説明

液体カートリッジ

【課題】 構造簡易で小型化や低コストを図り、液体漏れの発生を防止する。
【解決手段】 インクパック67が、内部にインク液を封入することによって中央部が膨らみ外周に沿った熱シール部91に向かって次第に厚みが薄くなる全体が略紡錘形の形状を呈する。パック装填空間部の内面をインクパック67の略紡錘形の外周面とほぼ等しい曲率を有する湾曲面に形成したカートリッジケース65に装填したインクパック67が、その外周面をパック装填空間部の内周面によってほぼ全面に亘って押さえ付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド面に設けたノズルから対象物に対して液体を吐出する液体吐出装置に用いられる液体カートリッジに関し、さらに詳しくはパック容器の内部に液体を封入した液体パックをカートリッジケースに装填した液体カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出装置、例えば、インクジェット型カラープリンタ装置は、例えばイエローインク液、マゼンダインク液、シアンインク液及びブラックインク液の各色インク液をヘッド面に形成したノズルから液滴状態で吐出させて印刷部に供給された用紙の所定位置に着弾させて画像や文字等のカラー印刷を行う。インクジェット型カラープリンタ装置においては、上述した各色インク液を充填した4種類のインク液カートリッジがインク液カートリッジ装填部に装填される。
【0003】
インク液カートリッジは、一般に合成樹脂等によって形成され一端部にインク供給部が設けられた剛体のカートリッジの内部にインク液を充填して構成される(例えば、特許分1、特許文献2)。かかるインク液カートリッジは、振動や衝撃等が加えられた場合でもインク液の漏れが生じることは無く、またインク液カートリッジ装填部に対して精度よく位置決めされて装填することも可能である。
【0004】
また、特許文献1には、所定のスロットに対して所定のインク液カートリッジのみを装填可能とする、スロットとリブとからなる誤装填防止構造が開示されている。特許文献2には、カートリッジの外側面にガイド凸部を一体に形成し、このガイド凸部をカートリッジ装填部に形成したガイド溝と嵌合させて挿脱操作が行われるようにしたインク液カートリッジが開示されている。
【0005】
一方、インク液カートリッジにおいては、比較的廉価であるとともにより大容量のインク液を充填することが可能なラミネートパック容器を用いたインクパックを剛性を有するインクパックケースに装填して耐衝撃性等の向上等を図ったものも提供されている(例えば、特許文献3)。かかるインクパック型インク液カートリッジは、インクパックがインク供給部を外方に突出させてインクパックケース内に装填される。インク液カートリッジは、インクパックをインクパックケースに装填することで、取り扱いを容易とするとともにインク供給部がインクパックケースに対して熱溶着されることでインクパックとの結合部位からのインク液漏れの発生が防止される。
【0006】
【特許文献1】特開2002−361886号公報
【特許文献2】特開2004−106397号公報
【特許文献3】特開平10−138507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、インク液カートリッジは、所定の色のインク液を封入してインク液カートリッジ装填部に装填されてインク液を供給する機能を奏する。したがって、インク液カートリッジは、例えばインク液カートリッジ装填部に対して位置合わせされて簡易な操作で着脱することが可能であること、誤装填の防止が図られること、インク液漏れが生じないこと、多容量のインク液を封入して小型であること、構造が簡易で廉価であること、機械的強度が大きいこと等の種々の特性が要求される。
【0008】
特許文献1や特許文献2に開示されたハードパック型インク液カートリッジは、機械的強度や操作性、誤装填の防止機能、耐インク液漏れ性等の特性を有してはいるが、その他の特性を満足するものでは無い。
【0009】
特許文献3に開示されたインクパック型インク液カートリッジは、ハードパック型インク液カートリッジの利点とともにインク液の多容量性やコスト性等の特性も有する。しかしながら、かかるインク液カートリッジは、ラミネートパック容器にインク液を充填したインクパックが中央部分が膨らんだ紡錘型形状を呈することで、インクパックケース内の矩形空間部内に装填された状態でインクパックの周囲に多くの隙間が生じる。
【0010】
インク液カートリッジにおいては、インクパックに一体化されたインク供給部がインクパックケースに固定されるが、インクパックをインクパックケースに直接固定する構造が備えられていない。したがって、インク液カートリッジにおいては、衝撃や振動等によってインクパックが上述した隙間を介してインクパックケース内で移動するいわゆるあばれ現象が発生してしまう。また、インク液カートリッジにおいては、保存状態でもインク液の片寄りによってインクパックに皺が発生し、この皺から亀裂が生じてインク液が漏れ出すといった問題があった。
【0011】
さらに、特許文献3に開示されたインク液カートリッジおいては、押さえプレートを用いてインクパックを押圧することによってインクパックケース内に固定するようにしている。しかしながら、かかる構成であっても、押さえプレートによってインクパックの大きな移動が阻止されるようになるが、その外周縁部位においてインクパックに皺寄りが発生してしまい、上述した問題点を解決し得ていない。
【0012】
したがって、本発明は、上述した液体カートリッジに要求される種々の特性を実現し、構造簡易で小型化や低コストを図り、操作性の向上と液体漏れの発生を防止する液体カートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成する本発明にかかる液体カートリッジは、液体カートリッジ装填部に装填されることによって、液体吐出装置に液体を供給する。液体カートリッジは、内部にパック装填空間部を構成したカートリッジケースと、パック装填空間部に装填される液体パックとを備える。液体カートリッジは、液体パックが、重ね合わせた一対のシート体の外周部位に全周に亘って熱シール処理を施して袋状に形成したパック容器の内部に液体を封入するとともに、パック容器に一体化されてカートリッジケースから突出された供給部が液体カートリッジ装填部に設けられた液体供給孔部に接続されて液体を供給する液体供給部材とから構成される。
【0014】
液体カートリッジは、液体パックが、パック容器の内部に液体を封入することによって中央部が膨らむとともに周辺部に向かって次第に厚みが薄くなり、熱シール処理が施された外周部位が板状を呈する全体が略紡錘形の形状を呈する。液体カートリッジは、カートリッジケースが、パック装填空間部の内面をパック容器の略紡錘形の外周面とほぼ等しい曲率を有する湾曲面に形成することによって、液体パックの外形とほぼ等しい略紡錘形のパック装填空間部を構成する。液体カートリッジは、パック装填空間部に装填した液体パックの外周面に、パック装填空間部の内周面がほぼ全体に亘って押さえ付けて保持する。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる液体カートリッジによれば、パック装填空間部が液体パックの外形とほぼ等しい形状されてその内面全体で液体パックの外周面の全体を押さえ付けるようにして保持することから、衝撃や振動等によるパック装填空間部内での液体パックのあばれ現象の発生を抑制しまた保存状態でも液体の片寄りによる液体パックの皺発生を抑制する。液体カートリッジによれば、あばれ現象や皺によってパック容器に亀裂が生じて液漏れが発生する不都合を確実に防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態として図面に示したインクジェットプリンタ装置(以下、プリンタ装置と略称する。)1について、詳細に説明する。プリンタ装置1は、図1及び図2に示すように、プリンタ本体2に対してヘッドユニット3及び用紙カセット4がそれぞれ着脱され、例えばパーソナルコンピュータ等に接続され或いはデジタルカメラ等の周辺機器が接続されて用いられる。プリンタ装置1は、用紙カセット4からプリンタ本体2の印刷部5に給紙された所定サイズの用紙に、パーソナルコンピュータや周辺機器等から出力を指示された所定の文書や画像を印刷する。
【0017】
プリンタ装置1は、プリント指示に基づいて詳細を後述するようにヘッドユニット3に組み付けられたインク液供給ユニット6から供給されるインク液を液滴状態で吐出させて印刷部5に供給された用紙に着弾させ、ライン単位で高速プリントを行う。プリンタ装置1は、ブラックインク液、マゼンダインク液、シアンインク液及びイエローインク液の各色インク液を用いて、文書や画像のカラー印刷を行う。なお、プリンタ装置1は、さらに多色のインク液を用いるようにしてもよいことは勿論である。また、以下の説明において、「前後」或いは「上下」等の用語は、図1を基準にして用いるものとし、用紙カセット4の装填側が「前」となる。
【0018】
プリンタ本体2は、上部筐体7aと下部筐体7bとからなる筐体7を備え、上部筐体7aが下部筐体7bに対して奥行き方向の一端側を詳細を省略する枢軸機構によって回動自在に支持されてなる。プリンタ本体2は、上部筐体7aを下部筐体7bに対して回動操作することによって内部を開放し、印刷部5等において発生した紙詰まりの処理或いは部品交換や清掃等のメンテナンスが行われるようにする。
【0019】
プリンタ本体2には筐体7の前面部に位置して、用紙カセット4が挿脱される用紙カセット装填口8が設けられている。用紙カセット4は、内部に多数枚の用紙を積層状態で収納し、用紙カセット装填口8から内部に押し込まれてその前面部位を突出させてプリンタ本体2に装着される。プリンタ本体2は、用紙カセット装填口8が所定の印刷が行われた用紙の排出口も兼用しており、印刷を終えた用紙が印刷部5から用紙カセット4のカセット蓋上に排紙されるようにする。なお、用紙カセット4は、例えば複数個が用意され、内部にサイズを異にした用紙が収納されることによって印刷用紙サイズに応じて適宜交換される。プリンタ本体2は、用紙カセット装填口8の上方部位が、後述するヘッドキャップ部材9が着脱されるヘッドキャップ部材着脱開口部として構成される。
【0020】
プリンタ本体2には、図示を省略するが用紙カセット4から用紙を取り出して印刷部5へと給紙し、印刷部5において所定の印刷が施された用紙を用紙カセット装填口8へと搬送する用紙搬送機構が備えられる。用紙搬送機構は、用紙カセット装填口8の内部に設けられて用紙カセット4内の最上部の用紙から1枚ずつ取り出す給紙ローラ機構と、取り出した用紙を印刷部5へと供給する給紙機構と、印刷部5において所定の印刷が行われた用紙を用紙カセット装填口8へと排紙する排紙機構等を備える。
【0021】
プリンタ本体2には、図1に示すように、上部筐体7aの略中央部に位置してヘッドユニット着脱開口部10が開口されている。ヘッドユニット着脱開口部10は、詳細を省略するヒンジ機構によって上部筐体7aに支持された蓋体11によって開閉される。プリンタ本体2は、蓋体11が開放操作されてインク液供給ユニット6に対して詳細を後述するブラックインク液カートリッジ12B、マゼンタインク液カートリッジ12M、シアンインク液カートリッジ12C或いはイエローインク液カートリッジ12Y(以下、個別に説明する場合を除いてインク液カートリッジ12と総称する。)の交換操作が行われるようにする。また、プリンタ本体2は、蓋体11を開放操作して内部からヘッドユニット3を取り出し、或いは印刷部5や搬送経路の途中でジャムった用紙を取り出したり、部品交換や清掃等を行う。
【0022】
プリンタ本体2には、図1に示すように上部筐体7aのヘッドユニット着脱開口部10よりも前方領域に、操作部13が設けられている。操作部13には、電源スイッチやプリント枚数の設定やプリント開始指示等の種々の設定操作を行うための操作ボタン或いは設定状態や動作状態等を表示する液晶表示器等が配置されている。プリンタ本体2には、図示を省略するが下部筐体7bの奥行き方向の部位に構成各部やヘッドユニット3の各部を動作制御する制御信号を出力するCPUや各種メモリ等を搭載した制御基板を有する制御部14或いは電源部等が収納されるとともに、パーソナルコンピュータ等との接続を行うインターフェース部が設けられている。
【0023】
制御部14は、プリンタ装置1の全体動作を制御する制御プログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)や、読み出された制御プログラム等を一旦格納するとともに必要に応じて読み出されるRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部14は、各部に対してそれぞれの動作を制御する制御信号を出力する。制御部14は、後述するインク液供給ユニット6に設けられたインク液カートリッジ装填検出機構15から出力される検出信号に基づいてヘッドユニット3に対して印刷停止の指示を行う。制御部14は、詳細を省略するがインク液カートリッジ12内のインク液の残量検出に基づく警告の表示信号や所定枚数の印刷を検出してヘッドキャップ交換時期の表示信号等の各種信号を出力して表示器に所定の表示を行うようにする。制御部14は、ヘッドユニット3に対して各色インク液の吐出を制御する制御信号を出力し、所定の印刷が行われるようにする。
【0024】
ヘッドユニット3は、詳細を省略するがプリンタ装置1に使用する最大サイズの用紙6の紙幅よりも大きな横幅を有するヘッドフレーム16を備える。ヘッドフレーム16には、ヘッドユニット着脱開口部10と詳細を省略する位置決め構造やロック構造が相対して設けられており、プリンタ本体2に対して位置決めされて組み合わされる。ヘッドユニット3は、ヘッドユニット着脱開口部10に装着された状態において、ヘッドフレーム16に設けた図示しないコネクタがヘッドユニット着脱開口部10側に設けられたコネクタ17と結合されてプリンタ本体2と電気的に結合される。なお、ヘッドユニット3は、蓋体11を開放操作した状態で、プリンタ本体2側に設けたロック解除機構が操作されることによってロック状態が解除されてヘッドユニット着脱開口部10からの取外し操作が可能となる。
【0025】
ヘッドユニット3は、ヘッドフレーム16内にインク液を吐出するヘッド機構が内蔵され、図1に示すようにヘッドフレーム16の上部にインク液供給ユニット6が組み付けられるとともに下部にヘッドキャップ部材9が組み合わされる。ヘッドユニット3は、詳細を省略するがヘッド機構が、用紙の給紙方向に配列されたブラックヘッド機構と、マゼンダヘッド機構と、シアンヘッド機構と、イエローヘッド機構とから構成される。
【0026】
ヘッドユニット3は、各ヘッド機構が、用紙の給紙方向と直交する横幅方向に並んで開口された多数個のノズル孔を有するノズルシートと、制御基板と、この制御基板の主面を各ノズル孔に対応する多数の領域に区割りするスペーサフィルムを備える。各ヘッド機構は、スペーサフィルムにより区割りされた各印刷領域毎に対応して設けられたインク液流路部材や一対のヒータチップ或いはボンディングブロックを備える。各ヘッド機構は、制御基板にヒータチップに駆動信号を供給する適宜の回路パターンが形成されるとともに、ロジックIC(Integrated Circuit)やドライバートランジスタ等からなるヘッド駆動制御回路が形成されている。
【0027】
各ヘッド機構は、制御基板にインク液流路部材に形成したインク液流路と連通する貫通孔を有するブッシュがはめ込まれ、インク液供給ユニット6から所定のインク液が供給される。インク液流路部材には、インク液流路の先端に、ノズル孔に臨ませられてインク液を貯留するインク液溜め部が形成されるとともに、このインク液溜め部に臨ませてその表面にヒータチップが取り付けられている。なお、各ヘッド機構には、インク溜め部内にインク液の残量検出機構が設けられるとともに、インク液をインク溜め部内に供給する供給圧を加えるダイヤフラム機構或いはインク液から不純物を除去するフィルタ等が設けられている。
【0028】
各ヘッド機構は、印刷指示に基づいて制御部14から駆動信号が制御基板に供給されると、ヘッド駆動制御回路が動作して所定のヒータチップに対して駆動電流を供給してこれらヒータチップを発熱させる。各ヘッド機構は、ヒータチップが、発熱に伴ってインク液溜め部内のインク液加圧空間部においてインク液を加熱して気泡を発生させてインク液加圧空間部内を加圧状態とする。各ヘッド機構は、インク液溜め部内で気泡が成長するに伴ってノズル孔からインク液を押し出すとともに、ノズル孔においてはじけた気泡のはじけ圧によってインク液滴を吐出させる。なお、ヘッド機構は、上述した構成に限定されるものではなく、従来周知の種々の構造を採用することが可能であり、またヒータチップに代えて例えば圧電素子によってインク液滴の吐出を行うようにしてもよい。
【0029】
プリンタ装置1は、ヘッドフレーム16の底面部にヘッドキャップ部材9がスライド自在かつ着脱自在に組み合わされる。ヘッドキャップ部材9は、詳細を省略するがヘッドフレーム16の底面部とほぼ等しい開口形状の矩形開口部を有する横長のトレィ状に形成され、その内部にノズルシートの表面を摺擦してクリーニングするクリーニングローラ或いはブレード部材を有するヘッドクリーニング機構が設けられている。ヘッドキャップ部材9は、通常ヘッド機構を閉塞してヘッドフレーム16に組み合わされ、印刷指示に基づいてヘッドフレーム16に対して前方側に向かって移動されることによりヘッド機構を開放する。ヘッドキャップ部材9は、印刷終了まで前方位置に待機保持されるとともに、所定の印刷動作が終了するとヘッド機構を閉塞する位置へと復帰移動され。
【0030】
ヘッドキャップ部材9は、非印刷時にヘッド機構を閉塞することによって精密かつ微細な多数個のノズル孔を形成したヘッド面等を保護するとともに、各ノズル孔内に設けられたインク液吐出部内のインク液の乾燥を防止する機能を奏する。なお、ヘッドキャップ部材9は、保守等に際してヘッドユニット3がプリンタ本体2から取り外される場合にも、ヘッドフレーム16との組合せ状態が保持されるようにする。
【0031】
プリンタ装置1においては、ノズル孔から吐出されたインク液がノズルシートの表面に飛び散って付着し、またこのインク液にゴミや埃等が付着することによって汚損されることがある。また、プリンタ装置1においては、ノズルシートの表面に付着したインク液が乾燥したり増粘して凝集することによりインク塊が生じる。プリンタ装置1においては、ヘッドキャップ部材9に設けたヘッドクリーニング機構によってノズルシートの表面からインク塊等の異物を除去してこれらの異物によるインク液の不吐出現象や吐出曲がり現象等の発生を防止して精密な印刷が行われるようにする。
【0032】
ヘッドキャップ部材9は、印刷時に移動される際にヘッドクリーニング機構によってノズルシートの表面を摺擦して付着した異物等を拭き取って内部に落下させるようにする。ヘッドキャップ部材9には、内部に例えばスポンジシートや不織布等の多孔質シートからなる吸着マットが設けられており、この吸着マットによりヘッドクリーニング機構によって除去した異物等を捕捉する。ヘッドキャップ部材9は、インク液の空打ち動作が行われた場合に、各ノズル孔から吐出された廃インク液を吸着マットによって吸着する。ヘッドキャップ部材9は、各ノズル孔からしたたり落ちたインク液を吸着マットによって吸着する。したがって、ヘッドキャップ部材9は、内部に吸着シートを設けることによって、全体の深さを大きくすることなく異物等を内部に溜める容量を確保して周辺部の汚損が防止されるようにする。
【0033】
プリンタ装置1は、インク供給ユニット6が、図2に示すように、インク液カートリッジケース18と隔壁部材19とインク液流路部材20とによって筐体を構成する。インク供給ユニット6は、上述した4個のインク液カートリッジ12が装填されるとともに、インク液カートリッジ装填検出機構15によってこれらインク液カートリッジ12の装填状態を検出する。インク供給ユニット6は、インク液カートリッジ装填検出機構15によって全てのインク液カートリッジ12が装填されていないことを検出すると、制御部14に検出信号を出力してプリント動作が行われないようにする。
【0034】
インク液カートリッジケース18は、合成樹脂材によって横長矩形の角筒状に形成された部材であり、内部空間に隔壁部材19が組み付けられるとともに、後方側の側面18aを構成するインク液流路部材20が組み合わされる。インク液カートリッジケース18は、詳細を後述する隔壁部材19を組み付けることによって内部空間が上下、左右の4個の空間部に区割りされ、それぞれの空間部がインク液カートリッジ12を挿脱するインク液カートリッジ装填部21が構成される。各インク液カートリッジ装填部21には、詳細を後述するインク液カートリッジ12が同一の向きでそれぞれ装填される。
【0035】
インク液カートリッジケース18は、図2及び図3において左側上段部の第1空間部が、ブラックインク液カートリッジ12Bを装填するブラックインク液カートリッジ装填部21Bとされる。インク液カートリッジケース18は、左側下段部の第2空間部が、マゼンタインク液カートリッジ12Mを装填するマゼンタインク液カートリッジ装填部21Mとされる。インク液カートリッジケース18は、右側上段部の第3空間部が、シアンインク液カートリッジ12Cを装填するシアンインク液カートリッジ装填部21Cとされる。インク液カートリッジケース18は、左側下段部の第4空間部が、イエローインク液カートリッジ12Yを装填するイエローインク液カートリッジ装填部21Yとされる。インク液カートリッジ装填部については、以下特に個別に説明する場合を除いてインク液カートリッジ装填部21と総称する。
【0036】
なお、インク液カートリッジ装填部21については、上述した配列に限定されるものでは無いことは勿論である。インク液カートリッジケース18は、ブラックインク液の使用量が他のインク液の使用量よりも大きいことから、ブラックインク液カートリッジ装填部21Bのみを側方や上方に延長して大型に形成するようにしてもよい。インク液カートリッジケース18は、この場合にブラックインク液カートリッジ12Bが他のインク液カートリッジ12と外形を異にして形成されることから識別が可能であるとともに挿脱操作が不能とされることから、ブラックインク液カートリッジ装填部21B内に後述するカートリッジ識別部25Bを不要とする。
【0037】
インク液カートリッジケース18には、各インク液カートリッジ装填部21を構成する天井壁と底面壁の内面にそれぞれ多数個の前後方向のリブ22が一体に突設されている。インク液カートリッジケース18は、これらリブ22と隔壁部材19に同様に形成された多数個の前後方向のリブ23とがインク液カートリッジ装填部21内に装填されたインク液カートリッジ12の天井部と底部とに突き当ることで、このインク液カートリッジ12を保持する。
【0038】
ところで、インク液カートリッジ12は、後述するようにその外形が、中央部の厚みが大きい扁平な略変形八角形、換言すればやや扁平な紡錘形の断面形状を呈して形成されている。インク液カートリッジケース18と隔壁部材19は、上述したリブ22、23が、図3に示すように各インク液カートリッジ装填部21においてそれぞれ長さ方向の両側で大きな高さとされるとともに中央部で低い高さに形成される。インク液カートリッジケース18と隔壁部材19は、各リブ22、23によって同図鎖線で示すように略紡錘形状を有するインク液カートリッジ12とほぼ同形の断面形状を有するインク液カートリッジ装填部21の開口形状を構成する。なお、各リブ22、23は、インク液カートリッジ12の保持片として作用するとともに、インク液カートリッジケース18及び隔壁部材19を薄型かつ軽量化を図って厚み方向の機械的強度を向上させる作用も奏する。
【0039】
また、各リブ22、23は、図3に示すように各インク液カートリッジ装填部21においてそれぞれ位置を異にしてインク液カートリッジケース18及び隔壁部材19に形成されている。各リブ22、23は、詳細を後述するように所定のインク液カートリッジ装填部21に所定のインク液カートリッジ12を装填する場合にのみ、インク液カートリッジ12側に形成した後述するリブ75、76との組み合わせが行われて装填操作を可能とする。したがって、各リブ22、23は、インク液カートリッジ12側のリブ75、76と共同して、所定のインク液カートリッジ装填部21に対する所定のインク液カートリッジ12を識別する識別子としての機能も奏する。
【0040】
インク液カートリッジケース18には、図3に示すように側面18aの各インク液カートリッジ装填部21に対応して、それぞれゴムブッシュ24aが嵌め込まれたインク供給孔部24B、24M、24C、24Y(以下、個別に説明する場合を除いてインク供給孔部24と総称する。)と、カートリッジ識別部25B、25M、25C、25Y(以下、個別に説明する場合を除いてカートリッジ識別部25と総称する。)とが形成される。なお、これらの部位は、実際にはインク液流路部材20の主面に形成されるが、説明の便宜上インク液カートリッジケース18に形成されるものとして説明する。
【0041】
各インク供給孔部24は、それぞれ側面18aを貫通し、背面側において詳細を後述するインク液流路部材20に形成された相対するブラックインク液流路26B、マゼンタインク液流路26M、シアンインク液流路26C及びイエローインク液流路26Y(以下、個別に説明する場合を除いてインク液流路26と総称する。)とそれぞれ連通する。
【0042】
カートリッジ識別部25は、インク供給孔部24を挟んだ左右の両側部位に形成され、それぞれ3個の円形凸部を横方向に並べてかつ外周部において互いに連結した凸部から構成される。カートリッジ識別部25は、合計6個の円形凸部に、貫通孔からなる識別孔27が所定の配列となるように選択的に形成される。カートリッジ識別部25は、後述する各インク液カートリッジ12がこれら識別孔27に対応して所定の配列を以って設けた全ての識別子28の係合を可能とさせることによって、所定のインク液カートリッジ装填部21に所定のインク液カートリッジ12のみが装填されるようにする。
【0043】
カートリッジ識別部25は、上述したようにインク供給孔部24を挟んで左右に形成された3個の円形凸部に少なくとも1個の識別孔27が形成されるようにする。カートリッジ識別部25は、かかる構造によってインク液カートリッジ装填部21内においてインク液カートリッジ12が左右のバランスを図られて安定した状態で装填されるようにする。また、カートリッジ識別部25は、インク供給孔部24を挟んで左右に3個の円形凸部を連設した凸部によっても、インク液カートリッジ装填部21内においてインク液カートリッジ12が安定した状態に保持されるようにする。
【0044】
カートリッジ識別部25は、識別孔27を形成した円形凸部を「1」、識別孔27が形成されない円形凸部を「0」とした場合に、識別孔27が各インク液カートリッジ装填部21においてそれぞれ独自にパターン化されて形成される。すなわち、ブラックインク液カートリッジ装填部21Bに形成されたカートリッジ識別部25Bには、図3に示すように4個の識別孔27が、(0、0、1)及び(1、1、1)に配列されて形成される。マゼンタインク液カートリッジ装填部21Mに形成されたカートリッジ識別部25Mには、4個の識別孔27が、(0、1、0)及び(1、1、1)に配列されて形成される。シアンインク液カートリッジ装填部21Cに形成されたカートリッジ識別部25Cには、4個の識別孔27が、(0、1、1)及び(0、1、1)に配列されて形成される。イエローインク液カートリッジ装填部21Yに形成されたカートリッジ識別部25Yには、4個の識別孔27が、(0、1、1)及び(1、0、1)に配列されて形成される。
【0045】
カートリッジケース18には、図2及び図5に示すように隔壁部材19と対向する左右の側面壁に、インク液カートリッジ装填部21内において装填されたインク液カートリッジ12を保持する保持片48B、48M、48C、48Y(以下、保持片48と総称する。)が形成されている。保持片48は、カートリッジケース18の側壁に形成した略コ字状の切り欠きによって構成された厚み方向に弾性変位が可能な凸片からなり、それぞれの先端部に係合孔が形成されている。保持片48には、後述するようにインク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が所定位置まで装填された状態において、このインク液カートリッジ12側に形成した係合ピン49が相対係合する。
【0046】
隔壁部材19は、カートリッジケース18と同一材料の合成樹脂材によって、図2に示すように略扁平な変形八角形の断面形状を有する筒状基部29と、この筒状基部29の上面及び底面とに一体に形成された縦隔壁部30a、30bと、筒状基部29の両側縁部から一体に形成された横隔壁部30c、30dとから構成される。隔壁部材19は、筒状基部29や各隔壁部30がカートリッジケース18の奥行き寸法と同等の奥行き寸法を以って形成される。隔壁部材19は、上述したようにインク液カートリッジケース18の内部に組み付けられることによって、筒状基部29がその内部空間の中央部に位置するとともに、各隔壁部30がインク液カートリッジケース18の内部を上述した4個のインク液カートリッジ装填部21に区割りする。
【0047】
隔壁部材19は、図3に示すように縦隔壁部30aの上端と縦隔壁部30bの下端とがそれぞれにインク液カートリッジケース18の中央部に位置して相対して形成されたリブ22a、22b間に嵌合するようにして組み付けられる。隔壁部材19には、横隔壁部30c、30dの上下面に、高さを異にして上述した奥行き方向の多数個のリブ23が一体に形成されている。
【0048】
隔壁部材19は、上述したように扁平な略八角形の断面形状を有する筒状基部29が、インク液カートリッジケース18内で4個のインク液カートリッジ装填部21に仕切る中央部に位置し、その外周壁が各インク液カートリッジ装填部21の内側コーナ部を構成してインク液カートリッジ12の中央側の外周部位を保持することになる。すなわち、筒状基部29は、インク液カートリッジケース18側のリブ22と共同してインク液カートリッジ12の外周部を保持する。筒状基部29には、その内部に奥行き方向(インク液カートリッジ12の着脱方向)に貫通するガイド孔31が形成されており、このガイド孔31内に後述するインク液カートリッジ装填検出機構15が組み付けられる。
【0049】
したがって、インク液供給ユニット6は、各インク液カートリッジ装填部21を仕切る隔壁部材19の隔壁部30の交差部位で、各インク液カートリッジ12が略紡錘形状に形成されることからデッドスペースとなる中央部位にインク液カートリッジ装填検出機構15が配置される構造となる。インク液供給ユニット6は、かかる構成によってスペースの効率化が図られ、後述するように構造の簡易化を図ってインク液カートリッジ装填部21内におけるインク液カートリッジ12の装填状態が検出されるようにする。
【0050】
インク液カートリッジ装填検出機構15は、図5乃至図8に示すように、検出軸部材32と、軸付勢コイルスプリング33とを備えている。インク液カートリッジ装填検出機構15は、4個の検出カム部材34B、34M、34C、34Y(以下、個別に説明する場合を除いて検出カム部材34と総称する。)と、4個のカム付勢コイルスプリング35B、35M、35C、35Y(以下、個別に説明する場合を除いてカム付勢コイルスプリング35と総称する。)とを備えている。インク液カートリッジ装填検出機構15は、光学スイッチ36を備えている。
【0051】
検出軸部材32は、隔壁部材19の筒状基部29に形成されたガイド孔31内にスライド自在に組み付けられ、筒状基部29の奥行き寸法とほぼ同長とされた筒状の軸部材からなる。なお、検出軸部材32は、軽量化を図るために筒状に形成したが、この構造に限定されることは無く例えば棒状体であってもよい。検出軸部材32には、図2に示すように軸方向に位置を異にするとともに周回りに位置を異にして、4個のカム溝37Y、37C、37M、37B(以下、個別に説明する場合を除いてカム溝37と総称する。)が形成されている。各カム溝37は、前方側のカム面が後方側に向かって次第に傾斜する傾斜面とされるとともに、後方側のカム面が垂直面とされて形成されている。
【0052】
検出軸部材32には、図2に示すように、4個のカム溝37C、37Y、37B、37Mが前方側からこの順序で形成される。カム溝37Cは、下方側に開口して形成され、シアンインク液カートリッジ12Cを検出する検出カム部材34Cが相対係合される。カム溝37Yは、カム溝37Cの後方側でかつ上方側に開口して形成され、イエローインク液カートリッジ12Yを検出する検出カム部材34Yが相対係合される。カム溝37Bは、カム溝37Yの後方側でかつ上方側に開口して形成され、ブラックインク液カートリッジ12Bを検出する検出カム部材34Bが相対係合される。カム溝37Mは、カム溝37Bの後方側でかつ上方側に開口して形成され、マゼンタインク液カートリッジ12Mを検出する検出カム部材34Mが相対係合される。なお、検出軸部材32は、各カム溝37の形状や形成位置がかかる構成に限定されないことは勿論である。
【0053】
検出軸部材32には、後端部に板状のスイッチ作動部38が一体に突出されている。検出軸部材32には、前方側の端部に軸付勢コイルスプリング33が圧縮状態で組み合わされ、この軸付勢コイルスプリング33の弾性力によって奥行き方向(図5及び図6において右方向)へと付勢されている。検出軸部材32は、インク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填されていない状態では、図5及び図7に示すように各カム溝37に検出カム部材34が相対係合することによって、軸付勢コイルスプリング33の弾性力に抗して所定位置に保持される。
【0054】
検出軸部材32は、詳細を後述するように全てのインク液カートリッジ装填部21内にそれぞれインク液カートリッジ12が装填されることによって、図6及び図8に示すように検出カム部材34による保持状態が解除される。検出軸部材32は、この状態で軸付勢コイルスプリング33の弾性力によって奥行き方向にスライド動作する。検出軸部材32は、このスライド動作によってスイッチ作動部38が光学スイッチ36を動作させて、検出信号が出力されるようにする。
【0055】
検出カム部材34は、図5乃至図8に示すように、傾斜カム面39aが形成されたカム部39と、このカム部39からアーム状に一体に突出された作動部40とから構成され、隔壁部材19の筒状基部29に形成したガイド孔31内にそれぞれ組み付けられる。検出カム部材34は、カム部39が隔壁部材19の筒状基部29に形成したカム孔31aを貫通し、傾斜カム面39aを前方側に向けて相対する各インク液カートリッジ装填部21内に突出される。
【0056】
検出カム部材34は、図3及び図7に示すように、隔壁部材19に対して、ブラックインク液カートリッジ12Bを検出する検出カム部材34Bとシアンインク液カートリッジ12Cを検出する検出カム部材34Cとが、それぞれのカム部39を筒状基部29の上面からインク液カートリッジ装填部21B、21C内に突出させる。検出カム部材34は、隔壁部材19に対して、イエローインク液カートリッジ12Yを検出する検出カム部材34Yとマゼンタインク液カートリッジ12Mを検出する検出カム部材34Mとがそれぞれのカム部39を筒状基部29の底面からインク液カートリッジ装填部21Y、21M内に突出させる。
【0057】
検出カム部材34は、図7に示すように、カム付勢コイルスプリング35の弾性力によってカム部39が相対するインク液カートリッジ装填部21内に突出されるとともに、作動部40が検出軸部材32の各カム溝37に係合される。カム付勢コイルスプリング35は、全体として軸付勢コイルスプリング33の弾性力よりも大きな弾性力を検出軸部材32に対して作用させる。検出カム部材34は、作動部40が検出軸部材32のカム溝37に係合することによって、軸付勢コイルスプリング33の弾性力に抗して検出軸部材32を筒状基部29のガイド孔31内に収納した状態に保持する。
【0058】
なお、カム付勢コイルスプリング35については、コイルスプリングに限定されず、例えば板ばねであってもよく、またトーションスプリングであってもよい。また、カム付勢コイルスプリング35は、各検出カム部材34毎に設けられたが、適宜のレバー機構を介して各検出カム部材34に弾性力を作用させる構造を採用することによって1個で構成するようにしてもよい。
【0059】
検出カム部材34は、図8に示すように、インク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填されると、カム付勢コイルスプリング35の弾性力に抗してカム部39が相対するインク液カートリッジ装填部21内から退出するとともに作動部40がカム溝37内から退出する動作を行う。検出カム部材34は、この退出動作によって検出軸部材32の保持状態を解除し、検出軸部材32が軸付勢コイルスプリング33の弾性力によってガイド孔31内をスライド動作することを可能とする。
【0060】
検出カム部材34は、インク液カートリッジ装填部21内からインク液カートリッジ12が取り出されると、カム付勢コイルスプリング35の弾性力によってカム部39が相対するインク液カートリッジ装填部21内に突出するとともに作動部40もカム溝37内に係合する動作を行う。検出カム部材34は、作動部40がカム溝37の傾斜カム面を押圧しながら係合動作を行うことで、検出軸部材32を軸付勢コイルスプリング33の弾性力に抗して初期位置へと移動させる。
【0061】
なお、検出カム部材34は、上述したようにカム部39と作動部40とを一体に形成したが、カム部材と作動部材及びこれらを回動自在に組み合わせるヒンジ機構とによって構成するようにしてもよい。かかる検出カム部材は、インク液カートリッジ12によりカム部材が押圧されると作動部材が回動してカム溝37との係合状態が解除される。かかる検出カム部材は、作動部材を回動型とすることでインク液カートリッジ12により動作されるカム部材のストローク量を低減することが可能である。また、検出カム部材34は、カム部39或いは作動部40に、カム付勢コイルスプリング35と同等の機能を奏する薄肉の弾性片部を一体に形成するようにしてもよい。さらに、検出カム部材34は、上述したヒンジ機構を薄肉のヒンジ部によって構成してもよい。
【0062】
光学スイッチ36は、後述するインク液流路部材20の背面に、ガイド孔31と対向して配線基板41を介して配置されている。光学スイッチ36は、詳細を省略するが図5及び図6に示すようにガイド孔31と軸線を一致されたスリット42を挟んで図示しない発光素子と受光素子とが配置されている。配線基板41には、光学スイッチ36を実装する適宜のパターンが形成されるとともにコネクタ43が実装されている。コネクタ43には、図4に示すように複数本のリード線44が接続されて引き出され、インク液流路部材20に形成したリードガイド溝45内を導かれる。リード線44は、図5に示すように制御部14と接続され、光学スイッチ36からの出力信号を供給する。
【0063】
インク液供給ユニット6は、インク液流路部材20が、インク液カートリッジケース18と同一の合成樹脂材によってその側面18aよりもやや大きな外形寸法と所定の厚みを有する矩形プレート状に形成された部材であり、インク液カートリッジケース18に組み付けられて側面18aを構成する。インク液流路部材20には、図4に示すように背面側の中央部でガイド孔31と同一軸線上に位置する貫通孔46が形成され、この貫通孔46を挟んで形成された図示しないスタッド上に配線基板41が固定される。配線基板41は、実装した光学スイッチ36がその検出部(スリット)を貫通孔46に対向させてインク液流路部材20に固定される。
【0064】
インク液流路部材20には、一端を配線基板41に臨ませ他端を側方へと導かれて形成された平行なガイド壁によって上述したリード線44を導くリードガイド溝45が形成される。インク液流路部材20には、固定された配線基板41を囲むようにして、一端を相対する各インク液カートリッジ装填部21に対向させるとともに他端をリードガイド溝45の引き出し部位と対向する側方へと導かれて形成された平行なガイド壁によって構成されるインク液流路26が形成されている。なお、インク液流路部材20には、配線基板41を実装した状態で、リードガイド溝45やインク液流路26を閉塞する図示しないシート材が全面に亘って接合される。
【0065】
インク液流路26は、図4に示すように上段からシアンインク液流路26Cと、ブラックインク液流路26Bと、マゼンタインク液流路26Mと、イエローインク液流路26Yの順に形成される。シアンインク液流路26Cは、一端に基板固定部を越えてシアンインク液カートリッジ装填部21Cに形成したインク供給孔部24Cを連通させ、略水平にインク液流路部材20の一方側端部まで導かれる。ブラックインク液流路26Bは、一端にブラックインク液カートリッジ装填部21Bに形成したインク供給孔部24Bを連通させ、略水平にインク液流路部材20の一方側端部まで導かれる。マゼンタインク液流路26Mは、ブラックインク液流路26Bとほぼ同長で、一端にマゼンタインク液カートリッジ装填部21Mに形成したインク供給孔部24Mを連通させ、略水平にインク液流路部材20の一方側端部まで導かれる。イエローインク液流路26Yは、シアンインク液流路26Cとほぼ同長で、一端にイエローインク液カートリッジ装填部21Yに形成したインク供給孔部24Yを連通させ、略水平にインク液流路部材20の一方側端部まで導かれる。
【0066】
インク液流路部材20には、各インク液流路26が導かれた一方側端部に、上述したヘッドユニット3にインク液を供給する図示しないバイブが結合されるインク供給ノズル47が形成されている。インク供給ノズル47は、上段から順に形成されたシアンインク供給ノズル47Cと、ブラックインク供給ノズル47Bと、マゼンタインク供給ノズル47Mと、イエローインク供給ノズル47Yによって構成される。
【0067】
なお、インク供給ユニット6は、上述したようにインク液カートリッジケース18と隔壁部材19とインク液流路部材20とを組み合わせて筐体を構成するようにしたが、かかる構成に限定されるものでは無いことは勿論である。インク供給ユニット6は、例えばインク液カートリッジケース18に隔壁部材19の横隔壁部30c、30dの相当部位を一体に形成するとともに、インク液流路部材20の相当部位を一体に形成するようにしてもよい。インク供給ユニット6は、隔壁部材19が、インク液カートリッジケース18に対して位置決めして組み付けられるように、筒状基部29に縦隔壁部30a、30bを一体に形成した部材によって構成される。また、インク供給ユニット6は、インク液カートリッジケース18に筒状基部29の相当部位を一体に形成し、この部位にユニット化されたインク液カートリッジ装填検出機構15を組み付けるようにしてもよい。インク供給ユニット6は、必要に応じてインク液カートリッジケース18の前面に、埃等の侵入を防止する蓋体を組み合わせるようにしてもよい。
【0068】
以上のように構成されたインク液カートリッジ装填検出機構15は、上述したようにインク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填されていない状態で検出カム部材34がカム付勢コイルスプリング35の弾性力を作用され、図5及び図7に示すようにカム部39がインク液カートリッジ装填部21内に突出するとともに作動部40が検出軸部材32のカム溝37に係合している。インク液カートリッジ装填検出機構15は、検出軸部材32が軸付勢コイルスプリング33の弾性力に抗して、隔壁部材19に形成した筒状基部29のガイド孔31内に収納され、スイッチ作動部38が光学スイッチ36をオフ状態とする。
【0069】
インク液カートリッジ装填検出機構15は、例えばブラックインク液カートリッジ装填部21B内にのみブラックインク液カートリッジ12Bが装填されると、検出カム部材34Bがブラックインク液カートリッジ12Bによってカム部39の傾斜カム面39aを押圧される。検出カム部材34Bは、カム付勢コイルスプリング35の弾性力に抗して、カム部39Bがガイド孔31内に退出するとともに作動部40Bがカム溝37Bから退出して検出軸部材32の保持状態を解除する。
【0070】
しかしながら、インク液カートリッジ装填検出機構15は、他の検出カム部材34による検出軸部材32の保持状態が解除されていないことから、この検出軸部材32が初期状態に保持されて光学スイッチ36をオフ状態のままとする。インク液カートリッジ装填検出機構15においては、全てのインク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填されることによって、各検出カム部材34による検出軸部材32の保持状態が解除される。インク液カートリッジ装填検出機構15は、検出軸部材32が軸付勢コイルスプリング33の弾性力によってガイド孔31内をスライド動作し、そのスイッチ作動部38がインク液流路部材20の貫通孔46を貫通してスリット42内に進入することで光学スイッチ36をオン状態とする。
【0071】
プリンタ装置1は、上述したように全てのインク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填された状態をインク液カートリッジ装填検出機構15が検出して図5に示すように検出信号を制御部14に出力する。プリンタ装置1は、この検出信号に基づいて制御部14からヘッドユニット3に印刷許可の制御信号が出力され、所定の印刷動作が行われるようにする。プリンタ装置1は、全てのインク液カートリッジ装填部21内にインク液カートリッジ12が装填された場合にのみ印刷動作が可能となる。
【0072】
プリンタ装置1は、インク液カートリッジケース18の内部を4個のインク液カートリッジ装填部21に区割りするとともにデッドスペースとなる交差部位を構成する隔壁部材19の筒状基部29に上述したインク液カートリッジ装填検出機構15が設けられる。したがって、プリンタ装置1は、1個の光学スイッチ36によって各インク液カートリッジ装填部21に対するインク液カートリッジ12の装填状態を検出することが可能となり、部品点数を削減してコスト低減が図られるとともにスペースの効率化やリード線の配線構造の簡易化による小型化が図られる。
【0073】
プリンタ装置1においては、インク液カートリッジ装填検出機構15が、隔壁部材19の筒状基部29に形成したガイド孔31内をスライド動作する検出軸部材32によって光学スイッチ36を動作させるように構成したが、かかる構造に限定されるものでは無い。図9に示したインク液カートリッジ装填検出機構50は、各インク液カートリッジ装填部21内に挿脱されるインク液カートリッジ12を検出する検出カム部材34と、この検出カム部材34によってスライド動作を制御される検出軸部材32を備える基本的な構成を同等とするが、検出軸部材32がスイッチ作動部8によって機械スイッチ51を開閉して検出信号を出力する。
【0074】
インク液カートリッジ装填検出機構50は、検出軸部材32の軸線上に位置して例えば一対の弾性接点片からなる機械スイッチ51が配置される。インク液カートリッジ装填検出機構50は、各インク液カートリッジ装填部21にインク液カートリッジ12が装填されていない状態では、検出軸部材32のカム溝37に検出カム部材34の作動部40が相対係合して検出軸部材32が図9鎖線で示す位置にあって機械スイッチ51が開放されている。
【0075】
インク液カートリッジ装填検出機構50は、各インク液カートリッジ装填部21にインク液カートリッジ12が装填されると、上述したように検出カム部材34がその作動部40とカム溝37との係合状態を解除されることで検出軸部材32が軸付勢コイルスプリング33の弾性力によって図9実線で示す位置へとスライド動作する。インク液カートリッジ装填検出機構50は、検出軸部材32がスイッチ作動部38によって機械スイッチ51を閉成させて検出信号を出力させる。
【0076】
インク液カートリッジ装填検出機構50は、インク液カートリッジ装填部21からインク液カートリッジ12が取り出されると上述したように検出カム部材34がカム付勢コイルスプリング35の弾性力によって初期位置へと復帰する動作を行う。インク液カートリッジ装填検出機構50は、検出カム部材34がその作動部40によってカム溝37の傾斜カム面39aを押圧しながら復帰動作を行うことで、軸付勢コイルスプリング33の弾性力に抗して検出軸部材32を初期位置へと復帰させる。インク液カートリッジ装填検出機構50は、これによって検出軸部材32による機械スイッチ51の閉成状態が解除されるようにする。
【0077】
上述したインク液カートリッジ装填検出機構15、50においては、スライド動作する検出軸部材32によってスイッチ36、51のスイッチング動作を行うようにしたが、かかる構成に限定されるものでは無い。図10に示したインク液カートリッジ装填検出機構55は、筒状の検出筒軸部材56を固定して設けるとともに、この検出筒軸部材56の両端部に対向して発光素子57と受光素子58とが配置される。インク液カートリッジ装填検出機構55は、検出筒軸部材56が、両端に貫通する軸孔内を発光素子57から出射された検出光を導光して受光素子58で受光させる検出光孔59として構成する。
【0078】
インク液カートリッジ装填検出機構55は、検出筒軸部材56に、検出光孔59に開口するスリット状のカム溝60が形成される。インク液カートリッジ装填検出機構55は、上述した検出カム部材34と同様に、図示しないカム付勢スプリングによってカム部が各インク液カートリッジ装填部21内への突出習性を付与されるとともに薄板状の遮光カム凸部62がカム溝60との係合習性を付与された検出カム部材61を備える。インク液カートリッジ装填検出機構55は、検出カム部材61が、図10に示すようにカム溝60内に係合する遮光カム凸部62によって検出光孔59の一部を閉塞する。
【0079】
インク液カートリッジ装填検出機構55は、各インク液カートリッジ装填部21にインク液カートリッジ12が装填されていない状態では、カム付勢スプリングの弾性力によって検出カム部材61の遮光カム凸部62が検出筒軸部材56のカム溝60に相対係合して検出光孔59を閉塞する。したがって、インク液カートリッジ装填検出機構55は、発光素子57から出射された検出光が、検出光孔59内において遮光カム凸部62によって遮光されることで受光素子58で受光されない状態にある。
【0080】
インク液カートリッジ装填検出機構55は、各インク液カートリッジ装填部21にインク液カートリッジ12が装填されると、検出カム部材61が駆動されて遮光凸部62がカム溝60内から退出する動作が行われる。インク液カートリッジ装填検出機構55は、遮光カム凸部62による検出光孔59による遮光状態が解除され、発光素子57から出射された検出光が受光素子58で受光されて検出信号が出力される。
【0081】
インク液カートリッジ装填検出機構55は、インク液カートリッジ装填部21からインク液カートリッジ12が取り出されると検出カム部材61がカム付勢コイルスプリングの弾性力によって初期位置へと復帰する動作を行う。インク液カートリッジ装填検出機構55は、検出カム部材61が遮光カム凸部62によって検出光孔59を閉塞することで、発光素子57から出射された検出光が受光素子58で受光されない状態とする。
【0082】
インク液カートリッジ装填検出機構55においては、固定された検出筒軸部材56を備えることによって軸付勢コイルスプリング33が不要となり、また検出カム部材61も遮光カム凸部62を薄厚に形成することが可能となる。インク液カートリッジ装填検出機構55においては、軸付勢コイルスプリングを不要とすることで各検出カム部材61に対応して設けるカム付勢コイルスプリングもより小さく弾性力の小さなものを用いることが可能である。
【0083】
インク液供給ユニット6には、所定のインク液カートリッジ装填部21に所定のインク液カートリッジ12が挿脱されてインク液流路部材20を介してヘッドユニット3にインク液を供給する。インク液カートリッジ12としては、上述したようにブラックインク液を供給するブラックインク液カートリッジ12Bと、マゼンタインク液を供給するマゼンタインク液カートリッジ12Mと、シアンインク液を供給するシアンインク液カートリッジ12Cと、イエローインク液を供給するイエローインク液カートリッジ12Yとが用いられる。各インク液カートリッジ12は、全て同一の外形形状とされ、後述する識別構造によって外観的な識別とともに、対応するインク液カートリッジ装填部21に装填する際の機械的かつ電気的な識別が行われる。また、各インク液カートリッジ12は、全て同一の向きでインク液カートリッジ装填部21に装填されることから、インク液カートリッジケース18と共同して上下の判別が行われる。
【0084】
インク液カートリッジ12は、図11に示すように、ポリエチレン樹脂、ウレタン樹脂或いはポリスチレン樹脂等の合成樹脂によって形成されたカートリッジケース65と、このカートリッジケース65内に装填されるインク液パック体66とから構成される。インク液カートリッジ12は、インク液パック体66が、後述するパック容器にインク液を封入したインクパック67と、このインクパック67に取り付けられるインク液供給孔部材68と、このインク液供給孔部材68がゴムパッキン69を介して嵌合されるとともに上述した識別子28が一体に形成されてインク液カートリッジ装填部21のカートリッジ識別部25に係合されるタンクキャップ部材70とから構成される。
【0085】
カートリッジケース65は、外形寸法がほぼ等しい下ケース71と上ケース72とが相対する幅方向の一方側縁部に沿って形成された薄肉のヒンジ部73を介して一体に形成される。カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とがそれぞれ略円弧状の断面形状を有する矩形の皿状に形成されており、図13に示すようにヒンジ部73を折り曲げて重ね合わせることによって内部にインク液パック体66の装填空間部を構成する。カートリッジケース65は、インク液パック体66を装填した状態で、図12に示すように奥行き方向の一方側面にインクパック67に一体化したタンクキャップ部材70を固定した状態で突出させてインク液カートリッジ12を構成する。
【0086】
カートリッジケース65は、突出させたタンクキャップ部材70を装填側として後述するようにインク液カートリッジ12をインク液カートリッジ装填部21内に装填させる。カートリッジケース65には、インク液カートリッジ12を手軽に持ち運びしたりインク液カートリッジ装填部21内から容易に取り出すことを可能とするために、図11及び図13に示すようにタンクキャップ部材70を固定した装填面と対向する前方側の側面に折り畳み自在なハンドル部74が一体に形成されている。
【0087】
ところで、インク液カートリッジ12は、カートリッジケース65が下ケース71と上ケース72とをほぼ同形に形成するとともに各インク液カートリッジ装填部21に対して同じ向きで装填されることから、上下を逆にした状態で装填する虞がある。インク液カートリッジ12は、無理な誤装填操作によって、インク液カートリッジケース18や隔壁部材19の破損等の問題を生じさせる。また、インク液カートリッジ12は、インク液カートリッジケース18側のインク供給孔部24と接続筒部100との軸線がズレてインク液の供給不良が生じることがある。したがって、インク液カートリッジ12は、カートリッジケース65に誤装填防止構造が形成される。
【0088】
誤装填防止構造は、上述したインク液カートリッジケース18側のリブ22と隔壁部材19側のリブ23と共同して後述する判別を行う、カートリッジケース65の下ケース71と上ケース72の外側面にそれぞれ一体に形成した奥行き方向の複数個のリブ75、76によって構成する。カートリッジケース65は、詳細には図11及び図14に示すように、下ケース71の外側面に4個のリブ75を形成するとともに、上ケース72の外側面にも4個のリブ76を形成する。カートリッジケース65は、下ケース71のリブ75と上ケース72のリブ76が、位置を異にして形成されることによって視覚的或いは把持した状態で上下の識別を可能とする。なお、カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72にそれぞれ個数を異にしてリブ75、76を形成するようにしてもよい。
【0089】
インク液カートリッジ12は、上下の判別が行われてインク液カートリッジ装填部21内に装填されると、リブ75、76がインク液カートリッジケース18や隔壁部材19に形成した相対するリブ22、23に対してそれぞれ隣り合って接触した状態となる。したがって、インク液カートリッジ12は、これらのリブ75、76の相対するリブ22、23に沿ったスライド動作によりインク液カートリッジ装填部21内で傾きを生じることなく装填することが可能となり、装填ガイド構造が構成される。なお、リブ75、76は、カートリッジケース65の下ケース71や上ケース72の機械的強度を向上させて薄型化を図ることも可能とさせる。
【0090】
カートリッジケース65は、例えばリブ75、76に代えて下ケース71と上ケース72の外側面にそれぞれ奥行き方向の複数個のガイド溝を形成するようにしてもよい。カートリッジケース65は、これらのガイド溝をインク液カートリッジケース18や隔壁部材19に形成したリブ22、23に対向して形成する。インク液供給ユニット65は、インク液カートリッジケース18や隔壁部材19側のリブ22、23を各インク液カートリッジ装填部21毎に位置を異にして形成するとともに、インク液カートリッジ12にも同様にして各色毎に位置を異にしたガイド溝を形成することによって、色違いのインク液カートリッジ12の誤装填を防止する誤装填防止構造も構成することが可能である。
【0091】
インク液カートリッジ12には、図12に示すようにカートリッジケース65の外周部にインク液の色や容量或いは製造情報や取り扱い説明等の仕様を表示したシールラベル77が貼り付けられる。インク液カートリッジ12は、このシールラベル77をインク液に合わせて色分けしたものとすることによって色識別を可能とする。インク液カートリッジ12は、後述するようにヒンジ部73を折り曲げて下ケース71と上ケース72とを重ね合わせてカートリッジケース65を構成するが、同図に示すようにシールラベル77がヒンジ部73と対向する下ケース71と上ケース72の外周部に跨って貼り付けられることによりって結合部材としても機能する。
【0092】
なお、シールラベル77は、下ケース71と上ケース72とに対して、少なくともヒンジ部73と対向する突き合わせ部位を被覆して接合する大きさを有しているが、下ケース71と上ケース72とを重ね合わせた状態で全周を包み込むようにして貼り付けられるラベル体であってもよいことは勿論である。インク液カートリッジ12は、図12に示すようにシールラベル77のタンクキャップ部材70と対向する側縁部位に、このタンクキャップ部材70に形成されてインク液の色に合わせて破断される識別子28を指し示すガイドマーク78が設けることによって識別子28の破断処理が確実に行われるようにする。
【0093】
カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とを重ね合わせて構成される装填空間部内に、振動等が加えられてもインクパック体66が内部で移動することなく装填状態を保持する。カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とを重ね合わせて、上述したようにインク液カートリッジケース18と隔壁部材19の各リブ22、23によって構成する略紡錘形状のインク液カートリッジ装填部21とほぼ等しい略紡錘形状の外形とされる。なお、カートリッジケース65は、上述した各インク液カートリッジ装填部21に共用されるインクカートリッジ装填検出機構15が備えられないインク液カートリッジケースに着脱される場合等において、外形を略紡錘形状とする必要は無く略紡錘形状の装填空間部が構成されるようにすればよい。
【0094】
下ケース71は、図11に示すようにその深さが、中央領域が深く両側に向かって次第に浅くした断面が略円弧状に形成される。下ケース71は、外周壁に沿った内周部位が後述するように上ケース72の外周部位と共同してインクパック67の外周部を全周に亘って挟み込んで保持する保持領域を構成する。下ケース71には、図15に示すようにヒンジ部73と対向する側縁部の内面に、奥行き方向に離間して嵌合孔79aを有する一対の嵌合部79が形成されている。嵌合部79は、後述するように当該側縁部側において、重ね合わされた下ケース71と上ケース72との突き合せ状態を保持する部位を構成する。各嵌合部79は、図11及び図13に示すように下ケース71の側面にその対応部位が開口されており、この開口部79bを介して溶着処理が施されるようにする。
【0095】
下ケース71には、嵌合部79の間に位置して複数個の第1保持リブ80が立設されるとともに、ヒンジ部73側の側縁部の内面にもこれら第1保持リブ80とそれぞれ対向して第2保持リブ81が立設されている。これら第1保持リブ80と第2保持リブ81は、図11に示すように相対する側縁が内方に向かって次第に傾斜する面取りが施され、後述するように上ケース72と共同してインクパック67の外周部を挟み込んで保持する保持片を構成する。
【0096】
下ケース71には、奥行き方向の一方側壁71aに、幅方向の中央部に位置して、後述するようにカートリッジケース65に装填されたインク液パック体66のインク液供給孔部材68を外方へと突出させる円弧状のガイド凹部82が形成されている。下ケース71には、側壁71aの外側面に、幅方向の両側に位置して第1位置決め嵌合凸部83Aと第2位置決め嵌合凸部83Bとが一体に形成されている。これら位置決め凸部83は、互いに軸径を異にされたピン状凸部であり、後述するようにインク液パック体66のタンクキャップ部材70を位置決めして組み合わせるようにする。
【0097】
下ケース71には、側壁71aと対向する前方の側壁71bに、外側面のほぼ中央部に位置して係合凸部84が一体に形成されている。係合凸部84は、上ケース72側に形成された後述するハンドル部74と対向して形成されており、このハンドル部74が折り畳まれた状態で係合することによって折り畳み状態を保持する。
【0098】
下ケース71には、側壁71b側に位置して両側面にそれぞれ係合ピン49、49が一体に突出されて形成されている。これら係合ピン49は、上述したようにインク液カートリッジ12がインク液カートリッジ装填部21内に所定位置まで装填され際に、インク液カートリッジケース18側に形成された保持片48の係合孔と相対係合する。
【0099】
上ケース72も、図11に示すようにその深さが、中央領域が深く両側に向かって次第に浅くした断面が略円弧状に形成される。上ケース72も、外周壁に沿った内周部位が上ケース72の外周部位と共同してインクパック67の外周部を全周に亘って挟み込んで保持する保持領域を構成する。上ケース72には、図11及び図15に示すようにヒンジ部73と対向する側縁部の内面に、上述した下ケース71側の嵌合部79と対向して奥行き方向に離間する一対の嵌合ピン85が形成されている。嵌合ピン85は、下ケース71と上ケース72とが重ね合わされた状態において、相対する嵌合部79の嵌合孔79aに嵌合されて、当該側縁部側において下ケース71と上ケース72との突き合せ状態を保持する。嵌合ピン85は、下ケース71側に形成した開口部79bを介して嵌合孔79aから突出した先端部に溶着処理が施される。
【0100】
上ケース72にも、嵌合ピン85の間に位置して複数個の第1保持リブ86が立設されるとともに、ヒンジ部73側の側縁部の内面にもこれら第1保持リブ86とそれぞれ対向して第2保持リブ87が立設されている。これら第1保持リブ86と第2保持リブ87も、図11に示すように相対する側縁が内方に向かって次第に傾斜する面取りが施される。これら第1保持リブ86と第2保持リブ87は、後述するように上ケース72が下ケース71に重ね合わされた状態で、上述した下ケース71側の相対する第1保持リブ80と第2保持リブ81とそれぞれ突き合わされてインクパック67の外周部を挟み込む保持片を構成する。
【0101】
上ケース72にも、奥行き方向の一方側壁72aに、幅方向の中央部に位置して、円弧状のガイド凹部88が形成されている。ガイド凹部88は、上ケース72が下ケース71に重ね合わされた状態で、上述した下ケース71側のガイド凹部82と突き合わされてインク液パック体66のインク液供給孔部材68を外方へと突出させる円形のガイド孔を構成する。
【0102】
上ケース72には、側壁72aと対向する前方の側壁72bに、外側面のほぼ中央部に位置してハンドル部74が一体に形成されている。ハンドル部74は、両端を薄肉のヒンジ部89を介して側壁72bから一体に突設された略コ字状の部材からなる。ハンドル部74は、上ケース72が下ケース71に重ね合わされた状態で、ヒンジ部89を介して側壁72bに沿って折り畳まれることによって図13に示すように下ケース71側の係合凸部84に係合されてその状態を保持される。したがって、ハンドル部74は、不要時においてカートリッジケース65から突出して邪魔になることは無い。
【0103】
ハンドル部74は、インク液カートリッジ12を持ち運びする際に係合凸部84との係合状態を解除してヒンジ部89を介して展開操作されることで、手軽に持ち運びすることを可能とする。ハンドル部74は、インク液カートリッジ12をインク液カートリッジ装填部21から取り出す際にもヒンジ部89を介して展開操作されることによって、容易に取り出すことを可能とする。なお、ハンドル部74は、上述した略コ字状の形状に限定されず、例えば上ケース72に一体に形成された略L字状の部位であってもよい。
【0104】
インク液カートリッジ12には、図13及び図14示すように下ケース71の外側面に一対の作動カム部90B、90Cが一体に形成されかつ上ケース72の外側面にも一対の作動カム部90M、90Yが一体に形成される。インク液カートリッジ12は、これら作動カム部90、91によって、インク液カートリッジ装填部21に装填した際に上述した検出カム部材34の押圧動作を確実に行うとともに装填状態が保持されるようにする。
【0105】
インク液カートリッジ12は、上述したように隔壁部材19によって区割りされて上下左右に配列され、それぞれに検出カム部材34が奥行き方向に対して位置を異にして突出された各色のインク液カートリッジ装填部21に装填される。各インク液カートリッジ12は、図2に示すように下ケース71を下側とし、後述するタンクキャップ部材70を組み付けた側面を装填側として相対するインク液カートリッジ装填部21に装填される。したがって、各インク液カートリッジ12は、各色毎に各検出カム部材34に対する係合位置が異にされて所定のインク液カートリッジ装填部21に装填される。
【0106】
ブラックインク液カートリッジ12Bは、ブラックインク液カートリッジ装填部21Bに装填されることによって、下ケース71のヒンジ部73と対向する側の底面において検出カム部材34Bと係合する。マゼンタインク液カートリッジ12Mは、マゼンタインク液カートリッジ装填部21Mに装填されると、上ケース72のヒンジ部73と対向する側の上面において検出カム部材34Mと係合する。シアンインク液カートリッジ12Cは、シアンインク液カートリッジ装填部21Cに装填されると、下ケース71のヒンジ部73側の底面において検出カム部材34Cと係合する。イエローインク液カートリッジ12Yは、イエローインク液カートリッジ装填部21Yに装填されると、上ケース72のヒンジ部73のヒンジ部73側の上面において検出カム部材34Yと係合する。
【0107】
インク液カートリッジ12は、上述したようにカートリッジケース65が各色に共通して用いられることから、下ケース71と上ケース72とに各インク液カートリッジ装填部21の各検出カム部材34と対応するように合計4個の作動カム部90、91がそれぞれ位置を異にして予め共通して形成されている。下ケース71には、図14に示すようにヒンジ部73側に位置して係合凸部90Cが形成されるとともに、対向する側に位置して作動スム部90Bが形成される。作動カム部90Bは、作動カム部90Yに対して後方側に位置して形成されている。上ケース72には、ヒンジ部73側に位置して作動カム部90Yが形成されるとともに、対向する側に位置して作動カム部90Mが形成される。作動カム部90Mは、作動カム部90Y及び作動カム部90Bに対して後方側に位置して形成されている。
【0108】
インク液カートリッジ12は、インク液カートリッジ装填部21に装填されると、係合凸部90が検出カム部材34に突き当たってこれを押圧してコイルスプリング35の弾性力に抗してインク液カートリッジ装填部21内から退出させる。
【0109】
カートリッジケース65は、後述するように下ケース71の内部空間に、ガイド凹部82にインク液供給部材68を嵌合してタンクキャップ部材70を外方に臨ませてインク液パック体66を装填する。カートリッジケース65は、この状態で下ケース71に対してヒンジ部73を折り曲げて上ケース72が重ね合わされる。カートリッジケース65は、上述したように下ケース71側のガイド凹部82と上ケース72側のガイド凹部88とが共同してタンクキャップ部材70を外方へと引き出すガイド孔を構成する。カートリッジケース65は、下ケース71の側面71aと上ケース72の側面72aに、図12に示すようにタンクキャップ部材70が一体に組み合わされた状態となる。
【0110】
カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とが、図16に示すようにヒンジ部73と対向する側面部において互いに突き合わされる。カートリッジケース65は、下ケース71に形成した嵌合部79の嵌合孔79aに上ケース72に形成した嵌合ピン85が嵌合されて突き合わせ部位が固定される。カートリッジケース65は、上述したように嵌合ピン85の先端部に溶着処理を施すことによって内部空間にインク液パック体66を装填した下ケース71と上ケース72とを一体化する。
【0111】
なお、カートリッジケース65は、上述した嵌合部79と嵌合ピン85が下ケース71と上ケース72とを位置決めして組み合わせる部位として作用させて溶着処理を施す固定部位として作用させなくともよい。カートリッジケース65は、上述したようにマークラベル77によって下ケース71と上ケース72の結合が行われるようにすることで、このマークラベル77の交換によって下ケース71と上ケース72の取り外しが簡単に行われるようにする。カートリッジケース65は、これによってリサイクル特性の向上が図られるようになる。
【0112】
カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とを一体化した状態において相対して形成された第1保持リブ80、86と第2保持リブ81、87とが突き合わされる。カートリッジケース65は、後述するように第1保持リブ80、86と第2保持リブ81、87とがインクパック67の熱シール部91を挟み込む。カートリッジケース65は、上述したように第1保持リブ80、86と第2保持リブ81、87とに相対する側縁部に面取りを形成したことで、突き合わせ状態でこれら面取り部が内方に開口する略三角形状の開口部を構成する。したがって、カートリッジケース65は、図16に示すようにかかる第1保持リブ80、86と第2保持リブ81、87の形状によって側縁部がインクパック67のインク液充填部に鋭角的に当たらないようにしてインクパック67の破損を防止する。
【0113】
なお、カートリッジケース65は、下ケース71と上ケース72とをヒンジ部73を介して一体に形成したが、それぞれ独立の部材として形成するようにしてもよいことは勿論である。カートリッジケース65は、例えば下ケース71にインク液パック体66を装填した状態で上ケース72を組み合わせ、下ケース71と上ケース72の突き合わされた外周部に例えば全周に亘って超音波溶着処理を施して一体化する。カートリッジケース65は、例えば図13に鎖線で示すように下ケース71と上ケース72とを全周に亘って包み込むシールラベル77によって一体化するようにしてもよい。
【0114】
以上のように構成されたカートリッジケース65には、内部の装填空間部にインク液パック体66が収納されてインク液カートリッジ12が構成される。インク液パック体66を構成するインクパック67は、内層から非透水層と遮断層と補強層とを一体に積層して形成したいわゆるラミネートシートを容器素材とし、内部に所定のインク液を封入するとともに外周部を全周に亘って熱シール処理を施して形成される。すなわち、インクパック67は、非透水層が非透水性或いは耐薬品性を有し、熱シール処理を施すことにより密封することが可能な樹脂フィルム、例えばオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂或いはポリエステル系樹脂フィルムによって形成される。
【0115】
インクパック67は、遮断層が外部からのガス、水分或いは光等の侵入を遮断してインク液の劣化を防止するアルミ箔等が用いられ、非透水層を被覆して形成される。インクパック67は、補強層が例えばナイロン樹脂が用いられ、遮断層を被覆することによってこの遮断層や非透水層を保護する。インクパック67は、詳細を省略するが上述した層構造のシート体を重ね合わせるとともに、幅方向の両側縁に沿って全長に亘って熱シール処理を施して両側熱シール部91L、91Rを形成して袋状とするとともに、一方開口部にインク液供給孔部材68やタンクキャップ部材70を組み合わせて熱シール処理を施して開口シール部91Kを形成した状態でインク充填機に供給される。インクパック67には、インク充填機によって開放端側から所定量のインク液が供給された後に、長さ方向の所定位置に熱シール処理を施してエンドシール部91Eが形成されることによって、インク液を封装する。
【0116】
インクパック67は、上述したように外周部を熱シール部91によってシールしたラミネートパックをパック容器とすることから、剛体容器に比較して大容量のインク液を充填することが可能であるとともに軽量で持ち運びも簡易となる。インクパック67は、パック容器の内部にインク液が充填されることによって図11及び図14に示すように略紡錘形に膨らんだ状態を呈する。インクパック67は、熱シール部91によって形成される外形がカートリッジケース65の内部空間とほぼ同寸法とされる。
【0117】
インクパック67は、カートリッジケース65の内部空間に装填された状態で、外周部に対して略紡錘形の充填空間部を構成する円弧状に形成された下ケース71と上ケース72の内面が全面に亘って突き当てられることによって保持される。また、インクパック67は、側熱シール部91Rが下ケース71と上ケース72を重ね合わせることによって突き合わされる第1保持部80、86間に挟み込まれるとともに、側熱シール部91Lが第2保持部81、87間に挟み込まれることによって保持される。
【0118】
したがって、インクパック67は、インク液カートリッジ12に振動や衝撃等が加えられた場合でも、カートリッジケース65内において動くいわゆるあばれ現象の発生が抑制される。インクパック67は、あばれ現象によってカートリッジケース65内の各部と突き当たって折れ曲がり亀裂等が発生することを防止されることで、インク漏れ等の発生が抑制される。
【0119】
インク液供給孔部材68は、合成樹脂材によって一体に形成され、図11及び図17に示すように略菱形に形成された板状の基部92と、この基部92の背面側に一体に突出形成された供給筒部93とから構成され、これら基部92と供給筒部93とを貫通してインク液供給孔94が形成されている。インク液供給孔部材68には、インク液供給孔94を挟んで位置決めピン95と位置決め孔96とが形成され、これら位置決め部を介して後述するようにヘッドキャップ部材9と精密に位置決めされて組み合わされる。
【0120】
ゴムパッキン69は、後述するようにタンクキャップ部材70のインク液孔97内に嵌め込まれることによってこのインク液孔97を封止してインク液漏れを防止する。ゴムパッキン69は、インク液孔97の内径とほぼ等しい外径と所定の厚みを有して形成され、軸方向の中央位置に周回りのフランジ部が形成されてインク液孔97の内壁に密着するようにして嵌め込まれる。
【0121】
タンクキャップ部材70は、基板部98と、立壁部99と、インク液孔97を形成した接続筒部100と、位置決め嵌合部101、102と、6本の識別子28及びシール筒部103が合成樹脂材によって一体に形成される。タンクキャップ部材70は、基板部98が、カートリッジケース65の側面形状とほぼ等しい略紡錘形状の外形に形成され、図12及び図13に示すようにそのハンドル部74を形成した側面と対向する側面側に組み合わされ、インク液カートリッジ12をインク液カートリッジ装填部21へ装填する際の装填側部材を構成する。
【0122】
基板部98には、図17及び図18に示すように基板部98のカートリッジケース65との組み合わせ面と対向する主面98a側に、立壁部99と、接続筒部100と、第1位置決め嵌合部101及び第2位置決め嵌合部102と、上述した6本の識別子28a〜28fとが一体に形成される。基板部98には、図17及び図19に示すように基板部98のカートリッジケース65との組み合わせ面となる主面98b側にシール筒部103が一体に形成される。
【0123】
基板部98には、主面98a側に形成された上述した各部を取り囲むようにして、主面98aの外周縁に全域に亘って立壁部99が一体に形成されている。立壁部99は、識別子28を除く上述した形成各部の高さよりも大きな高さを有してこれらを保護するとともに、インク液カートリッジ12をインク液カートリッジ装填部21に装填する際のガイド部を構成する。立壁部99には、識別子28と対向する位置にそれぞれ切欠き部104、104が形成され、識別子28を外方から識別可能とするとともに後述する識別子28の破断操作が容易に行われるようにする。
【0124】
基板部98には、主面98aのほぼ中央部に位置して接続筒部100が一体に形成される。接続筒部100は、内部にインク液孔97が形成されるとともに、このインク液孔97を薄肉の天井部によって閉塞した有底筒状の部位からなる。接続筒部100は、インク液孔97が、後述するシール筒部103と連通されて主面98b側に開口され、インク液供給孔部材68の供給筒部93の外径とほぼ等しい内径を有している。接続筒部100には、インク液孔97に対してゴムパッキン69を嵌め合わせた状態でインク液供給孔部材68の供給筒部93が嵌挿されることによって、タンクキャップ部材70にインク液供給部材68が組み付けられるようにする。
【0125】
接続筒部100は、インク液カートリッジ12がインク液カートリッジ装填部21内に装填されると、天井部がこのインク液カートリッジ装填部21側の上述したインク供給孔部24と突き合わされる。接続筒部100は、この状態でインク液カートリッジ装填部21側に設けた図示しないノズル針が天井部を突き破ることによって、インク液孔97と上述したインク液流路26とが連通されるようになる。
【0126】
基板部98には、主面98aの両側に位置し、上述した下ケース71に形成した各位置決め嵌合凸部83と対向されて第1位置決め嵌合部101及び第2位置決め嵌合部102が一体に形成される。第1位置決め嵌合部101及び第2位置決め嵌合部102は、図18に示すように下側に位置して形成されるとともに、図17及び図19に示すように相対する主面98b側に開口する嵌合孔101a、102aが形成されている。第1位置決め嵌合部101及び第2位置決め嵌合部102は、それぞれの嵌合孔101a、102aが互いに内径を異にして形成されている。
【0127】
タンクキャップ部材70は、カートリッジケース65に対して、第1位置決め嵌合部101及び第2位置決め嵌合部102の嵌合孔101a、102aに相対する位置決め嵌合凸部83A、83Bを嵌合させて組み合わされる。タンクキャップ部材70は、上述した第1位置決め嵌合部101と第2位置決め嵌合部102との構造によって、カートリッジケース65に対して位置合わせされるとともに上下の誤りが無く組み合わされる。なお、タンクキャップ部材70は、嵌合された嵌合孔101a、102aと位置決め嵌合凸部83A、83Bとに、例えば溶着処理が施されることによってカートリッジケース65と一体化される。
【0128】
基板部98には、図18に示すように主面98a側に接続筒部100を挟んで、一方側に水平方向に並んで3本の識別子28a〜28cが一体に形成されるとともに他方側に3本の識別子28d〜28fが一体に形成されている。これら識別子28は、軸状の凸部からなり、上述したインク液カートリッジ装填部21に形成したカートリッジ識別部25と対向して形成されている。これら識別子28は、各色のインク液カートリッジ12に応じて破断処理が施され、上述したようにカートリッジ識別部25に各色に応じてパターン化して形成した識別孔27に選択的に係合することによって所定のインク液カートリッジ装填部21に所定のインク液カートリッジ12のみが装填されるようにする。
【0129】
基板部98には、主面98bの中央部に位置し、上述したインク液孔97を貫通させるとともに外周部にインクパック67が熱シールされて開口シール部91Kの一部を構成するシール筒部103が一体に形成されている。シール筒部103は、図19に示すように中央部から両側に向かって次第に厚みが小さくされて全体として断面形状がやや扁平な菱形形状を呈して形成されており、基板部98の主面98bとの間にくびれ筒部105を介して一体に形成されている。シール筒部103は、その外周部を挟み込むようにしてパック容器を形成する一対のラミネートシート体が当てがわれて熱シール処理が施されて開口シール部91Kが構成される。シール筒部103は、上述した扁平な菱形形状とされることによって、隙間や重ね合わせ部位が生じることなくラミネートシート体が圧着されて開口シール部91Kが構成されるようになる。
【0130】
くびれ筒部105は、シール筒部103の長手方向の両側頂点部から主面98bに沿ってそれぞれ形成した円弧状のスリット106a、106bによって切り残された円筒形部位からなる。くびれ筒部105は、その外径が上述した下ケース71と上ケース72とに形成したガイド凹部82、88によって構成される円形のガイド孔の内径とほぼ等しい外径を有しかつ下ケース71と上ケース72側壁71a、72aの厚みとほぼ等しい間隔を基板部98の主面98bとシール筒部103との間に構成して形成される。くびれ筒部105は、下ケース71のガイド凹部82と上ケース72のガイド凹部88によって構成されたガイド孔内に略圧入状態で嵌合されることによって、カートリッジケース65に対してタンクキャップ部材70が、シール筒部103を装填空間部内に位置させるとともに基板部98を外方に突出させて組み合わせるようにする。
【0131】
シール筒部103には、前方端面にインク液孔97の開口部を挟んで位置決め孔107と位置決めピン108とが形成されている。シール筒部103は、これら位置決め孔107と位置決めピン108とがインク液供給孔部材68の位置決めピン95と位置決め孔96とに対向して形成されている。したがって、タンクキャップ部材70には、インク液供給孔部材68が、ゴムパッキン69を嵌合したインク液孔97に供給筒部93を嵌合されるとともに位置決め孔107と位置決めピン108とに相対する位置決めピン95と位置決め孔96とが嵌合されて組み合わされる。なお、タンクキャップ部材70とインク液供給孔部材68は、嵌合された位置決め孔107と位置決めピン95及び位置決めピン108と位置決め孔96とに例えば溶着処理を施して一体化される。
【0132】
シール筒部103には、両側に向かって傾斜する外周面にそれぞれ複数条の凹部109が形成されている。シール筒部103は、外周面にインクパック67を構成する上述したシート体が重ね合わされて熱シール処理が施されることによって接合され、開口シール部91Kの一部を構成する。シール筒部103は、上述したように複数条の凹部109を外周面に形成したことによって、熱シール処理を施した際に空気溜まりの発生が抑制されて外周面の全面に対してシート体が密着した状態で接合されるようにする。
【0133】
インク液カートリッジ12においては、上述したようにカートリッジケース65の装填空間部内において、上ケース71と下ケース72の内面によりインクパック67の紡錘形状に膨らんだ外周部を保持するとともに第1保持リブ80と第2保持リブ81とによって両側熱シール部91R、91Lをそれぞれ挟み込んで保持することによってあばれ現象の発生を抑制する。インク液カートリッジ12においては、カートリッジケース65に対してインクキャップ部材70が位置決めされて強固に固定された構造である。インク液カートリッジ12においては、インクパック67と一体化したインクキャップ部材70がくびれ筒部105をガイド孔に圧入することによってカートリッジケース65から引き出されることから、カートリッジケース65を介しての外方からの力やインク液カートリッジ装填部21への挿脱操作時の力がインクパック67に作用されないようにする。したがって、インク液カートリッジ12においては、インクパック67が折れ曲がって亀裂や破損するといった不都合の発生が確実に防止される。
【0134】
以下、上述したインク液パック体66の形成工程について説明する。インク液パック体66の形成工程には、上述したように2枚のラミネートシート体を重ね合わせて両側縁に沿って熱シール処理を施すことにより両側熱シール部91L、91Rを介して袋状に形成されたパック容器素材が供給される。インク液パック体66の形成工程においては、このパック容器素材の一方開口部からインク液供給部材68とゴムパッキン69及びタンクキャップ部材70の組立体が組み合わされる。
【0135】
インク液パック体66の形成工程においては、図20に示すようにパック容器素材がその開口縁をタンクキャップ部材70の基部98の側面98bに突き当てられ、この状態で幅方向の全長に亘って熱シール処理が施される。熱シール処理は、同図に示すようにタンクキャップ部材70のシール筒部103の軸長とほぼ同等の幅でパック容器素材に対して施されて、開口シール部91Kを形成する。インク液パック体66の形成工程においては、パック容器素材に対してインク充填機によって開放端側から所定量のインク液が供給され後に、長さ方向の所定位置に熱シール処理を施してエンドシール部91Eが形成されることによって内部に所定量のインク液を封装したインクパック67にインク液供給孔部材68とタンクキャップ部材70とを組み合わせたインク液パック体66を完成する。
【0136】
インク液パック体66は、図21に示すように下ケース71の内部にインクパック67を収納させるとともに、くびれ筒部105をガイド凹部82に圧入状態に嵌合させてタンクキャップ部材70を側面71aから突出させて組み合わされる。インク液パック体66は、タンクキャップ部材70が基板部98を側面71aと重ね合わされた状態で組み合わされる。インク液パック体66は、この状態でインクパック67の両側熱シール部91L、91Rが第1保持リブ80と第2保持リブ81上に載置される。インク液パック体66は、ヒンジ部73を介して上ケース72が下ケース71に重ね合わされることによって内部空間部に収納されてインク液カートリッジ12を構成する。
【0137】
インク液カートリッジ12は、上ケース72と下ケース71とを重ね合わせた状態で嵌合される嵌合部79と嵌合ピン85とに溶着処理が施されて、上ケース72と下ケース71とを一体化する。インク液カートリッジ12においては、カートリッジケース65の内部空間において、上述したようにインクパック67の外周部が上ケース72と下ケース71の内面によって保持されるとともに両側熱シール部91L、91Rが相対する第1保持リブ80、86間及び第2保持リブ81、87間で挟み込まれて保持される。
【0138】
インク液カートリッジ12は、上述したようにインクパック67に充填したインク液の色に応じて所定のインク液カートリッジ装填部21にのみ装填可能とされるために、タンクキャップ部材70に形成した識別子28の切断処理が行われる。ブラックインク液カートリッジ装填部21Bには、上述したようにカートリッジ識別部25Bに(0、0、1)及び(1、1、1)に配列されて識別孔27が形成される。したがって、ブラックインク液カートリッジ12Bは、この識別孔27の配列パターンに対応して図22(A)に示すように識別子28a〜28dが残され、識別子28e、28fが切断される。
【0139】
また、マゼンタインク液カートリッジ装填部21Mには、カートリッジ識別部25Mに(0、1、0)及び(1、1、1)に配列されて識別孔27が形成される。したがって、マゼンタインク液カートリッジ12Mは、この識別孔27の配列パターンに対応して図22(B)に示すように識別子28a〜28c及び28eが残され、識別子28d、28fが切断される。シアンインク液カートリッジ装填部21Cには、カートリッジ識別部25Cに(0、1、1)及び(0、1、1)に配列されて識別孔27が形成される。したがって、シアンインク液カートリッジ12Cは、同図(C)に示すように識別子28a、28bと識別子28d、28eが残され、識別子28c、28fが切断される。イエローインク液カートリッジ装填部21Yには、カートリッジ識別部25Yに(0、1、1)及び(1、0、1)に配列されて識別孔27が形成される。したがって、イエローインク液カートリッジ12Yは、同図(D)に示すように識別子28a、28cと識別子28d、28eが残され、識別子28b、28fが切断される。
【0140】
なお、上述した実施の形態として示したインクジェットプリンタ装置に限定されるものでは無く、複数種の液体を対象物に対して吐出する各種の液体吐出装置に適用されることは勿論である。本発明は、例えばファクシミリや複写機、液体中のDNAチップ用吐出装置(特開2002−34560号公報)、プリント配線基板の配線パターンを形成する導電性粒子を含む液体吐出装置等にも適用可能である。液体は、例えばプリント配線基板の絶縁層等を形成するレジストのようにゲル状であってもよい。また、プリンタ装置については、ライン型プリンタばかりでなく、シリアル型プリンタであってもよい。
【0141】
実施の形態においては、インク液カートリッジ12のタンクキャップ部材70も共通部材として用いられ、予め形成した複数本のピン状の識別子28を所定のインク液カートリッジ装填部21のカートリッジ識別部25に形成した識別孔27のパターンに合わせて切断処理を行うようにしたが、かかる構成に限定されるものでは無い。タンクキャップ部材70は、各色に合わせてそれぞれ独立の部材として形成することで識別子28の切断工程を省略することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の実施の形態として示すインクジェットプリンタ装置を、ヘッドユニット着脱開口部を開口して示す斜視図である。
【図2】ヘッドユニットに備えられるインク液供給ユニットの構造を示す要部分解斜視図である。
【図3】インク液カートリッジケースの正面図である。
【図4】インク液カートリッジケースの背面図である。
【図5】インク液カートリッジ装填検出機構の構造を示す断面図である。
【図6】インク液カートリッジを装填したインク液カートリッジ装填検出機構の構造を示す断面図である。
【図7】インク液カートリッジ装填検出機構の構造を示す要部断面図である。
【図8】インク液カートリッジを装填したインク液カートリッジ装填検出機構の構造を示す要部断面図である。
【図9】インク液カートリッジ装填検出機構の他の実施の形態を示す要部構成図である。
【図10】インク液カートリッジ装填検出機構のさらに他の実施の形態を示す要部構成図である。
【図11】インク液カートリッジの分解斜視図である。
【図12】インク液カートリッジの装填部側からの斜視図である。
【図13】インク液カートリッジの背面側からの斜視図である。
【図14】カートリッジケースとインクパック体の組み合わせ動作の説明図である。
【図15】下ケースと上ケースを展開した状態のカートリッジケースの平面図である。
【図16】インク液カートリッジの断面図である。
【図17】インクパックに組み合わされてインク供給部を構成するインク液供給孔部材とゴムパッキンとタンクキャップ部材の分解断面図である。
【図18】タンクキャップ部材の正面図である。
【図19】タンクキャップ部材の背面図である。
【図20】インクパック体の一部切り欠き要部平面図である。
【図21】インクパック体を下ケースに装填した状態の要部平面図である。
【図22】識別子を切断した各色インク液カートリッジの斜視図であり、同図(A)はブラックインク液カートリッジ、同図(B)はマゼンタインク液カートリッジ、同図(C)はシアンインク液カートリッジ、同図(D)はイエローインク液カートリッジを示す。
【符号の説明】
【0143】
1 プリンタ装置、2 プリンタ本体、3 ヘッドユニット、5 印刷部、6 インク液供給ユニット、7 筐体、12 インク液カートリッジ、15 インク液カートリッジ装填検出機構、18 インク液カートリッジケース、19 隔壁部材、20 インク流路部材、21 インク液カートリッジ装填部、22,23 リブ、24 インク供給孔部、25 カートリッジ識別部、26 インク液流路、27 識別孔、28 識別子、29 筒状基部、30 隔壁部、31 ガイド孔、32 検出軸部材、33 軸付勢コイルスプリング、34 検出カム部材、35 カム付勢コイルスプリング、36 光学スイッチ、37 カム溝、38 スイッチ作動部、39 カム部、40 作動部、50 インク液カートリッジ装填検出機構、51 機械スイッチ、55 インク液カートリッジ装填検出機構、56 検出筒軸部材、57 発光素子、58 受光素子、59 検出光孔、60 カム溝、61 検出カム部材、62 遮光カム凸部、65 カートリッジケース、66 インク液パック体、67 インクパック、68 インク液供給孔部材、69 ゴムパッキン、70 タンクキャップ部材、71 下ケース、72 上ケース、73 ヒンジ部、74 ハンドル部、75,76 ハブ、77 マークラベル、78 ガイドマーク、79 嵌合部、80,81 保持リブ、82 ガイド凹部、83 位置決め嵌合凸部、84 係合凸部、85 嵌合ピン、86,87 保持リブ、88 ガイド凹部、89 ヒンジ部、90 作動カム部、91 熱シール部、92 基部、93 供給筒部、94 インク液供給孔、95 位置決めピン、96 位置決め孔、97 インク液孔、98 基板部、99 立壁部、100 接続筒部、101,102 位置決め嵌合部、103 シール筒部、104 切欠き部、105 くびれ筒部、106 スリット、107 位置決め孔、108 位置決めピン、109 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出装置の液体カートリッジ装填部に装填されることによって、液体を供給する液体カートリッジにおいて、
内部にパック装填空間部を構成したカートリッジケースと、
重ね合わせた一対のシート体の外周部位に全周に亘って熱シール処理を施して袋状に形成したパック容器の内部に液体を封入するとともに、上記パック容器に一体化されて上記カートリッジケースから突出された供給部が上記液体カートリッジ装填部に設けられた液体供給孔部に接続されて液体を供給する液体供給部材とからなる液体パックとを備え、
上記カートリッジケースが、上記パック装填空間部の内面を内部に液体を封入することによって略紡錘形に膨らんだ上記パック容器の外周面の形状とほぼ等しい湾曲面とすることによって略紡錘形の空間部として構成され、その内周面によって装填された上記液体パックの外周面を保持することを特徴とする液体カートリッジ。
【請求項2】
上記カートリッジケースが、それぞれ略円弧状の内面を有する薄箱状の下ケース及び上ケースと、これらの相対する側縁部に沿って形成された薄肉の連結ヒンジ部とからなり、
上記連結ヒンジ部を折り曲げて上記下ケースと上記上ケースとを重ね合わせて内部に上記パック装填空間部を構成することを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
【請求項3】
上記下ケースと上記上ケースとに、それぞれの内面に幅方向に対向するとともに、上記連結ヒンジ部を介して上記下ケースと上記上ケースとを重ね合わせた状態でそれぞれ突き合わされる複数個の第1保持リブと第2保持リブとを一体に形成され、
第1保持リブと第2保持リブとが、上記パック容器の外周部に沿って形成された熱シール部を挟み込むことによって、上記液体パックを上記パック装填空間部内で保持することを特徴とする請求項2に記載の液体カートリッジ。
【請求項4】
上記各保持リブが、内側縁部に下方に向かって次第に傾斜する面取りが施され、突き合わせ状態でこれら面取り部が内方に開口する略三角形状の開口部を構成することを特徴とする請求項3に記載の液体カートリッジ。
【請求項5】
上記下ケースと上記上ケースの外周壁に、それぞれ相対して形成されて上記連結ヒンジ部を介して上記下ケースと上記上ケースとを重ね合わせた状態でガイド孔を構成するガイド凹部が形成されるとともに、
上記液体供給部材に、上記ガイド孔の内径よりも大径とされ上記パック容器の内部に嵌挿されて外周部に上記シート体が熱シールされるシール筒部と、このシール筒部の周回りに上記ガイド孔と略同径に形成されたくびれ筒部とが形成され、
上記カートリッジケースが、上記パック装填空間部内に装填した上記液体パックを、上記ガイド孔に上記くびれ筒部を嵌合させて、上記液体供給部材に形成した液体供給筒部を外方に引き出すことを特徴とする請求項2に記載の液体カートリッジ。
【請求項6】
上記下ケースと上記上ケースとに、上記ヒンジ部と対向する側縁部の近傍に位置して相対して形成され、上記連結ヒンジ部を介して上記下ケースと上記上ケースとを重ね合わせた状態で相対嵌合してこの重ね合わせ状態を保持する嵌合凸部と嵌合孔とからなる手段が一体に形成されることを特徴とする請求項2に記載の液体カートリッジ。
【請求項7】
上記カートリッジケースの相対する上面と底面とに、それぞれ上記液体カートリッジ装填部との挿脱方向と平行に多数個のリブを一体に形成し、
上記各リブが、上記液体カートリッジ装填部の内面に相対して形成されたリブに沿ってスライドすることで、挿脱操作のガイド手段を構成することを特徴とする請求項1に記載の液体カートリッジ。
【請求項8】
上記各リブが、上記カートリッジケースの上面と底面とで位置や形状を異にして形成されることによって、上下識別手段を構成することを特徴とする請求項7に記載の液体カートリッジ。
【請求項9】
上記カートリッジケースが、上記相対する上面と底面とに形成される上記各リブが、上記液体カートリッジ装填部の上面と底面にそれぞれ位置や形状を異にして形成された各リブに対応して位置や形状を異にして形成されることによって、
上下方向を逆にした誤装填操作を防止する誤装填防止手段を構成することを特徴とする請求項7に記載の液体カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−83677(P2007−83677A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−278496(P2005−278496)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】