説明

液体容器

【課題】 一重瓶、二重瓶又は外装ケースに囲まれた容器本体で、外側から液量に変わる液面が目視できない構造の液体容器内の液量と液温を容易な構造で確実に検知でき、液体容器外側表面より液量と液温を同時に確認できる。
【解決手段】 一重瓶又は二重瓶で上端開口の容器本体2と、この容器本体2の上端外側に把手3とその反対側に注ぎ口14とを備えた肩部材4と、肩部材4の上端に容器本体2の上端開口を開閉する蓋体5とを設け、外側から容器本体2内の液面が目視できない液体容器1に於いて、上記容器本体2内の液温を検知する液温検知手段と液量を検知する液量検知手段とを備えた一つの検知ユニット6を設け、この検知ユニット6を容器本体2内に装着し、検知ユニット6の液温検知手段及び液量検知手段を操作する電子回路機構を備えたメイン制御基板7とその電源8と液温、液量を表示する表示板9とを肩部材4内に配置した構成としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一重瓶又は二重瓶等の液体容器内の液温と液量を確認できる液体容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外側から液面を目視できない一重瓶特に真空二重瓶等の液体容器内の液量を知るには、例えば真空二重瓶の構造として真空二重瓶の上端開口と共に下端に細口を設け、この細口に連通パイプを介して液体容器前面に立設した揚水パイプを設け、この揚水パイプを液体容器正面より目視可能に設け、揚水パイプと液体容器内とが連通されて、外側より液面を目視でき、液量を確認できるようにした構造のもので液体容器の一例としてのポットが実公平3−10925号公報(特許文献1,図1参照)として存在する。
【0003】
【特許文献1】実公平3−10925号公報(図1参照)
【0004】
以下、特許文献1の図1により従来の液体容器について説明する。
この特許文献1の液体容器の一例であるポットは、外装ケース2に囲まれた上端広口、下端細口とした真空二重瓶の中びん3を設け、中びん3を囲んだ外装ケース2の上端に水切部材4を装着し、下端に底部材8を装着し、水切部材4の前側に前方へ突出し下方を空洞とした嘴部材5を設け、水切部材4の中央に中びん3の上端広口と連通する開口16を備えた受部17を設け、水切部材4の上端にベローズポンプ38内蔵の上蓋ケース7を装着している。
【0005】
又、外装ケース2の前面壁と中びん3の間に空間部を設け、この空間部に揚水パイプ70を立設し、揚水パイプ70の下端と中びん3の細口とを連通パイプ71を介して連通し、揚水パイプの上端に嘴部材5の液体吐出口28に連通する吐出パイプ72を設け、更に、揚水パイプ70の前面に透明部分を備えたカバー体76を装着し、正面前方よりカバー体76の透明部分を介して揚水パイプが目視できるようにしている。
【0006】
そして、上蓋ケース7のベローズポンプ38を押圧することにより、中びん3内の液体が細口より連通パイプ71、揚水パイプ70、吐出パイプ72を順次介して液体吐出口28より外部へ吐出され、しかも中びん3内と連通した揚水パイプを正面前方より目視して、中びん3内の液面と同一の揚水パイプ内の液面を確認していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、この種の液体容器では、中びんと連通して中びん前部に立設した揚水パイプの存在にて中びん内の液面が確認できるにすぎないために、中びん特に真空二重瓶等の上端開口しかなく、中びんと連通する揚水パイプの存在がない構造のものとしては、中びん内の液面即ち液量を全く知ることができないという問題点があった。
【0008】
しかも、液面即ち液量と同様に中びん内特に真空二重瓶内の液温が所望の温度に保持されているかを知ることも全くできないという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一重瓶又は二重瓶で上端開口の容器本体2と、この容器本体2の上端外側に把手3とその反対側に注ぎ口14とを備えた肩部材4と、肩部材4の上端に容器本体2の上端開口を開閉する蓋体5とを設け、外側から容器本体2内の液面が目視できない液体容器1に於いて、上記容器本体2内の液温を検知する液温検知手段と液量を検知する液量検知手段とを備えた一つの検知ユニット6を設け、この検知ユニット6を容器本体2内に装着し、検知ユニット6の液温検知手段及び液量検知手段を操作する電子回路機構を備えたメイン制御基板7とその電源8と液温、液量を表示する表示板9とを肩部材4内に配置した構成としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、従来の問題点を解決したものであって、一重瓶、二重瓶又は外装ケースに囲まれた容器本体で、外側から液量に変わる液面が目視できない構造の液体容器内の液量と液温を容易な構造で確実に検知でき、液体容器外側表面より液量と液温を同時に確認できる液体容器を提供するにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
液体容器1は、卓上型のポットであって、容器本体2の上端に把手3を一体的に備えた肩部材4を装着し、肩部材4の上端中央で容器本体2の上端開口を開閉する蓋体5を着脱自在に装着し、容器本体2内に容器本体内の液温と液量とを検知する一つの検知ユニット6を装着し、検知ユニット6を操作するメイン制御基板7とメイン制御基板7の駆動源である電源8とメイン制御基板7により検知ユニット6にて検知された液温と液量とを表示する表示板9とから構成されている。
【0012】
容器本体2は、ステンレス等の金属材料又はガラス材料により内壁10,外壁11間を真空引きした真空二重瓶であって、底部を同質材料の底壁20にて覆っている。
この容器本体2は、上端開口以外の外側より容器本体内の液面を目視することができない構造のものである。
【0013】
容器本体2は、図3に示すように、上端開口を形成する周壁を上方に延ばした内壁10と、内壁10の周りを囲み上端に段部を形成して、その先端を内壁の上端開口を形成する周壁の上部に重ね合わせて溶着した外壁11とを設け、外壁11の段部外側に肩部材用のネジを刻設している。
【0014】
肩部材4は、図3及び図4に示すように、内側に容器本体2のネジに刻設するネジ部を備えた肩部12と、肩部12の中央上端より下方に向けて延びた中空の受部13と、受部13の前方で外方に延び受部中央と連通した注ぎ口14と、受部13の後方で外方に延びた把手3とを一体的に設けている。
【0015】
肩部材4の受部13は、中央中空を形成する周壁に後述の蓋体5を螺着する雌ネジを刻設している。この肩部材4の受部13と肩部12と把手3との間には、後述のメイン制御基板7、電源8や表示板9を配置する空間部15を設けている。
【0016】
この受部13と肩部12との間の後方には、上記空間部15内と連通し、後述の検知ユニット6上端を差し込む差込用の透孔を備えている。
把手3は、下端を外壁11の下端後方に設けたアングルにビス16にて固定されている。
【0017】
容器本体2内の液温と液量を検知する検知ユニット6は、容器本体内の液温を検知する液温検知手段と、容器本体内の液量を検知する液量検知手段とを備えており、二本の金属製の管17,18を所定の間隔を隔てて立設して、下端をパッキン材19にて保持している。
この検知ユニット6の上端が肩部材4の差込用の透孔に着脱自在に装着している。もちろんこの検知ユニット6の上端を差込用の透孔に差し込み固定してもよい。
【0018】
検知ユニット6の液温検知手段は、図3に示すように、管17内の下端に配置したサーミスタ等の温度感知器にて検知され、管17内の配線に導かれ、メイン制御基板7を通じて表示板9にて表示されている。
【0019】
検知ユニット6の液量検知手段は、所定の間隔を隔てて立設された二本の管17,18がそれぞれ電極を通す電極板とされ、メイン制御基板7を通じて電極板間の静電容量の変化を検知し、その変化量を液量に変換して計測し、表示板9にて表示されている。
【0020】
メイン制御基板7は、図4に示すように、電源8や表示板9と共に空間部15内に納められており、この電源8や表示板9と共にボックスに収納され、ボックスごと空間部15内に納めることもできる。
【0021】
メイン制御基板7は、電気系統をマイクロコンピュータ等の電子回路機構にて操作されており、検知ユニット6からのデータを処理して表示板9の表面に図2に示すように、液温と液量とを表示するようにしている。
電源8は、電池又は充電器であって、外部電源を導入してもよい。
【0022】
蓋体5は、受部13の蓋体用の雌ネジに螺着する下蓋と、下蓋の上端を閉鎖する上蓋と、下蓋と上蓋と内の空間に充填される断熱材21とからなっており、下蓋の上方外周に受部13の蓋体用の雌ネジと螺着する雄ネジを刻設している。
【0023】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例構造のみに限定されるものではなく、例えば容器本体を外装ケースで囲んだ卓上型魔法瓶のように本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明実施例の右側面図。
【図2】本発明実施例の平面図。
【図3】本発明実施例の右側中央縦断面図。
【図4】本発明他実施例の正面中央縦断面図。
【符号の説明】
【0025】
1…液体容器
2…容器本体
3…把手
4…肩部材
5…蓋体
6…検知ユニット
7…メイン制御基板
8…電源
9…表示板
12…肩部
13…受部
14…注ぎ口
15…空間部
17…管
18…管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一重瓶又は二重瓶で上端開口の容器本体(2)と、この容器本体(2)の上端外側に把手(3)とその反対側に注ぎ口(14)とを備えた肩部材(4)と、肩部材(4)の上端に容器本体(2)の上端開口を開閉する蓋体(5)とを設け、外側から容器本体(2)内の液面が目視できない液体容器(1)に於いて、上記容器本体(2)内の液温を検知する液温検知手段と液量を検知する液量検知手段とを備えた一つの検知ユニット(6)を設け、この検知ユニット(6)を容器本体(2)内に装着し、検知ユニット(6)の液温検知手段及び液量検知手段を操作する電子回路機構を備えたメイン制御基板(7)とその電源(8)と液温、液量を表示する表示板(9)とを肩部材(4)内に配置したことを特徴とする液体容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−222271(P2008−222271A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62724(P2007−62724)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000104032)オルゴ株式会社 (22)
【Fターム(参考)】