説明

液体法によって繊維を金属で被覆するための方法および装置

【課題】液体法によって繊維を金属で被覆する方法において、溶融金属槽を供給する問題に対する別の解決法を提供すること。
【解決手段】本発明は、液体法によって繊維を金属で被覆する方法に関する。この方法では、繊維(3)が、溶融液体金属の槽(15)を通して引かれて溶融液体金属で被覆され、液体金属槽(15)は、「浮遊」式坩堝(9)内に保持され、液体金属と坩堝(9)との接触を少なくとも部分的に取り除く。槽(15)は,工程中に金属粉体(16)によって金属を供給される。
本発明によれば、溶融金属槽は、簡単かつ効果的な方法で供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体法によって繊維を金属で被覆するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に航空の分野において、部品の強度を最小限の質量および寸法において最適化することが、不変の目標である。したがって、特定の部品は、今や、金属マトリックス複合材料からなるインサートを含んでいてもよい。そのような複合材料は、金属合金マトリックス、例えば、チタン(Ti)合金マトリックスからなり、その中を例えば炭化ケイ素(SiC)セラミック繊維が延伸している。このような繊維は、チタンよりもはるかに大きな引張強度(典型的には、1000MPaに対して4000MPa)を有するとともに、典型的には3倍も大きい剛性を有している。したがって、負荷の吸収は繊維によって行なわれ、金属合金マトリックスが、繊維間の負荷の伝達を確保するとともに、部品の残りの部分との結合機能をもたらし、互いに接触してはならない繊維について、保護および離間の機能をもたらしている。さらに、セラミック繊維は、強度は大きいが脆いため、必然的に金属によって保護されなければならない。
【0003】
これらの複合材料は、ブレードなどの一体部品の補強材として、円板、軸、アクチュエータ本体、ケーシング、スペーサの製造に使用することができる。さらには、例えばブッシュまたは加圧流体タンクなどの圧力チャンバであるが、体積力の場が部品へと加わる他の分野にも、用途を見つけることができる。
【0004】
そのような複合材料インサートを得るため、セラミック繊維を金属シースで被覆して形成される強化材を含む「被覆ワイヤ」と呼ばれるワイヤが、前もって形成される。金属の被覆は、ワイヤにより大きな剛性をもたらすとともに良好な靭性をもたらし、取り扱いが有用となる。複合ワイヤまたは被覆ワイヤの製造は、種々の方法、例えば、電界のもとで繊維に金属を蒸着することによって、金属粉体を使用する電気泳動によって、あるいは液体金属の槽に繊維を浸漬被覆することによって行われる。
【0005】
溶融液体金属の槽中で繊維を被覆するための浸漬被覆法が、本出願人の名義である欧州特許第0931846号明細書に記載されている。欧州特許第0931846号明細書の方法において、溶融液体金属は、少なくとも部分的に適切な温度で坩堝の壁との接触を取り除くように、適切な坩堝中で浮遊状態で維持される。浮遊は、坩堝を囲む電磁手段を使用して得られる。把持手段によって引っ張りに維持されたセラミック繊維が、金属槽を通って引っ張られる。繊維が金属槽を通る速度は、繊維上での金属の所望の厚みによって設定される。
【0006】
金属被覆の質に強い影響がある1つのパラメーターは、ソース高さである。ソース高さは、液体金属槽に浸漬された繊維の瞬間高さ、すなわち、繊維が走行する液体金属ボールの高さとして定義される。ソース高さが、工程の間、一定のままであるほど、被覆の質は良好である。しかし、被覆が進むほど、浮遊されたボール中の金属の質量ひいてはその体積が減少し、繊維が走行する場所でのソース高さの低下をもたらす。このように、被覆の質は、形成される被覆ワイヤの初めの長さまでだけ満足できることとなり、この長さを越えた被覆を続けることは、非常に小さな厚みの被覆をもたらす。さらに、そしていかなる場合も、この初めの長さ以下でさえ、その厚みがワイヤに沿って減少するので、被覆は不十分である。
【0007】
このように、約10ミクロンの被覆金属厚みでは、被覆は、数百メーターのワイヤの被覆後に中断されなければならない。約50ミクロンの被覆金属厚みでは、被覆は、数十メーターのワイヤの被覆後に中断されなければならない。したがって、金属被覆方法は、工業プロセスとして実行されることができない。
【特許文献1】欧州特許第0931846号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この問題の解決法は、文献の欧州特許第0931846号明細書に記載されており、それは、坩堝の底を介して導入される金属棒を溶融槽に供給することにあり、それは、並進運動的に上方に移動される。しかし、この方法は、溶融ボールが、棒の接近のために熱的にあまり安定しておらず、単位時間当たり供給される質量を調節するのが簡単ではないので、完全に満足されるものではない。さらに、記載された装置は、水平に延伸された繊維で操作されることだけができ、それは制限する可能性がある。
【0009】
本発明は、液体法によって繊維を金属で被覆する方法において、溶融金属槽を供給する問題に対する別の解決法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、液体法によって繊維を金属で被覆するための方法であり、繊維が、溶融液体金属の槽を通して引かれて溶融液体金属で被覆され、液体金属槽は、「浮遊」式坩堝内に保持され、液体金属と坩堝との接触を少なくとも部分的に取り除く方法であって、槽は,工程中に金属粉体によって金属を供給される方法に関する。
【0011】
本発明によれば、溶融金属槽は、簡単かつ効果的に供給される。槽は、非常に長時間にわたってその初期重量で保持されることができ、数キロメートルのワイヤが被覆されることを可能にする。したがって、本発明の方法は、生産性が大幅に増加するので、液体法によるワイヤの被覆が工業規模で実施されることを可能にする。
【0012】
一実施形態によれば、金属粉体は、振動プレートを介して槽中に注がれる。
【0013】
そのような振動プレートを使用すると、粉体の流量およびその分布の均一性が、非常に正確に制御されることが可能となる。このように、ソース高さ、つまり槽に浸漬される繊維の長さは一定であり、それによって、高品質の被覆が達成されることを可能にする。特に、セラミック繊維の被覆は、このソース高さが正確に関係することを必要とし、工業的に実行されることができる。
【0014】
一実施形態によれば、プレートが粉体容器を介して粉体を供給される場合、槽中に注がれる粉体の流量は、容器とプレートの間の高さによって、およびプレートの振動数によって調節される。
【0015】
容器とプレートとの間の高さ、およびプレートの振動数によって流量を調節することによって、この流量の非常に微妙な制御が可能となり、したがって、ソース高さが一定であることを確保する。
【0016】
一実施形態によれば、粉体供給は、工程中に連続的である。
【0017】
一実施形態によれば、溶融槽は、複数の粉体供給ゾーンに供給される。
【0018】
一実施形態によれば、槽は、重力によって供給される。
【0019】
一実施形態によれば、繊維は、セラミック繊維、例えば、炭化ケイ素繊維である。
【0020】
一実施形態によれば、金属は、チタン合金である。
【0021】
本発明は、また、液体法によって繊維、例えば、セラミック繊維を金属で被覆する方法を実行するために、繊維が、溶融液体金属、例えば、チタン合金の槽を通して引かれて、溶融液体金属で被覆され、液体金属槽は、「浮遊」式坩堝内に保持され、液体金属と坩堝との接触を少なくとも部分的に取り除く、液体法によって繊維を金属で被覆する装置であって、溶融液体金属槽中に金属粉体を供給するための供給モジュールを含む、装置に関する。
【0022】
装置は、上述の方法と同じ利点を有する。
【0023】
一実施形態によれば、粉体供給モジュールは、槽中に金属粉体を注ぐための振動プレートを有する少なくとも1つの粉体ディスペンサを含む。
【0024】
一実施形態によれば、粉体ディスペンサは、粉体をプレートに供給するための少なくとも1つの容器を含む。
【0025】
一実施形態によれば、粉体ディスペンサは、溶融槽において複数の粉体供給ゾーンに供給する。
【0026】
一実施形態によれば、粉体ディスペンサは、粉体容器と、振動プレートに供給するためのチューブとを含み、プレートは、金属槽中に重力によって粉体を供給するチューブに粉体を注ぐように設計されている。
【0027】
一実施形態によれば、粉体供給モジュールは、複数の粉体ディスペンサを含む。
【0028】
一実施形態によれば、装置は、繊維繰り出しモジュールと、坩堝を含む繊維被覆モジュールと、繊維巻き取りモジュールとを含む。
【0029】
本発明は、添付図面のプレートを参照して、本発明の方法および装置の好ましい実施形態の次の説明によって、より明確に理解されることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、チタン合金のシースに包まれた炭化ケイ素セラミック繊維を含む被覆ワイヤの形成に関して説明される。好ましくは、従来、非常に細い炭素またはタングステンワイヤが、その軸芯に沿って繊維の中心にあり、この炭素またはタングステンワイヤは、炭化ケイ素で被覆され、一方、炭素またはピロカーボンの薄い層が、炭化ケイ素をシース、したがって、拡散バリア機能をもたらすように繊維と金属との間に介装されて、繊維上に堆積された液体金属の冷却時に生じる熱膨脹差の際に、ノッチ効果に対して繊維を保護するとともに、バッファ機能を付与する。
【0031】
図2を参照すると、本発明による液体法によって繊維を金属で被覆するための装置1は、ここで、炭化ケイ素セラミック繊維3を繰り出すための繰り出しモジュール2と、液体金属被覆モジュール4と、被覆モジュール4に金属粉体を供給するためのモジュール5と、形成された被覆ワイヤ7を冷却するための冷却モジュール6と、ここで、被覆ワイヤ7を巻くための巻き取りモジュール8とを含む。
【0032】
繰り出しモジュール2は、セラミック繊維3が巻きつけられるリール2aを含み、上記繊維は、第1のガイドプーリ2bおよび第2のガイドプーリ8bを介して、巻き取りモジュール8のリール8aに繰り出される。繊維3は、2つのリール2a、8a間でテンショニングされ、2つのガイドプーリ2b、8b間をほぼ直線的に走行する。この直線部分では、繊維3は、被覆モジュール4を通る。
【0033】
図1を参照すると、被覆モジュール4は、「浮遊」式坩堝9を含む。そのような坩堝9は、繊維3が入る第1の開口部11と、繊維3が出る第2の開口部12との間に延在する壁10を有する。坩堝9は、概して、軸芯13の周りに回転対称を有し、繊維3が2つのガイドプーリ2b、8b間を走行する軸芯に平行である。坩堝9の壁10は、繊維3が坩堝9の外から坩堝9の中に通ることを可能にする少なくとも1つの長手スロット(図示せぬ)を含む。
【0034】
被覆モジュール4は、また、電磁誘導器を含み、電磁誘導器は、複数のターン14を有しており、複数のターン14は、知られている方法で坩堝9の体積で磁界を生成するように設計されており、溶融金属ボール15が、坩堝9の体積中で浮遊させられたままにされることを可能にする。ここでは、金属は、チタン合金である。金属が浮遊している場合、坩堝9の壁10との接触が、少なくとも部分的に取り除かれる。
【0035】
図1において、セラミック繊維3は、2つの位置で示されており、それらは、A、Bによって示されている。位置Aでは、繊維3は、坩堝9の周りを進むように非直線的に走行する。繊維3は、次いで、坩堝9の壁10と誘導器のターン14との間で、坩堝9の体積の外側を走行する。この位置は、停止またはスタンバイ位置であり、その位置では、セラミック繊維3は、溶融金属15に接触していない。
【0036】
位置Bでは、繊維3は、溶融金属15の体積内に位置する。繊維3は、上述されたスロットを通って位置Aから位置Bに移動され、スロットは、坩堝の壁10にこの目的のために設けられている。位置Aから位置Bへの移動は、例えば、引き込み可能なプーリを使用して、任意の適切な手段によっても開始されてもよい。位置Bでは、繊維3は、溶融液体金属チャージ15を介して、繰り出しモジュール2から巻き取りモジュール8に繰り出される。繊維3は、次いで、金属で被覆され、坩堝9の出口開口側12で金属槽15から被覆ワイヤ7の形態で現れる。被覆ワイヤ7は、冷却モジュール6内で冷却される。
【0037】
被覆装置1は、また、上述されるように、溶融金属槽15に金属粉体を供給するための粉体供給モジュール5を含む。槽15に粉体を供給することは、ソース高さを保持することを可能にし、ソース高さは、上述のように定義され、図1で高さHsによって表され、できるだけ一定である。具体的には、粉体流量は、繊維3が金属で被覆されることによって溶融金属ボール15の質量が減少することを補うように調節される。示された実施形態では、粉体16は、溶融金属槽中に存在する金属と同じ金属、この場合、チタン合金からなる。
【0038】
粉体供給16は、金属槽15が、容易かつ効果的に供給されることを可能にする。特に、供給流量は、繊維3の被覆速度によって調節されることができる。さらに、粉体16は、複数の小粒子の形態であるので、槽15によってその「消化」は促進される。槽15による粉体16の用語「消化」は、作用を意味し、それによって、槽は、それ自体に粉体を組み入れ、均一な集合を形成するように粉体を溶解する。言いかえれば、消化とは、粉体の固体金属粒子を溶融金属に変換することを称する。消化は、浮遊された金属チャージ15の電磁攪拌によって促進され、攪拌は、この金属チャージ15の内部に粉体を引っ張り、その溶融を促進し、集合物を均一にする。
【0039】
被覆方法が良質であるためには、セラミック繊維3が金属で被覆されるように走行する槽のゾーンが、溶融金属のみであり、粉体形態の金属でないゾーンであることが重要である。したがって、粉体16は、問題となっているゾーンに正確に溶融されることを確保することが必要である。
【0040】
このように、粉体流量16が高すぎる場合、金属粒子は液体槽で塊になり、溶融を遅らせ、溶融されることなく繊維3に付着する可能性があり、被覆ワイヤ7の質に有害となる。その一方、粉体流量16が低すぎる場合、金属が繊維3に被覆されて、ソース高さHsが減少するので、金属の質量は次第に減少する。
【0041】
図3および図4を参照すると、供給モジュール5は、ここで、粉体ディスペンサ17を含み、粉体ディスペンサ17は、粉体容器18と、振動プレート20に供給するためのチューブ19と、チューブ21とを含み、チューブ21は、金属槽15中にプレート20から重力によって粉体16を供給するための漏斗22を有する。粉体ディスペンサ17は、真空下、または不活性雰囲気であってもよい。
【0042】
粉体16は、容器18に含まれており、プレート20上に供給チューブ19中を通って自由に流れることができ、ここで、粉体は、小さなマウンド23を形成する。プレート20は、矢印24によって示されるように振動され、マウンド23から漏斗22の上方に位置するプレートの端部25まで粉体16を走行させる。矢印26によって示されるように、粉体16は、次いで、漏斗22中に、したがって、供給チューブ21中に重力落下し、図1に見られるように、槽15のゾーン27に重力によって粉体を案内し、ゾーン27は、粉体16を受けるとともに吸収する。このゾーン27は、槽15中に粉体16を供給するための粉体供給ゾーン27とも以下に称する。粉体16は、槽15によって取り込まれ、溶融される。溶融槽15に粉体16を供給するためのチューブ21は、少なくとも槽15に近接するその端部に被覆を含み、被覆は、槽15によってもたらされる熱からチューブを保護するための熱遮蔽を形成する。槽15に近接して位置するこのゾーンは、例えば、円錐台形状の供給ノズルを形成してもよい(または含んでもよい)。
【0043】
槽に粉体16を供給する流量は、特に、容器18を介してプレート20を供給するためのチューブ19の端部とプレート20との間の高さ、プレート20の振動の振動数および振幅、プレート20が水平方向となす角度、および粉体16の粒子サイズによって調節される。供給チューブ19の端部とプレート20との間の高さについて、これは、マウンド23の高さが調節されることを可能にし、それは、流量に影響し、マウンドが大きければ、流量を高くすることができ、質量の大きな金属がプレート20の他の端部25で供給されることができるからである。プレート20の振動の振動数および振幅、およびプレート20が水平方向となす角度について、それらが高ければ高いほど、流量は高くなる。最後に、粉体16の粒子サイズについて、これが大きければ大きいほど、振動によって粉体16を移動させることは容易ではなく、したがって、流量は低くなる。
【0044】
付随的に、繊維3に堆積される金属の厚みに対するセラミック繊維3の走行速度の影響は、線形ではないことが、図6を参照して注意されるべきである。この影響は、詳細には本明細書で説明されず、当業者は、図6の概略図を参照することができ、図6は、被覆厚みと速度の関係の知られている曲線を示し、これが存在する境界層領域(粘毛細管または粘慣性)に依存し、上記領域は、繊維3の速度によって決まる。一般に、低速範囲では、被覆厚みは速度とともに増加し、一方、高速範囲では、被覆厚みは速度とともに減少することが注意されるべきである。
【0045】
一例を挙げれば、3m/sの繊維走行速度では、粉体流量は、約125μmの直径を有する粒子の粉体16では約1g/sとすることができる。これは、約70μmの金属が、繊維3上に被覆されことを可能にする。これらの値は、単に例として挙げられ、他の値は、もちろん考えられる。
【0046】
図1に示されるように、繊維3は、中心に沿ってではなく溶融金属ボール15の一方側を走行し、粉体16は、ボール15の反対側に供給されることが好ましく、粉体16を供給するためのゾーン27と繊維3との距離は、繊維16が繊維3と接触する前に溶融するためにより多くの時間を有することを可能にする。このように、粉体16のより高い流量が想定されることができる。
【0047】
さらに、溶融金属槽15のより良好な均一性のために、複数の粉体供給ゾーン27が、溶融金属槽15内に設けられ、それによって、粉体16の供給が、液体槽15のより大きな領域にわたって分布されることを可能にする。この目的のために、粉体16を供給するための粉体供給モジュール5は、例えば、上述されたディスペンサ17による複数の粉体ディスペンサを含んでいてもよい。さらに、供給モジュール5は、槽15で粉体16を供給するための複数のゾーン27を各々供給する1つまたは複数のディスペンサを含んでいてもよい。
【0048】
図5は、上記の実施形態によるディスペンサを実施するための振動プレート20’を示す。プレート20’は、上記のように、粉体マウンド23’が形成されているゾーンを含む。プレート20’は、さらに、漏斗を供給するためのその端部25’からスタートして、粉体の流れ26を2つの経路に分離するためのパーティション28を含み、それによって、矢印26’、26”によって示されるように、粉体16が2つの異なる供給チューブ(図示せぬ)に供給されることを可能にする。これらの2つの供給チューブは、溶融槽15において粉体16を供給するための2つの異なるゾーン27に粉体16が供給されることを可能にする。
【0049】
本発明の様々な実施形態(説明されていない)が可能であることは言うまでもない。例えば、繊維3は、溶融金属ボール15の中心で繰り出されてもよく、粉体は、繊維3のまわりに位置する複数のゾーン27で供給され、繊維3に関して対称であることが好ましい。
【0050】
さらに、本発明の方法および装置は、粉体16が重力によって供給されること関して示されたが、加圧下で粉体が供給されることができることは言うまでもない。
【0051】
繊維3は、必ずしも垂直に走行せず、特に、水平に走行してもよい。さらに、粉体16は、繊維3のための出口開口を介して必ずしも供給されないが、繊維3に対して横方向に供給されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の装置の坩堝の概略断面図を示す。
【図2】本発明の装置の概略側面図を示す。
【図3】本発明の装置の粉体供給モジュールの概略側面図を示す。
【図4】本発明の装置の粉体供給モジュールの振動プレートの第1の実施形態の平面図を示す。
【図5】本発明の装置の粉体供給モジュールの振動プレートの第2の実施形態の平面図を示す。
【図6】上記溶融液体金属の槽を通る繊維の走行速度に応じて繊維に堆積された金属の厚みの変化を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 被覆装置
2 繰り出しモジュール
3 炭化ケイ素セラミック繊維
4 液体金属被覆モジュール
5 供給モジュール
6 冷却モジュール
7 被覆ワイヤ
8 巻き取りモジュール
9 坩堝
10 壁
11 第1の開口部
12 第2の開口部
13 軸芯
14 ターン
15 溶融金属槽
16 粉体
17 粉体ディスペンサ
18 粉体容器
19、21 供給チューブ
20 振動プレート
22 漏斗
23 マウンド
27 粉体供給ゾーン
28 パーティション
Hs 高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体法によって繊維を金属で被覆するための方法であって、繊維が、溶融液体金属の槽を通して引かれて溶融液体金属で被覆され、液体金属槽は、「浮遊」式坩堝内に保持され、液体金属と坩堝との接触を少なくとも部分的に取り除き、前記方法は
槽が,工程中に金属粉体によって金属を供給される、方法。
【請求項2】
金属粉体が、振動プレートによって槽中に注がれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プレートが粉体容器を介して粉体を供給される場合、槽中に注がれる粉体の流量は、容器とプレートの間の高さによって、およびプレートの振動数によって調節される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
粉体供給が、工程中に連続的である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
槽が、複数の金属粉体供給ゾーンに供給される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
槽が、重力によって供給される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
繊維が、セラミック繊維、例えば、炭化ケイ素繊維である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
金属が、チタン合金である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
液体法によって繊維、例えば、セラミック繊維を金属で被覆する方法を実行するために、液体法によって繊維を金属で被覆する装置であって、繊維が、溶融液体金属、例えば、チタン合金の槽を通して引かれて、溶融液体金属で被覆され、液体金属槽は、「浮遊」式坩堝内に保持され、液体金属と坩堝との接触を少なくとも部分的に取り除き、前記方法は
溶融液体金属槽中に金属粉体を供給するための供給モジュールを含む、装置。
【請求項10】
粉体供給モジュールが、槽中に金属粉体を注がれるための振動プレートを有する少なくとも1つの粉体ディスペンサを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
粉体ディスペンサが、粉体をプレートに供給するための少なくとも1つの容器を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
粉体ディスペンサが、溶融槽において複数の粉体供給ゾーンに供給する、請求項10または11記載の装置。
【請求項13】
粉体ディスペンサが、粉体容器と、振動プレートを供給するためのチューブとを含み、
プレートは、金属槽中に重力によって粉体を供給するチューブに粉体を注がれるように設計されている、請求項10〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
粉体供給モジュールが、複数の粉体ディスペンサを含む、請求項10〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
繊維繰り出しモジュールと、坩堝を含む繊維被覆モジュールと、繊維巻き取りモジュールとを含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−303462(P2008−303462A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−132791(P2008−132791)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(505277691)スネクマ (567)
【Fターム(参考)】