説明

液体改質材及び改質方法

【課題】簡単な手段でセラミックスによる液体の改質を行い、この液体を使用するあらゆる分野に利益をもたらすシステムを構築できるようにする。
【解決手段】核部、基層部及び表層部からなる焼成物であって、前記核部は陶磁器と同様のセラミックス原料粉末を水で練り粘土状となして、任意の形状に成形し乾燥し素焼きした後、前記基層部として遠赤外線の放射率の高い遷移金属酸化物を主成分とする層を形成し、前記基層部を覆うようにガラス質から成る表層部から構成される高温焼成されたセラミックスであって部分的に前記基層部及び前記表層部を剥離して前記核部が露出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を改質するための液体改質材及び改質方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある特定の地域の湧水が有名な名水として古くから知られ、その場所の天然石による改質効果からこの様な天然石を破砕したものや粉砕し微粉化した後第3成分を加えて成形焼成したセラミックスとして水を改質する方法が種々提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述したように、水を改質する方法が種々提案されているが、試行錯誤の域を脱していないのが現状である。
【0004】
本発明は前述の問題点に鑑み、簡単な手段でセラミックスによる液体の改質を行い、この液体を使用するあらゆる分野に利益をもたらすシステムを構築できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液体改質材は、核部、基層部及び表層部からなる焼成物であって、前記核部は陶磁器と同様のセラミックス原料粉末を水で練り粘土状となして、任意の形状に成形し乾燥し素焼きした後、前記基層部として遠赤外線の放射率の高い遷移金属酸化物を主成分とする層を形成し、前記基層部を覆うようにガラス質から成る表層部から構成される高温焼成されたセラミックスであって部分的に前記基層部及び前記表層部を剥離して前記核部が露出していることを特徴とする。
【0006】
本発明の改質方法は、前記液体改質材と被処理液体とを接触させる方法により前記被処理液体を改質する改質方法であって、液体の出入口及び必要に応じてガス抜きベント口及び液抜取口を設けた円筒状の容器に前記液体改質材を充填して、入り口より前記被処理液体を導入し出口から処理液を取り出し、金網袋や繊維製の袋に詰めて液体中に浸漬するか、液体の流路に敷き詰めるか、或いは金属、板材,竹材で囲んだ濾床型となして処理し、上水、下水、河川水と接触して改質することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セラミックスと水、燃料油及びアルコール等の改質材として、これ等の液体とセラミックスとを効率よく接触することで容易に改質され、特異な改質性能を発揮し民生、農林水産業、工業はもとより、保健や医療、環境改善及び省エネルギーの極めて広範な分野に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、以下の(1)〜(3)を解決することで、簡単な手段でセラミックスによる液体の改質を行い、これ等の液体を使用するあらゆる分野に利益をもたらすシステムを構築する。
(1)水・燃料油及びアルコール等の改質を目的とする場合の極めて改質能力が高いセラミックスの製造方法。
(2)セラミックスと被処理液体との接触処理方法の確立。
(3)セラミックス処理によって改質された液体の適応分野並びにその効果の確認。
【0009】
セラミックス処理によって改質の対象となる液体のうち、特に水は、動植物にとって不可欠のものであり、現代社会に於いて天然の湧水のような機能性(又は活性)に富んだ水は得難く、不純物の溶け込んだ汚染された水を高度処理して使用しなければならない状態にある。
【0010】
水は水素と酸素との化合物であるが、水素と酸素との結合において、水素間の結合角度が104.5℃であって二酸化炭素のように直線で結合していないため、特異な性質を持っている。水素原子2個は片側に偏り、そのため、水分子は正と負との両極を持っており、水分子同士が会合しており、異常に高い沸点融点及び三重点を持ち昇華性をも有する。その他、表面張力が高く、気化熱、比熱が大きく物質の溶解性が高く海水には殆ど全ての元素が溶け込んでいる。
【0011】
水の分子運動は温度の低下とともに次第に緩やかになるが、水の分子はまとまって集団を作り、固定したものでなく絶えず相手を変えながら動き回る。水分子の動きは0℃付近でも一秒間に一億回以上にも及びその動く範囲は約8Å(1億分の8cm)であり、水の状態の分子は相手を変えつつ結合と分離を小さい範囲内で動き回っている。氷の状態になっても水素結合で繋がっていても固定されないで約10億分の1秒程度の割合で振動している。
【0012】
水及び氷の状態では分子の並び方が変わり、4℃で最も隙間の少ない状態になるが、氷になると6角形の形に結合し分子間に大きな隙間ができるために比重が小さく、成水に浮かぶようになる。水は4℃で比重が最も大きいために河川・湖や海洋の底は氷結しない。また、水の疎い水素結合のために水分子同士の引力によって表面張力が異常に高いが、水のまとまった結合(水素結合による水の高合体)によって生じているクラスターを細かくすることで水の表面張力は低下して水は広がり易く、組織に浸透し易く或いは濡れ易くなったり、洗濯し易くなったり、洗剤の節約になるような水の改質ができる。この改質された水を活性水又は機能水と呼ぶ。
【0013】
一般に、水道水を処理することで改質された水(活性水又は機能水)を得る方法として、溶存ガスの制御、電気分解、薬品添加、放射線や光、超音波、磁気等による処理の他天然鉱石やセラミックス処理などがある。これらの処理によって、以下の(1)〜(5)が単独或いは複合して生ずる。
(1)水の分子集合体であるクラスターの細分化
(2)ラジカルの生成
(3)ラジカルと溶存ガスとの反応による活性化学種の生成
(4)酸化還元電位の変化
(5)水の解離度の変化等の変化
【0014】
その結果、誘電率、粘度、電気伝導度、表面張力、浸透性、酸化還元電位等々の物性変化が起こり、それによって殺菌力、洗浄能力、動植物の成長促進、水廻りの汚れ除去、スケール錆の除去、排水や河川の浄化、大気中の悪臭の除去(消臭)、空気の浄化等々、水を使用する全ての分野に於ける問題点の解消又は緩和が可能になる。特に、セラミックス処理は特別なエネルギーを必要とせず、簡単に水などの液体の改質が可能であり、更にセラミックス処理水に特有の性質として水の加温・加熱を行なってもこの改質された機能を失うことが無く、特に食品加工分野に於いてより活性化機能を発揮することが明らかになっている。本発明はこの様な観点から水のセラミックス処理による改質(活性化又は機能水化)のみならず会合性のアルコール及び他燃料油の改質について提案するものである。
【0015】
本発明は、被処理液体の固有周波数に一致する分子振動スペクトルを有するエネルギーを効率よく発生する赤外射放射体としてのセラミックス材料であり、この目的を達成するための特許が多数ある。セラミックス材料は主としてジルコニア(ZrO2)アルミナ(Al2O3)ジルコン(ZrO2SiO2)酸化チタン(TiO2)を主成分とするものであり、これらは白色のものが殆どであり、白い物体は光を乱反射するために白く見える。
【0016】
赤外線も可視光線も電磁波であり、高効率赤外線放射体としては完全黒体に近いものが望ましいということになる。このような観点より黒い材質のものは可視光線を吸収することから近赤外線成領域の光をも吸収する。
【0017】
褐色乃至黒色のセラミックス材料として、ガラスやホウロウの着色に用いられるFe2O3, FeO,Cr2O3CoO,CuO,NiO,MnO2等の遷移金属酸化物がある。これらは、陶磁器の釉薬と同様の方法で液体の改質材としてのセラミックスの液体との接触表層に釉薬として使用される。素地としては陶磁器と同様にカオリン、長石などを使用するが、釉と素地との熱膨張差による釉の剥離防止及びイオンの極めてわずかな溶出が液体の改質に有効である事から、素地及び釉薬の調整用水として水道水と海水を混合使用することで、海水に含有される数多くのイオンを、セラミックスを構成する成分と融合させる。
【0018】
その理由としては、ホウロウの釉と同じ考えでガラス質を含む釉が燃焼後の冷却過程で表面の釉に圧縮圧がかかり亀裂を起こし損傷することを防止するために荷電数が小さく、イオン半径の大きなカリウムイオン(K+)やナトリウムイオン(Na+)をガラス修飾イオンとして含有させる目的の他に水の改質のためにはイオンの微量の溶出も重要である。イオンと双極子とを有する分子との水和による静電気的相互作用によってイオンは水中で裸のイオンとして存在せず、イオンを取り巻くように数分子の水が結着した状態即ちイオンの水和でありこの水和は個々のイオンがその帯びている電荷によって水分子に分極を起こさせ、数個の水分子を自分の周りに引き付けて結着した状態で水溶液中に存在し或いは運動する。
【0019】
水素イオンも同様にして裸のプロトンH+ではなく、水分子が水和し、H+・H2O又はH30+となる。これをヒドロキソニウムイオンという。水素イオン(H+)及び水酸イオン(OH-)の伝導度(又は易動度)は他のイオンに比べて異常に大きく水溶液中を進むときにイオンに水和したイオン自身が水分子の抵抗を排除しながら進む。これはH+やOH-は水和した水分子から他の水分子へと移動するためであると言われている。化学物質を水に溶解すると水の表面の性質に大きな変化が生じ界面に対して垂直方向に対する正と負の荷の偏り(分極)を持つ平面層が発生し、分子的厚さの二重層が形成される。
【0020】
液体の改質を目的としたセラミックスについて、遠赤外線の放射効率を高めるための遷移金属の酸化物の釉薬を用いてセラミックスの表層を構成するとき、この表層部に素地のカオリナイト層の破断面を形成させる事によって従来とられている全面を釉薬で覆ったセラミックスとは異なる面を形成し、この表面エッジのAlOHがH+イオンを補足し、正に帯電したエッジを与える。これについて図1及び図2を参照しながら説明する。
【0021】
垂直方向における電荷の分離は、界面における正又は負のイオンの優先的な吸着、双極子を持つ分子の吸着及び配向、及び一つの相から別の相への電荷の移動を通して起こる。その結果、電荷分離の源がなんであっても界面を横切って電位差が創られて電気二重層が生じる。電気二重層は双極子をもつ分子の吸着や、正負の電荷を持つイオンの分離から形成される。
【0022】
電気二重層中に存在する電位差を界面動電力又はゼータポテンシャルといい、電気泳動の方法によって知ることができ、0.02〜0.06(平均0.04)ボルト位のものである。素焼きの隔壁の両側に水を入れてこれに動電力を作用すると水は陽極から陰極に向かって動く。これは素焼きの原料である陶土が陰コロイド質であって、その周囲即ち素焼壁の微細孔中の水が陽に帯電しているからであり、この現象を電気滲透という。なお、この現象は素焼筒を隔壁として電気分解を行うときに見られるものである。
【0023】
なお、セラミックス類を用いた処理は水に活性や機能性を与える方法の一つとして知られており、この場合ミネラルの溶出が活性作用の重要な要因となることが水ハンドブック(平成15年度版、丸善(株)発行)に記載されている。
【0024】
液体の改質に用いるセラミックスの放射する電磁波即ち遠赤外線は、改質の対象となる物質の原子間運動に関係する2μm付近から30μm付近の波長域の赤外線である。特に、近年人体の生理、動植物の生育及び環境面での注目が集まっており、動植物を構成する成分の大部分が水であり、その水の改質乃至活性化による有益な効果に対するものである。
【0025】
水は2.74μm(3652cm-1)に基本吸収波長があり、次に6.27μm(1597cm-1)の波長がある。この2つの波長のうち、2.74μmの波長は水の温度の上昇であり6.27μmの波長は水素結合によって会合し、クラスターを形成している塊の水分子を切断し、細かくするときに必要とする波長である。水のクラスターを形成するエネルギーは約5kcal/mol程度のエネルギーであり、これに相当する波長は約5μmであり、従って2μmから30μm付近の遠赤外線放射を有し且つ8μm〜12μmの波長域に最大放射波長を有するセラミックスでは充分にクラスターの水素結合を切断できる。
【0026】
切断されてクラスターサイズの小さくなった水は蒸発速度が大きくなることが認められ、水のほかにもアルコールや有機酸のように会合する液体に対しても水素結合の切断が起こり改質される。クラスターサイズが小さくなることで、動植物体の組織に入り易くなり、新陳代謝を活発化や、歩留まりの向上、生育の促進等々の効果が期待されるようになる。
【0027】
本発明の液体改質材であるセラミックスは、ヒドロキソニュウムイオンを生成し更に水との反応によってプロトン(H+)を生じ、還元作用を持つことにより鉄錆が除去され鉄の表面は黒色のFeOになり、H2O2酸化によって赤褐色のFe2O3に戻る。また、溶存酸素とH+との反応によってH2O2を生じ酸化作用も起こる。
【0028】
H2O2はセラミックスを構成する遷移金属酸化物の触媒作用により分解し、OHや、Hラジカルの生成も考えられ、アンモニアの分解や貯水池の堆積ヘドロの様な還元性雰囲気にある物質の酸化分解が可能である。この様な酸化還元作用を発揮する本発明のセラミックスは単に巨大な水のクラスターを小さくする作用のみならず応用範囲が極めて広い分野に及ぶものである。
【0029】
更に加えて燃料油の改質も可能であり、ガソリンでは芳香族炭化水素が大幅に増加し、オレフィンと飽和炭化水素とが芳香族炭化水素の増加分に見合って減少することから、ガソリンの改質が可能であることが確認され、オクタン価の上昇による燃費の削減が可能である。
【0030】
光閉環反応ではLUMOに励起された電子が立体選択的反応性を決定する。C原子の数が4n+2αの場合にはLUMOは反対象であるから反応は共旋的に進む。一方、4nの場合LUMOは対象であるから反応は反旋的に進む。
【0031】
本発明の液体改質材であるセラミックス処理の場合、分子振動エネルギーとの共鳴は光閉環反応であり、燃料油を乱流域で循環して、改質材であるセラミックスと繰り返し接触させる事で燃料油中のポリエンの両端が結合して閉環する反応の他、飽和炭化水素の部分開裂による低分子化反応も起こる可能性がある。分子の衝突によって得たエネルギーが分子振動エネルギーに変換されて励起状態になって反応は始まる。従って、セラミックスとの接触は流体に乱流域での衝突を繰り返し起こさせて励起状態にする必要がある。
【0032】
また、ディゼル機関用の軽油については芳香族炭化水素の若干の減少、飽和炭化水素の増加となっているが、アニリン点の微増、粘度の大巾な低下及び蒸留試験において中留成分の増加によってエンジンに於ける燃料の燃焼時期の均一化が起こり、燃焼効率の大幅な向上となって、燃費の削減が果たせる。
【0033】
また、ガソリンエンジン及びディゼルエンジンの排気ガスについてもその分析結果から燃焼状態が良好になった事で、燃焼排気ガスが浄化され環境保全にも寄与する。燃料油の改質のメカニズムは明白でないが、これを説明するには従来の「電子対の流れ」では説明できない現象があり、共役アルケンの閉環や開環の立体特異性や同一化合物であるにもかかわらず熱反応と光照射反応とでは反応の仕方が全く異なることである。
【0034】
これらはHOMO(最高被占軌道)とLUMO(最低空軌道)に於ける炭素原子の軌道胞の符号(対象性)で支配されている。熱閉環反応はHOMOの電子が立体選択的反応を決定する。HOMOが対称な場合C原子の数が4m+2のとき反応は反旋的に進み、一方C原子の数が4mの場合にはHOMOの対象性は反対象であり、反応は共旋的に進む。
【実施例】
【0035】
本発明の実施例の詳細について具体的に説明する。
[実施例1]
液体の改質を目的とした新規なセラミックスの製造方法・本発明の液体の改質剤であるセラミックスの製造方法並びに使用方法について説明する。
セラミックス改質剤の基部である核部は陶土(Al2O3・2SiO2・2H2O)正長石(KAlSi3O8)ジルコン(ZrSiO2)チタニア(TiO2)の混合粉体を、水道水と海水とを1:1重量比で混合した。そして混合した水で練り成形・成形、乾燥したのち800〜850℃の高温炉で素焼きにした。
【0036】
なお、成形の際に液体の改質を行なう目的に応じて形状及び寸法を任意に変更できる。例えば、筒状のカートリッジに充填したカラム状にしたカートリッジに液体を通液する場合には通水抵抗接触面積を考慮して液体の粘度、流量に応じて球形としその球の径を任意に決定する。また、球の他に板状・柱状・ナマコ状・ハニカム状等がある。
【0037】
次に、焼成した核に釉薬を施した。この釉は遠赤外線の放射率を高めるために遷移金属酸化物として30%Fe2O3,50%MnO2,10%CoO,10%CuOの粉末の混合物30%と、天降石約200メッシュ粉砕物20%と、高火磁器用SK12釉(カオリン16%,長石29%,石英44%,石灰石11%より成る混合物)50%とを、海水と、ミネラル原液との混合物で練り、施釉し・高温炉で1200℃〜1500℃の温度で高温炉で焼成した。その際に施釉したセラミックス材料の表面がお互いに個々の表面積の約5〜10%が接するようにセラミックス焼成用受け皿に並べておき、焼成後お互いに接する部分が接着しておりこれを別離する事で核部の地肌が部分的に露出した状態(釉のはげた部分)が個々のセラミックスの表面積の5%〜10%となるものにした。この部分が、被処理液体の核部への浸透部分となるほか、電気二重層形成のエッジ面としてイオンの補足部分となりセラミックスの液体改質能を増大する役目果たす重要な部分である。
【0038】
核部が露出する部分の面積を5%〜10%とする事で、表層部の遠赤外線放射部分の表面積を維持しつつ電気重層の形成を行なうことができる。さらに、この釉を施す際に古伊万里磁器に用いられたような石灰釉(別名いす灰釉)として、ミネラルの多い常緑樹の葉及び樹皮の灰を添加することで、その植物の含有する微量のミネラルの添加及び釉薬の焼成時における溶解分散の役目を果たす助剤として使用してもよい。この様にして製造されたセラミックスの評価結果について以下の表1に示す。また、図3には、赤外線の放射率の測定結果を示す。
【0039】
【表1】

【0040】
この結果から、本発明の液体改質材であるセラミックスは高い改質性能を有するという評価であり、所期の目的を達することができた。なお、本セラミックスは1200〜1500℃の高温で焼成しており水へのセラミックスを構成する成分の溶出は殆ど無く、重金属イオンの溶出は無かった。
【0041】
[実施例2]
本実施例では、老人ホーム全体のセラミックスによる水の改質の効果確認実験を行った。具体的には病院等の医療機関に対する水道水受入、送水設備系統への設置による水改質効果の確認実験を行った。実験施設として、市川市梅井町1−1073の(社)全国有料老人ホーム協会会員のウエルピア市川の水道水の受入貯槽からの送り出しポンプの吐出配管にあるポンプと貯水槽の循環ラインとに設置することで、水道水はポンプと貯槽間とを絶えず循環する。セラミックスとの接触が繰り返され循環して貯槽に戻るセラミックス処理水及び水の使用に見合って貯水補給される水は、貯槽内で混合され、絶えず大気との接触によって溶存酸素は飽和状態に維持されている。当然、セラミックス処理された水は全ての水の使用場所に給水されているために飲用・浴用・空気調和用・食堂・便所などで、幅広い実験が可能であった。
【0042】
まず、総落下細菌調査(2005年12月7日16時〜16時15分測定)を行った。測定時間15分間であり、同一場所で2箇所同時に測定した。その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
一般的入り口では5分測定にて15コロニー位が普通であり、15分間で10コロニーは非常にきれいと言える。また、菌の発育を認めないのが理想である。
【0045】
また、本発明の液体改質材であるセラミックスを用いた水の改質の実験結果についての詳細な報告について、(株)国際医療・環境研究所並びに(株)ウエルピア専務である池田氏による報告を以下の表3〜表6に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
次に、浴槽水のレジオネラ検査を行った。採取時は、2005年12月12日15時及び2006年1月16日10時であり、その結果を表7に示す。
【0051】
【表7】

【0052】
次に、ウエルピア市川の水のセラミックス処理改質後の現状報告書の内容について以下の表8に示す。
【0053】
【表8】

【0054】
ウエルピア市川における実験結果より、本発明の液体改質材であるセラミックスによる水の改質は期待通りの好結果を得ている。したがって、関連する水使用設備への適用による様々なトラブルの解決に寄与できる。
【0055】
なお、細菌に対するセラミックスによる改質水の殺菌作用は、酸素分子の水分子生成の中間体としてスーパーオキシド及びヒドロキシルラジカルが発生し、極めて強力な酸化力で殺菌作用を示す。水道水中の塩素濃度を、最近、増加させて原水の水質低下をカバーする傾向にあるが、セラミックス処理によって溶存塩素の追い出しも行なわれる。事実セラミックスの入った容器に水道水を注ぐとき強い塩素臭が発生する。
【0056】
セラミックス処理による水のクラスターを細かくする事で飲用・浴用・空気調和等の面で本来の湧水と同じ質の水を使用できる。更に、室内の空気の脱臭作用は殺菌作用と同様に強力な瞬間的な酸化作用によるものであり、例えば、アンモニア(NH3)の酸化は次式のように起こる。
H2O→・OH+・H、
・OH+・OH→H2O2→H2O+[O]、
NH3+3・OH+3[O]+・H→NO3-+3H2O+H+
【0057】
アミン類やメルカプタンについても同様の反応が考えられ、脱臭される。セラミックス処理によって改質された水は、クラスターサイズが小さくなって蒸発し易い水であり、この気化した水は水蒸気となって大気中に拡散する。また、マイナスの電荷を帯びており、呼吸によって体内を還元性に導き、体内で生じる活性酸素による酸化や老化を防ぐものと考えられている。従って、空気調湿にセラミックス処理水を用いる事で消臭・殺菌に加え呼吸による保健という面での大きな効果がある。
【0058】
[実施例3]
次に、鶏肉処理加工施設における実証実験を行った。場所は、ブロイラー処理工場=(有)ビッグドライブ社(鹿児島県曽於郡有明町)で行った。そこで、本発明の液体改質材であるセラミックスを、地下水日量600トン使用する工場の貯水槽の水の入口、出口の配管に60kg設置した。この工場では、45000羽/日の搬入されたブロイラーを前処理して放血後、ボイラーからの熱水によって湯漬けし脱羽後、不食部位を除去し、洗浄冷却の後、解体する行程で処理され、湯及び水を多量に使用している。
【0059】
実験結果は、以下のようになった。
(1)セラミックスによる水の処理前後でボイラー用の燃料油の使用量が1200L/日から900L/日に減少し33%の節減に成った。
(2)ブロイラーのボイル皮の歩留まりが3.3%向上した。即ち、セラミックス導入前18kgボイルに対して製品13.5kg〜13.8kgの75.5%が導入後14.1kg〜14.4kgの78.8%でその差3.3%向上した。
【0060】
この結果から、クラスターの小さくなった水はエネルギー伝達が速く、蒸気の蒸発量が増加し、ボイラーの燃料消費時間が短縮されて燃料の節減に至った。ブロイラーのボイル皮の歩留まり向上はブロイラーの処理工程に於いて25分間水の中で処理される為にクラスターの小さくなった水は組織や細胞の中に浸透し吸収されて歩留まりの向上に至ったものと考えられる。
【0061】
また、セラミックス設置後の工場全体の改善効果には以下の諸点の効果が見られる。
(1)工場内の環境改善。
(a)殺菌効果による腐敗菌の減少による消臭処置が不要。
(b)静電気が抑制され、塵埃が抑制され、空気がすがすがしくなった。
(2)工場内の衛正。
殺菌作用により製品のみならず機械や道具の雑菌の減少及び付着する脂肪等の汚れが剥離され再付着を抑え清掃時間の短縮や洗剤の削減になった。
(3)従業員に対する効果。
水仕事に於ける手等の荒れが改善された。
(4)工場の経済面での効果。
殺菌消毒剤が不用、掃除時間の短縮による人件費の削減、静電気の抑制による空調電力の減少、工場設備、機械の寿命延長保全費の減少、配管の清掃交換工事の減少等の効果がみられ、従業員のモラールが向上した。
【0062】
本実験結果から食品加工分野において、セラミックス処理水の適用効果は極めて大きい。
【0063】
[実施例4]
農作物の栽培用潅水のセラミックス処理水で実験を行った。場所は、加世田農園(鹿児島県曽於郡松山町)の西郷ナスのハウス栽培のセラミックス処理水の栽培用水として実験した。実験方法として、A棟は40Aのセラミックスカートリッジ(セラミックス約5kg
入)、C棟は対照としてセラミックス処理無しとし、A棟には819本、C棟には761本植えつけた。また、収量は植え付け本数に比例するものとしてC棟の収量に1.07を乗じた。結果を表9に示す。
【0064】
【表9】

【0065】
収量差18%鮮度が全体としてA棟の方が良かった。
なお、B棟は実験前に早生種を植え付けしたが病気になり、セラミックス処理水に切り替後病気は回復した。この他、本発明者等は野菜水稲、の他、公園等の植物に対する実験を行い、成長の促進及び病中害の防除の面で高く評価を受けている。
【0066】
[実施例5]
公衆及び公共施設の上下水道、池等において実験を行った。まず、フィリピンのガビデ州ダスマリナス市の市営水道局直轄の地下200mの地下水を120.000m3の貯水タンクに汲み
上げ、約300世帯1.5000人に給水する施設で、国の定めた上水の水質基準には及ばず劣悪な水質であり、その改善策として容易に改善できる手段としてセラミックスによる処理設備を給水口に設置した。設置給水開始2分後の水が、赤水から透明で青味を帯びた状態になった。
【0067】
給水開始後12時間及び24時間経過後住民にアンケートをとった。12時間後では、約200名収容可能な給水設備から3Kmの距離にある場所で透明で美味な水に変化したこと、厨房、便所及び下水の悪臭が消えたと言う結果に加えて劣悪な水が良質な水に変化した理由の詳細な説明を求められ更に水道局員から感謝の言葉があった。
【0068】
また、24時間後では、給水設備から2Km離れた場所にある、日系の半導体工場では、水の透明化、悪臭の消失により飲用可能となり、工場内の空気が清浄化された。セラミックス処理後の水質及び国の基準を以下の表10に示す。
【0069】
【表10】

【0070】
次に、長崎市の協力支援により、水景用水及び下水の浄化実験を行った。具体的には、長崎市茂里町せせらぎ水路修景用水の水の浄化及び藻の剥離を目的に、球状セラミックスの網袋2kg入4袋を噴水プール出口の溝に敷き詰めて溢流する水が接するように設置した。
【0071】
この水の水質は特に、レジオネラ菌の菌数が930FU/100mlとなり同市保健所からの改善命令が出され、加えて藻の大量発生も生じていた。セラミックス設置後急速にレジオネラ菌数は80CFU/100ml以下となり検出限界である10CHF/100ml以下となっており、設置5日後藻の剥離は顕著となり消失し臭気も改善された。貯水及び下水の浄化実験としてグラバー園リンガー邸横の貯水及び若葉町上の下水道にセラミックスを設置し設置前後の水質分析を行なった。実験結果を表11に示す。
【0072】
【表11】

【0073】
藻が約1週間で消失した。従ってクロロフイルの数値が激減し、BOD、CODmn、SSが減少した。
【0074】
次に、給水配管の赤錆除去による赤水の防止実験を、沖縄県本部町の並里伊波地区の上水の給水管で実施した。この水道配管は、海洋博当時敷設したものであり赤錆水が頻繁に出る事で問題となっていた。また、本部町の水道課の援助によって実施した。
【0075】
この地区の水は、土質の関係上硬度が200mg/lに達するものであり、水道配管にスケールが生成し易いものである。水源地から配水池への導入の50Aの配管に1mのセラミックスの入ったカートリッジを設定し総延長4.5kmの給水管の中途にある調圧タンク内に濾材を設置した。その結果、赤水が止まり、臭気が無くなり、浴槽の汚れも、調圧タンク内のカルキ臭も消失したが、0.3mg/lの残留塩素があった事で水道課職員は驚いたとのことである。
【0076】
次に、河川の浄化を目的とした、国土交通省九州地方整備局の援助により肝属川の水辺プラザにおいて実験した。水質分析の結果を表12に示す。
【0077】
【表12】

【0078】
BOD・COD・SSが減少して、川底の堆積ヘドロが消失し、魚がセラミックス処理した水に集まるようになった。
【0079】
以上のように水の改質に関する実施結果を綜合しセラミックスによる水の改質効果についてまとめると次の事が推察される。本発明の液体改質材であるセラミックスをビーカー中に積層し水道水を満たして静置し酸化還元電位(ORP)を測定すると、表13に示す結果となった。
【0080】
【表13】

【0081】
使用した水に溶存した空気中の酸素が失われ溶存窒素雰囲気となり、空気の溶解が無くORPは低下し、還元性を示した。この結果によれば、極めて長い時間でORPは低下しておりセラミックスによる水の改質は極めて早いことからセラミックス処理水が環原水であるという考え方は成り立たない。むしろ極めて強い酸化作用による消臭・殺菌作用は溶存酸素の関与によって酸化性のスーパーオキシド、パーオキシド及びヒドロキシルラジカルの生成に伴って起こる還元反応を併せて考えるのが妥当であり、この酸化作用には常に大気中の酸素の補給が必要である。
【0082】
セラミックス処理した水を水族館の魚槽に用いる事で、魚の排泄物によるNH3がNO2に更にNO2はNO3に酸化移行すること及びこの生成したNO3がセラミックス処理水では、セラミックス処理しない場合の50ppmが半減して25ppmになって脱窒作用は著しいという結果が水ハンドブック(丸善(株)発行)に記されている。
【0083】
還元作用については、ビーカーに青錆の発生した釘をセラミックスと共に水中に入れたものとセラミックスを入れないものとを比較すると、セラミックスの入ったビーカーでは、赤錆が遊離し釘の表面はFe2O3の赤褐色からFeOの黒色に変わると共に遊離したFe2O3の微粒子は凝集して10μm程度の濾紙で分離できるようになる。一方、セラミックスの無い方の釘はFe2O3とFeOの共存する釘表面が生じ、遊離したFe2O3の赤褐色物は凝集し難いコロイド状で沈降分離し難い。
【0084】
水道管に生じるスケールは、水中の溶存カルシウムを主成分とするものが水中に溶存する炭酸ガスと反応してCaCO3として析出するが、溶存酸素と水との反応による炭酸によって溶解し重炭酸カルシウムとして水に溶解する。こうした反応は鍾乳洞における地下水による石灰岩の溶解と石筍の生成に見られる反応であり、こうした反応をすばやく起こす作用がセラミックス処理水にはあるものと解釈される。
【0085】
天然水の酸化還元電位は(ORP)は、約+500mv〜−500mvの幅広い範囲に有り、気温によって変化する他、溶存酸素が無くなるとORPは下がる。ORPの低下に伴って酸化還元物質は固有のORPで還元される。例えば、+450〜+300mvのORPを有するアンモニウムイオンは、硝酸イオンに比べ安定であり、+300〜+200vでは鉄(II)は鉄(III)よりも安定になる。
【0086】
ORPが0mvまで低下すると、硫酸イオンや硫黄よりも硫化物の方が安定になる。これらは、ORPの変化に対応して可逆的に反応する。流れの速いよどんだ河川や湖沼にはヘドロが堆積するが、これは酸素の欠乏による還元性雰囲気により嫌気性バクテリアが生じる。河川や湖沼のヘドロの堆積を防ぐためには流れを作り、よどみを無くする事の他、溶存酸素欠乏を無くす事である。
【0087】
ミネラルを多く含みクラスターの小さい湧水が集まって河川を形成し絶えず大気と接触しつつ流れる河川は、自然の浄化作用を発揮している。近代文明によって汚染物を排出する現在、環境の保全は難しいが、セラミックス処理での改善が少しでもできれば、発明者等の永年の努力は報われる。
【0088】
[実施例6]
燃料油のセラミックスによる改質実験を自社で実施し、燃料油分析センターにて分析を行った。燃料油として、自動車用レギュラーガソリンとディゼル車用軽油各150Lとを使用し、300L入り燃料タンクに夫々燃料を入れ遠心ポンプを使用して2000L/時(0.56秒)で25Aの配管に設けた直径12mmのセラミックス球を50A×700mmのカートリッジに詰めたものを、この25Aの配管に取り付け、カートリッジのベントから空気抜きした後、タンク循環を行なって燃料油の改質を行いサンプリングした。燃料タンク、ポンプ及び配管は燃料油の流動による静電気対策としてアースを用い、事故防止対策を行った。分析結果を表14に示す。
【0089】
【表14】

【0090】
オレフィンと飽和炭化水素とが減少し、芳香族が増加しており、密度の上昇及びオレフィンと飽和炭化水素とが化合して芳香環状化合物に改質された。従って、改質によりオクタン価の高い芳香族へ改質されたといえる。また、軽油の改質前後の蒸留性状について表15に示し、留出量に見合う温度の差について図4に示す。
【0091】
【表15】

【0092】
軽油についても若干の組成の変化はあるが、ガソリンとは逆に芳香族減少・炭化水素増加の現象が見られる。粘度の低下及び留出温度は中留分(約200℃〜320℃)の範囲で大幅な留出温度の低下が有り、飽和炭化水素の分子量がこの範囲で低下し、そのために粘度が低下し、アニリン点も若干上昇した。この事実から、軽油の低沸点成分が増加しており、初留から290℃の留出量の差は7%、初留から280℃で6%程度の差があった。従って、エンジン中での燃焼が均一化され燃費の向上に繋がった。
【0093】
[実施例7]
セラミックス処理を行い改質したガソリン及び軽油の使用実験を行い、燃費の節減並びに排気ガスの分析を行った。その結果を表16に示す。
【0094】
【表16】

【0095】
これにより、平均20%の燃費節減となっており、馬力がやや向上した。また、排気臭が減少し、た。排気ガスの色が無色になった。
【0096】
次に、埼玉県所沢市の英国自動車(株)においてテストを行った。表17にレギュラーガソリンの燃費及び走行性能の結果を示す。また、テスト終了後にレギュラーガソリンに戻したときの排ガス分析結果を表18に示し、改質ガソリンテスト走行時の走行性能の体感結果を表19に示す。さらに、改質ガソリン使用における運転者の感覚的評価の結果を表20に示す。
【0097】
【表17】

【0098】
【表18】

【0099】
【表19】

【0100】
【表20】

【0101】
ジャガーには、ハイオク給油がメーカー指定と云う概念があるにもかかわらず、本テストはレギュラーガソリンを使用し、ハイオクにも勝る加速パワーと静粛性を実現した。さらに、排ガスのCO及びHCもゼロもしくはそれに近い値になったことは、燃費の大幅な節減となる結果であった。
【0102】
このように、石油価格の大幅な上昇は、車社会の現在燃料節減と環境問題は重要であり、これらを簡単な手段で一挙に解決できるセラミックスによる燃料油の改質の技術を早急に普及すべきである。
【0103】
また、ディゼル車の排ガスの分析結果(宮崎県延岡市(株)延岡衛研の分析)を表21に示す。
【0104】
【表21】

【0105】
表21に示すように、改質軽油の排ガス中のCO及びNoxは何れも低くなっている。これは燃焼効率の向上によるものである。
【0106】
以上のように本実施例においては、広範な分野で実験を行った。液体のセラミックスにより改質システムの適用分野の例について表22に示す。
【0107】
【表22】

【0108】
以上のように本実施形態によれば、セラミックスと水、燃料油及びアルコール等の改質材として、これ等の液体とセラミックスとを効率よく接触することで容易に改質され、特異な改質性能を発揮し民生、農林水産業、工業はもとより、保健や医療、環境改善及び省エネルギーの極めて広範な分野に寄与することができる。なお、本発明の適用は、記載している範囲に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】水溶液中の陶土結晶の破断面エッジの正帯電を示す図である。
【図2】電気二重層と表面電位とを示す図である。
【図3】赤外線放射率の測定結果を示す図である。
【図4】軽油の改質前後の留出量に見合う温度の差を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核部、基層部及び表層部からなる焼成物であって、前記核部は陶磁器と同様のセラミックス原料粉末を水で練り粘土状となして、任意の形状に成形し乾燥し素焼きした後、前記基層部として遠赤外線の放射率の高い遷移金属酸化物を主成分とする層を形成し、前記基層部を覆うようにガラス質から成る表層部から構成される高温焼成されたセラミックスであって部分的に前記基層部及び前記表層部を剥離して前記核部が露出していることを特徴とする液体改質材。
【請求項2】
前記基層部と前記表層部とは夫々の材を混合し、釉薬状態で用いられていることを特徴とする請求項1に記載の液体改質材。
【請求項3】
核及び釉薬の原料粉末と水との混合に用いる水として、淡水及び海水のうち、少なくと一方を用いることを特徴とする請求項1に記載の液体改質材。
【請求項4】
前記基層部及び表層部を形成する釉薬に常緑樹の葉及び又は樹皮の灰を補助剤として用いることを特徴とする請求項1に記載の液体改質材。
【請求項5】
請求項1に記載の液体改質材と被処理液体とを接触させる方法により前記被処理液体を改質する改質方法であって、
液体の出入口及び必要に応じてガス抜きベント口及び液抜取口を設けた円筒状の容器に前記液体改質材を充填して、入り口より前記被処理液体を導入し出口から処理液を取り出し、金網袋や繊維製の袋に詰めて液体中に浸漬するか、液体の流路に敷き詰めるか、或いは金属、板材,竹材で囲んだ濾床型となして処理し、上水、下水、河川水と接触して改質することを特徴とする改質方法。
【請求項6】
液体が燃料油である改質の手段として、金属管を用いて液の入り口、出口、ベント口及び必要に応じてドレン抜き口を設けたカートリッジ式の容器中に、請求項1に記載の液体改質材を充填し、レイノルズ数が2300以上の乱流域の流速で10分以上循環改質することを特徴とする改質方法。
【請求項7】
水以外の会合性を有する液体の会合を切断することを特徴とする請求項5に記載の改質方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−279547(P2009−279547A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136088(P2008−136088)
【出願日】平成20年5月23日(2008.5.23)
【出願人】(505466745)株式会社ウォーター・システム開発研究所 (1)
【Fターム(参考)】