説明

液体抽出容器

【課題】容器本体への外気流入を防止し羽虫の防虫や液体調味料の風味を損なう乾燥と劣化を防ぎ軽微な指の操作で吐出量の調節ができ後だれを防止する洗浄が容易で清潔で安全な液体調味料の抽出容器を提供する。
【解決手段】有底上方開口状の容器本体1に注ぎ口2と吸気孔が容器上部の前後に形成され、注ぎ口2の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による内壁と合致する筒状管を圧着させ嵌装し、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口2と吸気孔を塞ぎ容器を密閉する薄厚部を設けた軟質弾性材によるパッキン4を嵌着させ、パッキン4へ蓋5を嵌装或いは薄厚部を設けたパッキン4自体を蓋5としたことを特徴とし、蓋5を押えパッキン4の薄厚部を弾性変形させ注ぎ口2と吸気孔を開口させ液体調味料を抽出する液体抽出容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体調味料の抽出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からある液体調味料の抽出容器には、容器本体に開口した注ぎ口を設け蓋に抽出を補助する吸気孔を設けたものがあった。注ぎ口を覆う蓋を容器へ装着したものがあった。吐出量調節と後だれを防止する醤油つぎには、通気孔のある弾性小蓋を蓋に装着し吐出孔と吸気孔を蓋に設けたもの(特許文献1参照)があった。外気流入を防止し吐出量調節する液体抽出容器には、加圧器具を備えたりフィルム状袋容器を用いたもの(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)があった。
【特許文献1】実用新案登録第3051754号公報
【特許文献2】特開平7―187259号公報
【特許文献3】特開平8−91394号公報
【特許文献4】特開2001−286380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来からある液体調味料の抽出容器には、次のような問題点があった。
開口した注ぎ口を設けたものは、注ぎ口から外気が流入し防虫や液体調味料の劣化防止ができなかった。注ぎ口を覆う蓋を容器へ装着したものは、蓋の取り外しが面倒であった。吐出孔と吸気孔を蓋に設け吐出量調節と後だれを防止する醤油つぎは、注ぎ口から外気が流入し防虫や劣化防止ができなかった。外気流入を防止し吐出量調節する液体抽出容器は、加圧器具が必用である。また液体調味料をフィルム状袋容器に入れなければ使用できない。
面倒な取り外し蓋を用いず注ぎ口を封鎖し容器本体を密閉し外気の流入防止し、液体調味料の乾燥と劣化を防ぎ羽虫の防虫ができ、吐出量を調節と後だれの防止ができ、安全に繰り返し使用できる液体抽出容器がなかった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
有底上方開口状の容器本体に注ぎ口或いは注ぎ口と吸気孔を容器上部の前後に形成し、容器の注ぎ口の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による内壁と合致する筒状管を圧着嵌装させ、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口と吸気孔を塞ぎ容器を密閉する薄厚部を設けた軟質弾性材によるパッキンを嵌着させ、パッキンへ蓋を嵌装或いは薄厚部を設けたパッキン自体を蓋とし、蓋を押えることによりパッキンの薄厚部を弾性変形させて注ぎ口と吸気孔を開口させ液体調味料を抽出する液体抽出容器である。
また、容器本体に吸気孔を設けず、蓋を押えパッキンを弾性変形させ注ぎ口が開口し、容器内部を加圧することにより液体調味料を抽出する液体抽出容器である。
また、容器の注ぎ口の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設けた注ぎ口の内壁と合致する筒状体を圧着させ嵌装し、容器内部を加圧することにより切り込みを開口させ液体調味料を抽出する液体抽出容器である。
また、容器本体に吸気孔と注ぎ口を設けず注ぎ口を嵌着する装着穴を設け、撥水性のある軟質弾性材による一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設け一方の端部に装着穴へ嵌着する凹設溝を設けた注ぎ筒を容器本体の装着穴へ嵌着或いは接着し、容器内部を加圧することにより切り込みを開口させ液体調味料を抽出する液体抽出容器である。
【発明の効果】
【0005】
軟質弾性材によるパッキンが嵌装された容器の開口部は指で押え容易に開閉し液体調味料が充填し易く容器の密閉ができる。注ぎ口と吸気孔は自動的に封鎖され容器への外気流入を防止し羽虫の防虫や液体調味料の風味を損なう乾燥と劣化を防ぎ安全である。軽微な指の操作で吐出量が調節でき、液体調味料の抽出は容器の注ぎ口に撥水性のある軟質弾性材の筒状管を設けることにより後だれが防止でき清潔である。蓋を取り外す面倒がなく充填と洗浄が容易で清潔で安全な操作性の良い液体調味料を密閉し抽出する液体抽出容器ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ)有底上方開口状の容器(1)に、注ぎ口(2)と吸気孔(3)を容器上部の前後に
設ける。
(ロ)容器(1)の注ぎ口(2)の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による内壁と合致する
筒状管(6)を圧着させ嵌装する。筒状管(6)の容器側に止め部(7)を設ければ万一の脱落を防止できる。
(ハ)容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口(2)と吸気孔(3)を塞ぎ容器(1)を密閉する薄厚部(11)を設けた軟質弾性材によるパッキン(4)を嵌着する。
(ニ)パッキン(4)へ蓋(5)を嵌装、或いは薄厚部(11)を設けたパッキン自体を
蓋とし、蓋(5)の天面を指で押えることにより、パッキン(4)を弾性変形させ注ぎ口(2)と吸気孔(3)を開口することができる。
【0007】
本発明は以上のような構成で、これを使用するときは、容器(1)に液体調味料を充填し、蓋(5)を装着したパッキン(4)を容器(1)へ嵌装する。容器(1)を持ち上げ、注ぎ口(2)へ液体調味料が届くように容器(1)を傾け、蓋(5)を指で押えることにより、パッキン(4)の薄厚部(11)が押し伸ばされ注ぎ口(2)と吸気孔(3)が開口し液体調味料の抽出ができる。押え方を加減することにより吐出量が調節でき、押えた指を離せば注ぎ口(2)と吸気孔(3)が閉鎖され抽出を止めることができる。注ぎ口(2)と吸気孔(3)はパッキン(4)により自動的に封鎖され容器(1)が密閉されるため、容器(1)への外気流入を防止し羽虫の防虫や液体調味料の風味を損なう乾燥と劣化を防ぎ安全である。軽微な指の操作で吐出量が調節でき、液体調味料の抽出は容器(1)の注ぎ口(2)に設けられた撥水性のある軟質弾性材の筒状管(6)を通過するため後だれを防止し清潔である。蓋(5)を取り外す面倒がなく、充填と洗浄が容易で、清潔で安全な操作性の良い液体調味料を密閉し抽出する液体抽出容器ができる。
容器(1)の素材は、樹脂・陶磁器・ガラス・金属等を用いることができ、蓋(5)の素材は、樹脂・木・陶磁器・ガラス・金属等を用いることができ、パッキン(4)と筒状管(6)の素材は、軟質弾性材である軟質ゴムのシリコンーンゴム・軟質樹脂のエラストマーなどが選択できる。
【実施例1】
【0008】
図1に示す液体抽出容器は、図3に示すように有底上方開口状の容器(1)に注ぎ口(2)と吸気孔(3)を容器上部の前後に形成し、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口(2)と吸気孔(3)を塞ぎ容器(1)を密閉する図2に示す伸縮する薄厚部(11)を設けた軟質弾性材によるパッキン(4)を嵌着させ、パッキンへ蓋(5)を嵌装し、図4で示すように蓋(5)を押えパッキン(4)の薄厚部(11)を弾性変形させ注ぎ口(2)と吸気孔(3)を開口する請求項1の液体抽出容器である。
【実施例2】
【0009】
図5に示す液体抽出容器は、容器(1)に吸気孔(3)を設けず有底上方開口状の容器(1)の上部に注ぎ口(2)が形成され、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口(2)も塞ぎ容器(1)を密閉し伸縮する薄厚部(11)を設けた軟質弾性材によるパッキン(4)を嵌着させ、パッキン(4)へ蓋(5)を嵌装し、図6で示すように蓋(5)を押えパッキン(4)の薄厚部(11)を弾性変形させ注ぎ口(2)を開口させ容器内部を加圧することにより液体調味料の抽出ができる、請求項1の液体抽出容器である。
【実施例3】
【0010】
図7に示す液体抽出容器は、注ぎ口(2)の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による内壁と合致し脱落防止の止め部(7)を設けた図8に示す筒状管(6)を圧着させ嵌装し、有底上方開口状の容器(1)に注ぎ口(2)と吸気孔(3)が容器上部の前後に形成され、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口(2)と吸気孔(3)を塞ぎ容器(1)を密閉し伸縮する薄厚部(11)を設けた軟質弾性材によるパッキン(4)を嵌着させ、パッキン(4)へ蓋(5)を嵌装し蓋(5)を押えパッキン(4)の薄厚部(11)を弾性変形させ注ぎ口(2)と吸気孔(3)を開口する請求項2の液体抽出容器である。
【実施例4】
【0011】
図11に示す液体抽出容器は、容器(1)の注ぎ口(2)の内壁へ撥水性のある軟質弾性材による一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設け注ぎ口(2)の内壁と合致する筒状体(9)を圧着嵌装し、蓋(5)を押し下げ容器内部を加圧することにより切り込みを開口させる全体を薄厚部(11)としたパッキン(4)へ蓋(5)を嵌装した液体抽出容器であり、図12に示す液体抽出容器は、伸縮する薄厚部(11)を設けたパッキン(4)自体を蓋とした、請求項3の液体抽出容器である。
【実施例5】
【0012】
図13、図14、図15、図16に示すパッキン(4)を用いれば、蓋(5)を押し下げたときパッキン(4)に設けた誘導溝(10)が注ぎ口(2)と吸気孔(3)に繋がり、液体調味料の抽出がよりスムーズとなる。実施例1に装着すれば抽出がより容易な請求項1の液体抽出容器となる。
【実施例6】
【0013】
図9に示す液体抽出容器は、容器(1)に注ぎ口(2)と吸気孔(3)を設けず注ぎ筒(8)を嵌着する装着穴を設け、撥水性のある軟質弾性材による注ぎ筒(8)の一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設け一方の端部に装着穴へ嵌着する凹設溝を設けた図10に示す注ぎ筒(8)を容器(1)の装着穴へ嵌着させ、蓋(5)を嵌装した伸縮する薄厚部(11)を設けた軟質弾性材によるパッキン(4)を容器開口部に嵌着させ、蓋(5)を押えれば容器内部を加圧されることにより切り込みが開口する請求項4の液体抽出容器である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の斜視図
【図2】本発明の腰部であるパッキンの斜視図
【図3】本発明の実施例を示す側面図
【図4】本発明の実施例を示す説明図
【図5】本発明の他の実施例を示す側面図
【図6】本発明の他の実施例を示す説明図
【図7】本発明の他の実施例を示す側面図
【図8】本発明の腰部である筒状管の斜視図
【図9】本発明の他の実施例を示す側面図
【図10】本発明の他の実施例の腰部である注ぎ筒の斜視図
【図11】本発明の他の実施例を示す側面図
【図12】本発明の他の実施例を示す側面図
【図13】本発明の腰部であるパッキンの他の実施例を示す正面図
【図14】本発明の腰部であるパッキンの他の実施例を示す側面図
【図15】本発明の腰部であるパッキンの他の実施例を示す平面図
【図16】本発明の腰部であるパッキンの他の実施例を示す底面図
【符号の説明】
【0015】
1 容器
2 注ぎ口
3 吸気孔
4 パッキン
5 蓋
6 筒状管
7 止め部
8 注ぎ筒
9 筒状体
10 誘導溝
11 薄厚部
a 押えた蓋
b 変形したパッキン
c 開口した注ぎ口
d 開口した吸気孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体調味料の抽出容器であって、有底上方開口状の容器本体に注ぎ口或いは注ぎ口と吸気孔を容器上部の前後に形成し、容器開口部に合致し容器開口部全体を覆い塞ぐと同時に注ぎ口と吸気孔を塞ぎ容器を密閉する、薄厚部を設けた軟質弾性材によるパッキンを嵌着させ、パッキンへ蓋を嵌装或いは薄厚部を設けたパッキン自体を蓋としたことを特徴とする液体抽出容器。
【請求項2】
前記注ぎ口の内側に、撥水性のある軟質弾性材による注ぎ口の内壁と合致する筒状管を、圧着させ嵌装したことを特徴とする請求項1に記載の液体抽出容器。
【請求項3】
前記注ぎ口の内側に、撥水性のある軟質弾性材による一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設けた注ぎ口の内壁と合致する筒状体を、圧着させ嵌装したことを特徴とする請求項1に記載の液体抽出容器。
【請求項4】
前記容器本体に、容器の上部に注ぎ口を嵌着する装着穴を設け、前記の注ぎ口に、撥水性のある軟質弾性材による筒状管の一方の端部に切り込みのある外気を封鎖する壁を設け一方の端部に装着穴へ嵌着する凹設溝を設けた注ぎ筒を容器の装着穴へ嵌着或いは接着したことを特徴とする請求項1に記載の液体抽出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−244401(P2007−244401A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67540(P2006−67540)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(505348784)
【Fターム(参考)】