液体試料分注装置および駆動方法
【課題】必要量の液体試料を反応容器に精度良く分注する液体試料分注装置を提供する。
【解決手段】分注用ノズル2によって保持された液体試料14を複数の反応容器13に所定量ずつ分注する液体試料分注装置1において、分注用アクチュエータ制御部9に吐出条件記憶部11を備え、吐出条件記憶部11に分注用アクチュエータ7に連結されたシリンジ4内にあるプランジャ6のストロークに対する吐出量を記憶し、分注用アクチュエータ制御部9が、予め記憶された分注用アクチュエータ7に連結されたシリンジ4内にあるプランジャ6のストローク、液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量に基づいて分注用アクチュエータ駆動部8へ動作指令を与えるようにした。
【解決手段】分注用ノズル2によって保持された液体試料14を複数の反応容器13に所定量ずつ分注する液体試料分注装置1において、分注用アクチュエータ制御部9に吐出条件記憶部11を備え、吐出条件記憶部11に分注用アクチュエータ7に連結されたシリンジ4内にあるプランジャ6のストロークに対する吐出量を記憶し、分注用アクチュエータ制御部9が、予め記憶された分注用アクチュエータ7に連結されたシリンジ4内にあるプランジャ6のストローク、液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量に基づいて分注用アクチュエータ駆動部8へ動作指令を与えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、必要量の液体試料を反応容器に精度良く分注する液体試料分注装置および駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例1の液体吐出ヘッドは、液体物理定数の異なる多種類の液体を微小量吐出する液体吐出ヘッドにおいて、微小単位を液体に作用させる複数の微小変位発生部材と、微小変位発生部材が設置され、液体が充填される流路部材と、流路部材の流路断面形状と略等しい断面積を有する吐出口とを具備しており、板形状圧電素子の共振駆動により、液体を吐出口より噴霧吐出し、多量の液体を短時間で高速に吐出でき、試薬等の患部への投与等に適用できる液体吐出ヘッドを実現でき、また、洗浄性の高い液体吐出ヘッドを提供することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は従来例1の液体吐出ヘッド及び液体吸引・供給接続配管経路を示した概略図、図8は液体吐出ヘッドの流路部材の斜視図、図9は液体吐出ヘッドの斜視図、図10は液体吐出ヘッドの吐出口、そして液体吐出ヘッドの断面図である。
【0004】
図7において、液体吐出ヘッド120は、図示しない可動搬送部材に支持されており、液体サンプル容器121、洗浄槽122、並びに反応容器123の各上方に移動配置される。この液体吐出ヘッド120はテフロン(登録商標)製の接続配管124により、シリンジピストンポンプ125に接続されている。シリンジピストンポンプ125には前記接続配管124以外に液体供給タンク126に至る別の接続配管127が接続されており、電磁弁128、ポンプ129を介して液体供給タンク126に順次接続されている。
前述のシリンジポンプ125とは液体の吸引時に稼動し、ピストン130は図示しないステッピングモータ・ギヤラックオピニオン等の直線往復アクチュエータにより矢印131の方向に往復運動する。また、液体吐出ヘッド120とシリンジピストンポンプ125は水頭値差を防止するため、図面では多少上下しているように示されているが、実際には概略同一高低位置に設置されている。
前記液体供給タンク126内には、洗浄水132となる水又は脱気されたイオン交換水が入っており、ポンプ129により、各接続配管124、127、電磁弁128、シリンジピストンポンプ125、並びに液体吐出ヘッド120内に洗浄水132が充填供給されている。
ここで、流路部材としてガラス製の流路幅50μm×500μm長さ5mmの矩形断面の矩形微細管133を用い、微小変位発生部材として板形状圧電素子134を用いている。
【0005】
次に、矩形微細管133断面の長辺外側面に2つの板形状圧電素子134を設置したときに電極となる導電材料電極135が板形状圧電素子134の設置面積より大きな面積にスクリーン印刷により形成されている。そして、図11に示されるように、板形状圧電素子134は肉圧方向(矢印136)に分極され、板厚の両面に銀電極137、138が形成され、一方の銀電極137が全面導通するように前述の導電材料電極135内に接合される。
このように、板形状圧電素子134が形成された矩形微細管133の一方の端面を吐出口139とし、もう一方の端面は継手140を介してテフロン製配管124に接続される。
なお、ガラス製の矩形微細管133の吐出口139の端面にはフッ素系材料による薄膜の撥水処理層が形成されている。
さらに板形状圧電素子134は、圧電定数が大きく、変位量が大きいソフト系圧電材料(例えば(株)富士セラミックス製C−6材料、C−82材料等)で構成され、表面の銀電極137は導電材料電極135に接合される側をマイナス電極(GND電極)・外面銀電極138をプラス電極として使用する。各電極には図示しない駆動回路からリード線141により、所定電圧値及び所定波形の電圧が印加される。
このように、従来例1の液体吐出ヘッドは、板形状圧電素子134の共振により、液体を吐出口より噴霧吐出し、多量の液体を短時間で高速に吐出でき、試薬等の患部への投与等に適用できる。
【0006】
従来例2の分注装置は、先端に吐出口を有する一つの外管と、その外管に内包され、その外管の吐出口の近傍に位置する吐出口を有する第1内管と、第1内管に内包され、その第1内管の吐出口の近傍に位置する吐出口を有する第2内管と、外管と第1内管と第2内管の何れか1つに分注液を供給するための分注液供給手段と、分注液が供給されない管に搬送流体を供給するための搬送流体供給手段と、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体を吐出させるために搬送流体供給手段とを備え、分注液供給手段により外管又は分注液が供給されることにより、その管の吐出口へ分注液が導かれる。又、分注液が供給されない管に、搬送流体が供給されることにより、その管の吐出口へ搬送流体が導かれる。ここで、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、供給制御手段による搬送流体手段の制御により、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体が吐出されることにより、その搬送流体が滴下前の分注液に作用し、その表面張力に打ち勝って分注液が液滴として落とされる。従って、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の液滴が分注されるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11に、従来例2の分注装置の概略構成図を示す。この分注装置は、ピペット状の分注器201を備える。この分注器201は、外管202と、その外管202に内包される内管203とを含む二重管構造をなす。分注器201の下方には、分注相手であるバイオチップ等の基板204が配置される。
【0008】
図12に、分注器201の下端部を拡大断面図に示す。図13に図12のA−A線断面図を示す。外管202は、その先端である下端に吐出口202aを有する。内管203は、外管202の吐出口202aの近傍に位置する吐出口203aを含む。外管202と内管203との間には、隙間通路205が形成される。図13に示すように、内管203の吐出口203aの周囲の形状は、単に管材をその軸線に垂直に切断しただけの端面形状を有する。この吐出口203aの周囲の形状は、単に管材をその軸線に垂直に切断しただけの端面形状を有する。この吐出口203aの周囲表面には、図13に破線で示すように、シリコーン・コーティング剤等を使用しての撥水性処理を施すことにより、撥水性コーティング206が形成される。
図11に示すように、分注器201の内管に203には、液配管207が接続される。この液配管207の上流端は、分注液を貯留するタンク208に接続されて分注液の中に配置される。液配管207の途中には、第1電磁弁209が設けられる。タンク208の上部には、液圧送用エアを供給するためのエア配管210が接続される。このエア配管210の途中には、液圧送用エアの圧力を調整するための圧送圧力調整器211が設けられる。そして、タンク208には、圧送圧力調整器211により圧力調整されたエアが常時供給される。この状態で、第1電磁弁209が開弁することにより、タンク208に貯留された分注液が、内管203に供給される。この従来例では、これら液配管207、タンク208、第1電磁弁209、エア配管210及び圧送圧力調整器211により、内管203に分注液を供給するための分注液供給手段が構成される。
図11に示すように、分注器201の外管202には、別のエア配管212が接続される。このエア配管212には、搬送流体としてのエアが供給される。エア配管212の途中には、第2電磁弁213と、エア圧力を調整するための圧力を調整するための圧力調整器214が設けられる。この状態で、第2電磁弁213が開弁することにより、搬送用エアが、外管202と内管203との間の隙間通路205に供給される。この実施の形態では、これらエア配管212、第2電磁弁213及び圧力調整器214により、外管202と内管203との間の隙間通路205に搬送流体としてのエアを供給するための搬送流体供給手段が構成される。
図11に示すように、第1電磁弁209及び第2電磁弁213は、それぞれコントローラ215に接続される。このコントローラ215は、分注器201に対する分注液及びエアの供給タイミングを制御するために、第1電磁弁209及び第2電磁弁213の開弁及び閉弁を制御するものである。この実施の形態で、コントローラ215は、内管203の吐出口203aから分注液が自重で滴下する以前に、外管202の吐出口202aから搬送用エアをパルス的に吐出させるために第2電磁弁213を制御するものであり、本発明の供給制御手段に相当する。
【0009】
図14に、コントローラ215が制御する第1電磁弁209及び第2電磁弁213の開閉のタイミングをタイムチャートに示す。この実施の形態では、図14(a)、(b)に示すように、第1電磁弁209の開弁から少し遅れて第2電磁弁213が開弁され、その後に所定時間が経過すると、両電磁弁209、213が同時に閉弁されるようになっている。
この従来例では、搬送用エアの圧力が「0.5MPaG」に設定される。第2電磁弁213の動作間隔は、「ON=10ms/OFF=490ms」に設定され、これによって「0.5秒」毎に「10ms」の空圧パルスを発生させるようになっている。この実施の形態で、分注液の圧送圧力は「0.01MPaG〜0.1MPaG」の範囲で可変となっている。内管203の内径は「φ50μm」に、外管202の外径は「φ100μm」に設定される。
【0010】
図15に細管221の下端開口221aから液滴222が落下する際の力学的関係を概念図に示す。液滴222の質量を「m」とすると、液滴222を下に引く力は重力「mg」である。一方、液滴222を上に引き上げる力は「2πrα」である。ここで、「α」は「表面張力」であり、「r」は開口221aの「外半径」である。従って、液滴222が落下するには、「mg>2πrα」の関係が成立するまで、液滴222が成長してその質量が増大する必要がある。
以上の従来例の分注装置によれば、第1電磁弁209が開弁されてタンク208から内管203に分注液が供給されると、内管203の吐出口203aへの分注液が導かれる。又、第2電磁弁213が開弁されて外管202に搬送用エアが供給されると、外管202の吐出口202aへの搬送用エアが導かれる。
ここで、内管203の吐出口203aから分注液が自重で滴下する以前に、コントローラ215による第2電磁弁213の制御により、外管202の吐出口202aから搬送用エアが吐出される。このとき、図16に示すように、分注液が、その外周に作用する搬送用エアにより、表面張力等に打ち勝って吹き落とされる。従って、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が基板204に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注を行うことができるようになる。
このように、従来例2の分注装置は、分注液が供給される内管203の吐出口203aの周囲表面に撥水性コーティング206が形成されるので、その吐出口203aから分注液の切れが促進され、滴下する分注液の容量が更に少なくなる。この意味で、分注される液滴の超微量化を促進することができ、分注の精密度を高めることができる。
【0011】
従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体貯留容器から吐出バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口からの液体の吐出流速が一定になるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにするものである(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
図17は液体定量吐出装置一実施の形態を示す要部断面図、図18は自動調圧装置の処理手順を示すフローチャート図、図19は液体定量吐出装置の別の実施形態を示す要部断面図である。
図17に示す従来例は、図20の液体温度制御手段を付加する対象となる装置であり、図17において、301は液体貯留、302は吐出バルブとしてのニードルバルブをそれぞれ示す。図20は液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の説明図であり、貯留容器内と吐出バルブ内とに液体の温度を測定する温度センサーと、温度センサーからの信号を入力し加熱冷却ユニットへ信号を出力する温度制御部と、温度制御部からの信号により所望の温度となる加熱冷却ユニットとを、例えば図17の装置に付加した装置であり、加熱冷却ユニットで液体貯留容器と吐出バルブとを覆った例である。
液体の温度は常に所望の温度となるよう制御されており、貯留容器内の液体温度と、吐出バルブ内の液体温度とが温度制御部により管理されている。貯留容器と吐出バルブとを連通する液送チューブの距離が長くなる場合や、吐出間隔が長く、液体の温度が変化し得るほどの時間を掛けて、液体が液送チューブ通過する場合は、液送チューブ内に温度センサーを配設し、さらに液送チューブの一部または全長に渡って加熱冷却ユニットで覆うことが望ましい。この場合、液送チューブの長さや吐出間隔に応じて、液送チューブ内に配設する温度センサーの数を決めることが望ましい。また、環境温度を所望の温度に制御可能な高温槽内に本装置すべてを収納しても同様な効果が得られる。
【0013】
図17に示すように、液体貯留容器は、たとえば合成樹脂材料製のシリンジ303と、このシリンジ303に外接してそれを保持するホルダ304とからなり、ホルダ304は、シリンジの着脱を可能ならしめる。
また、液体貯留容器301内の圧力を計測し、その計測結果を制御信号として出力すべく構成する。そして、かかる液体貯留容器301内の液体を所要の圧力に加圧する加圧手段305は、モータ306の出力軸に取付けたボールねじ307に螺合され、ボールねじ307の回転に伴って昇降変位する雌ねじ部材308に、ロッド309を介してプランジャ310を連結することによって構成してなり、ここでプランジャ310は、好ましくは、シリンジ303に液密に内接する。
またここで、液体貯留容器301に、液体流路312を介して接続したニードルバルブ302は、流路312に連通して吐出口313に至るアウトレットスペース314内で進退変位して、その吐出口313を開閉するニードル315と、このニードル315の進退作動をもたらす、ここでは複動型のシリンダ316とからなり、ニードル315をシリンダ316のピストン317に連結してなる。
さらに、ここでは、前記吐出口313の近傍部分、図に示すところでは、ニードルバルブ302への流路312の接続部に、その流路312内の液体の圧力を検出する圧力センサ318bを配設するとともに、この圧力センサ318bによる検出信号を入力する制御手段319を設ける。ここにおけるこの制御手段319は入出力部、演算部、記憶部を備え、圧力センサ318a、318bの検出結果に基づいて、吐出開始時の吐出圧の自動調整や、流路312内、特には吐出口近傍部分の液圧が吐出の停止時に、より好ましくは吐出時にもまた、予め定めた特定値となるように、モータ306の作動をコントロールする他、液体の吐出に当ってのモータ306の回転速度・回転時間等と共に、ニードルバルブ302の切換弁320の作動をもコントロールすべく機能する。
【0014】
以上のように構成してなる装置による液体の定量吐出に当っては、たとえば、圧力センサ318a、318bの検出圧力に基づき、制御手段319をもってモータ306を作動させて、シリンジ303内のプランジャ310を下降もしくは上昇させ、吐出開始時の吐出圧の自動調整を行い、さらには、これによって液体流路312内の液体圧力を、予め定めた特定値として、吐出開始時の流路条件を常に一定とするものとする。その後は、制御手段319から吐出開始信号および吐出圧力信号を出力して、モータ306の所定速度で定速回転させて、シリンジ303内の液体を所要の圧力に加圧するとともに、そのモータ306の作動とタイミングを合わせて、シリンダ316のピストン317、ひいては、ニードル315の後退変位をもたらして吐出口313を開放し、その吐出口313からの液体の吐出を開始する。ところで、この吐出が比較的長い時間にわたる場合には、その吐出中にもまた、圧力センサ318bによる圧力検出を行ない、その結果をモータ306の作動にフィードバックして回転速度等を修正することが、定量吐出精度を高める上で好ましい。そして、液体の所定量の吐出に見合った所定時間の経過時には、制御手段319から、モータ306および切換弁320のそれぞれに、吐出終了信号を出力してモータ306の回転停止と、ニードルバルブ302の閉止作業とを同時に行わせ、これによって一回の定量吐出が終了する。この場合、特にニードルバルブ302のニードル315は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、かつ迅速に進出作動して吐出口313を機械的に閉止するので、すぐれた液切れ性をもたらすとともに、吐出口313の完全閉止を実現して不測の液切れを十分に防止することができる。
【0015】
このように、従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体の粘度に依存されず、微量の液体を高速にかつ精密に所望の塗布形状に吐出または塗布する方法および装置を提供することができる。特に、高粘性液体を使用する場合や高速に塗布する場合であっても、線の始点部・終点部の線形状が極めて容易に制御でき、例えば均一な線形状の塗布は線の始点から終点に至るまで線の細り・太りがなく、均一にそろった線形状の形成ができる方法および装置を提供することができる。フィラーの破壊のおそれなしに、吐出の停止時に液切れ性を高め、また、液体の漏れ出しを十分に防止した液体吐出方法および装置を提供することができる。液体が一定の流速を得るまでに時間を要することなく、塗布線の描画を均一ならしめることが可能な液体の吐出または塗布方法および装置を提供することができる。
【特許文献1】特開2001−232245公報(第8頁、図1〜4)
【特許文献2】特許3734251公報(第10頁、図1〜6)
【特許文献3】特開2001−46936公報(第13頁、図1〜4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところが従来例においては、ノズルを介して液体試料を吸引できないため、液体試料を吸引して吐出するアプリケーションには適用できなかった。また、ノズル先端に形成される初期メニスカスの影響を考慮しておらず、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令していないため、吐出精度(CV値、正確度)が向上しないという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令し吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備えたものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
請求項3記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量との関係のものである。
請求項4記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量との関係のものである。
請求項5記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量との関係のものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1および2記載の発明によると、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、プランジャの駆動パラメータと吐出量を記憶し、分注用アクチュエータ制御部から分注用アクチュエータ駆動部への駆動指令を与えることにより、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度よく吐出できる。
請求項3記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸引量に対する吐出量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
請求項4記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと空気吸入量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
請求項5記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係る液体試料分注装置の構成を示す図である。
図において、1は液体試料分注装置、2は液体試料を吸引保持する分注用ノズル、3は液体試料を流すウレタンまたはフッ化樹脂等の材料からなるフレキシブルチューブ、4はシリンダとプランジャから構成されるシリンジ、5はシリンダ、6はシリンジ内にて液体試料を吐出・吸引するプランジャ、7は分注用アクチュエータ(例えばリニアモータ)、8は分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部、9は分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部、10は分注用アクチュエータ制御部にあるCPU、11は分注用アクチュエータ制御部にある、シリンジ4内におけるプランジャ6のストロークに対する吐出量と液体試料吸引後の吐出回数を記憶する吐出条件記憶部、12は液体試料を供給する液体試料容器、13は液体試料を吐出する反応容器、14は液体試料である。
分注用ノズル2は中空であり、先端に行くほど内径が小さくなるように成形されている。分注用ノズル2は液体試料14に対して垂直な姿勢に保持されており、液体試料容器12に内包された液体試料14を吸引し、反応容器13に液体試料14を吐出する。また、図示しないが、分注用ノズル2は洗浄水容器の洗浄水を吸引・吐出する。洗浄水の供給法や吸引・吐出法として、一般的な種々の方法を採用できる。
シリンダ5は、プランジャ6の移動に伴ってシリンジ4内の容積が変化する。シリンダ4はフレキシブルチューブ3を介して分注用ノズル2に接続されている。液体試料14を吸引しシリンジ4内の容積が増加するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面上方に移動し、液体試料14を吐出しシリンジ4内の容積が減少するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面下方に移動する。プランジャ6は分注用アクチュエータ7により駆動され、分注用アクチュエータ駆動部8によって制御される。
分注用アクチュエータ駆動部8は、分注用アクチュエータ制御部9に接続され、動作指令に基づいて分注用アクチュエータ7を駆動する。分注用アクチュエータ制御部9は、CPU10と吐出条件記憶部11からなり、所定の液体試料14を吐出するよう分注用アクチュエータ駆動部8に動作指令を指令している。CPU10は、予めオペレータにより入力されるか、或るいは、液体試料容器12等に表示された識別マークから読み取られた試料数と所望の分析項目に基づいて、所要の分注量及び分注順序に対応するように分注用アクチュエータ駆動部8に指令している。
また、吐出条件記憶部11は吐出時におけるストローク、圧力、ノズル径、吐出速度、液体試料吸入量、空気吸入量、および吐出量の関係を記憶している。
【0022】
つぎに、実施例1の動作について図2および図3を用いて説明する。
図2はアクチュエータ制御部のフローを示す図、図3はノズルの吸引状態を示す図である。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量を確認しておく。内部圧力が気泡などで低下していない正常状態のとき、流体の質量保存則(流入する質量流量(密度×流速×断面積)と流出する流量(密度×流速×断面積)は等しい。)が成立し、ノズル先端における流速が液切れ速度以上になれば液だまりが生じることがなく吐出できる。
そこで、内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、空気吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量の関係を確認し、図4に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水を吸引する(F1)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動されると、ノズル2から図示しない洗浄水容器の洗浄水15を吸引する。または、図示しない弁と図示しない別のフレキシブルチューブを介して図示しないポンプからフレキシブルチューブとノズル2に洗浄水を供給してもよい。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、ノズル2からシリンジ4内に一定量の空気を吸引する。
(4) 液体試料を吸引する(F3)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶したプランジャの動作パターン、液体試料吸入量に基づき、ノズル2から液体試料容器12の液体試料14を吸引する。
(5) 液体試料を吐出する(F4)。
吐出動作パターンを基にしたアクチュエータ7への推力指令により、アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6から吐出駆動され、ノズル2から反応容器13へ液体試料14を吐出する。具体的には、シリンジの断面積×プランジャのストローク=液体試料吸入量+空気吸入量の一部となるようにプランジャをアクチュエータにより駆動し、吸入した全ての液体試料を吐出する。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
【0023】
このように、本実施例では吐出量に対する液体試料吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
また、オペレータがノズル2の下に液体試料容器12、反応容器13を準備することを想定しているが、制御部9がアクチュエータ7と同期してノズル2もしくは図示しない液体試料容器12、反応容器13を搭載したテーブル等を制御し、自動的に液体試料を吸引・吐出してもよい。
本発明が特許文献1、特許文献2、特許文献3と異なる部分は、吐出時における液体試料吸入量と、空気吸入量と、吐出量との関係を考慮して、分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とし吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することである。
【実施例2】
【0024】
実施例2の構成自体は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、試薬吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量の関係を確認し、図5に示す表のようにまとめておく。
つぎに、本実施例の動作について説明する。
(1) 先ず、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5)液体試料の吐出(F4)は、実施例1に同じである。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
このように、実施例2では吐出量に対する空気吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【実施例3】
【0025】
実施例3の構成自体は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定した場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量の関係を確認し、図6に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5) 液体試料の吐出(F4)は、実施例1に同じである。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
このように、実施例3では吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を全て吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明の液体試料分注装置によれば、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と吐出量との関係に基づいて、分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令し吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出することができる。
このように、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できるので、吸引・吐出が必要なバイオ関連および医療関連の装置等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施例の液体試料分注装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における制御部の動作を示すフロー図である。
【図3】図1のノズルの吸引状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図5】本発明の第2の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図6】本発明の第3の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図7】従来例1の液体吐出ヘッド及び液体吸引・供給接続配管経路を示した概略図である。
【図8】従来例1の液体吐出ヘッドの流路部材の斜視図である。
【図9】従来例1の液体吐出ヘッドの斜視図である。
【図10】従来例1の液体吐出ヘッドの吐出口を示す図である。
【図11】従来例2の分注装置を示す概略構成図である。
【図12】従来例2の分注器の下端部を示す拡大断面図である。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【図14】従来例2の第1及び第2の電磁弁の開閉タイミングを示すタイムチャートである。
【図15】従来例2の細管から液滴が落下する際の力学的関係を示す概念図である。
【図16】従来例2の分注器から分注液が吹き落とされる作用を示す説明図である。
【図17】従来例3の吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい液体定量吐出装置の態様を示す要部断面図である。
【図18】従来例3の自動調圧装置の処理手順を示すフローチャート図である。
【図19】従来例3の吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい液体定量吐出装置のさらに別の態様を示す要部断面図である。
【図20】従来例3の液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の態様を説明する図面である。
【符号の説明】
【0028】
1 液体試料分注装置
2 分注用ノズル
3 フレキシブルチューブ
4 シリンジ
5 シリンダ
6 プランジャ
7 分注用アクチュエータ
8 分注用アクチュエータ駆動部
9 分注用アクチュエータ制御部
10 CPU
11 吐出条件記憶部
12 液体試料容器
13 反応容器
14 液体試料
15 洗浄水
16 空気
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、必要量の液体試料を反応容器に精度良く分注する液体試料分注装置および駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例1の液体吐出ヘッドは、液体物理定数の異なる多種類の液体を微小量吐出する液体吐出ヘッドにおいて、微小単位を液体に作用させる複数の微小変位発生部材と、微小変位発生部材が設置され、液体が充填される流路部材と、流路部材の流路断面形状と略等しい断面積を有する吐出口とを具備しており、板形状圧電素子の共振駆動により、液体を吐出口より噴霧吐出し、多量の液体を短時間で高速に吐出でき、試薬等の患部への投与等に適用できる液体吐出ヘッドを実現でき、また、洗浄性の高い液体吐出ヘッドを提供することができるものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は従来例1の液体吐出ヘッド及び液体吸引・供給接続配管経路を示した概略図、図8は液体吐出ヘッドの流路部材の斜視図、図9は液体吐出ヘッドの斜視図、図10は液体吐出ヘッドの吐出口、そして液体吐出ヘッドの断面図である。
【0004】
図7において、液体吐出ヘッド120は、図示しない可動搬送部材に支持されており、液体サンプル容器121、洗浄槽122、並びに反応容器123の各上方に移動配置される。この液体吐出ヘッド120はテフロン(登録商標)製の接続配管124により、シリンジピストンポンプ125に接続されている。シリンジピストンポンプ125には前記接続配管124以外に液体供給タンク126に至る別の接続配管127が接続されており、電磁弁128、ポンプ129を介して液体供給タンク126に順次接続されている。
前述のシリンジポンプ125とは液体の吸引時に稼動し、ピストン130は図示しないステッピングモータ・ギヤラックオピニオン等の直線往復アクチュエータにより矢印131の方向に往復運動する。また、液体吐出ヘッド120とシリンジピストンポンプ125は水頭値差を防止するため、図面では多少上下しているように示されているが、実際には概略同一高低位置に設置されている。
前記液体供給タンク126内には、洗浄水132となる水又は脱気されたイオン交換水が入っており、ポンプ129により、各接続配管124、127、電磁弁128、シリンジピストンポンプ125、並びに液体吐出ヘッド120内に洗浄水132が充填供給されている。
ここで、流路部材としてガラス製の流路幅50μm×500μm長さ5mmの矩形断面の矩形微細管133を用い、微小変位発生部材として板形状圧電素子134を用いている。
【0005】
次に、矩形微細管133断面の長辺外側面に2つの板形状圧電素子134を設置したときに電極となる導電材料電極135が板形状圧電素子134の設置面積より大きな面積にスクリーン印刷により形成されている。そして、図11に示されるように、板形状圧電素子134は肉圧方向(矢印136)に分極され、板厚の両面に銀電極137、138が形成され、一方の銀電極137が全面導通するように前述の導電材料電極135内に接合される。
このように、板形状圧電素子134が形成された矩形微細管133の一方の端面を吐出口139とし、もう一方の端面は継手140を介してテフロン製配管124に接続される。
なお、ガラス製の矩形微細管133の吐出口139の端面にはフッ素系材料による薄膜の撥水処理層が形成されている。
さらに板形状圧電素子134は、圧電定数が大きく、変位量が大きいソフト系圧電材料(例えば(株)富士セラミックス製C−6材料、C−82材料等)で構成され、表面の銀電極137は導電材料電極135に接合される側をマイナス電極(GND電極)・外面銀電極138をプラス電極として使用する。各電極には図示しない駆動回路からリード線141により、所定電圧値及び所定波形の電圧が印加される。
このように、従来例1の液体吐出ヘッドは、板形状圧電素子134の共振により、液体を吐出口より噴霧吐出し、多量の液体を短時間で高速に吐出でき、試薬等の患部への投与等に適用できる。
【0006】
従来例2の分注装置は、先端に吐出口を有する一つの外管と、その外管に内包され、その外管の吐出口の近傍に位置する吐出口を有する第1内管と、第1内管に内包され、その第1内管の吐出口の近傍に位置する吐出口を有する第2内管と、外管と第1内管と第2内管の何れか1つに分注液を供給するための分注液供給手段と、分注液が供給されない管に搬送流体を供給するための搬送流体供給手段と、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体を吐出させるために搬送流体供給手段とを備え、分注液供給手段により外管又は分注液が供給されることにより、その管の吐出口へ分注液が導かれる。又、分注液が供給されない管に、搬送流体が供給されることにより、その管の吐出口へ搬送流体が導かれる。ここで、分注液が供給される管の吐出口から分注液が自重で滴下する以前に、供給制御手段による搬送流体手段の制御により、分注液が供給されない管の吐出口から搬送流体が吐出されることにより、その搬送流体が滴下前の分注液に作用し、その表面張力に打ち勝って分注液が液滴として落とされる。従って、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の液滴が分注されるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
図11に、従来例2の分注装置の概略構成図を示す。この分注装置は、ピペット状の分注器201を備える。この分注器201は、外管202と、その外管202に内包される内管203とを含む二重管構造をなす。分注器201の下方には、分注相手であるバイオチップ等の基板204が配置される。
【0008】
図12に、分注器201の下端部を拡大断面図に示す。図13に図12のA−A線断面図を示す。外管202は、その先端である下端に吐出口202aを有する。内管203は、外管202の吐出口202aの近傍に位置する吐出口203aを含む。外管202と内管203との間には、隙間通路205が形成される。図13に示すように、内管203の吐出口203aの周囲の形状は、単に管材をその軸線に垂直に切断しただけの端面形状を有する。この吐出口203aの周囲の形状は、単に管材をその軸線に垂直に切断しただけの端面形状を有する。この吐出口203aの周囲表面には、図13に破線で示すように、シリコーン・コーティング剤等を使用しての撥水性処理を施すことにより、撥水性コーティング206が形成される。
図11に示すように、分注器201の内管に203には、液配管207が接続される。この液配管207の上流端は、分注液を貯留するタンク208に接続されて分注液の中に配置される。液配管207の途中には、第1電磁弁209が設けられる。タンク208の上部には、液圧送用エアを供給するためのエア配管210が接続される。このエア配管210の途中には、液圧送用エアの圧力を調整するための圧送圧力調整器211が設けられる。そして、タンク208には、圧送圧力調整器211により圧力調整されたエアが常時供給される。この状態で、第1電磁弁209が開弁することにより、タンク208に貯留された分注液が、内管203に供給される。この従来例では、これら液配管207、タンク208、第1電磁弁209、エア配管210及び圧送圧力調整器211により、内管203に分注液を供給するための分注液供給手段が構成される。
図11に示すように、分注器201の外管202には、別のエア配管212が接続される。このエア配管212には、搬送流体としてのエアが供給される。エア配管212の途中には、第2電磁弁213と、エア圧力を調整するための圧力を調整するための圧力調整器214が設けられる。この状態で、第2電磁弁213が開弁することにより、搬送用エアが、外管202と内管203との間の隙間通路205に供給される。この実施の形態では、これらエア配管212、第2電磁弁213及び圧力調整器214により、外管202と内管203との間の隙間通路205に搬送流体としてのエアを供給するための搬送流体供給手段が構成される。
図11に示すように、第1電磁弁209及び第2電磁弁213は、それぞれコントローラ215に接続される。このコントローラ215は、分注器201に対する分注液及びエアの供給タイミングを制御するために、第1電磁弁209及び第2電磁弁213の開弁及び閉弁を制御するものである。この実施の形態で、コントローラ215は、内管203の吐出口203aから分注液が自重で滴下する以前に、外管202の吐出口202aから搬送用エアをパルス的に吐出させるために第2電磁弁213を制御するものであり、本発明の供給制御手段に相当する。
【0009】
図14に、コントローラ215が制御する第1電磁弁209及び第2電磁弁213の開閉のタイミングをタイムチャートに示す。この実施の形態では、図14(a)、(b)に示すように、第1電磁弁209の開弁から少し遅れて第2電磁弁213が開弁され、その後に所定時間が経過すると、両電磁弁209、213が同時に閉弁されるようになっている。
この従来例では、搬送用エアの圧力が「0.5MPaG」に設定される。第2電磁弁213の動作間隔は、「ON=10ms/OFF=490ms」に設定され、これによって「0.5秒」毎に「10ms」の空圧パルスを発生させるようになっている。この実施の形態で、分注液の圧送圧力は「0.01MPaG〜0.1MPaG」の範囲で可変となっている。内管203の内径は「φ50μm」に、外管202の外径は「φ100μm」に設定される。
【0010】
図15に細管221の下端開口221aから液滴222が落下する際の力学的関係を概念図に示す。液滴222の質量を「m」とすると、液滴222を下に引く力は重力「mg」である。一方、液滴222を上に引き上げる力は「2πrα」である。ここで、「α」は「表面張力」であり、「r」は開口221aの「外半径」である。従って、液滴222が落下するには、「mg>2πrα」の関係が成立するまで、液滴222が成長してその質量が増大する必要がある。
以上の従来例の分注装置によれば、第1電磁弁209が開弁されてタンク208から内管203に分注液が供給されると、内管203の吐出口203aへの分注液が導かれる。又、第2電磁弁213が開弁されて外管202に搬送用エアが供給されると、外管202の吐出口202aへの搬送用エアが導かれる。
ここで、内管203の吐出口203aから分注液が自重で滴下する以前に、コントローラ215による第2電磁弁213の制御により、外管202の吐出口202aから搬送用エアが吐出される。このとき、図16に示すように、分注液が、その外周に作用する搬送用エアにより、表面張力等に打ち勝って吹き落とされる。従って、自重で滴下するときの容量より少ない超微量の分注液が基板204に分注される。このため、「nl」レベルの超微量な分注を行うことができるようになる。
このように、従来例2の分注装置は、分注液が供給される内管203の吐出口203aの周囲表面に撥水性コーティング206が形成されるので、その吐出口203aから分注液の切れが促進され、滴下する分注液の容量が更に少なくなる。この意味で、分注される液滴の超微量化を促進することができ、分注の精密度を高めることができる。
【0011】
従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体貯留容器から吐出バルブを経て定量吐出するに当り、吐出口からの液体の吐出流速が一定になるように、吐出を開始する前に予め液体に圧力を加えておくことおよび/または吐出の終了後における吐出口近傍部分の圧力が予め定めた特定値となるようにするものである(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
図17は液体定量吐出装置一実施の形態を示す要部断面図、図18は自動調圧装置の処理手順を示すフローチャート図、図19は液体定量吐出装置の別の実施形態を示す要部断面図である。
図17に示す従来例は、図20の液体温度制御手段を付加する対象となる装置であり、図17において、301は液体貯留、302は吐出バルブとしてのニードルバルブをそれぞれ示す。図20は液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の説明図であり、貯留容器内と吐出バルブ内とに液体の温度を測定する温度センサーと、温度センサーからの信号を入力し加熱冷却ユニットへ信号を出力する温度制御部と、温度制御部からの信号により所望の温度となる加熱冷却ユニットとを、例えば図17の装置に付加した装置であり、加熱冷却ユニットで液体貯留容器と吐出バルブとを覆った例である。
液体の温度は常に所望の温度となるよう制御されており、貯留容器内の液体温度と、吐出バルブ内の液体温度とが温度制御部により管理されている。貯留容器と吐出バルブとを連通する液送チューブの距離が長くなる場合や、吐出間隔が長く、液体の温度が変化し得るほどの時間を掛けて、液体が液送チューブ通過する場合は、液送チューブ内に温度センサーを配設し、さらに液送チューブの一部または全長に渡って加熱冷却ユニットで覆うことが望ましい。この場合、液送チューブの長さや吐出間隔に応じて、液送チューブ内に配設する温度センサーの数を決めることが望ましい。また、環境温度を所望の温度に制御可能な高温槽内に本装置すべてを収納しても同様な効果が得られる。
【0013】
図17に示すように、液体貯留容器は、たとえば合成樹脂材料製のシリンジ303と、このシリンジ303に外接してそれを保持するホルダ304とからなり、ホルダ304は、シリンジの着脱を可能ならしめる。
また、液体貯留容器301内の圧力を計測し、その計測結果を制御信号として出力すべく構成する。そして、かかる液体貯留容器301内の液体を所要の圧力に加圧する加圧手段305は、モータ306の出力軸に取付けたボールねじ307に螺合され、ボールねじ307の回転に伴って昇降変位する雌ねじ部材308に、ロッド309を介してプランジャ310を連結することによって構成してなり、ここでプランジャ310は、好ましくは、シリンジ303に液密に内接する。
またここで、液体貯留容器301に、液体流路312を介して接続したニードルバルブ302は、流路312に連通して吐出口313に至るアウトレットスペース314内で進退変位して、その吐出口313を開閉するニードル315と、このニードル315の進退作動をもたらす、ここでは複動型のシリンダ316とからなり、ニードル315をシリンダ316のピストン317に連結してなる。
さらに、ここでは、前記吐出口313の近傍部分、図に示すところでは、ニードルバルブ302への流路312の接続部に、その流路312内の液体の圧力を検出する圧力センサ318bを配設するとともに、この圧力センサ318bによる検出信号を入力する制御手段319を設ける。ここにおけるこの制御手段319は入出力部、演算部、記憶部を備え、圧力センサ318a、318bの検出結果に基づいて、吐出開始時の吐出圧の自動調整や、流路312内、特には吐出口近傍部分の液圧が吐出の停止時に、より好ましくは吐出時にもまた、予め定めた特定値となるように、モータ306の作動をコントロールする他、液体の吐出に当ってのモータ306の回転速度・回転時間等と共に、ニードルバルブ302の切換弁320の作動をもコントロールすべく機能する。
【0014】
以上のように構成してなる装置による液体の定量吐出に当っては、たとえば、圧力センサ318a、318bの検出圧力に基づき、制御手段319をもってモータ306を作動させて、シリンジ303内のプランジャ310を下降もしくは上昇させ、吐出開始時の吐出圧の自動調整を行い、さらには、これによって液体流路312内の液体圧力を、予め定めた特定値として、吐出開始時の流路条件を常に一定とするものとする。その後は、制御手段319から吐出開始信号および吐出圧力信号を出力して、モータ306の所定速度で定速回転させて、シリンジ303内の液体を所要の圧力に加圧するとともに、そのモータ306の作動とタイミングを合わせて、シリンダ316のピストン317、ひいては、ニードル315の後退変位をもたらして吐出口313を開放し、その吐出口313からの液体の吐出を開始する。ところで、この吐出が比較的長い時間にわたる場合には、その吐出中にもまた、圧力センサ318bによる圧力検出を行ない、その結果をモータ306の作動にフィードバックして回転速度等を修正することが、定量吐出精度を高める上で好ましい。そして、液体の所定量の吐出に見合った所定時間の経過時には、制御手段319から、モータ306および切換弁320のそれぞれに、吐出終了信号を出力してモータ306の回転停止と、ニードルバルブ302の閉止作業とを同時に行わせ、これによって一回の定量吐出が終了する。この場合、特にニードルバルブ302のニードル315は、液体圧力の大小にかかわらず、常に円滑に、かつ迅速に進出作動して吐出口313を機械的に閉止するので、すぐれた液切れ性をもたらすとともに、吐出口313の完全閉止を実現して不測の液切れを十分に防止することができる。
【0015】
このように、従来例3の高速にかつ精密に制御する液体の吐出方法および装置は、液体の粘度に依存されず、微量の液体を高速にかつ精密に所望の塗布形状に吐出または塗布する方法および装置を提供することができる。特に、高粘性液体を使用する場合や高速に塗布する場合であっても、線の始点部・終点部の線形状が極めて容易に制御でき、例えば均一な線形状の塗布は線の始点から終点に至るまで線の細り・太りがなく、均一にそろった線形状の形成ができる方法および装置を提供することができる。フィラーの破壊のおそれなしに、吐出の停止時に液切れ性を高め、また、液体の漏れ出しを十分に防止した液体吐出方法および装置を提供することができる。液体が一定の流速を得るまでに時間を要することなく、塗布線の描画を均一ならしめることが可能な液体の吐出または塗布方法および装置を提供することができる。
【特許文献1】特開2001−232245公報(第8頁、図1〜4)
【特許文献2】特許3734251公報(第10頁、図1〜6)
【特許文献3】特開2001−46936公報(第13頁、図1〜4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところが従来例においては、ノズルを介して液体試料を吸引できないため、液体試料を吸引して吐出するアプリケーションには適用できなかった。また、ノズル先端に形成される初期メニスカスの影響を考慮しておらず、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令していないため、吐出精度(CV値、正確度)が向上しないという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令し吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備えたものである。
【0018】
請求項2記載の発明は、液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令するものである。
請求項3記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量との関係のものである。
請求項4記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量との関係のものである。
請求項5記載の発明は、前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量との関係のものである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1および2記載の発明によると、前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、プランジャの駆動パラメータと吐出量を記憶し、分注用アクチュエータ制御部から分注用アクチュエータ駆動部への駆動指令を与えることにより、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度よく吐出できる。
請求項3記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸引量に対する吐出量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
請求項4記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと空気吸入量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
請求項5記載の発明によると、前記吐出条件記憶部に液体試料吸入量、空気吸入量に対する吐出量を記憶し、前記分注用アクチュエータ制御部が、前記分注用アクチュエータの吐出動作パターンを基にした動作指令に予め記憶された前記プランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量を前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とすることができるため、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係る液体試料分注装置の構成を示す図である。
図において、1は液体試料分注装置、2は液体試料を吸引保持する分注用ノズル、3は液体試料を流すウレタンまたはフッ化樹脂等の材料からなるフレキシブルチューブ、4はシリンダとプランジャから構成されるシリンジ、5はシリンダ、6はシリンジ内にて液体試料を吐出・吸引するプランジャ、7は分注用アクチュエータ(例えばリニアモータ)、8は分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部、9は分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部、10は分注用アクチュエータ制御部にあるCPU、11は分注用アクチュエータ制御部にある、シリンジ4内におけるプランジャ6のストロークに対する吐出量と液体試料吸引後の吐出回数を記憶する吐出条件記憶部、12は液体試料を供給する液体試料容器、13は液体試料を吐出する反応容器、14は液体試料である。
分注用ノズル2は中空であり、先端に行くほど内径が小さくなるように成形されている。分注用ノズル2は液体試料14に対して垂直な姿勢に保持されており、液体試料容器12に内包された液体試料14を吸引し、反応容器13に液体試料14を吐出する。また、図示しないが、分注用ノズル2は洗浄水容器の洗浄水を吸引・吐出する。洗浄水の供給法や吸引・吐出法として、一般的な種々の方法を採用できる。
シリンダ5は、プランジャ6の移動に伴ってシリンジ4内の容積が変化する。シリンダ4はフレキシブルチューブ3を介して分注用ノズル2に接続されている。液体試料14を吸引しシリンジ4内の容積が増加するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面上方に移動し、液体試料14を吐出しシリンジ4内の容積が減少するようにプランジャ6はシリンジ4の紙面下方に移動する。プランジャ6は分注用アクチュエータ7により駆動され、分注用アクチュエータ駆動部8によって制御される。
分注用アクチュエータ駆動部8は、分注用アクチュエータ制御部9に接続され、動作指令に基づいて分注用アクチュエータ7を駆動する。分注用アクチュエータ制御部9は、CPU10と吐出条件記憶部11からなり、所定の液体試料14を吐出するよう分注用アクチュエータ駆動部8に動作指令を指令している。CPU10は、予めオペレータにより入力されるか、或るいは、液体試料容器12等に表示された識別マークから読み取られた試料数と所望の分析項目に基づいて、所要の分注量及び分注順序に対応するように分注用アクチュエータ駆動部8に指令している。
また、吐出条件記憶部11は吐出時におけるストローク、圧力、ノズル径、吐出速度、液体試料吸入量、空気吸入量、および吐出量の関係を記憶している。
【0022】
つぎに、実施例1の動作について図2および図3を用いて説明する。
図2はアクチュエータ制御部のフローを示す図、図3はノズルの吸引状態を示す図である。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量を確認しておく。内部圧力が気泡などで低下していない正常状態のとき、流体の質量保存則(流入する質量流量(密度×流速×断面積)と流出する流量(密度×流速×断面積)は等しい。)が成立し、ノズル先端における流速が液切れ速度以上になれば液だまりが生じることがなく吐出できる。
そこで、内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、空気吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量の関係を確認し、図4に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水を吸引する(F1)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動されると、ノズル2から図示しない洗浄水容器の洗浄水15を吸引する。または、図示しない弁と図示しない別のフレキシブルチューブを介して図示しないポンプからフレキシブルチューブとノズル2に洗浄水を供給してもよい。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、ノズル2からシリンジ4内に一定量の空気を吸引する。
(4) 液体試料を吸引する(F3)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶したプランジャの動作パターン、液体試料吸入量に基づき、ノズル2から液体試料容器12の液体試料14を吸引する。
(5) 液体試料を吐出する(F4)。
吐出動作パターンを基にしたアクチュエータ7への推力指令により、アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6から吐出駆動され、ノズル2から反応容器13へ液体試料14を吐出する。具体的には、シリンジの断面積×プランジャのストローク=液体試料吸入量+空気吸入量の一部となるようにプランジャをアクチュエータにより駆動し、吸入した全ての液体試料を吐出する。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
【0023】
このように、本実施例では吐出量に対する液体試料吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
また、オペレータがノズル2の下に液体試料容器12、反応容器13を準備することを想定しているが、制御部9がアクチュエータ7と同期してノズル2もしくは図示しない液体試料容器12、反応容器13を搭載したテーブル等を制御し、自動的に液体試料を吸引・吐出してもよい。
本発明が特許文献1、特許文献2、特許文献3と異なる部分は、吐出時における液体試料吸入量と、空気吸入量と、吐出量との関係を考慮して、分注用アクチュエータ駆動部への動作指令とし吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出する液体試料分注装置を提供することである。
【実施例2】
【0024】
実施例2の構成自体は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定し、試薬吸入量を一定値とした場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量の関係を確認し、図5に示す表のようにまとめておく。
つぎに、本実施例の動作について説明する。
(1) 先ず、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5)液体試料の吐出(F4)は、実施例1に同じである。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
このように、実施例2では吐出量に対する空気吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【実施例3】
【0025】
実施例3の構成自体は、実施例1と同様なので説明は省略する。
以下に示す手順により、予め実験により吐出精度の良い、吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を確認しておく。内部圧力を正常状態に保ち、例えばプランジャの動作パターン(台形パターン)である最高速度、加速度、減速度を固定した場合、シリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量の関係を確認し、図6に示す表のようにまとめておく。
(1) 先ず、液体試料吸入量、空気吸入量を記憶する(F0)。
予め計測した吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を吐出量記憶部に記憶する。
(2) 洗浄水の吸引(F1)は実施例1に同じである。
(3) 空気を吸引する(F2)。
アクチュエータ7によりシリンジ4内のプランジャ6が吸引駆動され、予め記憶した空気吸入量に基づき、ノズル2からシリンジ4内に空気を吸引する。
(4) 液体試料の吸引(F3)、(5) 液体試料の吐出(F4)は、実施例1に同じである。
(6) 吐出ごとに(2)〜(5)を繰り返す。
このように、実施例3では吐出量に対する液体試料吸入量、空気吸入量を予め記憶し吸入した液体試料を全て吐出するため、CV値と正確度ともに精度良く吐出できる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のように、本発明の液体試料分注装置によれば、液体試料吐出時におけるプランジャのストロークと液体試料吸入量と空気吸入量と吐出量との関係に基づいて、分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令し吸入した液体試料を全て吐出することで、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出することができる。
このように、ノズル先端における液体試料の粘度による表面張力の違いや液体試料吸引後の初期メニスカスの違いによらず液体試料を精度良く吐出できるので、吸引・吐出が必要なバイオ関連および医療関連の装置等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施例の液体試料分注装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における制御部の動作を示すフロー図である。
【図3】図1のノズルの吸引状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図5】本発明の第2の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、空気吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図6】本発明の第3の実施例のシリンジ内におけるプランジャのストローク、液体試料吸入量、空気吸入量、吐出量の関係を示す表である。
【図7】従来例1の液体吐出ヘッド及び液体吸引・供給接続配管経路を示した概略図である。
【図8】従来例1の液体吐出ヘッドの流路部材の斜視図である。
【図9】従来例1の液体吐出ヘッドの斜視図である。
【図10】従来例1の液体吐出ヘッドの吐出口を示す図である。
【図11】従来例2の分注装置を示す概略構成図である。
【図12】従来例2の分注器の下端部を示す拡大断面図である。
【図13】図12のA−A線断面図である。
【図14】従来例2の第1及び第2の電磁弁の開閉タイミングを示すタイムチャートである。
【図15】従来例2の細管から液滴が落下する際の力学的関係を示す概念図である。
【図16】従来例2の分注器から分注液が吹き落とされる作用を示す説明図である。
【図17】従来例3の吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい液体定量吐出装置の態様を示す要部断面図である。
【図18】従来例3の自動調圧装置の処理手順を示すフローチャート図である。
【図19】従来例3の吐出圧制御手段を付加する対象となる好ましい液体定量吐出装置のさらに別の態様を示す要部断面図である。
【図20】従来例3の液体温度制御手段を備えた液体定量吐出装置の態様を説明する図面である。
【符号の説明】
【0028】
1 液体試料分注装置
2 分注用ノズル
3 フレキシブルチューブ
4 シリンジ
5 シリンダ
6 プランジャ
7 分注用アクチュエータ
8 分注用アクチュエータ駆動部
9 分注用アクチュエータ制御部
10 CPU
11 吐出条件記憶部
12 液体試料容器
13 反応容器
14 液体試料
15 洗浄水
16 空気
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、前記分注用ノズルと前記シリンジとを繋いで液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、
前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、前記吐出条件記憶部に、前記分注用アクチュエータに連結されたシリンジ内にあるプランジャのストロークに対する吐出量を記憶させたことを特徴とする液体試料分注装置。
【請求項2】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、
前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項3】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項4】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項5】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項1】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、前記分注用ノズルと前記シリンジとを繋いで液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置において、
前記分注用アクチュエータ制御部に吐出条件記憶部を備え、前記吐出条件記憶部に、前記分注用アクチュエータに連結されたシリンジ内にあるプランジャのストロークに対する吐出量を記憶させたことを特徴とする液体試料分注装置。
【請求項2】
液体試料を吸引保持する分注用ノズルと、液体試料の吸引・吐出圧力を発生させるシリンダとプランジャより構成されるシリンジと、液体試料を流すフレキシブルチューブと、前記液体試料の吸引・吐出を前記シリンジと前記フレキシブルチューブを介して前記分注用ノズルから実施させる分注用アクチュエータと、前記分注用アクチュエータを駆動する分注用アクチュエータ駆動部と、前記分注用アクチュエータ駆動部を制御する分注用アクチュエータ制御部を備え、前記分注用ノズルによって保持された前記液体試料を複数の反応容器に所定量ずつ分注する液体試料分注装置の駆動方法において、
前記分注用アクチュエータ制御部は、吐出条件記憶部に記憶した前記プランジャの駆動パラメータと前記吐出量との関係に基づいて前記分注用アクチュエータ駆動部への動作指令を指令することを特徴とする液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項3】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項4】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記空気吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【請求項5】
前記吐出条件記憶部に記憶する前記吐出パラメータが前記プランジャのストロークと前記液体試料吸入量と前記空気吸入量と前記吐出量との関係であることを特徴とする請求項2記載の液体試料分注装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−162536(P2009−162536A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340020(P2007−340020)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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