説明

液体処理方法および液体処理装置

【課題】低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整して、適切な微生物処理能力を発揮できる液体処理方法および液体処理装置を提供する。
【解決手段】この液体処理装置としての排水処理装置では曝気槽22内部の処理水の微生物濃度を計測する微生物濃度計6からの微生物濃度を表す信号が微生物濃度調節計7に入力され、微生物濃度調節計7から循環ポンプ10,11に制御信号を送信することで、循環ポンプ10,11の回転数が制御される。これにより、曝気槽22内の処理水の微生物濃度に応じて、マイクロナノバブル発生機8,9によるマイクロナノバブル発生量を制御して、結果的に曝気槽22内の微生物濃度を制御する。これにより、曝気槽22に要求される微生物処理能力を適切にコントロールすることが可能となり、排水処理を効率良く実行できることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、微生物で液体を処理する液体処理方法および液体処理装置に関し、例えば、微生物で排水を処理する排水処理方法および排水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、微生物処理槽において微生物で排水を処理する排水処理装置では、微生物濃度を変えて微生物処理能力を制御する方法として、微生物の栄養剤を多量に添加して微生物濃度を増加させる手法や、沈殿槽から微生物汚泥を引き抜くことで微生物濃度を急激に減少させる手法が取られていた。
【0003】
ところが、これらの手法では、栄養剤の添加や汚泥の引き抜きの工程によるランニングコストが掛かるという欠点がある。また、栄養剤を多量に添加すると処理負荷が増大する問題もある。
【0004】
ところで、従来技術としてのナノバブルの利用方法および利用装置が特許文献1(特開2004−121962号公報)に記載されている。この従来技術では、ナノバブルが有する浮力の減少、表面積の増加、表面活性の増大、局所高圧場の生成、静電分極の実現による界面活性作用と殺菌作用などの特性を活用することが示されている。より具体的には、それらが相互に関連することによって、汚れ成分の吸着機能、物体表面の高速洗浄機能、殺菌機能によって各種物体を高機能、低環境負荷で洗浄することができ、汚濁水の浄化を行うことができることを開示している。
【0005】
また、別の従来技術としてのナノ気泡の生成方法が、特許文献2(特開2003−334548号公報)に記載されている。この従来技術は、液体中において、(i)液体の一部を分解ガス化する工程、(ii)液体中で超音波を印加する工程、または、(iii)液体の一部を分解ガス化する工程および超音波を印加する工程から構成されていることを開示している。
【0006】
また、他の従来技術としてのオゾンマイクロバブルを利用する廃液の処理装置が、特許文献3(特開2004−321959号公報)に記載されている。この従来技術は、マイクロバブル発生装置にオゾン発生装置より生成されたオゾンガスと処理槽の下部から抜き出された廃液を加圧ポンプを介して供給している。また、生成されたオゾンマイクロバブルをガス吹き出しパイプの開口部より処理槽内の廃液中に通気することを開示している。
【0007】
しかし、特許文献1〜3に開示された従来技術は、微生物濃度を制御するものではなかった。
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特開2003−334548号公報
【特許文献3】特開2004−321959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明の課題は、低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整して、適切な微生物処理能力を発揮できる液体処理方法および液体処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、この発明の液体処理方法は、微生物処理槽内へ液体を導入すると共に上記微生物処理槽内へマイクロナノバブルを導入して上記液体を微生物処理する工程と、
上記微生物処理槽内へ導入するマイクロナノバブルの量を制御して、上記微生物処理槽内の微生物濃度を調整する工程を備えることを特徴としている。
【0010】
この発明の液体処理方法によれば、上記微生物処理槽内へ導入するマイクロナノバブルの量を制御することによって、微生物処理槽内の微生物濃度を調整する。したがって、この発明によれば、微生物濃度を調整するに際し、従来のような栄養剤の添加や汚泥の引き抜きの工程が不要になりランニングコストの増大を抑制できる上に、栄養剤を多量に添加する必要がないので処理負荷が増大することもない。よって、この発明によれば、単純な物理的方法により低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整でき、適切な微生物処理能力を発揮できる液体処理方法を実現できる。また、マイクロナノバルブの導入量を増加させる場合には、微生物の活性が増加するので、微生物処理能力を向上できる。
【0011】
また、一実施形態の液体処理方法では、上記液体は排水である。
【0012】
この実施形態の液体処理方法によれば、上記微生物処理槽内に導入した排水を、マイクロナノバルブの量で濃度が調整されていると共にマイクロナノバルブで活性化されている微生物によって、効率よく微生物処理できる。
【0013】
また、一実施形態の液体処理方法では、上記微生物処理槽よりも後段の処理部からの返送汚泥水にマイクロナノバブルを含有する水を混合する工程と、上記返送汚泥水と上記マイクロナノバブルを含有する水との混合水を上記微生物処理槽に導入する工程とを備える。
【0014】
この実施形態の液体処理方法によれば、上記返送汚泥水に含有されている比較的多量で高濃度の微生物に対して、マイクロナノバブルを効率よく接触させて、活性化した微生物とマイクロナノバブル含有水を微生物処理槽に導入できる。よって、微生物処理槽において排水を効率よく微生物処理できる。
【0015】
また、一実施形態の液体処理装置では、液体が導入されると共に上記液体を微生物処理する微生物処理槽と、
上記微生物処理槽へ導入するためのマイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生部と、
上記マイクロナノバブル発生部を制御して、上記マイクロナノバブル発生部から上記微生物処理槽へ導入するマイクロナノバブルの量を制御して、上記微生物処理槽内の微生物濃度を調整するマイクロナノバブル調整部とを備える。
【0016】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記マイクロナノバブル調整部は、微生物処理槽内へ導入するマイクロナノバブルの量を制御することによって、微生物処理槽内の微生物濃度を調整する。したがって、この液体処理装置によれば、微生物濃度を調整するに際し、従来のような栄養剤の添加や汚泥の引き抜きの工程が不要になりランニングコストの増大を抑制できる上に、栄養剤を多量に添加する必要が無いので処理負荷が増大することもない。よって、この液体処理装置によれば、単純な物理的方法により低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整でき、適切な微生物処理能力を発揮できる液体処理方法を実現できる。また、マイクロナノバルブの導入量を増加させる場合には、微生物の活性が増加するので、微生物処理能力を向上できる。
【0017】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記液体は排水である。
【0018】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記微生物処理槽内に導入した排水を、マイクロナノバルブの量で濃度が調整されていると共にマイクロナノバルブで活性化されている微生物によって、効率よく微生物処理できる。
【0019】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記微生物処理槽よりも後段の処理部からの返送汚泥水と上記マイクロナノバブル発生部からのマイクロナノバブル含有水とが導入されると共に上記返送汚泥水とマイクロナノバブル含有水との混合水を上記微生物処理槽に導入する混合部を備える。
【0020】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記混合部において、上記返送汚泥水に含有されている比較的多量で高濃度の微生物に対して、マイクロナノバブルを効率よく接触させて、活性化した微生物とマイクロナノバブル含有水を微生物処理槽に導入できる。よって、微生物処理槽において排水を効率よく微生物処理できる。
【0021】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記微生物処理槽よりも後段の処理部は沈殿槽であり、上記微生物処理槽は曝気が行われる曝気槽であり、上記曝気槽よりも前段の原水槽を備える。
【0022】
この実施形態の液体処理装置によれば、沈殿槽からの微生物を比較的多量に含んでいる返送汚泥水を混合部において、マイクロナノバブル含有水と接触させて、微生物を活性化し、活性化した微生物をマイクロナノバブル含有水と共に曝気槽に導入する。よって、微生物処理槽としての曝気槽では、活性化した微生物により排水を効率よく微生物処理でき、微生物処理効率を向上できる。
【0023】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記沈殿槽の上澄水を上記マイクロナノバブル発生部に導入する上澄水導入部を有し、上記マイクロナノバブル発生部は上記上澄水を使用してマイクロナノバブル含有水を生成する。
【0024】
この実施形態の液体処理装置によれば、上澄水導入部によって、浮遊物質をほとんど含まない沈澱槽の上澄水をマイクロナノバブル発生部に導入するから、このマイクロナノバブル発生部では上記上澄水を使用してマイクロナノバブル含有水を生成することができる。このマイクロナノバブル含有水は上記上澄水を使用しているので、曝気槽での微生物処理に適合したマイクロナノバブル含有水となる。したがって、このマイクロナノバブル含有水によって活性化した微生物により、曝気槽での微生物処理効率を向上できる。
【0025】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記マイクロナノバブル発生部は、水槽と、この水槽内に配置されたマイクロナノバブル発生機を有するマイクロナノバブル発生槽である。
【0026】
この実施形態の液体処理装置によれば、マイクロナノバブル発生槽の水槽内において、沈殿槽からの上澄水を使用したマイクロナノバブル含有水を安定,確実に作製できる。
【0027】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記混合部は、上記沈殿槽から返送汚泥水が導入されると共に上記マイクロナノバブル発生部からのマイクロナノバブル含有水と上記返送汚泥水とを混合する水槽である混合槽である。
【0028】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記混合槽において、沈殿槽から導入される返送汚泥水と、マイクロナノバブル発生部から導入されるマイクロナノバブル含有水とを、安定,確実に混合して、微生物処理槽である曝気槽に導入することができる。よって、活性化された微生物を含むマイクロナノバブル含有水を曝気槽に導入することで、曝気槽での微生物処理を促進できる。
【0029】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記曝気槽内にポリ塩化ビニリデン充填材を備える。
【0030】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記曝気槽内のポリ塩化ビニリデン充填材は、微生物の固定化担体となるので、曝気槽内での微生物処理を安定化できる。
【0031】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記曝気槽内に設置されると共に上記曝気槽内の被処理水の微生物濃度を計測する微生物濃度計と、上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記マイクロナノバブル発生部を制御してマイクロナノバブル発生部で生成するマイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブルの量を制御する制御部とを備える。
【0032】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記制御部は、曝気槽内の微生物濃度計からの信号によりマイクロナノバブル発生部を制御して、マイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブルの量を制御するので、曝気槽内の微生物濃度を適切に維持でき、曝気槽での微生物処理能力を適切にコントロールできる。
【0033】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記マイクロナノバブル発生部は、水槽と、この水槽内に配置されるマイクロナノバブル発生機と、上記水槽内の処理水を上記マイクロナノバブル発生機に供給する循環ポンプとを有するマイクロナノバブル発生槽であり、上記制御部は、上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの回転数を制御する。
【0034】
この実施形態の液体処理装置によれば、制御部は、マイクロナノバブル発生槽の循環ポンプの回転数を制御することにより、マイクロナノバブル発生槽で生成するマイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブル含有量を調整できる。
【0035】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記制御部は、上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの運転と停止とを制御する。
【0036】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記制御部は、マイクロナノバブル発生槽の循環ポンプの運転と停止とを制御することにより、マイクロナノバブル発生槽で生成するマイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブル含有量を調整できる。
【0037】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽は、上記マイクロナノバブル発生機および上記循環ポンプを複数台有し、上記制御部は、上記微生物濃度計からの上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの運転台数を制御する。
【0038】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記制御部は、マイクロナノバブル発生槽の循環ポンプの運転台数を制御することにより、マイクロナノバブル発生槽で生成するマイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブル含有量を調整できる。
【0039】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を添加する助剤添加部を有する。
【0040】
この実施形態の液体処理装置によれば、上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を添加することで、マイクロナノバブル発生槽でのマイクロナノバブル発生効率を改善できる。
【0041】
また、一実施形態の液体処理装置では、上記原水槽から上記混合槽に原水を導入する原水導入部を備える。
【0042】
この実施形態の液体処理装置によれば、原水導入部は、原水槽から混合槽に原水を導入する。この混合槽には、マイクロナノバブル含有水と、微生物を比較的多量に含有する沈殿槽からの返送汚泥水とが導入される。よって、上記混合槽では、被処理水としての原水に活性化した多量の微生物が効率よく接触し、微生物による被処理水の処理効率を向上できる。
【発明の効果】
【0043】
この発明の液体処理方法によれば、微生物処理槽内へ導入するマイクロナノバブルの量を制御することによって、微生物処理槽内の微生物濃度を調整する。したがって、この発明によれば、微生物濃度を調整するに際し、従来のような栄養剤の添加や汚泥の引き抜きの工程が不要になりランニングコストの増大を抑制できる上に、栄養剤を多量に添加する必要がないので処理負荷が増大することもない。よって、この発明によれば、単純な物理的方法により低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整できる液体処理方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の液体処理装置の第1実施形態である排水処理装置を模式的に示す図である。図1において、符号1は、原水槽であり、処理するべき流入水が流入配管2から導入される。
【0046】
この第1実施形態は、原水槽1と、微生物処理槽としての曝気槽22と、沈澱槽20と、マイクロナノバブル発生槽16と、混合槽17、および沈殿槽20で大略構成されている。
【0047】
この第1実施形態の排水処理装置で処理する排水としては、具体的にはあらゆる産業の浮遊物質を含有する排水が適合するが、浮遊物質を含有していない排水にも適合できる。この実施形態では、工場からの排水が流入配管2を通って原水槽1に導入される。原水槽1に導入された排水は、原水槽ポンプ3により揚水されて曝気槽22に移送される。
【0048】
曝気槽22には、内部下部に、槽内の撹拌と曝気槽22内の溶存酸素を適正に維持するための散気管5が設置されている。当然のこととして、散気管5は曝気槽22に必要量の空気を吐出させるために、配管によってブロワー4に接続されている。
【0049】
曝気槽22内部には微生物濃度計6が設置されている。この微生物濃度計6は、微生物濃度調節計7に接続されている。微生物濃度計6は、曝気槽6内の処理水の微生物濃度を計測して、この微生物濃度を表す信号を制御部としての微生物濃度調節計7に出力する。この微生物濃度調節計7は上記微生物濃度を表す信号に基づいて、信号経路28を経由して、制御信号をマイクロナノバブル発生槽16の循環ポンプ10,11に送信して、循環ポンプ10,11の回転数をインバーター制御する。なお、上記制御信号の送信は有線でも無線でもよい。
【0050】
この循環ポンプ10,11は、マイクロナノバブル発生槽16の水槽外に設置されると共に水槽内に設置されたマイクロナノバブル発生機8,9に接続されており、上記水槽内の処理水を吸い込んでマイクロナノバブル発生機8,9に供給する。また、このマイクロナノバブル発生機8,9は上記水槽外の空気吸込管13,15に接続されており、この空気吸込管13,15に設けたバルブ12,14でもって空気吸込管13,15からマイクロナノバブル発生機8,9に吸い込まれる空気量が調節されるようになっている。
【0051】
したがって、循環ポンプ10,11は、微生物濃度調節計7からの制御信号で回転数が制御されて、必要量の循環水が循環ポンプ10,11からマイクロナノバブル発生機8,9へ供給されると共に、必要量の空気がバルブ12,14で調整されて空気吸込管13,15からマイクロナノバブル発生機8,9へ供給される。これにより、マイクロナノバブル発生機8,9はマイクロナノバブル発生槽16において、最適なマイクロナノバブルを発生することが可能となる。
【0052】
上記マイクロナノバブル発生槽16は、後段の処理部としての沈殿槽20の上澄水を汲み出す上澄水ポンプ21によって配管L1を通して、上記上澄水が供給される。沈澱槽20は、曝気槽22からの流出水が導入され、この流出水は沈澱槽20で上澄水と沈澱物とに分離される。ここで、曝気槽22と沈澱槽20の両槽における微生物量が多い場合は、沈澱槽20から汚泥が引き抜かれることとなる(図示せず)。また、沈澱槽20には、沈澱した汚泥を混合槽17に引き抜き返送するための汚泥返送ポンプ18が設置され、返送配管L2を通して沈殿槽20から混合槽17に汚泥水が返送されるようになっている。
【0053】
したがって、上記混合槽17には、沈殿槽20からの微生物を含有した返送汚泥水と、沈殿槽20の上澄水をベースに作成されたマイクロナノバブル含有水とが導入されて、混合され、その後、返送汚泥水とマイクロナノバブル含有水との混合水が曝気槽22に導入される。
【0054】
次に、曝気槽22内の微生物濃度を調整する方法について説明する。従来は、栄養剤の添加や流入負荷量を増加させる等によって曝気槽内の微生物濃度を上昇させていたが、この第1実施形態ではマイクロナノバブル発生槽16で発生させるマイクロナノバブル量によって、曝気槽22内の微生物濃度を増減させている。つまり、マイクロナノバブル発生槽16から混合槽17を経由して、曝気槽22に導入されるマイクロナノバブル含有水に含まれるマイクロナノバブル量の多寡によって、曝気槽22内の微生物濃度を増減させることができる。マイクロナノバブルには微生物を活性化する作用があるからである。
【0055】
この実施形態では、上記したように、曝気槽22内部の処理水の微生物濃度を計測する微生物濃度計6を備え、この微生物濃度計6からの微生物濃度を表す信号が微生物濃度調節計7に入力され、微生物濃度調節計7から循環ポンプ10,11に制御信号を送信することで、循環ポンプ10,11の回転数がインバーターにより制御される。これにより、循環ポンプ10,11の吐出量が制御される結果、循環ポンプ10,11に連結されているマイクロナノバブル発生機8,9のマイクロナノバブル発生量が制御されることとなる。こうして、この実施形態では、曝気槽22内の処理水の微生物濃度に応じて、マイクロナノバブル発生機8,9によるマイクロナノバブル発生量を制御することによって、結果的に曝気槽22内の微生物濃度を制御することが可能となる。
【0056】
この第1実施形態は、曝気槽22内に設置された微生物濃度計6が計測した微生物濃度によって、循環ポンプ10と循環ポンプ11の回転数を制御して、マイクロナノバブル発生槽16で発生させるマイクロナノバブルの量をコントロールして、曝気槽22内の微生物濃度を調整している。ここで、調整とは、曝気槽22内の微生物濃度を増加または減少させることを意味する。これにより、曝気槽22に要求される微生物処理能力を適切にコントロールすることが可能となり、排水処理を効率良く実行できることとなる。
【0057】
すなわち、この第1実施形態によれば、微生物濃度を調整するに際し、従来のような栄養剤の添加や汚泥の引き抜きの工程が不要になりランニングコストの増大を抑制できる上に、栄養剤を多量に添加する必要が無いので処理負荷が増大することもない。よって、この第1実施形態によれば、単純な物理的方法により低いランニングコストで微生物処理槽の微生物濃度を調整でき、適切な微生物処理能力を発揮できる排水処理装置を実現できる。
【0058】
また、曝気槽22では、散気管5が吐出する空気のバブリングにより被処理水が撹拌され微生物処理が促進される。また、この実施形態では、曝気槽22とは別個に設置したマイクロナノバブル発生槽16に沈殿槽20の上澄水を供給してマイクロナノバブル含有水を発生するので、マイクロナノバブル発生機8,9の目詰まりを防げる。もっとも、マイクロナノバブル発生機の目詰まりの可能性が少ない場合には、曝気槽22内にマイクロナノバブル発生機を設置してもよい。
【0059】
また、曝気槽22において、微生物処理がなされた処理水は沈殿槽20に導入され、この沈殿槽20では汚泥が沈殿してかき寄せ機19でかき寄せられる一方、上澄水が放流配管27から放流される。この沈殿槽20で底に沈んだ汚泥には高濃度の微生物が繁殖している。したがって、この高濃度に繁殖した微生物が返送配管L2から混合槽17に返送されることとなる。この混合槽17では、マイクロナノバブル発生槽16からのマイクロナノバブル含有水と沈殿層20からの返送汚泥水との混合状態を肉眼でも確認することができる。
【0060】
なお、上記実施形態では、微生物濃度調節計7は、循環ポンプ10,11の回転数を制御したが、循環ポンプ10,11の運転と停止を制御することによって、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量をコントロールしてもよい。さらに、上記実施形態では、2台のマイクロナノバブル発生機8,9を備えたが3台以上のマイクロナノバブル発生機を備えてもよく、微生物濃度調節計7は、マイクロナノバブル発生機に接続される循環ポンプの運転台数を制御することで、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量をコントロールしてもよい。
【0061】
また、マイクロナノバブル発生機8,9は、例えば、市販のものを採用してもよく、市販されているものならば、メーカーを限定するものではなく、具体的には、株式会社 ナノプラネット研究所と株式会社オーラテックのものを採用した。他の商品としては、一例として、西華産業株式会社のマイクロバブル水製造装置や資源開発株式会社のマイクロバブル水製造装置があるが、目的に従って選定すればよい。
【0062】
ここで、3種類のバブルについて説明する。
【0063】
(i) 通常のバブル(気泡)は水の中を上昇して、ついには表面でパンとはじけて消滅する。
【0064】
(ii) マイクロバブルは、直径が10〜数10μmの気泡径を有する気泡で、水中で収縮していき、ついには消滅(完全溶解)してしまう。
【0065】
(iii) ナノバブルは、マイクロバブルよりさらに小さいバブル(直径が数百nm以下の直径を有する気泡)でいつまでも水の中に存在することが可能なバブルといわれており、マイクロナノバブルとは、マイクロバブルとナノバブルとが混合したバブルと説明できる。
【0066】
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明の第2実施形態としての排水処理装置を示す。この第2実施形態は、図1の曝気槽22に替えて、ポリ塩化ビニリデン充填材23を有する曝気槽22Uを備えた点だけが、前述の第1実施形態と異なる。よって、この第2実施形態は、前述の第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0067】
図2に示すように、この第2実施形態では、曝気槽22に微生物の固定化担体となるポリ塩化ビニリデン充填材23が充填されている。したがって、ポリ塩化ビニリデン充填材23に微生物が繁殖し易く、流入水の水質が変動する場合にも、微生物処理の安定化を図れる利点がある。
【0068】
(第3の実施の形態)
次に、図3に、この発明の第3実施形態としての排水処理装置を示す。この第3実施形態は、マイクロナノバブル発生助剤を発生助剤ポンプ25によって助剤配管L3を通してマイクロナノバブル発生槽16に添加するマイクロナノバブル発生助剤タンク24を備えた点のみが前述の第1実施形態と異なっている。よって、この第3実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0069】
流入配管2から原水槽1に流入する流入水の水質によっては、循環ポンプ10,11の回転数を上げても、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量が少ないこともある。この場合、曝気槽22内の微生物濃度が、なかなか増加しないこととなる。
【0070】
したがって、上述のような場合には、発生助剤ポンプ25を駆動して、マイクロナノバブル発生助剤タンク24からのマイクロナノバブル発生助剤を助剤配管L3を通してマイクロナノバブル発生槽16に添加する。これにより、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量が増加して、結果として、曝気槽22内の微生物濃度を増加させることができる。逆に、曝気槽22内の微生物濃度が増加し過ぎた場合は、発生助剤ポンプ25の回転数を下げて、マイクロナノバブル発生槽16へのマイクロナノバブル発生助剤の添加量を減少させることで、曝気槽22内の微生物濃度を下げることができる。
【0071】
なお、上述のような発生助剤ポンプ25の制御は、上記微生物濃度計6からの微生物濃度を表す信号が入力される微生物濃度調節計7によって行うようにしてもよい。
【0072】
(第4の実施の形態)
次に、図4に、この発明の第4実施形態である排水処理装置を示す。この第4実施形態は、図1の微生物濃度計6と微生物濃度調節計7とを備えていない点が前述の第1実施形態と相違している。よって、この第4実施形態では、前述の第1実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細説明を省略し、前述の第1実施形態と異なる部分を説明する。
【0073】
この第4実施形態では、マイクロナノバブル発生槽16に設置された循環ポンプ10,11は、第1実施形態とは異なり、微生物濃度調節計7からの制御信号を受信することなく、運転されている。
【0074】
つまり、この第4実施形態では、曝気槽22内の処理水を採水することにより、処理水の微生物濃度を測定する。そして、上記処理水の微生物濃度が上昇した場合は、循環ポンプ10と循環ポンプ11のどちらかを停止して、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量を減少させることで、曝気槽22内の微生物濃度を下げることができる。また、曝気槽22内の微生物濃度を急激に下げる場合は、循環ポンプ10と循環ポンプ11の両方を停止して、目的を達成できる。また、逆に、曝気槽22内の処理水を採水して、この処理水の微生物濃度を測定した結果、この微生物濃度が所望の値よりも低くなっていた場合は、循環ポンプ10と循環ポンプ11の両方を運転して、マイクロナノバブル発生槽16でのマイクロナノバブル発生量を増加させて、曝気槽22内の微生物濃度を上げることができる。
【0075】
(第5の実施の形態)
次に、図5に、この発明の第5実施形態である排水処理装置を示す。この第5実施形態は、図4の曝気槽22がポリ塩化ビニリデン充填物23を有する点だけが前述の第4実施形態と異なっている。よって、この第5実施形態では、前述の第4実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略し、前述の第4実施形態と異なる部分を説明する。
【0076】
図5に示すように、この第5実施形態では、曝気槽22にポリ塩化ビニリデン充填材23が充填されている。したがって、ポリ塩化ビニリデン充填材23に微生物が繁殖し易く、流入水の水質が変動する場合にも、微生物処理の安定化を図れる利点がある。
【0077】
(第6の実施の形態)
次に、図6に、この発明の第6実施形態である排水処理装置を示す。この第6実施形態は、原水槽1内の被処理水が原水槽ポンプ3によって曝気槽22ではなくて混合槽17に導入される点だけが、前述の第4実施形態と異なる。よって、この第6実施形態では、前述の第4実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略し、前述の第4実施形態と異なる部分を説明する。
【0078】
この第6実施形態では、原水槽ポンプ3によって、原水槽1内の被処理水が、配管L6を経由して、曝気槽22ではなく混合槽17に導入されている。原水槽ポンプ3と配管L6とが原水導入部を構成している。よって、この第6実施形態では、混合槽17に、原水槽1からの被処理水と、沈殿槽20からの返送汚泥水と、マイクロナノバブル発生槽16からのマイクロナノバブル含有水とが導入されることとなる。
【0079】
したがって、混合槽17では、原水、マイクロナノバブル含有水、および微生物を含有する返送汚泥を確実に混合できるので、微生物を早く活性化できると共に、微生物を早く原水と接触させるので、原水に対する微生物処理が確実となる。
【0080】
(第7の実施の形態)
次に、図7に、この発明の液体処理装置の第7実施形態としてのバイオリアクターを示す。この第7実施形態は、前述した第1〜第6実施形態のような排水処理装置ではなく、醸造、発酵、医薬品製造等において使用される微生物反応槽26を備えるバイオリアクターに関する実施形態である。このような醸造、発酵、医薬品製造等の分野においても、当然のこととして、微生物反応槽26においてマイクロナノバブルを利用して微生物を活性化して製品を製造することは可能である。
【0081】
図7に示すように、この第7実施形態のバイオリアクターは、マイクロナノバブルで微生物を活性化することができると同時に、マイクロナノバブル量で、微生物量をコントロールできる微生物反応槽76を備えている。この微生物反応槽76には、当然のこととして、槽内を撹拌するための撹拌機(図示せず)や温度計(図示せず)等の付属品が設置されている。
【0082】
例えば、ビールの醸造においては、原材料としての麦、ホップ、コーンスターチ等を含有する水が、微生物反応槽76の上部の原材料導入配管77から微生物反応槽76に導入される。この微生物反応槽76の内部には、微生物濃度計56が下部に設置されている。また、微生物反応槽76外部に上記微生物濃度計56に接続された微生物濃度調節計57が設置されている。微生物濃度計56は、微生物反応槽76内の被処理水の微生物濃度を計測してこの微生物濃度を表す信号を微生物濃度調節計57に入力する。
【0083】
この第7実施形態では、微生物濃度調節計57は微生物濃度計56から入力された微生物反応槽76内の被処理水(あるいは被処理液)の微生物濃度を表す信号に基づいて、微生物反応槽76の外部に設置されている循環ポンプ50と循環ポンプ51に送信経路78を経由して制御信号を送信している。この制御信号の送信は有線でも無線でもよい。そして、この循環ポンプ50,51は、微生物濃度調節計57からの制御信号によって回転数がインバータ制御される。
【0084】
この循環ポンプ50はマイクロナノバブル発生機58に接続され、循環ポンプ51はマイクロナノバブル発生機59に接続されている。したがって、上記制御信号によって循環ポンプ50,51の回転数が制御されることで、微生物反応槽76内の被処理水(あるいは被処理液)がマイクロナノバブル発生機58,59に供給される量が制御されることになる。また、マイクロナノバブル発生機58,59が必要とする空気は空気吸込管53,55から導入され、バルブ52,54により導入量が調整される。これにより、マイクロナノバブル発生機58,59が発生するマイクロナノバブルの発生量を適切な量に制御することが可能となる。
【0085】
この第7実施形態では、一例として、醸造、発酵、医薬品製造等における微生物反応槽76に設置した微生物濃度計56が計測した被処理水(あるいは被処理液)の微生物濃度に基づいて、マイクロナノバブル発生機58,59が発生するマイクロナノバブル量を制御して、微生物反応槽26内の被処理水(あるいは被処理液)が含有する微生物量をコントロールすることができる。その結果、微生物反応槽76内の被処理水(あるいは被処理液)に対して、微生物を目的とする濃度に培養して、バイオリアクターを運転して、微生物反応槽76の下部配管79から製品を取り出すことができる。
【0086】
(実験例)
次に、図1に示す第1実施形態に相当する実験装置を製作した。この実験装置における原水槽1の容量を約1mとし、曝気槽22の容量を8mとし、沈澱槽20の容量を3mとし、マイクロナノバブル発生槽16の容量を0.2mとし、混合槽17の容量を0.2mとした。そして、この実験装置に排水を導入して約3ケ月の試運転を行った。この試運転の後、原水槽1への入口(流入配管2)でのTOC(トータル・オーガニック・カーボン)濃度と沈澱槽20の出口(放流配管27)でのTOC(トータル・オーガニック・カーボン)の濃度を測定し、TOCの除去率を測定したところ、除去率は85%であった。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の第1実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図2】この発明の第2実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図3】この発明の第3実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図4】この発明の第4実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図5】この発明の第5実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図6】この発明の第6実施形態としての排水処理装置を模式的に示す図である。
【図7】この発明の第7実施形態としてのバイオリアクターを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0088】
1 原水槽
2 流入配管
3 原水槽ポンプ
4 ブロワー
5 散気管
6、56 微生物濃度計
7、57 微生物濃度調節計
8、9、58、59 マイクロナノバブル発生機
10、11、50、51 循環ポンプ
12、14、52、54 バルブ
13、15、53、55 空気吸い込み管
16 マイクロナノバブル発生槽
17 混合槽
18 汚泥返送ポンプ
19 かき寄せ機
20 沈澱槽
21 上澄水ポンプ
22 曝気槽
23 ポリ塩化ビニリデン充填材
24 マイクロナノバブル発生助剤タンク
25 発生助剤ポンプ
27 放流配管
76 微生物反応槽
77 原材料導入配管
79 下部配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物処理槽内へ液体を導入すると共に上記微生物処理槽内へマイクロナノバブルを導入して上記液体を微生物処理する工程と、
上記微生物処理槽内へ導入するマイクロナノバブルの量を制御して、上記微生物処理槽内の微生物濃度を調整する工程を備えることを特徴とする液体処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体処理方法において、
上記液体は排水であることを特徴とする液体処理方法。
【請求項3】
請求項2に記載の液体処理方法において、
上記微生物処理槽よりも後段の処理部からの返送汚泥水にマイクロナノバブルを含有する水を混合する工程と、
上記返送汚泥水と上記マイクロナノバブルを含有する水との混合水を上記微生物処理槽に導入する工程とを備えることを特徴とする液体処理方法。
【請求項4】
液体が導入されると共に上記液体を微生物処理する微生物処理槽と、
上記微生物処理槽へ導入するためのマイクロナノバブルを発生するマイクロナノバブル発生部と、
上記マイクロナノバブル発生部を制御して、上記マイクロナノバブル発生部から上記微生物処理槽へ導入するマイクロナノバブルの量を制御して、上記微生物処理槽内の微生物濃度を調整するマイクロナノバブル調整部とを備えることを特徴とする液体処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液体処理装置において、
上記液体は排水であることを特徴とする液体処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液体処理装置において、
上記微生物処理槽よりも後段の処理部からの返送汚泥水と上記マイクロナノバブル発生部からのマイクロナノバブル含有水とが導入されると共に上記返送汚泥水とマイクロナノバブル含有水との混合水を上記微生物処理槽に導入する混合部を備えることを特徴とする液体処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体処理装置において、
上記微生物処理槽よりも後段の処理部は沈殿槽であり、
上記微生物処理槽は曝気が行われる曝気槽であり、
上記曝気槽よりも前段の原水槽を備えることを特徴とする液体処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の液体処理装置において、
上記沈殿槽の上澄水を上記マイクロナノバブル発生部に導入する上澄水導入部を有し、
上記マイクロナノバブル発生部は上記上澄水を使用してマイクロナノバブル含有水を生成することを特徴とする液体処理装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液体処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生部は、
水槽と、この水槽内に配置されたマイクロナノバブル発生機を有するマイクロナノバブル発生槽であることを特徴とする液体処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の液体処理装置において、
上記混合部は、
上記沈殿槽から返送汚泥水が導入されると共に上記マイクロナノバブル発生部からのマイクロナノバブル含有水と上記返送汚泥水とを混合する水槽である混合槽であることを特徴とする液体処理装置。
【請求項11】
請求項7に記載の液体処理装置において、
上記曝気槽内にポリ塩化ビニリデン充填材を備えることを特徴とする液体処理装置。
【請求項12】
請求項7に記載の液体処理装置において、
上記曝気槽内に設置されると共に上記曝気槽内の被処理水の微生物濃度を計測する微生物濃度計と、
上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記マイクロナノバブル発生部を制御してマイクロナノバブル発生部で生成するマイクロナノバブル含有水のマイクロナノバブルの量を制御する制御部とを備えることを特徴とする液体処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の液体処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生部は、
水槽と、この水槽内に配置されるマイクロナノバブル発生機と、上記水槽内の処理水を上記マイクロナノバブル発生機に供給する循環ポンプとを有するマイクロナノバブル発生槽であり、
上記制御部は、上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの回転数を制御することを特徴とする液体処理装置。
【請求項14】
請求項13に記載の液体処理装置において、
上記制御部は、上記微生物濃度計から上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの運転と停止とを制御することを特徴とする液体処理装置。
【請求項15】
請求項13に記載の液体処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽は、上記マイクロナノバブル発生機および上記循環ポンプを複数台有し、
上記制御部は、
上記微生物濃度計からの上記微生物濃度を表す信号を受けて上記循環ポンプの運転台数を制御することを特徴とする液体処理装置。
【請求項16】
請求項9に記載の液体処理装置において、
上記マイクロナノバブル発生槽にマイクロナノバブル発生助剤を添加する助剤添加部を有することを特徴とする液体処理装置。
【請求項17】
請求項10に記載の液体処理装置において、
上記原水槽から上記混合槽に原水を導入する原水導入部を備えることを特徴とする液体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−222809(P2007−222809A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−48390(P2006−48390)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】