説明

液晶光配向剤用エポキシ化合物、液晶光配向剤、及び液晶光配向膜

【課題】本発明は、簡単な工程で製造され、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている光配向剤を提供することができる、液晶光配向剤用エポキシ化合物を提供することである。
【解決手段】本発明による液晶光配向剤用エポキシ化合物は、下記の化学式1で示される化合物である。


前記化学式1で、各置換基は、明細書に定義された通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶光配向剤用エポキシ化合物、液晶光配向剤、及び液晶光配向膜に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(liquid−crystal−displayay:LCD)は、液晶光配向膜(liquid crystal photo−alignment film)を使用する。液晶光配向膜には、主に高分子物質を使用する。液晶光配向膜は、液晶分子の配向に方向子(director)の役割を果たし、電場によって液晶が移動して画像を形成する時に、適当な方向を決定する。一般に、液晶表示装置において、均一な輝度及び高い明暗比を実現するためには、液晶を均一に配向することが必要である。
【0003】
従来は、液晶を配向する方法として、ガラスなどの基板にポリイミドなどの高分子膜を塗布し、この表面をナイロンやポリエステルなどの繊維で一定の方向に擦るラビング法が利用されてきた。しかし、ラビング方法は、繊維質及び高分子膜の摩擦時に微細な埃や静電気(electrostatic discharge:ESD)が発生し、液晶パネルの製造時に深刻な問題点となっていた。
【0004】
ラビング法の問題点を解決するために、最近は、摩擦でなく光照射によって高分子膜に異方性(非等方性、anisotropy)を誘導し、これによって液晶分子を配向させるという光配向法が研究されている。
【0005】
光配向法に使用される材料として、アゾベンゼン、クマリン(cumarin)、カルコン(chalcone)、桂皮酸エステル(cinnamate)などの光反応性基を含むジアミンに関する研究が行われている。このような光反応性基を含むジアミンを製造するためには、安定性の優れたジニトロ系化合物を使用しなければならない。しかしながら、ジニトロ系化合物を使用してジアミンを製造する工程で、偏光された光照射によって光架橋化反応が起こる二重結合が破壊される恐れがある。そのため、ジニトロ系化合物を光配向剤に適用するのは困難であるといった問題点がある。また、光反応性基を有する高分子を製造する工程は、とても複雑で、経済的でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的のひとつは、簡単な工程で製造され、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている光配向剤を提供することができる、液晶光配向剤用エポキシ化合物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記エポキシ化合物を含み、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている液晶光配向剤を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、前記液晶光配向剤を利用して、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている液晶光配向膜を提供することである。
【0009】
本発明が目的とする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されないまた他の技術的課題も、下記の記載から当業者に明確に理解されうる。
【課題を解決するための手段】
【0010】

本発明の一実施態様によれば、下記の化学式1で示される液晶光配向剤用エポキシ化合物が提供される。
【0011】
【化1】

【0012】
前記化学式1で、R及びRは互いに独立して水素原子;あるいは置換または非置換のアルキル基であり、R、R、及びRは互いに独立して水素原子;ハロゲン原子;あるいは置換または非置換のアルキル基であり、nは1〜20である。
【0013】
本発明の異なる実施態様によれば、前記化学式1で示されるエポキシ化合物;及びポリアミック酸、ポリイミド、またはこれらの混合物からなるポリマー;を含む液晶光配向剤が提供される。
【0014】
本発明のさらに他の一実施態様によれば、前記液晶光配向剤を基板に塗布して製造された液晶光配向膜が提供される。
【0015】
その他の本発明の実施態様の具体的な事項は、下記の詳細な説明に含まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な工程で製造され、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている光配向剤を提供することができる、液晶光配向剤用エポキシ化合物を提供しうる。
【0017】
また、本発明によれば、輝度などの特性が優れている光配向剤を提供することができる、液晶光配向剤用エポキシ化合物を提供しうる。
【0018】
また、本発明によれば、前記エポキシ化合物を含み、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている液晶光配向剤を提供しうる。
【0019】
さらに、本発明によれば、前記液晶光配向剤を利用して、電気的特性及び光学的特性などの特性が優れている液晶光配向膜を提供しうる。
【0020】
さらに、本発明の液晶光配向剤は、基板に対する印刷性(Substrate printeing performance)が優れ、信頼性及び電気光学特性が優れている液晶光配向膜を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の製造例1で製造されたエポキシ化合物のH−NMRによる測定結果を示したグラフである。
【図2】本発明の製造例1で製造されたエポキシ化合物のHPLCによる測定結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施態様をより詳細に説明する。しかし、これは例示として提示されるものであって、本発明はこれによって制限されず、本発明は請求の範囲の範疇によって定義される。本明細書において、特別に言及しない限り、「アルキル基」とは炭素数C1−C30のアルキル基を意味し、「シクロアルキル基」とは炭素数C3−C30のシクロアルキル基を意味し、「ヘテロシクロアルキル基」とは、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含む炭素数C2−C30のヘテロシクロアルキル基を意味し、「アルキレン基」とは炭素数C1−C6のアルキレン基を意味し、「アルケニレン基」とは、鎖中に1ないし3個の二重結合を有する炭素数C2−C6のアルキレン基を意味し、「シクロアルキレン基」とは炭素数C3−C30のシクロアルキレン基を意味し、「ヘテロシクロアルキレン基」とは炭素数C2−C30のヘテロシクロアルキレン基を意味し、「アリール基」とは炭素数C6−C30のアリール基を意味し、「ヘテロアリール基」とは炭素数C2−C30のヘテロアリール基を意味し、「アリーレン基」とは炭素数C6−C20のアリーレン基を意味し、「ヘテロアリーレン基」とは炭素数C2−C30のヘテロアリーレン基を意味し、「アルキルアリール基」とは炭素数C7−C30のアルキルアリール基を意味し、「ハロゲン原子」とはF、Cl、Br、またはIを意味する。
【0023】
本明細書において、置換されたアルキル基、置換されたアルキレン基、置換されたアルケニレン基、置換されたシクロアルキレン基、置換されたヘテロシクロアルキレン基、置換されたアリール基、置換されたアリーレン基、置換されたヘテロアリール基、置換されたヘテロアリーレン基、置換されたピリミジニル基、置換されたピリジニル基、置換されたチオフェニル基、置換されたフラニル基、置換されたナフチル基、及び置換されたフェニル基とは、各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のハロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、及びこれらの組合せからなる群より選択される置換基により置換されたアルキル基、アルキレン基、シクロアルキレン基、ヘテロシクロアルキレン基、アリール基、アリーレン基、ヘテロアリール基、ヘテロアリーレン基、ピリミジニル基、ピリジニル基、チオフェニル基、フラニル基、ナフチル基、及びフェニル基を意味する。
【0024】
また、本明細書において、ヘテロシクロアルキレン基、ヘテロアリール基、及びヘテロアリーレン基とは、各々独立してN、O、S、Si、またはPのヘテロ原子を1つの環内に1〜3つ含み、残りは炭素であるシクロアルキレン基、アリール基、及びアリーレン基を意味する。
【0025】
本発明の一実施態様による液晶光配向剤用エポキシ化合物は、下記の化学式1で示される。
【0026】
【化2】

【0027】
前記化学式1で、R及びRは互いに独立して水素原子;あるいは置換または非置換のアルキル基であり、R、R、及びRは互いに独立して水素原子;ハロゲン原子;あるいは置換または非置換のアルキル基であり、nは1〜20である。
【0028】
前記nは、好ましくは1〜10であり、より好ましくは2〜5である。
【0029】
本発明の一実施態様において、前記R及びRは水素原子であり、前記R、R、及びRは互いに独立してハロゲン原子であり、前記nは2〜4である。
【0030】
本発明の一実施態様において、前記R及びRは水素原子であり、前記R、R、及びRは互いに独立してハロゲン原子であり、前記nは3または4である。
【0031】
前記エポキシ化合物の具体的な例としては、下記の化学式2または3で示される化合物が挙げられる。
【0032】
【化3】

【0033】
前記エポキシ化合物は、簡単な製造工程で製造されうる。
【0034】
また、このエポキシ化合物を、ポリアミック酸を含む液晶光配向剤に用いた場合、ポリアミック酸のCOOHと反応して液晶光配向剤に残存するCOOHを減少させるので、残像を防止することができ、輝度の向上などの効果がある。
【0035】
前記エポキシ化合物は、下記のような工程で製造される。
【0036】
下記化学式1−Aで示される化合物及び下記の化学式1−Bで示される化合物を有機溶媒中で反応させる。
【0037】
【化4】

【0038】
前記化学式1−Aで、R、R、R、R、及びRは前記定義と同一であり、Rは水素原子である。
【0039】
【化5】

【0040】
前記化学式1−Bで、Rは水素原子である。
【0041】
前記有機溶媒としては、特に制限されないが、例えば、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレンクロライド、またはこれらを1種または2種以上の混合物を使用することができる。
【0042】
前記化学式1−Aの化合物及び化学式1−Bの化合物の反応モル比は、1:1.2〜1:2(化学式1−Aの化合物:化学式1−Bの化合物)であるのが好ましい。
【0043】
また、前記反応は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、3−ジメチルアミノプロピルアミン、またはこれらの2種以上の混合物である窒素含有化合物の存在下で行なわれる。
【0044】
反応が終結すれば、反応生成物を水で洗浄、ろ過、及び乾燥する一般的な精製工程をさらに行なうことができる。
【0045】
本発明の異なる実施態様によれば、液晶光配向剤が提供される。
【0046】
この液晶光配向剤は、前記化学式1で示されるエポキシ化合物;及びポリアミック酸、ポリイミド、またはこれらの混合物からなるポリマー;を含む。
【0047】
以下、各構成成分について詳細に説明する。
【0048】
(A)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、前記化学式1で示される。その詳細については、上述したとおりである。エポキシ化合物をポリアミック酸、ポリイミド、またはこれらの混合物からなるポリマーと共に混合する添加剤として使用した液晶光配向剤は、輝度が優れていて、残像を防止する効果があるので好ましい。
【0049】
本発明の一実施態様によるエポキシ化合物の含有量は、エポキシ化合物及びポリマーの固形分の合計量100質量部に対して0.01〜60質量部であるのが好ましく、0.01〜40質量部であるのがより好ましい。エポキシ化合物の含有量が前記範囲である場合に、基板に塗布時に印刷性及び平坦性を低下させずに、適切に光重合反応が起こるので、液晶光配向剤に好適に使用することができる。
【0050】
前記エポキシ化合物の具体的な例としては、上記の化学式2または3で示される化合物のうちの少なくとも1つがある。
(B)ポリマー
前記ポリマーは、ポリアミック酸、ポリイミド、またはこれらの混合物からなるポリマーである。また、前記ポリアミック酸及びポリイミドを混合して使用する場合には、ポリアミック酸1〜99質量%及びポリイミド99〜1質量%の比率で使用することができる。
【0051】
(B−1)ポリアミック酸
前記液晶光配向剤に使用されるポリアミック酸は、酸二無水物及びジアミンから合成されるポリアミック酸であればいずれのものでも使用することができる。
【0052】
本発明におけるポリアミック酸は、重量平均分子量が50,000〜500,000であるものが好ましい。
【0053】
前記酸二無水物としては、環状脂肪族酸二無水物、芳香族酸二無水物、またはこれらを2種以上混合して使用することができる。前記ジアミンとしては、芳香族ジアミンを使用することができる。また、芳香族ジアミンとしては、機能性ジアミンを使用することができ、また、機能性ジアミンと、機能性ジアミン以外の芳香族ジアミンとを2種以上混合して使用することもできる。機能性ジアミン及び機能性ジアミン以外の芳香族ジアミンを混合して使用する場合に、液晶光配向膜による液晶分子の線傾斜角の調節が容易であり、配向性がより優れている。
【0054】
前記酸二無水物及びジアミンを共重合してポリアミック酸を製造する方法は、特に制限はなく、従来のポリアミック酸の共重合方法として周知の方法が適用できる。
【0055】
本発明の一実施態様による具体的なポリアミック酸の例としては、下記の化学式5が挙げられる。
【0056】
【化6】

【0057】
前記化学式5において、R31は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、R32はジアミンから誘導された2価の有機基である。
【0058】
本発明の一実施態様では、前記化学式5において、R31は、好ましくは炭素数6〜12の環状脂肪族酸二無水物から誘導された4価の有機基、または炭素数10〜16の芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、この際、4価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0059】
また、本発明の一実施態様では、前記化学式5において、R31は、より好ましくは−O−、−CO−、−C(CF−、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜30のシクロアルキレン基、および炭素数6〜20のアリーレン基から選択される少なくとも1つを含む4価の有機基であり、この際、4価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0060】
本発明の一実施態様では、前記化学式5において、R32は、好ましくは、−O−、−COO−、−CONH−、−OCO−、−SO−、−C(CF−、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜30のシクロアルキレン基、炭素数2〜30のヘテロシクロアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基および炭素数2〜30ヘテロアリーレン基から選択される少なくとも1つを含む2価の有機基であり、この際、2価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0061】
本発明の一実施態様では、前記化学式5において、R31は、特に好ましくは、下記化学式7〜13で表される有機基から選択される1つである。また、本発明の一実施態様では、前記化学式5において、R32は、特に好ましくは、下記化学式14〜19で表される有機基から選択される1つである。なお、この際、化学式7〜13の「*」の部位が化学式5におけるR31の結合手に対応する部位である。
【0062】
(B−1−1)酸二無水物
(B−1−1−1)環状脂肪族酸二無水物
前記環状脂肪族酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(DOCDA)、バイシクロオクテン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物(BODA)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(CPDA)、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(CHDA)、1,2,4−トリカルボキシ−3−メチルカルボキシシクロペンタン二無水物、1,2,3,4−テトラカルボキシシクロペンタン二無水物、4,10−ジオキサ−トリシクロ[6.3.1.02、7]ドデカン−3,5,9,11−テトラオン、またはこれらを2種以上混合して使用することができるが、これに限定されない。
【0063】
前記環状脂肪族酸二無水物から誘導される4価の有機基は、下記の化学式7〜11で示される少なくとも1つの構造からなる。
【0064】
【化7】

【0065】
前記化学式7〜11で、R40は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、n40は0〜3の整数であり、R41〜R47は各々独立して水素原子;置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基である。
【0066】
(B−1−1−2)芳香族酸二無水物
前記芳香族酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ビフタル酸二無水物(BPDA)、オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物(6−FDA)、またはこれらを2種以上の混合物であるが、これに限定されない。 前記芳香族酸二無水物から誘導される4価の有機基は、下記の化学式12で示される化合物または化学式13で示される少なくとも1つの構造からなる。
【0067】
【化8】

【0068】
前記化学式12及び化学式13で、R51及びR52は各々独立して水素原子;置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、R54及びR55は各々独立して置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、n54及びn55は各々独立して0〜3の整数であり、R53はO;CO;置換または非置換のアルキレン基(例えば、−C(CF);置換または非置換のシクロアルキレン基;あるいは置換または非置換のヘテロシクロアルキレン基であり、n53は0または1である。
【0069】
前記化学式7〜13を誘導するための酸二無水物は、当該化学式においける、「*」で示される部位に、酸無水物残基を有し、隣接した2つの「*」が酸無水物を形成している構造を有する。
【0070】
上述したように、前記化学式5において、R31は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基を表す。よって、R31は、前記化学式7〜13において、酸無水物残基を表す「*」を除外した部分を表すものである。
【0071】
前記酸二無水物としては、環状脂肪族酸二無水物、芳香族酸二無水物、またはこれらを2種以上混合して使用することができる。
【0072】
(B−1−2)ジアミン
ジアミンとしては、芳香族ジアミンを用いられうる。
【0073】
また、芳香族ジアミンとしては、機能性ジアミンを好適に使用することができる。
【0074】
(B−1−2−1)芳香族ジアミン
前記芳香族ジアミンとしては、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、4,4−メチレンジアニリン(MDA)、2,2’−ジメチルベンジジン(DMBZ)、3,3’−ジメチルベンジジン、4,4−オキシジアニリン(ODA)、メタビスアミノフェノキシジフェニルスルホン(m−BAPS)、パラビスアミノフェノキシジフェニルスルホン(p−BAPS)、2,2−ビスアミノフェノキシフェニルプロパン(BAPP)、2,2−ビスアミノフェノキシフェニルヘキサフルオロプロパン(HF−BAPP)、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、またはこれらを1種以上混合して使用することができるが、これに限定されない。
【0075】
前記芳香族ジアミンから誘導される2価の有機基は、下記の化学式14〜16で示される化合物のうちの少なくとも1つの構造からなる。
【0076】
【化9】

【0077】
前記化学式14〜16で、前記R61、R63、R64、及びR67〜R69は各々独立して置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基;あるいは−O−、−COO−、−CONH−、または−OCO−のうちの1つをさらに含む前記アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であり、前記R62、R65、及びR66は各々独立して−O−、−SO−、または−C(CF−などのC(R’)(R”)(ここで、R’及びR”は各々独立して水素原子、または置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である)であり、前記n61、n63、n64、及びn67〜n69は各々独立して0〜4の整数であり、前記n62、n65、及びn66は各々独立して0または1である。
【0078】
前記化学式14〜16を誘導するためのジアミンは、当該化学式における「*」で示される部位に、アミン残基を有する構造を有する。
【0079】
上述したように、前記化学式5において、R32はジアミンから誘導された2価の有機基を表す。よって、R32は、前記化学式14〜16において、アミン残基を表す「*」を除外した部分を表すものである。
(B−1−2−2)機能性ジアミン
前記機能性ジアミンとしては、下記の化学式17〜19で示される化合物、またはこれらを1種以上混合して使用することができる。機能性ジアミン及び芳香族ジアミンを混合して使用する場合には、製造されるポリアミック酸の一部は芳香族ジアミンから誘導される官能基を含み、一部は機能性ジアミンから誘導される2価の有機基を含むようになる。
【0080】
【化10】

【0081】
前記化学式17で、R71は水素原子;置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、R72は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、前記n72は0〜3の整数である。
【0082】
【化11】

【0083】
前記化学式18で、R73、R75、及びR76は各々独立して置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、R74は−O−;−COO−;−CONH−;−OCO−;あるいは置換または非置換の炭素数1〜10のアルキレン基であり、R77は水素原子;置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、あるいは−O−、−COO−、−CONH−、または−OCO−を1種以上さらに含む前記アルキル基、アリール基、またはヘテロアリール基であり、n73は0〜3の整数であり、n75及びn76は各々独立して0〜4の整数であり、n74は0または1である。
【0084】
【化12】

【0085】
前記化学式19で、R81及びR83は各々独立して置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、R82は水素原子;置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、R78及びR79は各々独立して−O−または−COO−であり、R80は−O−、−COO−、−CONH−、または−OCO−であり、n81及びn83は各々独立して0〜4の整数であり、n78〜n80は各々独立して0または1である。
【0086】
上述したように、前記化学式5において、R32はジアミンから誘導された2価の有機基を表す。よって、R32は、前記化学式17〜19において、アミン基を除外した部分を表すものである。
【0087】
(B−2)ポリイミド
前記ポリイミドは、液晶光重合体に使用されるポリイミド、またはポリイミド光重合体のうちのいずれのものでも使用することができる。
【0088】
本発明におけるポリイミドは、重量平均分子量が50,000〜500,000であるものが好ましい。
【0089】
前記ポリイミドは、前記化学式1で示されるポリアミック酸をイミド化させて製造することができ、または1種以上の光反応性部位を有するジアミン(以下、「光反応性ジアミン」と称する。)及び酸二無水物から合成することもできる。ポリアミック酸をイミド化させてポリイミドを製造する方法及び光反応性ジアミン及び酸二無水物からポリイミドを合成する方法は、当該技術分野で周知の内容であるので、詳細な説明は省略する。本発明の一実施態様によるポリイミドの具体的な例としては、下記の化学式6の化合物が挙げられる。
【0090】
【化13】

【0091】
前記化学式6で、R33は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、R34はジアミンから誘導された2価の有機基から誘導された2価の有機基である。
【0092】
本発明の一実施態様では、前記ジアミンは、芳香族ジアミンを用いられうる。
【0093】
前記芳香族ジアミンは、クマリン(cumarin)系光反応性ジアミン、カルコン(chalcone)系光反応性ジアミン、または桂皮酸エステル(cinnamate)系光反応性ジアミンから誘導された2価の有機基であってもよい。
【0094】
本発明の一実施態様では、前記化学式6において、R33は、好ましくは6〜12の環状脂肪族酸二無水物から誘導された4価の有機基、または炭素数10〜16の芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、この際、4価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0095】
また、本発明の一実施態様では、前記化学式6において、R33は、より好ましくは−O−、−CO−、−C(CF−、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜30のシクロアルキレン基、および炭素数6〜20のアリーレン基から選択される少なくとも1つを含む4価の有機基であり、この際、4価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0096】
本発明の一実施態様では、前記化学式6において、R34は、好ましくは、−O−、−COO−、−CONH−、−OCO−、−SO−、−C(CF−、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数3〜30のシクロアルキレン基、炭素数2〜30のヘテロシクロアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基および炭素数2〜30ヘテロアリーレン基から選択される少なくとも1つを含む2価の有機基であり、この際、2価の有機基は、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基によって置換されてもよい。
【0097】
本発明の一実施態様では、前記化学式6において、R33は、特に好ましくは、上述の化学式7〜13で表される有機基から選択される1つである。また、本発明の一実施態様では、前記化学式6において、R34は、特に好ましくは、化学式14〜27で表される有機基から選択される1つである。なお、この際、化学式7〜13の「*」の部位が化学式6におけるR33の結合手に対応する部位である。また、化学式6の窒素原子は、化学式20におけるアミノ残基に相当する。また、後述する化学式21におけるR97、化学式22におけるR101、化学式23におけるR111で表されるジアミン基のアミノ残基が、化学式6の窒素原子に相当する。
【0098】
(B−2−1)酸二無水物
前記ポリイミドを製造するのに使用される前記酸二無水物は、環状脂肪族酸二無水物、芳香族酸二無水物、またはこれらの混合物を使用することができ、これに対する内容は前記ポリアミック酸と同一である。
【0099】
上述したように、前記化学式6において、R33は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基を表す。よって、本発明の一実施態様では、R33は、前記化学式7〜13において、酸無水物残基を表す「*」を除外した部分を表すものである。
【0100】
(B−2−2)ジアミン
(B−2−2−1)芳香族ジアミン
前記ポリイミドを製造するのに使用されるジアミンは、前記ポリアミック酸で用いたジアミンと同一のものが用いられうる。この際、芳香族ジアミン及び機能性ジアミンも同様に用いられうる。
【0101】
また、前記ポリイミドを製造するのに使用される芳香族ジアミンとしては、光反応性部位を有する光反応性ジアミンを用いることができる。
(B−2−2−2)光反応性ジアミン
前記ポリイミドを製造するのに使用される前記光反応性ジアミンとしては、桂皮酸エステル系光反応性ジアミン、カルコン系光反応性ジアミン、クマリン系光反応性ジアミン、またはこれらを2種以上混合して使用することができる。
【0102】
本発明で、前記桂皮酸エステル系光反応性ジアミンとしては、下記の化学式20で示される化合物、下記の化学式21で示される化合物、またはこれらを2種以上混合して使用することができ、前記カルコン系光反応性ジアミンとしては、下記の化学式22で示される化合物を使用することができ、前記クマリン系光反応性ジアミンとしては、下記の化学式23で示される化合物を使用することができる。
【0103】
【化14】

【0104】
前記化学式20で、R91は水素原子;置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアリール基;あるいは置換または非置換のヘテロアリール基であり、R92は置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアリール基;あるいは置換または非置換のヘテロアリール基であり、前記n92は0〜3の整数である。
【0105】
【化15】

【0106】
前記化学式21で、R97は芳香族ジアミン基;置換または非置換の炭素数2〜24の直鎖型または分枝型アルキレン基を含むジアミン基;あるいはこれらの組合せであり、前記R97で、前記置換されたアルキレン基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基により置換されたアルキレン基;前記アルキレン基の1つ以上の隣接しないCH基が置換または非置換のアリーレン基、置換または非置換のヘテロアリーレン基、置換または非置換のシクロアルキレン基、置換または非置換のヘテロシクロアルキレン基、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−CO−O−(ここで、R’は水素原子;あるいは置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である)により置換されたアルキレン基;あるいはこれらの組合せであり、R94は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、前記n94は0〜4の整数であり、R95及びR96は各々独立して水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;あるいは置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、前記R95及びR96で、前記置換されたアルキル基は、水素原子がヘテロ原子またはシアノ基により置換されたアルキル基;前記アルキル基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキル基;あるいはこれらの組合せであり、R93は置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアルキルアリール(alkylaryl)基;置換または非置換の炭素数シクロアルキル基;置換または非置換のピリミジニル基;置換または非置換のピリジニル基;置換または非置換のチオフェニル基;置換または非置換のフラニル基;置換または非置換のナフチル基;あるいは置換または非置換のフェニル基であり、前記R93で、前記置換されたアルキル基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基により置換されたアルキル基;前記アルキル基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキル基;あるいはこれらの組合せであり、前記R93で、前記置換されたアルキルアリール基は、前記アルキルアリール基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキルアリール基である。
【0107】
【化16】

【0108】
前記化学式22で、R101は芳香族ジアミン基;置換または非置換の炭素数2〜24の直鎖型または分枝型アルキレン基により置換されたジアミン基;またはこれらの組合せであり、前記R101で、前記置換されたアルキレン基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基により置換されたアルキレン基;前記アルキレン基の1つ以上の隣接しないCH基が置換または非置換のアリーレン基、置換または非置換のヘテロアリーレン基、置換または非置換のシクロアルキレン基、置換または非置換のヘテロシクロアルキレン基、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−CO−O−(ここで、R’は水素原子;あるいは置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である)により置換されたアルキレン基;あるいはこれらの組合せであり、R102及びR105は各々独立して置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、前記n102及びn105は各々独立して0〜4の整数であり、R103及びR104は各々独立して水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;あるいは置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、前記R103及びR104で、前記置換されたアルキル基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基により置換されたアルキル基;前記アルキル基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキル基;あるいはこれらの組合せであり、R106は置換または非置換のアルキル基;置換または非置換のアルキルアリール(alkylaryl)基;置換または非置換のシクロアルキル基;置換または非置換のピリミジニル基;置換または非置換のピリジニル基;置換または非置換のチオフェニル基;置換または非置換のフラニル基;置換または非置換のナフチル基;あるいは置換または非置換のフェニル基であり、前記R106で、前記置換されたアルキル基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基に置換基により置換されたアルキル基;前記アルキル基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキル基;あるいはこれらの組合せ基であり、前記R106で、前記置換されたアルキルアリール基は、前記アルキルアリール基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキルアリール基である。
【0109】
【化17】

【0110】
前記化学式23で、R111は芳香族ジアミン基;置換または非置換の炭素数2〜24の直鎖型または分枝型アルキレン基により置換されたジアミン基、あるいはこれらの組合せであり、前記R111で、前記置換されたアルキレン基は、水素原子がハロゲン原子またはシアノ基により置換されたアルキレン基;前記アルキレン基の1つ以上の隣接しないCH基が置換または非置換のアリーレン基、置換または非置換のヘテロアリーレン基、置換または非置換のシクロアルキレン基、置換または非置換のヘテロシクロアルキレン基、−O−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−Si(CH−O−Si(CH−、−NR’−、−NR’−CO−、−CO−NR’−、−NR’−CO−O−、−O−CO−NR’−、−CH=CH−、−C≡C−、または−O−CO−O−(ここで、R’は水素原子;あるいは置換または非置換の炭素数1〜6のアルキル基である)により置換されたアルキレン基;あるいはこれらの組合せであり、R112は置換または非置換の炭素数1〜20のアルキル基;置換または非置換の炭素数6〜30のアリール基;あるいは置換または非置換の炭素数2〜30のヘテロアリール基であり、前記n112は0〜4の整数であり、R113及びR114は各々独立して水素原子;ハロゲン原子;シアノ基;あるいは置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基であり、前記R113及びR114で、前記置換されたアルキル基は、水素原子がハロゲン原子、またはシアノ基により置換されたアルキル基;前記アルキル基の1つ以上の隣接しないCH基が−O−、−CO−O−、−O−CO−、または−CH=CH−により置換されたアルキル基;あるいはこれらの組合せである。
【0111】
(C)溶媒
本発明の一実施態様による液晶光配向剤は、溶媒を含む。
溶媒は、ポリマー及びエポキシ化合物を溶解させるものであればいずれのものでも使用することができる。
【0112】
前記溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、及びメタクレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒などを使用することができる。
【0113】
また、前記溶媒は、貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素類、またはハロゲン化炭化水素類を前記ポリイミドが析出されない限度内で適正な比率でさらに含むものを使用することができる。前記貧溶媒は、液晶光配向剤の表面エネルギーを低くして、塗布時の拡散性及び平坦性を向上させる。
【0114】
前記貧溶媒は、溶媒全体に対して1〜90体積%の範囲で使用することができ、1〜70体積%の範囲で使用するのが好ましい。
【0115】
前記貧溶媒の具体的な例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、水酸ジエチル、マロン酸エステル、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエチル、ジエチレングリコールジメチルエチル、ジエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、メチルメトキシブタノール、エチルメトキシブタノール、メチルエトキシブタノール、エチルエトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、またはこれらを2種以上混合して使用することができる。
【0116】
液晶光配向剤において、前記溶媒の含有量は、特に限定されないが、前記液晶光配向剤のエポキシ化合物及びポリマーの固形分が1〜30質量%になるように使用することができる。本発明の他の実施態様による溶媒の含有量は、前記液晶光配向剤のエポキシ化合物及びポリマーの固形分が3〜15質量%になるように使用することができ、または5〜10質量%になるように使用することもできる。前記エポキシ化合物及びポリマーの固形分の含有量が前記範囲である場合に、印刷時に基板の表面が影響を受けず、膜の均一度を適切に維持することができ、適切な粘度を維持することができ、印刷時に高い粘度によって形成される膜の均一度の低下を防止することができて、透過率が適切である。
【0117】
本発明の異なる実施態様による液晶光配向膜は、前記液晶光配向剤を利用して製造される。
【0118】
液晶光配向膜は、液晶光配向剤を基板に塗布して形成するが、前記液晶光配向剤を前記基板に塗布する方法としては、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット法などがある。その中でも、フレキソ印刷法は、形成した塗布膜の均一性が優れていて、大型化が容易であるので、一般に適用することができる。
【0119】
前記基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されずに使用することができ、ガラス基板、またはアクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板を使用することができる。また、液晶の駆動のためのITO電極などが形成された基板を使用すれば、製造工程を簡素化することができる。
【0120】
前記液晶光配向剤は、塗布膜の均一性を向上させるために、基板に均一に塗布した後で、室温〜200℃の温度、他の実施態様によれば30〜150℃の温度、また他の実施態様によれば40〜120℃の温度で1〜100分間の仮乾燥を行なうことができる。前記仮乾燥によって液晶光配向剤の各成分の揮発度を調整することによって、均一で偏差のない塗布膜を形成することができる。
【0121】
その後、再び80〜300℃、または120〜280℃の温度で5〜300分間の焼成を行なって、溶媒分を完全に蒸発させることによって、液晶光配向膜を形成する。
【0122】
このような方法で形成された液晶光配向膜は、偏光紫外線の照射による一軸配向処理を行なったり、または垂直配向膜などの一部の用途では一軸配向処理を行なわずに液晶表示装置に使用される。
【0123】
前記本発明の一実施態様による液晶光配向膜は、10mJ〜5000mJのエネルギーで0.1〜180分間露光して、一軸配向処理を行なうことができる。前記のように露光強度を減少させて一軸配向処理を行えば、前記ポリイミド光重合体に含まれている二重結合を完全に除去することができる。
【実施例】
【0124】
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。しかし、下記に記載された実施例は、本発明を具体的に例示したり説明するためのものに過ぎず、本発明はこれによって制限されない。
【0125】
また、ここに記載されていない内容は、当該技術分野の当業者であれば十分に技術的に類推することができるので、その説明は省略する。
【0126】
(製造例1:エポキシ化合物の製造)
下記反応式1に示された方法でエポキシ化合物を製造した。
【0127】
【化18】

【0128】
前記化合物(24)1当量をメチレンクロライドに溶解して、常温で撹拌した。前記溶液に、グリシドール1当量、HClに溶解された1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)1当量、及び3−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAP)1.2当量を添加して、16時間攪拌した。
【0129】
反応終結を、薄膜クロマトグラフィー(拡散溶媒−ヘキサン:酢酸エチル=2:1体積比)で確認して、反応液を濃縮した。
【0130】
濃縮された反応液を酢酸エチルに懸濁し、シリカゲルパッド(silicagel pad)でろ過して、塩及び無機物を除去した。ろ過されたろ液を濃縮し、この濃縮液をシリカゲルカラム及び拡散溶媒(ヘキサン:メチレンクロライド:酢酸エチル=1:1:0.5体積比)を使用して精製した。次に、精製生成物を濃縮し、濃縮された残留物をエタノールに懸濁攪拌して、洗浄、ろ過、及び乾燥して、目的生成物である化学式(2)のエポキシ化合物を製造した。
【0131】
製造されたエポキシ化合物のH−NMRを測定して、その結果を図1に示した。
【0132】
また、製造されたエポキシ化合物の純度を調査するために、製造されたエポキシ化合物の液体クロマトグラフィー(HPLC、High Performance Liquid Chromatography)を測定して、その結果を図2に示した。図2に示したように、目的生成物に該当するピークだけが大きく現れたので、不純物が殆どなく、目的生成物が高純度であることが分かる。
【0133】
(製造例2:ポリアミック酸(PAA−1)の製造)
撹拌機、温度調節装置、窒素ガス注入装置、及び冷却器が装着された4口フラスコに窒素を通過させて、パラフェニレンジアミン0.9モル及び下記の化学式25で示される機能性ジアミンである3,5−ジアミノフェニルデシルスクシンイミド(3,5−Diaminophenyldecyl succinimide)0.1モルを入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を入れて、混合溶液を製造した。
【0134】
【化19】

【0135】
前記混合溶液に、固体状態の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物1.0モルを入れて、激しく攪拌した。この時の固形分の含有量(ポリマー含有量)は20質量%であり、温度は30℃〜50℃に維持し、10時間反応を行って、ポリアミック酸を製造した。製造されたポリアミック酸に、有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンの混合有機溶媒を添加し、常温で24時間攪拌して、固形分(ポリマー含有量)6質量%のポリアミック酸溶液(PAA−1)を製造した。得られたポリアミック酸の重量平均分子量は200,000(ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定)であった。
【0136】
(製造例3:ポリイミド(SPI−1)の製造)
撹拌機、温度調節装置、窒素ガス注入装置、及び冷却器が装着された4口フラスコに窒素を通過させて、フェニレンジアミン0.8モル及び前記化学式25で示されるジアミンである3,5−ジアミノフェニルデシルスクシンイミド0.2モルを入れ、N−メチル−2−ピロリドンを入れて、混合溶液を製造した。前記混合溶液に、固体状態の1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物1.0モルの代わりに、4,10−ジオキサ−トリシクロ[6.3.1.02、7]ドデカン−3,5,9,11−テトラオン(下記化学式26)を使用したことを除いては、製造例1と同一な方法で、ポリアミック酸溶液(PAA−2)を製造した。この時の固形分(ポリマー含有量)は20質量%であり、温度は30℃〜50℃に維持し、10時間反応を行って、ポリアミック酸溶液を製造した。
【0137】
【化20】

【0138】
前記製造されたポリアミック酸溶液に、3.0モルの無水酢酸及び5.0モルのピリジンを添加して、80℃に昇温させた後、6時間反応させ、真空蒸留によって触媒及び溶媒を除去して、固形分の含有量(ポリマー含有量)が20質量%の可溶性ポリイミドを製造した。
【0139】
製造された可溶性ポリイミドに、N−メチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンの混合有機溶媒を添加し、常温で24時間攪拌して、固形分(ポリマー含有量)6質量%のポリイミド溶液(SPI−1)を製造した。得られたポリアミドの重量平均分子量は200,000(ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定)であった。
【0140】
(液晶光配向剤の製造)
(実施例1)
製造例2で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のPAA−1溶液80gに製造例3で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のSPI−1溶液20gを入れて、ポリマー液を製造した。このポリマー液に製造例1で製造したエポキシ化合物を添加し、窒素を通過させて、24時間攪拌した後、粒径0.1μmのフィルターでろ過して、N−メチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンの混合有機溶媒を添加して、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した(以下、PSPI−1という)。前記エポキシ化合物の使用量は、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して6質量部とした。なお、以下、実施例2〜8では、N−メチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンの混合有機溶媒を添加して、液晶配向剤における固形分の含有量(エポキシ化合物及びポリマー含有量)を調節した。
【0141】
(実施例2)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して10質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した(以下、PSPI−2という)。
【0142】
(実施例3)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して20質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0143】
(実施例4)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して8質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0144】
(実施例5)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して12質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0145】
(実施例6)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して15質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0146】
(実施例7)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して25質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0147】
(実施例8)
エポキシ化合物の使用量を、前記PAA−1溶液、SPI−1溶液、及びエポキシ化合物の全体固形分100質量部に対して30質量部に変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で、固形分(エポキシ化合物及びポリマー含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0148】
(比較例1)
製造例2で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のPAA−1溶液100gを窒素を通過させながら24時間攪拌した後、粒径0.1μmのフィルターでろ過して、固形分(ポリマー(ポリアミック酸)含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0149】
(比較例2)
製造例3で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のSPI−1溶液100gを窒素を通過させながら24時間攪拌した後、粒径0.1μmのフィルターでろ過して、固形分(ポリマー(ポリイミド)含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0150】
(比較例3)
製造例2で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のPAA−1溶液80gに製造例3で製造された固形分(ポリマー含有量)6質量%のSPI−1溶液20gを入れて、窒素を通過させながら24時間攪拌した後、粒径0.1μmのフィルターでろ過して、固形分(ポリマー(ポリアミック酸及びポリイミド)含有量)6質量%の液晶光配向剤を製造した。
【0151】
(印刷性及び塗布膜の均一性の評価)
洗浄したITO付着ガラス基板上に、前記実施例1〜8及び比較例1〜3で製造した液晶光配向剤を配向膜塗布器(CZ200 ナカン社)を使用してフレキソ印刷した後、前記印刷された基板を50〜90℃のホットプレート上に2〜5分間放置して、塗布膜の仮乾燥を行なった。
【0152】
前記基板を仮乾燥した後、前記基板を200〜230℃のホットプレート上で10〜30分間焼成した後、10mJ〜5000mJのエネルギーで0.1〜180分間露光して、液晶光配向膜が塗布された基板を製造した。
【0153】
前記液晶光配向膜の膜面を、基板全面(中央部分及び端部分)にかけて印刷性(ピンホール(Pinhole)及び汚れ)及び塗布膜の厚さ変化を肉眼及び電子顕微鏡(MX50 オリンパス社)によって測定して、その結果を下記の表1に示した。下記の表1で、印刷性は、ピンホールおよび汚れの有無で評価し、ピンホールが0〜2個である場合を良好、3〜5個である場合を普通、6個以上である場合を不良で示し、汚れは、未発生時には良好、発生時には不良で示した。また、塗布膜の均一性は、厚さ偏差が0.005μm未満である場合を良好、0.005〜0.01μmである場合を普通、0.01μmを超過する場合を不良で示した。
【0154】
(液晶光配向膜の液晶配向性)
液晶光配向剤の液晶配向性を評価するために、液晶セルを製造して利用した。前記液晶セルの製造方法は下記の通りである。
【0155】
規格化された大きさのITOガラス基板に、1.5cm×1.5cmの大きさの正方形ITO形状及び電圧の印加のための電極ITO形状だけを残して他の部分のITOを除去するために、フォトリソグラフィ工程を行ってパターン化した。
【0156】
パターン化されたITO基板に、実施例1〜8、 比較例1〜3で製造した液晶光配向剤を塗布してスピンコーティングして、0.1μmの厚さに形成した後で、70℃及び210℃の硬化工程を行った。
【0157】
前記硬化工程を行ったITO基板を露光器(UIS−S2021J7−YD01、Ushio LPUV)を利用して一定の角度及び一定のエネルギー下で露光した2枚の基板を、露光方向が互いに反対方向(VAmode用、90度)になるようにした後、4.75μmのセルギャップを維持したままで、正方形ITO形状が上、下に一致するように接合した。前記露光時の光源は、2kW Deep UVランプ(UXM−2000)を使用した。
【0158】
このような方法で形成されたセルに液晶を充填させた後、直交偏光された光学顕微鏡を利用して液晶配向性を観察して、回位(disclination)未発生の場合を良好、回位発生の場合を不良として評価し、その結果を下記の表1に整理した。
【0159】
(液晶光配向膜の電気的特性及び光学的特性)
液晶光配向膜の電気的特性及び光学的特性は、4.75μmのセルギャップの液晶セルを利用して、電圧透過度曲線、電圧保持率、及び残留DC電圧を測定して評価した。
【0160】
前記電圧透過度曲線、電圧保持率、及び残留DC電圧の電気的特性及び光学的特性を簡単に説明する。
【0161】
前記電圧透過度曲線は、重要な電気的特性及び光学的特性の1つであって、液晶表示装置の駆動電圧を決定する特性の1つであり、液晶セルに電圧を印加しながら透過度を測定して、最も明るい状態の光量を100%、最も暗い状態の光量を0%として、標準化した曲線である。
【0162】
前記電圧保持率は、能動駆動方式のTFT−LCDにおいて、非選択期間の間に外部電源とフローティングされた状態の液晶層が充電された電圧を維持する程度であり、100%に近い値が理想的である。
【0163】
前記残留DC電圧は、イオン化された液晶層の不純物が配向膜に付着して、外部から電圧が印加されなくても液晶層にかかっている電圧であり、低い値が好ましい。前記残留DC電圧の測定方法としては、フリッカーを利用した方法及びDC電圧による液晶層の電気容量変化曲線(C−V)を利用した方法などが普遍的である。
【0164】
液晶セルを利用した液晶光配向膜の電気的特性及び光学的特性の結果を下記の表1に示した。
【0165】
【表1】

【0166】
表1を参照すれば、実施例1〜8の液晶光配向剤の場合、印刷性、塗布膜の均一性、電圧透過度、電圧保持率、及び残留DC特性がより優れているのがわかる。
【0167】
電圧保持率及び残留DCは、液晶光配向膜の残像特性を評価する基準となり、前記電圧保持率が高いほど、また残留DCが低いほど、残像特性が優れていることを意味する。したがって、実施例1〜8で製造した液晶光配向剤は、比較例1〜3で製造した液晶光配向剤より残像特性が優れている。
【0168】
本発明は、前記実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に製造され、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更しなくても異なる他の具体的な形態に実施されるということを理解することができる。したがって、以上で記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で示される、液晶光配向剤用エポキシ化合物。
【化1】

前記化学式1で、R及びRは互いに独立して水素原子;及び置換または非置換のアルキル基;からなる群より選択され、R、R、及びRは互いに独立して水素原子;ハロゲン原子;及び置換または非置換のアルキル基;からなる群より選択され、nは1〜20である。
【請求項2】
前記R及びRは水素原子であり、前記R、R、及びRは互いに独立してハロゲン原子であり、前記nは2〜4である、請求項1に記載のエポキシ化合物。
【請求項3】
前記エポキシ化合物は、下記の化学式2または3で示される化合物のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のエポキシ化合物。
【化2】

【請求項4】
請求項1〜3に記載のエポキシ化合物;ポリアミック酸、ポリイミド、またはこれらの混合物からなるポリマー;を含む、液晶光配向剤。
【請求項5】
前記エポキシ化合物の含有量が、前記エポキシ化合物及び前記ポリマーの全体100質量部に対して0.01〜60質量部である、請求項4に記載の液晶光配向剤。
【請求項6】
前記ポリアミック酸は、下記の化学式5で示されるものである、請求項4または5に記載の液晶光配向剤。
【化3】

前記化学式5で、R31は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、R32はジアミンから誘導された2価の有機基である。
【請求項7】
前記ポリイミドは、下記の化学式6で示されるものである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の液晶光配向剤。
【化4】

前記化学式6で、R33は環状脂肪族酸二無水物、または芳香族酸二無水物から誘導された4価の有機基であり、R34はジアミンから誘導された2価の有機基である。
【請求項8】
請求項4〜7のいずれか1項に記載された液晶光配向剤を基板に塗布して製造された、液晶光配向膜。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−152363(P2010−152363A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293448(P2009−293448)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】