液晶表示装置
【課題】タッチパネルおよびフロントウインドウが取り付けられた液晶表示装置の信頼性を向上させ、かつ、リペアを容易にする。
【解決手段】タッチパネル100およびフロントウインドウ200が熱可塑性の粘着材によって液晶表示装置に取り付けられている。タッチパネル用フレキシブル配線基板50の下側に電子部品51を配置し、メインフレキシブル配線基板40の下側に電子部品41を配置する。各電子部品は平面的にはフロントウインドウ200に覆われている。発光ダイオード70はメインフレキシブル配線基板40に搭載され、樹脂モールド60内で導光板62と対向する。このような構成とすることによって、液晶表示装置全体として外形を小さくし、かつ、リペアにおいて、比較的高価な発光ダイオード70を再生し、利用することが出来る。
【解決手段】タッチパネル100およびフロントウインドウ200が熱可塑性の粘着材によって液晶表示装置に取り付けられている。タッチパネル用フレキシブル配線基板50の下側に電子部品51を配置し、メインフレキシブル配線基板40の下側に電子部品41を配置する。各電子部品は平面的にはフロントウインドウ200に覆われている。発光ダイオード70はメインフレキシブル配線基板40に搭載され、樹脂モールド60内で導光板62と対向する。このような構成とすることによって、液晶表示装置全体として外形を小さくし、かつ、リペアにおいて、比較的高価な発光ダイオード70を再生し、利用することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に係り、特に携帯電話等に使用されるタッチパネルを有する小型の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板が設置され、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置は小型で薄型にできることから携帯電話等、種々の用途に使用されている。携帯電話では近年多種の用途が加得られている。また、入力装置も、従来のキーボタンの操作に加えてタッチパネルによる指入力が可能な機能が要望されている。この場合は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板側にタッチパネルを取り付ける。
【0004】
一方、液晶表示装置では、画面は一定のサイズを保ったまま、セットの外形寸法を小さくしたいという要求と同時に液晶表示パネルを薄くしたいという要求が強い。液晶表示パネルを薄くするために、液晶表示パネルを製作したあと、液晶表示パネルの外側を研磨して薄くしている。
液晶表示パネルを構成する画素電極、TFT(Thin Film Transistor)等が形成されているTFT基板、カラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板のガラス基板は例えば、0.5mmあるいは0.7mmというように規格化されている。これらの規格化されたガラス基板を市場から入手するのは困難である。また、非常に薄いガラス基板は製造工程で機械的強度、撓み等で問題を生じ、製造歩留まりを低下させる。その結果、規格化されたガラス基板を用いて液晶表示パネルを形成後、液晶表示パネルの外面を研磨して薄くしている。
【0005】
液晶表示パネルを薄くすると機械的強度が問題となる。液晶表示パネルの表示面に機械的圧力が加わると液晶表示パネルが破壊する危険がある。一方、タッチパネルは厚さが小さいために、タッチパネルが液晶表示パネルにセットされている場合も、事情は同様である。
【0006】
液晶表示パネルが外力によって破壊するのを防止するために、液晶表示パネルの画面側に樹脂あるいはガラスで形成されたフロントウインドウを取り付ける。この場合、液晶表示パネルとタッチパネルの間、タッチパネルとフロントウインドウの間に空気層が存在し、この部分における界面からの反射によってバックライトからの光の透過率が減少する。
【0007】
これを防止するために、「特許文献1」には、液晶表示パネルとタッチパネルの間、あるいは、タッチパネルとフロントウインドウの間に接着層を形成するか、反射防止膜を形成する構成が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2008−83491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の技術は、液晶表示パネルとタッチパネルの間、あるいは、タッチパネルとフロントウインドウの間の光の反射による明るさの低下についての対策が記載してある。一方、タッチパネルおよびフロントウインドウを用いることの問題点は、表示装置全体としての厚さが大きくなってしまうことである。また、携帯電話等においては、表示装置全体として外形を小さくしたいという要望がある。「特許文献1」には、このような問題点は記載されていない。
【0010】
本発明の課題は、タッチパネルおよびフロントウインドウを用いた液晶表示装置において、信頼性を損ねることなく、厚さを薄くし、外形を小さくする構成を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記問題点を克服するものであり、具体的な構成は下記のとおりである。
【0012】
(1)液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板は前記樹脂モールドの背面に曲げられ、前記メインフレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に曲げられた部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【0013】
(2)前記液晶表示パネルと前記タッチパネルとの接着には熱可塑性の樹脂が使用され、前記フロントウインドウと前記タッチパネルとの接着は熱可塑性の樹脂が使用されていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0014】
(3)前記タッチパネル用フレキシブル配線基板は前記メインフレキシブル配線基板と接続し、かつ、前記樹脂モールドの背面に曲げられていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0015】
(4)前記タッチパネルは静電式タッチパネルであることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0016】
(5)液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板は曲げられて前記樹脂モールドの背面に延在し、前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に延在した部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【0017】
(6)前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板には発光ダイオードのみが搭載されていることを特徴とする(5)に記載の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチパネルおよびフロントウインドウを有する液晶表示装置において、タッチパネル用フレキシブル配線基板の下側に電子部品を搭載し、かつ、メインフレキシブル配線基板の下側に電子部品を搭載し、さらにこれらの電子部品が搭載された部分をフロントウインドウの下側に配置するので、スペースを有効に活用でき、携帯電話等のセッティングのコンパクト化を可能にする。また、タッチパネル用フレキシブル配線基板とメインフレキシブル配線基板に搭載された電子部品どうしが干渉することを防止することが出来る。
【0019】
また、本発明によれば、液晶表示装置からフロントウインドウおよびタッチパネルを分離してリペアするさい、比較的高価なLEDを再生することが出来、液晶表示装置全体として製造コストの低減をすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明による、携帯電話等に使用される液晶表示パネルの平面図である。図1において、TFT基板10上にカラーフィルタ基板20が設置されている。TFT基板10とカラーフィルタ基板20の間に図示しない液晶層が挟持されている。TFT基板10とカラーフィルタ基板20とは額縁部に形成された図示しないシール材によって接着している。TFT基板10はカラーフィルタ基板20よりも大きく形成されており、TFT基板10がカラーフィルタ基板20よりも大きくなっている部分には、液晶表示パネルに電源、映像信号、走査信号等を供給するための端子部が形成されている。
【0022】
端子部には、走査線、映像信号線等を駆動するためのICドライバ30が設置されている。ICドライバ30には走査線駆動回路、映像信号線駆動回路が形成されている。ICドライバ30には、端子部に接続したメインフレキシブル配線基板40を通して、走査信号、映像信号が供給される。
【0023】
TFT基板10の上側には、上偏光板21が貼り付けられている。上偏光板21の外形は表示領域にほぼ等しい。すなわち、液晶は偏光光のみを制御することが出来るので、TFT基板10の下側に下偏光板11を接着し、バックライトからの光を直線偏光に偏光する。この直線偏光光が液晶層によって変調を受け、画素毎に透過率が変化することによって画像が形成される。そして、上偏光板21によって再び偏光(検光)することによって人間の目に画像が視認される。
【0024】
液晶表示パネル全体は、枠状の樹脂モールド60内に収容されている。樹脂モールド60内の液晶表示パネルの下側には後で説明するバックライトが収容されている。図1において、液晶表示パネルの端子部に接続しているメインフレキシブル配線基板40は樹脂モールド60の端部において曲げられて背面に延在している。これによって、液晶表示装置の外形を小さくしている。
【0025】
図2は図1で説明した液晶表示パネルに対してタッチパネル100を接着した図である。タッチパネル100は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20よりもやや大きく形成され、樹脂モールド60の一部を覆っている。図2において、タッチパネル100に電源や信号を供給するタッチパネル用フレキシブル配線基板50がタッチパネル100の端部に取り付けられている。このタッチパネル用フレキシブル配線基板50もモールドの端部において背面に折り曲げられることによって液晶表示装置の外形を小さくしている。なお、背面においてメインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は接続している。
【0026】
図2に示すタッチパネル100は静電容量式のタッチパネル100である。静電容量式のタッチパネル100の断面模式図を図6に示す。図6において、タッチパネル基板101上には下部配線102が形成され、下部配線102の上には絶縁層103が形成され、絶縁層103の上には上部配線104が形成され、さらに上部配線104を覆って保護膜105が形成されている。
【0027】
タッチパネル基板101は一般にはガラスで形成されるが、透明であり、ITOのアニール等の温度に耐えることが出来ればプラスチック基板でもよい。透明樹脂としては、例えば、アクリル、ポリカーボネイト等を使用することが出来る。
【0028】
タッチパネル基板101の表面には下部配線102が形成されている。下部配線102は透明導電膜であるITOによって形成される。ITOはスパッタリングによって被着された後、ストライプ状にパターニングされ、図6のx方向に延在し、y方向、すなわち、紙面垂直方向に配列している。
【0029】
下部配線102を覆って絶縁層103がSiO2膜あるいはSiN膜によって形成される。絶縁層103の上には上部配線104が形成される。上部配線104も透明導電膜であるITOによって形成される。ITOはスパッタリングによって被着された後、ストライプ状にパターニングされ、図6のy方向、すなわち、紙面垂直方向に延在し、x方向に配列している。
【0030】
図6において、下部配線102と上部配線104は直角方向に配列しており、平面でみると、下部配線102と上部配線104で正方形の辺を形成している。一方、下部配線102と上部配線104をタッチパネル100の外形に対して斜め方向のストライプにパンターニングすることも出来る。この場合は、平面でみると下部配線102と上部配線104で菱形の辺を形成することになる。
【0031】
上部配線104はSiO2膜あるいはSiN膜で形成された保護膜105によって被覆され、保護されている。本実施例においては、タッチパネル100の上にはフロントウインドウ200が配置されるが、フロントウインドウ200が無い場合は、タッチパネル100を専用ペンあるいは指で触ることになるので、配線がダメージを受けることを保護膜105によって防止する。
【0032】
上部電極の上を保護膜105およびフロントウインドウ200の上から専用ペンあるいは指で接触することによって、上部配線104と専用ペンあるいは指との間に静電容量が形成されて、接触された部分の上部電極と下部電極の間に形成されていた電荷が移動することになり、位置を検出することが出来る。
【0033】
図6において、上部配線104は絶縁層103に形成された図示しないスルーホールを介してタッチパネル100の端子部と導通している。したがって、タッチパネル100の端子では、上部配線104と下部配線102の両方に信号および電流を供給することが出来るので、接続されるタッチパネル用フレキシブル配線基板50は一枚でよい。タッチパネル用フレキシブル配線基板50はタッチパネル100の端子部において、異方性導電フィルム106を介して接続している。
【0034】
タッチパネル基板101は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20に接着材あるいは粘着材によって取り付けられる。接着材を使用する場合は、例えば、UV硬化樹脂が使用される。UV硬化樹脂は当初は液体であり、液晶表示パネルとタッチパネル100を接着するときは減圧雰囲気中で行われ、気泡の混入を防止する。一方粘着材を使用する場合は、例えば、アクリル系の透明粘着材が使用される。接着材の場合も粘着材の場合も熱可塑性の樹脂が使用される。完成後、気泡、異物等の不良が見つかった場合に、フロントウインドウ200、タッチパネル100、液晶表示パネルを引き剥がしてリペアをするためである。
【0035】
図3は図2で形成された液晶表示パネルにタッチパネル100を取り付けた状態のもの対してフロントウインドウ200を取り付けた状態を示す。フロントウインドウ200は一般にはガラスが用いられ、厚さは0.5mm程度である。フロントウインドウ200の材料にはアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の透明プラスチックを用いることも出来る。
【0036】
フロントウインドウ200の取り付けは、タッチパネル100の保護膜105とフロントウインドウ200の間に接着材を形成して接着するか、粘着材を形成して接着する。接着材を用いる場合は、UV硬化樹脂を用い、接着の仕方はタッチパネル100と液晶表示パネルの接着と同様である。また、粘着材は透明なアクリル樹脂を用いることが出来る。また、この場合の接着材または粘着材は熱可塑性の樹脂が使用される。
【0037】
図3において、フロントウインドウ200の外形は液晶表示パネルおよび樹脂モールド60よりも大きく、液晶表示パネル等全体を保護している。また、フロントウインドウ200はTFT基板10に取り付けられたメインフレキシブル配線基板40、タッチパネル100に取り付けられたタッチパネル用フレキシブル配線基板50も覆い保護している。
【0038】
図4は図3のA−A断面図である。本明細書では、TFT基板10とカラーフィルタ基板20を組み合わせたものを液晶セルとよび、液晶セルに下偏光板11と上偏光板21を接着したものを液晶表示パネルと呼ぶ。カラーフィルタ基板20に接着した上偏光板21に第1粘着材110を介してタッチパネル100が接着している。タッチパネル100の構造は先に説明したとおりである。
【0039】
タッチパネル100の上にはフロントウインドウ200が第2粘着材210を介して接着している。フロントウインドウ200の外形は大きく、タッチパネル用フレキシブル配線基板50およびメインフレキシブル配線基板40も覆っている。本実施例では、第1粘着材110も第2粘着材210も透明なアクリル系の粘着材が使用される。
【0040】
タッチパネル100にはタッチパネル用フレキシブル配線基板50が接続している。タッチパネル用フレキシブル配線基板50にはタッチパネル用電子部品51が配置されているがこのタッチパネル用電子部品51はフレキシブル配線基板の下側に配置している。図4において、タッチパネル用電子部品51は1個しか記載されていないが、これは模式的に記載したものであり、実際には10個以上の電子部品が搭載されている。
【0041】
タッチパネル100は図4のように組み込まれる前は、トレー内に配置され運搬される。このとき、電子部品が下向きに取り付けられている場合、トレーと電子部品が接触して電子部品を傷つけて不良にする場合があるので、通常はタッチパネル用フレキシブル配線基板50の上側にタッチパネル用電子部品51が取り付けられる。
【0042】
一方、本発明では、フロントウインドウ200を液晶表示パネルのサイズよりも大きく形成し、液晶表示パネル全体を保護する構成となっている。このような構成を可能とするために、本発明では、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に取り付けるタッチパネル用電子部品51を、あえて、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の下側に取り付けている。これが本発明の特徴の一つである。
【0043】
しかし、本発明の構成では、タッチパネル用フレキシブル配線基板50とメインフレキシブル配線基板40が使用される。したがって、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品とメインフレキシブル配線基板40の電子部品との機械的な干渉を防止する必要がある。
【0044】
図4において、液晶セルのTFT基板10の端子部にはICドライバ30が配置されている。またTFT基板10に形成された端子にはメインフレキシブル配線基板40が接続している。メインフレキシブル配線基板40は曲げられて液晶表示パネルの背面に延在している。メインフレキシブル配線基板40には、LCD用電子部品41が取り付けられている。図4では、LCD用電子部品41は1個しか記載されていないが、これは模式的に記載したものであり、実際には10個以上の電子部品が搭載されている。図4において、フロントウインドウ200はメインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41をも覆うように設定されている。
【0045】
ところで、メインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41には、明るさや色度等、画面を調整するためのボリュームが取り付けられており、このボリュームを調整することによって液晶表示装置の画面を調整する作業が行われる。このような作業を行うためには、メインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41はメインフレキシブル配線基板40の上側に存在することが便利である。
【0046】
しかし、本発明においては、LCD用電子部品41はメインフレキシブル配線基板40の下側に配置している。すなわち、LCD用電子部品41がメインフレキシブル配線基板40の上側に取り付けられていると、先に述べたタッチパネル用フレキシブル配線基板50に取り付けられたタッチパネル用電子部品51と干渉あるいは接触を起こす。これを防止するために本発明では、LCD用電子部品41をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置しているのである。
【0047】
一方、電子部品をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置すると、メインフレキシブル配線基板40を下側に曲げたとき電子部品とモールドとがぶつかることになり、これを避けるためには、液晶表示装置の平面方向のサイズが大きくなるという問題を生ずる。
【0048】
本発明では、フロントウインドウ200を液晶表示装置よりも大きくする構造とし、メインフレキシブル配線基板40の下側に電子部品を配置した場合の問題点を解決している。例えば携帯電話サービス会社のロゴマーク等の固定印刷画像等は携帯電話に必ず配置されるものである。フロントウインドウ200のサイズが大きくなった部分にこのような機能を持たせ、かつこの部分にタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品やメインフレキシブル配線基板40の電子部品を配置することによって、携帯電話全体の外形の大きさが大きくなることを抑制することが出来る。
【0049】
また、本発明においては、電子部品をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置するとともに、発光ダイオード70も他の電子部品と同様メインフレキシブル配線基板40の下側に配置する。ただし、発光ダイオード70はメインフレキシブル配線基板40が樹脂モールド60の背面に曲げられた部分に配置される。そうすると、メインフレキシブル配線基板40を背面に曲げたさい、樹脂モールド60に形成された凹部に発光ダイオード70を収容することが出来る。そして発光ダイオード70は図4に示すように、導光板62の端部と対向して配置され、バックライトの1部となる。なお、発光ダイオード70には本実施例においては、白色発光ダイオードが使用される。
【0050】
図4において、液晶表示パネルは樹脂モールド60に載置されている。図4において、液晶表示パネルの下偏光板11は樹脂モールド60内に収容され、下偏光板11の背面にはバックライトが配置されている。バックライトは次のような構成となっている。
【0051】
端部が発光ダイオード70と対向した導光板62が配置されている。導光板62の役割は側面から入射する発光ダイオード70からの光を液晶表示パネル側に向けることである。発光ダイオード70はサイズが大きいので、液晶表示装置全体の厚さを小さくするために、導光板62は発光ダイオード70と対向する部分において、厚さを大きくし、後で述べる光学シートと重なる部分において、厚さを小さくしている。
【0052】
図4において、導光板62の下側には反射シート61が配置されている。導光板62から下側に向かう光を反射して液晶表示パネル側に向かわせるためである。一方、導光板62の上側には下拡散シート63、下プリズムシート64、上プリズムシート65、上拡散シート66からなる光学シート群67が配置されている。
【0053】
図5は光学シート群67の斜視図である。図5において、一番下側が下拡散シート63である。導光板62から液晶表示パネル側に出射する光は発光ダイオード70の近くが比較的明るいというように、明るさむらを有しているが、下拡散シート63はこのような明るさむらを緩和し、均一なバックライトを形成する。
【0054】
下拡散シート63の上には下プリズムシート64が配置されている。下プリズムシート64は例えば、図5のように、断面が3角のプリズムが横方向に延在し、縦方向に配列している。各プリズムのピッチは50μm程度である。下プリズムシート64は図5において、a方向に広がろうとする光を下プリズムシート64の鉛直方向に向けて光の利用効率を上昇させる役割を有する。
【0055】
下プリズムシート64の上には上プリズムシート65が配置されている。上プリズムシート65は例えば、図5のように、断面が3角のプリズムが縦方向に延在し、横方向に配列している。各プリズムのピッチは50μm程度である。上プリズムシート65は図5において、b方向に広がろうとする光を上プリズムシート65の鉛直方向に向けて光の利用効率を上昇させる役割を有する。
【0056】
図5において、上プリズムシート65の上には、上拡散シート66が配置されている。上拡散シート66は液晶表示装置の画面におけるモアレの発生を抑制する働きを有する。すなわち、下プリズムシート64あるいは上プリズムシート65を出射した光は微視的にはプリズムピッチに対応して周期的に明るさが変化している。
【0057】
一方、液晶表示パネルのTFT基板10には、走査線が例えば、横方向に延在し、縦方向に配列している。したがって、走査線によって縦方向に、周期的に光を透過する部分と遮蔽する部分とが生ずる。また、映像信号線が縦方向に延在し、横方向に配列している。したがって、映像信号線によって横方向に周期的に光を透過する部分と遮蔽する部分とが生ずる。
【0058】
そうると、下プリズムシート64および上プリズムシート65を通過した光と液晶表示パネルのTFT基板10との間に光の干渉が生じ、モアレを発生する。上拡散シート66はプリズムシートを透過してきた光の強弱を緩和することによって、TFT基板10に形成された走査線あるいは映像信号線との干渉を緩和し、モアレの発生を抑制する役割を有している。
【0059】
図4に戻り、これらの光学シート群67は導光板62の上に重ねられる。光学シート群67の一番上の上拡散シート66と液晶表示パネルの下偏光板11との間には50μm程度の間隔が空けられている。下偏光板11と上拡散シート66が擦れて傷が発生することを防止するためである。
【0060】
図4において、液晶セルに接続したメインフレキシブル配線基板40と、タッチパネル100に接続したタッチパネル用フレキシブル配線基板50は曲げられて液晶表示パネルの背面に延在している。メインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は図4には図示しない場所で接続される。
【0061】
以上のように、本発明においては、フロントウインドウ200をメインフレキシブル配線基板40の電子部品およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品を覆う程度にまで大きく形成することによって、液晶表示パネル全体を保護するとともに、フロントウインドウ200が液晶表示パネルよりも大きくなった部分において、固定パターン等を配置してこの部分を有効利用する。
【0062】
このような構成とすることによって、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品を下側に配置し、また、メインフレキシブル配線基板40の電子部品も下側に配置できるようにして、電子部品どうしの干渉を防止することが出来る。
【0063】
本発明においては、電子部品のみでなく、発光ダイオード70もメインフレキシブル配線基板40の下側に配置することによってメインフレキシブル配線基板40を背面に曲げたときに発光ダイオード70を樹脂モールド60内に収容して導光板62の端部に配置することが出来る。本発明において、このような配置をとることは次のような利点を有する。
【0064】
本発明の対象である液晶表示装置は液晶表示パネルの上にタッチパネル100が配置され、タッチパネル100の上にフロントウインドウ200が配置される構成となっている。タッチパネル100と液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20の接着あるいはタッチパネル100とフロントウインドウ200の接着は接着材あるいは粘着材を用いて行われる。
【0065】
タッチパネル100と液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20の接着、あるいは、タッチパネル100とフロントウインドウ200の接着を行うときに、気泡あるいは異物を巻きこむ可能性がある。このような場合は、高価な液晶表示装置を再生をする必要がある。この場合は、フロントウインドウ200の接着した液晶表示装置を加熱して、細いピアノ線のようなものを使用して、フロントウインドウ200あるいはタッチパネル100を剥離する。
【0066】
このような剥離作業において、従来は、メインフレキシブル配線基板40、バックライト等を全て破棄していた。このとき、比較的値段の高い発光ダイオード70も同時に廃棄していた。本発明の構成によれば、メインフレキシブル配線基板40に発光ダイオード70が取り付けられているので、フロントウインドウ200あるいはタッチパネル100を剥離する作業を行う前に、メインフレキシブル配線基板40を液晶表示パネルから剥離することによって、比較的高価な発光ダイオード70を再利用することが出来る。
【0067】
以上説明したように、ハイブリッド型の液晶表示装置において、本発明を用いることによって、メインフレキシブル配線基板40の電子部品とタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品の干渉あるいは接触を防止することが出来る。また、ハイブリッド型液晶表示装置が完成したあと、不良が見つかった場合、再生工程において、従来廃棄せざるを得なかった、発光ダイオード70を再生、使用することが出来るようになり、ハイブリッド型液晶表示装置の製造コストを低減することが出来る。
【実施例2】
【0068】
図7は本発明の第2の実施例に使用されるメインフレキシブル配線基板40の斜視図である。図7において、メインフレキシブル配線基板40から発光ダイオード70が配置される発光ダイオード用フレキシブル配線基板45が分岐している。図7において、発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は折り返されて、図示しないバックライトの背面に延在することになる。
【0069】
図7において、分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45には3個の発光ダイオード70が配置されている。メインフレキシブル配線基板40は折り返されずに前方に延びており、メインフレキシブル配線基板40の下側には図示しない電子部品が配置されている。
【0070】
図8はこのようなメインフレキシブル配線基板40を液晶表示装置に取り付けた場合の平面図である。図8において、メインフレキシブル配線基板40は折り返されずに前方に延在しているが、分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45の部分は樹脂モールド60の背面に折り返されている。
【0071】
図9は図8に示すメインフレキシブル配線基板40が接続された液晶表示装置に対してタッチパネル100を設置した場合の平面図である。図9において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50は折り返されずに前方に延在している。また、メインフレキシブル配線基板40も折り返されずに前方に延在している。メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45はタッチパネル用フレキシブル配線基板50の裏側に延在しているので、図示はしていない。
【0072】
図10は図9に示す、タッチパネル100が取り付けられた液晶表示装置にフロントウインドウ200を設置した状態を示す平面図である。図10において、メインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は前方に延在している。しかし、メインフレキシブル配線基板40に配置された電子部品およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置された電子部品はいずれもフロントウインドウ200の下側に配置されているので図示されていない。メインフレキシブル配線基板40およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50のうちフロントウインドウ200よりも外側に出ているのは、各フレキシブル配線基板の端子部のみである。
【0073】
図11は図10のA−A断面図である。A−A断面は、メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45の部分の断面である。図11において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50とメインフレキシブル配線基板40の部分を除いては図4と同じなのでこの部分の説明は省略する。
【0074】
図11において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50は折り返されずに前方に延在しているが、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置された電子部品はフロントウインドウ200の下側に配置されている。また、メインフレキシブル配線基板40も折り返されずに前方に延在し、下側に電子部品が搭載されている。しかし、発光ダイオード用フレキシブル配線基板45はメインフレキシブル配線基板40から分岐し、折り返されてバックライトの背面に延在している。
【0075】
図11のメインフレキシブル配線基板40において、発光ダイオード70を除く全ての電子部品はメインフレキシブル配線基板40の下側に搭載されている。一方発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は折り返されてバックライトの背面に延在している。発光ダイオード用フレキシブル配線基板45には電子部品としては発光ダイオード70のみが配置されている。
【0076】
以上のように、本実施例においては、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置される電子部品は全て下側に配置され、かつ、フロントウインドウ200の下に配置されている。また、メインフレキシブル配線基板40に配置された電子部品もメインフレキシブル配線基板40の下側に配置され、かつ、フロントウインドウ200の下に配置されている。
【0077】
本実施例においては、携帯電話等のセットに組みこまれる前の液晶表示装置におけるタッチパネル用フレキシブル配線基板50および発光ダイオード用フレキシブル配線基板45を除くメインフレキシブル配線基板40は折り返されていない。したがって、液晶表示装置の状態において、フレキシブル配線基板を折り返すことによる曲げ応力による副作用等を防止できる。なお、メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は、図7等に示すように幅が狭いので、曲げ応力は大きな問題にはならない。
【0078】
本実施例においても、発光ダイオード70を除く電子部品は、全て折り返されていないタッチパネル用フレキシブル配線基板50あるいはメインフレキシブル配線基板40の下側に配置され、かつ、平面的にはフロントウインドウ200にカバーされている。したがって、液晶表示装置全体のコンパクト化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1の液晶表示装置の平面図である。
【図2】タッチパネルが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図3】フロントウインドウが取り付けられた液晶表示装置である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】光学シート群の分解斜視図である。
【図6】タッチパネルの概略断面図である。
【図7】実施例2に使用されるメインフレキシブル配線基板の斜視図である。
【図8】実施例2の液晶表示装置の平面図である。
【図9】図8の液晶表示装置にタッチパネルが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図10】図9の液晶表示装置にフロントウインドウが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図11】図10の断面図である。
【符号の説明】
【0080】
10…TFT基板、11…下偏光板、 20…カラーフィルタ基板、 21…上偏光板、 30…IC、 40…メインフレキシブル配線基板、 40…発光ダイオード用フレキシブル配線基板、 41…LCD用電子部品、 50…タッチパネル用フレキシブル配線基板、 51…タッチパネル用電子部品、 60…樹脂モールド、 61…反射シート、 62…導光板、 63…下拡散シート、 64…下プリズムシート、 65…上プリズムシート、 66…上拡散シート、 67…光学シート群、 70…発光ダイオード、 100…タッチパネル、 101…タッチパネル基板、 102…下配線、 103…絶縁層、 104…上配線、 105…保護膜、 106…異方性導電フィルム、 110…第1粘着材、 200…フロントウインドウ、 210…第2粘着材。
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に係り、特に携帯電話等に使用されるタッチパネルを有する小型の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)等がマトリクス状に形成されたTFT基板と、TFT基板に対向して、TFT基板の画素電極と対応する場所にカラーフィルタ等が形成されたカラーフィルタ基板が設置され、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に液晶が挟持されている。そして液晶分子による光の透過率を画素毎に制御することによって画像を形成している。
【0003】
液晶表示装置は小型で薄型にできることから携帯電話等、種々の用途に使用されている。携帯電話では近年多種の用途が加得られている。また、入力装置も、従来のキーボタンの操作に加えてタッチパネルによる指入力が可能な機能が要望されている。この場合は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板側にタッチパネルを取り付ける。
【0004】
一方、液晶表示装置では、画面は一定のサイズを保ったまま、セットの外形寸法を小さくしたいという要求と同時に液晶表示パネルを薄くしたいという要求が強い。液晶表示パネルを薄くするために、液晶表示パネルを製作したあと、液晶表示パネルの外側を研磨して薄くしている。
液晶表示パネルを構成する画素電極、TFT(Thin Film Transistor)等が形成されているTFT基板、カラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板のガラス基板は例えば、0.5mmあるいは0.7mmというように規格化されている。これらの規格化されたガラス基板を市場から入手するのは困難である。また、非常に薄いガラス基板は製造工程で機械的強度、撓み等で問題を生じ、製造歩留まりを低下させる。その結果、規格化されたガラス基板を用いて液晶表示パネルを形成後、液晶表示パネルの外面を研磨して薄くしている。
【0005】
液晶表示パネルを薄くすると機械的強度が問題となる。液晶表示パネルの表示面に機械的圧力が加わると液晶表示パネルが破壊する危険がある。一方、タッチパネルは厚さが小さいために、タッチパネルが液晶表示パネルにセットされている場合も、事情は同様である。
【0006】
液晶表示パネルが外力によって破壊するのを防止するために、液晶表示パネルの画面側に樹脂あるいはガラスで形成されたフロントウインドウを取り付ける。この場合、液晶表示パネルとタッチパネルの間、タッチパネルとフロントウインドウの間に空気層が存在し、この部分における界面からの反射によってバックライトからの光の透過率が減少する。
【0007】
これを防止するために、「特許文献1」には、液晶表示パネルとタッチパネルの間、あるいは、タッチパネルとフロントウインドウの間に接着層を形成するか、反射防止膜を形成する構成が記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2008−83491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の技術は、液晶表示パネルとタッチパネルの間、あるいは、タッチパネルとフロントウインドウの間の光の反射による明るさの低下についての対策が記載してある。一方、タッチパネルおよびフロントウインドウを用いることの問題点は、表示装置全体としての厚さが大きくなってしまうことである。また、携帯電話等においては、表示装置全体として外形を小さくしたいという要望がある。「特許文献1」には、このような問題点は記載されていない。
【0010】
本発明の課題は、タッチパネルおよびフロントウインドウを用いた液晶表示装置において、信頼性を損ねることなく、厚さを薄くし、外形を小さくする構成を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記問題点を克服するものであり、具体的な構成は下記のとおりである。
【0012】
(1)液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板は前記樹脂モールドの背面に曲げられ、前記メインフレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に曲げられた部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【0013】
(2)前記液晶表示パネルと前記タッチパネルとの接着には熱可塑性の樹脂が使用され、前記フロントウインドウと前記タッチパネルとの接着は熱可塑性の樹脂が使用されていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0014】
(3)前記タッチパネル用フレキシブル配線基板は前記メインフレキシブル配線基板と接続し、かつ、前記樹脂モールドの背面に曲げられていることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0015】
(4)前記タッチパネルは静電式タッチパネルであることを特徴とする(1)に記載の液晶表示装置。
【0016】
(5)液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板は曲げられて前記樹脂モールドの背面に延在し、前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に延在した部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【0017】
(6)前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板には発光ダイオードのみが搭載されていることを特徴とする(5)に記載の液晶表示装置。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、タッチパネルおよびフロントウインドウを有する液晶表示装置において、タッチパネル用フレキシブル配線基板の下側に電子部品を搭載し、かつ、メインフレキシブル配線基板の下側に電子部品を搭載し、さらにこれらの電子部品が搭載された部分をフロントウインドウの下側に配置するので、スペースを有効に活用でき、携帯電話等のセッティングのコンパクト化を可能にする。また、タッチパネル用フレキシブル配線基板とメインフレキシブル配線基板に搭載された電子部品どうしが干渉することを防止することが出来る。
【0019】
また、本発明によれば、液晶表示装置からフロントウインドウおよびタッチパネルを分離してリペアするさい、比較的高価なLEDを再生することが出来、液晶表示装置全体として製造コストの低減をすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施例にしたがって、本発明の詳細な内容を開示する。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明による、携帯電話等に使用される液晶表示パネルの平面図である。図1において、TFT基板10上にカラーフィルタ基板20が設置されている。TFT基板10とカラーフィルタ基板20の間に図示しない液晶層が挟持されている。TFT基板10とカラーフィルタ基板20とは額縁部に形成された図示しないシール材によって接着している。TFT基板10はカラーフィルタ基板20よりも大きく形成されており、TFT基板10がカラーフィルタ基板20よりも大きくなっている部分には、液晶表示パネルに電源、映像信号、走査信号等を供給するための端子部が形成されている。
【0022】
端子部には、走査線、映像信号線等を駆動するためのICドライバ30が設置されている。ICドライバ30には走査線駆動回路、映像信号線駆動回路が形成されている。ICドライバ30には、端子部に接続したメインフレキシブル配線基板40を通して、走査信号、映像信号が供給される。
【0023】
TFT基板10の上側には、上偏光板21が貼り付けられている。上偏光板21の外形は表示領域にほぼ等しい。すなわち、液晶は偏光光のみを制御することが出来るので、TFT基板10の下側に下偏光板11を接着し、バックライトからの光を直線偏光に偏光する。この直線偏光光が液晶層によって変調を受け、画素毎に透過率が変化することによって画像が形成される。そして、上偏光板21によって再び偏光(検光)することによって人間の目に画像が視認される。
【0024】
液晶表示パネル全体は、枠状の樹脂モールド60内に収容されている。樹脂モールド60内の液晶表示パネルの下側には後で説明するバックライトが収容されている。図1において、液晶表示パネルの端子部に接続しているメインフレキシブル配線基板40は樹脂モールド60の端部において曲げられて背面に延在している。これによって、液晶表示装置の外形を小さくしている。
【0025】
図2は図1で説明した液晶表示パネルに対してタッチパネル100を接着した図である。タッチパネル100は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20よりもやや大きく形成され、樹脂モールド60の一部を覆っている。図2において、タッチパネル100に電源や信号を供給するタッチパネル用フレキシブル配線基板50がタッチパネル100の端部に取り付けられている。このタッチパネル用フレキシブル配線基板50もモールドの端部において背面に折り曲げられることによって液晶表示装置の外形を小さくしている。なお、背面においてメインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は接続している。
【0026】
図2に示すタッチパネル100は静電容量式のタッチパネル100である。静電容量式のタッチパネル100の断面模式図を図6に示す。図6において、タッチパネル基板101上には下部配線102が形成され、下部配線102の上には絶縁層103が形成され、絶縁層103の上には上部配線104が形成され、さらに上部配線104を覆って保護膜105が形成されている。
【0027】
タッチパネル基板101は一般にはガラスで形成されるが、透明であり、ITOのアニール等の温度に耐えることが出来ればプラスチック基板でもよい。透明樹脂としては、例えば、アクリル、ポリカーボネイト等を使用することが出来る。
【0028】
タッチパネル基板101の表面には下部配線102が形成されている。下部配線102は透明導電膜であるITOによって形成される。ITOはスパッタリングによって被着された後、ストライプ状にパターニングされ、図6のx方向に延在し、y方向、すなわち、紙面垂直方向に配列している。
【0029】
下部配線102を覆って絶縁層103がSiO2膜あるいはSiN膜によって形成される。絶縁層103の上には上部配線104が形成される。上部配線104も透明導電膜であるITOによって形成される。ITOはスパッタリングによって被着された後、ストライプ状にパターニングされ、図6のy方向、すなわち、紙面垂直方向に延在し、x方向に配列している。
【0030】
図6において、下部配線102と上部配線104は直角方向に配列しており、平面でみると、下部配線102と上部配線104で正方形の辺を形成している。一方、下部配線102と上部配線104をタッチパネル100の外形に対して斜め方向のストライプにパンターニングすることも出来る。この場合は、平面でみると下部配線102と上部配線104で菱形の辺を形成することになる。
【0031】
上部配線104はSiO2膜あるいはSiN膜で形成された保護膜105によって被覆され、保護されている。本実施例においては、タッチパネル100の上にはフロントウインドウ200が配置されるが、フロントウインドウ200が無い場合は、タッチパネル100を専用ペンあるいは指で触ることになるので、配線がダメージを受けることを保護膜105によって防止する。
【0032】
上部電極の上を保護膜105およびフロントウインドウ200の上から専用ペンあるいは指で接触することによって、上部配線104と専用ペンあるいは指との間に静電容量が形成されて、接触された部分の上部電極と下部電極の間に形成されていた電荷が移動することになり、位置を検出することが出来る。
【0033】
図6において、上部配線104は絶縁層103に形成された図示しないスルーホールを介してタッチパネル100の端子部と導通している。したがって、タッチパネル100の端子では、上部配線104と下部配線102の両方に信号および電流を供給することが出来るので、接続されるタッチパネル用フレキシブル配線基板50は一枚でよい。タッチパネル用フレキシブル配線基板50はタッチパネル100の端子部において、異方性導電フィルム106を介して接続している。
【0034】
タッチパネル基板101は液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20に接着材あるいは粘着材によって取り付けられる。接着材を使用する場合は、例えば、UV硬化樹脂が使用される。UV硬化樹脂は当初は液体であり、液晶表示パネルとタッチパネル100を接着するときは減圧雰囲気中で行われ、気泡の混入を防止する。一方粘着材を使用する場合は、例えば、アクリル系の透明粘着材が使用される。接着材の場合も粘着材の場合も熱可塑性の樹脂が使用される。完成後、気泡、異物等の不良が見つかった場合に、フロントウインドウ200、タッチパネル100、液晶表示パネルを引き剥がしてリペアをするためである。
【0035】
図3は図2で形成された液晶表示パネルにタッチパネル100を取り付けた状態のもの対してフロントウインドウ200を取り付けた状態を示す。フロントウインドウ200は一般にはガラスが用いられ、厚さは0.5mm程度である。フロントウインドウ200の材料にはアクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂等の透明プラスチックを用いることも出来る。
【0036】
フロントウインドウ200の取り付けは、タッチパネル100の保護膜105とフロントウインドウ200の間に接着材を形成して接着するか、粘着材を形成して接着する。接着材を用いる場合は、UV硬化樹脂を用い、接着の仕方はタッチパネル100と液晶表示パネルの接着と同様である。また、粘着材は透明なアクリル樹脂を用いることが出来る。また、この場合の接着材または粘着材は熱可塑性の樹脂が使用される。
【0037】
図3において、フロントウインドウ200の外形は液晶表示パネルおよび樹脂モールド60よりも大きく、液晶表示パネル等全体を保護している。また、フロントウインドウ200はTFT基板10に取り付けられたメインフレキシブル配線基板40、タッチパネル100に取り付けられたタッチパネル用フレキシブル配線基板50も覆い保護している。
【0038】
図4は図3のA−A断面図である。本明細書では、TFT基板10とカラーフィルタ基板20を組み合わせたものを液晶セルとよび、液晶セルに下偏光板11と上偏光板21を接着したものを液晶表示パネルと呼ぶ。カラーフィルタ基板20に接着した上偏光板21に第1粘着材110を介してタッチパネル100が接着している。タッチパネル100の構造は先に説明したとおりである。
【0039】
タッチパネル100の上にはフロントウインドウ200が第2粘着材210を介して接着している。フロントウインドウ200の外形は大きく、タッチパネル用フレキシブル配線基板50およびメインフレキシブル配線基板40も覆っている。本実施例では、第1粘着材110も第2粘着材210も透明なアクリル系の粘着材が使用される。
【0040】
タッチパネル100にはタッチパネル用フレキシブル配線基板50が接続している。タッチパネル用フレキシブル配線基板50にはタッチパネル用電子部品51が配置されているがこのタッチパネル用電子部品51はフレキシブル配線基板の下側に配置している。図4において、タッチパネル用電子部品51は1個しか記載されていないが、これは模式的に記載したものであり、実際には10個以上の電子部品が搭載されている。
【0041】
タッチパネル100は図4のように組み込まれる前は、トレー内に配置され運搬される。このとき、電子部品が下向きに取り付けられている場合、トレーと電子部品が接触して電子部品を傷つけて不良にする場合があるので、通常はタッチパネル用フレキシブル配線基板50の上側にタッチパネル用電子部品51が取り付けられる。
【0042】
一方、本発明では、フロントウインドウ200を液晶表示パネルのサイズよりも大きく形成し、液晶表示パネル全体を保護する構成となっている。このような構成を可能とするために、本発明では、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に取り付けるタッチパネル用電子部品51を、あえて、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の下側に取り付けている。これが本発明の特徴の一つである。
【0043】
しかし、本発明の構成では、タッチパネル用フレキシブル配線基板50とメインフレキシブル配線基板40が使用される。したがって、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品とメインフレキシブル配線基板40の電子部品との機械的な干渉を防止する必要がある。
【0044】
図4において、液晶セルのTFT基板10の端子部にはICドライバ30が配置されている。またTFT基板10に形成された端子にはメインフレキシブル配線基板40が接続している。メインフレキシブル配線基板40は曲げられて液晶表示パネルの背面に延在している。メインフレキシブル配線基板40には、LCD用電子部品41が取り付けられている。図4では、LCD用電子部品41は1個しか記載されていないが、これは模式的に記載したものであり、実際には10個以上の電子部品が搭載されている。図4において、フロントウインドウ200はメインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41をも覆うように設定されている。
【0045】
ところで、メインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41には、明るさや色度等、画面を調整するためのボリュームが取り付けられており、このボリュームを調整することによって液晶表示装置の画面を調整する作業が行われる。このような作業を行うためには、メインフレキシブル配線基板40に取り付けられたLCD用電子部品41はメインフレキシブル配線基板40の上側に存在することが便利である。
【0046】
しかし、本発明においては、LCD用電子部品41はメインフレキシブル配線基板40の下側に配置している。すなわち、LCD用電子部品41がメインフレキシブル配線基板40の上側に取り付けられていると、先に述べたタッチパネル用フレキシブル配線基板50に取り付けられたタッチパネル用電子部品51と干渉あるいは接触を起こす。これを防止するために本発明では、LCD用電子部品41をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置しているのである。
【0047】
一方、電子部品をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置すると、メインフレキシブル配線基板40を下側に曲げたとき電子部品とモールドとがぶつかることになり、これを避けるためには、液晶表示装置の平面方向のサイズが大きくなるという問題を生ずる。
【0048】
本発明では、フロントウインドウ200を液晶表示装置よりも大きくする構造とし、メインフレキシブル配線基板40の下側に電子部品を配置した場合の問題点を解決している。例えば携帯電話サービス会社のロゴマーク等の固定印刷画像等は携帯電話に必ず配置されるものである。フロントウインドウ200のサイズが大きくなった部分にこのような機能を持たせ、かつこの部分にタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品やメインフレキシブル配線基板40の電子部品を配置することによって、携帯電話全体の外形の大きさが大きくなることを抑制することが出来る。
【0049】
また、本発明においては、電子部品をメインフレキシブル配線基板40の下側に配置するとともに、発光ダイオード70も他の電子部品と同様メインフレキシブル配線基板40の下側に配置する。ただし、発光ダイオード70はメインフレキシブル配線基板40が樹脂モールド60の背面に曲げられた部分に配置される。そうすると、メインフレキシブル配線基板40を背面に曲げたさい、樹脂モールド60に形成された凹部に発光ダイオード70を収容することが出来る。そして発光ダイオード70は図4に示すように、導光板62の端部と対向して配置され、バックライトの1部となる。なお、発光ダイオード70には本実施例においては、白色発光ダイオードが使用される。
【0050】
図4において、液晶表示パネルは樹脂モールド60に載置されている。図4において、液晶表示パネルの下偏光板11は樹脂モールド60内に収容され、下偏光板11の背面にはバックライトが配置されている。バックライトは次のような構成となっている。
【0051】
端部が発光ダイオード70と対向した導光板62が配置されている。導光板62の役割は側面から入射する発光ダイオード70からの光を液晶表示パネル側に向けることである。発光ダイオード70はサイズが大きいので、液晶表示装置全体の厚さを小さくするために、導光板62は発光ダイオード70と対向する部分において、厚さを大きくし、後で述べる光学シートと重なる部分において、厚さを小さくしている。
【0052】
図4において、導光板62の下側には反射シート61が配置されている。導光板62から下側に向かう光を反射して液晶表示パネル側に向かわせるためである。一方、導光板62の上側には下拡散シート63、下プリズムシート64、上プリズムシート65、上拡散シート66からなる光学シート群67が配置されている。
【0053】
図5は光学シート群67の斜視図である。図5において、一番下側が下拡散シート63である。導光板62から液晶表示パネル側に出射する光は発光ダイオード70の近くが比較的明るいというように、明るさむらを有しているが、下拡散シート63はこのような明るさむらを緩和し、均一なバックライトを形成する。
【0054】
下拡散シート63の上には下プリズムシート64が配置されている。下プリズムシート64は例えば、図5のように、断面が3角のプリズムが横方向に延在し、縦方向に配列している。各プリズムのピッチは50μm程度である。下プリズムシート64は図5において、a方向に広がろうとする光を下プリズムシート64の鉛直方向に向けて光の利用効率を上昇させる役割を有する。
【0055】
下プリズムシート64の上には上プリズムシート65が配置されている。上プリズムシート65は例えば、図5のように、断面が3角のプリズムが縦方向に延在し、横方向に配列している。各プリズムのピッチは50μm程度である。上プリズムシート65は図5において、b方向に広がろうとする光を上プリズムシート65の鉛直方向に向けて光の利用効率を上昇させる役割を有する。
【0056】
図5において、上プリズムシート65の上には、上拡散シート66が配置されている。上拡散シート66は液晶表示装置の画面におけるモアレの発生を抑制する働きを有する。すなわち、下プリズムシート64あるいは上プリズムシート65を出射した光は微視的にはプリズムピッチに対応して周期的に明るさが変化している。
【0057】
一方、液晶表示パネルのTFT基板10には、走査線が例えば、横方向に延在し、縦方向に配列している。したがって、走査線によって縦方向に、周期的に光を透過する部分と遮蔽する部分とが生ずる。また、映像信号線が縦方向に延在し、横方向に配列している。したがって、映像信号線によって横方向に周期的に光を透過する部分と遮蔽する部分とが生ずる。
【0058】
そうると、下プリズムシート64および上プリズムシート65を通過した光と液晶表示パネルのTFT基板10との間に光の干渉が生じ、モアレを発生する。上拡散シート66はプリズムシートを透過してきた光の強弱を緩和することによって、TFT基板10に形成された走査線あるいは映像信号線との干渉を緩和し、モアレの発生を抑制する役割を有している。
【0059】
図4に戻り、これらの光学シート群67は導光板62の上に重ねられる。光学シート群67の一番上の上拡散シート66と液晶表示パネルの下偏光板11との間には50μm程度の間隔が空けられている。下偏光板11と上拡散シート66が擦れて傷が発生することを防止するためである。
【0060】
図4において、液晶セルに接続したメインフレキシブル配線基板40と、タッチパネル100に接続したタッチパネル用フレキシブル配線基板50は曲げられて液晶表示パネルの背面に延在している。メインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は図4には図示しない場所で接続される。
【0061】
以上のように、本発明においては、フロントウインドウ200をメインフレキシブル配線基板40の電子部品およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品を覆う程度にまで大きく形成することによって、液晶表示パネル全体を保護するとともに、フロントウインドウ200が液晶表示パネルよりも大きくなった部分において、固定パターン等を配置してこの部分を有効利用する。
【0062】
このような構成とすることによって、タッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品を下側に配置し、また、メインフレキシブル配線基板40の電子部品も下側に配置できるようにして、電子部品どうしの干渉を防止することが出来る。
【0063】
本発明においては、電子部品のみでなく、発光ダイオード70もメインフレキシブル配線基板40の下側に配置することによってメインフレキシブル配線基板40を背面に曲げたときに発光ダイオード70を樹脂モールド60内に収容して導光板62の端部に配置することが出来る。本発明において、このような配置をとることは次のような利点を有する。
【0064】
本発明の対象である液晶表示装置は液晶表示パネルの上にタッチパネル100が配置され、タッチパネル100の上にフロントウインドウ200が配置される構成となっている。タッチパネル100と液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20の接着あるいはタッチパネル100とフロントウインドウ200の接着は接着材あるいは粘着材を用いて行われる。
【0065】
タッチパネル100と液晶表示パネルのカラーフィルタ基板20の接着、あるいは、タッチパネル100とフロントウインドウ200の接着を行うときに、気泡あるいは異物を巻きこむ可能性がある。このような場合は、高価な液晶表示装置を再生をする必要がある。この場合は、フロントウインドウ200の接着した液晶表示装置を加熱して、細いピアノ線のようなものを使用して、フロントウインドウ200あるいはタッチパネル100を剥離する。
【0066】
このような剥離作業において、従来は、メインフレキシブル配線基板40、バックライト等を全て破棄していた。このとき、比較的値段の高い発光ダイオード70も同時に廃棄していた。本発明の構成によれば、メインフレキシブル配線基板40に発光ダイオード70が取り付けられているので、フロントウインドウ200あるいはタッチパネル100を剥離する作業を行う前に、メインフレキシブル配線基板40を液晶表示パネルから剥離することによって、比較的高価な発光ダイオード70を再利用することが出来る。
【0067】
以上説明したように、ハイブリッド型の液晶表示装置において、本発明を用いることによって、メインフレキシブル配線基板40の電子部品とタッチパネル用フレキシブル配線基板50の電子部品の干渉あるいは接触を防止することが出来る。また、ハイブリッド型液晶表示装置が完成したあと、不良が見つかった場合、再生工程において、従来廃棄せざるを得なかった、発光ダイオード70を再生、使用することが出来るようになり、ハイブリッド型液晶表示装置の製造コストを低減することが出来る。
【実施例2】
【0068】
図7は本発明の第2の実施例に使用されるメインフレキシブル配線基板40の斜視図である。図7において、メインフレキシブル配線基板40から発光ダイオード70が配置される発光ダイオード用フレキシブル配線基板45が分岐している。図7において、発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は折り返されて、図示しないバックライトの背面に延在することになる。
【0069】
図7において、分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45には3個の発光ダイオード70が配置されている。メインフレキシブル配線基板40は折り返されずに前方に延びており、メインフレキシブル配線基板40の下側には図示しない電子部品が配置されている。
【0070】
図8はこのようなメインフレキシブル配線基板40を液晶表示装置に取り付けた場合の平面図である。図8において、メインフレキシブル配線基板40は折り返されずに前方に延在しているが、分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45の部分は樹脂モールド60の背面に折り返されている。
【0071】
図9は図8に示すメインフレキシブル配線基板40が接続された液晶表示装置に対してタッチパネル100を設置した場合の平面図である。図9において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50は折り返されずに前方に延在している。また、メインフレキシブル配線基板40も折り返されずに前方に延在している。メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45はタッチパネル用フレキシブル配線基板50の裏側に延在しているので、図示はしていない。
【0072】
図10は図9に示す、タッチパネル100が取り付けられた液晶表示装置にフロントウインドウ200を設置した状態を示す平面図である。図10において、メインフレキシブル配線基板40とタッチパネル用フレキシブル配線基板50は前方に延在している。しかし、メインフレキシブル配線基板40に配置された電子部品およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置された電子部品はいずれもフロントウインドウ200の下側に配置されているので図示されていない。メインフレキシブル配線基板40およびタッチパネル用フレキシブル配線基板50のうちフロントウインドウ200よりも外側に出ているのは、各フレキシブル配線基板の端子部のみである。
【0073】
図11は図10のA−A断面図である。A−A断面は、メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45の部分の断面である。図11において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50とメインフレキシブル配線基板40の部分を除いては図4と同じなのでこの部分の説明は省略する。
【0074】
図11において、タッチパネル用フレキシブル配線基板50は折り返されずに前方に延在しているが、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置された電子部品はフロントウインドウ200の下側に配置されている。また、メインフレキシブル配線基板40も折り返されずに前方に延在し、下側に電子部品が搭載されている。しかし、発光ダイオード用フレキシブル配線基板45はメインフレキシブル配線基板40から分岐し、折り返されてバックライトの背面に延在している。
【0075】
図11のメインフレキシブル配線基板40において、発光ダイオード70を除く全ての電子部品はメインフレキシブル配線基板40の下側に搭載されている。一方発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は折り返されてバックライトの背面に延在している。発光ダイオード用フレキシブル配線基板45には電子部品としては発光ダイオード70のみが配置されている。
【0076】
以上のように、本実施例においては、タッチパネル用フレキシブル配線基板50に配置される電子部品は全て下側に配置され、かつ、フロントウインドウ200の下に配置されている。また、メインフレキシブル配線基板40に配置された電子部品もメインフレキシブル配線基板40の下側に配置され、かつ、フロントウインドウ200の下に配置されている。
【0077】
本実施例においては、携帯電話等のセットに組みこまれる前の液晶表示装置におけるタッチパネル用フレキシブル配線基板50および発光ダイオード用フレキシブル配線基板45を除くメインフレキシブル配線基板40は折り返されていない。したがって、液晶表示装置の状態において、フレキシブル配線基板を折り返すことによる曲げ応力による副作用等を防止できる。なお、メインフレキシブル配線基板40から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板45は、図7等に示すように幅が狭いので、曲げ応力は大きな問題にはならない。
【0078】
本実施例においても、発光ダイオード70を除く電子部品は、全て折り返されていないタッチパネル用フレキシブル配線基板50あるいはメインフレキシブル配線基板40の下側に配置され、かつ、平面的にはフロントウインドウ200にカバーされている。したがって、液晶表示装置全体のコンパクト化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】実施例1の液晶表示装置の平面図である。
【図2】タッチパネルが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図3】フロントウインドウが取り付けられた液晶表示装置である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】光学シート群の分解斜視図である。
【図6】タッチパネルの概略断面図である。
【図7】実施例2に使用されるメインフレキシブル配線基板の斜視図である。
【図8】実施例2の液晶表示装置の平面図である。
【図9】図8の液晶表示装置にタッチパネルが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図10】図9の液晶表示装置にフロントウインドウが取り付けられた液晶表示装置の平面図である。
【図11】図10の断面図である。
【符号の説明】
【0080】
10…TFT基板、11…下偏光板、 20…カラーフィルタ基板、 21…上偏光板、 30…IC、 40…メインフレキシブル配線基板、 40…発光ダイオード用フレキシブル配線基板、 41…LCD用電子部品、 50…タッチパネル用フレキシブル配線基板、 51…タッチパネル用電子部品、 60…樹脂モールド、 61…反射シート、 62…導光板、 63…下拡散シート、 64…下プリズムシート、 65…上プリズムシート、 66…上拡散シート、 67…光学シート群、 70…発光ダイオード、 100…タッチパネル、 101…タッチパネル基板、 102…下配線、 103…絶縁層、 104…上配線、 105…保護膜、 106…異方性導電フィルム、 110…第1粘着材、 200…フロントウインドウ、 210…第2粘着材。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、
前記メインフレキシブル配線基板は前記樹脂モールドの背面に曲げられ、前記メインフレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に曲げられた部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、
前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶表示パネルと前記タッチパネルとの接着には熱可塑性の樹脂が使用され、前記フロントウインドウと前記タッチパネルとの接着は熱可塑性の樹脂が使用されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板は前記メインフレキシブル配線基板と接続し、かつ、前記樹脂モールドの背面に曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは静電式タッチパネルであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、
前記メインフレキシブル配線基板から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板は曲げられて前記樹脂モールドの背面に延在し、前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に延在した部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、
前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板には発光ダイオードのみが搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項1】
液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、
前記メインフレキシブル配線基板は前記樹脂モールドの背面に曲げられ、前記メインフレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に曲げられた部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、
前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶表示パネルと前記タッチパネルとの接着には熱可塑性の樹脂が使用され、前記フロントウインドウと前記タッチパネルとの接着は熱可塑性の樹脂が使用されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板は前記メインフレキシブル配線基板と接続し、かつ、前記樹脂モールドの背面に曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは静電式タッチパネルであることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
液晶表示パネルとバックライトが樹脂モールドに収容され、前記液晶表示パネルの上にはタッチパネルが貼り付けられ、前記タッチパネルにはフロントウインドウが貼り付けられた液晶表示装置であって、
前記液晶表示パネルにはメインフレキシブル配線基板が接続し、前記タッチパネルにはタッチパネル用フレキシブル配線基板が接続し、
前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品は前記フロントウインドウとは反対側に配置し、
前記メインフレキシブル配線基板から分岐した発光ダイオード用フレキシブル配線基板は曲げられて前記樹脂モールドの背面に延在し、前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板の前記樹脂モールドの背面に延在した部分には発光ダイオードが配置され、前記発光ダイオードは前記樹脂モールドに収容されてバックライトの一部を形成し、
前記フロントウインドウは平面的に見て、前記メインフレキシブル配線基板に配置された電子部品および前記タッチパネル用フレキシブル配線基板に配置された電子部品を覆っていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
前記発光ダイオード用フレキシブル配線基板には発光ダイオードのみが搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−61026(P2010−61026A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228696(P2008−228696)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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