説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示パネルに貼り付けられる電子パネルの破損を防止することを目的とする。
【解決手段】液晶表示装置は、表面12及び表面12とは反対側の裏面14を有するパネル基板10と、パネル基板10の裏面14に取り付けられたフレーム26と、フレーム26の内側に配置されたバックライトと、パネル基板10の表面側に重ねられた電子パネル40と、を有し、電子パネル40は、パネル基板10からはみ出す突出端部42を有し、フレーム26は、パネル基板10の裏面14に対向する第1部分30と、パネル基板10の側方で第1部分30から電子パネル40の突出端部42の方向に立ち上がる第2部分32と、を有し、電子パネル40の突出端部42は、第2部分32と非接着状態で対向する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示パネルの小型化の要求から、表示領域の周囲の額縁領域を狭くするための研究が重ねられてきた。その結果、額縁領域を狭くすることが可能になり、表示領域が同じであっても、マザーパネルからの面取り数が増えるためコスト削減に寄与するという効果ももたらされた。一方、液晶表示パネルに、他のパネルを重ねた装置が開発されてきた。例えば、特許文献1には、液晶表示パネルにタッチパネルを重ねた装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−61026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、液晶表示パネルが小型化されてきているのに対して、タッチパネルの小型化は進んでいない。そのため、液晶表示パネルよりもタッチパネルが大きくなっており、タッチパネルの端部が液晶表示パネルからはみ出すようになっている。さらに、液晶表示パネルを保持するフレームからもタッチパネルがはみ出す。そのため、タッチパネルの端部は浮いた状態となり割れやすくなっていた。
【0005】
本発明は、液晶表示パネルに貼り付けられる電子パネルの破損を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る液晶表示装置は、表面及び前記表面とは反対側の裏面を有するパネル基板と、前記パネル基板を挟んで配置された偏光板とを含む液晶表示パネルと、前記パネル基板の前記裏面に取り付けられたフレームと、前記フレームの内側に配置されたバックライトと、前記パネル基板の前記表面側に重ねられた電子パネルと、を有し、前記電子パネルは、前記パネル基板からはみ出す突出端部を有し、前記フレームは、前記パネル基板の前記裏面に対向する第1部分と、前記パネル基板の側方で前記第1部分から前記電子パネルの前記突出端部の方向に立ち上がる第2部分と、を有し、前記電子パネルの前記突出端部は、前記第2部分と非接着状態で対向することを特徴とする。本発明によれば、パネル基板から電子パネルが突出するが、その突出端部をフレームの第2部分がサポートできるようになっている。したがって、パネル基板に貼り付けられる電子パネルの破損を防止することができる。
【0007】
(2)(1)に記載された液晶表示装置において、前記第2部分の前記電子パネルの前記突出端部と対向する面は、前記パネル基板の前記裏面よりも、前記電子パネルの前記突出端部に近いことを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(1)に記載された液晶表示装置において、前記第2部分と前記電子パネルの前記突出端部との間の間隔は、0.15mm以内であることを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、前記電子パネルの外周端部は、前記パネル基板からはみ出す前記突出端部の他に、前記パネル基板に対向する対向端部を有し、前記電子パネルは、矩形の平面形状を有し、前記矩形の3辺が、前記突出端部の先端であり、前記矩形の残りの1辺が、前記対向端部の先端であることを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(4)に記載された液晶表示装置において、前記電子パネルの前記対向端部と前記パネル基板との間にスペーサが介在することを特徴としてもよい。
【0011】
(6)(5)に記載された液晶表示装置において、前記パネル基板の前記表面に、前記表面の端部を避けて貼り付けられた前記偏光板を有し、前記電子パネルは、前記偏光板に貼り付けられ、前記スペーサは、前記表面の前記端部に位置することを特徴としてもよい。
【0012】
(7)(6)に記載された液晶表示装置において、前記パネル基板は、第1基板及び第2基板を有し、前記第1基板に前記偏光板が貼り付けられ、前記第2基板は、前記第1基板から突出し、前記第2基板の前記第1基板から突出した部分に搭載された集積回路チップ及びフレキシブル配線基板をさらに有することを特徴としてもよい。
【0013】
(8)(7)に記載された液晶表示装置において、前記スペーサは、前記第2基板を避けて前記第1基板に搭載されていることを特徴としてもよい。
【0014】
(9)(1)から(8)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、前記電子パネルは、タッチパネル又は裸眼立体視を実現するための視差バリアパネルであることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す液晶表示装置のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るフレームの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す平面図である。図2は、図1に示す液晶表示装置のII−II線断面図である。図3は、図1に示す液晶表示装置のIII−III線断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置のフレームを液晶パネル側から見た平面図である。
【0018】
液晶表示装置は、液晶表示パネル101を有する。パネル基板10は、パネル基板表面12及びパネル基板表面12とは反対側のパネル基板裏面14を有する。液晶表示パネル101は、第1基板16及び第2基板18(いずれも例えばガラス基板)を有し、両者間には図示しない液晶が介在している。第1基板16の外側面(第2基板18とは反対側の面)がパネル基板表面12であり、第2基板18の外側面(第1基板16とは反対側の面)がパネル基板裏面14である。パネル基板10の表面12及び裏面14にはそれぞれ偏光板20が貼り付けられている。液晶表示パネル101は、パネル基板10とパネル基板10を挟んで配置される偏光板20によって構成される。例えば、第1基板16(表面12)には、表面12の端部を避けて、偏光板20が貼り付けられている。
【0019】
第1基板16はカラーフィルタ基板であり、第2基板18は、薄膜トランジスタ、画素電極及び配線などを含むTFT(Thin Film Transistor)基板(又はアレイ基板)である。液晶表示パネル101の駆動方式は、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式又はVA(Vertical Alignment)方式などいずれの方式であってもよく、方式に応じた電極及び配線が形成される。
【0020】
図3に示すように、第2基板18は、第1基板16から突出している。例えば、第1基板16及び第2基板18がそれぞれ矩形の平面形状を有し、第1基板16の一辺から、第2基板18の端部が突出している。第2基板18の第1基板16から突出した部分には、集積回路チップ22(例えば半導体チップ)が搭載され、フレキシブル配線基板24が取り付けられている。集積回路チップ22よりも第2基板18の先端に近い位置にフレキシブル配線基板24が取り付けられている。集積回路チップ22は、液晶を駆動するためのドライバ回路(図示せず)を内蔵する。フレキシブル配線基板24は、液晶表示パネル101及び集積回路チップ22と電気的に接続されている。
【0021】
図4はパネル基板10側から見たフレーム26の平面図である。パネル基板10の裏面14に、樹脂や金属などからなるフレーム26が取り付けられている。パネル基板10とフレーム26は、両面テープ28で固定されている。フレーム26の第1部分30は、パネル基板10の裏面14に対向する。詳しくは、第1部分30は枠状になっており、液晶表示パネル101の端部に対向する。したがって、第1部分30の枠に囲まれたスペースに、パネル基板10の裏面14が向くようになっている。矩形のフレーム26の内側には矩形の空間31がある。空間31には、後述するバックライトが収納される。この空間31に隣接し且つ空間31を全周から囲んでフレーム26の第1部分30が配置されている。また、第1部分30の外側に、フレーム26の3辺に沿って第2部分32が配置されている。第2部分32が形成されていない辺に対向する第2基板18には、前述の集積回路チップ22及びフレキシブル配線基板24が取り付けられている。
【0022】
図2に示すように、フレーム26の第2部分32は、パネル基板10の側方で第1部分30から立ち上がるようになっている。そして、第2部分32は、パネル基板10の側方に配置されている。詳しくは、第2部分32の上面(表面12と同じ方向を向く面)は、パネル基板10の裏面14よりも高くなっており、さらに、パネル基板10の表面12よりも高くなっていてもよい。
【0023】
フレーム26の内側には、導光板34を含むバックライトが配置されている。導光板34は、点光源としての発光ダイオード(図示せず)の光を面光源に変換して液晶表示パネル101に照射するためのものである。
【0024】
液晶表示パネル101と導光板34の間には光学シート群36が配置されている。光学シート群36は、拡散シート及びプリズムシートなどを含む。また、導光板34の下(光学シート群36とは反対側)には反射シート38が配置されている。反射シート38は両面テープ128でフレーム26(詳しくは第1部分30)に固定されている。
【0025】
パネル基板10の表面12側には電子パネル40が重ねられている。電子パネル40は、静電容量方式などのタッチパネルであってもよいし、裸眼立体視を実現するための視差バリアパネル(例えば3D視差バリア液晶パネル)であってもよい。
【0026】
電子パネル40は、柔軟性を有する接着剤又は粘着剤(図示せず)によって液晶表示パネル101に貼り付けられている。液晶表示パネル101に偏光板20が貼り付けられているときは、電子パネル40は、偏光板20に貼り付けられている。言い換えると、偏光板20及びその両面の接着剤又は粘着剤によって、電子パネル40はパネル基板10に貼り付けられている。
【0027】
電子パネル40は、パネル基板10からはみ出す突出端部42を有する。例えば、電子パネル40の外周端部全体がパネル基板10からはみ出していてもよいが、本実施形態では、電子パネル40の外周端部の一部がパネル基板10からはみ出し、残りの部分はパネル基板10からはみ出さない。なお、偏光板20の面方向(X−Y方向)の外形はパネル基板10の外形よりも小さく、また、偏光板20はパネル基板10からはみ出さないように貼り付けられるため、パネル基板10の面方向の外形と液晶表示パネル101の面方向の外形は同じである。
【0028】
図2に示すように、第2部分32が、電子パネル40の突出端部42に近づく方向に、フレーム26の第1部分30から立ち上がっている。また、電子パネル40の突出端部42は、フレーム26の第2部分32と非接着状態で対向する。本願明細書で「非接着状態」とは、接着及び粘着のいずれもなされていない状態であるが、接触していることは妨げない。第2部分32の電子パネル40の突出端部42と対向する面は、パネル基板10の裏面14よりも、電子パネル40の突出端部42に近い。電子パネル40の突出端部42と第2部分32との間のギャップGは、0.15mm以内であることが好ましい。
【0029】
電子パネル40の外周端部は、パネル基板10からはみ出す突出端部42の他に、図3に示すように、液晶表示パネル101(第2基板18)に対向する対向端部44を有している。電子パネル40は、矩形の平面形状を有しており、矩形の3辺が突出端部42の先端であり、矩形の残りの1辺が対向端部44の先端である。
【0030】
電子パネル40の対向端部44とパネル基板10との間にスペーサ46が介在している。スペーサ46は樹脂(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート))からなる。スペーサ46は、パネル基板10の第1基板16(例えばその端部)に搭載されている。スペーサ46は第2基板18との接触を避けているが、図3に示すように、第1基板16からはみ出して第2基板18の上方に張り出していてもよい。スペーサ46は、パネル基板10の表面12(正確には第1基板16の外側面)の端部に位置する。電子パネル40(対向端部44)とスペーサ46は、少なくとも非接着状態であり、非接触であることが好ましいが、両者間のギャップGは0.1mm以内であることが好ましい。また、電子パネル40(対向端部44)及び集積回路チップ22も、少なくとも非接着状態であり、非接触であることが好ましい。なお、図1に示すように、電子パネル40の対向端部44には、その内部回路と電気的に接続されたフレキシブル配線基板124が取り付けられている。
【0031】
本実施形態によれば、パネル基板10から電子パネル40が突出するが、その突出端部42をフレーム26の第2部分32がサポートできるようになっている。したがって、パネル基板10に貼り付けられる電子パネル40の破損を防止することができる。本実施形態では、電子パネル40よりも小さいパネル基板10を使用するので、1枚のマザー基板から得られるパネル基板10の面取り数が多いので低コストの生産が可能になる。
【0032】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0033】
10 パネル基板、12 パネル基板表面、14 パネル基板裏面、16 第1基板、18 第2基板、20 偏光板、22 集積回路チップ、24 フレキシブル配線基板、26 フレーム、28 両面テープ、30 第1部分、31 空間、32 第2部分、34 導光板、36 光学シート群、38 反射シート、40 電子パネル、42 突出端部、44 対向端部、46 スペーサ、101 液晶表示パネル、124 フレキシブル配線基板、128 両面テープ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及び前記表面とは反対側の裏面を有するパネル基板と、前記パネル基板を挟んで配置された偏光板とを含む液晶表示パネルと、
前記パネル基板の前記裏面に取り付けられたフレームと、
前記フレームの内側に配置されたバックライトと、
前記パネル基板の前記表面側に重ねられた電子パネルと、
を有し、
前記電子パネルは、前記パネル基板からはみ出す突出端部を有し、
前記フレームは、前記パネル基板の前記裏面に対向する第1部分と、前記パネル基板の側方で前記第1部分から前記電子パネルの前記突出端部の方向に立ち上がる第2部分と、を有し、
前記電子パネルの前記突出端部は、前記第2部分と非接着状態で対向することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
前記第2部分の前記電子パネルの前記突出端部と対向する面は、前記パネル基板の前記裏面よりも、前記電子パネルの前記突出端部に近いことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
前記第2部分と前記電子パネルの前記突出端部との間の間隔は、0.15mm以内であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、
前記電子パネルの外周端部は、前記パネル基板からはみ出す前記突出端部の他に、前記パネル基板に対向する対向端部を有し、
前記電子パネルは、矩形の平面形状を有し、
前記矩形の3辺が、前記突出端部の先端であり、
前記矩形の残りの1辺が、前記対向端部の先端であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載された液晶表示装置において、
前記電子パネルの前記対向端部と前記パネル基板との間にスペーサが介在することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載された液晶表示装置において、
前記パネル基板の前記表面に、前記表面の端部を避けて貼り付けられた前記偏光板を有し、
前記電子パネルは、前記偏光板に貼り付けられ、
前記スペーサは、前記表面の前記端部に位置することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載された液晶表示装置において、
前記パネル基板は、第1基板及び第2基板を有し、
前記第1基板に前記偏光板が貼り付けられ、
前記第2基板は、前記第1基板から突出し、
前記第2基板の前記第1基板から突出した部分に搭載された集積回路チップ及びフレキシブル配線基板をさらに有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項7に記載された液晶表示装置において、
前記スペーサは、前記第2基板を避けて前記第1基板に搭載されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、
前記電子パネルは、タッチパネル又は裸眼立体視を実現するための視差バリアパネルであることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−83617(P2012−83617A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230803(P2010−230803)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】