液体の吸入又は操作のための器具
流体、特に、液体の吸入、又は、操作器具、及び、この種の器具の製造方法が提案される。扁平であり且つ予備成形されていない覆いフィルムがキャリヤに貼り付けられ、三次元形状の又は凸状のチャンバ壁が貼り付けプロセスだけで形成される。かかるチャンバ壁は、特に、流体のためのチャンバの境界を形成する。器具は、製造が簡単であり且つ広範に使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載された流体、例えば、液体の吸入、又は、操作器具及びこの種の器具の製造方法に関する。
【0002】
本発明は、好ましくは、マイクロフルイディックシステム又は器具に関する。以下の説明は、特に、毛管力が作用し始めるようにし、特に、動作にとって極めて重要な器具に関している。
【背景技術】
【0003】
特にチャネルの形態をしたチャンバを有するマイクロフルイディック器具が知られており、チャンバは、少なくとも部分的に三次元形状のフィルムによって定められ、特に、弾性的に変形可能、又は、圧縮可能である。この種のチャンバ又はチャネルは、液体を吸入して操作し、特に、運搬し、混合し、又は、送り出すことができる。
【0004】
米国特許第6,902,706(B1)号明細書は、分析チップ内の液体を制御する弁を開示している。この弁は、互いに間隔を置いた状態で板状キャリヤの頂部に現われる第1のチャネル及び第2のチャネルを有する。出口端部のところの開口部は、フィルムによって覆われている。弁を開くため、液体を圧力下に置いてフィルムを三次元的に変形させ、かくして開口部相互間に連結部を形成する。フィルムが三次元的に予備成形されるという示唆は存在しない。したがって、フィルムが貼り付け法だけで三次元的に予備成形されるという示唆も存在しない。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0076068(A1)号明細書は、実質的に硬質メンブレンから成るマイクロフルイディック構造体を開示している。開いたチャネルが、板状基板の平坦な側部に設けられている。第1のチャネル端部及び第2のチャネル端部は、互いに間隔を置いて配置され、互いに接合されてはいない。基板にはフィルムが貼り付けられており、フィルムは、基板には接続されておらず、チャネルの第1の端部及び第2の端部を包囲した領域を備えている。力をフィルムに加えると、フィルムは、三次元的に変形し、液体は、第1のチャネルから第2のチャネル内に流れる。貼り付け法により三次元的に予備成形されたフィルムは、開示されていない。
【0006】
米国特許出願公開第2006/00570303(A1)号明細書は、フィルムで作られた三次元形状の構造体を備えたバイオチップ中に液体を運搬する器具を開示している。三次元付形がフィルムの貼り付けによって達成されるという示唆は存在しない。
【0007】
国際公開第02/068823(A1)号パンフレットは、一方弁として使用できるマイクロフルイディック制御手段を開示している。弁は、5つの層の積層体(ラミネート)によって形成されている。ラミネート層は、弁座を備えた入口チャネル及び軟質メンブレンによって入口チャネルから分離された出口チャネルを形成している。軟質メンブレンは、弁座に当接するよう設けられた開口部を備えている。物質が入口チャネル内に流れると、メンブレンは、出口チャネルに向かって弁座に押し付けられ、開口部が閉じられる。流れが逆方向である場合、メンブレンは、弁座から入口チャネルに向かって撓み、弁が開かれる。貼り付け方法だけで三次元的に予備成形されたメンブレンについての記載は存在しない。
【0008】
国際公開第2005/060432(A2)号パンフレットは、分析目的のカセットを開示している。弁が、通路を形成するよう或る特定の圧力で持ち上げられてバリアから遠ざかる可撓性材料を備えている。貼り付けだけで三次元的に予備成形される可撓性材料については開示されていない。
【0009】
米国特許第4,950,354号明細書は、空気クッション式フィルムを製造する方法に関する。フィルムにあらかじめ貼り付けられた有孔基材の穴を通って加熱状態の熱可塑性フィルムを引っ張る。次に、形成された泡状の構造を閉じるのに、別の熱可塑性フィルムを既存のラミネートに貼り付ける。
【0010】
本発明の目的は、フィルムによって画定された少なくとも部分的に変形可能であり、流体、特に液体の吸入又は操作器具及びかかる器具の製造方法であって、特に弾性的に変形可能なチャンバ又は他の三次元構造体を特に簡単な仕方で製造することができる方法を提供することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,902,706(B1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0076068(A1)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/00570303(A1)号明細書
【特許文献4】国際公開第02/068823(A1)号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/060432(A2)号パンフレット
【特許文献6】米国特許第4,950,354号明細書
【発明の概要】
【0012】
上記目的は、請求項1記載の器具又は請求項15記載の方法によって達成される。有利な実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
本発明の一観点では、扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていないカバーフィルムが、キャリヤに貼り付けられ(即ち、熱及び圧力の作用で)、カバーフィルムから貼り付け法だけで、三次元の形状のチャンバ壁を形成し、又は、ドーム状になったチャンバ壁を形成し、このチャンバ壁は、カバーフィルムとキャリヤとの間に所望のチャンバを部分的に形成する。これにより、特に簡単な製造が可能である。
【0013】
特に、貼り付けのため、少なくとも1つの凹部又は開口部を備えたマスク又はいわゆるターモード(termode)(加熱状態のダイス)を熱の作用下でカバーフィルムに押し付け、好ましくはこの作用だけで、カバーフィルムが、凹部又は開口部の領域ではキャリヤに連結されず、この領域で三次元形状又は構造になるようにする。しかしながら、他の領域では、カバーフィルムは、好ましくは、貼り付け法により通常の仕方でキャリヤにしっかりと連結される。かくして、カバーフィルムは、三次元構造、例えば、流体、例えば、液体のため、特に、液体の吸入、及び(又は)、操作のためのチャンバを形成するために非常に容易に構造化でき又は付形できる。
【0014】
また、独立して実現可能な本発明の別の観点によれば、カバーフィルムは、少なくとも部分的に、且つ(或いは)、カバーフィルムによって形成されたチャンバの領域について追加のフィルムにより覆われ、追加のチャンバが、カバーフィルムと追加のフィルムとの間に形成される。特に好ましくは、追加のフィルムは、カバーフィルムと同様、貼り付けられ、追加のフィルムは、特に、貼り付け法の結果としてのみ、三次元形状の又は凸状の追加の壁を形成し、この追加の壁は、追加のチャンバを形成し、又は、部分的に定める。かくして、広範に利用可能な三次元構造を特に簡単な方法により得ることができる。
【0015】
しかしながら、理論的には、カバーフィルム、及び(又は)、追加のフィルムを被着させると共に、(或いは)、これを他の何らかの方法により三次元的に変形することも可能である。
【0016】
また、独立に実現可能な本発明の追加の観点によれば、カバーフィルム、又は、このようにして形成されたチャンバは、メンブレンを覆い、特に、メンブレンを通過した透過液をチャンバ内に捕捉することができ、特に、連結されたチャネル等を通ってチャンバから運び去ることができるようになっている。特に、好ましくは、カバーは、特に、貼り付けによりメンブレンの中央に接合される。かくして、最も好ましくは、血液等の分離の際に、非常に大きな毛管力、及び、それ故に、非常に効率的な分離、又は、濾過を達成することができる。
【0017】
「チャンバ」という用語は、本発明によれば、特に、提案された仕方で作ることができ、或いは、三次元形状又は構造のカバーフィルムによって画定され、液体又は他の或る流体、オプションとして、ガスも又保持するのに役立つ任意の三次元構造、例えば細長いチャネルを意味している。同じことは、「追加のチャンバ」という用語にも当てはまる。
【0018】
本発明は、特に、マイクロフルイディック器具又は構造体に関するに過ぎない。この場合、「マイクロフルイディック」という用語は、特に、100μl(マイクロリットル)以下、より好ましくは、10μl(マイクロリットル)以下の器具全体、又は、チャンバの容積を意味しているに過ぎない。
【0019】
本発明の別の利点、特徴、特性及び観点は、特許請求の範囲の記載及び図面を参照して行われる幾つかの好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態として提案された器具の背部の平面図である。
【図2】図1のII‐II線における断面図である。
【図3】図1のIII‐III線における断面図であり、貼り付けがまだ行われていない状態を示す図である。
【図4】図3に対応した断面図であり、貼り付け方法の実施後の状態を示す図である。
【図5】図3に示すマスク又はターモードの概略平面図である。
【図6】第2の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図7】図6のVII‐VII線における断面図である。
【図8】第3の実施形態として提案された概略平面図である。
【図9】図8のVIII‐VIII線における断面図である。
【図10】第4の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図11】図10のXI‐XI線における断面図である。
【図12】第5の実施形態として提案された器具の細部の平面図である。
【図13】第6の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図14】第7の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図15】図14のXV‐XV線における断面図である。
【図16】第8の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図17】図16の器具の概略平面図である。
【図18】チャネルの開放中における図16の器具の概略平面図である。
【図19】第9の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図20】図19の器具のためのマスク又はターモードの底面図である。
【図21】第10の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図22】図21の器具の平面図である。
【図23】第11の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図24】第12の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図中、同一の参照符号は、関連の説明が、たとえ繰り返されない場合であっても、対応又は同等の特性及び利点が達成される同一又は類似の部品について用いられている。図は、種々の観点を示すと共に説明を単純化するために縮尺通りではない。
【0022】
図1は、流体、特に、液体の吸入、及び(又は)、操作のための提案された器具1を概略詳細平面図で示している。流体又は液体は、図1には示されていない。これとは異なり、図1のII‐II線に沿って取った図2の概略断面は、一例として、液体2の入った器具1を示している。
【0023】
器具1は、キャリヤ3及びカバーフィルム4を有している。キャリヤ3とカバーフィルム4との間には、流体の吸入又は操作のための三次元フルイディック構造が形成されている。特に、この構造は、好ましくはチャネル状のチャンバ5である。
【0024】
構造又はチャンバ5は、チャンバ壁6によって少なくとも部分的に画定され、このチャンバ壁は、カバーフィルム4に形成され、又は、カバーフィルム4によって形成されている。特に、キャリヤ3は、流体のための入口、又は、出口を除き、少なくともこの領域が扁平な又は平板状のものであり、したがってこの構造又はチャンバ5は、本質的に又は事実上排他的に、カバーフィルム4に又はキャリヤ3の外部に若しくはキャリヤの平坦な側部Fの上方に形成されるようになっている。
【0025】
カバーフィルム4は、キャリヤ3、特にキャリヤ3の平坦な側部Fに貼り付けられ、即ち、圧力及び熱(特に、約80℃から100℃で)の作用でキャリヤ3に取り付けられる。
【0026】
提案する貼り付け方法の実施前では、扁平なカバーフィルム4は、三次元形状の且つ(或いは)ドーム状のチャンバ壁6を形成するために、予備成形されておらず、三次元構造化等もされていない。これとは異なり、カバーフィルム4は、三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6を形成し、特に、かかるチャンバ壁を湾曲させ又は変形させてキャリヤ3から遠ざけると共に、(或いは)、特に、チャンバ壁6に圧力、例えば、ガス圧力を加えないようにするよう貼り付け方法により変形し、構造化されると共に、(或いは)、あらかじめ応力が加えられているに過ぎない。
【0027】
図1のIII‐III線に沿って取った図3の断面図は、貼り付け方法の実施前では、即ち、チャンバ5を形成する前では、キャリヤ3上の当初滑らかな、又は、平らなカバーフィルム4を示している。
【0028】
本発明によれば、貼り付けは、特に、いわゆるターモード又はマスク7を用いて実施され、かかるターモード又はマスクは、例えば、これに対応して形成されたパンチ、中間層等によって形成される。所望ならば、マスク7は又、ローラ貼り合わせ機のロール又はローラの表面等によっても形成できる。
【0029】
マスク7は、この場合、図3及び図5の下から見た図に示されているように、少なくとも1つの凹部又は開口部8を有している。
【0030】
貼り付けのため、先ず最初に、マスク7を、特に、キャリヤ3上にルーズに位置しているカバーフィルム4に押し付ける。このように、カバーフィルム4は、好ましくは、凹部又は開口部8の領域だけはキャリヤ3に取り付けられておらず、この領域では、図4に示されているように三次元に付形され又は構造化されている。驚くべきことに、事実、追加の変形ステップを全く行わないで、特に、発泡剤を用いないでも、カバーフィルム4は、マスク7の凹部又は開口部8の領域では凸に作られ、かくして、図4に概略的に示されているように、三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6が形成されることが判明した。
【0031】
提案するカバーフィルム4の三次元変形は、特に、所望に応じてパンチ貼り合わせ機又はローラ貼り合わせ機(図示せず)を用いて選択的に実施できる。
【0032】
提案する貼り付けは、特に、追加の変形ステップが不要なので、実施するのが非常に容易である。マスク7は、特にマスク7の三次元構造化が不要なので、製造するのが非常に容易である。もっと適切に言えば、所望の輪郭を持つ1つの開口部8又は複数の開口部8を形成するだけで十分である。
【0033】
図示の実施形態では、チャンバ5は、図1の平面図及び図1に対して直角をなした図2の断面図に示されているように、本質的にチャネル状のものであり、又は、細長いものであり、且つ(或いは)、チャネル状又はビード状構造のものである。チャンバ5は、好ましくは比較的薄く、特に、図2に対して直角をなした図4の断面図に示されているように断面が実質的に半円形である。特に、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ壁6は、チャンバ5の長手方向広がりに対して直角をなした凸状又は半円形構造のものである。しかしながら、理論的には、他の形態、形状及び構造も又可能である。
【0034】
提案されているようにカバーフィルム4に形成された構造又はチャンバ5は、例えば、器具1、又は、キャリヤ3、若しくは、他のフルイディック構造、フルイディックコンポーネント等の第1のチャネル9、及び(又は)、第2のチャネル10に流体結合されている。図示の実施形態では、第1のチャネル9は、例えば、平坦な側部Fに沿って延びている。この第1のチャネルは、例えば、キャリヤ3に設けられた溝によって形成され、この溝は、特にカバーフィルム4によって平らに覆われている。第1のチャネル9は、一端が例えばチャンバ5の端部のところで終わり又は始まる。
【0035】
図示の実施形態では、第2のチャネル10は、特にチャンバ5の他端部に隣接して位置している。例えば、第2のチャネル10は、キャリヤ3に設けられた開口部又はボアとして構成され、かかる第2のチャネルは、チャンバ5をキャリヤ3の他方の平坦な側部に設けられたフルイディック構造11、例えばチャネル、検出領域、混合領域等に流体結合している。
【0036】
構造11は又、好ましくは、キャリヤ3に形成され、この構造は、例えば、カバー12によって覆われ、カバー12は、特に、上側カバーフィルム4と同種の材料で作られたカバーフィルムであるのが良い。
【0037】
提案する器具1は、特に、流体、例えば、液体2の吸入、又は、操作のためのマイクロフルイディックプラットホーム又はマイクロフルイディックシステムを形成している。
【0038】
特に、チャンバ5又はチャンバ壁6は、弾性的に又は可逆的に変形可能である。チャンバ5は、例えば、対応の復元力をカバーフィルム4又はチャンバ壁6に加えることにより且つ(或いは)チャンバ5内に生じている流体圧力によって復元可能である。
【0039】
変形のため、図2に概略的に示された部品又は要素13、例えばパンチ、ロール、ローラ、スライダ、他の或るアクチュエータ等が、チャンバ壁6に作用するのが良い。
【0040】
要素13は、例えばチャンバ5の長手方向広がり、又は、キャリヤ3の平坦な側部F又は平らな表面に直角に動くことができ、したがって、チャンバ壁6を要素13の領域でキャリヤ3に押し付けることができ、このように、チャンバ5を通るフルイディック流れをあたかもピンチ弁のように中断し又は停止させ、若しくは、絞り、特に、制御し、又は、調整することができる。
【0041】
特に、チャンバ5が細長い構造のものである場合、チャンバ5の局所圧縮により要素13を例えばチャンバ5に沿って長手方向にも動かすことができ、かくして、流体2を蠕動ポンプのようにチャンバ5内に運搬し、又は、変位させることができる。かくして、この場合、チャンバ5は、変形可能なポンプチャンバを形成する。
【0042】
上述の2つの例では、チャンバ5又はチャンバ壁6に作用する要素13の領域の横方向広がりは、好ましくは、チャンバ5の長手方向広がりに対して直角のチャンバ5の幅と少なくとも実質的に同じ大きさである。しかしながら、要素13は又、この幅と比較して比較的細幅であり、又は、構造が小さいのが良い。この場合、特に、要素13は、例えば、別々の流体、又は、分散液を混合するため、チャンバ5内の流体を前後に動かし、或いは、チャンバ5が、これに対応して設計されている場合、例えば、円をなして、又は、回路に沿ってぐるりと動かすのに特に適している。かくして、この場合、チャンバ5は、特に混合チャンバを形成する。
【0043】
注目されるべきこととして、提案に従って構成された器具1は、あらゆる種類の目的に、例えば、特に換気、又は、曝気の制御又は調節に利用でき、又、他のもの、特にマイクロフルイディックシステム、コンポーネント、例えば、弁、ポンプ、毛管ストップ、フィルタ、検出装置等と組み合わせることができる。
【0044】
提案する器具1は又、例えば、流体、例えば、液体2の分析、又は、他の処理、若しくは、操作に使用できる。
【0045】
図示の実施形態では、キャリヤ3は、好ましくは、プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られる。
【0046】
キャリヤ3は、好ましくは、構造が少なくとも実質的に板状であり、扁平であり、且つ(或いは)、平板状である。
【0047】
好ましくは、キャリヤ3は、構造が少なくとも実質的に剛性である。
【0048】
特に、キャリヤ3又はその表面は、カバーフィルム4又はカバーフィルム4に被着されたヒートシール被膜よりも耐熱性が高い材料で作られている。
【0049】
カバーフィルム4は、好ましくは、プラスチック、特にポリエチレン又はポリプロピレンで作られる。
【0050】
カバーフィルム4は、設計が透明又は半透明であり、場合によっては、部分的にそうであるに過ぎない。
【0051】
カバーフィルム4は、所望に応じて単層構造又は多層構造のものである。これは、その意図した用途及び用件で決まる。
【0052】
特に、カバーフィルム4は、通常封止ラッカ等の被膜を備えたいわゆるヒートシールフィルムである。
【0053】
特定の要望に応じて、カバーフィルム4は又、互いに異なるチャンバ5の複数の三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6を形成するのが良い。
【0054】
上述したように、カバーフィルム4は又、キャリヤ3内に又はキャリヤ3上に設けられた他の或るフルイディック構造、又は、他の全てのフルイディック構造、例えば、凹部、凹み、開口部、溝又は第1のチャネル9、及び(又は)、複数のチャンバ5等を覆い又は形成するのが良い。
【0055】
次に、他の図を参照して提案する器具1の幾つかの追加の実施形態及び別の特徴を説明する。繰り返しを避けるため、特に本質的な違いについてのみ説明し、したがって、これまでに与えられた注意事項及び説明は、依然として、対応して又は補完的に当てはまる。
【0056】
図6は、提案する器具1の第2の実施形態の平面図である。第1のチャネル9及び第2のチャネル10は、同一平面内に延びると共に、(或いは)、互いに少なくとも実質的に平行に延びる。2つのチャネル9,10は、互いに接合され、又は、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5によって互いに接合されるようになっている。
【0057】
図6は、要素13がチャンバ5の上方に配置された状態で器具を示している。図7は、VII‐VII線に沿って取った図6の器具1の概略断面図である。この場合、要素13は、依然として持ち上げられている。この場合、チャンバ5を介する2つのチャネル9,10相互間の流体結合は、開かれており、特に、チャンバ壁6は、キャリヤ3の平坦な側部Fから上方に湾曲し又は持ち上げられている。
【0058】
図8は、第2の実施形態と非常に良く似た提案する器具1の第3の実施形態を概略平面図で示している。第3のチャネル14は、例えば、流体、例えば洗浄液等を供給するのに役立つ。第3のチャネル14は、チャンバ5を介して他の2つのチャネル9,10に連結されており、又は、連結されるようになっている。図8は、連結部が定位置にある状態を示している。矢印は、流れの可能な方向を示している。チャネル14と供給される液体は、例えば他の2つのチャネル9,10を通って再び排出される。
【0059】
図示の第3の実施形態では、2つの外部に位置するチャネル9,10への流体結合部は、好ましくは、同時に閉鎖され又は開放され、若しくは、絞られるようになっている。この目的のため、流体結合部を制御する関連の要素13は、これに対応して、構造が広幅であり又は長い。非遮断状態ではドーム状のチャンバ壁6の押しつぶし又は変形に応じて、流体結合部を多かれ少なかれ絞るのが良く、又は、最終的に完全に遮断するのが良い。
【0060】
図8のVIII‐VIII線に沿って取った図9の断面図は、要素13の考えられる比較的広幅の構造を示している。要素13は、特に、縁部のところに設けられた2つのチャネル9,10まで又は実際にはこれら2つのチャネル上に、より正確に言えば、チャンバ5へのこれらの結合部上に延びている。しかしながら、他の設計上の解決策も又可能である。
【0061】
特に、一方において第3のチャネル14からチャネル9への、他方においてチャネル10への流体結合は、別個独立に制御可能であるようにすることも可能である。この場合、特に、2つの別々の、又は、別個独立に制御可能な、若しくは、作動可能な要素13は、チャンバ5と関連している。しかしながら、この作用効果は又、所望ならば、たった1つの要素、例えば、図示の要素13、又は、別の要素13によるチャンバの対応の変位、回転等によっても達成できる。
【0062】
注目されるべきこととして、チャンバ5の圧縮に応じて、流体結合の絞りを達成することも可能である。提案する器具1は、かくして、特に、弁としてだけではなく、流体操作のための絞り又は他の要素としても使用可能である。
【0063】
例えば、器具1は又、換気、及び(又は)、曝気の制御に使用できる。この場合、特に関連の液体等の事実上間接的な制御が行われる場合がある。第1の実施形態の場合と同様、第2及び第3の実施形態におけるチャネル8,9,10は、好ましくは、キャリヤ3に設けられた凹部、溝等によって形成され、好ましくは、カバーフィルム4によって覆われる。しかしながら、他の設計上の解決策も又可能である。具体的に言えば、チャネル9,10、及び(又は)、14は又、ボア、管、他の覆い要素又はキャリヤ等によって形成され、構成され、案内され又は結合されても良い。
【0064】
図10は、提案する器具1の第4の実施形態を概略平面図で示している。この場合、チャンバ5は、特に、混合チャンバを形成している。互いに異なる液体又は他の流体を、特に互いに反対側に位置する2つのチャネル9,10を通って供給することができる。チャンバ5内では、停止構造、特に、毛管停止構造15が、好ましくは、横方向に延びる溝、隆起部、疎水性領域、親水性領域等によって形成される。好ましくは、毛管停止部を介して混合チャンバに取り付けられた第3のチャネル14は、特に、空気をチャンバ5から抜くのに役立つ。
【0065】
チャンバ5の充填後、チャネル9,10及びオプションとしてのチャネル14も又、好ましくは、弁又は他の手段によって流体的に閉鎖され、特に、好ましくは、図10にのみ破線で示されているような追加の要素13′を用いて押しつぶすことによって閉鎖されるのが良い。この場合、要素13は、凸状チャンバ壁6に押し付けられ、そして特に円形運動をなして、且つ(或いは)、直線運動状態で前後に動かされる。かくして、チャンバ5内に入っている液体は、チャンバ壁5を、特に或る特定の箇所でのみ押し込み、又は、変形させることによって混合可能である。
【0066】
少なくとも1つの流体結合部の規定された混合液開放後、例えば、チャンバ5を押しつぶすことにより液体を前の方へ運ぶことができ又は再び押し出すことができる。
【0067】
図11は、要素13が持ち上げられた状態で器具1を図10のXI‐XIに沿って取った概略断面で示している。
【0068】
図12は、提案する器具1の第5の実施形態を概略平面図で示している。この場合、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5は、好ましくは、第1のチャネル9と第2のチャネル10との間に配置され又はこれら2つのチャネルを互いに連結している。第1のチャネル9は、チャンバ5の上流側に、隣接の第3のチャネル14に通じる枝路を有している。
【0069】
流体、例えば、液体を収容しているセル等が第1のチャネル9に供給されたとき、変形可能又は閉鎖可能なチャンバ5を用いて、流体及び細胞等がチャンバ5を通って第2のチャネル10内に流れるか、或いは、対応の閉塞又は絞り(チャンバ5の押しつぶし)により、枝路を通って前に運ばれて第3のチャネル14内に運び込まれるかどうかを選択的に、又は、故意に制御することができる。このようにすると、例えば、細胞ソータを製作することができる。しかしながら、この構成は又、フルイディックス、特に、マイクロフルイディックスにおける他の目的に利用できる。
【0070】
図13は、提案する器具1の第6の実施形態の概略断面図である。この場合、チャンバ5は、キャリヤ3の2つの反対側の側部又は面、特に平坦な側部に上述したように貼り付けによって、好ましくは、被着されたカバーフィルム4によって形成されている。互いに反対側に、且つ(或いは)、互いに遠ざかる方向に向いたキャリヤ3の側部上に配置された2つのチャンバ5は、好ましくは、キャリヤ3に設けられた開口部、細孔、ボア、チャネル16等によって互いに直接的に連結されている。チャンバ5又はそのチャンバ壁6の適当な特に交互の変形又は押しつぶしにより、チャンバ5内に入っている流体は、一方のチャンバ5から他方のチャンバ5に交互に流れ、又、他方のチャンバ5から一方のチャンバ5内に交互に流れることができるようにすることが可能である。これは、特に、液体の完全な混合、例えばキャリヤ3上又はキャリヤ3内に存在している試薬との反応等を補償するのに役立つ。
【0071】
図14は、提案する器具1の第7の実施形態を概略平面図で示している。図15は、図14のXV‐XV線における断面図である。第7の実施形態では、チャンバ5は、細長い構造のものである。チャンバ5と関連して、好ましくは、複数の要素13、特に、3つ又は4つ以上の要素が関連しており、これら要素を次々に、又は、特定の順序で押し下げ、又は、作動させることができる。このように、要素13が圧送方向に、即ち、チャンバ5に沿って動く必要なく、マイクロフルイディックポンプを製作することが可能である。
【0072】
さらに適切に言えば、キャリヤ3の平坦な側部又はチャンバ5の長手方向広がりに対して直角の又はこれに垂直の協調運動は、チャンバ5を次々に対応して圧縮することにより、例えば第1のチャネル9からチャンバ5内への、そして、第2のチャネル10内への流体の正味の流れを生じさせるのに十分である。
【0073】
図16は、本発明の器具1の第8の実施形態を概略断面図で示している。この場合の重要な点は、貼り付けによって既に被着されているカバーフィルム4の第1の領域を熱及び圧力の作用で改造し又はこれに影響を及ぼしてカバーフィルム4の第1の領域に隣接した第2の領域が関連のキャリヤ3から再び離れた状態にするようにしなければならないということにある。図16は、既に貼り付けられているカバーフィルム4がキャリヤ3に設けられた凹部17及びこの表面の隣接の領域を覆っている状態を示している。この場合、凹部17は、一例を挙げると物質18で満たされている。
【0074】
図17の概略平面図から明らかなように、例えば、予備成形チャネル9が、凹部17の近くに既に延びているが、図17に破線で示されているカバーフィルム4の貼り付け領域19によって凹部17から流体的に分離されている。
【0075】
指定された領域19に凹部又は開口部8を備えた対応の形をしたマスク7を被着させることにより、カバーフィルム4をキャリヤ3から再び離し、特に、カバーフィルム4を領域19につき、これに隣接した側方領域への熱及び圧力の作用によって三次元的に付形し又は凸状にすることが可能である。かくして、流体結合は、凹部17とチャネル9との間に又は物質18に対して作られる。図18は、マスク7又はいわゆるターモード等を置き、凹部17に対する流体結合が既に作られた状態を示している。
【0076】
上述したような或る特定の領域19における貼り付け状態のカバーフィルム4の離脱及び特にカバーフィルム4の規定された三次元形状又はドーム状に付形することは、他の目的のためにも利用できる。例えば、これは、あらゆる種類の流体結合又はネットワークを例えば、試験目的、又は、他の目的で作る非常に簡単な方法である。代替的に又は追加的に、互いに異なる構造を次々に流体結合しても良い。図19は、全体が符号20で示された種々のフルイディックウェル、構造、チャネル開口部等を備えたマイクロタイタープレート型のキャリヤ3を示している。これら構造20は、必要ならば、これに対応して形成可能なチャンバ5によって互いに連結できる。これは、一例として、破線で示されているチャンバ5により互いに接合された2つの構造20について示されている。
【0077】
一例を挙げて説明すると、図20に示されているように対応のターモード又はマスク7を対応して位置決めすることにより、真っ直ぐであるがオプションとして湾曲し、曲げられ、角度がつけられる等した、好ましくは、チャネル状のチャンバ5を例えば当初別々の構造20相互間に故意に形成し又は抑制することが可能である。これは、例えば、マスク7を所望の領域に配置することによって行われる。また、注目されるべきこととして、隣接の領域の熱及び圧力の影響の結果として、カバーフィルム4は、マスク7の凹部又は開口部8の領域でキャリヤ3から離され、したがって、流体結合を作ることができる。図19は、2つの構造20を互いに接合することができるようにする下方右側領域へのマスク7の考えられる配置を示している。
【0078】
図21は、提案する器具1の第10の実施形態を概略断面で示している。器具1は、特に、分離目的のため、濾過目的等のため、例えば血液分離のため、特に好ましくは血漿を分離するために使用されるメンブレン21を有している。
【0079】
メンブレン21は、好ましくは、キャリヤ3上に配置され又は固定される。メンブレン21は、任意適当な方法により、即ち、接着、溶接、押し付け、及び(又は)、その他により、特に、貼り付けによってキャリヤ3に取り付け可能である。
【0080】
メンブレン21は、少なくとも部分的に、特に全体がカバーフィルム4によって覆われている。カバーフィルム4は、特にその縁部領域が、好ましくは、上述した貼り付けによってキャリヤ3、及び(又は)、メンブレン21に連結されている。この場合、カバーフィルム4は、好ましくは、チャンバ5をカバーフィルム4とメンブレン21との間に形成するよう凸状に作られ、又は、三次元的に変形されている。
【0081】
メンブレン21は、必要ならば、凹状に又はキャリヤ3から遠ざかってドーム状に作られる。これは、適当な構造、支持要素等により、且つ(或いは)、対応の予備成形によって実施できる。代替的に又は追加的に、メンブレン21は又、流体圧力の存在によりこのように変形可能である。特に好ましくは、考えられる限り最も広い領域を備えた供給チャンバ22が、メンブレン21とキャリヤ3との間に、又は、チャンバ5から見て遠くに位置するメンブレン21の側部上に形成される。
【0082】
特に好ましくは、カバーフィルム4は、メンブレン21の中央に、且つ(或いは)、領域23に連結される。これは、好ましくは、貼り付けの際にすぐに、即ち、特に、ここには図示していないターモード、又は、マスク7の対応の設計の結果として生じる。
【0083】
図22は、第10の実施形態の好ましい構成を概略平面図で示している。具体的に説明すると、カバーフィルム4は、供給チャンバ22が反対側の側部上に又は下側に若しくはキャリヤ3に向いた側部上に配置されると共に、(或いは)、流体が第1のチャネル9、この場合、キャリヤ3を通って供給される領域23がメンブレン21に連結されていることが明らかである。しかしながら、別の、又は、これとは異なる流体結合も可能である。
【0084】
図22の平面図から明らかなこととして、第2のチャネル10は、好ましくは、メンブレン21とカバーフィルム4との間に形成されたチャンバ5に流体結合される。
【0085】
流体、例えば、血液が供給チャンバ22に送られると、メンブレン21を通って流れ又はこれを通過した透過液、特に血漿は、チャンバ5によって受け取られ、第2のチャネル10を通って運び去られる。特に好ましくは、カバーフィルム4の中央がメンブレン21に連結されているので、特に高い毛管作用がチャンバ5、又は、チャンバ壁6の隣接の環状領域において達成される。これは、試験によって立証されたように、流体の濾過又は血液の分離に大きく寄与する。しかしながら、チャンバ5内に高い毛管作用を達成することに代わり、又は、これに加えて、カバーフィルム4、又は、チャンバ6を他の何らかの仕方で、例えば、カバーフィルム4又はチャンバ6を外部から押し、又は、保持することにより、若しくは、他の何らかの適当な方法によりメンブレン21の近くに、特に中央に、特に、カバーフィルム4、又は、チャネル6をメンブレン21上に配置することも可能である。
【0086】
カバーフィルム4は、好ましくは、キャリヤ3に、特に上述したように、メンブレン21の中央に貼り付けられ、所望の中空構造又はチャンバ5が形成される。しかしながら、他の被着方法も又、可能である。
【0087】
図23は、提案する器具1の第11の実施形態を概略断面図で示している。追加のフィルム24が、好ましくは、貼り付けられているカバーフィルム4に少なくとも部分的に、且つ(或いは)、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5の領域について貼り付けられており、かくして、特に、チャンバ5の領域、且つ(或いは)、カバーフィルム4の上方に追加のチャンバ25が形成されている。
【0088】
追加のチャンバ25は、特にチャンバ5の上方に、且つ(或いは)、チャンバ5の平坦な側部上に配置されている。しかしながら、他の構成及び配置も又可能である。
【0089】
貼り付け方法だけで被着された追加のフィルム24は、好ましくは、図23に概略的に示されているように、追加のチャンバ25を少なくとも部分的に定める三次元形状の、又は、ドーム状の追加壁26を形成している。しかしながら、注目されるべきこととして、追加のフィルム24を任意他の適当な方法によって被着させることができる。したがって、追加のフィルム24、又は、チャンバ壁26を三次元に付形すること、又は、ドーム状にすることは、貼り付け方法により直接的に、且つ(或いは)、他の何らかの方法で、例えば、加圧ガスを管で運ぶことにより、非連通状態の領域を形成することによる等して選択的に達成できる。同じことは、このようにして形成されたカバーフィルム24及びチャンバ5について当てはまる。
【0090】
追加のチャンバ25は、必要ならば、カバーフィルム4上で実質的にチャンバ5の領域にのみ延びても良い。しかしながら、好ましくは、追加のチャンバ25は、チャンバ5の少なくとも一方の側部、又は、一領域を側方に越えて延び、次に、例えば、図23の右側に示されているように、幾分厚くなった追加のチャンバ領域25′を形成している。追加のチャンバ25のこの部分25′を、例えば、チャネル10(図示せず)等に取り付けるのが良い。チャンバ5は、例えば、チャネル9(図示せず)等に連結されるのが良い。
【0091】
互いに上下に配置されたチャンバ5,25は、あらゆる種類の目的に使用できる。例えば、要素13(図示せず)等によって追加のチャンバ25を押し込むと、先ず最初に、追加のチャンバ25内の流れのみを絞り、又は、阻止することができる。生じている圧力条件、チャンバの寸法、フィルム4,24の寸法、及び、他のパラメータに応じて、チャンバ5を通る流れを同時に、最初に、又は、後でのみ絞ることができ、又は、停止させることさえできる。同じことは、チャンバ5,25が開かれ、又は、解除された場合に、逆に当てはまる。
【0092】
さらに、共通の要素13によって、好ましくは、流体的に別々のチャンバ5,25内の別々の流体を同時に混合することも可能である。
【0093】
図示の実施形態では、追加のチャンバ25への流体結合部27は、オプションとして、チャンバ壁6の領域に設けられる。これら結合部25は、例えば、対応の細孔、凹部、ボア、穴等によって形成できる。所望ならば、たった1つの結合部27を設けても良い。
【0094】
流体結合部27は、特に、直径、又は、断面が非常に小さい毛管停止部を形成することができ、その結果、例えば、チャンバ5内の流体圧力が大幅に増大した場合、又は、チャンバ壁26が少なくとも一時的に変形して、これがチャンバ壁6のすぐ近くに動かされ、或いは、特に、結合部27の付近で、チャンバ壁に接触するようになった場合、例えば、液体がチャンバ5から流れ出て追加のチャンバ25内に流入するしかないようになっている。かくして、この場合、非常に高い毛管作用の領域が形成され、毛管停止部に打ち勝つことができ、流体は、チャンバ5から流れ出て追加のチャンバ25内に流入することができるようになる。
【0095】
図24は、提案する器具1の第12の実施形態を概略断面で示している。
【0096】
第12の実施形態は、第11の実施形態に非常に類似している。この場合、チャンバ5は、特に少なくとも実質的に細長いチャネルを形成している。好ましくは、この上に貼り付けられた追加のフィルム24は、追加のチャンバ25を、特に、この上に、又は、チャンバ5に沿って形成している。これは、チャンバ5を、特に、好ましくは実質的に半円筒形に包囲すると共に、(或いは)、チャンバ5と同軸に配置されている。互いに異なる液体、又は、他の流体がチャンバ5、及び、追加のチャンバ25を通って運ばれる場合、特に隣接の共通チャネル(図示せず)内において流体力学的集中が可能である。しかしながら、図24の構成は、他の目的にも使用できる。
【0097】
一般的に言って、種々の実施形態を所望に応じて互いに組み合わせることができる。さらに、互いに異なる実施形態の個々の観点及び特徴も又、所望に応じて互いに組み合わせることができ、且つ(或いは)、他の類似の器具及び方法、特にマイクロフルイディックスに使用できる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載された流体、例えば、液体の吸入、又は、操作器具及びこの種の器具の製造方法に関する。
【0002】
本発明は、好ましくは、マイクロフルイディックシステム又は器具に関する。以下の説明は、特に、毛管力が作用し始めるようにし、特に、動作にとって極めて重要な器具に関している。
【背景技術】
【0003】
特にチャネルの形態をしたチャンバを有するマイクロフルイディック器具が知られており、チャンバは、少なくとも部分的に三次元形状のフィルムによって定められ、特に、弾性的に変形可能、又は、圧縮可能である。この種のチャンバ又はチャネルは、液体を吸入して操作し、特に、運搬し、混合し、又は、送り出すことができる。
【0004】
米国特許第6,902,706(B1)号明細書は、分析チップ内の液体を制御する弁を開示している。この弁は、互いに間隔を置いた状態で板状キャリヤの頂部に現われる第1のチャネル及び第2のチャネルを有する。出口端部のところの開口部は、フィルムによって覆われている。弁を開くため、液体を圧力下に置いてフィルムを三次元的に変形させ、かくして開口部相互間に連結部を形成する。フィルムが三次元的に予備成形されるという示唆は存在しない。したがって、フィルムが貼り付け法だけで三次元的に予備成形されるという示唆も存在しない。
【0005】
米国特許出願公開第2006/0076068(A1)号明細書は、実質的に硬質メンブレンから成るマイクロフルイディック構造体を開示している。開いたチャネルが、板状基板の平坦な側部に設けられている。第1のチャネル端部及び第2のチャネル端部は、互いに間隔を置いて配置され、互いに接合されてはいない。基板にはフィルムが貼り付けられており、フィルムは、基板には接続されておらず、チャネルの第1の端部及び第2の端部を包囲した領域を備えている。力をフィルムに加えると、フィルムは、三次元的に変形し、液体は、第1のチャネルから第2のチャネル内に流れる。貼り付け法により三次元的に予備成形されたフィルムは、開示されていない。
【0006】
米国特許出願公開第2006/00570303(A1)号明細書は、フィルムで作られた三次元形状の構造体を備えたバイオチップ中に液体を運搬する器具を開示している。三次元付形がフィルムの貼り付けによって達成されるという示唆は存在しない。
【0007】
国際公開第02/068823(A1)号パンフレットは、一方弁として使用できるマイクロフルイディック制御手段を開示している。弁は、5つの層の積層体(ラミネート)によって形成されている。ラミネート層は、弁座を備えた入口チャネル及び軟質メンブレンによって入口チャネルから分離された出口チャネルを形成している。軟質メンブレンは、弁座に当接するよう設けられた開口部を備えている。物質が入口チャネル内に流れると、メンブレンは、出口チャネルに向かって弁座に押し付けられ、開口部が閉じられる。流れが逆方向である場合、メンブレンは、弁座から入口チャネルに向かって撓み、弁が開かれる。貼り付け方法だけで三次元的に予備成形されたメンブレンについての記載は存在しない。
【0008】
国際公開第2005/060432(A2)号パンフレットは、分析目的のカセットを開示している。弁が、通路を形成するよう或る特定の圧力で持ち上げられてバリアから遠ざかる可撓性材料を備えている。貼り付けだけで三次元的に予備成形される可撓性材料については開示されていない。
【0009】
米国特許第4,950,354号明細書は、空気クッション式フィルムを製造する方法に関する。フィルムにあらかじめ貼り付けられた有孔基材の穴を通って加熱状態の熱可塑性フィルムを引っ張る。次に、形成された泡状の構造を閉じるのに、別の熱可塑性フィルムを既存のラミネートに貼り付ける。
【0010】
本発明の目的は、フィルムによって画定された少なくとも部分的に変形可能であり、流体、特に液体の吸入又は操作器具及びかかる器具の製造方法であって、特に弾性的に変形可能なチャンバ又は他の三次元構造体を特に簡単な仕方で製造することができる方法を提供することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,902,706(B1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0076068(A1)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/00570303(A1)号明細書
【特許文献4】国際公開第02/068823(A1)号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/060432(A2)号パンフレット
【特許文献6】米国特許第4,950,354号明細書
【発明の概要】
【0012】
上記目的は、請求項1記載の器具又は請求項15記載の方法によって達成される。有利な実施形態は、従属形式の請求項の内容である。
本発明の一観点では、扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていないカバーフィルムが、キャリヤに貼り付けられ(即ち、熱及び圧力の作用で)、カバーフィルムから貼り付け法だけで、三次元の形状のチャンバ壁を形成し、又は、ドーム状になったチャンバ壁を形成し、このチャンバ壁は、カバーフィルムとキャリヤとの間に所望のチャンバを部分的に形成する。これにより、特に簡単な製造が可能である。
【0013】
特に、貼り付けのため、少なくとも1つの凹部又は開口部を備えたマスク又はいわゆるターモード(termode)(加熱状態のダイス)を熱の作用下でカバーフィルムに押し付け、好ましくはこの作用だけで、カバーフィルムが、凹部又は開口部の領域ではキャリヤに連結されず、この領域で三次元形状又は構造になるようにする。しかしながら、他の領域では、カバーフィルムは、好ましくは、貼り付け法により通常の仕方でキャリヤにしっかりと連結される。かくして、カバーフィルムは、三次元構造、例えば、流体、例えば、液体のため、特に、液体の吸入、及び(又は)、操作のためのチャンバを形成するために非常に容易に構造化でき又は付形できる。
【0014】
また、独立して実現可能な本発明の別の観点によれば、カバーフィルムは、少なくとも部分的に、且つ(或いは)、カバーフィルムによって形成されたチャンバの領域について追加のフィルムにより覆われ、追加のチャンバが、カバーフィルムと追加のフィルムとの間に形成される。特に好ましくは、追加のフィルムは、カバーフィルムと同様、貼り付けられ、追加のフィルムは、特に、貼り付け法の結果としてのみ、三次元形状の又は凸状の追加の壁を形成し、この追加の壁は、追加のチャンバを形成し、又は、部分的に定める。かくして、広範に利用可能な三次元構造を特に簡単な方法により得ることができる。
【0015】
しかしながら、理論的には、カバーフィルム、及び(又は)、追加のフィルムを被着させると共に、(或いは)、これを他の何らかの方法により三次元的に変形することも可能である。
【0016】
また、独立に実現可能な本発明の追加の観点によれば、カバーフィルム、又は、このようにして形成されたチャンバは、メンブレンを覆い、特に、メンブレンを通過した透過液をチャンバ内に捕捉することができ、特に、連結されたチャネル等を通ってチャンバから運び去ることができるようになっている。特に、好ましくは、カバーは、特に、貼り付けによりメンブレンの中央に接合される。かくして、最も好ましくは、血液等の分離の際に、非常に大きな毛管力、及び、それ故に、非常に効率的な分離、又は、濾過を達成することができる。
【0017】
「チャンバ」という用語は、本発明によれば、特に、提案された仕方で作ることができ、或いは、三次元形状又は構造のカバーフィルムによって画定され、液体又は他の或る流体、オプションとして、ガスも又保持するのに役立つ任意の三次元構造、例えば細長いチャネルを意味している。同じことは、「追加のチャンバ」という用語にも当てはまる。
【0018】
本発明は、特に、マイクロフルイディック器具又は構造体に関するに過ぎない。この場合、「マイクロフルイディック」という用語は、特に、100μl(マイクロリットル)以下、より好ましくは、10μl(マイクロリットル)以下の器具全体、又は、チャンバの容積を意味しているに過ぎない。
【0019】
本発明の別の利点、特徴、特性及び観点は、特許請求の範囲の記載及び図面を参照して行われる幾つかの好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態として提案された器具の背部の平面図である。
【図2】図1のII‐II線における断面図である。
【図3】図1のIII‐III線における断面図であり、貼り付けがまだ行われていない状態を示す図である。
【図4】図3に対応した断面図であり、貼り付け方法の実施後の状態を示す図である。
【図5】図3に示すマスク又はターモードの概略平面図である。
【図6】第2の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図7】図6のVII‐VII線における断面図である。
【図8】第3の実施形態として提案された概略平面図である。
【図9】図8のVIII‐VIII線における断面図である。
【図10】第4の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図11】図10のXI‐XI線における断面図である。
【図12】第5の実施形態として提案された器具の細部の平面図である。
【図13】第6の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図14】第7の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図15】図14のXV‐XV線における断面図である。
【図16】第8の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図17】図16の器具の概略平面図である。
【図18】チャネルの開放中における図16の器具の概略平面図である。
【図19】第9の実施形態として提案された器具の概略平面図である。
【図20】図19の器具のためのマスク又はターモードの底面図である。
【図21】第10の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図22】図21の器具の平面図である。
【図23】第11の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【図24】第12の実施形態として提案された器具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図中、同一の参照符号は、関連の説明が、たとえ繰り返されない場合であっても、対応又は同等の特性及び利点が達成される同一又は類似の部品について用いられている。図は、種々の観点を示すと共に説明を単純化するために縮尺通りではない。
【0022】
図1は、流体、特に、液体の吸入、及び(又は)、操作のための提案された器具1を概略詳細平面図で示している。流体又は液体は、図1には示されていない。これとは異なり、図1のII‐II線に沿って取った図2の概略断面は、一例として、液体2の入った器具1を示している。
【0023】
器具1は、キャリヤ3及びカバーフィルム4を有している。キャリヤ3とカバーフィルム4との間には、流体の吸入又は操作のための三次元フルイディック構造が形成されている。特に、この構造は、好ましくはチャネル状のチャンバ5である。
【0024】
構造又はチャンバ5は、チャンバ壁6によって少なくとも部分的に画定され、このチャンバ壁は、カバーフィルム4に形成され、又は、カバーフィルム4によって形成されている。特に、キャリヤ3は、流体のための入口、又は、出口を除き、少なくともこの領域が扁平な又は平板状のものであり、したがってこの構造又はチャンバ5は、本質的に又は事実上排他的に、カバーフィルム4に又はキャリヤ3の外部に若しくはキャリヤの平坦な側部Fの上方に形成されるようになっている。
【0025】
カバーフィルム4は、キャリヤ3、特にキャリヤ3の平坦な側部Fに貼り付けられ、即ち、圧力及び熱(特に、約80℃から100℃で)の作用でキャリヤ3に取り付けられる。
【0026】
提案する貼り付け方法の実施前では、扁平なカバーフィルム4は、三次元形状の且つ(或いは)ドーム状のチャンバ壁6を形成するために、予備成形されておらず、三次元構造化等もされていない。これとは異なり、カバーフィルム4は、三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6を形成し、特に、かかるチャンバ壁を湾曲させ又は変形させてキャリヤ3から遠ざけると共に、(或いは)、特に、チャンバ壁6に圧力、例えば、ガス圧力を加えないようにするよう貼り付け方法により変形し、構造化されると共に、(或いは)、あらかじめ応力が加えられているに過ぎない。
【0027】
図1のIII‐III線に沿って取った図3の断面図は、貼り付け方法の実施前では、即ち、チャンバ5を形成する前では、キャリヤ3上の当初滑らかな、又は、平らなカバーフィルム4を示している。
【0028】
本発明によれば、貼り付けは、特に、いわゆるターモード又はマスク7を用いて実施され、かかるターモード又はマスクは、例えば、これに対応して形成されたパンチ、中間層等によって形成される。所望ならば、マスク7は又、ローラ貼り合わせ機のロール又はローラの表面等によっても形成できる。
【0029】
マスク7は、この場合、図3及び図5の下から見た図に示されているように、少なくとも1つの凹部又は開口部8を有している。
【0030】
貼り付けのため、先ず最初に、マスク7を、特に、キャリヤ3上にルーズに位置しているカバーフィルム4に押し付ける。このように、カバーフィルム4は、好ましくは、凹部又は開口部8の領域だけはキャリヤ3に取り付けられておらず、この領域では、図4に示されているように三次元に付形され又は構造化されている。驚くべきことに、事実、追加の変形ステップを全く行わないで、特に、発泡剤を用いないでも、カバーフィルム4は、マスク7の凹部又は開口部8の領域では凸に作られ、かくして、図4に概略的に示されているように、三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6が形成されることが判明した。
【0031】
提案するカバーフィルム4の三次元変形は、特に、所望に応じてパンチ貼り合わせ機又はローラ貼り合わせ機(図示せず)を用いて選択的に実施できる。
【0032】
提案する貼り付けは、特に、追加の変形ステップが不要なので、実施するのが非常に容易である。マスク7は、特にマスク7の三次元構造化が不要なので、製造するのが非常に容易である。もっと適切に言えば、所望の輪郭を持つ1つの開口部8又は複数の開口部8を形成するだけで十分である。
【0033】
図示の実施形態では、チャンバ5は、図1の平面図及び図1に対して直角をなした図2の断面図に示されているように、本質的にチャネル状のものであり、又は、細長いものであり、且つ(或いは)、チャネル状又はビード状構造のものである。チャンバ5は、好ましくは比較的薄く、特に、図2に対して直角をなした図4の断面図に示されているように断面が実質的に半円形である。特に、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ壁6は、チャンバ5の長手方向広がりに対して直角をなした凸状又は半円形構造のものである。しかしながら、理論的には、他の形態、形状及び構造も又可能である。
【0034】
提案されているようにカバーフィルム4に形成された構造又はチャンバ5は、例えば、器具1、又は、キャリヤ3、若しくは、他のフルイディック構造、フルイディックコンポーネント等の第1のチャネル9、及び(又は)、第2のチャネル10に流体結合されている。図示の実施形態では、第1のチャネル9は、例えば、平坦な側部Fに沿って延びている。この第1のチャネルは、例えば、キャリヤ3に設けられた溝によって形成され、この溝は、特にカバーフィルム4によって平らに覆われている。第1のチャネル9は、一端が例えばチャンバ5の端部のところで終わり又は始まる。
【0035】
図示の実施形態では、第2のチャネル10は、特にチャンバ5の他端部に隣接して位置している。例えば、第2のチャネル10は、キャリヤ3に設けられた開口部又はボアとして構成され、かかる第2のチャネルは、チャンバ5をキャリヤ3の他方の平坦な側部に設けられたフルイディック構造11、例えばチャネル、検出領域、混合領域等に流体結合している。
【0036】
構造11は又、好ましくは、キャリヤ3に形成され、この構造は、例えば、カバー12によって覆われ、カバー12は、特に、上側カバーフィルム4と同種の材料で作られたカバーフィルムであるのが良い。
【0037】
提案する器具1は、特に、流体、例えば、液体2の吸入、又は、操作のためのマイクロフルイディックプラットホーム又はマイクロフルイディックシステムを形成している。
【0038】
特に、チャンバ5又はチャンバ壁6は、弾性的に又は可逆的に変形可能である。チャンバ5は、例えば、対応の復元力をカバーフィルム4又はチャンバ壁6に加えることにより且つ(或いは)チャンバ5内に生じている流体圧力によって復元可能である。
【0039】
変形のため、図2に概略的に示された部品又は要素13、例えばパンチ、ロール、ローラ、スライダ、他の或るアクチュエータ等が、チャンバ壁6に作用するのが良い。
【0040】
要素13は、例えばチャンバ5の長手方向広がり、又は、キャリヤ3の平坦な側部F又は平らな表面に直角に動くことができ、したがって、チャンバ壁6を要素13の領域でキャリヤ3に押し付けることができ、このように、チャンバ5を通るフルイディック流れをあたかもピンチ弁のように中断し又は停止させ、若しくは、絞り、特に、制御し、又は、調整することができる。
【0041】
特に、チャンバ5が細長い構造のものである場合、チャンバ5の局所圧縮により要素13を例えばチャンバ5に沿って長手方向にも動かすことができ、かくして、流体2を蠕動ポンプのようにチャンバ5内に運搬し、又は、変位させることができる。かくして、この場合、チャンバ5は、変形可能なポンプチャンバを形成する。
【0042】
上述の2つの例では、チャンバ5又はチャンバ壁6に作用する要素13の領域の横方向広がりは、好ましくは、チャンバ5の長手方向広がりに対して直角のチャンバ5の幅と少なくとも実質的に同じ大きさである。しかしながら、要素13は又、この幅と比較して比較的細幅であり、又は、構造が小さいのが良い。この場合、特に、要素13は、例えば、別々の流体、又は、分散液を混合するため、チャンバ5内の流体を前後に動かし、或いは、チャンバ5が、これに対応して設計されている場合、例えば、円をなして、又は、回路に沿ってぐるりと動かすのに特に適している。かくして、この場合、チャンバ5は、特に混合チャンバを形成する。
【0043】
注目されるべきこととして、提案に従って構成された器具1は、あらゆる種類の目的に、例えば、特に換気、又は、曝気の制御又は調節に利用でき、又、他のもの、特にマイクロフルイディックシステム、コンポーネント、例えば、弁、ポンプ、毛管ストップ、フィルタ、検出装置等と組み合わせることができる。
【0044】
提案する器具1は又、例えば、流体、例えば、液体2の分析、又は、他の処理、若しくは、操作に使用できる。
【0045】
図示の実施形態では、キャリヤ3は、好ましくは、プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られる。
【0046】
キャリヤ3は、好ましくは、構造が少なくとも実質的に板状であり、扁平であり、且つ(或いは)、平板状である。
【0047】
好ましくは、キャリヤ3は、構造が少なくとも実質的に剛性である。
【0048】
特に、キャリヤ3又はその表面は、カバーフィルム4又はカバーフィルム4に被着されたヒートシール被膜よりも耐熱性が高い材料で作られている。
【0049】
カバーフィルム4は、好ましくは、プラスチック、特にポリエチレン又はポリプロピレンで作られる。
【0050】
カバーフィルム4は、設計が透明又は半透明であり、場合によっては、部分的にそうであるに過ぎない。
【0051】
カバーフィルム4は、所望に応じて単層構造又は多層構造のものである。これは、その意図した用途及び用件で決まる。
【0052】
特に、カバーフィルム4は、通常封止ラッカ等の被膜を備えたいわゆるヒートシールフィルムである。
【0053】
特定の要望に応じて、カバーフィルム4は又、互いに異なるチャンバ5の複数の三次元形状の又は凸状のチャンバ壁6を形成するのが良い。
【0054】
上述したように、カバーフィルム4は又、キャリヤ3内に又はキャリヤ3上に設けられた他の或るフルイディック構造、又は、他の全てのフルイディック構造、例えば、凹部、凹み、開口部、溝又は第1のチャネル9、及び(又は)、複数のチャンバ5等を覆い又は形成するのが良い。
【0055】
次に、他の図を参照して提案する器具1の幾つかの追加の実施形態及び別の特徴を説明する。繰り返しを避けるため、特に本質的な違いについてのみ説明し、したがって、これまでに与えられた注意事項及び説明は、依然として、対応して又は補完的に当てはまる。
【0056】
図6は、提案する器具1の第2の実施形態の平面図である。第1のチャネル9及び第2のチャネル10は、同一平面内に延びると共に、(或いは)、互いに少なくとも実質的に平行に延びる。2つのチャネル9,10は、互いに接合され、又は、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5によって互いに接合されるようになっている。
【0057】
図6は、要素13がチャンバ5の上方に配置された状態で器具を示している。図7は、VII‐VII線に沿って取った図6の器具1の概略断面図である。この場合、要素13は、依然として持ち上げられている。この場合、チャンバ5を介する2つのチャネル9,10相互間の流体結合は、開かれており、特に、チャンバ壁6は、キャリヤ3の平坦な側部Fから上方に湾曲し又は持ち上げられている。
【0058】
図8は、第2の実施形態と非常に良く似た提案する器具1の第3の実施形態を概略平面図で示している。第3のチャネル14は、例えば、流体、例えば洗浄液等を供給するのに役立つ。第3のチャネル14は、チャンバ5を介して他の2つのチャネル9,10に連結されており、又は、連結されるようになっている。図8は、連結部が定位置にある状態を示している。矢印は、流れの可能な方向を示している。チャネル14と供給される液体は、例えば他の2つのチャネル9,10を通って再び排出される。
【0059】
図示の第3の実施形態では、2つの外部に位置するチャネル9,10への流体結合部は、好ましくは、同時に閉鎖され又は開放され、若しくは、絞られるようになっている。この目的のため、流体結合部を制御する関連の要素13は、これに対応して、構造が広幅であり又は長い。非遮断状態ではドーム状のチャンバ壁6の押しつぶし又は変形に応じて、流体結合部を多かれ少なかれ絞るのが良く、又は、最終的に完全に遮断するのが良い。
【0060】
図8のVIII‐VIII線に沿って取った図9の断面図は、要素13の考えられる比較的広幅の構造を示している。要素13は、特に、縁部のところに設けられた2つのチャネル9,10まで又は実際にはこれら2つのチャネル上に、より正確に言えば、チャンバ5へのこれらの結合部上に延びている。しかしながら、他の設計上の解決策も又可能である。
【0061】
特に、一方において第3のチャネル14からチャネル9への、他方においてチャネル10への流体結合は、別個独立に制御可能であるようにすることも可能である。この場合、特に、2つの別々の、又は、別個独立に制御可能な、若しくは、作動可能な要素13は、チャンバ5と関連している。しかしながら、この作用効果は又、所望ならば、たった1つの要素、例えば、図示の要素13、又は、別の要素13によるチャンバの対応の変位、回転等によっても達成できる。
【0062】
注目されるべきこととして、チャンバ5の圧縮に応じて、流体結合の絞りを達成することも可能である。提案する器具1は、かくして、特に、弁としてだけではなく、流体操作のための絞り又は他の要素としても使用可能である。
【0063】
例えば、器具1は又、換気、及び(又は)、曝気の制御に使用できる。この場合、特に関連の液体等の事実上間接的な制御が行われる場合がある。第1の実施形態の場合と同様、第2及び第3の実施形態におけるチャネル8,9,10は、好ましくは、キャリヤ3に設けられた凹部、溝等によって形成され、好ましくは、カバーフィルム4によって覆われる。しかしながら、他の設計上の解決策も又可能である。具体的に言えば、チャネル9,10、及び(又は)、14は又、ボア、管、他の覆い要素又はキャリヤ等によって形成され、構成され、案内され又は結合されても良い。
【0064】
図10は、提案する器具1の第4の実施形態を概略平面図で示している。この場合、チャンバ5は、特に、混合チャンバを形成している。互いに異なる液体又は他の流体を、特に互いに反対側に位置する2つのチャネル9,10を通って供給することができる。チャンバ5内では、停止構造、特に、毛管停止構造15が、好ましくは、横方向に延びる溝、隆起部、疎水性領域、親水性領域等によって形成される。好ましくは、毛管停止部を介して混合チャンバに取り付けられた第3のチャネル14は、特に、空気をチャンバ5から抜くのに役立つ。
【0065】
チャンバ5の充填後、チャネル9,10及びオプションとしてのチャネル14も又、好ましくは、弁又は他の手段によって流体的に閉鎖され、特に、好ましくは、図10にのみ破線で示されているような追加の要素13′を用いて押しつぶすことによって閉鎖されるのが良い。この場合、要素13は、凸状チャンバ壁6に押し付けられ、そして特に円形運動をなして、且つ(或いは)、直線運動状態で前後に動かされる。かくして、チャンバ5内に入っている液体は、チャンバ壁5を、特に或る特定の箇所でのみ押し込み、又は、変形させることによって混合可能である。
【0066】
少なくとも1つの流体結合部の規定された混合液開放後、例えば、チャンバ5を押しつぶすことにより液体を前の方へ運ぶことができ又は再び押し出すことができる。
【0067】
図11は、要素13が持ち上げられた状態で器具1を図10のXI‐XIに沿って取った概略断面で示している。
【0068】
図12は、提案する器具1の第5の実施形態を概略平面図で示している。この場合、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5は、好ましくは、第1のチャネル9と第2のチャネル10との間に配置され又はこれら2つのチャネルを互いに連結している。第1のチャネル9は、チャンバ5の上流側に、隣接の第3のチャネル14に通じる枝路を有している。
【0069】
流体、例えば、液体を収容しているセル等が第1のチャネル9に供給されたとき、変形可能又は閉鎖可能なチャンバ5を用いて、流体及び細胞等がチャンバ5を通って第2のチャネル10内に流れるか、或いは、対応の閉塞又は絞り(チャンバ5の押しつぶし)により、枝路を通って前に運ばれて第3のチャネル14内に運び込まれるかどうかを選択的に、又は、故意に制御することができる。このようにすると、例えば、細胞ソータを製作することができる。しかしながら、この構成は又、フルイディックス、特に、マイクロフルイディックスにおける他の目的に利用できる。
【0070】
図13は、提案する器具1の第6の実施形態の概略断面図である。この場合、チャンバ5は、キャリヤ3の2つの反対側の側部又は面、特に平坦な側部に上述したように貼り付けによって、好ましくは、被着されたカバーフィルム4によって形成されている。互いに反対側に、且つ(或いは)、互いに遠ざかる方向に向いたキャリヤ3の側部上に配置された2つのチャンバ5は、好ましくは、キャリヤ3に設けられた開口部、細孔、ボア、チャネル16等によって互いに直接的に連結されている。チャンバ5又はそのチャンバ壁6の適当な特に交互の変形又は押しつぶしにより、チャンバ5内に入っている流体は、一方のチャンバ5から他方のチャンバ5に交互に流れ、又、他方のチャンバ5から一方のチャンバ5内に交互に流れることができるようにすることが可能である。これは、特に、液体の完全な混合、例えばキャリヤ3上又はキャリヤ3内に存在している試薬との反応等を補償するのに役立つ。
【0071】
図14は、提案する器具1の第7の実施形態を概略平面図で示している。図15は、図14のXV‐XV線における断面図である。第7の実施形態では、チャンバ5は、細長い構造のものである。チャンバ5と関連して、好ましくは、複数の要素13、特に、3つ又は4つ以上の要素が関連しており、これら要素を次々に、又は、特定の順序で押し下げ、又は、作動させることができる。このように、要素13が圧送方向に、即ち、チャンバ5に沿って動く必要なく、マイクロフルイディックポンプを製作することが可能である。
【0072】
さらに適切に言えば、キャリヤ3の平坦な側部又はチャンバ5の長手方向広がりに対して直角の又はこれに垂直の協調運動は、チャンバ5を次々に対応して圧縮することにより、例えば第1のチャネル9からチャンバ5内への、そして、第2のチャネル10内への流体の正味の流れを生じさせるのに十分である。
【0073】
図16は、本発明の器具1の第8の実施形態を概略断面図で示している。この場合の重要な点は、貼り付けによって既に被着されているカバーフィルム4の第1の領域を熱及び圧力の作用で改造し又はこれに影響を及ぼしてカバーフィルム4の第1の領域に隣接した第2の領域が関連のキャリヤ3から再び離れた状態にするようにしなければならないということにある。図16は、既に貼り付けられているカバーフィルム4がキャリヤ3に設けられた凹部17及びこの表面の隣接の領域を覆っている状態を示している。この場合、凹部17は、一例を挙げると物質18で満たされている。
【0074】
図17の概略平面図から明らかなように、例えば、予備成形チャネル9が、凹部17の近くに既に延びているが、図17に破線で示されているカバーフィルム4の貼り付け領域19によって凹部17から流体的に分離されている。
【0075】
指定された領域19に凹部又は開口部8を備えた対応の形をしたマスク7を被着させることにより、カバーフィルム4をキャリヤ3から再び離し、特に、カバーフィルム4を領域19につき、これに隣接した側方領域への熱及び圧力の作用によって三次元的に付形し又は凸状にすることが可能である。かくして、流体結合は、凹部17とチャネル9との間に又は物質18に対して作られる。図18は、マスク7又はいわゆるターモード等を置き、凹部17に対する流体結合が既に作られた状態を示している。
【0076】
上述したような或る特定の領域19における貼り付け状態のカバーフィルム4の離脱及び特にカバーフィルム4の規定された三次元形状又はドーム状に付形することは、他の目的のためにも利用できる。例えば、これは、あらゆる種類の流体結合又はネットワークを例えば、試験目的、又は、他の目的で作る非常に簡単な方法である。代替的に又は追加的に、互いに異なる構造を次々に流体結合しても良い。図19は、全体が符号20で示された種々のフルイディックウェル、構造、チャネル開口部等を備えたマイクロタイタープレート型のキャリヤ3を示している。これら構造20は、必要ならば、これに対応して形成可能なチャンバ5によって互いに連結できる。これは、一例として、破線で示されているチャンバ5により互いに接合された2つの構造20について示されている。
【0077】
一例を挙げて説明すると、図20に示されているように対応のターモード又はマスク7を対応して位置決めすることにより、真っ直ぐであるがオプションとして湾曲し、曲げられ、角度がつけられる等した、好ましくは、チャネル状のチャンバ5を例えば当初別々の構造20相互間に故意に形成し又は抑制することが可能である。これは、例えば、マスク7を所望の領域に配置することによって行われる。また、注目されるべきこととして、隣接の領域の熱及び圧力の影響の結果として、カバーフィルム4は、マスク7の凹部又は開口部8の領域でキャリヤ3から離され、したがって、流体結合を作ることができる。図19は、2つの構造20を互いに接合することができるようにする下方右側領域へのマスク7の考えられる配置を示している。
【0078】
図21は、提案する器具1の第10の実施形態を概略断面で示している。器具1は、特に、分離目的のため、濾過目的等のため、例えば血液分離のため、特に好ましくは血漿を分離するために使用されるメンブレン21を有している。
【0079】
メンブレン21は、好ましくは、キャリヤ3上に配置され又は固定される。メンブレン21は、任意適当な方法により、即ち、接着、溶接、押し付け、及び(又は)、その他により、特に、貼り付けによってキャリヤ3に取り付け可能である。
【0080】
メンブレン21は、少なくとも部分的に、特に全体がカバーフィルム4によって覆われている。カバーフィルム4は、特にその縁部領域が、好ましくは、上述した貼り付けによってキャリヤ3、及び(又は)、メンブレン21に連結されている。この場合、カバーフィルム4は、好ましくは、チャンバ5をカバーフィルム4とメンブレン21との間に形成するよう凸状に作られ、又は、三次元的に変形されている。
【0081】
メンブレン21は、必要ならば、凹状に又はキャリヤ3から遠ざかってドーム状に作られる。これは、適当な構造、支持要素等により、且つ(或いは)、対応の予備成形によって実施できる。代替的に又は追加的に、メンブレン21は又、流体圧力の存在によりこのように変形可能である。特に好ましくは、考えられる限り最も広い領域を備えた供給チャンバ22が、メンブレン21とキャリヤ3との間に、又は、チャンバ5から見て遠くに位置するメンブレン21の側部上に形成される。
【0082】
特に好ましくは、カバーフィルム4は、メンブレン21の中央に、且つ(或いは)、領域23に連結される。これは、好ましくは、貼り付けの際にすぐに、即ち、特に、ここには図示していないターモード、又は、マスク7の対応の設計の結果として生じる。
【0083】
図22は、第10の実施形態の好ましい構成を概略平面図で示している。具体的に説明すると、カバーフィルム4は、供給チャンバ22が反対側の側部上に又は下側に若しくはキャリヤ3に向いた側部上に配置されると共に、(或いは)、流体が第1のチャネル9、この場合、キャリヤ3を通って供給される領域23がメンブレン21に連結されていることが明らかである。しかしながら、別の、又は、これとは異なる流体結合も可能である。
【0084】
図22の平面図から明らかなこととして、第2のチャネル10は、好ましくは、メンブレン21とカバーフィルム4との間に形成されたチャンバ5に流体結合される。
【0085】
流体、例えば、血液が供給チャンバ22に送られると、メンブレン21を通って流れ又はこれを通過した透過液、特に血漿は、チャンバ5によって受け取られ、第2のチャネル10を通って運び去られる。特に好ましくは、カバーフィルム4の中央がメンブレン21に連結されているので、特に高い毛管作用がチャンバ5、又は、チャンバ壁6の隣接の環状領域において達成される。これは、試験によって立証されたように、流体の濾過又は血液の分離に大きく寄与する。しかしながら、チャンバ5内に高い毛管作用を達成することに代わり、又は、これに加えて、カバーフィルム4、又は、チャンバ6を他の何らかの仕方で、例えば、カバーフィルム4又はチャンバ6を外部から押し、又は、保持することにより、若しくは、他の何らかの適当な方法によりメンブレン21の近くに、特に中央に、特に、カバーフィルム4、又は、チャネル6をメンブレン21上に配置することも可能である。
【0086】
カバーフィルム4は、好ましくは、キャリヤ3に、特に上述したように、メンブレン21の中央に貼り付けられ、所望の中空構造又はチャンバ5が形成される。しかしながら、他の被着方法も又、可能である。
【0087】
図23は、提案する器具1の第11の実施形態を概略断面図で示している。追加のフィルム24が、好ましくは、貼り付けられているカバーフィルム4に少なくとも部分的に、且つ(或いは)、カバーフィルム4によって形成されたチャンバ5の領域について貼り付けられており、かくして、特に、チャンバ5の領域、且つ(或いは)、カバーフィルム4の上方に追加のチャンバ25が形成されている。
【0088】
追加のチャンバ25は、特にチャンバ5の上方に、且つ(或いは)、チャンバ5の平坦な側部上に配置されている。しかしながら、他の構成及び配置も又可能である。
【0089】
貼り付け方法だけで被着された追加のフィルム24は、好ましくは、図23に概略的に示されているように、追加のチャンバ25を少なくとも部分的に定める三次元形状の、又は、ドーム状の追加壁26を形成している。しかしながら、注目されるべきこととして、追加のフィルム24を任意他の適当な方法によって被着させることができる。したがって、追加のフィルム24、又は、チャンバ壁26を三次元に付形すること、又は、ドーム状にすることは、貼り付け方法により直接的に、且つ(或いは)、他の何らかの方法で、例えば、加圧ガスを管で運ぶことにより、非連通状態の領域を形成することによる等して選択的に達成できる。同じことは、このようにして形成されたカバーフィルム24及びチャンバ5について当てはまる。
【0090】
追加のチャンバ25は、必要ならば、カバーフィルム4上で実質的にチャンバ5の領域にのみ延びても良い。しかしながら、好ましくは、追加のチャンバ25は、チャンバ5の少なくとも一方の側部、又は、一領域を側方に越えて延び、次に、例えば、図23の右側に示されているように、幾分厚くなった追加のチャンバ領域25′を形成している。追加のチャンバ25のこの部分25′を、例えば、チャネル10(図示せず)等に取り付けるのが良い。チャンバ5は、例えば、チャネル9(図示せず)等に連結されるのが良い。
【0091】
互いに上下に配置されたチャンバ5,25は、あらゆる種類の目的に使用できる。例えば、要素13(図示せず)等によって追加のチャンバ25を押し込むと、先ず最初に、追加のチャンバ25内の流れのみを絞り、又は、阻止することができる。生じている圧力条件、チャンバの寸法、フィルム4,24の寸法、及び、他のパラメータに応じて、チャンバ5を通る流れを同時に、最初に、又は、後でのみ絞ることができ、又は、停止させることさえできる。同じことは、チャンバ5,25が開かれ、又は、解除された場合に、逆に当てはまる。
【0092】
さらに、共通の要素13によって、好ましくは、流体的に別々のチャンバ5,25内の別々の流体を同時に混合することも可能である。
【0093】
図示の実施形態では、追加のチャンバ25への流体結合部27は、オプションとして、チャンバ壁6の領域に設けられる。これら結合部25は、例えば、対応の細孔、凹部、ボア、穴等によって形成できる。所望ならば、たった1つの結合部27を設けても良い。
【0094】
流体結合部27は、特に、直径、又は、断面が非常に小さい毛管停止部を形成することができ、その結果、例えば、チャンバ5内の流体圧力が大幅に増大した場合、又は、チャンバ壁26が少なくとも一時的に変形して、これがチャンバ壁6のすぐ近くに動かされ、或いは、特に、結合部27の付近で、チャンバ壁に接触するようになった場合、例えば、液体がチャンバ5から流れ出て追加のチャンバ25内に流入するしかないようになっている。かくして、この場合、非常に高い毛管作用の領域が形成され、毛管停止部に打ち勝つことができ、流体は、チャンバ5から流れ出て追加のチャンバ25内に流入することができるようになる。
【0095】
図24は、提案する器具1の第12の実施形態を概略断面で示している。
【0096】
第12の実施形態は、第11の実施形態に非常に類似している。この場合、チャンバ5は、特に少なくとも実質的に細長いチャネルを形成している。好ましくは、この上に貼り付けられた追加のフィルム24は、追加のチャンバ25を、特に、この上に、又は、チャンバ5に沿って形成している。これは、チャンバ5を、特に、好ましくは実質的に半円筒形に包囲すると共に、(或いは)、チャンバ5と同軸に配置されている。互いに異なる液体、又は、他の流体がチャンバ5、及び、追加のチャンバ25を通って運ばれる場合、特に隣接の共通チャネル(図示せず)内において流体力学的集中が可能である。しかしながら、図24の構成は、他の目的にも使用できる。
【0097】
一般的に言って、種々の実施形態を所望に応じて互いに組み合わせることができる。さらに、互いに異なる実施形態の個々の観点及び特徴も又、所望に応じて互いに組み合わせることができ、且つ(或いは)、他の類似の器具及び方法、特にマイクロフルイディックスに使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体、特に液体(2)の吸入又は操作器具(1)であって、キャリヤ(3)と、カバーフィルム(4)と、前記キャリヤ(3)と前記カバーフィルム(4)との間に形成されたチャンバ(5)とを有する器具において、
扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)に貼り付けられ、前記貼り付けプロセスだけで、三次元形状、又は、ドーム状になっているチャンバ壁(6)を形成し、前記チャンバ壁は、前記チャンバ(5)を部分的に定めている、
ことを特徴とする器具。
【請求項2】
流体、特に液体(2)の吸入又は操作器具(1)であって、キャリヤ(3)と、カバーフィルム(4)と、前記キャリヤ(3)と前記カバーフィルム(4)との間に形成されたチャンバ(5)とを有する、特に、請求項1記載の器具(1)において、
前記器具(1)は、前記カバーフィルム(4)を部分的に、且つ(或いは)、前記チャンバ(5)の領域について覆った追加のフィルム(24)を有し、前記カバーフィルム(4)と前記追加のフィルム(24)との間には追加のチャンバ(25)が形成されると共に、(或いは)、前記キャリヤ(3)は、扁平であり、前記カバーフィルム(4)は、前記チャンバ(5)を形成するよう部分的に三次元の形状又はドーム状になっている、
ことを特徴とする器具。
【請求項3】
前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)に貼り付けられていることを特徴とする、請求項2記載の器具。
【請求項4】
前記扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記追加のフィルム(24)は、前記カバーフィルム(4)に貼り付けられると、共に(或いは)、前記追加のフィルム(24)は、特に前記貼り付けプロセスだけで三次元形状又はドーム状になっている追加の壁(26)を形成し、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)を部分的に画定していることを特徴とする、請求項2又は3記載の器具。
【請求項5】
前記追加のチャンバ(25)は、前記チャンバ(5)をその平坦な側部について、若しくは、長手方向に覆い、又は、前記チャンバ(5)と実質的に同軸に配置され、或いは、前記チャンバ(5)を半円筒形状に包囲していることを特徴とする、請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
前記追加のチャンバ(25)又は追加の壁(26)は、弾性的に、又は、可逆的に変形可能であることを特徴とする、請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記追加のチャンバ(25)、又は、追加の壁(26)は、チャネル形状のものであると共に、細長く、且つ(或いは)、ビード形構造のものであり、特に、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)の長手方向広がりに対して直角をなして湾曲していると共に、(或いは)、半円凸のものであることを特徴とする、請求項2〜6のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
前記カバーフィルム(4)は、開口部(27)を備えると共に、(或いは)、特に、少なくとも前記追加のチャンバ(25)によって覆われたチャンバ壁(6)の領域がメンブレン又はフィルタとして具体化されていることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記チャンバ(5)は、環状構造のものであり、且つ(或いは)、特に、前記キャリヤ(3)によって保持されたメンブレン(21)を覆い、特に、前記カバーフィルム(4)は、特に、貼り付けにより、好ましくは、前記メンブレン(21)の中央に部分的に連結されていることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項10】
前記キャリヤ(3)は、硬質、又は、軟質、若しくは、フィルム状の構造のものであることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
前記キャリヤ(3)は、プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られていることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
前記キャリヤ(3)は、プレート状のものであって、扁平であり、且つ(或いは)、平板状構造のものであることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項13】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、前記追加のフィルム(24)は、前記キャリヤ(3)の平坦な側部(F)に貼り付けられると共に、(或いは)、2枚のカバーフィルム(4)が、前記キャリヤ(3)の互いに反対側に被着されて、特に、互いに流体連通状態で連結されたチャンバ(5)を形成していることを特徴とする、請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項14】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、プラスチック、特に、ポリエチレンで作られていることを特徴とする、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項15】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、単層、又は、多層構造のものであることを特徴とする、請求項1〜14のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項16】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、特に、封止ラッカの被膜を備えたヒートシールフィルムであることを特徴とする、請求項1〜15のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項17】
前記キャリヤ(3)は、特に、前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)によって平坦に覆われた、少なくとも1つのフルイディック構造、例えば、凹部、凹み、開口部、溝又はチャネル(9)を有し、又は、形成していることを特徴とする、請求項1〜16のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項18】
前記カバーフィルム(4)は、互いに異なるチャンバ(5)の複数個の三次元形状、又は、凸状のチャンバ壁(6)を形成していることを特徴とする、請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項19】
前記チャンバ(5)、又は、チャンバ壁(6)は、弾性的に、又は、可逆的に変形可能であることを特徴とする、請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項20】
前記チャンバ(5)、又は、壁(6)は、チャネル形状のものであると共に、細長く、且つ、(或いは)、ビード形構造のものであり、特に、前記壁(6)は、前記追加のチャンバ(5)の長手方向広がりに対して直角をなして湾曲していると共に、(或いは)、半円凸のものであることを特徴とする、請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項21】
前記器具(1)又はチャンバ(5)は、弁を形成し、特に、前記チャンバ(5)は、要素(13)によって、少なくとも部分的に圧縮可能又は押しつぶし可能であり、それにより、前記チャンバ壁(6)が、変形することを特徴とする、請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項22】
前記器具(1)は、ポンプとして構成され、前記チャンバ(5)、及び(又は)、追加のチャンバ(24)は、変形可能なポンプチャンバを形成していることを特徴とする、請求項1〜21のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項23】
前記器具(1)は、混合器具として構成され、前記チャンバ(5)、及び(又は)、追加のチャンバ(24)は、混合チャンバを形成していることを特徴とする、請求項1〜22のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項24】
前記器具(1)は、特に、血液のための濾過、又は、分離器具として構成されていることを特徴とする、請求項1〜23のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項25】
特に請求項1〜24のうちいずれか一項に記載の器具(1)を製造する方法であって、扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない、又は、構造化されていないカバーフィルム(4)をキャリヤ(3)に貼り付ける方法において、
前記貼り付けのため、少なくとも1つの凹部又は開口部(8)を備えたマスク(7)を熱の作用で前記カバーフィルム(4)に押し付け、好ましくは、もっぱら、この結果として、前記カバーフィルム(4)は、前記凹部、又は、開口部(8)の領域が前記キャリヤ(3)に連結されず、且つ(或いは)、メンブレン(21)に連結されず、三次元形状、又は、構造になっており、且つ(或いは)、
前記マスク(7)の前記凹部、又は、開口部(8)の領域において熱の作用で前記マスク(7)を押圧することにより、前記貼り付けられているカバーフィルム(4)を再び前記キャリヤ(3)から取り外し、前記凹部、又は、開口部(8)の領域において三次元的に変形し、又は、構造化する、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記マスク(7)は、扁平であり、且つ(或いは)、板状であることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記マスク(7)は、金属、特に、板金で作られていることを特徴とする、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られたキャリヤ(3)が用いられることを特徴とする、請求項25〜27のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記キャリヤ(3)は、構造が板状であって、扁平であり、且つ(或いは)、平板状であることを特徴とする、請求項25〜28のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記カバーフィルム(4)は、少なくとも部分的に、且つ(或いは)、前記チャンバ(5)の領域が追加のフィルム(24)によって覆われ、前記カバーフィルム(4)と前記追加のフィルム(24)との間には、追加のチャンバ(25)が形成されることを特徴とする、請求項25〜29のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記追加のフィルム(24)は、前記カバーフィルム(4)に貼り付けられると共に、(或いは)、前記追加のフィルム(24)は、特に、前記貼り付けプロセスだけで、三次元形状、又は、ドーム状になっている追加の壁(26)を形成し、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)を部分的に定めていることを特徴とする、請求項30記載の器具。
【請求項32】
前記チャンバ(5)は、環状構造のものであり、且つ(或いは)、前記カバーフィルム(4)と前記メンブレン(21)との間に形成され、特に、前記カバーフィルム(4)は、好ましくは、前記チャンバ(5)の中央のところで前記メンブレン(21)に連結されていることを特徴とする、請求項25〜31のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)の平坦な側部(F)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜32のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記カバーフィルム(4)は、プラスチック、特に、ポリエチレンで作られていることを特徴とする、請求項25〜33のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記カバーフィルム(4)は、単層、又は、多層構造のものであることを特徴とする、請求項25〜34のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記カバーフィルム(4)は、特に、封止ラッカの被膜を備えたヒートシールフィルムであることを特徴とする、請求項25〜35のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記カバーフィルム(4)は、前記マスク(7)を備えたローラ貼り合わせ機によって前記キャリヤ(3)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜36のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記カバーフィルム(4)は、前記マスク(7)を備えたパンチ貼り合わせ機によって前記キャリヤ(3)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜36のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記器具(1)は、圧送、混合、若しくは、分離のために用いられ、又は、弁、若しくは、絞りとして用いられることを特徴とする、請求項25〜38のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項1】
流体、特に液体(2)の吸入又は操作器具(1)であって、キャリヤ(3)と、カバーフィルム(4)と、前記キャリヤ(3)と前記カバーフィルム(4)との間に形成されたチャンバ(5)とを有する器具において、
扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)に貼り付けられ、前記貼り付けプロセスだけで、三次元形状、又は、ドーム状になっているチャンバ壁(6)を形成し、前記チャンバ壁は、前記チャンバ(5)を部分的に定めている、
ことを特徴とする器具。
【請求項2】
流体、特に液体(2)の吸入又は操作器具(1)であって、キャリヤ(3)と、カバーフィルム(4)と、前記キャリヤ(3)と前記カバーフィルム(4)との間に形成されたチャンバ(5)とを有する、特に、請求項1記載の器具(1)において、
前記器具(1)は、前記カバーフィルム(4)を部分的に、且つ(或いは)、前記チャンバ(5)の領域について覆った追加のフィルム(24)を有し、前記カバーフィルム(4)と前記追加のフィルム(24)との間には追加のチャンバ(25)が形成されると共に、(或いは)、前記キャリヤ(3)は、扁平であり、前記カバーフィルム(4)は、前記チャンバ(5)を形成するよう部分的に三次元の形状又はドーム状になっている、
ことを特徴とする器具。
【請求項3】
前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)に貼り付けられていることを特徴とする、請求項2記載の器具。
【請求項4】
前記扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記追加のフィルム(24)は、前記カバーフィルム(4)に貼り付けられると、共に(或いは)、前記追加のフィルム(24)は、特に前記貼り付けプロセスだけで三次元形状又はドーム状になっている追加の壁(26)を形成し、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)を部分的に画定していることを特徴とする、請求項2又は3記載の器具。
【請求項5】
前記追加のチャンバ(25)は、前記チャンバ(5)をその平坦な側部について、若しくは、長手方向に覆い、又は、前記チャンバ(5)と実質的に同軸に配置され、或いは、前記チャンバ(5)を半円筒形状に包囲していることを特徴とする、請求項2〜4のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
前記追加のチャンバ(25)又は追加の壁(26)は、弾性的に、又は、可逆的に変形可能であることを特徴とする、請求項2〜5のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記追加のチャンバ(25)、又は、追加の壁(26)は、チャネル形状のものであると共に、細長く、且つ(或いは)、ビード形構造のものであり、特に、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)の長手方向広がりに対して直角をなして湾曲していると共に、(或いは)、半円凸のものであることを特徴とする、請求項2〜6のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
前記カバーフィルム(4)は、開口部(27)を備えると共に、(或いは)、特に、少なくとも前記追加のチャンバ(25)によって覆われたチャンバ壁(6)の領域がメンブレン又はフィルタとして具体化されていることを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記チャンバ(5)は、環状構造のものであり、且つ(或いは)、特に、前記キャリヤ(3)によって保持されたメンブレン(21)を覆い、特に、前記カバーフィルム(4)は、特に、貼り付けにより、好ましくは、前記メンブレン(21)の中央に部分的に連結されていることを特徴とする、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項10】
前記キャリヤ(3)は、硬質、又は、軟質、若しくは、フィルム状の構造のものであることを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
前記キャリヤ(3)は、プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られていることを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項12】
前記キャリヤ(3)は、プレート状のものであって、扁平であり、且つ(或いは)、平板状構造のものであることを特徴とする、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項13】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、前記追加のフィルム(24)は、前記キャリヤ(3)の平坦な側部(F)に貼り付けられると共に、(或いは)、2枚のカバーフィルム(4)が、前記キャリヤ(3)の互いに反対側に被着されて、特に、互いに流体連通状態で連結されたチャンバ(5)を形成していることを特徴とする、請求項1〜12のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項14】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、プラスチック、特に、ポリエチレンで作られていることを特徴とする、請求項1〜13のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項15】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、単層、又は、多層構造のものであることを特徴とする、請求項1〜14のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項16】
前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)は、特に、封止ラッカの被膜を備えたヒートシールフィルムであることを特徴とする、請求項1〜15のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項17】
前記キャリヤ(3)は、特に、前記カバーフィルム(4)、及び(又は)、追加のフィルム(24)によって平坦に覆われた、少なくとも1つのフルイディック構造、例えば、凹部、凹み、開口部、溝又はチャネル(9)を有し、又は、形成していることを特徴とする、請求項1〜16のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項18】
前記カバーフィルム(4)は、互いに異なるチャンバ(5)の複数個の三次元形状、又は、凸状のチャンバ壁(6)を形成していることを特徴とする、請求項1〜17のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項19】
前記チャンバ(5)、又は、チャンバ壁(6)は、弾性的に、又は、可逆的に変形可能であることを特徴とする、請求項1〜18のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項20】
前記チャンバ(5)、又は、壁(6)は、チャネル形状のものであると共に、細長く、且つ、(或いは)、ビード形構造のものであり、特に、前記壁(6)は、前記追加のチャンバ(5)の長手方向広がりに対して直角をなして湾曲していると共に、(或いは)、半円凸のものであることを特徴とする、請求項1〜19のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項21】
前記器具(1)又はチャンバ(5)は、弁を形成し、特に、前記チャンバ(5)は、要素(13)によって、少なくとも部分的に圧縮可能又は押しつぶし可能であり、それにより、前記チャンバ壁(6)が、変形することを特徴とする、請求項1〜20のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項22】
前記器具(1)は、ポンプとして構成され、前記チャンバ(5)、及び(又は)、追加のチャンバ(24)は、変形可能なポンプチャンバを形成していることを特徴とする、請求項1〜21のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項23】
前記器具(1)は、混合器具として構成され、前記チャンバ(5)、及び(又は)、追加のチャンバ(24)は、混合チャンバを形成していることを特徴とする、請求項1〜22のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項24】
前記器具(1)は、特に、血液のための濾過、又は、分離器具として構成されていることを特徴とする、請求項1〜23のうちいずれか一項に記載の器具。
【請求項25】
特に請求項1〜24のうちいずれか一項に記載の器具(1)を製造する方法であって、扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない、又は、構造化されていないカバーフィルム(4)をキャリヤ(3)に貼り付ける方法において、
前記貼り付けのため、少なくとも1つの凹部又は開口部(8)を備えたマスク(7)を熱の作用で前記カバーフィルム(4)に押し付け、好ましくは、もっぱら、この結果として、前記カバーフィルム(4)は、前記凹部、又は、開口部(8)の領域が前記キャリヤ(3)に連結されず、且つ(或いは)、メンブレン(21)に連結されず、三次元形状、又は、構造になっており、且つ(或いは)、
前記マスク(7)の前記凹部、又は、開口部(8)の領域において熱の作用で前記マスク(7)を押圧することにより、前記貼り付けられているカバーフィルム(4)を再び前記キャリヤ(3)から取り外し、前記凹部、又は、開口部(8)の領域において三次元的に変形し、又は、構造化する、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
前記マスク(7)は、扁平であり、且つ(或いは)、板状であることを特徴とする、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記マスク(7)は、金属、特に、板金で作られていることを特徴とする、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
プラスチック、特に、ポリスチレン、又は、ポリカーボネートで作られたキャリヤ(3)が用いられることを特徴とする、請求項25〜27のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記キャリヤ(3)は、構造が板状であって、扁平であり、且つ(或いは)、平板状であることを特徴とする、請求項25〜28のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記カバーフィルム(4)は、少なくとも部分的に、且つ(或いは)、前記チャンバ(5)の領域が追加のフィルム(24)によって覆われ、前記カバーフィルム(4)と前記追加のフィルム(24)との間には、追加のチャンバ(25)が形成されることを特徴とする、請求項25〜29のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記扁平であり、且つ(或いは)、予備成形されていない前記追加のフィルム(24)は、前記カバーフィルム(4)に貼り付けられると共に、(或いは)、前記追加のフィルム(24)は、特に、前記貼り付けプロセスだけで、三次元形状、又は、ドーム状になっている追加の壁(26)を形成し、前記追加の壁(26)は、前記追加のチャンバ(25)を部分的に定めていることを特徴とする、請求項30記載の器具。
【請求項32】
前記チャンバ(5)は、環状構造のものであり、且つ(或いは)、前記カバーフィルム(4)と前記メンブレン(21)との間に形成され、特に、前記カバーフィルム(4)は、好ましくは、前記チャンバ(5)の中央のところで前記メンブレン(21)に連結されていることを特徴とする、請求項25〜31のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記カバーフィルム(4)は、前記キャリヤ(3)の平坦な側部(F)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜32のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記カバーフィルム(4)は、プラスチック、特に、ポリエチレンで作られていることを特徴とする、請求項25〜33のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記カバーフィルム(4)は、単層、又は、多層構造のものであることを特徴とする、請求項25〜34のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記カバーフィルム(4)は、特に、封止ラッカの被膜を備えたヒートシールフィルムであることを特徴とする、請求項25〜35のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記カバーフィルム(4)は、前記マスク(7)を備えたローラ貼り合わせ機によって前記キャリヤ(3)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜36のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記カバーフィルム(4)は、前記マスク(7)を備えたパンチ貼り合わせ機によって前記キャリヤ(3)に貼り付けられることを特徴とする、請求項25〜36のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記器具(1)は、圧送、混合、若しくは、分離のために用いられ、又は、弁、若しくは、絞りとして用いられることを特徴とする、請求項25〜38のうちいずれか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2010−512242(P2010−512242A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540634(P2009−540634)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010656
【国際公開番号】WO2008/071351
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010656
【国際公開番号】WO2008/071351
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(503277020)ベーリンガー インゲルハイム マイクロパーツ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (17)
【氏名又は名称原語表記】Boehringer Ingelheim microParts GmbH
【住所又は居所原語表記】Hauert 7,D−44227 Dortmund,Germany
【Fターム(参考)】
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