説明

液晶滴下制御装置

【課題】ノズルから基板上に滴下される液晶の量を最小化することで、ドットが発生する可能性を最小化する液晶滴下制御装置を提供する。
【解決手段】内部にガス供給路と液晶供給路が形成され、液晶供給路を通じて流入した液晶をノズルを通じて滴下し、ノズル先端にある液晶は、ガス供給路を通じて供給されるガスによって基板上に滴下するヘッドユニットと;液晶収納容器から液晶を吸入して一時貯蔵する一時液晶収納部と;前記一時液晶収納部から前記ノズル先端に供給される液晶の量を制御し、前記ノズル先端にある液晶を滴下するために必要なガスを調節する二流体制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶ディスペンサーに係り、特に基板上に液晶を滴下する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、LCDは板状ガラスにトランジスタのような駆動素子が設けられた下部基板と、板状ガラスにカラーフィルター層などが設けられた上部基板と、下部基板と上部基板とを接合させるシール材と、下部基板と上部基板の間に充填された液晶層と、を含んでなる。このようなLCDは、下部基板に形成された駆動素子によって液晶層の液晶分子を駆動しており、その液晶分子の駆動によってその液晶層を透過する光量を制御することで、情報を表示する。
【0003】
LCDの製作方法の一つとして、所定の大きさのガラスに駆動素子を形成して基板を製作し、他のガラスにカラーフィルター層などを形成して他の基板を製作する。そして、両基板の中でいずれか一方の基板にシール材を所定形状のパターンで塗布し、そのシール材の内側領域にドットを配列した形態のパターンで液晶滴を滴下した後、両基板を合着する。この際、両基板が合着されるにつれて、パターニングされた液晶滴は両基板の間によって液晶層をなすことになる。そして、両基板を合着したマザーガラスを切断してLCDを構成する単位液晶パネルを製作することになる。
【0004】
このような製作方法は、それぞれの機能を持つ製造装備が配列された製造ライン上で進行する。前記製造装備のうち、液晶を滴下する工程及びシール材を吐き出す工程は、ディスペンサーによって行われる。
【0005】
液晶を滴下する工程をより具体的に説明するために、一般的なディスペンサーの斜視図を示す図1を参照すると、まず、液晶が滴下される基板100は、フレーム200上に設置されたステージ300上に載置される。そして、予め入力されたパターンに沿って、ステージ300上に位置するヘッドユニット400が動きながら、ヘッドユニット400を構成するノズルNから液晶が滴下される。液晶がノズルNから自由落下するためには、約1mg〜3mg程度の重さが要求される。一方、ヘッドユニット400は、フレーム200上に設置されたヘッド支持台500に沿って動く。ヘッド支持台500は、折曲状に形成されており、その両端が前記フレーム200に一方向に移動可能にそれぞれ結合される。この際、ヘッド支持台500は、ステージ300を横切るように位置する。前記ステージ300は、前記フレーム200上に設置された固定テーブル600上で一方向に動く。ステージ300が動く方向は、ヘッド支持台500に対して垂直方向である。一方、液晶ディスペンサーには、前記液晶の重さを測定する重量測定装置700がさらに設けられてもよい。
【0006】
前述した液晶ディスペンサーの構造で説明したように、液晶がノズルNから自由落下するためには約1mg〜3mgの重さが要求されているが、マザーガラスを構成する両基板間の間隔はマイクロメートル単位と非常に小さく、両基板の間に満たされる液晶層の厚さもマイクロメートル単位で非常に薄い。
【0007】
したがって、約1mg〜3mgの液晶がノズルNから吐き出される一般的な液晶ディスペンサーの場合、液晶が実際に滴下した領域とその滴下した液晶がリフローされた領域との間には、液晶層の厚さに違いが発生する。このような液晶層の厚さの差は液晶層を透過する光の経路を変えるため、結果として製品に適用した際に画面に染みが発生して、製品の不良をもたらすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的はノズルから基板上に滴下される液晶の量を最小化することで、ドットが発生する可能性を最小化することができる液晶滴下制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するための本発明の一実施例による液晶滴下制御装置は、内部にガス供給路と液晶供給路とが形成され、液晶供給路を通じて流入した液晶をノズルを通じて滴下させ、ノズル先端にある液晶をガス供給路を通じて供給されるガスによって基板上に滴下するヘッドユニットと;液晶収納容器から液晶を吸入して一時貯蔵する一時液晶収納部と;前記一時液晶収納部から前記ノズル先端に供給される液晶の量を制御し、前記ノズル先端にある液晶を滴下するために必要なガスを調節する二流体制御部と;を含むことを特徴とする。
【0010】
他の変形実施例として、前記二流体制御部は、前記液晶供給路に供給される液晶の量を制御するための液晶供給量制御部と;ガスタンクと前記ガス供給路との間に位置するガス調節バルブを制御するためのガス制御部と;を含むことができる。
【0011】
前記二流体制御部あるいは液晶供給量制御部は、共にヘッドユニット内の液晶供給路に0.1mg〜0.8mgの少量の液晶のみを供給し、供給された少量の液晶が、ガス供給路を通じて供給されるガス噴出圧によって表示パネル上に滴下される。
【発明の効果】
【0012】
前述したような本発明の実施例によれば、二流体制御部あるいは液晶供給量制御部によって0.1mg〜0.8mgの少量液晶だけがヘッドユニットのノズル先端に液晶滴として形成され、その液晶滴は、ガス供給路を通じて供給されるガス噴出圧によって表示パネル上に滴下される。したがって、少量の液晶がまるで噴霧方式で表示パネル上に滴下されるような結果が得られることにより、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域とにおける液晶の厚さの差が最小になるので、液晶滴下によるドット不良発生の確率が低くなる。これは直ちにパネルの表示品質を向上させる結果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】一般的な液晶ディスペンサーの斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の器具的構成を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の器具的構成を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例による液晶滴下制御装置のブロック構成図である。
【図5】本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の制御過程を説明するタイミング図である。
【図6】本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の制御過程を説明するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明の実施例による液晶滴下制御装置は、大別してヘッドユニット、一時液晶収納部及び二流体制御部を含む。前記二流体制御部によって駆動可能なヘッドユニットと一時液晶収納部の器具的構成及び動作とをより詳細に説明するために、添付図面を参照すると、図2及び図3は、本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の器具的構成を示すものである。
【0016】
図2及び図3を参照すると、ヘッドユニット1270には、その内部にガス供給路1250と液晶供給路1260とが形成され、その液晶供給路1260を通じて流入した液晶は、ノズルを通じて基板上に滴下され、ガス供給路1250を通じて噴出されるガス圧によって基板上に滴下される。参考として、ヘッドユニット1270内のガス供給路1250は、ガス供給管を介してガスタンク1255に連結されており、そのガス供給管には、ヘッドユニット1270に供給されるガスの量を調節するためのガス調節バルブ800が取り付けられている。ヘッドユニット1270内の液晶供給路1260も、後述する一時液晶収納部1290の液晶流出口1230に連結されている。このように、ガス供給路1250と液晶供給路1260とが内部に形成されているヘッドユニット1270は、図1に示すような液晶ディスペンサーのフレーム200上に設置されるヘッド支持台500に沿って移動しながら基板上に液晶を滴下する。
【0017】
一方、液晶収納容器1200から液晶を吸入して一時貯蔵する一時液晶収納部1290は、一時貯蔵された液晶をヘッドユニット1270に供給する。このような一時液晶収納部1290は、一例として、図2及び図3に示すように、ポンピングホール内でピストンポンピング部1280が上下及び回転運動可能なシリンダー組立体構造を有する。一時液晶収納部1290には、ピストンポンピング部1280が挿入されるポンピングホールと連通するように、液晶流入口1220と液晶流出口1230が形成されている。液晶流入口1220は、チューブを介して液晶収納容器1200に連結される構造であり、液晶流出口1230は、ヘッドユニット1270内の液晶供給路1260に連結される構造である。そして、ピストンポンピング部1280の外周面一部は、液晶の流入と流出とのために一部がカットされた切除部1240を有し、液晶流入口1220あるいは液晶流出口1230と対面する。
【0018】
このような構造の一時液晶収納部1290が液晶収納容器1200から液晶を受けてヘッドユニット1270から滴下するまでの過程を図2及び図3を参照して説明する。
【0019】
まず、図2に示すように、ピストンポンピング部1280の切除部1240は、シリンダーの液晶流入口1220と対面するようにピストン1100を回転させる。この状態で、図4で説明する二流体制御部900は、ピストン駆動部を制御してピストン1100を上部に移動させる。ピストン1100が上部に動くにつれて、ピストンポンピング部1280の端面とポンピングホールとの間に形成される液晶吸入空間が増大し、その空間の内外の圧力差によって、液晶収納容器1200内の液晶1210は、液晶流入口1220を通じて液晶吸入空間に流入される。
【0020】
その後、二流体制御部900は、さらにピストン駆動部を制御して、図3に示すように、ピストンポンピング部1280の切除部1240がシリンダーの液晶流出口1230と対面するように、ピストン1100を回転させる。ついで、二流体制御部900は、上昇していたピストン1100を下部に移動させる。これにより、液晶吸入空間が次第に減少するにつれてその空間に満たされた液晶は、液晶流出口1230を通じてヘッドユニット1270に供給される。
【0021】
このように、液晶収納容器1200に満たされた液晶1210を一時液晶収納部1290を通じてヘッドユニット1270に供給し、ヘッドユニット1270に供給された液晶をさらにガスを利用して基板上に滴下するための二流体制御部900の動作とその周辺構成とを添付図面の中の図4〜図6を参照して説明する。
【0022】
図4は、本発明の一実施例による液晶滴下制御装置のブロック構成図を示し、図5及び図6は、本発明の一実施例による液晶滴下制御装置の制御過程を説明するタイミング図を示す。
【0023】
図4において、ガス調節バルブ800は、後述する二流体制御部900あるいは二元化可能な二流体制御部900のガス制御部920によってバルブ開閉量が制御されることにより、結果としてヘッドユニット1270内に供給されるガスの量を調節する。
【0024】
二流体制御部900は、図2に示す一時液晶収納部1290から液晶供給路1260に供給される液晶の量を制御し、その液晶供給路1260に供給された液晶がガス供給路1250に供給されるガスによって基板(あるいは表示パネルと言える)に滴下されるようにガスを調節する。
【0025】
このような二流体制御部900は、具現方法によっては一つのプロセッサで具現することができるが、場合によっては、液晶供給路1260に供給される液晶の量を制御するための液晶供給量制御部910と、ガス供給路1250に供給されるガスの量を制御するためのガス制御部920と、に二元化して具現してもよい。図4において、未説明のピストン駆動部1000は、一時液晶収納部1290の一構成要素であるピストン1100をポンピングホール内で上下移動及び左右回転させるための直線駆動ユニットと回転駆動ユニットとを含むものであり、液晶供給量制御部910によって制御される。
【0026】
以下、図5及び図6を参照して二流体制御部900が5通りの方式で液晶を滴下する方法をより具体的に説明する。参考として、二流体制御部900を液晶供給量制御部910とガス制御部920とに二元化して具現することができるという点を考慮すれば、特別な変形なしに液晶供給量制御部910とガス制御部920も予め設定された信号(例えば、指定量の液晶供給あるいはガス供給が完了したという信号)を互いに送受信することで、微細な時間差を置いて互いに動作して二流体制御部900と同等な液晶滴下効果を得ることができる。以下では、二流体制御部900を主として液晶滴下制御過程を説明する。
【0027】
(1)第1液晶滴下制御過程
まず、二流体制御部900は、ピストン駆動部1000を制御して、図2で説明したような方法で、一時液晶収納部1290に一定量の液晶(約3mg)を収容する。そして、さらにピストン駆動部1000を制御して、図3に示すように液晶流出口1230とピストンポンピング部1280の切除部1240とが対面するように、ピストン1100を回転させる。ついで、二流体制御部900は、予め設定された量の液晶が液晶流出口1230と液晶供給路1260を通じてノズル先端に供給されるように、上昇していたピストン1100を下方に移動させる。このように、予め設定された量の液晶がノズル先端に供給されるようにピストン1100を下方に移動させるのに必要なピストン1100の駆動時間を示すものがまさに図5(a)のタイミング図である。参考として、前記‘予め設定された量の液晶’は、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域の厚さの差が最小になる液晶の量で、実験によれば0.1mg〜0.8mgが好ましい。
【0028】
図5(a)に示すT1時間の間に、一時液晶収納部1290のピストン1100を下方に駆動して、予め設定された量の液晶をノズル先端に供給すると、二流体制御部900は。ピストン1100の駆動を止める。この際、ノズル先端に供給される液晶の量は、自由落下可能な量ではないので、基板上に滴下されずにノズル先端に液滴を形成することになる。一方、二流体制御部900は、図5(a)に示すT1時間の次のT2時間の間に、ヘッドユニット1270のガス供給路1250にガスが供給されるようにガス調節バルブ800を制御する。このように、T2時間の間にヘッドユニット1270にガスが供給されれば、ノズル先端に供給された液晶は、ガス圧によって最終的に基板上に滴下される。T2時間の経過後、ヘッドユニット1270は、次の滴下地点に移動し、さらに二流体制御部900は、T3時間の間に予め設定された量の液晶がノズルに供給されるようにピストン1100を下方に移動させ、T4時間の間にガスを供給して、ノズル先端に供給された少量の液晶が基板上に最終に滴下されるようにする。
【0029】
すなわち、二流体制御部900は、予め設定された量の液晶がノズルに供給されるようにした後、ついですぐ予め設定された量のガスを供給する方式(T1−T2、T3−T4、T5−T6、...)でピストン駆動部1000とガス調節バルブ800とをそれぞれ制御することにより、所望地点の基板上に少量の液晶を順次滴下する。これにより、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域との液晶の厚さの差が最小になり、液晶滴下によるドット不良発生の確率が低下する結果を得ることができる。
【0030】
(2)第2液晶滴下制御過程
他の液晶滴下制御過程として、二流体制御部900は、図5(b)に示すように、予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶とガスとがヘッドユニット1270に同時に供給されるように繰り返し制御することもできる。すなわち、二流体制御部900は、図3に示すように、液晶流出口1230とピストンポンピング部1280の切除部1240とが対面するようにピストン1100を回転させた状態で、予め設定された量の液晶がノズル先端に供給されるように、ピストン1100を下方に移動させる。このときのピストン駆動時間を図5(b)においてT1とすると、二流体制御部900は、T1時間にヘッドユニット1270のガス供給路1250にガスが供給されるようにガス調節バルブ800を共に制御する。
【0031】
このように、T1時間の間にヘッドユニット1270にガスが供給されると、その時間の間にノズル先端に供給されて液滴状で保持されている液晶もガス圧によって最終的に基板上に滴下される。そして、T1時間の経過後、ヘッドユニット1270が次の滴下地点に移動し、さらに二流体制御部900がT2時間のうち予め設定された量の液晶がノズルに供給されるようにピストン1100を下方に移動させると同時に供給すれば、T2時間にノズル先端に供給された液晶もガス圧によって基板上に滴下される。
【0032】
このような制御過程を繰り返し行って基板上に液晶を滴下すると、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域との間の液晶の厚さの差が最小になり、液晶滴下によるドット不良発生の確率が低くなる結果を得ることができるものである。
【0033】
(3)第3液晶滴下制御過程
さらに他の液晶滴下制御過程として、二流体制御部900は、図5(c)に示すように、ヘッドユニット1270にガスが持続的に供給されるように制御するとともに、時間T1の間予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶供給が周期的に(T2、T3、T4)行われるように制御することもできる。
【0034】
すなわち、二流体制御部900は、図3に示すように、液晶流出口1230とピストンポンピング部1280の切除部1240とが対面するようにピストン1100を回転させた状態でガス調節バルブ800を制御することによって、ヘッドユニット1270にガスを供給する。ガスが供給されるT1時間の間に二流体制御部900は、図5(c)に示すようなT2時間に予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶がノズル先端に供給されるように、ピストン1100を下方に移動させる。ピストン1100が下方に移動すれば、それによりヘッドユニット1270のノズル先端には漸次液晶が供給されて液滴状で保持され、ガス圧によって最終的に基板上に滴下される。T2時間の経過後、ヘッドユニット1270が次の滴下地点に移動し、さらに二流体制御部900がT3時間の間に予め設定された量の液晶がノズルに供給されるようにピストン1100を下方に移動させれば、T3時間にノズル先端に供給された液晶もガス圧によって基板上に滴下される。
【0035】
このような制御過程を繰り返し行って基板上に液晶を滴下すると、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域とにおける液晶の厚さの差が最小になり、液晶滴下によるドット不良発生の確率が低くなる結果を得ることができる。
【0036】
(4)第4液晶滴下制御過程
さらに他の液晶滴下制御過程として、二流体制御部900は、図6(a)のように、ヘッドユニット1270のノズルに液晶を供給しているうち、予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶が周期的に滴下されるようにガス供給を繰り返し制御(T2、T3、T4)することもできる。
【0037】
すなわち、二流体制御部900は、図3に示すように、液晶流出口1230とピストンポンピング部1280の切除部1240とが対面するようにピストン1100を回転させた状態で、図6(a)に示すT1時間の間にピストン1100を下方に移動させることで、ヘッドユニット1270のノズルに液晶を続けて供給する。ヘッドユニット1270のノズルに液晶が供給されるT1時間の間に二流体制御部900は予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶がノズルから滴下されることができるタイミングT2、T3、T4にガスが供給されるようにガス調節バルブ800を制御する。このような方式によれば、T1時間の間にノズル先端には漸次液晶が供給される。そして、予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)がノズル先端に液滴として保持されている時期であるT2、T3、T4時間に合わせて供給されるガス圧によって、最終に予め設定された量の液晶が基板上に滴下される。T2、T3、T4時間の間にはヘッドユニット1270の移動を伴う。
【0038】
このような制御過程によっても前述した制御過程のようにドット不良発生の確率が低くなる結果を得ることができる。
【0039】
(5)第5液晶滴下制御過程
さらに他の液晶滴下制御過程として、二流体制御部900は、図6(b)のように、ヘッドユニット1270のノズルに液晶を供給している間(T1)に予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶が滴下されるようにガスを一緒に供給することもできる。
【0040】
すなわち、二流体制御部900は、図3に示すように、液晶流出口1230とピストンポンピング部1280の切除部1240が対面するようにピストン1100を回転させた状態で、図6(b)に示すT1時間の間にピストン1100を下方に移動させることで、ヘッドユニット1270のノズルに液晶を続けて供給する。ヘッドユニット1270のノズルに液晶が供給されているT1時間の間に、二流体制御部900は、予め設定された量(0.1mg〜0.8mg)の液晶がノズルから滴下されるようにガス調節バルブ800を制御する。このような方式によれば、T1時間の間にノズル先端には漸次液晶が供給されて液滴状で保持され始め、共に供給されるガスの圧力によって、最終に予め設定された量の液晶が基板上に滴下される。この場合、前記ガス圧は前記予め設定された量の液晶がノズル先端から落ちるような圧力である。
【0041】
このような制御過程を繰り返し行って基板上に液晶を滴下すれば、液晶が滴下した領域と液晶がリフローされた領域との間の液晶の厚さの差が最小になり、液晶滴下によるドット不良発生の確率が低くなる結果を得ることができる。
【0042】
以上、本発明を添付図面に示す一実施例を参照して説明したが、これは例示のためのものに過ぎなく、当該技術分野の通常の知識を持った者であれば、これから多様な変形及び同等な他の実施例が可能であるという点を理解することができるであろう。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は特許請求の範囲によってだけ決まるべきものであろう。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、ノズルから基板上に滴下される液晶の量を最小化することで、ドットが発生する可能性を最小化する液晶滴下制御装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 基板
200 フレーム
300 ステージ
400 ヘッドユニット
500 ヘッド支持台
600 固定テーブル
700 重量測定装置
800 ガス調節バルブ
900 二流体制御部
910 液晶供給量制御部
920 ガス制御部
1100 ピストン
1200 液晶収納容器
1210 液晶
1220 液晶流入口
1230 液晶流出口
1240 切除部
1250 ガス供給路
1255 ガスタンク
1260 液晶供給路
1270 ヘッドユニット
1280 ピストンポンピング部
1290 一時液晶収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にガス供給路と液晶供給路が形成され、液晶供給路を通じて流入した液晶がノズル先端に液滴を形成するように構成され、ノズル先端にある液晶をガス供給路を通じて供給されるガスによって基板上に滴下するヘッドユニットと;
液晶収納容器から液晶を吸入して一時貯蔵する一時液晶収納部と;
前記一時液晶収納部から前記ノズル先端に供給される液晶の量を制御し、前記ノズル先端にある液晶を滴下するために必要なガスを調節する二流体制御部と;
を含むことを特徴とする、液晶滴下制御装置。
【請求項2】
前記二流体制御部は、
前記液晶供給路に供給される液晶の量を制御するための液晶供給量制御部と;
ガスタンクと前記ガス供給路との間に位置するガス調節バルブを制御するためのガス制御部と;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項3】
前記ガス制御部は、前記液晶供給量制御部から、予め設定された量の液晶の供給が完了したという信号を受信する毎に、予め設定された量のガスを供給制御することを特徴とする、請求項2に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項4】
前記ガス制御部は、前記液晶供給量制御部が予め設定された量の液晶を供給する時間の間に共に駆動して予め設定された量のガスを供給制御することを特徴とする、請求項2に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項5】
前記液晶供給量制御部は、前記ガス制御部がガスを供給している間に、予め設定された量の液晶供給を周期的に繰り返し行うことを特徴とする、請求項2に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項6】
前記ガス制御部は、前記液晶供給量制御部が液晶を供給している間に、予め設定された量の液晶が周期的に滴下されるようにガス供給を繰り返し制御することを特徴とする、請求項2に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項7】
前記ガス制御部は、前記液晶供給量制御部が液晶を供給している間に、予め設定された量の液晶が滴下されるようにガスを供給制御することを特徴とする、請求項2に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項8】
前記予め設定された液晶の量は、0.1mg〜0.8mgであることを特徴とする、請求項3ないし7のいずれか1項に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項9】
前記二流体制御部は、予め設定された量の液晶が供給されるようにした後、予め設定された量のガスを供給する方式で制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項10】
前記二流体制御部は、予め設定された量の液晶とガスが同時に供給されるように繰り返し制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項11】
前記二流体制御部は、ガス供給が継続するように制御し、その時間の間に、予め設定された量の液晶が周期的に供給されるように制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項12】
前記二流体制御部は、液晶を供給している間に、予め設定された量の液晶が周期的に滴下されるようにガス供給を繰り返し制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項13】
前記二流体制御部は、液晶を供給している間に、予め設定された量の液晶が滴下されるようにガスを共に供給制御することを特徴とする、請求項1に記載の液晶滴下制御装置。
【請求項14】
前記予め設定された液晶の量は、0.1mg〜0.8mgであることを特徴とする、請求項9ないし13のいずれか1項に記載の液晶滴下制御装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−123460(P2011−123460A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5038(P2010−5038)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(503259772)トップ エンジニアリング カンパニー,リミテッド (62)
【Fターム(参考)】