説明

液晶表示素子の駆動装置、液晶表示装置及び液晶表示素子の駆動方法

【課題】動画擬似輪郭をほとんど発生させず、色割れを改善して動画像でも高画質な液晶表示素子の駆動装置、液晶表示装置及び液晶表示素子の駆動方法を提供する。
【解決手段】サブフレームデータ作成部は、駆動階調の最大値nに対し所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき第1のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき第1と第(n/2+1)のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が増加する毎に駆動状態となるサブフレームが時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき第(n/2+1)のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき第1と第(n/2+1)のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ時間的に後に向かって増加していく駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル化した映像信号を入力信号として、1フレームを複数のサブフレームに分割して画像表示する液晶表示素子の駆動装置、液晶表示装置及び液晶表示素子の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置に用いられる液晶表示素子の駆動方式には、画素に印加される電圧値が連続的なアナログ値であるアナログ方式と、画素に印加する電圧の大きさを2値とし、画像の輝度(階調)に対応して、印加電圧の時間幅を変えることにより、液晶の画素に印加する実効電圧値を制御するデジタル方式がある。デジタル方式の場合、画素に印加されるのは0か1の情報のみであるため、ノイズ等の外部要因により影響を受け難いという特徴がある。
【0003】
デジタル方式においては、中間階調を得るために、サブフィールド法を用いるのが一般的である。サブフィールド法は、映像信号の1フィールド期間に駆動(発光)期間の相対比を異ならせた所定数のサブフィールドを用意し、表示する映像信号の階調に対応してサブフィールドを適宜選択して表示し、視聴者の視覚積分効果を利用して中間階調の表示を行うものである。
【0004】
サブフィールド法は、静止画表示の場合には、良好な表示画像を得られるものの、動画像表示時に擬似輪郭が発生することが知られている。擬似輪郭を解決する方法として、画像のデータが変化しても、発光の重心の変化をできるだけ生じさせないサブフィールドの配置の方法が検討されている。
特許文献1には、上位のビットに相当する部分は等しい重み付けの複数サブフィールド、下位ビットに相当する部分をバイナリ重み付けの複数のサブフィールドとして、1フィールド中の中央部にバイナリ重み付けの複数のサブフィールドを配置し、上位ビットに相当する部分の複数のサブフィールドをそれぞれ2分割し、バイナリ重み付けの複数のサブフィールドの両側に配置したサブフィールド法が記載されている。また、サブフィールド法を用いる場合に考慮すべき点として、色割れの問題がある。色割れは、面順次駆動の方式では主要な課題として検討されており、特許文献2にはDLP方式のプロジェクタにおいて、色割れ防止のためにフィールド周波数を上げることについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−171651号公報
【特許文献2】特開2006−171174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の画像表示装置における高解像度化、高コントラスト化等にともない、動画像表示時の擬似輪郭を一層低減させることが求められている。また、色割れ現象は、表示素子を3原色毎に用いる3板式でおいても改善すべき課題である。
本発明は、画質劣化の原因である動画擬似輪郭と色割れを改善し、高画質な画像を表示する液晶表示素子の駆動装置、液晶表示装置及び液晶表示素子の駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、N、M、F、Dを自然数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と、前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部と、
前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成し、1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、sが奇数の場合n=s+1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成するサブフレームデータ作成部とを備え、前記サブフレームデータに基づいて液晶表示素子を駆動することを特徴とする液晶表示素子の駆動装置を提供する。
【0008】
また本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、N、M、F、Dを自然数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と、前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部と、前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成し、1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、sが奇数の場合n=s−1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2+1)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成するサブフレームデータ作成部とを備え、前記サブフレームデータに基づいて液晶表示素子を駆動することを特徴とする液晶表示素子の駆動装置を提供する。
【0009】
また本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、以上のいずれかの構成の液晶表示素子の駆動装置と、前記駆動装置で駆動される液晶表示素子と、前記液晶表示素子に照明光を入射させる照明光学系と、前記液晶表示素子から射出された変調光を投射する投射レンズとを備えることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0010】
また本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換する第1のステップと、 前記第1のステップで処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する第2のステップと、前記第2のステップで処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換する第3のステップと、上記第3のステップで処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成するとともに、1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、sが奇数の場合n=s+1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成する第4のステップとを含むことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法を提供する。
【0011】
また本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換する第1のステップと、前記第1のステップで処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する第2のステップと、前記第2のステップで処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換する第3のステップと、上記第3のステップで処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成するとともに、1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、
sが奇数の場合n=s−1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2+1)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成する第4のステップと、を含むことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、画質劣化の原因である動画擬似輪郭と色割れを改善し、高画質な画像を表示する液晶表示素子の駆動装置、液晶表示装置及び液晶表示素子の駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】反射型液晶表示素子を用いた液晶表示装置を示す概略構成図である。
【図2】デジタル駆動の反射型液晶表示素子における各画素の駆動回路構成を示す図である。
【図3】反射型液晶表示素子の入力電圧と出力光の強度との関係を示す図である。
【図4】駆動回路(駆動装置)を示すブロック図である。
【図5】階調表現を説明するための図である。
【図6】誤差拡散図を示す図である。
【図7】誤差拡散フローを示す図である。
【図8】フレームレートコントロールフローを示す図である。
【図9】フレームレートコントロールテーブルを示す図である。
【図10】駆動パターンを示す図である。
【図11】第1の実施形態における駆動階調テーブルを示す図である。
【図12】従来のデジタル駆動での動画擬似輪郭の発生を説明するための図である。
【図13】駆動階調テーブル比較例1を示す図である。
【図14】駆動階調テーブル比較例2を示す図である。
【図15】駆動階調テーブル比較例1を用いた場合の動画擬似輪郭発生状態を説明するための図である。
【図16】駆動階調テーブル比較例2を用いた場合の動画擬似輪郭発生状態を説明するための図である。
【図17】第1の実施形態における駆動階調テーブルを用いた場合の動画擬似輪郭発生状態を説明するための図である。
【図18】駆動階調テーブル比較例1を用い、R、G、Bレベルが等しい場合の色割れ発生状態を説明するための図である。
【図19】駆動階調テーブル比較例1を用い、R、G、Bレベルが異なる場合の色割れ発生状態を説明するための図である。
【図20】第1の実施形態における駆動階調テーブルでの色割れ発生状態を説明するための図である。
【図21】第2の実施形態における駆動階調テーブルを示す図である。
【図22】第2の実施形態における駆動階調テーブルを用いた場合の動画擬似輪郭発生状態を説明するための図である。
【図23】第2の実施形態における駆動階調テーブルを用いた場合の色割れ発生状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像表示装置及びその駆動方法について、添付図面を参照して説明する。以下では表示パネルとしてアクティブマトリクス型の反射型液晶表示素子を備えた投射型表示装置を例にして説明する。まず、投射型表示装置および反射型液晶表示素子の概略構成について説明する。
【0015】
図1は、反射型液晶表示素子を用いた液晶表示装置を示す概略構成図である。液晶表示装置100は、概略、反射型液晶表示素子6、偏光ビームスプリッタ5(以下、PBSという)、投射レンズ11を含んで構成される。反射型液晶表示素子6は、対向電極(透明電極ともいう)10と、画素電極8との間に液晶9が封止された構造を有する。
【0016】
照明光学系1から射出したS偏光3とP偏光4を含む光2はPBS5に入射し、PBS5にて偏光分離される。S偏光3はPBS5の偏光分離面で反射され、反射型液晶表示素子6側に進行する。P偏光はPBS5の偏光分離面を透過する。反射型液晶表示素子6の液晶9は、画素回路7によって画素電極8と対向電極10の間に印加される電圧に応じて入射したS偏光を変調する。対向電極10に入射したS偏光は、画素電極8で反射して対向電極10から射出するまでの過程で変調を受け、P偏光とS偏光からなる光として対向電極10から射出される。対向電極10から射出された光は変調された光であるP偏光成分のみがPBS5を通過し、S偏光成分はPBS5で反射される。PBS5を通過したP偏光は投射レンズ11によって射出され、射出光12はスクリーン13上に投射されて画像が表示される。なお、後述する出力光の強度とは、スクリーン13上で測定した出力光の照度をいう。
【0017】
図2はデジタル駆動の反射型液晶表示素子6における各画素の駆動回路構成を示す図である。反射型液晶表示素子6の個々の画素は画素電極8と対向電極10の間に液晶9がはさまれた構造になっている。破線で示した画素回路7は、サンプルホールド部16と電圧選択回路17からなる。サンプルホールド部16はSRAM構造のフリップフロップよりなる。サンプルホールド部16は列データ線Dと行選択線Wとに接続されている。サンプルホールド部16の出力は電圧選択回路17へと接続されている。電圧選択回路17はブランキング電圧線V0、駆動電圧線V1に接続されている。電圧選択回路17は画素電極8へと接続され、画素電極8に所定の電圧を与える。対向電極10の電圧の値は共通電圧Vcomと呼ばれている。
【0018】
図3は反射型液晶表示素子6の入力電圧と出力光の強度との関係を示す図である。図3において、横軸は入力電圧であり、画素電極8と対向電極10との間の電位差、すなわち液晶9の駆動電圧を示す。縦軸は、液晶9から射出される出力光の強度を示す。液晶9から射出される出力光の強度が大きくなり始める電圧が闇値電圧Vthである。電圧が0(たとえば、画素電極8と対向電極がともにGND)のときは、出力光の強度が少なく、黒状態(ブランキング電圧)であり、出力光が飽和し始める電圧が飽和電圧Vw(白レベルである。)である。
【0019】
図4は駆動回路(駆動装置)を示すブロック図である。図5は階調表現を説明するための図であり、入力された映像信号データのビット数を8ビットとした場合における各プロセス部における階調表現の例を示している。図6は誤差拡散フローを示す図である。図7は誤差拡散図を示す図である。図8はフレームレートコントロールフローを示す図である。図9はフレームレートコントロールテーブルを示す図である。
【0020】
図4において、Nビットの入力された映像信号データは、ルックアップテーブル部21にて、Nより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換される。ここで、Mはサブフレーム数を2進数で表したときのビット数、Dは誤差拡散処理部23により補間されるビット数、Fはフレームレートコントロール部24により補間されるビット数を表している。なおN、M、F、Dは整数である。
【0021】
図5の例では、入力された映像信号データのビット数は8ビット(N=8)、誤差拡散処理部23にて補間されるビット数は4ビット(D=4)、フレームレートコントロール部24にて補間されるビット数は2ビット(F=2)としている。サブフレーム数を2進数で表した場合のビット数は4ビット(M=4)、駆動階調は12個(黒を含まない)としている。
【0022】
ここでルックアップテーブル部21の動作を説明する。一般的に映像信号はガンマ補正がかけられている。画像表示装置側ではガンマ補正がかけられた映像信号に対し逆ガンマ補正処理を施してリニアな階調に戻すことが必要である。逆ガンマ補正とは入力Xに対して出力がXの2.2乗となるような補正である。この場合、出力特性は「ガンマ2.2」であると以下表現する。ルックアップテーブル部21は反射型液晶表示素子6の入出力特性を変換してガンマ2.2の出力特性を有する液晶表示装置を実現する機能を担っている。ルックアップテーブルは、10ビットの出力が、任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるようにあらかじめ調整されている。例えば、後述する駆動階調テーブルにおける12個の駆動階調(黒を含まない)のそれぞれの駆動による画像を図1に示す液晶表示装置で投影し、スクリーン13上の照度を照度計等でそれぞれ測定しておく。それぞれの駆動階調間の照度を6ビット(M+D=6)(64階調)で直線補間することによって、0〜768の階調毎の照度データが予測される。それらの照度データから任意の出力特性(例えばガンマ2.2)となるような256個のデータを選び、あらかじめルックアップテーブルとして保持されているものとする。
【0023】
ルックアップテーブル部21は、256x10ビット(すなわち、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビット)のルックアップテーブルを有している。ここで、「2の8乗」階調x(4+2+4)ビットとは、「2のN乗」階調x(M+F+D)ビットに対してN=8、M=4、F=2、D=4の値を代入したものに相当する。ルックアップテーブル部21は、入力された8ビットの画像データを、10ビットのデータに変換して出力する。
【0024】
図4に戻り、ルックアップテーブル部21にて(M+F+D)ビットに変換された映像信号データは、誤差拡散部23により下位Dビットの情報を周辺画素に拡散することによって、(M+F)ビットのデータに変換される。図5の例では、変換された10ビットのデータは、誤差拡散部23にて、下位4ビットの情報を周辺画素に拡散し上位6ビットのデータに量子化して出力される。
【0025】
誤差拡散法とは、表示すべき映像信号と実表示値との誤差(表示誤差)を周辺の画素に拡散することで階調不足を補う方法である。第1の実施形態においては、表示すべき映像信号の下位4ビットを表示誤差とし、図6のように右隣の画素に表示誤差の7/16を、左下の画素に表示誤差の3/16を、直下の画素に表示誤差の5/16を、右下の画素に表示誤差の1/16を加える。
【0026】
誤差拡散部23の動作を図7でより詳しく説明する。ある座標の映像信号は上述のように誤差を拡散するとともに、以前の映像が拡散した誤差が加算される。入力された10ビットのデータは、まず、以前の映像が拡散した誤差が誤差バッファにより加算される。入力映像信号データは誤差バッファの値が加算された後、上位の6ビットと下位の4ビットに分割される。
【0027】
分割された下位の4ビットの値を以下に示す。右側の値は表示誤差である。
下位4ビット 表示誤差
0000 0
0001 +1
0010 +2
0011 +3
0100 +4
0101 +5
0110 +6
0111 +7
1000 −7
1001 −6
1010 −5
1011 −4
1100 −3
1101 −2
1110 −1
1111 0
【0028】
分割された下位の4ビットの値に対応する表示誤差は、図7のように誤差バッファへと加算され保持される。また、分割された下位の4ビットの値に対してスレッショルド比較を行ない、値が1000より大きい場合(上記の左部の値が1000である行以降の行)、上位6ビットの値に1が加算される。そして、上位の6ビットのデータが誤差拡散部から出力される。
【0029】
図4に戻り、誤差拡散部23にて(M+F)ビットに変換された映像信号データは、フレームレートコントロール部24に入力される。フレームレートコントロール部24はフレームレートコントロールテーブルを備えている。フレームレートコントロール部24では、下位Fビットの値と、画素の位置情報及びフレームのカウント情報から、フレームレートコントロールテーブル内の位置を特定し、その値(1または0の値、以下0/1と記載する。)が上位Mビットに加えられ、Mビットのデータに変換される。ここで、フレームレートコントロール方式とは、表示素子の1画素の表示に対してm(m:m≧2、自然数)フレームを1周期として、その周期のn(n:n>0、m>n、自然数)フレームではオン表示を行ない、残りの(m−n)フレームではオフ表示を行うことにより疑似的に階調を表示させる方式である。
【0030】
図5の例では、誤差拡散部23により出力された6ビットのデータは、フレームレートコントロール部24に入力される。フレームレートコントロール部24は、下位2ビットの情報と、表示エリアでの位置情報およびフレームカウンタ情報より、フレームレートコントロールテーブルから0/1の値を導き、入力された6ビットから分離された上位4ビットの値に加算する。
【0031】
フレームレートコントロール部24の動作を図8で具体的に説明する。入力された6ビットのデータは、上位の4ビットと下位の2ビットに分割される。入力された6ビットデータの下位2ビットと、画素の表示エリアでの位置情報(すなわち、座標データであるX座標の下位ビットおよびY座標の下位2ビット)と、フレームカウンタの下位2ビットとの合計8ビットの値を用いて、図9のフレームレートコントロールテーブルで示される“0”か“1”の値を特定する。特定された“0”か“1”の値は上位4ビットのデータに加算して、4ビットデータとして出力される。
【0032】
図5に戻り、フレームレートコントロール部24から出力された4ビットデータは図4で示されているリミッタ部25にて駆動階調の最大値である12に制限された後、サブフレームデータ作成部26にて、反射型液晶表示素子6へ転送されるべき12ビットのデータに変換される。12ビットのデータへの変換は駆動階調テーブル27を使用する。
【0033】
図4に戻り、サブフレームデータ作成部26から出力された12ビットのデータは、メモリ制御部28にて、サブフレーム毎に分割されたフレームバッファ29に格納される。フレームバッファ29はダブルバッファの構造になっており、フレームバッファ0にデータを格納中は、フレームバッファ1のデータがデータ転送部を経由して反射型液晶表示素子6に転送されることになり、次のフレームでは、前フレーム期間中に格納されたフレームバッファ0のデータがデータ転送部30を経由して液晶表示素子6に転送され、フレームバッファ1には入力された映像信号データのサブフレームデータ作成部26からの出力データが格納される。
【0034】
駆動制御部31は、サブフレーム毎の処理のタイミング等を制御しており、データ転送部30への転送指示およびゲートドライバ34の制御を行う。データ転送部30は、駆動制御部31からの指示に従い、メモリ制御部28に指示を行ない、指定したサブフレームのデータをメモリ制御部28から受け取りソースドライバ33へと転送する。ソースドライバ33は、1ライン分のデータをデータ転送部30より受け取る毎に、反射型液晶表示素子6の対応する画素回路7へ列データ線D0−Dnを用いて同時に転送する。この時、ゲートドライバ34では、駆動制御部31からの垂直スタート信号(VST)/垂直シフトクロック信号(VCK)により指定された行の行選択線Wyをアクティブにし、指定された行yの全ての列の画素へとデータが転送される。
【0035】
図10は駆動パターンを示す図である。図10は、映像信号が1秒あたり60フレーム、サブフレーム数が12個の場合について示している。WCは液晶表示素子内の全ての画素にサブフレーム毎のデータを転送するデータ転送期間(WC期間)を表している。DCは、液晶を駆動する際の駆動期間(DC期間)を表している。WC期間は694[μs]、DC期間を694[μs]としている。1フレームにおいて、WC期間とDC期間が交互に12回連続する。時間的に先頭からSF1、SF2、…、SF11、SF12の順番でそれぞれのサブフレームに割り当てられた0または1のデータがWC期間にて転送され、DC期間全ての画素の液晶が駆動される。画素内にサンプルホールドされたデータが0の場合は、その画素はブランキング状態となり、1の場合は駆動状態となる。
【0036】
<第1の実施形態>
図11は第1の実施形態における駆動階調テーブルを示す図である。
図11は、図10と同様に映像信号は1秒あたり60フレーム、サブフレーム数が12個、データ転送期間(WC期間)は694[μs]、駆動期間(DC期間)を694[μs]としている。図11は連続する2つのフレーム(フレームA、フレームB)における、駆動階調に対するサブフレーム毎のDC期間の状態を示している。図11の縦の欄の階調とは、フレームレートコントロール部24で得た4ビットのデータであってリミッタ部25にて駆動階調の最大値である12で制限されたものである。SF1−SF12は1フレーム内のサブフレームの順番を表している。DC期間の欄が1の場合は駆動状態であることを示す。DC期間の欄が0の場合はブランク状態であることを示す。
【0037】
図11において、フレームAでは縦の欄に示す階調が1の場合、第1のサブフィールドであるSF1のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF1とSF7だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF1、SF2、SF7が駆動状態、階調が4の場合、SF1、SF2、SF7、SF8が駆動状態となる。以下、階調の数が増える高くなる毎に駆動状態となるサブフレームが増えていき、最も高い階調である12の場合、全てのサブフレームが駆動状態となる。言い換えると、階調の数が増えるにしたがい、駆動状態となるサブフレームがSF1とSF7を起点として時間的に後方に増えていく。
【0038】
フレームBでは、階調が1の場合、第7のサブフィールドであるSF7のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF1とSF7だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF1、SF7、SF8が駆動状態、階調が4の場合、SF1、SF2、SF7、SF8が駆動状態となる。以下、階調の数が増える高くなる毎に駆動状態となるサブフレームが増えていき、最も高い階調である12の場合、全てのサブフレームが駆動状態となる。言い換えると、階調の数が増えるにしたがい、駆動状態となるサブフレームがSF7とSF1を起点として時間的に後方に増えていく。このようにして、SF1が最初に駆動状態になるフレームAとSF7が最初に駆動状態となるフレームBが交互に出現するような階調駆動テーブルに設定する。言い換えると、SF1が最初に駆動状態になるフレームとSF7が最初に駆動状態となるフレームとをフレーム毎に入れ替えるような階調駆動テーブルに設定する。
【0039】
図10、図11での特徴は、動画擬似輪郭の原因となるバイナリビットパルスを用いず、すべて同じ幅のステップビットパルスを用いている点である。バイナリビットパルスとは各サブフィールドに対して重みが2n (n=0、1、2、3…)で表されるいわゆる“バイナリの重み付け”を行うものである。パルス幅の比が1、2、4、8、16のパルスがあるような場合、パルス幅の比が[2、16]のパルスを駆動状態とし、[1、4、8]のパルスをブランキング状態とすることにより、輝度“18”を表現することができる。この例では、5個のパルスで、31レベルの輝度を表現でき、少ないパルス数でも、多くの階調を表現することが可能である。一方、ステップビットパルスとは、1、2、4、8、16のバイナリビットパルスがある場合、32、32、32、32、32、32、32のような同じ重み付けのパルスのことをいう。すべてバイナリビットパルスにする場合と比較して、ステップビットパルスを併用することで動画擬似輪郭を軽減する効果がある。
【0040】
図12は、従来のデジタル駆動での動画擬似輪郭の発生を説明するための図である。従来のデジタル駆動の場合、階調を多く表現するために、バイナリビットパルスを用いる必要がある。動画擬似輪郭とは、隣り合った画素の似たような階調において、片方の画素でのバイナリビットパルスの多くが駆動状態であり、もう片方の画素でのバイナリビットパルスの多くがブランキング状態である場合、視線を動かした時や、顔のアップ等の画像が動いたときに、意図しない輝度が眼で知覚されることをいう。
【0041】
図12(a)〜(c)は、画素の表示状態を表わしており、それぞれ上の図に対し中の図が時間的に次の表示状態を表わしており、一番下の図はこれらの画素を連続して見た場合に視聴者が知覚する輝度レベルを表わしている。図12(a)〜(c)の画素は左半分が輝度レベル127、右半分が輝度レベル128となっている。図12(a)は表示画素が移動しない場合、図12(b)は、1フレーム間で表示画像が2画素分左側に移動した場合、図12(c)は、1フレーム間で表示画像が2画素分右側に移動した場合を表わす。
【0042】
図12(a)では表示画素が移動しないので、視聴者は本来の輝度レベルを知覚できる。図12(b)では表示画素が左方向に移動したため、視聴者は輝度レベル127と128の境界付近に極端に低い輝度レベルを知覚してしまう。また、図12(c)では表示画素が右方向に移動したため、視聴者は輝度レベル127と128の境界付近に極端に高い輝度レベルを知覚してしまう。このように本来の輝度とは極端に異なる輝度変化を知覚し、あたかも輪郭があるように見えてしまう現象を擬似輪郭と呼ぶ。
この現象は、特に、人物の顔が動いたときのような場合に、顔の輪郭に沿って等高線のような線が浮かび上がってしまい、画質劣化の原因であった。
【0043】
以下、本実施形態における動画擬似輪郭と色割れの発生状態を、他の駆動階調テーブルを用いた場合と比較して説明する。図13に駆動階調テーブル比較例1を、図14に駆動階調テーブル比較例2を示す。
図13のフレームAの駆動階調テーブルは縦の欄に示す階調が1の場合、第1のサブフィールドであるSF1のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF1とSF2だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF1、SF2、SF3が駆動状態、階調が4の場合、SF1、SF2、SF7、SF8が駆動状態となる。以下、階調の数が増える高くなる毎に駆動状態となるサブフレームが増えていき、最も高い階調である12の場合、全てのサブフレームが駆動状態となる。言い換えると、階調の数が増えるにしたがい、駆動状態となるサブフレームがSF1を起点として時間的に後方に増えていく。連続するフレームBもフレームAと同様のテーブルとなる。
図13の駆動階調テーブル比較例1を用いた場合の擬似輪郭発生状況を図15に示す。図15は輝度レベルが水平方向で段階的に変化する映像において、図12と同様に上の図に対し中の図が時間的に次の表示状態を表わしており、1フレーム間で表示画像が2画素分左側に移動した状態を表わしている。一番下の図はこれらの画素を連続して見た場合に視聴者が知覚する輝度レベルを表わしている。視聴者が知覚する輝度レベルが著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されない。
【0044】
図14の駆動階調テーブルは、図11で説明した本実施形態における駆動階調テーブルの、フレームAに相当するテーブルが連続したものである。
図14の駆動階調テーブル比較例2を用いた場合の擬似輪郭発生状況を図16に示す。図16は輝度レベルが水平方向で段階的に変化する映像において、図12と同様に上の図に対し中の図が時間的に次の表示状態を表わしており、1フレーム間で表示画像が2画素分左側に移動した状態を表わしている。一番下の図はこれらの画素を連続して見た場合に視聴者が知覚する輝度レベルを表わしている。図14の場合と同様に、視聴者が知覚する輝度レベルが著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されない。しかし、明るさの変化が不均一になってしまっている。
【0045】
図11で説明した本実施形態における駆動階調テーブルを用いた場合の擬似輪郭発生状況を図17に示す。図17では、図15の場合と同様に、視聴者が知覚する輝度レベルが著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されなず、明るさの変化も均一になっている。
【0046】
次に、色割れの発生状況について図を用いて説明する。
図18は図13に示す駆動階調テーブル比較例1を用いて、R、G、Bが同じレベルの画像を表示させたときの色割れ発生状況を表わしている。図18は上の図に対し中の図が時間的に次の表示状態を表わしており、一番下の図はこれらの画素を連続して見た場合に視聴者が知覚する画像を表わしている。視聴者が知覚する画像の内、aの範囲が本来表示されている画像である。bとcの範囲では画像が表示されていない領域も知覚することになり、aと比較すると輝度が低い画像が知覚される。しかし、視聴者の知覚する画像はR、G、Bが常に等しいレベルになっているため、領域aと同様に、領域bやcでも色が付いていると知覚されることはない。
【0047】
図19は図13に示す駆動階調テーブル比較例1を用いて、R、G、Bが異なるレベルの画像を表示させたときの色割れ発生状況を表わしている。
図19で、aの範囲が本来表示されている画像である。bの範囲はR成分とG成分だけの画像となり、cの範囲はR成分だけの画像となる。このように、フレーム間で画像が移動したり、視聴者の視線が移動した場合に、エッジ部分に本来ない色が知覚されることを色割れという。ここではフレーム間で2画素分、画素が移動した場合を例示したが、画素の移動量が多いほど、色が付く範囲は広くなり、色割れによる影響は大きくなる。
【0048】
図11に示す本実施形態による駆動階調テーブルを用いて、図19の場合と同様にR、G、Bが異なるレベルの画像を表示させたときの色割れ発生状況を図20に示す。
図20では図19と比較して、R成分とG成分だけの画像領域bやR成分だけの画像領域cが大幅に小さくなっており、色割れが改善されていることがわかる。
【0049】
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、駆動階調テーブルが第1の実施形態と異なる以外は第1の実施形態と同じである。以下、第1の実施形態と同じまたは類似の内容については同じ記号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態における駆動階調テーブルを図21に示す。
【0050】
図21において、フレームAでは縦の欄に示す階調が1の場合、第12のサブフィールドであるSF12のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF6とSF12だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF6、SF11、SF12が駆動状態、階調が4の場合、SF5、SF6、SF11、SF12が駆動状態となる。以下、階調の数が増える高くなる毎に駆動状態となるサブフレームが増えていき、最も高い階調である12の場合、全てのサブフレームが駆動状態となる。言い換えると、階調の数が増えるにしたがい、駆動状態となるサブフレームがSF12とSF6を起点として時間的に前方に増えていく。
【0051】
フレームBでは、階調が1の場合、第6のサブフィールドであるSF6のみが駆動状態となる。階調が2の場合、SF6とSF12だけが駆動状態となる。階調が3の場合、SF5、SF6、SF12が駆動状態、階調が4の場合、SF5、SF6、SF11、SF12が駆動状態となる。以下、階調の数が増える高くなる毎に駆動状態となるサブフレームが増えていき、最も高い階調である12の場合、全てのサブフレームが駆動状態となる。言い換えると、階調の数が増えるにしたがい、駆動状態となるサブフレームがSF6とSF12を起点として時間的に前方に増えていく。このようにして、SF12が最初に駆動状態になるフレームAとSF6が最初に駆動状態となるフレームBが交互に出現するような階調駆動テーブルに設定する。言い換えると、SF6が最初に駆動状態になるフレームとSF12が最初に駆動状態となるフレームとをフレーム毎に入れ替えるような階調駆動テーブルに設定する。
【0052】
図21で説明した本実施形態における駆動階調テーブルを用いた場合の擬似輪郭発生状況を図22に示す。図22では、第1の実施形態の場合と同様に、視聴者が知覚する輝度レベルが著しく変化しないため、動画擬似輪郭はほとんど知覚されず、明るさの変化も均一になっている。
本実施形態による駆動階調テーブルを使って、図19と同様にR、G、Bが異なるレベルの画像を表示させたときの色割れ発生状況を図23に示す。
図23では第1の実施形態と同様に、図19と比較してR成分とG成分だけの画像領域bやR成分だけの画像領域cが大幅に小さくなっており、色割れが改善されていることがわかる。
【0053】
第1、第2の実施形態において、入力された映像信号データのビット数をN、表示素子の駆動可能な階調数を2進数で表したときのビット数をM、誤差拡散処理により誤差として拡散されるビット数をD、フレームレートコントロールにより擬似的な階調として表現されるビット数をFとしたとき、N=8、M=4、 D=4、F=2である場合について説明した。しかし、N、M、D、Fの値は上記の値に限定されず、種々の値を用いて実施することができる。そのなかでも、N=8〜12、M=4〜6、D=4〜8、F=2〜3であることがより好ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 照明光学系、2 光、3 S偏光、4 P偏光、
5 偏光ビームスプリッタ(PBS)、6 反射型液晶表示素子
7 画素回路、8 画素電極、9 液晶、10 対向電極(透明電極)、
11 投射レンズ、12 射出光、13 スクリーン、
16 サンプルホールド部、17 電圧選択回路、
21 ルックアップテーブル部、
23 誤差拡散部、24 フレームレートコントロール部、
25 リミッタ部、26 サブフレームデータ作成部、
27 駆動階調テーブル、28 メモリ制御部、29 フレームバッファ、
30 データ転送部、31 駆動制御部、32 電圧制御部、
33 ソースドライバ、34 ゲートドライバ
100 液晶表示装置、102駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N、M、F、Dを自然数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、
前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と、
前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部と、
前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成し、
1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、
sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、
sが奇数の場合n=s+1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成するサブフレームデータ作成部とを備え、
前記サブフレームデータに基づいて液晶表示素子を駆動することを特徴とする液晶表示素子の駆動装置。
【請求項2】
N、M、F、Dを自然数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換するルックアップテーブル部と、
前記ルックアップテーブル部で処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する誤差拡散部と、
前記誤差拡散部で処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換するフレームレートコントロール部と、
前記フレームレートコントロール部で処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成し、
1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、
sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、
sが奇数の場合n=s−1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2+1)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成するサブフレームデータ作成部とを備え、
前記サブフレームデータに基づいて液晶表示素子を駆動することを特徴とする液晶表示素子の駆動装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の液晶表示素子の駆動装置と、
前記駆動装置で駆動される液晶表示素子と、
前記液晶表示素子に照明光を入射させる照明光学系と、
前記液晶表示素子から射出された変調光を投射する投射レンズと
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換する第1のステップと、
前記第1のステップで処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する第2のステップと、
前記第2のステップで処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換する第3のステップと、
上記第3のステップで処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成するとともに、
1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、
sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、
sが奇数の場合n=s+1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき1番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2+1)番目、(n/2+2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が更に増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に後に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき1番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき1番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき1番目、2番目、(n/2)番目、(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に後に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成する第4のステップと
を含むことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法。
【請求項5】
N、M、F、Dを整数としたときに、ビット数Nの入力映像信号データを逆ガンマ補正および直線補間を行ってNより大きい(M+F+D)ビットのデータに変換する第1のステップと、
前記第1のステップで処理された(M+F+D)ビットのデータを誤差拡散処理により(M+F)ビットのデータに変換する第2のステップと、
前記第2のステップで処理された(M+F)ビットのデータをフレームレートコントロールによりMビットのデータに変換する第3のステップと、
上記第3のステップで処理されたMビットのデータを用いるとともに、ステップビットパルスにより全サブフレームを構成するとともに、
1フレーム内のサブフレーム数を自然数sとしたとき、
sが偶数の場合n=sとし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2)番目、(n/2−1)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替え、
sが奇数の場合n=s−1とし、所定のフィールドにおいては、駆動階調が1のときs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のときs番目と(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のときs番目、(s−1)番目、(n/2)番目、(n/2−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームに対し、時間的に前に向かって増加していき、前記所定のフィールドの次のフィールドにおいては、駆動階調が1のとき(n/2+1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が2のとき(n/2+1)番目とs番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が3のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調が4のとき(n/2+1)番目、(n/2)番目、s番目、(s−1)番目のサブフレームが駆動状態となり、駆動階調がさらに増加する毎に駆動状態となるサブフレームが1個ずつ既に駆動状態となっているサブフレームの時間的に前に向かって増加していくようにフレーム毎に駆動順序を入れ替える駆動階調テーブルによりサブフレームデータを作成する第4のステップと、
を含むことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−92548(P2013−92548A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232638(P2011−232638)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】