説明

液体吐出ヘッドおよびインクジェット記録装置

【課題】記録ヘッドの基板において圧力室や流路などを高密度に配置でき、それによってリフィル周波数の向上を可能とする。
【解決手段】供給口24の右側に配置されるヒータ9に対する電源‐ヒータ配線10aおよびヒータ‐駆動回路配線10bは、個々の供給口を隔てるはり部20を利用して這いまわしすることができる。これとともに、流路および圧力室にインクを供給するための複数の供給口を設け、これら複数の供給口をはり部によって隔てるようにすることにより、それぞれの供給口の両側に吐出口など吐出に係る構造を配置でき、上記吐出に係る構造を比較的高い密度で配置した場合でも、その配置による制約を受けずにそれぞれのヒータなどを必要で充分なサイズおよび配置とすることができる。また、ヒータと電源配線や駆動回路とを連結する配線も供給口の隔壁となるはり部に這いまわしをすることから、上記複数の供給口の配置を効率的に利用した配線が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクを吐出する記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドおよびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、吐出エネルギー発生素子を配置した個々の室に液体を供給するための流路の構成および上記素子を駆動するための配線に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドとして、その基板上にエネルギー発生素子としてのヒータを2列配列し、これらヒータ列の間にそれらの列に沿って、ヒータが配置されたそれぞれの圧力室にインクを供給するための1つの供給口が基板を貫いて形成されているものが知られている。
【0003】
図1(a)は、このような従来の記録ヘッドの主要部を示すそれぞれ一部断面で示す斜視図であり、図1(b)は、図1(a)に示すオリフィスプレート502を除いて示す同様の図である。図1(a)に示すように、基板503には、複数のヒータ509やこれを駆動するための駆動回路509b、駆動回路による吐出のオン/オフを定めるための論理回路509cが設けられる。また、基板503にオリフィスプレート502が重ねて形成されることにより、個々のヒータ509に対応した吐出口506や圧力室508(図1(b))および流路507(図1(b))が形成される。このように、基板上において2列のヒータ列(圧力室および流路の列)が設けられ、インク供給口505は、それらヒータ列の間で、ヒータ列に沿った1つの基板を貫通する孔として形成される。これにより、インクタンクから供給口505を介して供給されるインクは、インクの吐出動作に伴い供給口の両側に配列する個々の流路507、圧力室508に供給される。
【0004】
図2は、図1(a)および(b)に示した、ヒータ(および吐出口)の配列を1単位とし、それを6単位設けた基板を示す平面図である。上記配列の1単位は1種類のインクに対応しており、図2は、6種類のインク、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、色材濃度の薄い淡シアン、同じく色材濃度の薄い淡マゼンタ、ブラックの各インクを吐出する記録ヘッドの基板構成を示している。図2に示すように、両側にヒータ列が配置された供給口505を挟むように2つの電源電極510が設けられる。また、駆動回路509bは電源配線と同じように供給口505の両側にそれぞれ設けられる。すなわち、電極511を介して外部から電力を受けるこれら2つの電源電極510はそれぞれ、供給口505に対して同じ側のヒータ列の駆動のための電力を供給し、また、駆動回路509bは供給口505に対して同じ側のヒータ列を駆動することになる。
【0005】
図3(a)は、上述した従来の記録ヘッドの、特に、吐出口(ヒータ)、圧力室および流路の構成の一例を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)におけるA−A’線に沿う断面図である。さらに、図3(c)は図3(a)に示す構成にさらに駆動回路、電源配線、ヒータを加えた平面図であり、図3(d)は図3(c)に示す破線領域の拡大図である。これら図に示す構成の記録ヘッドは、基板503とオリフィスプレート502との間に形成される空間の一部が共通液室504として機能する。液体供給口505はこの共通液室504に連通し、共通液室504に連通するように個々の流路507が延びており、個々の液体流路507における共通液室504と逆側の端部には、圧力室508が形成されている。オリフィスプレート502には、圧力室508に連通して吐出口506が形成されている。そして、吐出口506に対応した位置にヒータ509が配置される。液体供給口505を介して共通液室504に供給されたインクは、それぞれの流路507を介して対応する圧力室508に供給され、圧力室508内でヒータ509によってインクに熱エネルギーが供給されて、それに基づき吐出口506からインクが吐出される。
【0006】
図3(c)および(d)に示すように、供給口505の両側のそれぞれのヒータ列に対して、電源配線510とヒータ509とを結ぶ電源‐ヒータ配線510aとヒータ509と駆動回路509bとを結ぶヒータ‐駆動回路配線510bがヒータごとに設けられる。
【0007】
図4(a)〜(d)は、記録ヘッドの他の従来例を示す図であり、図3(a)〜(d)に示した記録ヘッドと異なる点は、吐出口の配列密度を増した例に関するものである。すなわち、吐出口(および対応するヒータ、圧力室など)を千鳥状に配列することによって吐出口の配列密度を高くしたものである。これにより、記録ヘッド、特に基板のサイズが増すことを抑制でき、記録ヘッドの製造コストを抑えるなどの利点がある。
【0008】
図4(a)〜(d)に示すように、基板503において、ヒータ509、圧力室508および流路507の一組の単位の列が、供給口505の両側にそれぞれ二列設けられる。そして、それぞれの二列における上記単位がその供給口505からの距離を1つおきに長、短とした列を構成するものである。これにより、同じ数の上記単位を供給口505の長手方向に沿って単純に一列で構成するよりも高い密度で配列することができ、同じサイズの基板に配設する上記単位の数を増すことが可能となる。この場合、駆動回路509bおよび不図示の論理回路については、増加した吐出口の数分だけ回路規模が大きくなるが、その専有面積は、図3に示した供給口、ヒータ、駆動回路、不図示の論理回路からなる列を2つ配置した場合に比較して小さくすることができる。すなわち、個別に配置した場合に必要となる供給口の二箇所分の配置面積はほぼ一つでよいため、基板面積を小さくすることが可能となる。また、吐出口等の単位を千鳥状に配置することによって、供給口505の長手方向に沿って単純に一列で構成する場合に比較して流路を仕切る隔壁512の厚さを充分に確保することができ、これにより、記録ヘッドの信頼性の低下を招くことがない。
【0009】
以上の吐出口(ヒータ)、圧力室および流路の構成では、電源‐ヒータ配線510aおよびヒータ‐駆動回路配線510bはそれぞれ2種類の配設長さを持つことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2006−159893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
以上のとおり、吐出口を千鳥状配置とすることにより、吐出口などの単位の配列密度を高くすることができる。しかしながら、この千鳥状配置の場合、供給口505に近い側の吐出口506aの列において、その吐出口506aの圧力室508aと隣接する圧力室508aとの間に、供給口505から遠い側の圧力室508bに対する流路507bを配置することになる。このため、近い側の圧力室508aや吐出口506aはそれらのために確保できる体積や面積に制約を生じ、結果として、設計できる吐出量などの特性が制限されることになる。例えば、図4(c)および(d)に示すように、ヒータおよびそれを配置する圧力室の面積が遠い側のそれらに比べて小さくすることがある。
【0012】
逆に、遠い側の圧力室508bに対する流路507bは、近い側の圧力室508aの配列の間に形成することになるため、その流路の幅を広く確保することが難しいとともに、圧力室508bのサイズに応じて流路の長さを長くする必要がある。この流路の幅と長さの制約によって、遠い側の吐出口506bから吐出が行われた後のインクの再充填(以下、リフィルともいう)の時間は長くなる傾向にあり、吐出周期を短くすることが(吐出周波数を上げることが)困難となる。
【0013】
以上説明した種々の制約は、同じ種類のインクについて1つの供給口505によって2つの吐出口(および関連するヒータ等の)群に分ける配置構成が一つの原因となっている。すなわち、供給口505はその両側の複数の吐出口に対してインクを供給するため、それらの吐出口配列に沿って比較的長く延在するものとなり、また、複数の吐出口分の大量のインクを供給するために比較的大きな面積を持つことになる。その結果、特に吐出口の配列密度を増すと、ヒータや圧力室、あるいは流路を配置する場所ないし面積が限定され、上述したような種々の制約が生じることになる。そして、この場合、上述した圧力室や流路などの他、基板上に構成される配線の配置なども同じような制約を受けることがある。
【0014】
本発明の目的は、基板上において上述した種々の制約を受けずに圧力室や流路などを高密度に配置でき、それによってリフィル周波数の向上を可能とする液体吐出ヘッドおよびインクジェット記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのために本発明では、液体を吐出するための液体吐出ヘッドであって、吐出口に連通し吐出エネルギー発生素子が設けられた圧力室に、同じ種類の液体を供給するための複数の供給口と、前記複数の供給口を相互に隔てるためのはり部と、前記はり部に設けられた、前記吐出エネルギー発生素子を駆動するために用いられる配線と、を具えたことを特徴とする。
【0016】
また、インクを吐出するための記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、前記記録ヘッドは、吐出口に連通し吐出エネルギー発生素子が設けられた圧力室に、同じ種類のインクを供給するための複数の供給口と、前記複数の供給口を相互に隔てるためのはり部と、前記はり部に設けられた、前記吐出エネルギー発生素子を駆動するために用いられる配線と、を具えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上の構成によれば、液体吐出ヘッドにおいて、その基板上に圧力室や流路などを高密度に配置できるとともに、リフィル周波数の向上が可能となる。これとともに、例えば、吐出エネルギー発生素子を駆動するための配線を供給口の隔壁となるはり部に這いまわしをすることができ複数の供給口の配置を効率的に利用した配線が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(a)は、このような従来の記録ヘッドの主要部を示すそれぞれ一部断面で示す斜視図であり、(b)は、図1(a)に示すオリフィスプレート502を除いて示す同様の図である。
【図2】図1(a)および(b)に示した、ヒータ(および吐出口)の配列を1単位とし、それを6単位設けた基板を示す平面図である。
【図3】(a)は、従来の記録ヘッドの、特に、吐出口(ヒータ)、圧力室および流路の構成の一例を示す平面図であり、(b)は図3(a)におけるA−A’線に沿う断面図である。さらに、(c)は図3(a)に示す構成にさらに駆動回路、電源配線、ヒータを加えた平面図であり、(d)は図3(c)に示す破線領域の拡大図である。
【図4】(a)〜(d)は、記録ヘッドの他の従来例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置を示す斜視図である。
【図6】上記実施形態に係るインクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドを含むヘッドカートリッジの外観を示した図である。
【図7】上記記録ヘッドの外観を示す図である。
【図8】(a)は、本発明の第一の実施形態に係る記録ヘッドを構成する、吐出口が形成されたオフィリスプレート、ヒータを駆動する駆動回路9および駆動回路を選択する論理回路が形成された基板を示す斜視図であり、(b)は、図8(a)に示すオフィリスプレートの上部を不図示として記録ヘッド内部を示す斜視図である。
【図9】(a)は、図8に示した記録ヘッドの吐出口と圧力室、流路およびインク供給口の配置を示す平面図であり、(b)は図9(a)におけるA−A’線に沿う断面図であり、(c)は、図9(a)に示す配置構成にさらに駆動回路、電源配線、ヒータを加えた状態を示す平面図であり、(d)は図9(c)に示す破線領域の拡大図である。
【図10】(a)は、本発明の第二の実施形態の記録ヘッドにおける吐出口、圧力室、流路および供給口の配置を示す平面図であり、(b)は図10(a)におけるA−A’線に沿った断面図であり、(c)は図10(a)に示す構成に駆動回路、電源配線、ヒータを加えた構成を示す平面図であり、(d)は図10(c)に示す一部の領域の拡大図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の第三の実施形態に係る図であり、第二の実施形態に係る図10(a)〜(d)と同様の図である。
【図12】(a)〜(d)は、本発明の第四の実施形態に係る図であり、第三の実施形態に係る図11(a)〜(d)と同様の図である。
【図13】(a)〜(d)は、本発明の第五の実施形態に係る図であり、第四の実施形態に係る図12(a)〜(d)と同様の図である。
【図14】(a)〜(d)は、本発明の第六の実施形態に係る図であり、第五の実施形態に係る図13(a)〜(d)と同様の図である。
【図15】(a)〜(d)は、本発明の第七の実施形態に係る図であり、第五の実施形態に係る図13(a)〜(d)と同様の図である。
【図16】(a)〜(d)は、本発明の第八の実施形態に係る図であり、第六の実施形態に係る図14(a)〜(d)と同様の図である。
【図17】本発明の第八の実施形態の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0020】
図5は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置を示す斜視図である。また、図6は、このインクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドを含むヘッドカートリッジの外観を示した図である。さらに図7は、その記録ヘッドの外観を示す図である。本実施形態におけるインクジェット記録装置のシャシー110は、所定の剛性を有する複数の板状金属部材により構成され、このインクジェット記録装置の骨格をなす。シャシー110には、図示しないシート状の記録媒体を記録部へと給送する媒体給送部111と、この媒体給送部111から給送される記録媒体を所望の記録位置へ導くと共にこの記録位置から媒体排出部112へと記録媒体を導く媒体搬送部113とが設けられる。さらに、記録位置に搬送された記録媒体に所定の記録動作を行う記録部と、この記録部に対する回復処理を行うヘッド回復部114とが設けられている。
【0021】
記録部は、キャリッジ軸115に沿って走査移動可能に支持されたキャリッジ116と、このキャリッジ116にヘッドセットレバー117の操作によって着脱可能に搭載されるヘッドカートリッジ118とを有する。
【0022】
ヘッドカートリッジ118が搭載されるキャリッジ116には、このヘッドカートリッジ118の記録ヘッド119をキャリッジ116上の所定の装着位置に位置決めするためのキャリッジカバー120が設けられている。さらに、キャリッジ116には、記録ヘッド119のタンクホルダ121と係合して記録ヘッド119を所定の装着位置に位置決めするように押圧する前述のヘッドセットレバー117とが設けられている。
【0023】
記録ヘッド119に対するキャリッジ116の別の係合部には、コンタクトフレキシブル記録ケーブル(以下、コンタクトFPCともいう)122の一端部が連結される。このコンタクトFPC122の一端部に形成された図示しないコンタクト部と、記録ヘッド119に設けられたコンタクト部123とが電気的に接触し、記録のための各種情報の授受や記録ヘッド119への電力の供給などを行うことができる。
【0024】
本実施形態のヘッドカートリッジ118は、インクを貯留するインクタンク124と、このインクタンク124から供給されるインクを記録データに応じて吐出口から吐出させる記録ヘッド119とを含むものである。この記録ヘッド119は、以下の各実施形態で説明するような、基板上に吐出口に対応したヒータなどの配列や、ヒータに対する配線を備えたものである。この記録ヘッド119は、キャリッジ116に対して着脱可能に搭載される、いわゆるカートリッジ方式を採用している。
【0025】
また、本実施形態では写真調の高画質なカラー記録を可能とするため、ブラック(Bk),淡シアン(c),淡マゼンタ(m),シアン(C),マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色インクが独立した6個のインクタンク124を使用可能としている。各インクタンク124には、ヘッドカードリッジ118に対して係止し得る弾性変形可能な取り外し用レバー126が設けられている。そして、この取り外し用レバー125を操作することにより、図7に示すように、記録ヘッド119に対してそれぞれ取り外し可能となっている。
【0026】
(実施形態1)
本発明の第一の実施形態に係る記録ヘッドは、上記Bk、c、m、C、MおよびYのそれぞれのインクについて複数のインク供給口を設け、それぞれ供給口に対して2つのヒータおよび圧力室を対応させて設けた構成に関するものである。
【0027】
図8(a)は、本実施形態に係る記録ヘッドを構成する、吐出口7が形成されたオフィリスプレート3、ヒータ9を駆動する駆動回路9b、および駆動回路を選択する論理回路9cが形成された基板2を示す斜視図である。同図に示す構成は、Bk、c、m、C、MおよびYインクのそれぞれについて設けられる物である。すなわち、図2に示したように、上記6色のインクに対応したヒータ(および吐出口)の配列の6単位のうちの1つの色の1単位に係る構成を示している。図8(b)は、図8(a)に示すオフィリスプレート3の上部を不図示として記録ヘッド内部を示す斜視図である。同図は、供給口24から流路17を介して圧力室14へインクを導入する構造を示している。これら図に示すように、基板2とオリフィスプレート3が貼り合わされることによって、それらの間の空間の一部に、インク供給口24に連通する流路7、圧力室14が形成される。
【0028】
図9(a)は、図8に示した記録ヘッドの吐出口と圧力室、流路およびインク供給口の配置を示す平面図であり、図9(b)は図9(a)におけるA−A’線に沿う断面図である。なお、図9(a)において丸で示される吐出口7は、実際はオリフィスプレート3に形成されるものであって基板2上には形成されないが、圧力室などとの位置関係を示すために図示されている。以下に示す他の図においても同様である。さらに、図9(c)は、図9(a)に示す配置構成にさらに駆動回路、電源配線、ヒータを加えた状態を示す平面図であり、図9(d)は図9(c)に示す破線領域の拡大図である。
【0029】
図9(a)および(b)において、本実施形態の記録ヘッドは、インク供給口24が複数設けられる。これら複数の供給口24は2つの供給口列を形成し、それぞれの列において隣接する供給口24は、はり部20によって隔てられている。また、個々の供給口24の両側にはそれぞれ圧力室14が設けられる。これにより、基本的には、1つの供給口24からその両側の圧力室14、つまり合計2つの圧力室14にインクが供給される。それぞれの圧力室14には吐出エネルギー発生素子としてのヒータ9が設けられるとともに、このヒータに対応するオリフィスプレートの位置には吐出口7が設けられている。複数の供給口24は、それぞれ基板2をその厚み方向に貫いて形成されるものであり、少なくとも基板2においては相互に連通せずに独立した孔として構成される。それぞれの供給口24は、共通液室5に連通している。また、共通液室5に連通してその両側に流路17が延びており、それぞれの流路17における共通液室5と逆側の端部には圧力室14が連通している。
【0030】
吐出口7の配列は、図9(a)において、2つの供給口24の列のうち、左側の供給口列のそれぞれの供給口の両側の吐出口7は上記供給口列に沿った方向において同じ位置に配置される。また、右側の供給口列のそれぞれの供給口の両側の吐出口7も同じく上記方向において同じ位置に配置される。そして、このようにして配置される左右の供給口に対応した吐出口列は、相互に吐出口配列ピッチの半ピッチ分ずれて配置される。このように本実施形態の記録ヘッドは、1つの色のインクについて4列の吐出口列が設けられるが、記録ヘッドの走査は上記吐出口列に沿った方向と直交する方向に行われる。これにより、2組の吐出口列が半ピッチずれて配置されることにより、走査方向に直交する方向の記録解像度を吐出口配列ピッチの2倍にすることができる。また、例えば、吐出口配列方向において同じ位置の吐出口から同じ画素にインクを吐出しその画素を最大2個のインク滴でドットを形成するようにすることができる。あるいは、左右の供給口に対応した2列の吐出口列それぞれについて、ある方向の走査では図中左側の吐出口列を用い、逆方向の走査では右側の吐出口列を用いるようにしてもよい。
【0031】
図9(c)および(d)において、それぞれのヒータ9には、これと電源配線10とを連結する電源‐ヒータ配線10aおよびヒータ9と駆動回路11とを連結するヒータ‐駆動回路配線10bとが接続している。そして、それぞれの供給口24について、その下側のはり部20には、その供給口24の右側に配置されるヒータ9に対する電源‐ヒータ配線10aおよびヒータ‐駆動回路配線10bの一部が設けられる。このように、右側のヒータに対する配線は、個々の供給口24を隔てるはり部20を利用して這いまわしすることができる。
【0032】
以上のように、本実施形態によれば、流路および圧力室にインクを供給するための複数の供給口を設け、これら複数の供給口をはり部によって隔てるようにする。これにより、それぞれの供給口の両側に流路、圧力室、ヒータ、吐出口など吐出に係る構造を配置することができる。これにより、上記吐出に係る構造を比較的高い密度で配置した場合でも、その配置による制約を受けずにそれぞれの流路、圧力室、ヒータなどを必要で充分なサイズおよび配置とすることができる。具体的には、図4(c)に示す従来例と図9(c)に示す本実施形態の配置は同じ面積の領域に構成されるものである。これらの図からわかるように、同じ面積の領域内にほぼ同じ数のヒータ、つまり同じ配置密度でヒータを配置できる。この場合に、本実施形態では、従来に比べて小さな供給口を複数設けたことにより、流路、圧力室、ヒータ等を配置できる場所を無駄なくとることが可能となる。その結果、流路、圧力室、ヒータ等を配置する面積を、これらの配置相互の制約を受けずに充分な大きさとすることができ、それによってリフィル周波数を向上させることが可能な記録ヘッドを得ることができる。
【0033】
また、ヒータと電源配線や駆動回路とを連結する配線も上記の配置による制約を受けずに配置できるとともに、供給口の隔壁となるはり部に這いまわしをすることから、上記複数の供給口の配置を効率的に利用した配線が可能となる。
【0034】
なお、ヒータ、吐出口を高密度に配置すると、それに応じて駆動回路9bおよび論理回路9cの回路規模が大きくなるが、その専有面積は別の供給口、ヒータ、駆動回路、論理回路からなる列を個別に配置した場合に比較して小さくすることができる。すなわち、図3に示した配列単位を2つ設けることで吐出口の数を図9に示した配列単位1つと同等とした場合に比較して基板の面積を小さくすることができる。2つの列を個別に配置した場合に必要となる供給口の二箇所分の配置面積は一つでよいため、基板の面積を小さくすることが可能となる。また、駆動回路および論理回路を配列状にレイアウトすることで、別の列に配置した場合に比較して小さくすることができる。これは駆動回路や論理回路を構成する要素を配列状に配置することで効率的なレイアウトが可能となることによる。具体的な例として、MOSトランジスタをその駆動回路として用いる場合を考える。MOSトランジスタのドレイン電極は、ヒータを介して電源電位に接続する一方、ソース電極はグランド電位に接続する。ドレイン電極については個別のヒータ一つ一つに独立して電極を配置する必要がある。一方、ソース電極については隣接するMOSトランジスタ間で共通電極とすることが可能となる。この隣接MOSトランジスタ間で共通電極とすることでその設置面積を個別に配置した場合に比較してより少なくすることが可能となる。また、論理回路を配置した場合についても同様に隣接する論理回路間でソース電極を共有することや、論理回路へ電源電位を供給するための電源配線が共有できることで別々の列に配置した場合に比較して基板サイズの増大を抑制可能となる。
【0035】
(実施形態2)
本発明の第二の実施形態は、図9に示した2つの供給口列に対しそれらの中央部にさらに1つの供給口列を配置し、その供給口列に隣接する圧力室にはその隣接する供給口と、反対側で隣接する供給口との両方からインク供給を受ける配置構成に関するものである。
【0036】
図10(a)は、本実施形態の記録ヘッドにおける吐出口、圧力室、流路および供給口の配置を示す平面図であり、図10(b)は図10(a)におけるA−A’線に沿った断面図である。さらに、図10(c)は図10(a)に示す構成に駆動回路、電源配線、ヒータを加えた構成を示す平面図であり、図10(d)は図10(c)に示す一部の領域の拡大図である。
【0037】
上記第一の実施形態では2つの供給口列に対して4つの吐出口列が配列されていたのに対し、本実施形態では、3つの供給口列に対して4つの吐出口列が配置されている。また、4つの吐出口列のうち、内側2列については、それぞれの吐出口7に対応した圧力室14に両側から2つの流路17が連通する。すなわち、内側2列の吐出口列のそれぞれの吐出口については、両側の流路17を介して隣接する両方の供給口からインクが供給されることになる。
【0038】
本実施形態では、圧力室14およびこれら両側の流路17が対称な形状を有したものである。これにより、中央側の二列の吐出口列についてはその吐出特性を向上させることができる。すなわち、本実施形態の上記二列の吐出口列におけるそれぞれの吐出口7に対向してヒータ9が配置されている。そして、隣接する両側の供給口24について、それぞれのインク供給口24の縁部からその供給口24に最も近い位置にある吐出口7の縁部までの距離が等しく形成されている。つまり、吐出口7を中心に、吐出口7から供給口24までの流路が対称に形成されている。
【0039】
以上説明した第二の実施形態に係る記録ヘッドによれば、上述した第1実施形態と同じ効果を得ることができるとともに、以下のような特有の効果を得ることもできる。
【0040】
供給口24が配置されていることにより、圧力室14の両側の2つの流路17からインクが供給されるとともに、ヒータ7が発生しうる熱による気泡の成長および収縮を吐出口に対して対称とすることができる。詳しくは、ヒータ9に通電すると、電気エネルギーが熱に変換されてヒータ9が発熱する。これにより、ヒータ9が設けられた圧力室14の内部でヒータ9上に位置したインクが膜沸騰し、気泡が生じる。圧力室14の内部で気泡が生じる際の圧力によってインクはヒータ9の上方に位置した吐出口7の方へ押され、吐出口7から吐出される。この吐出に伴い、供給口24から共通液室5を介してインクが圧力室14に供給される。ここで、共通液室5を介して圧力室14にインクを供給する供給口24は吐出口7の両側に設けられている。従って、吐出口7に対してインクは圧力室14を挟む両側の供給口24から供給される。これにより、吐出口7に供給されるインクの流れが一方向からのみに偏らず吐出口7へインクがバランス良く供給されることになる。また、本実施形態では、それぞれの供給口24について、その縁部からその供給口24に最も近い位置にある吐出口7(を圧力室底部に投影した部分)の縁部までの距離がおおむね等しく形成されている。そして、吐出口7を中心に、供給口24までの流路が対称に形成されている。
【0041】
以上の構成において、主に、吐出口7に対して両側の流路を介してインクが供給されることから、吐出口に対するリフィル周波数を上げることができる。
【0042】
また、気泡の成長、収縮を吐出口7に対して対称なものとすることができることから、吐出方向を一定方向に安定化することができる。すなわち、供給口24から圧力室14までの流路における損失等の条件は吐出口ごとに変わらず同じものとなる。これにより、吐出の際の吐出口7まで供給されるインクの流量、速度などの流れの条件、また、気泡が成長する際の、押し戻されるインクの流抵抗は略等しく、気泡の成長が偏ってしまうことが抑制される。また、収縮の際にも気泡が偏らずに、ヒータ9の中心に向かってバランス良く収縮することになる。その結果、吐出インクの尾引きは比較的太く真っ直ぐなものとなり、尾引きが分裂して形成されるサテライトを大きな物とすることができる。これにより、サテライトの飛翔方向も吐出方向に沿った方向となる。このとき、複数のサテライトの飛翔方向が一致しているため近接しているサテライト同士は合体しさらに大きなサテライトになる。また、このときの主滴部分の飛翔方向も同様に吐出方向に沿ったものとなる。
【0043】
上述のようにサテライトが大きくなることにより、サテライトの着弾位置が気流の影響を受け難くなり、高速記録や小液滴による記録の際にも濃度差が生じ難くなり、その結果、画像に濃度ムラが発生し難くなる。また、サテライトが大きくなることにより記録媒体までサテライトが到達する割合が増し、記録ヘッドと記録媒体との間で浮遊するミストが減る。
【0044】
(実施形態3)
本発明の第三の実施形態は、上述した第二の実施形態の供給口などの配置構成に対して、最も外側の吐出口列に隣接してそれらの外側に供給口列を加えたものである。
【0045】
図11(a)〜(d)は、第二の実施形態に係る図10(a)〜(d)と同様の図である。特に、図11(a)に示すように、吐出口7の4列の吐出口列の左右の外側に供給口24の列が設けられる。これにより、総ての吐出口に関して対称な流路構造とすることができる。
【0046】
このように、総ての吐出口に関して対称流路としたことにより、記録ヘッド全体でリフィル周波数の向上が望め、また、上述した流路断面積を小さくすることによるサテライトの低減を実現することができる。
【0047】
(実施形態4)
本発明の第四の実施形態は、上述した第三の実施形態の供給口などの配置構成において、電源‐ヒータ配線10aを2つのヒータ9に対して共通化したものである。
【0048】
図12(a)〜(d)は、第三の実施形態に係る図11(a)〜(d)と同様の図である。特に、図12(a)に示すように、4列の吐出口列のうち左から1番目および2番目の吐出口列に属して図中横方向に並ぶそれぞれ2つの吐出口に対応したヒータ9に対する電源‐ヒータ配線10aが共通化される。同じく、4列の吐出口列のうち左から3番目および4番目の吐出口列に属して図中横方向に並ぶそれぞれ2つの吐出口に対応したヒータ9に対する電源‐ヒータ配線10aも共通化される。
【0049】
このように、配線を共通化することにより、はり部20上の配線を設ける領域の幅を小さくすることができる。その結果、はり部20に配線を設ける場合のはり部の幅に関する設計の自由度が増し、例えば、はり部の幅を必要な最小限の幅として基板のサイズを削減することが可能となる。
【0050】
(実施形態5)
本発明の第五の実施形態は、上述した第四の実施形態の供給口などの配置構成において、ヒータに対する配線を多層化した形態に関するものである。
【0051】
図13(a)〜(d)は、第四の実施形態に係る図12(a)〜(d)と同様の図である。特に、図13(d)に示すように、電源‐ヒータ配線10aは上記各実施形態と同様に基板上層部に設けられる。これに対し、供給口24の両側に設けられる2つのヒータの組それぞれにおいて、駆動回路9bから遠い方のヒータ9と駆動回路9bを結ぶヒータ‐駆動配線10cは基板内部に設けられる。なお、近いほうのヒータ9と駆動回路9bを結ぶヒータ‐駆動配線10bは、上記各実施形態と同様、基板上層部に設けられる。すなわち、本実施形態では、電源配線10とヒータ9とを結ぶ配線と、ヒータ9と駆動回路9bとを結ぶ配線(の一部)とが、基板において多層に配置される。換言すれば、電源‐ヒータ配線10aなどが必ずしも基板上層でなくても良く、2種類以上の配線が多層に配置されてもよい。
【0052】
本実施形態は、上記のように配線を多層とするために、上記遠い方のヒータ9の近傍に、基板内部に設けられたヒータ‐駆動回路配線10cと、ヒータ9からの配線との電気的接続をするためのスルーホール11が設けられる。そして、基板上のスルーホール11が設けられた位置の上部には、圧力室を隔てる隔壁12が設けられる。これにより、スルーホールが形成されることによって生じる比較的急峻な基板上の段差部を隔壁によって覆うことができ、この段差部がインクにさらされることを避けることができる。すなわち、このような急峻な段差部は表面の保護膜の被覆性が弱くなる傾向にあり、インクにさらされると長期的な信頼性の確保が得られないことが考えられる。この対策としては急峻な段差が形成されないように平坦化プロセスなどを追加する、より強固な保護膜で被覆するなどの追加的な製造プロセスが必要となりコストアップ要因となるが、本実施例で示した構成であればこのような弊害を無くすことができる。
【0053】
以上説明した第五の実施形態によれば、第四の実施形態と同様、はり部20上の配線を設ける領域の幅を小さくすることができる。その結果、はり部20に配線を設ける場合のはり部の幅に関する設計の自由度が増し、例えば、はり部の幅を必要な最小限の幅として基板のサイズを削減することが可能となる。
【0054】
(実施形態6)
本発明の第六の実施形態は、上述した第五の実施形態のヒータに対する配線を多層化した構成において、配線相互を接続するスルーホールを中央の供給口配列における各供給口を隔てるはり部に設け、そのはり部を被覆壁で覆う形態に関するものである。
【0055】
図14(a)〜(d)は、第五の実施形態に係る図13(a)〜(d)と同様の図である。図14(d)に示すように、基板内部に設けられたヒータ‐駆動回路配線10cと、ヒータ9からの配線との電気的接続をするためのスルーホール11は、五列の供給口配列(14(a))における中央の配列における各供給口24を隔てるはり部に設けられる。そして、このはり部の上部にスルーホール11を覆うための被覆壁13が形成される。これにより、上記第五の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、特に、スルーホールの形成の影響を受けることなくヒータなどの配置やサイズを定めることができ、例えば、比較的大きなヒータや圧力室を配置することが可能となる。
【0056】
(実施形態7)
本発明の第七の実施形態は、上述した第五の実施形態のヒータなどの配置構成において、圧力室の片側において、2つの圧力室に1つの供給口を対応させて設けた形態に関する。
【0057】
図15(a)〜(d)は、第五の実施形態に係る図13(a)〜(d)と同様の図である。本実施形態は、特に、図15(a)に示すように、2つの圧力室14(および吐出口7)に対してそれらの両側で、それぞれ1つの供給口24が対応し、この供給口を介して上記2つの圧力室にインクを供給する。
【0058】
また、上記のように圧力室に対する供給口を共通化することによって各圧力室の隔壁のうち、配線の経路が供給口24によって隔てられて配線の這いまわしができない隔壁が生じる。このため、特に図15(c)および(d)に示すように、配線が設けられるはり部20を1つおきとするとともに、2つのヒータに関する配線を1つのはり部20に設けるようにする。
【0059】
以上の第七の実施形態によれば、上記第五の実施形態で得られる効果に加え、比較的大きい供給口を設けることが可能となり、インク供給性能を向上させることができる。
【0060】
(実施形態8)
本発明の第八の実施形態は、上述した第六の実施形態のヒータなどの配置構成において、供給口を2つの圧力室に対応させて設けた形態に関するものである。
【0061】
図16(a)〜(d)は、第六の実施形態に係る図14(a)〜(d)と同様の図である。本実施形態は、特に、図16(a)に示すように、2つの圧力室14(および吐出口7)に対してそれらの両側で、それぞれ1つの供給口24が対応し、この供給口を介して上記2つの圧力室にインクを供給する。また、上記のように圧力室に対する供給口を共通化することによって各圧力室の隔壁のうち、配線の経路が供給口24によって隔てられて配線の這いまわしができない隔壁が生じる。このため、特に図16(c)および(d)に示すように、配線が設けられるはり部20を1つおきとするとともに、2つのヒータに対する配線を1つのはり部20に設けるようにする。さらに、2つのヒータに対する配線が1つのはり部20に設けられることにより、2つのヒータ9に対応するスルーホール11の2組分が、中央供給口列における供給口の同じはり部に設けられる。
【0062】
以上の第八の実施形態も、上記第六の実施形態で得られる効果に加え、比較的大きい供給口を設けることが可能となり、インク供給性能を向上させることができる。
【0063】
なお、図17に示すように、外側吐出口列の吐出口7A、7Bと中央側吐出口列の隔壁12A、12Bをそれぞれほぼ一直線となるそれぞれの配置とすることにより、配線を外側吐出口に対応するヒータの下層に設けることもできる。すなわち、一点鎖線15A、15Bで示される経路に配線を設け、一部をヒータの下層に設ける。これにより、ヒータの配置やサイズにより自由度を持たせることが可能となる。
【0064】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、インクを吐出する記録ヘッドを例にとり本発明を説明したが、本発明の適用がこの形態に限られないことはもちろんである。例えば、インクの色材である顔料に凝集を生じさせる液体を吐出する液体吐出ヘッドに本発明を適用することもできる。本明細書では、このような液体や上述のインクを吐出するヘッドを液体吐出ヘッドという。
【符号の説明】
【0065】
2 基板
3 オリフィスプレート
7 吐出口
9 ヒータ
9b 駆動回路
10 電源配線
10a 電源‐ヒータ配線
10b、10c ヒータ‐駆動回路配線
11 スルーホール
12 隔壁
13 被覆壁
14 圧力室
24 供給口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するための液体吐出ヘッドであって、
吐出口に連通し吐出エネルギー発生素子が設けられた圧力室に、同じ種類の液体を供給するための複数の供給口と、
前記複数の供給口を相互に隔てるためのはり部と、
前記はり部に設けられた、前記吐出エネルギー発生素子を駆動するために用いられる配線と、
を具えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
インクを吐出するための記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録ヘッドは、
吐出口に連通し吐出エネルギー発生素子が設けられた圧力室に、同じ種類のインクを供給するための複数の供給口と、
前記複数の供給口を相互に隔てるためのはり部と、
前記はり部に設けられた、前記吐出エネルギー発生素子を駆動するために用いられる配線と、
を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−107408(P2013−107408A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−51917(P2013−51917)
【出願日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【分割の表示】特願2009−26476(P2009−26476)の分割
【原出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】