説明

液体収容容器および液体噴射装置

【課題】供給孔に弁が設けられたインクカートリッジにおいて、液体噴射装置への装填時にインクカートリッジ内に気泡が混入することを回避可能とする。
【解決手段】液体収容容器の供給孔26に液体収容容器の外側から押されて開弁する封止弁71を設けると共に、封止弁の開弁によって生ずる隙間を塞ぐように多孔質部材72を設けておく。こうすれば、封止弁の閉弁時には液体収容室内の液体から水分が蒸発することによって液体の性状が劣化することが防止される。また、封止弁の開弁時には、多孔質部材によって液体収容室から外部に液体が流出することを防止することができるので、供給孔から流出した液体で周囲を汚すことを防ぐことが可能である。更に、封止弁の開弁によって生ずる隙間に多孔質部材が設けられているので、供給孔内に閉じ込められた空気が液体収容室側に入り込んで液体収容室内に気泡が混入することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射ノズルから液体を噴射する液体噴射装置に装填されて内部に液体を収容
しておく液体収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるインクジェットプリンターなどのように、噴射ノズルからインクなどの液体を
噴射する液体噴射装置には、液体の供給源として、内部に液体を収容したインクカートリ
ッジなどの専用容器が搭載される。この専用容器は、液体噴射装置に対して交換可能に装
填されるようになっており、専用容器内の液体が無くなったら、新しい専用容器に交換す
ることが可能である。
【0003】
また、インクカートリッジは、印刷媒体の種類に応じて複数種のインクカートリッジが
用意されることがあり、印刷媒体の種類を変更する場合には、インクが残っている状態で
インクカートリッジを取り外し、最適なインクカートリッジに交換することが行われる。
こうして取り外したインクカートリッジは次に使用するまで保管されるが、保管中にイン
ク中の水分が蒸発すると、インクが増粘して性状が劣化する。そこで、インクカートリッ
ジから外部にインクを供給する供給孔の内部に弁を設けておき、液体噴射装置にインクカ
ートリッジを装填すると供給孔内の弁が開き、インクカートリッジを取り外すと弁が閉じ
る構成とすることで、インクカートリッジの保管中にインクから水分が蒸発することを抑
制する技術が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−273114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来技術では、液体噴射装置にインクカートリッジを装填する際に、
インクカートリッジ内に気泡が混入してしまうという問題があった。すなわち、供給孔内
の弁は、液体噴射装置側に設けられた供給針に押し上げられて開弁するようになっており
、開弁した瞬間にインクカートリッジ内から流出したインクが周囲を汚しては困るので、
供給孔の開口部を密閉しておく必要がある。しかし、開口部を密閉した状態では、供給孔
内に閉じ込められた空気が開弁時にインクカートリッジ内に入り込み、インクカートリッ
ジ内に気泡が混入してしまう。その結果、例えば、インクカートリッジ内の気泡が液体噴
射装置側の通路に流れ込み、気泡が通路を塞いでインクを上手く供給することができなく
なる等の弊害が生じ得る。
【0006】
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、
供給孔に弁が設けられたインクカートリッジにおいて、液体噴射装置への装填時にインク
カートリッジ内に気泡が混入することを回避可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体収容容器は次の構成を
採用した。すなわち、
液体を収容する液体収容室を備えた液体収容容器であって、
前記液体収容室内の前記液体を外部に供給するための供給孔と、
前記供給孔に設けられて、前記液体収容容器の外側から押されることにより開弁する封
止弁と、
前記封止弁の開弁によって生ずる隙間を塞ぐように設けられて、前記液体収容室から流
出する前記液体を吸い込んで内部に保持する多孔質部材と
を備えることを要旨とする。
【0008】
このような本発明の液体収容容器においては、封止弁の開弁によって液体収容室から流
出した液体が多孔質部材に保持される。尚、多孔質部材が液体を保持する態様としては、
液体を保持し続けることとしてもよいし、液体を一時的に保持することとしてもよい。ま
た、「封止弁の開弁によって生ずる隙間を塞ぐように」多孔質部材を設けるとは、封止弁
の開弁によって生ずる隙間の位置と、多孔質部材が設けられた位置とが、厳密に一致して
いる必要はなく、液体収容室から開弁時に生ずる隙間の上流側あるいは下流側の位置に多
孔質部材を設けてもよい。
【0009】
こうすれば、封止弁の閉弁時には液体収容室が密閉されるので、液体収容室内の液体か
ら水分が蒸発して液体の性状が劣化することが防止することができる。また、封止弁の開
弁時には、多孔質部材によって液体収容室から外部に液体が流出することを防止する(あ
るいは流出する時期を遅らせる)ことができる。従って、液体収容容器を液体噴射装置に
装填する動作に伴って、多孔質部材から液体が流出するより前に供給孔が密閉されるよう
にしておけば、供給孔から流出した液体で周囲を汚すことを防ぐことが可能である。もち
ろん、供給孔が密閉されると、供給孔内には若干の空気が閉じ込められる。しかし、封止
弁の開弁によって生ずる隙間にはこの隙間を塞ぐように多孔質部材が設けられているので
、供給孔内に閉じ込められた空気が液体収容室側に入り込んで液体収容室内に気泡が混入
することがない。従って、液体噴射装置に液体を供給する際に液体収容容器内の気泡が液
体噴射装置側の通路に流れ込み、通路を塞いで液体を上手く供給することができなくなる
等の弊害を回避することが可能となる。
【0010】
また、上述した本発明の液体収容容器においては、供給孔の外側から供給孔の奥側へと
移動可能な蓋部材と、蓋部材を供給孔内のシール部に押し付ける封止バネとを用いて封止
弁を構成することとしてもよい。
【0011】
こうすれば、封止弁を簡単に構成することができる。また、封止バネのバネ力を用いて
蓋部材をシール部に押し付けることで、供給孔を確実に密閉することが可能である。
【0012】
また、上述した本発明の液体収容容器においては、封止弁の閉弁時には多孔質部材が封
止弁によって押し潰され、封止弁が開弁すると多孔質部材が元の形状に復元するようにし
てもよい。
【0013】
こうすれば、封止弁の閉弁中は多孔質部材が押し潰されるので、多孔質部材の内部から
液体を押し出しておくことができる。従って、多孔質部材内の液体が乾燥して、増粘ある
いは固化した液体によって、多孔質部材が目詰まりする事態を回避することが可能となる

【0014】
また、上述した本発明の液体収容容器が装填される液体噴射装置においては、液体収容
容器が装填されると、供給針で供給孔の外側から封止弁を押して開弁させることとし、開
弁によって液体収容室から流出した液体を供給針内の液体通路から液体噴射装置側に取り
入れることとしても良い。こうすれば、液体収容容器を液体噴射装置に装填するだけで、
速やかに液体収容室内の液体を液体噴射装置側に供給可能な状態とすることができる。
【0015】
また、上述した本発明の液体収容容器が装填される液体噴射装置においては、液体噴射
装置に液体収容容器が装填された時に、液体収容容器の多孔質部材と接触する多孔性のフ
ィルター部材を、液体噴射装置の供給針に設けることとしてもよい。
【0016】
多孔質部材とフィルター部材とが接触すると、多孔質部材内および供給針内に液体が存
在している状態では、多孔質部材内の液体と供給針内の液体とが表面張力によって結合(
液面接触)する。その結果、液体収容容器内の液体と、液体噴射装置の供給針内の液体と
が液面接触している部分を介して連通した状態となる。このため、多孔質部材と供給針と
の間に存在する空気を除去する作業を行わなくても、液体収容容器内の液体噴射装置に供
給することが可能となる。
【0017】
また、上述した本発明の液体収容容器が装填される液体噴射装置においては、フィルタ
ー部材が封止弁と接触する面の反対側(フィルター部材の裏側)から支持部材を用いてフ
ィルター部材を支持しておくこととしてもよい。
【0018】
こうすれば、供給針で封止弁を押し込む際にフィルター部材が封止弁に押し当てられた
としても、フィルター部材が凹むなどして破損してしまうことを防止することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施例の液体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。
【図2】キャリッジケースにインクカートリッジを装填する様子を示した説明図である。
【図3】従来のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。
【図4】本実施例のインク供給孔に搭載された封止機構の分解組立図である。
【図5】本実施例のインク供給孔の内部構造の拡大図である。
【図6】インク供給孔内の空気を吸引する様子を示した説明図である。
【図7】第1変形例のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。
【図8】第2変形例のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。
【図9】第3変形例のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。
【図10】第2実施例のインク供給針を示した説明図である。
【図11】第2実施例のインク供給針を介してインクカートリッジからインクが供給される様子を示した説明図である。
【図12】第2実施例の変形例のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施
例を説明する。
A.装置構成:
B.本実施例のインク供給孔の封止機構:
C.第1実施例の変形例:
C−1.第1変形例
C−2.第2変形例
C−3.第3変形例
D.第2実施例:
E.第2実施例の変形例
【0021】
A.装置構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンターを例に用いて本実施例の液体噴射装置の大
まかな構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンター1
0は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ2
0と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うための
プラテンローラー40と、正常に印刷可能となるようにメンテナンスを行うメンテナンス
機構50などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカート
リッジ24や、インクカートリッジ24が装着されるキャリッジケース22や、インクを
噴射する噴射ヘッド23などが設けられている。噴射ヘッド23の底面側(印刷媒体2に
向いた側)には、複数の噴射ノズルが設けられており、インクカートリッジ24内のイン
クを噴射ヘッド23に導いて、噴射ノズルから印刷媒体2に向かってインクを噴射するこ
とが可能となっている。
【0022】
尚、図示したインクジェットプリンター10では、シアン(以下C)色、マゼンタ(以
下M)色、イエロー(以下Y)色、黒(以下K)色の4種類のインクを用いてカラー画像
を印刷することが可能であり、このことと対応して、噴射ヘッド23には、インクの色毎
に噴射ノズルが設けられている。そして、それぞれの噴射ノズルに対しては、対応する色
のインクカートリッジ24から、通路を介してインクが供給されるようになっている。
【0023】
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、内側に複数の歯形が形成されたタイミ
ングベルト32と、タイミングベルト32を駆動するための駆動モーター34などから構
成されている。タイミングベルト32の一部は噴射ヘッド23に固定されており、タイミ
ングベルト32を駆動すると、主走査方向に延設されたガイドレール36によってガイド
しながら、キャリッジ20を主走査方向に往復動させることが可能となる。また、印刷媒
体2の紙送りを行うプラテンローラー40は、図示しない駆動モーターやギア機構によっ
て駆動されて、印刷媒体2を副走査方向に所定量ずつ紙送りすることが可能となっている

【0024】
メンテナンス機構50は、印刷領域外のホームポジションと呼ばれる領域に設けられて
おり、キャップ52や、キャップ52の下方の位置に設けられた負圧ポンプ54などから
構成されている。メンテナンス機構50では、噴射ヘッド23から正常にインクを噴射す
るためのメンテナンス動作が行われる。すなわち、キャップ52は図示しない昇降機構に
よって上下方向に移動可能となっている。そして、キャリッジケース22をホームポジシ
ョンに移動した状態で、キャップ52をキャリッジケース22の底面側に押し当てると噴
射ヘッド23を覆うように閉空間が形成され、噴射ヘッド23内のインクが乾燥すること
を防止可能となっている。また、キャップ52には、図示しない負圧チューブを介して負
圧ポンプ54が接続されており、キャリッジケース22の底面側にキャップ52を押し当
てた状態で負圧ポンプ54を作動させることで、噴射ヘッド23内のインクを吸い出すこ
とも可能となっている。このため、噴射ヘッド23内で乾燥が進んでインクの粘度が増加
してしまった場合でも、そのようなインクを吸い出して、噴射ヘッド23内のインクを適
切な粘度に維持しておくことが可能である。
【0025】
また、インクジェットプリンター10の背面には、インクジェットプリンター10の全
体の動作を制御する制御部60が搭載されている。キャリッジ20を往復動させる動作や
、印刷媒体2を紙送りする動作や、噴射ノズルからインクを噴射する動作や、メンテナン
ス機構50で行われる各種のメンテナンス動作などの動作は、全て制御部60によって制
御されている。
【0026】
図2は、インクカートリッジ24をキャリッジケース22に装填する様子を示した説明
図である。図示されているように、インクカートリッジ24には、外部にインクを供給す
るためのインク供給孔26が、インクカートリッジ24の底面から下方に向かって設けら
れている。また、キャリッジケース22には、キャリッジケース22の上方からインクカ
ートリッジ24を装填可能な凹部25が設けられており、凹部25の底面には、4つのイ
ンクカートリッジ24が装填される位置ごとに、各インクカートリッジ24からインクを
取り入れるためのインク供給針27が立設されている。従って、インクカートリッジ24
を凹部25の底面まで押し込んでキャリッジケース22に装填すると、インク供給孔26
にインク供給針27が差し込まれて、インクカートリッジ24内のインクをキャリッジケ
ース22内に取り入れることが可能となる。また、キャリッジケース22には、図示しな
いインク通路が内蔵されており、インク供給針27から取り入れたインクは、インク通路
を介して噴射ヘッド23に供給されるようになっている。
【0027】
また、詳細には後述するが、本実施例のインクカートリッジ24には、インク供給孔2
6からインク中の水分が蒸発することを抑制する目的で、インク供給孔26内にインク供
給孔26を封止する封止機構が設けられている。以下ではこの封止機構について説明する
が、説明の前提として、従来のインクカートリッジに設けられているインク供給孔の封止
機構について説明しておく。
【0028】
図3は、従来のインク供給孔の封止機構を示した説明図である。図3には、インク供給
孔を鉛直下方に向けてインクカートリッジを立てた状態(前述した図2の状態)で、イン
ク供給孔の縦断面をとった時の様子が示されている。
【0029】
図3(a)に示されるように、従来のインクカートリッジのインク供給孔には、インク
供給孔の開口部付近の内壁に沿ってゴム製のシール部材が設けられている。そして、イン
ク供給孔にインク供給針が差し込まれていない時(インクカートリッジがキャリッジケー
スから取り外されている時)は、インク供給孔の奥側に設けられたバネによって、封止弁
がシール部材に押し付けられた状態となる。従って、この状態ではインク供給孔の開口部
が密閉されるので、インクカートリッジ24内のインクから水分が蒸発しないようになっ
ている。
【0030】
また、図3(a)に示した状態から、インクカートリッジをキャリッジケースに装填す
ると、その動作に伴って封止弁がインク供給針の先端で押し上げられる。こうして封止弁
とシール部材とが離間して封止弁が開弁すると、インクカートリッジ内のインクが流出す
る。
【0031】
この時、流出したインクによって周囲を汚さないように、封止弁71が開弁するより前
にインク供給針の周囲が密閉されるようになっている。すなわち、図3(b)に示される
ように、インク供給孔にインク供給針が差し込まれると、インク供給孔のシール部材から
インク供給孔の内側に突き出た突出部によってインク供給針の周囲が密閉される。その後
、更にインク供給針が押し込まれると、インク供給針の先端が封止弁に接触し、封止弁が
開弁する。このため、開弁時にインクカートリッジ内から流出したインクがシール部材の
突出部で受け止められるので、シール部材の突出部よりも下流側にインクが漏れ出さない
ようになっている。
【0032】
もっとも、上述した従来の構成では、図3(b)に示されるように、封止弁、シール部
材、およびインク供給針によって密閉されたインク供給孔内の空間には空気が閉じ込めら
れる。こうしてインク供給孔内に閉じ込められた空気は、インク供給針がより深くまで差
し込まれて封止弁が開弁した時に、封止弁とシール部材との隙間からインクカートリッジ
の内部に入り込む。そして、インクカートリッジ内に混入した空気が気泡となって噴射ヘ
ッド側の通路に流れ込むと、気泡が通路を塞いでインクを上手く供給することができなく
なる等の弊害が生じ得る。そこで、本実施例のインクカートリッジでは、以下のようなイ
ンク供給孔の封止機構を採用している。
【0033】
B.本実施例のインク供給孔の封止機構 :
図4は、本実施例のインク供給孔に搭載された封止機構の分解組立図である。図示され
るように、本実施例のインク供給孔26内の封止機構は、インク供給孔26の開口部を封
止する封止弁71と、後述するインク供給孔26内のシール部に封止弁71を押しつける
ための封止バネ70と、インク供給孔26の開口部と封止弁71との間に設けられたスポ
ンジ部材72などから構成されている。スポンジ部材72は、略円柱形状に形成されてお
り、円柱の中心部分は、封止弁71から下方(インク供給孔26の開口部の方向)に突き
出た突起部が貫通可能にくり抜かれている。
【0034】
図5は、本実施例のインク供給孔26の内部構造の拡大図である。図5(a)に示され
るように、インク供給孔26の内壁は、開口部付近で2段階の階段形状に形成されている
。そして、階段の上段にはゴム製のシートが敷設されたシール部73が設けられており、
下段には、前述したスポンジ部材72が着座する着座部74が設けられている。
【0035】
インクカートリッジ24がキャリッジケース22に装填されていない状態では、図5(
a)に示されるように、インク供給孔26奥側の内壁75に設けられた封止バネ70によ
って、封止弁71がシール部73に押し付けられる。この状態ではインク供給孔26の開
口部が密閉されて、インクカートリッジ24内のインクから水分が蒸発することが防止さ
れる。尚、図5(a)に示した状態では、スポンジ部材72は、シール部73と着座部7
4とに挟まれて圧縮された状態となっている。このようにスポンジ部材72を圧縮してお
く理由については後述する。
【0036】
図5(a)に示した状態から、インク供給孔26にインク供給針27が差し込まれると
、図5(b)に示されるように、インク供給針27の先端で封止弁71の突起部が押し上
げられて封止弁71とシール部73とが離間し、封止弁71が開弁する。このとき、封止
弁71とシール部73との間にできた隙間からインクカートリッジ24内のインクが流出
するが、流出したインクがインク供給孔26の開口部に向かう途中の位置にはスポンジ部
材72が設けられている。従って、流出したインクはスポンジ部材72に吸収されて、ス
ポンジ部材72内に保持される。これにより、封止弁71が開弁しても下流側(インク供
給孔26の開口部側)にインクが漏れ出すことはない。
【0037】
図5(b)の状態から、さらにインク供給孔26の奥までインク供給針27を差し込ん
でいくと、封止弁71がインク供給孔26の奥側に押し上げられ、これに伴って圧縮され
ていたスポンジ部材72はインクカートリッジ24内からのインクを吸い込みながら元の
大きさに戻っていく。そして、インクカートリッジ24をキャリッジケース22に装填す
る動作が完了すると、図5(c)に示されるように、インク供給孔26の底面と、キャリ
ッジケース22の底面上に設けられたゴム製のシール面29とが当接する。その結果、イ
ンク供給針27の周囲が密閉された状態となり、たとえインクカートリッジ24内からイ
ンクが流出してもインクが外に漏れ出すことがない。
【0038】
もちろん、インク供給針27の周囲を密閉することに伴って、インク供給孔26内の密
閉された空間(以下、密閉空間と呼ぶ)に空気を閉じ込めてしまうことも起こり得る。し
かし、空気が閉じ込められたとしても、密閉空間とインクカートリッジ24の内部との間
にはスポンジ部材72が介在しているので、スポンジ部材72が障壁となって、密閉空間
内の空気がインクカートリッジ24内には入り込まないようになっている。従って、後は
以下のようにしてインク供給孔26内に閉じ込められた空気を抜き取ることで、印刷可能
な状態となる。
【0039】
図6は、インクカートリッジ24の装填時にインク供給孔26内に閉じ込められた空気
を抜き取る様子を示した説明図である。インク供給孔26の密閉空間内の空気を抜き取る
際には、キャリッジケース22を前述したホームポジションに移動させ(図1を参照)、
キャリッジケース22の底面側にキャップ52を押し当てた状態で負圧ポンプ54を作動
させる。こうすると、図6(a)に示されるように、インク供給針27の内部通路28を
介してインク供給孔26内の密閉空間から空気が吸い出される。こうして密閉空間の負圧
が大きくなると、スポンジ部材72に保持されたインクが吸い出され、インク供給孔26
の密閉空間内にインクが満たされていく。
【0040】
更に負圧ポンプ54を作動させ続けると、図6(b)に示されるように、インク供給孔
26内の密閉空間の空気がスポンジ部材72からのインクに置き換わる。そして、密閉空
間内のインクがインク供給針27に吸い込まれ、内部通路28およびキャリッジケース2
2内のインク通路(図示せず)を経由して噴射ヘッド23まで導かれると、噴射ヘッド2
3からインクを噴射可能な状態となる。
【0041】
以上のような本実施例のインク供給孔26の封止機構によれば、インク供給孔26内に
スポンジ部材72を設けることで、封止弁71の開弁時のインクの流出を防止することが
できると共に、インク供給孔26内の密閉空間に閉じ込められた空気がインクカートリッ
ジ24内に入り込むことを防止することが可能となる。従って、従来のインク供給孔の封
止機構を備えたインクカートリッジにおける上述した弊害を回避することができる。また
、従来の封止機構と同様に、インクカートリッジ24をキャリッジケース22から取り外
した状態では封止弁71が閉弁するので(図5(a)を参照)、インクカートリッジ24
内のインクから水分が蒸発することを抑制することが可能である。その結果、たとえば印
刷媒体の種類を変更するなどの理由でインクカートリッジ交換した場合でも、本実施例の
インクカートリッジ24では、封止弁71によってインク供給孔26の開口部が密閉され
る。従って、インクからの水分蒸発が抑制されてインクの性状が劣化することを防止する
ことが可能である。
【0042】
また、前述したように、本実施例の封止機構では、インクカートリッジ24をキャリッ
ジケース22から取り外した状態では、封止弁71と着座部74とによってスポンジ部材
72が押し潰されるようになっているが、これは次のような理由による。すなわち、本実
施例の封止機構では、前述したように、封止弁71によってインク供給孔26が密閉され
る位置(シール部73の位置)よりも開口部側にスポンジ部材72が設けられている関係
上(図5を参照)、封止弁71が閉弁している状態でも、スポンジ部材72はインク供給
孔26からの外気に曝される。従って、この状態でスポンジ部材72がインクを保持し続
けていたのでは、スポンジ部材72内のインクが乾燥してスポンジ部材72が目詰まりし
てしまう。その結果、スポンジ部材72がインクを保持する力が低下して、インク供給孔
26からインクが漏れ出ることを防止することができなくなる虞がある。また、スポンジ
部材72が目詰まりすると、スポンジ部材72からインクを上手く吸い出すことができな
くなり、結果として噴射ヘッド23へのインクの供給に支障をきたすこととなってしまう

【0043】
これに対して、本実施例のインク供給孔26の封止機構では、インクカートリッジ24
をキャリッジケース22から取り外した状態ではスポンジ部材72が押し潰されるので、
スポンジ部材72が内部にインクを保持した状態で長時間、外気に曝されることはない。
従って、スポンジ部材72内でインクが乾燥して目詰まりすることを回避することが可能
である。もちろん、スポンジ部材72が押し潰される時には、スポンジ部材72に保持さ
れたインクがスポンジ部材72から流出しようとする。しかし、本実施例のスポンジ部材
72では、スポンジ部材72の底面側でインクを保持する力(メニスカス耐圧)が、イン
クカートリッジ24内の圧力よりも大きくなるように設定されている。このため、封止弁
71によってスポンジ部材72が潰されていくと、その過程でスポンジ部材72から流出
するインクはスポンジ部材72の底面側からは流出せずに、再びインクカートリッジ24
の内部に戻っていく。従って、封止弁71の閉弁時(インクカートリッジ24の取り外し
時)に、スポンジ部材72に保持されたインクがインク供給孔26から漏れ出てしまうこ
ともない。
【0044】
C.変形例 :
前述した実施例(以下、第1実施例と呼ぶ)には、いくつかの変形例が考えられる。以
下では、これらの変形例について簡単に説明する。尚、以下に説明する変形例において、
上述した実施例と同様の構成部分については、本実施例と同様の符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0045】
C−1.第1変形例 :
前述した第1実施例では、封止弁71が開弁した後にインク供給針の周囲がシール面2
9されるものと説明した。しかし、インク供給針27の周囲を密閉した後に封止弁71が
開弁するような構造としてもよい。
【0046】
図7は第1変形例のインク供給孔26の封止機構を示した説明図である。図7(a)に
示したインク供給孔26の封止機構は、前述した従来の封止機構(図3を参照)に対して
、封止弁71の外縁部を取り囲むようにしてスポンジ部材72が設けられた構成となって
いる。このような構成によれば、インク供給孔26にインク供給針27が差し込まれると
、封止弁71、シール部材80、およびインク供給針27によって密閉されたインク供給
孔26内の空間には空気が閉じ込められる。しかしながら、図7(b)に示されるように
、封止弁71が開弁しても、封止弁71とインク供給孔26との隙間の部分にはスポンジ
部材72が設けられているので、インク供給孔26内に閉じ込められた空気はスポンジ部
材72に遮られてインクカートリッジ24の内部には入り込まないようになっている。
【0047】
以上のような第1変形例のインク供給孔26の封止機構を用いても、前述した第1実施
例の封止機構と同様の有利な効果を得ることが可能である。また、従来の封止機構の構成
部品を変更することなく、スポンジ部材72を追加するだけなので、封止機構を簡単に構
成することができる。更に、インク供給針27の周囲がシール部材80で密閉されるので
、前述したように、スポンジ部材72に保持されたインクを吸い出す際に(図6を参照)
、インク供給針27の土台部分にインクが付着することがない。従って、インクカートリ
ッジ24の装填時にインクで周囲が汚れることをより確実に防止することができる。加え
て、封止弁71とシール部材80とによってインク供給孔26が密閉される位置よりも奥
側にスポンジ部材72が収容されることで、封止弁71が閉弁している間はスポンジ部材
72が外気に曝されることがない。従って、前述した実施例のように、スポンジ部材72
の目詰まりを防止する目的でスポンジ部材72を押し潰す必要がないので、スポンジ部材
72が潰されることで劣化することを防ぐことが可能である。
【0048】
C−2.第2変形例 :
前述した第1実施例および第1変形例では、スポンジ部材72はインク供給孔26の着
座部74に単に乗せられているものと説明した。ここで、スポンジ部材72は次のように
して着座部74に固定することとしてもよい。
【0049】
図8は第2変形例のインク供給孔26の封止機構を示した説明図である。図8に示した
インク供給孔26の封止機構では、前述した実施例の封止機構(図5を参照)に対して、
杭状の固定部材76がスポンジ部材72に内蔵されており、固定部材76によってスポン
ジ部材72の底面側が着座部74に打ち付けられている。このようなインク供給孔26の
封止機構によれば、スポンジ部材72の底面側を確実に着座部74に固定しておくことが
できる。従って、封止弁71が押し上げられた時に、封止弁71の裏側(スポンジ部材7
2側)にインクで湿ったスポンジ部材72が張り付いて封止弁71と一緒に浮き上がって
しまうことを防ぐことができる。従って、スポンジ部材72が浮き上がってできた隙間か
らインクが流出し、インク供給孔26からインクが漏れ出てしまう事態を回避することが
可能である。
【0050】
C−3.第3変形例 :
前述した第1実施例、第1変形例および第2変形例では、封止弁71を押し当ててイン
ク供給孔26の開口部を密閉するためのシール部73(図5および図8を参照)あるいは
シール部材80(図7を参照)を設けておくものと説明した。しかし、以下のようにすれ
ば、シール部73あるいはシール部材80は省略することも可能である。
【0051】
図9は、第3変形例のインク供給孔26の封止機構を示した説明図である。図8に示し
たインク供給孔26の封止機構では、前述した本実施例の封止機構(図5を参照)のシー
ル部73が省略されている。また、封止弁71がインク供給針27によって押し上げられ
ていない状態では、封止弁71からの押圧力によってスポンジ部材72が十分に押しつぶ
されている。この状態では、スポンジ部材72内の繊維が密となることで、スポンジ部材
72自体がインク供給孔26の開口部を密閉する部材として機能するので、前述したシー
ル部73あるいはシール部材80を設ける必要がない。
【0052】
また、スポンジ部材72の着座部74には、着座部74の一部が上方に少し隆起して形
成された押圧部77が設けられており、この押圧部77の位置ではスポンジ部材72が特
に強く押し潰される。換言すれば、封止弁71からの押圧力はそれほど大きく設定してお
かなくても、押圧部77の位置で十分にスポンジ部材72を押し潰すことができる。従っ
て、スポンジ部材72にかかる負荷が軽減されることでスポンジ部材72の劣化を抑制す
ることが可能である。
【0053】
D.第2実施例 :
前述した第1実施例および第1実施例の変形例では、インクカートリッジ24をキャリ
ッジケース22に装填した後に、インク供給孔26内に生じた密閉空間内の空気を抜き取
る作業を行うものと説明した(図6を参照)。ここで、以下に示すようなインク供給針2
7を採用すれば、上述した密閉空間内の空気を抜き取る作業は省略することが可能である

【0054】
図10は、第2実施例のインク供給針27を示した説明図である。図10に示したイン
ク供給針27には、針の先端部分にステンレス製の細い繊維を用いて形成されたドーム型
のフィルター部材90が設けられている。このフィルター部材90は、フィルター部材9
0が取り付けられているインク供給針27の土台部分から立設するリブ94によってフィ
ルター部材90の裏側から支持されることで、フィルター部材90の外側からの力に対し
てある程度の強度が付与されている。また、フィルター部材90のドームの天井部分には
、樹脂製の防護板92が設けられている。
【0055】
図11は、第2実施例のインク供給針27を介してインクカートリッジ24からインク
が供給される様子を示した説明図である。尚、インク供給針27が差し込まれるインクカ
ートリッジ24のインク供給孔26については、前述した第1実施例のインク供給孔26
(図5を参照)と同じものとして説明する。
【0056】
第2実施例のインク供給針27がインク供給孔26に差し込まれると、フィルター部材
90の天井部分(すなわち防護板92が設けられた部分)で封止弁71の突起部が押し上
げられて開弁する。従って、フィルター部材90と封止弁71の突起部とが直に接触する
ことがなく、フィルター部材90が突起部に押されて凹むなどの損傷が生ずることが防止
される。また、第2実施例の封止弁71の突起部は、前述した第1実施例、および変形例
の突起部よりも少し短く形成されている。従って、更にインク供給針27がインク供給孔
26の奥まで差し込まれると、図11に示されるように、フィルター部材90がインク供
給孔26内のスポンジ部材72の高さまで到達し、フィルター部材90の表面とスポンジ
部材72とが密着する。
【0057】
このとき、インク供給針27の内部にインクが残っていれば、インク供給針27内のイ
ンクと、スポンジ部材72内のインクとがフィルター部材90を介して結合(液面接触)
する。従って、スポンジ部材72内のインクとインク供給針27内のインクとが液面接触
している部分を介して連通した状態となる。その結果、噴射ヘッド23側でインクが消費
されると、消費された分のインクがスポンジ部材72からインク供給針27内に取り入れ
られる。
【0058】
また、前述したように、フィルター部材90はステンレス製の細い繊維を用いて形成さ
れており、繊維の隙間が非常に密となっているため、フィルター部材90の毛管力は、ス
ポンジ部材72がインクを内部に保持しようとする力(スポンジ部材72の毛管力)より
も大きくなっている。従って、インク供給針27内にインクが存在しない状態(例えば、
インクジェットプリンター10に初めてインクカートリッジ24を装填する場合)であっ
ても、スポンジ部材72と密着した部分からフィルター部材90へとインクが吸い込まれ
、吸い込まれたインクがインク供給針27の内部通路28に流入する。こうして内部通路
28に流入したインクがキャリッジケース22内のインク通路(図示せず)を通って噴射
ヘッド23に供給されることで、インクを噴射可能となる。
【0059】
このような第2実施例のインク供給針27を用いれば、スポンジ部材72からインクが
直接吸い出されるので、インク供給孔26内の密閉空間に空気が閉じ込められている状態
であっても、閉じ込められた空気をインク供給針27から吸い込んでしまう虞がない。従
って、密閉空間に閉じ込められた空気を抜き取る手間を省くことが可能である。
【0060】
E.第2実施例の変形例 :
上述した第2実施例では、封止弁71を開弁させる際には、フィルター部材90の天井
部分に設けられた防護板92で封止弁71の突起部を押し上げるものと説明した。しかし
、封止弁71の突起部を押し上げるために次のような構成を利用することとしてもよい。
【0061】
図12は、第2変形例のインク供給孔26の封止機構を示した説明図である。図12に
示したインク供給孔26の封止機構では、図11に示した封止機構の封止弁71の突出部
の下端にマグネット98が設けられている。また、インク供給針27のフィルター部材9
0の天井部分には、樹脂製の防護板92の代わりにマグネット96が設けられている。そ
してマグネット98とマグネット96とは、接近すると互いに反発しあうように設けられ
ている。このような第2変形例のインク供給孔26の封止機構では、インク供給針27に
よって封止弁71を押し上げる際、マグネット98とマグネット96との間に隙間ができ
た状態で封止弁が押し上げられる。従って、インクカートリッジ24をキャリッジケース
22に装填するたびに封止弁71の突起部に物が当たることがないので、突起部の劣化を
抑制することが可能である。
【0062】
以上、各種の実施形態を説明したが、本発明は上記すべての実施形態に限られるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例
えば、前述した実施例および変形例では、インク供給孔内に設けられるスポンジ部材は、
吸い込んだインクがスポンジ部材から流出しないように内部に保持し続けるものと説明し
た。しかし、スポンジ部材は、少なくとも一時的にインクを保持可能なものであっても良
い。
【0063】
前述したように、インクカートリッジがキャリッジケースに装填されると、インク供給
孔の底面とキャリッジケースの凹部に設けられたシール面とによってインク供給針の周囲
が密閉される。このことからすれば、スポンジ部材は、少なくとも封止弁が開弁してから
インクカートリッジの装填が完了するまでのごく短い時間、内部にインクを保持すること
ができれば、インク供給孔からインクが流出することを十分に防ぐことができる。また、
スポンジ部材のインクの保持力が小さければ、インク供給針内にインクをより迅速に吸い
込むことが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
10…インクジェットプリンター、 20…キャリッジ、
22…キャリッジケース、 23…噴射ヘッド、 24…インクカートリッジ、
25…凹部、 26…インク供給孔、 27…インク供給針、
28…内部通路、 29…シール面、 30…駆動機構、
32…タイミングベルト、 34…駆動モーター、 36…ガイドレール、
40…プラテンローラー、 50…メンテナンス機構、 52…キャップ、
54…負圧ポンプ、 60…制御部、 70…封止バネ、
71…封止弁、 72…スポンジ部材、 73…シール部、
74…着座部、 75…内壁、 76…固定部材、
77…押圧部、 80…シール部材、 90…フィルター部材、
92…防護板、 94…リブ、 96…マグネット、
98…マグネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する液体収容室を備えた液体収容容器であって、
前記液体収容室内の前記液体を外部に供給するための供給孔と、
前記供給孔に設けられて、前記液体収容容器の外側から押されることにより開弁する封
止弁と、
前記封止弁の開弁によって生ずる隙間を塞ぐように設けられて、前記液体収容室から流
出する前記液体を吸い込んで内部に保持する多孔質部材と
を備える液体収容容器。
【請求項2】
請求項1に記載の液体収容容器であって、
前記封止弁は、
前記供給孔の外側から該供給孔の奥側へと移動可能に設けられた蓋部材と、
前記供給孔内に設けられたシール部に、該供給孔の奥側から前記蓋部材を押し付ける
封止バネと
を備える液体収容容器。
【請求項3】
前記多孔質部材は、前記封止弁が閉弁した状態では該封止弁によって押し潰されており
、該封止弁が開弁すると元の形状に復元する部材である請求項1または請求項2に記載の
液体収容容器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の液体収容容器が装填される液体噴射装置
であって、
前記液体収容容器が前記液体噴射装置に装填されると、前記供給孔の外側から前記封止
弁を押して開弁させる供給針と、
前記供給針の内部に設けられて、前記封止弁の開弁時に前記液体収容室内から流出した
前記液体を前記液体噴射装置の内部に取り入れるための液体通路と
を備える液体噴射装置。
【請求項5】
前記供給針は、前記液体収容容器が前記液体噴射装置に装填された状態で、前記多孔質
部材と接触する多孔性のフィルター部材を備える請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記供給針は、前記フィルター部材が前記封止弁と接触する面とは反対側から該フィル
ター部材を支持する支持部材を備える請求項5に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−71439(P2012−71439A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216561(P2010−216561)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】