説明

液体組成物におけるグラフト化SMAコポリマーの使用

本発明の主題は、(i)第1のモノマーはスチレンおよびこの誘導体から選択され、ならびに(ii)第2のモノマーは少なくとも1つの無水物官能基を含む、少なくとも2種のモノマーの共重合から得られるSMAコポリマー(II)と、(iii)単位(1)から(4)、式(I)


(A=酸素、硫黄、またはNH)から選択される少なくとも1つの単位(M)を含み、ハロゲン、第1級もしくは第2級アミン官能基、アルコール官能基、チオール官能基、カルボン酸官能基もしくは前記官能基の誘導体、およびエポキシ官能基から選択される少なくとも1つの化学官能基(X)を含み、単位(M)および前記官能基(X)が剛直または屈曲性鎖(R)で結合されているM−R−X分子(I)、即ち(iv)トリアゾール族に属する分子とのグラフト化から得られるグラフト化コポリマーの、紙もしくはボール紙の内部もしくは上、硬質表面、革、または布地上に適用するための液体組成物の主化合物または添加剤としての使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素含有複素環型の分子によってグラフト化された高分子鎖で構成される、スチレンおよび無水物単位をベースとするポリマー添加剤の分野に関する。特に、本発明はまた、このような添加剤を含む組成物、さらに特に製紙工業の分野におけるこの使用に関する。スチレンまたはスチレン誘導体から得られる単位、および無水物、特に無水マレイン酸から得られる単位を含むポリマーはSMAとして知られている。
【背景技術】
【0002】
SMAコポリマーの使用は、紙の製造において周知である。
【0003】
実際、スチレンおよび無水物単位をベースとするポリマー添加剤は、この疎水性、耐水性、印刷適性、および表面外観などの紙の特性の改善を可能にする。これらの添加剤はしばしば、紙をサイジングまたはコーティングするために液体組成物の成分として用いられ、添加剤はまた特に高せん断時に粘性を下げる一助となることによって、または充填剤もしくは顔料の濃度を上げる一助となることによって、紙のレオロジーを好都合に改変する可能性がある。紙の製造中に紙を処理するために用いられるこれらの液体組成物は、さらに結合剤および他の添加剤を含有することのできる、充填剤または顔料の水性懸濁液である。
【0004】
出願WO 02/48495は、高速工程において紙をコーティングするために用いられる組成物の製剤に組み込まれる、スチレンおよび無水マレイン酸の重合から得られるポリマーに言及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/48495号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スチレンおよび無水物単位をベースとするコポリマーは、特に紙の製造で遭遇するある種の問題に対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願は、例えばUDETAなどの窒素含有複素環を含む分子によるスチレンおよび無水物単位をベースとするポリマーのグラフト化が、コポリマーの親水性/疎水性バランスの調節を可能にし、例えば、処理紙の疎水特性の改善によって表わされるスチレンに富んだコポリマーのより良好な溶解を可能にすることをここに見出した。さらに、UDETAなどの窒素含有複素環を含む分子によるグラフト化は、セルロース繊維とのより良好な適合性を提供し、紙の製造に用いられる液体組成物の顔料および/または充填剤の分散に有利である。同様に、本発明による他の適用例において、スチレンおよび無水物単位をベースとするコポリマーにUDETAなどの分子をグラフト化することによって、より良好な界面活性剤および分散剤を得ることができる。
【0008】
本発明によるポリマー添加剤は、
(i)第1のモノマーはスチレンおよびこの誘導体から選択され、ならびに(ii)第2のモノマーは少なくとも1つの無水物官能基を含む、少なくとも2種のモノマーの共重合から得られるSMAコポリマー(II)と、
(iii)単位(1)から(4)から選択される少なくとも1つの単位(M)を含み
【0009】
【化1】

(A=酸素、硫黄、またはNH)、
ハロゲン、第1級もしくは第2級アミン官能基、アルコール官能基、チオール官能基、カルボン酸官能基もしくはこの官能基の誘導体、およびエポキシ官能基から選択される少なくとも1つの化学官能基(X)を含み、単位(M)および前記官能基(X)が剛直または屈曲性鎖(R)で結合されているM−R−X分子(I)、または
(iv)トリアゾール族に属する分子とのグラフト化から得られるグラフトコポリマーである。
【0010】
SMAコポリマー(II)の場合、これらのポリマーもSMAの指定から除外されることなく、他のモノマーから得られる単位も存在することができる。SMAコポリマーはまた、共有結合によって他のポリマー、特にSMAに化学的に結合していてもよい弾性ポリマーと結合していてもよい。無水物単位は残存するコポリマーの反応性または官能性部位を有するため、他の型の分子との化学反応に関与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
無水物基が無水物基の開裂を伴う修飾反応に関与するとき、結果として得られる生成物は、修飾SMA、またはSMAの官能化誘導体と呼ばれる。さらにSMAコポリマーを水性媒質に溶解するとき、無機または有機塩基、通常後者の場合はアミンを付加するのが一般的であることを明示するのが適切であると考えられる。この場合、無水物基は開裂し、有機または無機塩基とカルボン酸塩を形成することができる。この塩化は、SMAコポリマーの可溶化をもたらすか、または可溶化に有利である。本発明による分子(I)のグラフト化によるSMAコポリマー(II)の修飾は、単に酸塩基塩化反応に相当するのではなく、むしろ分子(I)のコポリマー(II)への真の化学グラフト化に相当し、これはこれに続くグラフトコポリマーの分離を伴う、適切な溶媒の溶液で行われる別のグラフト化ステップで、または溶媒を用いずに、押出し機、カレンダー機、および他の混合機などの当業者に周知の熱可塑性ポリマーを変換する装置で行うことができるように溶融状態で、修飾SMA添加剤の使用前に行われる。
【0012】
SMAコポリマー(II)は、少なくとも2種の異なるモノマー、即ちスチレンモノマー、好ましくはスチレン、および無水物官能基を含むモノマー、好ましくは無水マレイン酸の共重合から得られる。SMAコポリマーはまた、1種以上の他の補助モノマー、例えばアクリル酸(メタクリル酸)アルキルなどのアクリルコモノマーなどとの共重合から得ることもできる。SMAコポリマーはまた、化学結合によって、他のポリマー、特に弾性ポリマーと結合していてもよい。
【0013】
SMAコポリマー(II)は、無水物官能基を含む0.5から65%(モノマーの全混合物に対する重量%)のモノマーを含むモノマー混合物の共重合から得られる。
【0014】
本発明によるSMAコポリマーの分子量は、数平均分子量Mnの場合、500から500000ダルトンの間で変化することができる。好ましくは、本発明に用いるSMAコポリマーは、2000から100000ダルトンの数平均分子量を有する。
【0015】
スチレン単位と無水物単位の比は、0.6対1から29対1の間、好ましくは1対1から6対1の間で変化することができる。
【0016】
M−R−X分子(I)は、尿素と、アルキレンアミン、アミン、アミノアルコール、およびアミドから選択される少なくとも1種の化合物との反応から得られる。有利には、前記化合物は、少なくとも1つの第1級アミン官能基(−NH)、および少なくとも1つの第2級アミン官能基(−NH−)を含み、前記官能基は、少なくとも2つの炭素原子を含む炭素ベース鎖で結合されている。剛直または屈曲性鎖(R)は、1つ以上のヘテロ元素を有することのできる炭化水素ベース鎖である。これは−C(O)O−、OC(O)、C(O)、−O−、−S−、−NH−架橋で結合された、1から30個の炭素原子からなる直鎖または分岐炭化水素ベース鎖、環または一連のアルキルもしくはアリール構成要素であり得る。
【0017】
例えば以下を挙げることができる。
【0018】
UTETA分子:尿素とトリエチレンテトラミン(TETA)の反応から得られる1−(2−[(2−アミノエチル)アミノ]−エチル)イミダゾリジン−2−オン;
【0019】
【化2】

【0020】
UTEPA分子:尿素とテトラエチレンペンタミン(TEPA)の反応から得られる1−(2−{2−[(2−アミノ−エチルアミノ]エチル)アミノ}エチル)イミダゾリジン−2−オン
【0021】
【化3】

【0022】
UDETA分子:尿素とジエチレントリアミン(DETA)の反応から得られる2−アミノエチルイミダゾリジノンまたは1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン;
【0023】
【化4】

【0024】
UDETA分子(下式):尿素とジエチレントリアミン(DETA)の反応から得られる2−アミノエチルイミダゾリジノンまたは1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オン。
【0025】
有利には、分子(I)の官能基(X)は、第1級または第2級アミン官能基である。
【0026】
有利には、分子(I)の単位(M)は、A=酸素のイミダゾリドン型の複素環である単位(1)である。
【0027】
有利には、分子(I)は、1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オンまたはUDETAである。
【0028】
【化5】

トリアゾール族の分子に関して、以下を挙げることができる。
【0029】
4−アミノ−1,2,4−トリアゾール
【0030】
【化6】

3−アミノ−1,2,4−トリアゾール
【0031】
【化7】

【0032】
分子(I)とコポリマー(II)の反応は、溶液または溶融状態で行うことができる。数分から数時間の妥当な時間にわたって反応が起こるように反応温度を選択することによって、分子(I)およびコポリマー(II)を、クロロホルムなどの適切な溶媒の溶液にすることができる。または、溶媒を用いずに、押出し機、カレンダー機、および他の混合機などの当業者に周知の熱可塑性ポリマーを変換する装置で行うことができるように、分子(I)を溶融状態のコポリマー(II)と接触させることができる。
【0033】
本発明による修飾SMAポリマーの使用に関して、以下の使用を挙げることができる。
【0034】
紙の製造分野において添加剤としての使用。添加剤は、紙の内部または上に適用される液体組成物の成分である。これらの組成物は、紙のサイジングまたはコーティングに用いることができる。これらの組成物はまた、紙の仕上げ工程において、例えばその後の紙への印刷を容易にする目的で用紙を被覆するために用いることもできる。このように、この添加剤は、印刷適性、演色、解像度、機械強度、および感触に関して、コート紙の特性を改善する。本発明による添加剤を加えたコーティングで被覆したコート紙の強度と屈曲性との間の有益な妥協、および1つ以上の被覆層の紙への良好な付着が得られる。さらにこの添加剤によって、より良好な印刷解像度が得られる。この添加剤はまた、紙に耐性、特に水(紙を疎水性にするため)、グリース、または他の物質に対する耐性を付与する。この添加剤は、紙において水の保持力を改善する(水/結合剤、および充填剤または顔料の適合性)。
【0035】
光沢および新しい外観を付与するために、床、特にタイル張りの床または寄木細工の床などの表面に適用できる液体コーティングまたは組成物を製造するための主化合物として、または添加剤としての使用。これらのコーティングは、これらの支持体に対する良好な付着力、および例えば床などの圧力を加えられた支持体において利点となる良好な機械強度を有する。
【0036】
界面活性剤、特に直接および逆(従来、ミニエマルション、マイクロエマルション)エマルション重合、直接および逆懸濁重合、および分散または沈澱重合などの分散媒質における重合を安定化するための界面活性剤としての使用。分散媒質での様々な型の重合の説明に関しては、書籍「Les latex synthetiques.Elaboration−Proprietes−Applications[合成ラテックス。開発/特性/応用]、Jean−Claude DanielおよびChristian Pichot編、Tec&Doc Lavoisier出版、2006、ISBN 2−7430−0741−9の第7章を参照されたい。
【0037】
共界面活性剤としての使用:使用できるエマルション重合によって、アクリル結合剤の合成中にインク、塗料、またはニスの水性組成物を製造するため、
革、または織布もしくは不織布の結合剤またはコーティングを製造するため。
【0038】
特にインク組成物において、無機または有機顔料の分散剤としての使用。これはさらに顔料の粉砕を容易にする。
【0039】
グラウト、モルタル、コンクリート、塗料、およびニスなどの組成物において、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、またはセメントなどの無機充填剤の分散剤としての使用。これは別の型のコーティング(例えば、紙のコーティング)の分散剤であることもできる。
【0040】
紙もしくはボール紙の内部もしくは上、硬質表面、革、または布地上に適用するための液体組成物の主化合物または添加剤としての使用。
【0041】
好ましくは、紙は、印刷/筆記用紙、または包装用紙、特に脱インク機械紙パルプまたは再生紙パルプから製造された包装用紙である。
【0042】
好ましくは、硬質表面は、床、壁、および天井から選択される。
【0043】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示するものである。
【実施例1】
【0044】
UDETAによる押出し機でのSMAコポリマーのグラフト化
グラフト化前のSMAコポリマーは、無水マレイン酸14重量%を含有する製品Aldrich(登録商標)である。この数平均分子量Mnは85000g/molであり、この重量平均分子量Mwは188000g/molである。窒素流下、DSM Micro 15 Compounderマイクロ押出し機でグラフト化を行う。無水物を改変して加水分解され得るように、SMAを最初に120℃で12時間、真空オーブンで処理する。次いでSMA12gを、モル純度85%超を有するUDETA400mgと混合する。スクリュー回転数50rpmで、押出し温度は220℃である。材料は良好な加工性を保持する。
【0045】
熱分析
グラフト化SMAおよび非グラフト化SMAのサンプル各10mgを、T4モードで作動するDSC TA Q1000機械装置を用い、熱量測定によって分析する。これら2種の材料のガラス転移温度を、加熱/冷却速度10℃/分で推定する。グラフト化SMAは、非グラフト化SMAより5.4℃高いガラス転移温度を有する(それぞれ135.5℃および130.1℃)。
【実施例2】
【0046】
より少量のUDETAによる押出し機でのSMAコポリマーのグラフト化
グラフト化前のSMAコポリマーは、実施例1と同じである。窒素流下、DSM Micro 15 Compounderマイクロ押出し機でグラフト化を行う。無水物を改変して加水分解され得るように、SMAを最初に120℃で12時間、真空オーブンで処理する。次いでSMA12gを、モル純度85%超を有するUDETA170mgと混合する。スクリュー回転数50rpmで、押出し温度は220℃である。材料は良好な加工性を保持する。
【0047】
熱分析
グラフト化SMAおよび非グラフト化SMAのサンプル各10mgを、T4モードで作動するDSC TA Q1000機械装置を用い、熱量測定によって分析する。これら2種の材料のガラス転移温度を、加熱/冷却速度10℃/分で推定する。グラフト化SMAは、非グラフト化SMAより2.7℃高いガラス転移温度を有する(それぞれ132.7℃および130.1℃)。
【実施例3】
【0048】
紙への疎水化効果
実施例1および2のポリマーを、攪拌しながら、脱イオン水に5重量%で水性分散液にする。このポリマー分散液を、精製紙繊維の33°SRパルプ、および繊維に対して0.3重量%の量の、シートマシンでの紙の製造に用いられるカチオン性ポリマー剤(保持剤として知られる。)ポリDADMAC(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)と混合する。本発明によるグラフト化ポリマー分散液の量を、ポリマーの量が繊維に対して5%程度になるように調整する。次いで、懸濁液を実験室用シートマシンに通して、厚さ80から100ミクロンを有する60から70g/mの紙を得る。参照として、実施例1および2のポリマーを含有しないが、ポリDADMACを含有する紙を製造する。
【0049】
このように製造した紙の疎水性を、当業者に周知であり、標準NF EN 20535−ISO535に従って行うCOBB試験から求める。参照の紙と本発明によるグラフトポリマーを含有する紙を比較した結果を表1に示す。
【0050】
COBB値(g/m
参照パルプ 160
実施例1のポリマーを含む 100
実施例2のポリマーを含む 80
ポリマーの疎水化効果は、COBB値の低下によって表わされる。
【実施例4】
【0051】
低分子量SMAコポリマーのグラフト化、および結果として得られるポリマーの界面活性剤特性
グラフト化前のSMAコポリマーは、比1:1のスチレン:無水マレイン酸単位を含む製品Sartomer SMA1000である。SMA1000の顆粒を乳鉢または粉砕機で粉砕して微粉を得て、次いで無水物を改変して加水分解され得るように、これを120℃で12時間、真空オーブンで処理する。窒素流下、DSM Micro 15 Compounderマイクロ押出し機で、この粉末12gを、モル純度85%超を有するUDETA170mgと混合する。押出しは220℃および50rpmで行う。材料は非常に流動性である。
【0052】
実施例1のグラフトコポリマーの希釈水溶液の界面活性剤特性を求めるために、このグラフトコポリマー1重量%を含有する脱イオン水の水溶液を調製する。この溶液を0.8ミクロンのフィルタで濾過する。次に、濾過した1%溶液の連続希釈によって、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、および0.001重量%の溶液を調製する。これらの溶液の表面張力を、直径20ミクロンを有する針を備えた、Windrop(登録商標)ソフトウェアで制御されるTracker(登録商標)ブランド液滴張力計器を用いて測定する。表2は得られた測定値の結果を示す。
【0053】
【表1】

【0054】
実施例1のグラフトコポリマーは、両親媒性に関連する界面活性剤特性を有することがこの表から明らかになる。従って、実施例1のグラフトコポリマーは、この親水性部分のために完全に充填剤および顔料を分散することが可能であり、紙を構成する(親水性)セルロース繊維と良好な親和性を有しながら、同時に紙またはボール紙にいくらかの疎水性を付与するために用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)第1のモノマーはスチレンおよびこの誘導体から選択され、ならびに(ii)第2のモノマーは少なくとも1つの無水物官能基を含む、少なくとも2種のモノマーの共重合から得られるSMAコポリマー(II)と、
(iii)単位(1)から(4)から選択される少なくとも1つの単位(M)を含み
【化1】

(A=酸素、硫黄、またはNH)、
ハロゲン、第1級もしくは第2級アミン官能基、アルコール官能基、チオール官能基、カルボン酸官能基もしくはこの官能基の誘導体、およびエポキシ官能基から選択される少なくとも1つの化学官能基(X)を含み、単位(M)および前記官能基(X)が剛直または屈曲性鎖(R)で結合されているM−R−X分子(I)、または
(iv)トリアゾール族に属する分子とのグラフト化から得られるグラフトコポリマーの、紙もしくはボール紙の内部もしくは上、硬質表面、革、または布地上に適用するための液体組成物の主化合物または添加剤としての使用。
【請求項2】
紙が、印刷/筆記用紙、または包装用紙、特に脱インク機械紙パルプまたは再生紙パルプから製造された包装用紙であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
硬質表面が、床、壁、および天井から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
グラフトコポリマーが、インク、塗料、またはニスの水性組成物の添加剤であることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
添加剤が、界面活性剤または共界面活性剤であることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
添加剤が、無機または有機顔料および/または無機充填剤の分散剤であることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項7】
添加剤が、炭酸カルシウム、カオリン、二酸化チタン、およびセメントから選択される無機充填剤分散剤であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
添加剤が、グラウト、モルタル、およびコンクリートから選択される組成物の分散剤であることを特徴とする、請求項6および7のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
SMAコポリマー(II)が、無水物官能基を含む0.5から65%(モノマーの全混合物に対する重量%)のモノマーを含むモノマー混合物の共重合から得られることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の使用。
【請求項10】
SMAコポリマー(II)の数平均分子量(Mn)が、500から500000ダルトンの間、好ましくは2000から100000ダルトンの間で変化することを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の使用。
【請求項11】
無水物官能基を含むモノマーが、無水マレイン酸であることを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の使用。
【請求項12】
分子(I)が、尿素と、アルキレンアミン、アミン、アミノアルコール、およびアミドから選択される少なくとも1種の化合物との反応から得られることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の使用。
【請求項13】
分子(I)が、尿素と、少なくとも1つの第1級アミン官能基(−NH)、および少なくとも1つの第2級アミン官能基(−NH−)を含有し、前記官能基が少なくとも2つの炭素原子を含む炭素ベース鎖で結合されている少なくとも1種の化合物との反応から得られることを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の使用。
【請求項14】
官能基(X)が、第1級または第2級アミン官能基であることを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の使用。
【請求項15】
分子(I)の単位(M)が、A=酸素のイミダゾリドン型の複素環である単位(1)であることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の使用。
【請求項16】
分子(I)が、1−(2−アミノエチル)イミダゾリジン−2−オンまたはUDETAであることを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の使用。
【化2】

【請求項17】
トリアゾール族が、4−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよび3−アミノ−1,2,4−トリアゾールで構成されることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の使用。

【公表番号】特表2010−531936(P2010−531936A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514055(P2010−514055)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【国際出願番号】PCT/FR2008/051121
【国際公開番号】WO2009/004264
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(505005522)アルケマ フランス (335)
【Fターム(参考)】