056】
10.鎮痛活性物質
抗疼痛(anti-pain)又は減感剤はまたカスタマイズ剤としても使用され得る。そのような薬剤としては、塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、天然ハーブ、例えば没食子、アサルム、クベビン(Cubebin)、ガランガ、オウゴン、リアングミアンツェン(Liangmianzhen)、バイジ(Baizhi)などを挙げてもよいが、それらには限定されない。
【0057】
11.抗ウイルス性活性物質
カスタマイズ剤として有用な抗ウイルス性活性物質は、ウイルス感染を治療するために通常使用されるあらゆる既知の活性物質を含む。そのような抗ウイルス性活性物質は、「薬物の事実と比較」の402(a)ページ〜407(z)ページに開示されている。特定の例としては、スズ塩を含む米国特許第5,747,070号(1998年5月5日発行)に開示されている抗ウイルス性活性物質が挙げられる。スズ塩及び他の抗ウイルス性活性物質は、カーク及びオスマー(Kirk & Othmer)著、「化学技術百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」(1982年、ワイリー・インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley-lnterscience Publishers))第3版、第23巻、42ページ〜71ページに詳述される。本発明で使用されてよいスズ塩としては、グルコン酸第一スズ、酒石酸第一スズ、マロン酸第一スズ、クエン酸第一スズ、及び酢酸第一スズなどの有機カルボン酸第一スズ類、並びにフッ化第一スズ、塩化第一スズ、塩化スズ二水和物、臭化第一スズ、及びヨウ化第一スズなどの無機ハロゲン化第一スズが挙げられる。
【0058】
12.酵素
いくつかの適合する酵素の個々又は組み合わせもまたカスタマイズ剤として含むこともできる。酵素は生体系の化学反応の生物学的触媒である。酵素は基質と結合し、その上で酵素−基質中間複合体を形成するように作用する。この複合体は次に、反応生成物とその特異的酵素機能を維持した遊離酵素に変換される。
【0059】
酵素は口腔内で使用された場合、いくつかの効果を提供する。プロテアーゼは、歯の表面上へと吸収されてペリクル(歯垢の第一層)を形成する唾液タンパク質類を破断する。リパーゼと共にプロテアーゼは、細菌細胞壁及び膜の構造成分を形成するタンパク質及び脂質を溶解することにより細菌を破壊する。デキストラナーゼは、細菌性接着のためのマトリックスを形成する細菌により生成される有機骨格構造を分解する。プロテアーゼ及びアミラーゼは、歯垢形成を防止するばかりでなく、またカルシウムと結合する炭水化物−タンパク質複合体を解体することによって結石の発達を防止し、鉱化を防ぐ。
【0060】
本発明に有用な酵素には、いずれかの市販のプロテアーゼ、グルカノヒドロラーゼ、エンドグリコシダーゼ、アミラーゼ、ムタナーゼ(mutanases)、リパーゼ及びムシナーゼ又はそれらの相容性のある混合物が挙げられる。好ましいのはプロテアーゼ、デキストラナーゼ、エンドグリコシダーゼ、及びムタナーゼであり、最も好ましいのはパパイン、エンドグリコシダーゼ、又はデキストラナーゼとムタナーゼの混合物である。
【0061】
その他のカスタマイズ剤
口腔ケア活性物質に加えて、pH調整剤などの賦形剤をカスタマイズ剤として使用してよい。例えば、過酸化物を安定させる酸性のpHを有する基本過酸化物製品を、組成物のpHを上げて組成物の漂白性能を向上させるために使用前にアルカリ性のpH調整剤とカスタマイズしてよい。
【0062】
別のカスタマイズ剤は、非研磨製品と組み合わせるための或いは、例えば、通常の練り歯磨き製品の研磨有効性を高めるための砥粒研磨剤であってよい。例えば、フッ化物又はカチオン性材料のような練り歯磨き構成成分と不適合であるシリカを、カスタマイズ剤として基本練り歯磨きに添加してよい。特に有用なのは、高い研磨効果を有するが許容可能な摩耗性を有している研磨シリカである。そのような高い研磨力のシリカの例は、同一出願人による米国特許第6,740,311号に記載されており、例えばJ.M.ヒューバー社(J.M. Huber)から供給されるゼオデント(Zeodent)109などである。
【0063】
別の実施形態において、カスタマイズ剤は、抗菌剤のような口腔ケア活性物質の持続的送達のために歯又は粘膜組織状に塗布するのに好適な粘稠なゲルを作るため、増粘剤又はゲル化剤を含む。例えば、塩化セチルピリジニウム(CPC)抗菌剤を含有する基本リンス製品は、増粘剤及び被膜形成剤を含有するカスタマイズ剤で修飾され、強化された直接性を有するゲルを口腔組織に提供する場合があり、そうして持続的な口腔組織接触時間及び抗菌剤への暴露を可能にする。そのようなCPCゲルを、歯肉面、特に歯肉縁に塗布し、例えば夜を通しての治療のために放置してよい。ゲルを就寝前に口腔に適用し、就寝前に口を漱ぎ、機械的ブラッシング又はその他の同様の方法によって口腔から意図的に適用が除去されないようにする。この方法は、口腔の変性に一晩中有効であり、朝の口臭を低減させることにおいて有利であることが明らかになっている。
【0064】
本発明に有用な好適な増粘剤としては、多糖類増粘剤類、粘土類、架橋ポリアクリレート類、コポリマー類、ポリエチレングリコール類及び誘導体、タンパク質増粘剤類及びこれらの混合物が挙げられる。カスタマイズ剤は、塗布器又は指に置いたときにゲルが流れ落ちないように又は有効に使用するのには粘性が低すぎないように、ゲルに適切な粘度を提供するのに充分な量の増粘剤を含む。ゲルの粘度は典型的に、せん断速度1s−1において約0.1Pa.s〜約300Pa.s、好ましくは約30Pa.s〜約200Pa.s、より好ましくは約80Pa.s〜約120Pa.sである。適切な粘度を有するゲルを形成するための増粘剤の濃度は、典型的には、最終組成物の約0.1重量%〜約15重量%の範囲である。
【0065】
或いは、粘稠な又はゲル状の組成物は、口腔表面への直接適用又は貼付用のストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。可撓性を有し適合する好適なストリップの例は、例えば同一出願人による、米国特許第5,879,691号、同第5,891,453号、同第5,894,017号、同第5,989,569号、同第6,045,811号、同第6,096,328号、及び同第6,136,297号に記載されている。組成物を包含するフィルムは、組成物が適用された表面上で急速に形を成す。口腔ケア物質が時間と共にフィルムから放出されるので、口腔ケア物質の長期間の送達が可能になる。所望の期間が経過した後、又は歯のブラッシング又は他の口腔ケア活動の通常の進行において、口腔表面の拭き取り、ブラッシング又は漱ぎにより、あらゆる残留製品が簡単に除去される。
【0066】
更に別の実施形態において、口腔ケア製品の様々な構成成分は、カスタマイズ剤として個別に提供されてよく、2つ又はそれ以上を組み合わせてカスタマイズされた製品を作製する。この実施形態において、第1のカスタマイズ剤は、第2又は追加的カスタマイズ剤でカスタマイズされる基本製品となる。例えば、フッ化物カスタマイズ剤を、香味剤と組み合わせて基本の非研磨フッ化物歯磨剤を作製してよい。これは、現在市販されている歯磨製品の通常の構成成分である研磨剤に過敏症の人による使用に望ましい場合がある。所望であれば、研磨カスタマイズ剤を、研磨及び更なる洗浄を提供するために添加してよい。或いは、過酸化物カスタマイズ剤を、ホワイトニング歯磨剤を作るために添加してよい。別の実施形態において、抗菌カスタマイズ剤及び香味/冷却カスタマイズ剤を水と混合してさわやかな消毒リンスを作製してよい。
【0067】
その他の実施形態において、口腔ケア製品をより簡単に直接カスタマイズするキットを消費者に提供する。該キットは、
a)歯磨剤、歯用ゲル、口内洗浄剤、ホワイトニングゲル若しくはストリップ、デンタルフロス若しくはテープ、歯間装置及び義歯製品を非限定的に含む1種以上の基本口腔ケア製品と、
b)該基本口腔ケア製品と物理的及び化学的に適合し、該基本口腔ケア製品の性能及び審美的特性を強化又は変性することが可能な1種以上のカスタマイズ剤と、
c)消費者が所望する口腔ケア効果及び又は使用経験を送達するカスタマイズされた製品を作るために該基本口腔ケア製品と組み合わせるための特定のカスタマイズ剤を選択するための指示と、を含んでよい。
【0068】
キットは好ましくはチャート又はガイドを含み、消費者が適切な選択を行うのを助ける。例えば、それぞれの効果又は特性を得るために、それぞれの効果/活性又は感覚特性を基本製品及びカスタマイズ剤とマッチさせるチャートを提供してよい。
【0069】
使用方法
本発明を実施するにあたり、ユーザーは基本製品及び基本製品に添加する1種以上のカスタマイズ剤を選択し、ユーザーのニーズ及び好みにしたがってカスタマイズされたすぐに使用できる口腔ケア製品を作製する。次に、ユーザーは、所望の効果又は使用経験、例えば、ホワイトニング、息のフレッシュニング、虫歯防止、鎮痛、減感、歯肉の健康、歯石の制御等を得るために、口腔ケア物質又は必要な物質を含有するカスタマイズされた製品を適用することのみ必要とする。適用の方法は言うまでもなく、組成物の最終形状次第であり、例えば、口内洗浄剤で漱ぐ、ホワイトニング若しくは抗菌ゲルを装置を使用して若しくは使用せずに口腔表面に直接適用する、又は歯ブラシで歯及び他の口腔表面をブラッシングして歯磨剤若しくは歯用ゲルを適用する。
【実施例】
【0070】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これら実施例は、説明の目的のためにのみ提示するものであって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0071】
(実施例1)口内洗浄剤及び香味カスタマイズ剤
口内洗浄剤処方1A〜1Dを、基本口内洗浄剤100mLあたり約0.25〜約10gmの香味カスタマイズ剤1E〜1Gを添加してカスタマイズする。カスタマイズ剤を、約10mL〜約30mLの口内洗浄剤の1回量をカスタマイズするために、約0.0625gm〜約2.5gmの香味剤を含む1回用量として提供してもよい。
【表1】

【0072】
(実施例2)カスタマイズされた歯磨剤
歯磨剤基本処方を、ホワイトニング及び/又は研磨効果を強化するために過酸化物及び/又は研磨カスタマイズ剤を添加してカスタマイズする。基本歯磨剤の約0.5gm〜約2gmの1回用量に添加するために、カスタマイズ剤を約0.01gm〜1gmの範囲の1回用量で供給してよい。以下の表は、特定量のカスタマイズ剤を基本歯磨剤1gmに添加した後のカスタマイズされた歯磨剤の組成を示している。
【表2】

【0073】
(実施例3)カスタマイズされた義歯接着剤
基本の義歯接着剤処方を、以下に示すような1種以上の香味カスタマイズ剤を添加することによってカスタマイズする。基本義歯接着剤の約0.5〜約1.5gmの1回用量に添加するために、香味カスタマイズ剤を約0.0005gm〜約0.005gmの1回用量で供給してよい。或いは、香味カスタマイズ剤を、基本義歯接着剤上に分配するのに好適なスプレーなどの形状で処方してよい。
【表3】

【0074】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0075】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0076】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者のために口腔ケア製品をカスタマイズする方法であって、
a)基本口腔ケア製品と、
b)前記基本口腔ケア製品の1つ以上の性能及び/又は審美的特性を強化又は変性することが可能な構成成分を含む1種以上のカスタマイズ剤と、を前記消費者に提供することを含み、
前記カスタマイズ剤が前記基本口腔ケア製品と物理的及び化学的に適合するものであり、これにより、前記消費者が前記1種以上のカスタマイズ剤を前記基本口腔ケア製品と組み合わせて前記消費者が選択した口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた口腔ケア製品を作ることが可能となる、方法。
【請求項2】
前記基本口腔ケア製品が、歯磨剤、口内洗浄剤、デンタルフロス、歯間装置、歯のホワイトニング又は漂白製品及び義歯ケア製品から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カスタマイズ剤が、口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記カスタマイズ剤及び前記基本口腔ケア製品を組み合わせるための指示を消費者に提供することを更に含み、前記指示が、得られたカスタマイズされた製品が前記所望の口腔ケア効果及び使用経験を送達するように、特定量のカスタマイズ剤と基本口腔ケア製品とを組み合わせるように前記消費者を導くものである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記消費者が、使用の際に、1種以上のカスタマイズ剤と基本口腔ケア製品とを組み合わせる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
a)基本口腔ケア製品と、
b)基本口腔ケア製品の1つ以上の性能及び/又は審美的特性を強化又は変性することが可能な構成成分を含む1種又は複数種のカスタマイズ剤と、
を含むカスタマイズ可能な口腔ケア製品であって、
前記カスタマイズ剤が前記基本口腔ケア製品と物理的及び化学的に適合するものであり、これにより、消費者が1種以上のカスタマイズ剤を前記基本口腔ケア製品と組み合わせて前記消費者が選択した口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた口腔ケア製品を作ることが可能となる、カスタマイズ可能な口腔ケア製品。
【請求項7】
前記基本口腔ケア製品が、歯磨剤、口内洗浄剤、デンタルフロス、歯間装置、歯のホワイトニング又は漂白製品及び義歯ケア製品から選択される、請求項6に記載のカスタマイズ可能な口腔ケア製品。
【請求項8】
前記カスタマイズ剤が、口腔ケア活性物質;香味料;冷却材;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む、請求項6に記載のカスタマイズ可能な口腔ケア製品。
【請求項9】
消費者が直接カスタマイズ可能な口内洗浄剤製品であって、
a)1種以上の追加の口腔ケア構成成分を更に可溶化、乳化又は混合することが可能な液体キャリアを含む基本口内洗浄剤製品と、
b)口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む1種又は複数種のカスタマイズ剤と、
を含み、
1種以上の前記カスタマイズ剤が前記消費者によって選択され、前記消費者が選択した口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた口内洗浄剤を作るために、前記基本口内洗浄剤製品と組み合わされる、口内洗浄剤製品。
【請求項10】
消費者が直接カスタマイズ可能な歯磨剤製品であって、
a)歯及び口腔を洗浄するために歯ブラシと共に使用するのに好適な基本歯磨剤製品と、
b)口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む1種又は複数種のカスタマイズ剤と、
を含み、
1種以上の前記カスタマイズ剤が前記消費者によって選択され、前記消費者が選択した口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた歯磨剤を作るために、前記基本歯磨剤製品と組み合わされる、歯磨剤製品。
【請求項11】
消費者が直接カスタマイズ可能なデンタルフロス又は歯間装置であって、
a)歯の間、歯間領域及び歯肉線を洗浄するために使用するのに好適なデンタルフロス又は歯間装置と、
b)口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含む1種又は複数種のカスタマイズ剤と、
を含み、
1種以上の前記カスタマイズ剤が前記消費者によって選択され、前記デンタルフロス又は歯間装置をコーティングして前記消費者が選択した口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされたデンタルフロス又は歯間装置が作られる、デンタルフロス又は歯間装置。
【請求項12】
前記カスタマイズ剤が、ペースト、ゲル、液体、粒子、フレーク、結晶、粉末、粒塊、ビーズ、ストリップ、繊維、フィルム、錠剤又はカプセルから選択される形状である、請求項6に記載のカスタマイズ可能な口腔ケア製品。
【請求項13】
口内洗浄剤製品用カスタマイズ剤であって、口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含み、前記カスタマイズ剤が、消費者が選択した性能及び審美的特性を有するカスタマイズされた口内洗浄剤を作るために、前記カスタマイズ剤と混合又はブレンドするための適切な量の基本口内洗浄剤を計量するのに好適な使い捨て容器に包装される、口内洗浄剤製品用カスタマイズ剤。
【請求項14】
歯磨剤製品用カスタマイズ剤であって、口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料から選択される構成成分を含み、前記カスタマイズ剤が、追加的なストリップとして基本歯磨剤製品のストリップと共に歯ブラシ上に分与するためにペースト又はゲルの形状である、歯磨剤製品用カスタマイズ剤。
【請求項15】
消費者が口腔ケア製品を直接カスタマイズするためのキットであって、
a)歯磨剤、口内洗浄剤、デンタルフロス、歯間装置、歯のホワイトニング又は漂白製品、義歯ケア製品から選択される1種又は複数種の口腔ケア製品と、
b)前記基本口腔ケア製品と物理的及び化学的に適合し、前記基本口腔ケア製品の性能及び審美的特性を強化又は変性することが可能な1種又は複数種のカスタマイズ剤と、
c)消費者が所望する口腔ケア効果及び/又は使用経験を送達するカスタマイズされた製品を作るために基本口腔ケア製品と組み合わせるための1種以上のカスタマイズ剤を選択するための指示と、
を含む、キット。
【請求項16】
前記カスタマイズ剤が、口腔ケア活性物質;香味料;冷却剤;甘味剤;味、口の感触、におい又はその他の感覚に影響を与える材料;色、質感、レオロジー又は外観に影響を与える材料;及びこれらの組み合わせから選択される構成成分を含むものである、請求項15に記載のキット。

【公表番号】特表2009−535325(P2009−535325A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507237(P2009−507237)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【国際出願番号】PCT/IB2007/051612
【国際公開番号】WO2007/125516
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】