説明

液晶表示装置

【課題】画素電極の面積が異なる色のサブピクセルが存在する液晶表示装置において、全てのサブピクセルの画素容量が等しくなるようにしてフリッカや焼き付きの発生の問題を減少させ、しかも高純度の白色表示を可能とした液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、複数色RGBCのサブピクセルからなる画素を複数有し、他の色(例えばR及びG)のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセル(例えばC及びG)を有する液晶表示装置10Aにおいて、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせることにより、全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に画素電極の面積が異なる色のサブピクセルが存在する液晶表示装置において、全てのサブピクセルの画素容量が等しくなるようにしてフリッカや焼き付きの発生の問題を減少させ、しかも高純度の白色表示を可能とした液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まず、表示装置として従来のアクティブマトリクス型の液晶表示装置を例にとり、その数画素部分のカラーフィルタを透視して表した平面図である図4及び図4のV−V断面図である図5を参照してその構成を簡単に説明する。液晶表示装置10はアレイ基板ARとカラーフィルタ基板CFとを備えている。このうちアレイ基板ARは、ガラス基板等からなる第1の透光性基板11上にマトリクス状に設けられた走査線12と信号線13で囲まれた領域毎に画素電極14が設けられている。この画素電極14の下部にはゲート絶縁膜15を介して補助容量電極16が形成されている。なお、少なくとも画素電極14の表面には図示しない配向膜が形成されている。
【0003】
そして、TFTのソース電極Sは信号線13に接続され、また、ドレイン電極Dはコンタクトホール17を経て画素電極14に接続されている。更に、TFTのゲート電極Gは走査線12に接続されて所定の電圧を有するゲートパルスが印加されるようになされている。また、カラーフィルタ基板CFは、第2の透光性基板18の表面にカラーフィルタ19を介して共通電極20及び配向膜(図示せず)が設けられている。
【0004】
なお、ここに示した液晶表示装置10においては、各TFT、走査線12及び信号線13を覆うように、第1の透光性基板11の表示領域全体にパッシベーション膜21を介して層間膜22が平坦に所定高さとなるように設けられており、画素電極14はこの層間膜22の表面に設けられ、セルギャップ、すなわち画素電極14と共通電極20との間の距離が一定となるようになされている。この画素電極14及び共通電極20は、通常は透明なITO(Indium Tin Oxide)ないしIZO(Indium Zinc Oxide)から形成されている。そして、アレイ基板ARとカラーフィルタ基板CFの間には液晶23が封入されている。
【0005】
ところで、カラー液晶表示装置においては、一般的に赤R、緑G、青Bの3原色のカラーフィルタが多く使用されているが、バックライト光源の色毎の輝度の相違、色毎のカラーフィルタの光透過率の相違や色の濃さの相違等により、全ての色のカラーフィルタを透過した光を合成して得られる白色光に着色が生じる。このような現象は、RGBの3原色のカラーフィルタを使用した場合だけでなく、特に演色性を高めるために採用されているシアンCのフィルタを付加した4色のカラーフィルタを使用した場合や、さらにはマゼンタM及び黄色Yのフィルタを付加して5色ないしは6色のフィルタを用いた場合も同様である。
【0006】
このような従来技術の問題点を解決するために、下記特許文献1には、RGBの3原色のカラーフィルタを使用した液晶表示装置において、それぞれの色のサブピクセル毎にカラーフィルタの面積を変えた発明、より具体的には、バックライト光源として冷陰極線管を使用し、顔料分散法によって得た厚さ2μmのカラーフィルタにおいて、各色が同一比で認識できるようにするために、R、G、Bの各色のカラーフィルタの面積比を3.4:2.1:4.5となるようにした液晶表示装置の発明が開示されている。
【特許文献1】特開平 6− 51301号公報(特許請求の範囲、段落[0009]〜[0012]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、液晶表示装置の1サブピクセル分の等価回路は、図6に示すとおりとなり、画素電極14はこの等価回路においては等価的に液晶容量CLCで表わされる。そして、通常、液晶容量CLCには補助容量電極16により形成された補助容量Cが並列に接続され、液晶容量CLCの一端はTFTのドレイン電極Dに接続されているとともに、他端は共通電極20に接続されて所定のコモン電位VCOMが印加される。更に、TFTのゲート電極Gは走査線12に接続されて所定の電圧を有するゲートパルスVgが印加される。なお、液晶容量CLCとゲート電極Gとの間には結合容量CGDが形成される。この結合容量CGDは画素電極14と走査線12との間の浮遊容量成分とTFT内部のドレイン領域Dとゲート領域Gとの間の寄生容量成分が合わさったものであり、後者の寄生容量成分が支配的である。
【0008】
ところで、上記特許文献1に開示された発明のように、液晶表示装置のそれぞれの色のサブピクセル毎にカラーフィルタの面積を変える場合、それぞれのサブピクセルの面積、すなわち画素電極の面積も変える必要がある。そうすると、図6に示した等価回路からも明らかなように、サブピクセル毎に下記式(1)で表される画素容量Cも変わってくる。
C=CLC+C+CGD (1)
【0009】
従って、液晶表示装置に少なくとも画素電極の面積が他の色のものとは異なる色のサブピクセルが存在すると、画素容量Cが他のものとは異なる色のサブピクセルが存在することとなる。このような場合に全てのサブピクセルに共通のゲートパルスVg及びコモン電位VCOMで駆動すると、画素容量の差異に基づくフリッカが生じて表示画質の低下が見られるとともに、表示領域に焼き付きが生じるという問題点が生じる。
【0010】
この場合、それぞれの色のサブピクセル毎に画素電極の面積の相違に基づいた異なる駆動信号により駆動することができれば、理論上、上述のようなフリッカないしは焼き付きの問題点を一応解決して純粋な白色表示が可能となるが、このような従来から使用されている駆動信号とは異なる特殊な駆動信号の生成が容易ではなく、直ちには採用し難い。
【0011】
本願の発明者等は上述のような液晶表示装置に少なくとも面積が異なる色のサブピクセルが存在することに起因する問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、結合容量CGDはサブピクセル毎に実質的に一定と見なせるから、面積が異なる色のサブピクセルの液晶容量CLCの変化を補助容量Cにより補償すれば、実質的に上記(1)式で表される液晶容量Cを一定にすることができ、フリッカの発生が少なく表示画質が良好で、焼き付きが少なく、しかも高純度の白色表示が可能な液晶表示装置を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0012】
すなわち、本発明は、画素電極の面積ないしカラーフィルタの面積が異なる色のサブピクセルが存在する液晶表示装置において、全てのサブピクセルの画素容量Cが等しくなるようにしてフリッカや焼き付きの問題の問題を減少させ、しかも高純度の白色表示が可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、複数色のサブピクセルからなる画素を複数有し、他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルを有する液晶表示装置において、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせることにより、全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記液晶表示装置において、前記他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルの補助容量電極の面積を他の色のサブピクセルの補助容量電極の面積とは異ならせ、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記液晶表示装置において、前記他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を形成する絶縁膜の厚さを他の色のサブピクセルの補助容量を形成する絶縁膜の厚さとは異ならせることにより、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記液晶表示装置において、前記複数色のサブピクセルは全ての色毎に画素電極の面積が相違していることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記液晶表示装置において、前記全ての色のサブピクセルの画素電極は部分的又は全面に反射部材を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上記の構成を備えることにより、以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、本発明によれば、全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようになされているため、全てのサブピクセルを従来から採用されている駆動信号と同じ信号で制御しても、フリッカ及び焼き付きも少なく、しかも高純度の白色表示が可能な液晶表示装置が得られる。なお、本発明においては、複数色として、RGBの3原色のフィルタを用いた場合だけでなく、Cのフィルタを付加して4色のカラーフィルタを用いた場合や、さらにはM及びYのフィルタを付加して5色ないしは6色のカラーフィルタを用いた場合等にも適用可能である。
【0019】
また、本発明によれば、補助容量電極の面積が大きければ補助容量は大きくなり、補助容量電極の面積が小さければ補助容量は小さくなるので、他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルにおける画素電極の面積に応じて補助容量電極の面積を変えることにより、容易に全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにすることができる。この場合、画素電極の面積が他の色のサブピクセルの画素電極の面積よりも小さい場合は補助容量電極の面積を大きくし、画素電極の面積が他の色のサブピクセルの画素電極の面積よりも大きい場合は補助容量電極の面積を小さくすればよい。
【0020】
また、本発明によれば、補助容量を形成する絶縁膜の厚さが薄ければ補助容量は大きくなり、補助容量を形成する絶縁膜の厚さが厚ければ補助容量は小さくなるので、他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルにおける画素電極の面積に応じて補助容量を形成する絶縁膜の厚さを変えることにより、容易に全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにすることができる。この場合、画素電極の面積が他の色のサブピクセルの画素電極の面積よりも小さい場合は補助容量を形成する絶縁膜の厚さを小さくし、画素電極の面積が他の色のサブピクセルの画素電極の面積よりも大きい場合は補助容量を形成する絶縁膜の厚さを厚くすればよい。なお、本発明によれば、補助容量電極の面積を変えること及び補助容量を形成する絶縁膜の厚さを変えることの両者を併用して全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにしてもよい。
【0021】
また、本発明によれば、全ての色のサブピクセルについて画素電極の面積を変えた場合には、より正確に純粋な白色が得られるように調整できるので、表示画質が非常に良好な液晶表示装置が得られる。
【0022】
また、本発明によれば、上述のような効果を奏することができる半透過型又は反射型液晶表示装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係る液晶表示装置の具体例を図1〜図4を参照して詳細に説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための透過型液晶表示装置を例にとり説明するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、本発明は前記全ての色のサブピクセルの画素電極は部分的又は全面に反射部材が設けられた半透過型液晶表示装置ないし反射型液晶表示装置に対しても均しく適用し得るものである。
【0024】
なお、図1は実施例1の液晶表示装置におけるカラーフィルタを透視して表した平面図である。また、図2は実施例2の液晶示装置におけるカラーフィルタを透視して表した平面図であり、図3は図2のII−II線拡大断面図である。また、実施例1及び実施例2の液晶表示装置においては、図4〜図5に示した従来例の液晶表示装置と同一の構成部分には同一の参照符号を付与して説明する。更に、実施例1の液晶表示装置においては、図4のV−V線に対応する部分の断面図は、図5に示したものと実質的に同様になるので、必要に応じて図5を参照して説明することとする。
【実施例1】
【0025】
実施例1の液晶表示装置を図1及び図5を用いて説明する。この液晶表示装置10Aは、R、G、B、Cの4色のカラーフィルタを使用したものであり、図1に示したように、各色のサブピクセルの画素電極の面積の関係は、色名で表現すると
R=B>G>C (2)
の関係となっている。なお、図1においてはそれぞれの画素電極に対応する部分のハッチングは、見難くなるため、省略してある。
【0026】
この実施例1の液晶表示装置10Aのアレイ基板ARは以下のようにして製造される。まず、図5に示すように、第1の透光性基板11としてのガラス基板を洗浄して表面を清浄化する。次に、スパッタリング法などの方法でガラス基板上に全面に例えばアルミニウム及びモリブデンの2層膜からなる第1の金属層を形成する。このうちアルミニウムは低抵抗配線として用いられ、モリブデンは半導体層や透明導電性電極等との間のオーミックコンタクト確保のため及びアルミニウムに対する耐酸化性付与のために用いられる。
【0027】
次に、基板を洗浄後、フォトレジストを塗布して乾燥し、所定のパターンが形成されたマスクパターンを通して露光し、現像することによって基板上にマスクパターンを転写したフォトレジストを形成し、フォトレジストを加熱により硬化させた後に第1の金属層を湿式エッチングし、TFTのゲート電極G、走査線12、補助容量電極16を所定のパターンにそれぞれ形成する。その際、図1に示したように、各色のサブピクセルの補助容量電極16R、16G、16B、16Cの面積は、設けるべきそれぞれの色のサブピクセルの画素電極14R、14G、14B、14Cの面積に対応して、上記(2)式の関係を満たすようにする。この場合、それぞれのサブピクセルの画素電極14R、14G、14B、14Cの面積と補助容量電極16R、16G、16B、16Cの面積との関係は、予め実験的に定めておく。その後に、フォトレジストを剥離液を用いて剥離する。
【0028】
次に、プラズマCVD法により酸化硅素又は窒化硅素からなるゲート絶縁膜15、アモルファスシリコン(a−Si)又はポリシリコン(p−Si)からなる半導体層24及びオーミックコンタクト層(図示せず)を連続して基板上に成膜する。このうち、オーミックコンタクト層はa−Si又はp−Siにリンを微量にドーピングしたn+a−Si層ないしn+p−Si層が用いられる。
次に、フォトレジストを塗布して乾燥し、所定のパターンが形成されたマスクパターンを通して露光し、現像することによって基板上にマスクパターンを転写したフォトレジストを形成し、フォトレジストを加熱により硬化させた後に半導体層及びオーミックコンタクト層を例えばSF6とO2との混合ガス又はCF4とO2との混合ガスを用いてドライエッチングして所定のパターンに形成する。その後に、フォトレジストを剥離液を用いて剥離する。
【0029】
次に、基板を洗浄した後、スパッタリング法などの方法で例えばモリブデン/アルミニウム/モリブデンの3層膜からなる第2の金属層をガラス基板の全面にわたって成膜する。次いで、フォトレジストを塗布して乾燥し、所定のパターンが形成されたマスクパターンを通して露光し、現像することによって基板上にマスクパターンを転写したフォトレジストを形成し、フォトレジストを加熱により硬化させた後に第2の金属層を湿式エッチングし、TFTのソース電極S、ドレイン電極D、信号線13を所定の形状にパターニングし、フォトレジストを剥離液を用いて剥離する。
【0030】
次に、例えばSF6とO2との混合ガスまたはCF4とO2との混合ガスを用いてドライエッチングによりチャネル部25に露出しているオーミックコンタクト層の一部をエッチングする。
【0031】
次に、基板を洗浄し、プラズマCVD法などにより、基板全体に窒化硅素ないしは酸化硅素からなるパッシベーション膜21を製膜し、更にこのパッシベーション膜21の表面に表示領域全体にわたりフォトレジスト等からなる層間膜22を形成する。次いで、これらの表面全体にフォトレジストを塗布した後、コンタクトホール部分のパッシベーション膜に開口ができるように設計したフォトマスクパターンを用い、露光及び現像後にエッチングすることにより層間膜22及びパッシベーション膜21に所定のパターンにコンタクトホール17を形成し、その後にITOやIZO等の透明導電性材料を用いてそれぞれの色のサブピクセルの画素電極14R、14G、14B、14Cの面積の関係が上記式(2)の関係を満たすように所定のパターンに形成し、コンタクトホール17において画素電極14とTFTのドレイン電極Dとの電気的導通を取る。さらに、画素電極14等の表面には配向膜が形成されるが、その詳細については省略する。
【0032】
このようにして製造されたアレイ基板ARは、カラーフィルタ基板CFと対向配置され、両基板間に液晶23が注入されて実施例1の液晶表示装置10Aが完成される。
【0033】
このようにして作製された実施例1の液晶表示装置10Aは、全ての色のサブピクセルにおける液晶容量CLCと補助容量Cとの和が実質的に同一となるようになされているため、上記(1)式に従う画素容量Cを全てのサブピクセルについて実質的に同一にできるため、従来から採用されている駆動信号と同じ信号で制御しても、フリッカ及び焼き付きも少なく、しかも高純度の白色表示が可能な液晶表示装置が得られる。
【実施例2】
【0034】
次に、実施例2の液晶表示装置10Bを図2及び図3を用いて説明する。実施例2の液晶表示装置10Bは、図2に示すように、R、G、B、Cの4色のカラーフィルタを使用したものであり、図1に示したように、各色のサブピクセルの画素電極の面積の関係は、色名で表現すると、実施例1の場合と同様に
R=B>G>C (2)
の関係となっている。
【0035】
更に、この実施例2の液晶表示装置10Bは、それぞれの色のサブピクセルにおける補助容量電極16R、16G、16B、16Cは、それぞれのサブピクセル毎に信号線13に沿った方向の幅は同一であるが走査線12に沿った方向の幅は異なるように設けられているが、TFTのドレイン電極Dのパターンが全て同一とされており、それぞれのドレイン電極Dと補助容量電極16R、16G、16B、16Cとの間の平面視で重なっている部分の面積は全てのサブ画素で実質的に同一となっている。なお、図2においてはそれぞれの画素電極14R、14G、14B、14Cに対応する部分のハッチングは、見難くなるため、省略してある。
【0036】
この実施例2の液晶表示装置10Bのアレイ基板ARの製造工程は、TFTのゲート電極G、走査線12、補助容量電極16を所定のパターンにそれぞれ形成した後にアレイ基板の表面全体にわたりゲート絶縁膜15を形成するまでの工程は実施例1の場合と同じであるが、それぞれの色毎の補助容量電極16R、16G、16B、16C上のゲート絶縁膜15の厚さが所定の厚さとなるようにエッチングして薄くする工程を含む点が相違している。
【0037】
すなわち、コンデンサの容量は導電体に挟まれた絶縁体の厚さに反比例するから、画素電極の面積に対応して最も補助容量を大きくしなければならない色のサブ画素(例えばCのサブ画素)の補助容量電極16Cとドレイン電極Dとの間のゲート絶縁膜15の厚さを最も薄くし、最も補助容量を小さくしなければならない色のサブ画素(例えばR及びBのサブ画素)の補助容量電極16R及び16Bとドレイン電極Dとの間のゲート絶縁膜15の厚さを最も厚くすればよい。この場合、ゲート絶縁膜15を所定の厚さに設けた際にR及びBのサブ画素の補助容量電極16R及び16Bとドレイン電極Dとの間の補助容量が予め定めた所定容量となるように、ドレイン電極Dのパターンを設計しておけば、R及びBのサブ画素の補助容量電極16R及び16B上に配置されているゲート絶縁膜15をエッチングする必要はなくなり、C及びGのサブ画素の補助容量電極16C及び16G上に配置されているゲート絶縁膜15のみをエッチングすればよくなる。
【0038】
その後の半導体層24の形成工程、ソース電極S、ドレイン電極D、信号線13の形成工程、パッシベーション膜21の形成工程、コンタクトホール17の形成工程、画素電極14R、14G、14B、14C工程等は、実施例1の液晶表示装置10Aの製造工程と実質的に同一であるので、その詳細な説明は省略する。
【0039】
なお、実施例2においては、各サブ画素のドレイン電極Dのパターンを全て同一としてドレイン電極Dと補助容量電極16R、16G、16B、16Cとの間の平面視で重なっている部分の面積は全てのサブ画素で実質的に同一となるようにした例を示したが、これに限らず、実施例1の場合と同様に、ドレイン電極Dと補助容量電極16R、16G、16B、16Cとの間の平面視で重なっている部分の面積は全てのサブ画素で異なるようにしてもよい。この場合、補正に必要な補助容量はそれぞれのサブ画素毎に異なることとなるが、その容量に応じて補助容量電極上のゲート絶縁膜15のエッチング量を適宜定めればよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例1の液晶表示装置におけるカラーフィルタを透視して表した平面図である。
【図2】図2は実施例2の液晶示装置におけるカラーフィルタを透視して表した平面図である。
【図3】図3は図2のII−II線拡大断面図である。
【図4】アクティブマトリクス型液晶表示装置の数画素部分のカラーフィルタを透視して表した平面図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】液晶表示装置の1サブピクセル分の等価回路である。
【符号の説明】
【0041】
10、10A、10B 液晶表示装置
11 第1の透光性基板
12 走査線
13 信号線
14 画素電極
15 ゲート絶縁膜
16 補助容量電極
17 コンタクトホール
18 第2の透光性基板
19 カラーフィルタ
20 共通電極
21 パッシベーション膜
22 層間膜
23 液晶
24 半導体層
25 チャネル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色のサブピクセルからなる画素を複数有し、他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルを有する液晶表示装置において、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせることにより、全ての色のサブピクセルにおける液晶容量と補助容量との和が実質的に同一となるようにしたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルの補助容量電極の面積を他の色のサブピクセルの補助容量電極の面積とは異ならせ、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記他の色のサブピクセルの画素電極とは面積が異なる少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を形成する絶縁膜の厚さを他の色のサブピクセルの補助容量を形成する絶縁膜の厚さとは異ならせ、前記少なくとも1色のサブピクセルの補助容量を他の色のサブピクセルの補助容量とは異ならせたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記複数色のサブピクセルは全ての色毎に画素電極の面積が相違していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記全ての色のサブピクセルの画素電極は部分的又は全面に反射部材を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−240806(P2007−240806A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−62138(P2006−62138)
【出願日】平成18年3月8日(2006.3.8)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】