説明

液晶表示装置および液晶表示装置のLEDバックライト制御方法

【課題】本発明では、LEDバックライトの輝度を動的に変化させた際に生じうる画面表示の不自然さや視聴者に与える不快感などを解決する機能を備えた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
出力する映像の輝度入力階調のヒストグラムを取得し、連続する前後のフレームのヒストグラムを比較処理することで、出力映像にシーンチェンジがあったか判断する。そして、シーンチェンジがあったと判断すると、シーンチェンジ直後のフレームのAPL(平均画素値)に応じて、シーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を制御するよう構成される液晶表示装置などを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDバックライトを備えた液晶表示装置に関し、特に、映像シーンに応じてLEDバックライトの輝度変化を調整する機能を備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動的に輝度を切り替えることが可能なLEDバックライトを備えた液晶表示装置がある。このような液晶表示装置は、LEDバックライトの輝度を動的に切り替えることで、画面に出力する映像の明るさを調節することができる。実際には、LEDバックライトと、LCDを組み合わせて、各画素の輝度を適切に調節している。
【0003】
ここで、LEDバックライトの輝度を動的に変化させた場合、以下のような問題が生じうる。
【0004】
LEDバックライトの輝度はフレームごとに調節可能であるが、短時間に連続的にLEDバックライトの輝度が急激に変化してしまうと、それに伴い、画面上の明るさがパカパカ変化してしまい、視聴者に違和感、不快感を与えてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、前記問題を解決する手段として、LEDバックライトの輝度変化をゆっくり行うように構成することが考えられる。具体的には、各フレーム間のLEDバックライトの輝度変化量を一律に制限する手段などが考えられる。しかしながら、前記のように構成した場合、映像のシーンチェンジなどを伴うフレーム間においてもLEDバックライトの輝度変化量を制限することとなってしまう。かかる場合、画面の明るさが一気に切り替わるシーンチェンジの時など(例:朝のシーンから夜のシーンへの切り替わるシーンチェンジ、など)において、画面に出力される映像が切り替わっても、画面の明るさがゆっくりと切り替わってしまうという不都合が生じうる。すなわち、画面上の映像の切り替わりと、輝度の切り替わりがミスマッチングになってしまい、不自然な映像になってしまうという問題がある。
【0006】
なお、映像表示装置の光源の輝度が変化することによる表示の違和感を解消するように構成した発明として、特許文献1のようなものがある。しかしながら、特許文献1の発明は、光源の輝度が急激に変化することによる表示の違和感を解消することを解決課題としており、光源の輝度の変化をゆっくり行うように構成した際に生じうる前記問題を解決可能には構成されていない。
【特許文献1】特開2002−357810
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明では、LEDバックライトの輝度を動的に変化させた際に生じうる前記問題を解決する機能を備えた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段として、以下のような発明などを提供する。
【0009】
出力する映像の輝度入力階調のヒストグラムを取得し、連続する前後のフレームのヒストグラムを比較処理することで、出力映像にシーンチェンジがあったか判断するよう構成し、さらに、シーンチェンジがあったと判断すると、シーンチェンジ直後のフレームの映像のAPL(平均画素値)に応じて、シーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を制御するよう構成する液晶表示装置などを提供する。
【0010】
具体的には、以下のような発明を提供する。
【0011】
第一発明では、輝度可変型のLEDバックライトを備えるバックライト部と、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するシーンチェンジ判断部と、シーンチェンジ判断部での判断結果が、シーンチェンジがあったとの判断結果である場合に、後フレームの入力映像信号のAPLである後APLを取得する後APL取得部と、後APLに応じてシーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールを保持する第一輝度変化ルール保持部と、後APL取得部で取得された後APLに応じた輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をする第一バックライト制御部と、からなる液晶表示装置を提供する。
【0012】
第二発明では、第一発明を基本とし、さらに、シーンチェンジ判断部は、連続する前後フレームの入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラム差分情報を取得するヒストグラム差分情報取得手段と、取得したヒストグラム差分情報を利用して連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するヒストグラム差分情報判断手段と、を有する液晶表示装置を提供する。
【0013】
第三発明では、第一発明または第二発明を基本とし、さらに、輝度変化ルール保持部で保持されている輝度変化ルールは、シーンチェンジ前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、シーンチェンジ後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、のミキシング率を後APLに応じて定めたものである液晶表示装置を提供する。
【0014】
第四発明では、第一発明から第三発明のいずれか一を基本とし、さらに、シーンチェンジがなかったとの判断結果である場合のその後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールとして、前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、のミキシング率の固定値である固定ミキシング率を保持する第二輝度変化ルール保持部と、前記シーンチェンジ判断部での判断結果がシーンチェンジでないとの判断結果である場合に、第二輝度変化ルール保持部が保持する輝度変化ルールに基づき、後フレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をする第二バックライト制御部を有する液晶表示装置を提供する。
【0015】
第五発明では、輝度可変型のLEDバックライトを備えるとともに、後APLに応じてシーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールを保持する液晶表示装置のLEDバックライト制御方法であって、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するシーンチェンジ判断ステップと、シーンチェンジ判断ステップでの判断結果が、シーンチェンジがあったとの判断結果である場合に、後フレームの入力映像信号のAPLである後APLを取得する後APL取得ステップと、後APL取得ステップで取得された後APLに応じた輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際してLEDバックライトの輝度変化を制御する第一バックライト制御ステップと、からなる液晶表示装置のLEDバックライト制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の液晶表示装置により、出力映像に応じて、LEDバックライトの輝度変化を適切に制御することが可能になる。その結果、映像の明るさが急激に変化しないようなシーンにおいては、LEDバックライトの輝度変化をゆるやかにすることで、画面の明るさが急激にパカパカ変化する違和感、不快感を解消することができる。
【0017】
また、映像の明るさが急激に変化するようなシーンにおいては(例:シーンチェンジの時など)、LEDバックライトの輝度変化をある程度急激にすることで、画面上の映像の切り替わりと、輝度の切り替わりがミスマッチングになることで生じうる不自然な映像を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうる。
<概要>
【0019】
本実施形態の液晶表示装置は輝度可変型のLEDバックライトを備えている。また、画面に出力する映像の連続する前後のフレームを比較処理することで、比較した2つのフレーム間においてシーンチェンジがあるか判断する機能を有する。
【0020】
そして、図1(A)に示すように、シーンチェンジがないフレーム間においては、LEDバックライトの輝度を緩やかに変化させる。具体的には、当該フレーム間におけるLEDバックライトの輝度の変化量を小さくする。このように構成することで、シーンチェンジがない場合、画面の明るさが急激に変化することはない。
【0021】
一方、図1(B)に示すように、シーンチェンジがあるフレーム間においては、LEDバックライトの輝度をある程度急激に変化させる。具体的には、当該フレーム間におけるLEDバックライトの輝度の変化量をある程度大きくする。このように構成することで、シーンチェンジがある場合は、画面の明るさがある程度急激に変化する。
<機能的構成>
【0022】
図2は、本実施形態の液晶表示装置の機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように本実施形態の「液晶表示装置」(0200)は、「バックライト部」(0201)と、「シーンチェンジ判断部」(0202)と、「後APL取得部」(0203)と、「第一輝度変化ルール保持部」(0204)と、「第一バックライト制御部」(0205)とを有する。なお、「シーンチェンジ判断部」(0202)は、「ヒストグラム差分情報取得手段」と「ヒストグラム差分情報判断手段」を有してもよい。さらに、「第二輝度変化ルール保持部」(0206)と、「第二バックライト制御部」(0207)と、を有してもよい。
【0023】
なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやRAM、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザインターフェースなどが挙げられる。
【0024】
またこれらハードウェアやソフトウェアは、RAM上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記憶媒体に固定した記憶媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0025】
以下、本実施形態の「液晶表示装置」(0200)の、「バックライト部」(0201)、「シーンチェンジ判断部」(0202)、「後APL取得部」(0203)、「第一輝度変化ルール保持部」(0204)、「第一バックライト制御部」(0205)、「シーンチェンジ判断部」(0202)の「ヒストグラム差分情報取得手段」と「ヒストグラム差分情報判断手段」、「第二輝度変化ルール保持部」(0206)、「第二バックライト制御部」(0207)の機能的構成について説明する。
【0026】
「液晶表示装置」(0200)は、TVチューナを介して放送コンテンツを取得すると、取得したデータを分離、デコード処理などした後、画面とスピーカーを介して映像と音声を出力するよう構成されている。なお、外部機器(DVDプレーヤ、など)と接続可能に構成しておき、外部機器(DVDプレーヤ、など)からコンテンツを取得するように構成してもよい。または、インターネットに接続可能に構成しておき、インターネットを介してサーバなどからコンテンツを取得するように構成してもよい。
【0027】
「バックライト部」(0201)は、輝度可変型のLEDバックライトを備えるよう構成されている。LED(発光ダイオード)は、電流を流すと発光する半導体素子であり、流す電流値に応じて発する光の強さ(輝度)が変化する。バックライト部(0201)は、前記のように輝度を動的に変化させることが可能なLEDバックライトを備え、フレームごとに取得する「輝度階調を特定した入力信号」に応じて、それぞれのフレームの映像をそれぞれの輝度で光らすよう構成されている。
【0028】
なお、LEDバックライトの輝度を何階調に分解するかは任意の設計事項である。また、LEDバックライトのすべてのLEDの輝度を一律に変化させることで、液晶画面のすべてのエリアの明るさを一律に変化させるように構成してもよいし、または、規則正しく配列されたLEDの輝度をLEDごとに変化させることで、LEDの配列に応じた液晶画面の複数のエリアごとに変化させるように構成してもよい。
【0029】
「シーンチェンジ判断部」(0202)は、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するよう構成されている。シーンチェンジがあったか判断する手段としては、例えば、取得する各フレームの入力映像信号の中に、その旨を示す情報が付されている場合には、その情報を識別することで、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断してもよい。
【0030】
または、連続する前後フレームの入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラム差分情報を利用して、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断してもよい。当該構成は、「ヒストグラム差分情報取得手段」と「ヒストグラム差分情報判断手段」により実現することができる。以下、これらの構成について説明する。
【0031】
「ヒストグラム差分情報取得手段」は、連続する前後フレームの入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラム差分情報を取得するよう構成されている。「入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラム」とは、一つのフレームの映像中における画素の輝度値の分布図である。以下、単に「輝度ヒストグラム」という。参考までに、図3(A)に、輝度ヒストグラムの一例を示す。縦軸は「画素数」、横軸は「輝度入力階調」を示す。なお、図3(A)の輝度ヒストグラムはあくまで一例であり、横軸の輝度入力階調の階調の数はこれに制限されるものではない。例えば、輝度を「0〜255」の階調に分解した場合には、横軸は「0〜255」の階調に分けられることとなる。
【0032】
ヒストグラム差分情報取得手段は、連続する前後フレームの輝度ヒストグラムの差分情報を取得するよう構成されている。具体的には、図3(A)、(B)に示すような連続する前後フレームの輝度ヒストグラムを利用し、輝度入力階調ごとに画素数の差の絶対値を求めた差分情報(図3(C)参照)を取得する。ヒストグラム差分情報取得部(0202)は、液晶表示装置の画面に出力する複数のフレームのすべての連続する前後フレーム間の差分情報を取得するよう構成される。ヒストグラム差分情報を取得するタイミングとしては、入力映像信号を取得した後で、連続する前後フレームの後フレームの映像を画面に出力する前であれば特段制限されない。
【0033】
「ヒストグラム差分情報判断手段」は、取得したヒストグラム差分情報を利用して、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するよう構成されている。具体的には、連続する前後フレーム間で取得されるヒストグラム差分情報のそれぞれを個別に利用し、そのヒストグラム差分情報の基となる連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断する。ここで、「ヒストグラム差分情報の基となる連続する前後フレーム」とは、そのヒストグラム差分情報を算出するための基となる輝度ヒストグラムを提供した連続する前後フレームであり、例えば、図3(C)のヒストグラム差分情報の基となる連続する前後フレームは、図3(A)、(B)の輝度ヒストグラムを提供した二つのフレームが該当する。
【0034】
ここで、ヒストグラム差分情報を利用してシーンチェンジがあったか判断する具体的手段としては、例えば、「ヒストグラム差分情報を取得すると(図3(C)参照)、まず、画素数の和を算出する。次に、算出した和とあらかじめ保持している所定値を大小比較する。そして、算出した和が所定値より大きい場合にシーンチェンジがあったと判断する。一方、算出した和が所定値より小さい場合にはシーンチェンジがなかったと判断する。」という手段であってもよい。なお、前記「所定値」は任意の設計事項であるが、「所定値」の設計次第では、シーンチェンジがある連続する前後フレーム間を検出するだけでなく、所定値以上の輝度変化がある前後フレーム間を検出することも可能である。
【0035】
「後APL取得部」(0203)は、シーンチェンジ判断部での判断結果が、シーンチェンジがあったとの判断結果である場合に、後フレームの入力映像信号のAPL(平均画素値)である後APLを取得するよう構成されている。具体的には、後APL取得部(0205)は、シーンチェンジ判断部(0202)からシーンチェンジがあったとの判断結果を取得すると、シーンチェンジがあった連続する前後フレーム間を識別し、その連続する前後フレームの後のフレームの入力映像信号のAPLを、演算処理などして取得する。すなわち「後APL」とは、シーンチェンジ判断部(0202)でシーンチェンジがあったと判断されたフレーム間を構成する連続する前後フレームのうちの、後のフレームの入力映像信号のAPLである。
【0036】
以下、連続する前後フレームのうちの、前のフレームを「前フレーム」、後のフレームを「後フレーム」といい、特に、シーンチェンジ判断部(0202)でシーンチェンジがあったと判断されたフレーム間を構成する連続する前後フレームのうちの、前フレームを「シーンチェンジ前フレーム」、後フレームを「シーンチェンジ後フレーム」という。
【0037】
なお、後APL取得部(0203)が後APLを取得するタイミングとしては、シーンチェンジ判断部(0202)からシーンチェンジがあったとの判断結果を取得した後で、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する前であれば特段制限されない。
【0038】
「第一輝度変化ルール保持部」(0204)は、後APLに応じてシーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールを保持するよう構成されている。「輝度変化ルール」としては、例えば、シーンチェンジ前フレームの実際のバックライトの輝度階調から、バックライト部(0201)に入力されたシーンチェンジ後フレームのバックライトの輝度入力階調に至るまでの所要時間を、後APLに応じて定めたものであってもよい。
【0039】
または、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調を、シーンチェンジ前フレームの映像を画面に出力している際の実際のLEDバックライトの輝度である「前バックライト輝度階調」と、シーンチェンジ後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である「後バックライト輝度入力階調」と、のミキシング率で決定するようなルールであって、前記ミキシング率を後APLに応じて定めたもの(以下、「後APL毎ミキシング率ルール」という)であってもよい。
【0040】
「前バックライト輝度階調」とは、シーンチェンジ前フレームの映像を画面に出力している際の実際のLEDバックライトの輝度である。当該概念は、シーンチェンジ前フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度(例:入力映像信号から算出した全画素の平均輝度階調、など)とは異なる。
【0041】
「後バックライト輝度入力階調」とは、シーンチェンジ後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度であり、例えば、入力映像信号を基に算出した全画素の平均輝度階調などとすることができる。なお、入力映像信号に応じてLEDバックライトの輝度を定める手段については、任意の設計事項である。
【0042】
すなわち、後APL毎ミキシング率ルールは、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調を、「前バックライト輝度階調」と「後バックライト輝度入力階調」とを所定のミキシング率で混ぜ合わせた輝度階調に決定することで、「前バックライト輝度階調」から「後バックライト輝度階調」への輝度変化を定めるルールである。
【0043】
具体的には、当該ルールによれば、「前バックライト輝度階調」が100/256階調、「後バックライト輝度入力階調」が200/256階調であって、ミキシング率が「前バックライト輝度階調」:「後バックライト輝度入力階調」=80:20であった場合には、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調は、(100×0.8+200×0.2)=120/256階調となる。
【0044】
すなわち、「前バックライト輝度階調」から「後バックライト輝度階調」への輝度変化は、「100/256階調」から「120/256階調」に定められる。
【0045】
このようにした場合、ミキシング率を適当に調整することで、シーンチェンジ前フレームの映像からシーンチェンジ後フレームの映像に切り替わる際のLEDバックライトの輝度変化を適当に調整することができる。すなわち、「前バックライト輝度階調」の割合を小さくすることで(「後バックライト輝度入力階調」の割合を大きくするのと同等)、LEDバックライトの輝度変化をある程度急激に変化させることができる。なお、「ある程度急激」にとしたのは、急激すぎる輝度変化による画面表示の違和感やLEDへの負担などを避けることを考慮したものである。
【0046】
ここで、図4に、後APLに応じてミキシング率定めたグラフの一例を示す。横軸は「後APL」、縦軸は「前バックライト輝度階調の含有率」を示す。なお、図に記載の曲線や数値は、グラフを容易に把握するために記載したものであり、これらの曲線の形や数値に特段制限されるものではない。しかし、後APLに応じたミキシング率の定め方としては、後APLが大きいほど、「前バックライト輝度階調の含有率」が小さくなるようにするのが望ましい。すなわち、明るい映像に切り替わる時ほど、より急激にLEDの輝度を変化させるようにするのが望ましい。
【0047】
「第一バックライト制御部」(0205)は、後APL取得部で取得された後APLに応じた輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をするよう構成されている。
【0048】
すなわち、第一バックライト制御部(0205)は、シーンチェンジ判断部(0202)でシーンチェンジがあったと判断された場合に、後APL取得部(0203)が後APLを取得すると、その後APLに応じた輝度変化ルールを第一輝度変化ルール保持部(0204)から取得する。そして、取得した輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際してバックライト部(0201)を制御する。
【0049】
なお、第一輝度変化ルール保持部(0204)が保持する輝度変化ルールが、前記で説明した「後APL毎ミキシング率ルール」である場合には、第一バックライト制御部(0205)は、シーンチェンジ判断部(0202)でシーンチェンジがあったと判断された場合に、後APL取得部(0203)が後APLを取得すると、その後APLに応じた輝度変化ルール(後APL毎ミキシング率ルール)を、第一輝度変化ルール保持部(0204)から取得する。また、シーンチェンジ直前のフレームの前バックライト輝度階調と、シーンチェンジ直後のフレームの後バックライト輝度入力階調を取得する。前バックライト輝度階調は、バックライト部(0201)から取得するようにしてもよい。後バックライト輝度入力階調は、シーンチェンジ後フレームの入力映像信号を取得し、算出するようにしてもよい。
【0050】
そして、取得した、「前バックライト輝度階調」と「後バックライト輝度入力階調」と「輝度変化ルール」を利用して、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調を決定する。その後、前記決定した輝度階調をバックライト部(0201)に送り、シーンチェンジ後フレームの映像を画面に出力する際、前記輝度階調でLEDバックライトを光らせるようバックライト部(0201)を制御する。
【0051】
なお、第一バックライト制御部(0205)は、シーンチェンジがあった後の所定時間、そのシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルールに基づいて、バックライト部(0201)を制御するようにしてもよい。すなわち、図5に示すように、シーンチェンジ後の所定時間内(任意の設計事項)のフレーム切り替えにおいても、そのシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルールに基づいて、実際に光らせるLEDバックライトの輝度を決定してもよい。
【0052】
図5は、フレームNからフレームNに切り替わる際にシーンチェンジがある場合で、かかるシーンチェンジにおいて定まったミキシング率が、「前バックライト輝度階調」:「後バックライト輝度入力階調」=60:40、であった場合である。
【0053】
そして、フレームNの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度は、「前バックライト輝度階調(102/256)」と「後バックライト輝度入力階調(200/256」を、「60:40」でミックスした輝度階調である「141/256」に決定されている。
【0054】
また、シーンチェンジ後の所定時間内に出力されるフレーム(N、N)についても、それぞれのフレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度は、そのシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルール(「前バックライト輝度階調」:「後バックライト輝度入力階調」=60:40)、に基づいて決定されている。
【0055】
このようにすることで、LEDバックライトの輝度を、ある程度急激に、かつ、段階的に、シーンチェンジ後の所望の輝度まで持っていくことができる。また、段階的にLEDバックライトの輝度を変化させることで、視聴者に不快感を与えることもない。なお、当該シーンチェンジ後の所定時間内に別のシーンチェンジがあったと判断された場合には、新たに検出されたシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルールに基づいて、バックライト部(0201)を制御するようにしてもよい。
【0056】
ここで、第一バックライト制御部(0205)は、バックライト部(0201)がすべてのLEDの輝度を一律に調節している場合にも、LEDごとに輝度を調節している場合にも、後APLで定まる輝度変化ルールに従いすべてのLEDの輝度を調節するように構成される。ここで、「輝度変化ルールに従いすべてのLEDの輝度を調節する」とは、すべてのLEDの輝度を同じ階調にするという意味ではなく、すべてのLEDの輝度を、同一の輝度変化ルールに従い調節するという意味である。
【0057】
「第二輝度変化ルール保持部」(0206)は、シーンチェンジがなかったとの判断結果である場合のその後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールとして、前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、のミキシング率の固定値である固定ミキシング率を保持するよう構成される。
【0058】
すなわち、当該ルールを利用してバックライト部(0201)を制御することで、連続する前後フレーム間でシーンチェンジがない場合にも、後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調を、「前バックライト輝度階調」と「後バックライト輝度入力階調」とを所定の割合(固定ミキシング率)でミックスした輝度階調とすることができる。
【0059】
なお、「固定ミキシング率」は任意の設計事項であるが、「前バックライト輝度階調」の含有率を多く定めるのが望ましい。このように定めることで、シーンチェンジがないフレーム切り替えにおいては、LEDバックライトの輝度変化量は必ず小さくなり、視聴者に不快感を与えることがなくなる。
【0060】
また、固定ミキシング率の「前バックライト輝度階調の含有率」を、シーンチェンジがあった時のミキシング率の「前バックライト輝度階調の含有率」よりも多く定めるのが望ましい。このように定めることで、図6に示すように、シーンチェンジ(フレームNからNに切り替わる時)直後のLEDバックライトの輝度変化をある程度急激に変化させ、その後のLEDバックライトの輝度変化を緩やかに変化させることができる。なお、図6は、シーンチェンジがあった後の所定時間(3つのフレームを表示するまでの時間)、そのシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルールに基づいて、バックライト部(0201)を制御するように定めている場合の例である。
【0061】
「第二バックライト制御部」(0207)は、前記シーンチェンジ判断部(0202)での判断結果がシーンチェンジでないとの判断結果である場合に、前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、後フレームの入力映像信号の輝度入力階調に基づいて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、前記固定ミキシング率と、に応じて後フレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をするよう構成される。
【0062】
すなわち、第二バックライト制御部(0207)は、シーンチェンジ判断部(0202)からシーンチェンジがないとの判断結果を取得すると、シーンチェンジがない連続する前後フレームの前フレームの「前バックライト輝度階調」と、後フレームの「後バックライト輝度入力階調」を取得する。そして、第二輝度変化ルール保持部(0206)より固定ミキシング率を定めた輝度変化ルールを取得すると、取得した、「前バックライト輝度階調」と「後バックライト輝度入力階調」と「輝度変化ルール」を利用して、後フレームの映像を画面に出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調を決定する。その後、後フレームの映像を画面に出力する際、前記決定した輝度階調でLEDバックライトを光らせるようバックライト部(0201)を制御する。
【0063】
ここで、第一バックライト制御部(0205)が、シーンチェンジがあった後の所定時間、そのシーンチェンジの際の後APLで定まる輝度変化ルールに基づいてバックライト部(0201)を制御するよう定めている場合には、第二バックライト制御部(0207)の制御よりも第一バックライト制御部(0205)の制御を優先するように定めることとなる。
【0064】
なお、第二バックライト制御部(0207)は、バックライト部(0201)がすべてのLEDの輝度を一律に調節している場合にも、LEDごとに輝度を調節している場合にも、後APLで定まる輝度変化ルールに従いすべてのLEDの輝度を調節するように構成される。ここで、「輝度変化ルールに従いすべてのLEDの輝度を調節する」とは、すべてのLEDの輝度を同じ階調にするという意味ではなく、すべてのLEDの輝度を、同一の輝度変化ルールに従い調節するという意味である。
【0065】
<ハードウェア構成>
【0066】
図7は、上記液晶表示装置の機能的構成をハードウェアとして実現した際の構成の一例を表す図である。図に示すように、本実施形態の液晶表示装置は、「バックライト部」、「シーンチェンジ判断部」、「後APL取得部」、「第一輝度変化ルール保持部」、「第一バックライト制御部」、「シーンチェンジ判断部」の、「ヒストグラム差分情報取得手段」、「ヒストグラム差分情報判断手段」、「第二輝度変化ルール保持部」、「第二バックライト制御部」などを構成する「ビデオプロセッサ」(0701)、「液晶パネル」(0702)、「LEDバックライト」(0703)、「音声出力部」(0704)、「デコーダ」(0705)、「分離部」(0706)、「AVセレクタ」(0707)、「チューナ」(0708)、「外部機器I/F」(0709)などを備え、これらは「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0067】
以下、図7のハードウェア図を用いて、本実施形態の液晶表示装置の機能を実現する手段の一例を説明する。
【0068】
液晶表示装置は、チューナ(0708)を介して放送電波を受信すると、分離部(0706)にて多重化された情報を分離する。そして、デコーダ(0705)にて分離した各種情報をデコード処理した後、音声出力部(0704)や、ビデオプロセッサ(0705)などに、それぞれのデータを送る。
【0069】
ビデオプロセッサ(0701)は、入力映像信号取得プログラムに従い入力映像信号を取得すると、入力映像処理プログラムに従いエンハンス処理などを行った後、処理後の映像信号を液晶パネル(0702)に送る。
【0070】
また、シーンチェンジ判断プログラムに従い、取得した入力映像信号を利用して、一つのフレームの入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラムを作成すると、そのフレームの一つ前のフレームの入力映像信号のヒストグラムと比較処理し、その結果をヒストグラム差分情報として格納する。その後、あらかじめ保持しているシーンチェンジ判断用ルールに従い、ヒストグラム差分情報を利用して、そのフレーム間でシーンチェンジがあったか判断すると、判断結果をシーンチェンジ判断結果として格納する。
【0071】
前記判断結果がシーンチェンジ有りとの結果であった場合には、前記取得した連続する前後フレームの後のフレームのAPLを算出し、後APLとして格納する。そして、あらかじめ保持している第一輝度変化ルールの中から、算出した後APLに応じた輝度変化ルールを取り出すと、シーンチェンジ前のフレームの映像を出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調である前バックライト輝度階調と、シーンチェンジ後のフレームの入力映像信号から算出されるLEDバックライトの輝度階調である後バックライト輝度入力階調と、を利用して、シーンチェンジ後のフレームの映像を出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調である後バックライト輝度階調を演算処理により求めて、結果を格納する。
【0072】
その後、LEDバックライト制御プログラムに従い、液晶パネル(0702)でのシーンチェンジ後のフレームの映像信号の処理と同期するように、LEDバックライト(0703)を前記算出した後バックライト輝度階調で光らせる。
【0073】
なお、前記判断結果がシーンチェンジ無しとの結果であった場合には、第二輝度変化ルールに従い、前のフレームの映像を出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調である前バックライト輝度階調と、後のフレームの入力映像信号から算出されるLEDバックライトの輝度階調である後バックライト輝度入力階調と、を利用して、後のフレームの映像を出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調である後バックライト輝度階調を演算処理により求めて、結果を格納する。その後の処理は、前記と同様である。
<処理の流れ>
【0074】
本実施形態の液晶表示装置の処理の流れの一例を、図8のフローチャート図を用いて説明する。
【0075】
まず、一つのフレーム分の入力映像信号を取得すると(S0801)、取得した映像信号を利用して輝度ヒストグラムを生成する(S0802)。
【0076】
その後、そのフレームの直前のフレームの入力映像信号の輝度ヒストグラムを生成・保持している場合には(S0803)、それらのフレーム(連続する前後フレーム)の輝度ヒストグラムの差分であるヒストグラム差分情報を算出することで取得する(S0804)。一方、そのフレームの直前のフレームの入力映像信号の輝度ヒストグラムを生成・保持していない場合には(S0803)、ステップS0801で取得した一つのフレームの入力映像信号で定まるLEDバックライトの輝度階調でLEDバックライトを光らす(S0811)。その後、次のフレームの入力映像信号を取得すると(S0812)、ステップS0802に戻り、前記と同様の処理を繰り返す。
【0077】
次に、ステップS0804で、ヒストグラム差分情報を取得すると、取得したヒストグラム差分情報を利用して、そのフレーム間でシーンチェンジがあったか判断する(S0805)。具体的には、差分ヒストグラムのすべての輝度階調の画素数の和を求め、求めた和とあらかじめ保持している所定の値とを大小比較する。そして、求めた和が所定の値より大きかった場合にはシーンチェンジ有りと判断し、求めた和が所定の値より小さかった場合にはシーンチェンジ無しと判断する。
【0078】
その後、判断結果がシーンチェンジ有りだった場合には(S0806)、シーンチェンジ直後のフレームの入力映像信号のAPL(後APL)を取得し(S0807)、取得した後APLに応じた「LEDバックライトの輝度変化を定めるルール」を取得する(S0808)。そして、ステップS0808で取得した輝度変化ルールに従い、LEDバックライトを制御する(S0809)。
【0079】
一方、ステップS0805での判断結果が、シーンチェンジ無しだった場合には(S0806)、前のフレームの映像を出力する際の実際のLEDバックライトの輝度階調である前バックライト輝度階調と、後のフレームの入力映像信号から算出されるLEDバックライトの輝度階調である後バックライト輝度入力階調とのミキシング率の固定値(固定ミキシング率)を定めたLEDバックライトの輝度変化を定めるルールを取得する(S0810)。そして、ステップS0810で取得した輝度変化ルールに従い、LEDバックライトを制御する(S0809)。
【0080】
その後、次のフレーム分の入力映像信号を取得すると(S0812)、ステップS0802に戻り、前記と同様の処理を繰り返す。
<効果>
【0081】
本発明の液晶表示装置により、出力映像に応じて、LEDバックライトの輝度変化を適切に制御することが可能になる。その結果、映像の明るさが急激に変化しないようなシーンにおいては、LEDバックライトの輝度変化をゆるやかにすることで、画面の明るさが急激にパカパカ変化する違和感、不快感を解消することができる。
【0082】
また、映像の明るさが急激に変化するようなシーンにおいては(例:シーンチェンジの時など)、LEDバックライトの輝度変化をある程度急激にすることで、画面上の映像の切り替わりと、輝度の切り替わりがミスマッチングになることで生じうる不自然な映像を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の液晶表示装置の効果を説明する概念図
【図2】本発明の液晶表示装置の機能ブロック図の一例
【図3】輝度ヒストグラムおよびヒストグラム差分情報を説明するための図
【図4】シーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定めるグラフの一例
【図5】シーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を説明するための図1
【図6】シーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を説明するための図2
【図7】本発明の液晶表示装置のハードウェア構成の一例を示した概念図
【図8】本発明の液晶表示装置の処理の流れの一例を示すフローチャート図
【符号の説明】
【0084】
0200 液晶表示装置
0201 バックライト部
0202 シーンチェンジ判断部
0203 後APL取得部
0204 第一輝度変化ルール保持部
0205 第一バックライト制御部
0206 第二輝度変化ルール保持部
0207 第二バックライト制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度可変型のLEDバックライトを備えるバックライト部と、
連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するシーンチェンジ判断部と、
シーンチェンジ判断部での判断結果が、シーンチェンジがあったとの判断結果である場合に、後フレームの入力映像信号のAPLである後APLを取得する後APL取得部と、
後APLに応じてシーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールを保持する第一輝度変化ルール保持部と、
後APL取得部で取得された後APLに応じた輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をする第一バックライト制御部と、
からなる液晶表示装置。
【請求項2】
シーンチェンジ判断部は、
連続する前後フレームの入力映像信号の輝度入力階調のヒストグラム差分情報を取得するヒストグラム差分情報取得手段と、
取得したヒストグラム差分情報を利用して連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するヒストグラム差分情報判断手段と、
を有する請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
輝度変化ルール保持部で保持されている輝度変化ルールは、シーンチェンジ前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、シーンチェンジ後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、のミキシング率を後APLに応じて定めたものである請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
シーンチェンジがなかったとの判断結果である場合のその後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールとして、前フレームの実際のLEDバックライトの輝度である前バックライト輝度階調と、後フレームの入力映像信号に応じて定められるLEDバックライトの輝度である後バックライト輝度入力階調と、のミキシング率の固定値である固定ミキシング率を保持する第二輝度変化ルール保持部と、
前記シーンチェンジ判断部での判断結果がシーンチェンジでないとの判断結果である場合に、第二輝度変化ルール保持部が保持する輝度変化ルールに基づき、後フレームの表示に際して前記バックライト部を制御してLEDバックライトの輝度変化制御をする第二バックライト制御部をさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
輝度可変型のLEDバックライトを備えるとともに、後APLに応じてシーンチェンジ後のLEDバックライトの輝度変化を定める輝度変化ルールを保持する液晶表示装置のLEDバックライト制御方法であって、
連続する前後フレーム間でシーンチェンジがあったか判断するシーンチェンジ判断ステップと、
シーンチェンジ判断ステップでの判断結果が、シーンチェンジがあったとの判断結果である場合に、後フレームの入力映像信号のAPLである後APLを取得する後APL取得ステップと、
後APL取得ステップで取得された後APLに応じた輝度変化ルールに基づき、そのシーンチェンジ後のフレームの表示に際してLEDバックライトの輝度変化を制御する第一バックライト制御ステップと、
からなる液晶表示装置のLEDバックライト制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−66714(P2010−66714A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235291(P2008−235291)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】