説明

液晶表示装置

【課題】 IPSモード及びFFSモードに比べて光透過率の高い横電界モードあるいは斜め電界モードを採ることができ、光反射表示と光透過表示とを両立しても十分な輝度レベルの画像を表示することができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 液晶表示装置は、第1基板と、前記第1基板に隙間を置いて対向配置された第2基板と、前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層LQと、複数の画素と、第1偏光板PL1と、第2偏光板PL2と、を備えている。各画素は、光反射領域R3及び光透過領域R4を含んでいる。各画素は、第1基板上に形成され、光反射領域R3に重なった光反射層30と、第1基板上に形成され、第2方向Yに沿って延出した主画素電極と、第2基板上に形成され、第1方向に主画素電極を挟んで位置し第2方向Yに沿って延出した一対の主共通電極と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、平面表示装置が盛んに開発されており、中でも液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の利点から特に注目を集めている。特に、各画素にスイッチング素子を組み込んだアクティブマトリクス型液晶表示装置においては、IPS(In−Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードなどの横電界(フリンジ電界も含む)を利用した構造が注目されている。このような横電界モードの液晶表示装置は、アレイ基板に形成された画素電極と対向電極とを備え、アレイ基板の主面に対してほぼ平行な横電界で液晶分子をスイッチングする。
【0003】
一方で、アレイ基板に形成された画素電極と、対向基板に形成された対向電極との間に、横電界あるいは斜め電界を形成し、液晶分子をスイッチングする技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−14965号公報
【特許文献2】特開2009−192822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、IPSモードやFFSモードを利用した場合、縦電界モードに比べて光透過率が低い問題がある。このため、上記の場合に、液晶表示装置を光反射表示と光透過表示とを両立できる構成とした場合、表示画像の輝度レベルが十分に得られない問題がある。
【0006】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、IPSモード及びFFSモードに比べて光透過率の高い横電界モードあるいは斜め電界モードを採ることができ、光反射表示と光透過表示とを両立しても十分な輝度レベルの画像を表示することができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る液晶表示装置は、
第1基板と、
前記第1基板に隙間を置いて対向配置された第2基板と、
前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、
前記第1方向及び前記第1方向に直交した第2方向にマトリクス状に設けられ、それぞれ光反射領域及び光透過領域を含み、前記第1方向に沿った長さが前記第2方向に沿った長さよりも短い複数の画素と、
前記第1基板の外面に配置された第1偏光板と、
前記第2基板の外面に配置された第2偏光板と、を備え、
前記各画素は、
前記第1基板上に形成され、前記光反射領域に重なった光反射層と、
前記第1基板上に形成され、前記第2方向に沿って延出した主画素電極と、
前記第2基板上に形成され、前記第1方向に前記主画素電極を挟んで位置し前記第2方向に沿って延出した一対の主共通電極と、を有していることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一実施形態に係る液晶表示装置の構成及び等価回路を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【図3】図3は、図2に示した液晶表示パネルをIII−III線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図2に示した液晶表示パネルにおける画素電極と共通電極との間に形成される電界、及び、この電界による液晶分子のダイレクタと透過率との関係を説明するための図である。
【図5】図5は、上記実施形態に係る実施例1の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【図6】図6は、図5に示した液晶表示パネルをVI−VI線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図7】図7は、図5に示した液晶表示パネルをVII−VII線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図8】図8は、図5に示した液晶表示パネルをVIII−VIII線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図9】図9は、上記実施例1の光反射領域における、光反射層、第1液晶層、位相差板及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図10】図10は、上記実施例1の光透過領域における、バックライトユニット、第1偏光板、第2液晶層及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図11】図11は、上記実施例1の画素電極及び共通電極間に電圧が印加されていない状態におけるバックライトの光路及び外光の光路を説明するための図である。
【図12】図12は、上記実施例1の画素電極及び共通電極間に電圧が印加されている状態におけるバックライトの光路及び外光の光路を説明するための図である。
【図13】図13は、上記実施形態に係る実施例2の光反射領域における、光反射層、第1液晶層、位相差板及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図14】図14は、上記実施形態に係る実施例3の光反射領域における、光反射層、第1液晶層、位相差板及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図15】図15は、上記実施形態に係る実施例3の光透過領域における、バックライトユニット、第1偏光板、第2液晶層及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図16】図16は、上記実施形態に係る実施例4の光反射領域における、光反射層、第1液晶層、位相差板及び第2偏光板を示す分解斜視図である。
【図17】図17は、上記実施形態に係る実施例5の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【図18】図18は、上記実施形態に係る実施例6の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【図19】図19は、上記実施形態に係る実施例7の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【図20】図20は、上記実施形態に係る実施例8の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図21】図21は、上記実施形態に係る実施例9の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
【図22】図22は、上記実施形態に係る実施例10の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら複数の実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。始めに、光反射表示と光透過表示とを両立するための構成を除く、液晶表示装置の基本構成について説明する。
【0010】
図1は、一実施形態に係る液晶表示装置の構成及び等価回路を概略的に示す図である。
【0011】
図1に示すように、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプの液晶表示パネルLPNを備えている。液晶表示パネルLPNは、第1基板であるアレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向して配置された第2基板である対向基板CTと、アレイ基板AR及び対向基板CT間に挟持された液晶層LQと、を備えている。このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示する表示領域R1を備えている。表示領域R1は、アレイ基板AR、対向基板CT及び液晶層LQに重なっている。この表示領域R1には、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXが位置している(但し、m及びnは正の整数である)。
【0012】
液晶表示パネルLPNは、表示領域R1において、n本のゲート配線G(G1〜Gn)、n本の補助容量線C(C1〜Cn)、m本のソース配線S(S1〜Sm)などを備えている。ゲート配線G及び補助容量線Cは、例えば、第1方向Xに沿って略直線的に延出している。これらのゲート配線G及び補助容量線Cは、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って交互に並列配置されている。ここでは、第1方向Xと第2方向Yとは互いに略直交している。ソース配線Sは、ゲート配線G及び補助容量線Cと交差している。ソース配線Sは、第2方向Yに沿って略直線的に延出している。なお、ゲート配線G、補助容量線C、及び、ソース配線Sは、必ずしも直線的に延出していなくても良く、それらの一部が屈曲していてもよい。
【0013】
各ゲート配線Gは、表示領域R1の外側に引き出され、ゲートドライバGDに接続されている。各ソース配線Sは、表示領域R1の外側に引き出され、ソースドライバSDに接続されている。これらのゲートドライバGD及びソースドライバSDの少なくとも一部は、例えば、アレイ基板ARに形成され、コントローラを内蔵した駆動ICチップ2と接続されている。
【0014】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CEなどを備えている。保持容量Csは、例えば補助容量線Cと画素電極PEとの間に形成される。補助容量線Cは、補助容量電圧が印加される電圧印加部VCSと電気的に接続されている。
【0015】
なお、本実施形態においては、液晶表示パネルLPNは、画素電極PEがアレイ基板ARに形成される一方で共通電極CEの少なくとも一部が対向基板CTに形成された構成であり、これらの画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界を主に利用して液晶層LQの液晶分子をスイッチングする。画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界は、第1方向Xと第2方向Yとで規定されるX−Y平面あるいは基板主面に対してわずかに傾いた斜め電界(あるいは、基板主面にほぼ平行な横電界)である。
【0016】
スイッチング素子SWは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。このスイッチング素子SWは、ゲート配線G及びソース配線Sと電気的に接続されている。このようなスイッチング素子SWは、トップゲート型あるいはボトムゲート型のいずれであっても良い。また、スイッチング素子SWの半導体層は、例えば、ポリシリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンによって形成されていても良い。
【0017】
画素電極PEは、各画素PXに配置され、スイッチング素子SWに電気的に接続されている。共通電極CEは、液晶層LQを介して複数の画素PXの画素電極PEに対して共通に配置されている。このような画素電極PE及び共通電極CEは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されているが、アルミニウムなどの他の金属材料によって形成されても良い。
【0018】
アレイ基板ARは、共通電極CEに電圧(コモン電圧)を印加するための給電部VSを備えている。この給電部VSは、例えば、表示領域R1の外側の非表示領域R2に形成されている。共通電極CEは、表示領域R1の外側に引き出され、図示しない導電部材を介して、給電部VSと電気的に接続されている。
【0019】
図2は、図1に示した液晶表示パネルLPNを対向基板側から見たときの一画素PXの構造例を概略的に示す平面図である。ここでは、X−Y平面における平面図を示している。
【0020】
図2に示すように、画素PXは、破線で示したように、第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さよりも短い長方形状である。ゲート配線G1及びゲート配線G2は、第1方向Xに沿って延出している。補助容量線C1は、隣接するゲート配線G1とゲート配線G2との間に配置され、第1方向Xに沿って延出している。ソース配線S1及びソース配線S2は、第2方向Yに沿って延出している。画素電極PEは、隣接するソース配線S1とソース配線S2との間に配置されている。また、この画素電極PEは、ゲート配線G1とゲート配線G2との間に位置している。
【0021】
図示した例では、画素PXにおいて、ソース配線S1は左側端部に配置され、ソース配線S2は右側端部に配置されている。厳密には、ソース配線S1は当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置され、ソース配線S2は当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。また、画素PXにおいて、ゲート配線G1は上側端部に配置され、ゲート配線G2は下側端部に配置されている。厳密には、ゲート配線G1は当該画素PXとその上側に隣接する画素との境界に跨って配置され、ゲート配線G2は当該画素PXとその下側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。補助容量線C1は、画素の略中央部に配置されている。
【0022】
スイッチング素子SWは、図示した例では、ゲート配線G1及びソース配線S1に電気的に接続されている。このスイッチング素子SWは、ゲート配線G1とソース配線S1の交点に設けられ、そのドレイン配線はソース配線S1及び補助容量線C1に沿って延長され、補助容量線C1と重なる領域に形成されたコンタクトホールCHを介して画素電極PEと電気的に接続されている。このようなスイッチング素子SWは、ソース配線S1及び補助容量線C1と重なる領域に設けられ、ソース配線S1及び補助容量線C1と重なる領域からほとんどはみ出すことはなく、表示に寄与する開口部の面積の低減を抑制している。
【0023】
複数の画素電極PEは、第1方向X及び第2方向Yに間隔を置いて並べられている。複数の画素電極PEは、それぞれ第2方向Yに沿って延出して形成された主画素電極PAを含んでいる。
【0024】
この実施形態において、画素電極PEは、互いに電気的に接続された主画素電極PA及びコンタクト部PCを含んでいる。主画素電極PAは、コンタクト部PCから画素PXの上側端部付近及び下側端部付近まで第2方向Yに沿って直線的に延出している。このような主画素電極PAは、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する帯状に形成されている。コンタクト部PCは、補助容量線C1と重なる領域に位置し、コンタクトホールCHを介してスイッチング素子SWと電気的に接続されている。このコンタクト部PCは、主画素電極PAよりも幅広に形成されている。
【0025】
このような画素電極PEは、ソース配線S1とソース配線S2との略中間の位置、つまり、画素PXの中央に配置されている。ソース配線S1と画素電極PEとの第1方向Xに沿った間隔は、ソース配線S2と画素電極PEとの第1方向Xに沿った間隔と略同等である。
【0026】
共通電極CEは、複数の主共通電極CAを含んでいる。複数の主共通電極CAは、X−Y平面内において、第1方向Xに間隔を置いて並べられ、第1方向Xに複数の主画素電極PAを挟み、それぞれ主画素電極PAと略平行な第2方向Yに沿って直線的に延出している。あるいは、主共通電極CAは、ソース配線Sとそれぞれ対向するとともに主画素電極PAと略平行に延出している。このような主共通電極CAは、帯状に形成され、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する。
【0027】
図示した例では、主共通電極CAは、第1方向Xに沿って2本平行に並んでおり、画素PXの左右両端部にそれぞれ配置されている。以下では、これらの主共通電極CAを区別するために、図中の左側の主共通電極をCALと称し、図中の右側の主共通電極をCARと称する。主共通電極CALはソース配線S1と対向し、主共通電極CARはソース配線S2と対向している。
【0028】
画素PXにおいて、主共通電極CALは左側端部に配置され、主共通電極CARは右側端部に配置されている。厳密には、主共通電極CALは当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置され、主共通電極CARは当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。
【0029】
画素電極PEと主共通電極CAとの位置関係に着目すると、画素電極PEと主共通電極CAとは、第1方向Xに沿って交互に配置されている。これらの画素電極PEと主共通電極CAとは、互いに略平行に配置されている。このとき、X−Y平面内において、主共通電極CAのいずれも画素電極PEとは重ならない。
【0030】
すなわち、隣接する主共通電極CAL及び主共通電極CARの間には、1本の画素電極PEが位置している。換言すると、一対の主共通電極(主共通電極CAL及び主共通電極CAR)は、画素電極PEの直上の位置を挟んだ両側に配置されている。あるいは、画素電極PEは、主共通電極CALと主共通電極CARとの間に配置されている。このため、主共通電極CAL、主画素電極PA、及び、主共通電極CARは、第1方向Xに沿ってこの順に配置されている。
【0031】
これらの画素電極PEと共通電極CEとの第1方向Xに沿った間隔は略一定である。すなわち、主共通電極CALと主画素電極PAとの第1方向Xに沿った間隔は、主共通電極CARと主画素電極PAとの第1方向Xに沿った間隔と略同等である。
【0032】
図3は、図2に示した液晶表示パネルLPNをIII−III線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。なお、ここでは、説明に必要な箇所のみを図示している。
図3に示すように、液晶表示パネルLPNを構成するアレイ基板ARの背面側には、バックライトユニット4が配置されている。バックライトユニット4としては、種々の形態が適用可能であり、また、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや冷陰極管(CCFL)を利用したものなどのいずれでも適用可能であり、詳細な構造については説明を省略する。
【0033】
アレイ基板ARは、光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。ソース配線Sは、第1層間絶縁膜11の上に形成され、第2層間絶縁膜12によって覆われている。なお、図示しないゲート配線や補助容量線は、例えば、第1絶縁基板10と第1層間絶縁膜11の間に配置されている。画素電極PEは、第2層間絶縁膜12の上に形成されている。この画素電極PEは、隣接するソース配線Sのそれぞれの直上の位置よりもそれらの内側に位置している。
【0034】
第1配向膜AL1は、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面に配置され、表示領域R1の略全体に亘って延在している。この第1配向膜AL1は、画素電極PEなどを覆っており、第2層間絶縁膜12の上にも配置されている。このような第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
なお、アレイ基板ARは、さらに、共通電極CEの一部を備えていても良い。
【0035】
対向基板CTは、光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。この対向基板CTは、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、共通電極CE、第2配向膜AL2などを備えている。
【0036】
ブラックマトリクスBMは、各画素PXを区画し、画素電極PEと対向する開口部APを形成する。すなわち、ブラックマトリクスBMは、ソース配線S、ゲート配線、補助容量線、スイッチング素子などの配線部に対向するように配置されている。ここでは、ブラックマトリクスBMは、第2方向Yに沿って延出した部分のみが図示されているが、第1方向Xに沿って延出した部分を備えていてもよい。このブラックマトリクスBMは、第2絶縁基板20のアレイ基板ARに対向する内面20Aに配置されている。
【0037】
カラーフィルタCFは、各画素PXに対応して配置されている。すなわち、カラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の内面20Aにおける開口部APに配置されるとともに、その一部がブラックマトリクスBMに乗り上げている。第1方向Xに隣接する画素PXにそれぞれ配置されたカラーフィルタCFは、互いに色が異なる。例えば、カラーフィルタCFは、赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された樹脂材料によって形成されている。赤色に着色された樹脂材料からなる赤色カラーフィルタCFRは、赤色画素に対応して配置されている。青色に着色された樹脂材料からなる青色カラーフィルタCFBは、青色画素に対応して配置されている。緑色に着色された樹脂材料からなる緑色カラーフィルタCFGは、緑色画素に対応して配置されている。これらのカラーフィルタCF同士の境界は、ブラックマトリクスBMと重なる位置にある。
【0038】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。このオーバーコート層OCは、カラーフィルタCFの表面の凹凸の影響を緩和する。
【0039】
共通電極CEは、オーバーコート層OCのアレイ基板ARと対向する側に形成されている。この共通電極CEと画素電極PEとの第3方向Zに沿った間隔は略一定である。第3方向Zとは、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向、あるいは、液晶表示パネルLPNの法線方向である。
【0040】
第2配向膜AL2は、対向基板CTのアレイ基板ARと対向する面に配置され、表示領域R1の略全体に亘って延在している。この第2配向膜AL2は、共通電極CE及びオーバーコート層OCなどを覆っている。このような第2配向膜AL2は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0041】
これらの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2には、液晶層LQの液晶分子を初期配向させるための配向処理(例えば、ラビングや光配向処理)がなされている。第1配向膜AL1が液晶分子を初期配向させる第1配向処理方向PD1、及び、第2配向膜AL2が液晶分子を初期配向させる第2配向処理方向PD2は、互いに平行であって、互いに逆向きあるいは同じ向きである。例えば、これらの第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、図2に示したように、第2方向Yと略平行であって、同じ向きである。
【0042】
この実施形態において、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、それぞれ付近の液晶分子を第2方向Yに初期配向させることができる。
【0043】
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、それぞれの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が対向するように配置されている。このとき、アレイ基板ARの第1配向膜AL1と対向基板CTの第2配向膜AL2との間には、例えば、樹脂材料によって一方の基板に一体的に形成された柱状スペーサにより、所定のセルギャップ、例えば2〜7μmのセルギャップが形成される。アレイ基板ARと対向基板CTとは、所定のセルギャップが形成された状態で、表示領域R1の外側のシール材SBによって貼り合わせられている。
【0044】
液晶層LQは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に形成されたセルギャップに保持され、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に配置されている。このような液晶層LQは、例えば、正の誘電率異方性を有し、すなわちp型液晶で形成されている。
【0045】
また、主画素電極PAと主共通電極CAとの第1方向Xの間隔は、液晶層LQの厚みよりも大きく、主画素電極PAと主共通電極CAとの間隔は、液晶層LQの厚みの2倍以上の大きさを持つ。
【0046】
アレイ基板ARの外面、つまり、アレイ基板ARを構成する第1絶縁基板10の外面10Bには、第1光学素子OD1が接着剤などにより貼付されている。この第1光学素子OD1は、液晶表示パネルLPNのバックライトユニット4と対向する側に位置しており、バックライトユニット4から液晶表示パネルLPNに入射する入射光の偏光状態を制御する。この第1光学素子OD1は、第1偏光軸(あるいは第1吸収軸)AX1を有する第1偏光板PL1を含んでいる。
【0047】
対向基板CTの外面、つまり、対向基板CTを構成する第2絶縁基板20の外面20Bには、第2光学素子OD2が接着剤などにより貼付されている。この第2光学素子OD2は、液晶表示パネルLPNの表示面側に位置しており、液晶表示パネルLPNから出射した出射光の偏光状態を制御する。この第2光学素子OD2は、第2偏光軸(あるいは第2吸収軸)AX2を有する第2偏光板PL2を含んでいる。
【0048】
第1偏光軸AX1と、第2偏光軸AX2とは、例えば、直交する位置関係にあるため、第1偏光板PL1及び第2偏光板PL2はクロスニコル配置されている。このとき、一方の偏光板は、例えば、その偏光軸が液晶分子の初期配向方向つまり第1配向処理方向PD1あるいは第2配向処理方向PD2と平行または直交するように配置されている。初期配向方向が第2方向Yと平行である場合、一方の偏光板の偏光軸は、第2方向Yと平行、あるいは、第1方向Xと平行である。
【0049】
図2において、(a)で示した例では、第1偏光板PL1は、その第1偏光軸AX1が液晶分子LMの初期配向方向(第2方向Y)に対して直交する(つまり、第1方向Xに平行となる)ように配置され、また、第2偏光板PL2は、その第2偏光軸AX2が液晶分子LMの初期配向方向に対して平行となる(つまり、第2方向Yと平行となる)ように配置されている。
【0050】
また、図2において、(b)で示した例では、第2偏光板PL2は、その第2偏光軸AX2が液晶分子LMの初期配向方向(第2方向Y)に対して直交する(つまり、第1方向Xに平行となる)ように配置され、また、第1偏光板PL1は、その第1偏光軸AX1が液晶分子LMの初期配向方向に対して平行となる(つまり、第2方向Yと平行となる)ように配置されている。
【0051】
次に、上記構成の液晶表示パネルLPNの動作について説明する。
図2及び図3に示すように、液晶層LQに電圧が印加されていない状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていない状態(OFF時)には、液晶層LQの液晶分子LMは、その長軸が第1配向膜AL1の第1配向処理方向PD1及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向PD2を向くように配向している。このようなOFF時が初期配向状態に相当し、OFF時の液晶分子LMの配向方向が初期配向方向に相当する。
【0052】
なお、厳密には、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているとは限らず、プレチルトしている場合が多い。このため、ここでの液晶分子LMの初期配向方向とは、OFF時の液晶分子LMの長軸をX−Y平面に正射影した方向である。以下では、説明を簡略にするために、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているものとし、X−Y平面と平行な面内で回転するものとして説明する。
【0053】
ここでは、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、ともに第2方向Yと略平行な方向である。OFF時においては、液晶分子LMは、図2に破線で示したように、その長軸が第2方向Yと略平行な方向に初期配向する。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと平行(あるいは、第2方向Yに対して0°)である。
【0054】
図示した例のように、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が平行且つ同じ向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、液晶層LQの中間部付近で略水平(プレチルト角が略ゼロ)に配向し、ここを境界として第1配向膜AL1の近傍及び第2配向膜AL2の近傍において対称となるようなプレチルト角を持って配向する(スプレイ配向)。
【0055】
ここで、第1配向膜AL1を第1配向処理方向PD1に配向処理した結果、第1配向膜AL1の近傍における液晶分子LMは第1配向処理方向PD1に初期配向され、第2配向膜AL2を第2配向処理方向PD2に配向処理した結果、第2配向膜AL2の近傍における液晶分子LMは第2配向処理方向PD1に初期配向される。そして、第1配向処理方向PD1と第2配向処理方向PD2は互いに平行で且つ同じ向きである場合には、上述のように液晶分子LMはスプレイ配向になり、上記したように液晶層LQの中間部を境界として、アレイ基板AR上の第1配向膜AL1の近傍での液晶分子LMの配向と対向基板CT上の第2配向膜AL2の近傍での液晶分子LMの配向は、上下で対称となる。このため、基板の法線方向から傾いた方向においても光学的に補償される。したがって、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行、且つ、同じ向きである場合には、黒表示の場合に光漏れが少なく、高コントラスト比を実現することができ、表示品位を向上することが可能となる。
【0056】
なお、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行且つ逆向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1の近傍、第2配向膜AL2の近傍、及び、液晶層LQの中間部において略均一なプレチルト角を持って配向する(ホモジニアス配向)。
【0057】
バックライトユニット4からのバックライトは、その一部が第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光の偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態によって異なる。OFF時においては、液晶層LQを通過した光は、第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
【0058】
一方、液晶層LQに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態(ON時)では、画素電極PEと共通電極CEとの間に基板と略平行な横電界(あるいは斜め電界)が形成される。液晶分子LMは、電界の影響を受け、その長軸が図中の実線で示したようにX−Y平面と略平行な平面内で回転する。
【0059】
図2に示した例では、画素電極PEと主共通電極CALとの間の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し、図中の左下を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CARとの間の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し、図中の右下を向くように配向する。
【0060】
このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態では、液晶分子LMの配向方向は、画素電極PEを境界として複数の方向に分かれ、それぞれの配向方向でドメインを形成する。つまり、一画素PXには、複数のドメインが形成される。
【0061】
このようなON時には、バックライトユニット4から液晶表示パネルLPNに入射したバックライトは、その一部が第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶層LQに入射したバックライトは、その偏光状態が変化する。このようなON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。
【0062】
図4は、図2に示した液晶表示パネルLPNにおける画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界、及び、この電界による液晶分子LMのダイレクタと透過率との関係を説明するための図である。
【0063】
図4に示すように、OFF状態では、液晶分子LMは、第2方向Yに略平行な方向に初期配向している。画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成されたON状態では、液晶分子LMのダイレクタ(あるいは液晶分子LMの長軸方向)が、X−Y平面内で、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1及び第2偏光板PL2の第2偏光軸AX2に対して概ね45°ずれた状態となったときに、液晶の光学的な変調率が最も高くなる(つまり、開口部での透過率が最大となる)。
【0064】
図示した例では、ON状態となったとき、主共通電極CALと画素電極PEとの間の液晶分子LMのダイレクタはX−Y平面内で45°−225°の方位と略平行となり、主共通電極CARと画素電極PEとの間の液晶分子LMのダイレクタはX−Y平面内で135°−315°の方位と略平行となり、ピーク透過率が得られる。このとき、一画素あたりの透過率分布に着目すると、画素電極PE上及び共通電極CE上においては透過率が略ゼロとなる一方で、画素電極PEと共通電極CEとの間の電極間隙では、略全域に亘って高い透過率が得られる。
【0065】
なお、ソース配線S1の直上に位置する主共通電極CAL及びソース配線S2の直上に位置する主共通電極CARは、それぞれブラックマトリクスBMと対向しているが、これらの主共通電極CAL及び主共通電極CARは、ともにブラックマトリクスBMの第1方向Xに沿った幅と同等以下の幅を有しており、ブラックマトリクスBMと重なる位置よりも画素電極PEの側に延在していない。このため、一画素あたり、表示に寄与する開口部は、ブラックマトリクスBMの間もしくはソース配線S1とソース配線S2との間の領域のうち、画素電極PEと主共通電極CAL及び主共通電極CARとの間の領域に相当する。
【0066】
上記のように構成された液晶表示装置によれば、画素電極PEと共通電極CEとの間の電極間隙において高い透過率が得られるため、一画素あたりの透過率を十分に高くするためには、画素電極PEと主共通電極CAL及び主共通電極CARとの間の電極間距離を拡大することで対応することが可能となる。また、画素ピッチが異なる製品仕様に対しては、電極間距離を変更する(つまり、画素PXの略中央に配置された画素電極PEに対して主共通電極CAの配置位置を変更する)ことで、図4に示したような透過率分布のピーク条件を利用することが可能となる。つまり、本実施形態の表示モードにおいては、比較的画素ピッチが大きな低解像度の製品仕様から比較的画素ピッチが小さい高解像度の製品仕様まで、微細な電極加工を必ずしも必要とせず、電極間距離の設定により種々の画素ピッチの製品を提供することが可能となる。したがって、高透過率且つ高解像度の要求を容易に実現することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態によれば、図4に示したように、ブラックマトリクスBMと重なる領域での透過率分布に着目すると、透過率が十分に低下している。これは、共通電極CEの位置よりも当該画素の外側に電界の漏れが発生せず、また、ブラックマトリクスBMを挟んで隣接する画素間で不所望な横電界が生じないため、ブラックマトリクスBMと重なる領域の液晶分子がOFF時(あるいは黒表示時)と同様に初期配向状態を保っているためである。したがって、隣接する画素間でカラーフィルタの色が異なる場合であっても、混色の発生を抑制することが可能となり、色再現性の低下やコントラスト比の低下を抑制することが可能となる。
【0068】
また、アレイ基板ARと対向基板CTとの位置合わせにずれが生じた際に、画素電極PEを挟んだ両側の共通電極CEとの水平電極間距離に差が生じることがある。しかしながら、このような合わせずれは、全ての画素PXに共通に生じるため、画素PX間での電界分布に相違はなく、画像の表示に及ぼす影響はきわめて小さい。また、例えアレイ基板ARと対向基板CTとの間で合わせズレが生じたとしても、隣接する画素への不所望な電界の漏れを抑制することが可能となる。このため、隣接する画素間でカラーフィルタの色が異なる場合であっても、混色の発生を抑制することが可能となり、色再現性の低下やコントラスト比の低下を抑制することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態によれば、主共通電極CAは、それぞれソース配線Sと対向している。特に、主共通電極CAL及び主共通電極CARがそれぞれソース配線S1及びソース配線S2の直上に配置されている場合には、主共通電極CAL及び主共通電極CARがソース配線S1及びソース配線S2よりも画素電極PE側に配置された場合と比較して、開口部APを拡大することができ、画素PXの透過率を向上することが可能となる。
【0070】
また、主共通電極CAL及び主共通電極CARをそれぞれソース配線S1及びソース配線S2の直上に配置することによって、画素電極PEと主共通電極CAL及び主共通電極CARとの間の電極間距離を拡大することが可能となり、より水平に近い横電界を形成することが可能となる。このため、従来の構成であるIPSモード等の利点である広視野角化も維持することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態によれば、一画素内に複数のドメインを形成することが可能となる。このため、複数の方向で視野角を光学的に補償することができ、広視野角化が可能となる。
【0072】
なお、上記の例では、液晶層LQは、正の誘電率異方性を有しているため、液晶分子LMの初期配向方向が第2方向Yと平行である場合について説明したが、液晶分子LMの初期配向方向は、図2に示したように、第2方向Yを斜めに交差する斜め方向Dであっても良い。ここで、第2方向Yに対する初期配向方向Dのなす角度θ1は、0°より大きく45°より小さい角度である。なお、このなす角度θ1については、5°〜30°程度、より望ましくは20°以下とすることが液晶分子LMの配向制御の観点で極めて有効である。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yに対して0°乃至20°の範囲内の方向と略平行であることが望ましい。
【0073】
言い換えると、第1配向膜AL1は、第2方向Y又は第2方向Yから20°以内に傾斜した方向に付近の液晶分子LMを初期配向させるように形成されている方が望ましい。第2配向膜AL2も、同様に、第2方向Y又は第2方向Yから20°以内に傾斜した方向に付近の液晶分子LMを初期配向させるように形成されている方が望ましい。
【0074】
また、上記の例では、液晶層LQが正の誘電率異方性を有している場合について説明したが、液晶層LQは、負の誘電率異方性を有し、すなわちn型液晶で形成されていてもよい。但し、詳しい説明は省略するが、誘電率異方性が正負逆となる関係上、ネガ型液晶材料の場合、上記した角度θ1が45°〜90°、望ましくは70°以上とすることが好ましい。
【0075】
言い換えると、第1配向膜AL1は、第1方向X又は第1方向Xから20°以内に傾斜した方向に付近の液晶分子LMを初期配向させるように形成されている方が望ましい。第2配向膜AL2も、同様に、第1方向X又は第1方向Xから20°以内に傾斜した方向に付近の液晶分子LMを初期配向させるように形成されている方が望ましい。
【0076】
なお、ON時においても、画素電極PE上あるいは共通電極CE上では、横電界がほとんど形成されない(あるいは、液晶分子LMを駆動するのに十分な電界が形成されない)ため、液晶分子LMは、OFF時と同様に初期配向方向からほとんど動かない。このため、画素電極PE及び共通電極CEがITOなどの光透過性の導電材料によって形成されていても、これらの領域ではバックライト光がほとんど透過せず、ON時において表示にほとんど寄与しない。したがって、画素電極PE及び共通電極CEは、必ずしも透明な導電材料によって形成される必要はなく、アルミニウムや銀、銅などの不透明な導電材料を用いて形成しても良い。
【0077】
なお、本実施形態においては、共通電極CEは、対向基板CTに備えられた主共通電極CAに加えて、アレイ基板ARに備えられ主共通電極CAと対向する(あるいはソース配線Sと対向する)第2主共通電極(シールド電極)を備えていても良い。この第2主共通電極は、主共通電極CAと略平行に延出し、しかも、主共通電極CAと同電位である。このような第2主共通電極を設けることにより、ソース配線Sからの不所望な電界をシールドすることが可能である。
【0078】
また、共通電極CEは、対向基板CTに備えられた主共通電極CAに加えて、アレイ基板ARに備えられゲート配線Gや補助容量線Cと対向する第2副共通電極(シールド電極)を備えていても良い。この第2副共通電極は、主共通電極CAと交差する方向に延出し、しかも、主共通電極CAと同電位である。このような第2副共通電極を設けたことにより、ゲート配線Gや補助容量線Cからの不所望な電界をシールドすることが可能である。このような第2主共通電極や第2副共通電極を備えた構成によれば、更なる表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0079】
次に、本実施形態に係る実施例1乃至10の液晶表示装置について説明する。特に、光反射表示と光透過表示とを両立するための液晶表示装置の構成について説明する。液晶表示装置は、半透過型の液晶表示装置である。なお、実施例1乃至10では、説明に必要な箇所のみを図示して説明する。
【0080】
(実施例1)
図5は、実施例1の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの画素の構造例を概略的に示す平面図である。画素PXの構造例は、図2に示した画素の構造例と比較して、画素電極PEが十字状に形成された点、及び、共通電極CEが一画素PXを取り囲むように格子状に形成された点で相違している。
【0081】
図5及び図2に示すように、共通電極CEは、複数の第2副共通電極CBをさらに含んでいる。複数の第2副共通電極CBは、第2方向Yに間隔を置いて並べられ、第2方向Yに複数の主画素電極PAを挟んでいる。複数の第2副共通電極CBは、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。複数の第2副共通電極CBは、複数の主共通電極CAと同電位に設定されている。
【0082】
画素電極PEは、互いに電気的に接続された主画素電極PA及び副画素電極PBを備えている。主画素電極PAは、副画素電極PBから画素PXの上側端部付近及び下側端部付近まで第2方向Yに沿って直線的に延出している。副画素電極PBは、第1方向Xに沿って延出している。この副画素電極PBは、補助容量線C1と重なる領域に位置し、コンタクトホールCHを介してスイッチング素子と電気的に接続されている。図示した例では、副画素電極PBが画素PXの略中央に設けられており、画素電極PEは、十字状となっている。
【0083】
第2副共通電極CBは、ゲート配線Gの各々と対向している。図示した例では、第2副共通電極CBは第1方向Xに沿って2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の上側の第2副共通電極をCBUと称し、図中の下側の第2副共通電極をCBBと称する。第2副共通電極CBUは、画素PXの上側端部に配置され、ゲート配線G1と対向している。つまり、第2副共通電極CBUは、当該画素PXとその上側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。また、第2副共通電極CBBは、画素PXの下側端部に配置され、ゲート配線G2と対向している。つまり、第2副共通電極CBBは、当該画素PXとその下側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。
【0084】
画素電極PEと共通電極CEとの位置関係に着目すると、主画素電極PAと主共通電極CAとは第1方向Xに沿って交互に配置され、副画素電極PBと第2副共通電極CBとは第2方向Yに沿って交互に配置されている。すなわち、隣接する主共通電極CAL及び主共通電極CARの間には、1本の主画素電極PAが位置し、第1方向Xに沿って主共通電極CAL、主画素電極PA、及び、主共通電極CARの順に並んでいる。また、隣接する第2副共通電極CBB及び第2副共通電極CBUの間には、1本の副画素電極PBが位置し、第2方向Yに沿って第2副共通電極CBB、副画素電極PB、及び、第2副共通電極CBUの順に並んでいる。
【0085】
このような構造例によれば、OFF時において第2方向Yに初期配向していた液晶分子LMは、ON時に画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界の影響を受け、その長軸が図中の実線で示したようにX−Y平面と略平行な平面内で回転する。画素電極PEと主共通電極CAL及び第2副共通電極CBBとで囲まれた領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し、図中の左下を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CAR及び第2副共通電極CBBとで囲まれた領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し、図中の右下を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CAL及び第2副共通電極CBUとで囲まれた領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し、図中の左上を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CAR及び第2副共通電極CBUとで囲まれた領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し、図中の右上を向くように配向する。
【0086】
このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態では、図2に示した例よりも多くのドメインを形成することが可能となり、視野角を拡大することが可能となる。
【0087】
図6は、図5に示した液晶表示パネルをVI−VI線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。図7は、図5に示した液晶表示パネルをVII−VII線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。図8は、図5に示した液晶表示パネルをVIII−VIII線で切断したときの断面構造を概略的に示す断面図である。
【0088】
図5及び図8に示すように、複数の画素PXは、それぞれ光反射領域R3及び光透過領域R4を含んでいる。この実施例では、画素PXは、第2方向Yに隣接した矩形状の光反射領域R3及び矩形状の光透過領域R4を含んでいる。
【0089】
図5、図6及び図8に示すように、画素PXは、第1絶縁基板10(アレイ基板AR)上に形成され、光反射領域R3に重なった光反射層30を有している。光反射層30は、金属薄膜としてのアルミニウム薄膜等光を反射する材料で形成されている。なお、図示しないが、光反射層30は、対向基板CTに対向した側に小さな凹凸状の表面を有していてもよい。光反射層30は、光反射領域R3に位置した主画素電極PAに重なっている。
【0090】
光反射層30は、電気的フローティング状態である。電気的フローティング状態を維持できる場合、第1方向Xに並んだ画素PXの光反射層30は、一体となり、帯状に形成されていてもよい。
【0091】
図6及び図8に示すように、画素PXは、突出部40を有している。突出部40は透光性を有している。突出部40は、アレイ基板AR及び対向基板CTの一方に設けられ、光反射領域R3に重ねられている。突出部40は、アレイ基板AR及び対向基板CTの他方側に突出して光反射領域R3と対向した第1液晶層LQ1の層厚を光透過領域R4と対向した第2液晶層LQ2の層厚より薄くする。この実施例において、突出部40は、対向基板CTに設けられ、より詳しくはカラーフィルタCF上に形成されている。突出部40は、光反射領域R3毎に島状に設けられていてもよい。または、第1方向Xに並んだ画素PXの突出部40は、一体となり、帯状に形成されていてもよい。
【0092】
画素PXは、第1液晶層LQ1(液晶層LQ)及び対向基板CT(第2絶縁基板20)間に位置し、光反射領域R3に重ねられた位相差板50を有している。位相差板50は、アレイ基板AR及び対向基板CTの平面に垂直な方向から入射した光の位相を550nmの波長において略1/2波長ずらす。位相差板50は、λ/2板である。
【0093】
この実施形態において、位相差板50は、第2絶縁基板20上に形成されている。カラーフィルタCFは、位相差板50が形成された第2絶縁基板20上に形成されている。光反射領域R3に重なったカラーフィルタCFの厚みは、光透過領域R4に重なったカラーフィルタCFの厚みの略半分である。このため、光反射表示による画像と、光透過表示による画像と、色度を同レベルとすることができ、表示品位の向上に寄与している。
【0094】
位相差板50の面内方向のリタデーションは、550nmの波長において略λ/2となる250乃至290nmである。液晶層LQの屈折率異方性をΔn、第1液晶層LQ1の厚みをd1、第2液晶層LQ2の厚みをd2とすると、光透過領域R4の液晶層LQ(第2液晶層LQ2)のリタデーションΔnd2は、270乃至340nmであり、光反射領域R3の液晶層LQ(第1液晶層LQ1)のリタデーションΔnd1は、略λ/4となる120乃至160nmである。
【0095】
上記のように、突出部40を設けることにより、第1液晶層LQ1と第2液晶層LQ2とで厚みを異ならせ、リタデーションの値を異ならせている。仮に液晶層LQのΔnを0.11とした場合、第2液晶層LQ2の厚みd2を2.5乃至3.1μm、第1液晶層LQ1の厚みを1.1乃至1.5μm、突出部40の高さを1.0乃至2.0μmとすることができる。
【0096】
図7に示すように、言うまでもないが、光透過領域R4には、光反射層30、突出部40及び位相差板50は設けられていない。
【0097】
図9は、光反射領域R3における、光反射層30、第1液晶層LQ1、位相差板50及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。図10は、光透過領域R4における、バックライトユニット4、第1偏光板PL1、第2液晶層LQ2及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。
【0098】
図9及び図10に示すように、液晶分子LMの初期配向方向と垂直な方向を0°と定義する。第1偏光板PL1の吸収軸は0°であり第1方向Xに平行であり、第2偏光板PL2の吸収軸は90°であり第2方向Yに平行である。位相差板50の光軸は22.5゜である。なお、位相差板50の光軸は22.5゜に限らず20乃至25°であってもよい。
【0099】
図11は、画素電極PE及び共通電極CE間に電圧が印加されていない状態におけるバックライトの光路及び外光の光路を説明するための図である。
【0100】
図11に示すように、バックライトユニット4の光放出面から拡散した光が出射されると、第1偏光板PL1は第2方向Yの直線偏光として第2液晶層LQ2に出射させることになる。電圧無印加状態において、第2液晶層LQ2は、第1偏光板PL1から入射される直線偏光を、偏光状態を維持して透過させ、第2偏光板PL2に出射させる。第2偏光板PL2に出射させた直線偏光は、第2偏光板PL2の吸収軸と並行であるため、第2偏光板PL2を透過しない。つまり、第2液晶層LQ2から入射される光が第2偏光板PL2を透過する確率(透過率)はほぼ0%となる。上記したことから、第2偏光板PL2は、第2液晶層LQ2から入射される偏光を遮光することが可能となり、黒色表示を良好に行うことが可能となる。
【0101】
拡散した外光が入射されると、第2偏光板PL2は第1方向Xの直線偏光として位相差板50に出射させることになる。位相差板50は、第2偏光板PL2から入射される第1方向Xの直線偏光の位相を1/2波長ずらし、45°の直線偏向として第1液晶層LQ1に出射させることになる。
【0102】
電圧無印加状態において、第1液晶層LQ1は、位相差板50から入射される直線偏光の位相を1/4波長ずらし、右回りの円偏光(以下、右旋円偏光と称する)として光反射層30に出射させる。
【0103】
右旋円偏光が光反射層30に入射すると反射されて左回りの円偏光(以下、左旋円偏光と称する)となり、再び第1液晶層LQ1に入射される。すると、第1液晶層LQ1は入射される左旋円偏光の位相をさらに1/4波長ずらし、135°の直線偏光として位相差板50に出射させる。位相差板50は、第1液晶層LQ1から入射される直線偏光の位相を1/2波長ずらし、第2方向Yの直線偏向として第2偏光板PL2に出射させることになる。
【0104】
位相差板50から第2偏光板PL2に入射される直線偏光は、第2偏光板PL2の吸収軸の方向と平行であるため、第2偏光板PL2を透過しない。つまり、位相差板50から入射される偏光が第2偏光板PL2を透過する確率(透過率)はほぼ0%となる。上記したことから、第2偏光板PL2は、位相差板50から入射される偏光を遮光することが可能となり、黒色表示を良好に行うことが可能となる。
【0105】
図12は、画素電極PE及び共通電極CE間に電圧が印加されている状態におけるバックライトの光路及び外光の光路を説明するための図である。
【0106】
図12に示すように、バックライトユニット4の光放出面から拡散した光が出射されると、第1偏光板PL1は第2方向Yの直線偏光として第2液晶層LQ2に出射させることになる。電圧印加状態において、第2液晶層LQ2は入射される直線偏光を略90°捩って出射する。これにより、第2液晶層LQ2は、第1方向Xの直線偏光として第2偏光板PL2に出射させている。つまり、第2液晶層LQ2から入射される偏光が第2偏光板PL2を透過する確率(透過率)はほぼ100%となる。上記したことから、第2偏光板PL2は、第2液晶層LQ2から入射される偏光を透過することが可能となり、画像表示を良好に行うことが可能となる。
【0107】
拡散した外光が入射されると、第2偏光板PL2は第1方向Xの直線偏光として位相差板50に出射させることになる。位相差板50は、第2偏光板PL2から入射される第1方向Xの直線偏光の位相を1/2波長ずらし、45°の直線偏向として第1液晶層LQ1に出射させることになる。
【0108】
電圧印加状態において、第1液晶層LQ1は、位相差板50から入射される直線偏光を、偏光状態を維持して透過させ、光反射層30に出射させる。光反射層30は、直線偏光を反射し、再び45°の直線偏向として第1液晶層LQ1に出射させる。第1液晶層LQ1は、光反射層30から入射される直線偏光を、偏光状態を維持して透過させ、位相差板50に出射させる。位相差板50は、第1液晶層LQ1から入射される直線偏光の位相を1/2波長ずらし、第1方向Xの直線偏向として第2偏光板PL2に出射させる。
【0109】
これにより、位相差板50から入射される直線偏光が第2偏光板PL2を透過する確率(透過率)はほぼ100%となる。上記したことから、第2偏光板PL2は、位相差板50から入射される偏光を透過することが可能となり、画像表示を良好に行うことが可能となる。
【0110】
(実施例2)
図13は、実施例2の光反射領域R3における、光反射層30、第1液晶層LQ1、位相差板50及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。
図13に示すように、位相差板50の光軸は157.5゜である。なお、位相差板50の光軸は157.5゜に限らず155乃至160°であってもよい。
【0111】
上記の他、実施例2の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。実施例2の液晶表示装置においても、上記実施例1の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0112】
(実施例3)
図14は、光反射領域R3における、光反射層30、第1液晶層LQ1、位相差板50及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。図15は、光透過領域R4における、バックライトユニット4、第1偏光板PL1、第2液晶層LQ2及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。
【0113】
図14及び図15に示すように、液晶分子LMの初期配向方向と垂直な方向を0°と定義する。第1偏光板PL1の吸収軸は90°であり第2方向Yに平行であり、第2偏光板PL2の吸収軸は0°であり第1方向Xに平行である。位相差板50の光軸は22.5゜である。なお、位相差板50の光軸は22.5゜に限らず20乃至25°であってもよい。
【0114】
上記の他、実施例3の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。実施例3の液晶表示装置においても、上記実施例1の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0115】
(実施例4)
図16は、実施例4の光反射領域R3における、光反射層30、第1液晶層LQ1、位相差板50及び第2偏光板PL2を示す分解斜視図である。
図16に示すように、位相差板50の光軸は157.5゜である。なお、位相差板50の光軸は157.5゜に限らず155乃至160°であってもよい。
【0116】
上記の他、実施例4の液晶表示装置は、上記実施例3の液晶表示装置と同様に構成されている。実施例4の液晶表示装置においても、上記実施例3の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0117】
(実施例5)
図17は、実施例5の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【0118】
図17に示すように、画素PXを占める光反射領域R3及び光透過領域R4の割合は均一である。画素PXは、それぞれ1つの光反射領域R3及び2つの光透過領域R4を含んでいる。この実施例では、光反射領域R3は矩形状であり画素PXの中央に位置し、光透過領域R4は矩形状であり第1方向Xに光反射領域R3を挟んで位置している。
【0119】
画素電極PEは、そのほとんどが光反射領域R3に重ねられている。光反射領域R3及び光透過領域R4には、それぞれ4つのドメインを形成することが可能となるため、光反射表示及び光透過表示の何れにおいても視野角を拡大することが可能となる。
【0120】
光反射層30及びソース配線Sは、同一の層に同一材料、例えばアルミニウムで形成されている。なお、光反射層30は光反射性を有する材料で形成されていればよく、ソース配線Sとは別の材料で形成してもよい。上記のことから、第2方向Yに並んだ画素PXの光反射層30は、一体に、帯状に形成することができ、この場合も電気的フローティング状態を維持することができる。
上記の他、実施例5の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。
【0121】
(実施例6)
図18は、実施例6の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【0122】
図18に示すように、画素PXを占める光反射領域R3及び光透過領域R4の割合は均一である。画素PXは、それぞれ1つの光反射領域R3及び2つの光透過領域R4を含んでいる。この実施例では、光反射領域R3は矩形状であり画素PXの中央に位置し、光透過領域R4は矩形状であり第2方向Yに光反射領域R3を挟んで位置している。
【0123】
光反射領域R3及び光透過領域R4には、それぞれ4つのドメインを形成することが可能となるため、光反射表示及び光透過表示の何れにおいても視野角を拡大することが可能となる。
【0124】
また、この実施例では、光反射領域R3に、スイッチング素子SWや補助容量線C、画素電極PEなどの能動素子を重ねることができるため、開口率の拡大を図ることができる。
【0125】
光反射層30及びゲート配線Gは、同一の層に同一材料、例えばMoW(モリブデン・タングステン)で形成されている。なお、光反射層30は光反射性を有する材料で形成されていればよく、ゲート配線Gとは別の材料で形成してもよい。上記のことから、第1方向Xに並んだ画素PXの光反射層30は、一体に、帯状に形成することができ、この場合も電気的フローティング状態を維持することができる。
上記の他、実施例6の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。
【0126】
(実施例7)
図19は、実施例7の液晶表示パネルを対向基板側から見たときの一画素の構造例を概略的に示す平面図である。
【0127】
図19に示すように、副画素電極PBの位置が異なる点以外、実施例7の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。副画素電極PBは、光透過領域R4を第2方向Yに2等分する位置に設けられている。光透過領域R4には、均等なサイズで4つのドメインを形成することが可能となるため、光透過表示における視野角を拡大することが可能となる。
【0128】
光反射層30は、例えば第1絶縁基板10の直上に形成され、絶縁膜で覆われている。上記のことから、第1方向Xに並んだ画素PXの光反射層30は、一体に、帯状に形成することができ、この場合も電気的フローティング状態を維持することができる。
【0129】
(実施例8)
図20は、実施例8の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
図20に示すように、位相差板50の位置が異なる点以外、実施例8の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。位相差板50は、カラーフィルタCF上に形成され、突出部40で覆われている。
実施例8の液晶表示装置においても、上記実施例1の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0130】
(実施例9)
図21は、実施例9の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
図21に示すように、突出部40の位置が異なる点以外、実施例9の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。突出部40は、アレイ基板ARに設けられている。突出部40は、光反射層30上に形成され、光反射層30を覆っている。
実施例9の液晶表示装置においても、上記実施例1の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0131】
(実施例10)
図22は、実施例10の液晶表示パネルの断面構造を概略的に示す断面図である。
図22に示すように、位相差板50及び突出部40の位置が異なる点以外、実施例10の液晶表示装置は、上記実施例1の液晶表示装置と同様に構成されている。位相差板50は、カラーフィルタCF上に形成されている。突出部40は、アレイ基板ARに設けられている。突出部40は、光反射層30上に形成され、光反射層30を覆っている。
実施例10の液晶表示装置においても、上記実施例1の液晶表示装置と同様に画像を表示できるものである。
【0132】
以上のように構成された実施例1乃至10の液晶表示装置によれば、液晶表示装置は、アレイ基板ARと、アレイ基板に隙間を置いて対向配置された対向基板CTと、アレイ基板及び対向基板間に挟持された液晶層LQと、複数の画素PXと、アレイ基板の外面に配置された第1偏光板PL1と、対向基板CTの外面に配置された第2偏光板PL2と、を備えている。
【0133】
各画素PXは、アレイ基板AR上に形成され、光反射領域R3に重なった光反射層30と、アレイ基板AR上に形成され、第2方向Yに沿って延出した主画素電極PAと、対向基板CT上に形成され、第1方向Xに主画素電極PAを挟んで位置し第2方向Yに沿って延出した一対の主共通電極CAと、を有している。
【0134】
このため、IPSモード及びFFSモードに比べて光透過率の高い横電界モードあるいは斜め電界モードを採ることができる。これにより、液晶表示装置を上記のように光反射表示と光透過表示とを両立できる構成としても、表示画像の輝度レベルを十分に得ることができる。
【0135】
また、外光の明るい場所でも視認性のよい液晶表示装置を実現することができる。そして、光反射表示が可能であり、バックライトを必要としないため、低消費電力を図ることができる。
【0136】
上記のことから、IPSモード及びFFSモードに比べて光透過率の高い横電界モードあるいは斜め電界モードを採ることができ、光反射表示と光透過表示とを両立しても十分な輝度レベルの画像を表示することができる液晶表示装置を得ることができる。
【0137】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0138】
例えば、液晶表示装置は、位相差板50無しに形成されていてもよく、この場合は突出部40などが位相差板50の機能を有していればよい。位相差板50の機能を有する突出部40は、アレイ基板AR及び対向基板CTの平面に垂直な方向から入射した光の位相を550nmの波長において略1/2波長ずらすことができる。
【符号の説明】
【0139】
LPN…液晶表示パネル、PX…画素、AR…アレイ基板、G…ゲート配線、C…補助容量線、S…ソース配線、PE…画素電極、PA…主画素電極、PB…副画素電極、AL1…第1配向膜、CT…対向基板、CE…共通電極、CA…主共通電極、CB…第2副共通電極、AL2…第2配向膜、LQ…液晶層、LQ1…第1液晶層、LQ2…第2液晶層、LM…液晶分子、30…光反射層、40…突出部、50…位相差板、4…バックライトユニット、R1…表示領域、R3…光反射領域、R4…光透過領域、X…第1方向、Y…第2方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に隙間を置いて対向配置された第2基板と、
前記第1基板及び第2基板間に挟持された液晶層と、
前記第1方向及び前記第1方向に直交した第2方向にマトリクス状に設けられ、それぞれ光反射領域及び光透過領域を含み、前記第1方向に沿った長さが前記第2方向に沿った長さよりも短い複数の画素と、
前記第1基板の外面に配置された第1偏光板と、
前記第2基板の外面に配置された第2偏光板と、を備え、
前記各画素は、
前記第1基板上に形成され、前記光反射領域に重なった光反射層と、
前記第1基板上に形成され、前記第2方向に沿って延出した主画素電極と、
前記第2基板上に形成され、前記第1方向に前記主画素電極を挟んで位置し前記第2方向に沿って延出した一対の主共通電極と、を有していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記各画素は、
前記第1基板及び第2基板の一方に設けられ、前記光反射領域に重ねられ、前記第1基板及び第2基板の他方側に突出して前記光反射領域と対向した前記液晶層の層厚を前記光透過領域と対向した前記液晶層の層厚より薄くする突出部をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記第1基板及び第2基板の平面に垂直な方向から入射した光の位相を550nmの波長において略1/2波長ずらすことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記各画素は、
前記液晶層及び第2基板間に位置し、前記光反射領域に重ねられ、前記第1基板及び第2基板の平面に垂直な方向から入射した光の位相を550nmの波長において略1/2波長ずらす位相差板をさらに有していることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1偏光板の吸収軸と前記第2偏光板の吸収軸とは、直交していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−72961(P2013−72961A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211247(P2011−211247)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(302020207)株式会社ジャパンディスプレイセントラル (2,170)
【Fターム(参考)】