液検知用光センサ、およびそれによる液面センサと漏液センサ
【課題】 発光素子と受光素子を内蔵する外筒の外周面の全周において、液の接触の有無を検知し得る液検知用光センサ、およびその応用製品を提供すること。
【解決手段】 円筒形状の透明な外筒2の内部に発光素子3と受光素子4とを上下に対向させて配置し、発光素子3からの光が直接に受光素子4で受光されないように、発光素子3と受光素子4との間に外筒2の外壁部7の内周面に接する円板状の遮光板5を配置した光センサ1であり、発光素子3から一定の立体角内に照射される光の周縁部の円環状の光を、外筒2の外側が例えば空気である場合の臨界角以上の入射角度で外壁部7内へ入射させ、外壁部7の外周面で反射した反射光を受光素子4で受光させる。このような光センサ1を使用して液面センサ、漏液センサを作製することができる。
【解決手段】 円筒形状の透明な外筒2の内部に発光素子3と受光素子4とを上下に対向させて配置し、発光素子3からの光が直接に受光素子4で受光されないように、発光素子3と受光素子4との間に外筒2の外壁部7の内周面に接する円板状の遮光板5を配置した光センサ1であり、発光素子3から一定の立体角内に照射される光の周縁部の円環状の光を、外筒2の外側が例えば空気である場合の臨界角以上の入射角度で外壁部7内へ入射させ、外壁部7の外周面で反射した反射光を受光素子4で受光させる。このような光センサ1を使用して液面センサ、漏液センサを作製することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液の有無を検知する光センサの改良、および改良された光センサを使用した液面センサと漏液センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液の有無を検知するセンサや、液面の高さを検知するセンサは、従来から種々の原理に基づくものが提案されている。例えば液面に浮かぶフロートの位置によって液面の位置を検知するフロート型センサ、液の有無に基づく静電容量の変化によって液の有無を検知する静電型センサ、液の有無による光の屈折の変化に基づく光量の変化によって液面の位置を検知する光型センサ等である。この中でフロート型センサはフロートを有するので狭い場所には設置できないほか、フロートが有する可動部の不具合によってトラブルを生じ易いという問題がある。静電型センサは静電容量が小さい液体の検知に向かないほか、静電容量の測定距離が変化すると測定値が変化することからトラブルを招き易い。
【0003】
従来開示されている光型の液面センサの一つとして、液体貯槽の底面の一端側に発光素子を設置し、液体貯槽の天井面の一端側から多端側に亘ってラインCCD等の光位置センサを設けるものであり、発光素子から斜め上方へ向けて放射される光線は、液体貯槽内に収容されている液とその上方空間との界面で屈折して光位置センサに至るが、液面の高さによって光線が至る光位置センサの位置が異なることから液面の高さを検知するものである(特許文献1を参照)。この液面センサは受光にラインセンサを使用するものであるから、狭い場所には設置できないほか、製造コストが大になる。
【0004】
他の光型のセンサとして、透明な外筒の内部に配置した発光素子と受光素子とからなり、発光素子から外筒の外周面へ入射される光は、その入射点に液体が接触していない場合には入射光は入射点で全反射されて外筒内の受光素子に戻り受光されるが、入射点に液が接触している場合には光は全反射されず液中へほぼ直進するものを生じ、受光素子での受光量が低下することによって液の有無を検知する液検知用光センサがある。そして上記の光センサを上下方向に長い外筒の内部に複数配置して、液面の高さの変動に応じて液面の高さを検知し得るようにした液面センサがある(特許文献2を参照)。しかし、単独のセンサが検知することができるのは、発光素子からの光が到達する外筒の外周面上の入射点に接触している液の有無であり、その入射点に単に液滴が付着しているだけでも液が存在すると誤検知してしまうという弱点を有している。
【0005】
【特許文献1】特開2006−300793号公報
【特許文献2】特開2001−033296号公報
【0006】
上記の特許文献2の光センサとは異なるが、同様に外周面上の入射点における液の有無を検知する光センサが存在する。図10は両端を閉じた上下方向の透明な外筒2の内部に発光素子13と受光素子14を配置した液検知用光センサ11の破断斜視図である。その光センサ11は、発光素子13で発光させる光を外筒2の外壁部7内で一定の入射角度となるように入射させ、外壁部7の外周面上の入射点Pで反射する反射光を受光素子4が受光するように発光素子13と受光素子14を傾けて配置したものであり、受光素子4による受光量の違いによって、外壁部7の外周面における入射点(反射点)Pに接触している液の有無を検知するものである。その検知の原理を以下の図11に示した。後述するように、説明を簡易化するために、光は光軸に沿う線状の光としている。
【0007】
図11は、図10に示した光センサ11の断面図であり、発光素子13および受光素子14は側面が示されている。図11はその光センサ11による液の有無の検知原理を概念的に示す図である。なお、発光素子13からの光は一定の立体角内に拡がる光であるが、図10、図11では光は光軸に沿う光として示している。図11Aは外壁部7の外周面の入射点Pに液8が接触していない場合、例えば光センサ11の外側は大気である場合を示す図であり、図11Bは外壁部7の外周面の入射点Pに液8が接触している場合を示す図である。図11Aにおいて、発光素子3からの光は外壁部7内において一定の入射角度αで外周面の入射点Pへ向けて入射され、入射角度αと同じ反射角度αで全反射されて受光素子4で受光される。
【0008】
上記の全反射は入射角度αが臨界角θm以上である時に生起するが、その臨界角θmは屈折に関するスネルの法則から次の式(1)によって導かれる角度である。
【0009】
sinθm = nA/nB 式(1)
上記の式(1)において、nAは媒質Aの真空に対する相対屈折率すなわち屈折率(絶対屈折率とも称する)であり、nBは媒質Bの屈折率である。そしてnA<nBであって、光は媒質Bから媒質Aへ向かう場合である。
【0010】
図11Aでは、媒質Bは例えばガラス製の外筒2であり、媒質Aは例えば外筒2の外側の空気であるとする。ガラスの屈折率を1.47、空気の屈折率を1.0003とすると、式(1)から臨界角θmは43度と求められ、図11Aにおいて外壁部7の外周面の入射点Pに例えば入射角α=55度で入射される光は入射点Pにおいて全反射され、その反射光は受光素子4で受光される。
【0011】
これに対し図11Bでは、媒質Bは同じくガラス製の外筒2であるが、媒質Aは外壁部7の外周面の入射点Pに接触している液8であり、その液8は水であるとする。水の屈折率は1.333であるから同様にして臨界角θmは63度と求められる。従って、外筒2の外壁部7の外壁面へ同じく入射角α=55度で入射される光は入射点Pにおいて全反射されずに水中へほぼ直進する光L*を生ずるので、図11Aの場合と比較して、受光素子4における受光量は低下する。すなわち、図11に示した光センサ11によって外壁部7の外周面の入射点Pに接触している水の有無を検知することができる。
【0012】
然しながら、図11に示した光センサ11は外筒2の外周面上の入射点Pにおける水の有無を検知するものであり、入射点Pを含む同一高さの外周の全体について水の有無を検知するものではない。従って入射点Pに単に水滴が付着しているだけの場合にも、その高さレベルに水が存在すると誤検知する問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、内部に発光素子と受光素子が配置された外筒の外壁部の外周面における同一高さの外周全体において液の有無を検知することができる液検知用光センサを提供することにある。
【0014】
また第2の目的は、上記光センサを使用して、例えばタンク内に収容されている液について液面高さの変動を検知し得る液面センサを提供することにある。
【0015】
また第3の目的は、上記光センサを使用して、受け容器内へ漏れ出た漏液の有無を検知し得る漏液センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的を達成するための請求項1に係る液検知用光センサは、円筒形状の透明な外筒内に発光素子と受光素子とが円筒の高さ方向に配置され、発光素子から発光される光が直接に受光素子で受光されないように、発光素子と受光素子の間に、外筒の外壁部の内周面に当接する円板状の遮光板が配置されている液検知用光センサであって、
発光素子から一定の立体角内に発光される光の中で周縁部の光が外壁部へ入射するが、その入射光は、外壁部の外周面に液が接触していない場合に、入射する外周面を反射面として全反射される臨界角以上の角度で入射され、その反射光を受光素子が受光するように構成されており、
反射面に液が接触していない場合には、外壁部へ入射する光は反射面で全反射して受光素子で受光され、反射面に液が接触している場合には、外壁部へ入射される光は液中へ進むものを生じて反射面で全反射されずに受光素子で受光され、反射面に液が接触していない場合に比して、受光素子の受光量が低下することにより、反射面に接触している液の有無を検知することを特徴とする液検知用光センサである。
【0017】
このような液検知用光センサは、外壁部の外周面に液が接触していない時には入射光が入射面を反射面として全反射されるように、外周面への入射光を臨界角以上の入射角度で入射させていることから、入射光が全反射されるか、全反射されないかによって、外周面における反射面に液が接触していないか接触しているかを容易に検知することができる。
【0018】
請求項2に係る液検知用光センサは、請求項1の液検知用光センサにおいて、反射面に液が接触していない場合の受光素子の受光量と、液が接触している場合の受光素子の受光量との差が大となるように、遮光板の板厚が設定されている液検知用光センサである。
このような液検知用センサは、設定した板厚の遮光板によって、反射面に接触する液の有無による受光素子の受光量の差が大であるから、液の有無を明確に検知する。
【0019】
請求項3に係る液検知用光センサは、請求項1または請求項2の液検知用光センサにおいて、外筒の外壁部における入射光と反射光との光路を確保した上で、外壁部の内周面に接して不透明なチューブが挿入されているか、または外壁部の外周面に遮光テープが巻回されている液検知用光センサである。
このような液検知用センサは、液検知用光センサ内への外来光の侵入を大幅に抑制し、受光素子による受光量が外来光によって影響され難いものとなる。
【0020】
請求項4に係る液面センサは、上下方向に長い透明な外筒の内部に請求項1に係る液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを上下方向に配置した液面センサである。
このような液面センサは、長い透明な外筒の内部に液検知用光センサをユニットとする複数のユニットが上下方向に配置されていることから、液面の高さが大幅に変動する場合にも、その変動の範囲をカバーして液面の高さを検知することが出来る。
【0021】
請求項5に係る液面センサは、請求項4に係る液面センサにおいて、複数のユニットが外筒内へ挿入し得る基板上に設置されて挿入された液面センサである。
このような液面センサは請求項1の液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを長い外筒内へ配置することを容易ならしめる。
【0022】
請求項6に係る漏液センサは、請求項1に係る液検知用光センサを漏出液の受け容器の底面に横臥した姿勢で載置した漏液センサである。
このような漏液センサは、使用している液検知用光センサが外筒の外壁部の外周面における反射面に接触する液の有無を検知するものであるから、受け容器の底面に漏出する液があると的確に検知することが出来る。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る液検知用光センサによれば、外筒の外壁部の外周面におけるバンド状の反射面に液が接触していないか接触しているかを検知するので、外周面上の入射点に単に付着している液滴を検知して外周面に液が接触しているとするような誤検知を招かない。
請求項2に係る液検知用光センサによれば、液の有無による受光素子の受光量の差が大であるように遮光板の板厚が設定されているので、液の有無を明確に検知し得る。
請求項3に係る液検知用光センサによれば、外来光が光センサの内部へ侵入することを防いでいるので、外来光の影響を受けることなく液の有無を検知することができる。
【0024】
請求項4に係る液面センサによれば、長い外筒の内部に請求項1に係る液検知用光センサをユニットとする複数のユニットが上下方向に配置されているので、変動する液面の高さを的確に検知することができる。
請求項5に係る液面センサによれば、複数のセンサユニットを外筒内に挿入し得る基板上に設置しているので、長い外筒内への複数のセンサユニットの配置が容易である。
請求項6に係る漏液センサによれば、使用している液検知用光センサが外周面における反射面に接触する液の有無を検知するので、受け容器に漏出した液が僅かであっても漏出を迅速かつ的確に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
上述したように、従来の液検知用光センサの一例は、発光素子からの入射光が入射する外筒の外周面上の入射点に液が接触していない場合には全反射され、液が接触している場合には全反射されないことによって液の有無を検知するものであるが、本発明の液検知用光センサは外周面へ入射光が入射する円環状の入射面において液の有無を検知し得るようにしたものである。そのために本発明の光センサは、上下方向の透明な外筒の内部に発光素子(例えば発光ダイオード)と受光素子(例えばフォト・ダイオード)を上下に配置すると共に、発光素子からの光が直接に受光素子で受光されないように、発光素子と受光素子との間に外壁部の内壁面に接する円板状の遮光板を配置しており、発光素子から一定の立体角内へ発光される光の中で周縁部の光を外筒の外壁部内へ円環状に入射させ、かつその入射角度は、外壁部の外周面に液が接触していない場合には入射する外周面を反射面として全反射されるように臨界角θm以上の角度とし、その反射光を受光素子で受光するようにしたものである。
【0026】
上記のような本発明の光センサにおいては、上記の反射面に接触している液が無い場合には外壁部内の入射光は反射面で全反射されて受光素子に受光されるが、反射面に接触している液が有る場合には外壁部内の入射光の一部は液中へほぼ直進して全反射されず、受光素子の受光量が低下することにより、液の有無が検知される。
【0027】
また、少なくとも下端を閉じた長い外筒を用意し、その内部に上下に配置した発光素子、受光素子と、それらの間に配置した遮光板とからなる本発明の光センサをユニットとして、複数のユニットを上下方向に複数配置することにより、例えばタンク内で液面高さが大きく変動しても、その液面高さを検知し得る液面センサを作製することができる。
【0028】
また、両端を閉じた外筒内に発光素子と受光素子、およびそれらの間に配置した遮光板とからなる本発明の光センサを容器の底面上に横臥した姿勢で設置することにより、容器内への漏出液の有無を迅速に検知し得る漏液センサを作製することができる。
【0029】
本発明の光センサの外筒には透明な筒状のもの、例えばガラス製や透明なプラスチック製の外筒が使用される。また、発光素子としては発光ダイオードが好適に使用されるが、それ以外の発光体であってもよい。他方、受光素子としては、発光ダイオードと波長整合性があるフォト・ダイオードが好適に使用されるが、それ以外の受光体であってもよい。
【実施例】
【0030】
図1は本発明の液検知用光センサ1の破断斜視図であり、この光センサ1は外筒2の外壁部7の外周面へ入射光が入射する円環状の入射面に接触する液の有無を検知し得るものであり、両端を閉じた上下方向の透明な円筒状の外筒2の内部に発光素子3と受光素子4を上下に対向させて配置し、発光素子3からの光が直接に受光素子4で受光されないように、発光素子3と受光素子4との間に遮光板5を配置したものである。そのために、発光素子3から一定の立体角内へ放射される光の中で周縁部の光が外筒2の外壁部7内へ円環状に入射され、その入射光は入射面を反射面として反射されるが、その反射光を受光素子4で受光するようにしたものである。
【0031】
図2は図1の光センサ1の断面図であり、その光センサ1による液の有無の検知原理を概念的に示す図である。従って図2においては、発光素子3からの光の内の上記周縁部の光は発光素子3を頂点とする立体角の錐面に沿う光として説明している。図2A、図2Bに示す光センサ1においては、発光素子3から照射される光は外筒2の外壁部7内へ入射され、その入射光は外壁部7の外周Cへ入射角度αで入射され、外周Cにおいて入射角度αと同じ反射角度αで反射される反射光が受光素子4で受光される。
【0032】
図2Aは外壁部7の外周Cの全体に液8が接触していない状態を示す図であり、図2Bは外周Cの全体に液8が接触している状態を示す図である。図2Aで外壁部7の外側が例えば空気である場合、外周Cへ臨界角θm以上の入射角度αで入射される入射光は、入射角度αと同じ反射角度αで全反射されて受光素子4で受光される。
【0033】
これに対し図2Bのように、外壁部7の外周Cに液8として例えば水が接触している場合には、外壁部7の外周Cへ入射角度αで入射される入射光は、外周Cにおいて全反射されずに水中へほぼ直進する光L*を生ずるので、図2Aの場合と比較して、受光素子4における受光量は低下する。すなわち、外周Cの外側が空気である場合には入射光は全反射されて受光素子4で受光されるが、外周Cに水が接触している場合には全反射されず受光素子4の受光量が低下することにより、図2に示した光センサ1によって外筒2の外壁部7における外周Cに接触している水の有無を検知することが可能である。
【0034】
上記のような光センサ1の外壁部7の外周面において液面の高さを上昇させた時の、液面の高さと、受光素子の受光量の変化率との関係を図3に示した。図3において横軸は外筒2の外周面における液面の高さであり、縦軸は受光素子4における受光量の変化率である。液面の高さ10mmの前後において受光量が急激に変化しているので、本発明の光センサは液面高さの1mmの変化を的確に検知するものであることが認められる。
【0035】
そして、従来例の光センサ11は外筒2の外周面上の光の入射点Pにおける水の有無しか検知しないものであるに対して、本発明の光センサ1は外筒2の外周面へ入射する入射光の円環状の入射面に接触している水の有無を検知することができるので、外周面上の入射点に単に水滴が付着しているだけの場合に液が存在すると誤検知することはない。
【0036】
なお図1、図2では、発光素子3を上方に、受光素子4を下方に配置したが、その配置は逆であってもよい。また図1、図2では、発光素子3と受光素子4を対向させて配置したが、外筒2の外周面上の入射面、反射面における光量が確保される限りにおいて、発光素子3と受光素子4は必ずしも対向していなくてもよい。また外筒2を上下方向としたが液の検知が可能である限りにおいて、垂直方向であることを必要としない。
【0037】
また上記では、液8を水として説明したが、水以外の液、例えば極性の大きいエチルアルコールの屈折率は1.362であり、ガソリン等に含まれる極性の小さいn−ヘキサンの屈折率は1.37であり、何れも水に近い屈折率を持っているので、光センサ1は液8がアルコールやガソリンであっても、それらの有無を検出することができる。
【0038】
更には、透明な外筒2をガラス製としたが、透明なフッ素樹脂、例えば略称PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)の屈折率は1.36であり、上記の式(1)によってその臨界角θmは48度と算出され、入射角αが55度であっても、PFA製の外筒2は充分に使用可能である。PFAはガラスに比して屈折率がやや低いので、後述の変動要因との関連において入射角度を若干大にする必要がある場合には、発光素子3と受光子4との間隔を若干大にしても良い。そのほか、液が腐食性でないのであればそれ以外のプラスチック製の外筒2を使用することができる。因みに衝撃強度が大きいポリカーボネートの屈折率は1.586であり、水槽等に使用されるポリメチルメタアクリレートの屈折率は1.492である。
<遮光板の板厚と受光素子の受光量>
【0039】
上記図2は本発明の液検知用光センサの検知原理を概略的に示すものであり、発光素子3からの光は発光素子3を頂点とする立体角の錐面に沿う光として説明したが、図2にも示すように、発光素子3からの発光は一定の立体角内に拡がる光であるから、実際においては、図4に示すように、外筒2の外壁部7内における入射光は外筒2の外周面へ一定幅のバンド状に入射され、その入射面が反射面Rとなって反射光が受光素子4で受光される。そして図4は、外壁部7内における入射光の全てが反射されて受光素子4で受光される最も受光効率が高い場合を示している。
【0040】
しかし、図4から明らかなように、発光素子3から発光される光の立体角、外筒2の内径、外壁部7の肉厚、受光素子4が受光し得る立体角、発光素子3と受光素子4との間の距離、遮光板5の板厚は受光素子4における受光効率の変動の原因となり得る要素であり、それらの変動要因によっては必ずしも入射光の全てが受光素子4に受光されるようにはならない。図5と図6は、遮光板5の板厚を変動させ、それ以外の変動要因は全て一定であるとした場合の図であり、図5は遮光板5の板厚が薄い場合、図6は遮光板5の板厚が厚い場合を示す。
【0041】
図5では遮光板5の板厚が薄いために、発光素子3からの入射光量は大になり、かつ受光素子4が受光し得る反射面R’の幅は大になるが、外壁部7の外周面へ入射する入射光のバンド状の入射面と、受光素子4が受光し得るバンド状の反射面とが一致せず、入射面(反射面)の外側に液8が接触していない場合と液8が接触している場合とにおける受光素子4の受光量の差が小さくなる。また、図6では遮光板5の板厚が厚いために、外筒2の外周面における入射光のバンド状の入射面R”の幅が狭くなり、入射光量自体が小さくなる。
【0042】
外筒2として、内径4.6mm、肉厚1mmの透明なプラスチック・チューブを使用し、それ以外の変動要因も一定とし、遮光板5の板厚を0.5〜2mmの間で変動させて、外壁部7の反射面Rに液8が接触していない場合と液8が接触している場合について、反射光を受光した受光素子4の受光量の違いによる出力電圧の違いを測定した。その測定結果は表1に示す如くであった。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に見られるように、外壁部7の反射面Rに液8が接触していない場合と、液8が接触している場合とにおける受光素子4の受光量の違いに基づく出力電圧は、遮光板の板厚が1mmと1.5mmの場合に大きい出力差を生じた。すなわち、遮光板5の板厚を1〜1.5mmとすることにより、液の有無を的確に検知することができることを示している。このように、本発明の光センサ1では、外筒2の内径と外壁部7の肉厚、発光素子3から発光される光の立体角、受光素子4が受光し得る立体角、発光素子3と受光素子4との間の距離、遮光板5の板厚等によって、液の有無を検知し得る能力が異なるので、上記の遮光板5の板厚に限らず、他の変動要因についてもテストを通じて最も適切なものが選定される。
<外来光による影響の排除>
【0045】
遮光板5を挟んで、発光素子3と受光素子4とを対向させた光センサにおいて、例えば図4に示した光センサ1のように、発光素子3から外壁部7の外周面へ至る入射光路13と、外周面から受光素子4へ至る反射光路14が充分に確保されている場合には、上記入射光路13と反射光路14が形成される部分を除いて、外筒2は透明であることを必要としないことになる。従って、外来光が光センサ1内へ侵入することによる影響を防ぐために、図7に示す光センサ1sのように、入射光路13と反射光路14が確保されるのであれば、外壁部7の内壁面に接して外光の侵入を遮断する不透明なチューブ、例えばSUSチューブ9を挿入すれば、外来光による影響を排除することができる。入射光路と反射光路を確保した上で、外筒2の外周面に例えば遮光テープを巻いても同様な効果が得られる。
<本発明の液検知用光センサを使用した液面センサ>
【0046】
少なくとも下端を閉じた透明な長い外筒2の内部に、対向する発光素子3と受光素子4と、それらの間に配置した遮光板5とからなる液検知用光センサ1をユニットとして、複数のユニットを上下方向に配置することにより、液面の高さが変動する場合にも、その変動をカバーして液面の高さを検知し得る液面センサを作製することができる。
【0047】
図8はその液面センサの一例を示す図である。すなわち、図8Aは棒状の液面センサ21の下端部を示す断面図であり、図8Bは図8Aにおける[B]−[B]線方向から見た断面図である。図8Bに示すように、この液面センサ21は、発光素子3、遮光板5、受光素子4からなるユニットU1、U2、U3を平面部分に固定した半円筒状の基板22を上方から外筒2内へ挿入して製造されたものである。そして遮光板5は基板22とその上方となる半円筒状の外壁部23との間に配置されている。従って、この液面センサ21は外筒2の外周面の全体において液面の高さを検知するものではなく、外筒2における半円状の外壁部23の外周面における液面の高さを検知するものとなっている。
【0048】
図8A、図8Bに示すように、液面センサ21は長い外筒2の内部に、発光素子3、遮光板5、受光素子4からなる光センサユニットUを上下の方向にU1、U2、U3の3ユニット配置したものであるが、勿論、それ以上の数のユニットを配置したものであってもよい。それぞれの光センサユニットUは液の有無を検知することができるので、光センサユニットUの数が多いほど、液面高さの変動をカバーする範囲が大きい液面センサ21となる。
<本発明の液検知用光センサを使用した漏液センサ>
【0049】
図9は両端を閉じた透明な外筒2の内部に発光素子3、遮光板5、受光素子4からなる液検知用光センサ1を漏液の受け容器であるドレイン・パン32の底面に横臥した姿勢で載置して使用する漏液センサ31を示す断面図である。本発明の光センサ1は、上述したように、外筒2の遮光板5が配置されている部分の反射面Rに接触する液の有無を検知するものであるから、ドレイン・パン32の底面に排出される漏出液を遅滞なく的確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の液検知用光センサの破断斜視図である。
【図2】本発明の液検知用光センサによる検知原理を示す断面図である。
【図3】本発明の液検知用光センサを使用した時の、液面の高さと受光素子における受光量の変化率を示す図である。
【図4】遮光板の板厚が適切であり、発光素子からの入射光の全量が外筒の面で反射されて受光素子で受光される場合を示す断面図である。
【図5】遮光板の板厚が薄い場合の入射光と反射光との関係を示す断面図である。
【図6】遮光板の板厚が厚い場合の入射光と反射光との関係を示す断面図である。
【図7】外光による影響を排除した光センサを示す断面図である。
【図8】本発明の光センサを使用した液面センサの下端部を示す断面図である。
【図9】本発明の光センサを使用した漏液センサを示す断面図である。
【図10】従来の液検知用光センサの破断斜視図である。
【図11】従来の液検知用光センサによる検知原理を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・本発明の液検知用光センサ、 2・・・外筒、
3・・・発光素子、 4・・・受光素子、
5・・・遮光板、 7・・・外壁部、
11・・・従来の液検知用光センサ、 13・・・発光素子、
14・・・受光素子、 21・・・液面センサ
31・・・漏液センサ、
C・・・外筒の外周面における一定高さの外周、
P・・・外筒の外周面における外周面上の入射光の入射点、
R・・・外筒の外周面における入射光の反射面、
【技術分野】
【0001】
本発明は液の有無を検知する光センサの改良、および改良された光センサを使用した液面センサと漏液センサに関する。
【背景技術】
【0002】
液の有無を検知するセンサや、液面の高さを検知するセンサは、従来から種々の原理に基づくものが提案されている。例えば液面に浮かぶフロートの位置によって液面の位置を検知するフロート型センサ、液の有無に基づく静電容量の変化によって液の有無を検知する静電型センサ、液の有無による光の屈折の変化に基づく光量の変化によって液面の位置を検知する光型センサ等である。この中でフロート型センサはフロートを有するので狭い場所には設置できないほか、フロートが有する可動部の不具合によってトラブルを生じ易いという問題がある。静電型センサは静電容量が小さい液体の検知に向かないほか、静電容量の測定距離が変化すると測定値が変化することからトラブルを招き易い。
【0003】
従来開示されている光型の液面センサの一つとして、液体貯槽の底面の一端側に発光素子を設置し、液体貯槽の天井面の一端側から多端側に亘ってラインCCD等の光位置センサを設けるものであり、発光素子から斜め上方へ向けて放射される光線は、液体貯槽内に収容されている液とその上方空間との界面で屈折して光位置センサに至るが、液面の高さによって光線が至る光位置センサの位置が異なることから液面の高さを検知するものである(特許文献1を参照)。この液面センサは受光にラインセンサを使用するものであるから、狭い場所には設置できないほか、製造コストが大になる。
【0004】
他の光型のセンサとして、透明な外筒の内部に配置した発光素子と受光素子とからなり、発光素子から外筒の外周面へ入射される光は、その入射点に液体が接触していない場合には入射光は入射点で全反射されて外筒内の受光素子に戻り受光されるが、入射点に液が接触している場合には光は全反射されず液中へほぼ直進するものを生じ、受光素子での受光量が低下することによって液の有無を検知する液検知用光センサがある。そして上記の光センサを上下方向に長い外筒の内部に複数配置して、液面の高さの変動に応じて液面の高さを検知し得るようにした液面センサがある(特許文献2を参照)。しかし、単独のセンサが検知することができるのは、発光素子からの光が到達する外筒の外周面上の入射点に接触している液の有無であり、その入射点に単に液滴が付着しているだけでも液が存在すると誤検知してしまうという弱点を有している。
【0005】
【特許文献1】特開2006−300793号公報
【特許文献2】特開2001−033296号公報
【0006】
上記の特許文献2の光センサとは異なるが、同様に外周面上の入射点における液の有無を検知する光センサが存在する。図10は両端を閉じた上下方向の透明な外筒2の内部に発光素子13と受光素子14を配置した液検知用光センサ11の破断斜視図である。その光センサ11は、発光素子13で発光させる光を外筒2の外壁部7内で一定の入射角度となるように入射させ、外壁部7の外周面上の入射点Pで反射する反射光を受光素子4が受光するように発光素子13と受光素子14を傾けて配置したものであり、受光素子4による受光量の違いによって、外壁部7の外周面における入射点(反射点)Pに接触している液の有無を検知するものである。その検知の原理を以下の図11に示した。後述するように、説明を簡易化するために、光は光軸に沿う線状の光としている。
【0007】
図11は、図10に示した光センサ11の断面図であり、発光素子13および受光素子14は側面が示されている。図11はその光センサ11による液の有無の検知原理を概念的に示す図である。なお、発光素子13からの光は一定の立体角内に拡がる光であるが、図10、図11では光は光軸に沿う光として示している。図11Aは外壁部7の外周面の入射点Pに液8が接触していない場合、例えば光センサ11の外側は大気である場合を示す図であり、図11Bは外壁部7の外周面の入射点Pに液8が接触している場合を示す図である。図11Aにおいて、発光素子3からの光は外壁部7内において一定の入射角度αで外周面の入射点Pへ向けて入射され、入射角度αと同じ反射角度αで全反射されて受光素子4で受光される。
【0008】
上記の全反射は入射角度αが臨界角θm以上である時に生起するが、その臨界角θmは屈折に関するスネルの法則から次の式(1)によって導かれる角度である。
【0009】
sinθm = nA/nB 式(1)
上記の式(1)において、nAは媒質Aの真空に対する相対屈折率すなわち屈折率(絶対屈折率とも称する)であり、nBは媒質Bの屈折率である。そしてnA<nBであって、光は媒質Bから媒質Aへ向かう場合である。
【0010】
図11Aでは、媒質Bは例えばガラス製の外筒2であり、媒質Aは例えば外筒2の外側の空気であるとする。ガラスの屈折率を1.47、空気の屈折率を1.0003とすると、式(1)から臨界角θmは43度と求められ、図11Aにおいて外壁部7の外周面の入射点Pに例えば入射角α=55度で入射される光は入射点Pにおいて全反射され、その反射光は受光素子4で受光される。
【0011】
これに対し図11Bでは、媒質Bは同じくガラス製の外筒2であるが、媒質Aは外壁部7の外周面の入射点Pに接触している液8であり、その液8は水であるとする。水の屈折率は1.333であるから同様にして臨界角θmは63度と求められる。従って、外筒2の外壁部7の外壁面へ同じく入射角α=55度で入射される光は入射点Pにおいて全反射されずに水中へほぼ直進する光L*を生ずるので、図11Aの場合と比較して、受光素子4における受光量は低下する。すなわち、図11に示した光センサ11によって外壁部7の外周面の入射点Pに接触している水の有無を検知することができる。
【0012】
然しながら、図11に示した光センサ11は外筒2の外周面上の入射点Pにおける水の有無を検知するものであり、入射点Pを含む同一高さの外周の全体について水の有無を検知するものではない。従って入射点Pに単に水滴が付着しているだけの場合にも、その高さレベルに水が存在すると誤検知する問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、内部に発光素子と受光素子が配置された外筒の外壁部の外周面における同一高さの外周全体において液の有無を検知することができる液検知用光センサを提供することにある。
【0014】
また第2の目的は、上記光センサを使用して、例えばタンク内に収容されている液について液面高さの変動を検知し得る液面センサを提供することにある。
【0015】
また第3の目的は、上記光センサを使用して、受け容器内へ漏れ出た漏液の有無を検知し得る漏液センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的を達成するための請求項1に係る液検知用光センサは、円筒形状の透明な外筒内に発光素子と受光素子とが円筒の高さ方向に配置され、発光素子から発光される光が直接に受光素子で受光されないように、発光素子と受光素子の間に、外筒の外壁部の内周面に当接する円板状の遮光板が配置されている液検知用光センサであって、
発光素子から一定の立体角内に発光される光の中で周縁部の光が外壁部へ入射するが、その入射光は、外壁部の外周面に液が接触していない場合に、入射する外周面を反射面として全反射される臨界角以上の角度で入射され、その反射光を受光素子が受光するように構成されており、
反射面に液が接触していない場合には、外壁部へ入射する光は反射面で全反射して受光素子で受光され、反射面に液が接触している場合には、外壁部へ入射される光は液中へ進むものを生じて反射面で全反射されずに受光素子で受光され、反射面に液が接触していない場合に比して、受光素子の受光量が低下することにより、反射面に接触している液の有無を検知することを特徴とする液検知用光センサである。
【0017】
このような液検知用光センサは、外壁部の外周面に液が接触していない時には入射光が入射面を反射面として全反射されるように、外周面への入射光を臨界角以上の入射角度で入射させていることから、入射光が全反射されるか、全反射されないかによって、外周面における反射面に液が接触していないか接触しているかを容易に検知することができる。
【0018】
請求項2に係る液検知用光センサは、請求項1の液検知用光センサにおいて、反射面に液が接触していない場合の受光素子の受光量と、液が接触している場合の受光素子の受光量との差が大となるように、遮光板の板厚が設定されている液検知用光センサである。
このような液検知用センサは、設定した板厚の遮光板によって、反射面に接触する液の有無による受光素子の受光量の差が大であるから、液の有無を明確に検知する。
【0019】
請求項3に係る液検知用光センサは、請求項1または請求項2の液検知用光センサにおいて、外筒の外壁部における入射光と反射光との光路を確保した上で、外壁部の内周面に接して不透明なチューブが挿入されているか、または外壁部の外周面に遮光テープが巻回されている液検知用光センサである。
このような液検知用センサは、液検知用光センサ内への外来光の侵入を大幅に抑制し、受光素子による受光量が外来光によって影響され難いものとなる。
【0020】
請求項4に係る液面センサは、上下方向に長い透明な外筒の内部に請求項1に係る液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを上下方向に配置した液面センサである。
このような液面センサは、長い透明な外筒の内部に液検知用光センサをユニットとする複数のユニットが上下方向に配置されていることから、液面の高さが大幅に変動する場合にも、その変動の範囲をカバーして液面の高さを検知することが出来る。
【0021】
請求項5に係る液面センサは、請求項4に係る液面センサにおいて、複数のユニットが外筒内へ挿入し得る基板上に設置されて挿入された液面センサである。
このような液面センサは請求項1の液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを長い外筒内へ配置することを容易ならしめる。
【0022】
請求項6に係る漏液センサは、請求項1に係る液検知用光センサを漏出液の受け容器の底面に横臥した姿勢で載置した漏液センサである。
このような漏液センサは、使用している液検知用光センサが外筒の外壁部の外周面における反射面に接触する液の有無を検知するものであるから、受け容器の底面に漏出する液があると的確に検知することが出来る。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る液検知用光センサによれば、外筒の外壁部の外周面におけるバンド状の反射面に液が接触していないか接触しているかを検知するので、外周面上の入射点に単に付着している液滴を検知して外周面に液が接触しているとするような誤検知を招かない。
請求項2に係る液検知用光センサによれば、液の有無による受光素子の受光量の差が大であるように遮光板の板厚が設定されているので、液の有無を明確に検知し得る。
請求項3に係る液検知用光センサによれば、外来光が光センサの内部へ侵入することを防いでいるので、外来光の影響を受けることなく液の有無を検知することができる。
【0024】
請求項4に係る液面センサによれば、長い外筒の内部に請求項1に係る液検知用光センサをユニットとする複数のユニットが上下方向に配置されているので、変動する液面の高さを的確に検知することができる。
請求項5に係る液面センサによれば、複数のセンサユニットを外筒内に挿入し得る基板上に設置しているので、長い外筒内への複数のセンサユニットの配置が容易である。
請求項6に係る漏液センサによれば、使用している液検知用光センサが外周面における反射面に接触する液の有無を検知するので、受け容器に漏出した液が僅かであっても漏出を迅速かつ的確に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
上述したように、従来の液検知用光センサの一例は、発光素子からの入射光が入射する外筒の外周面上の入射点に液が接触していない場合には全反射され、液が接触している場合には全反射されないことによって液の有無を検知するものであるが、本発明の液検知用光センサは外周面へ入射光が入射する円環状の入射面において液の有無を検知し得るようにしたものである。そのために本発明の光センサは、上下方向の透明な外筒の内部に発光素子(例えば発光ダイオード)と受光素子(例えばフォト・ダイオード)を上下に配置すると共に、発光素子からの光が直接に受光素子で受光されないように、発光素子と受光素子との間に外壁部の内壁面に接する円板状の遮光板を配置しており、発光素子から一定の立体角内へ発光される光の中で周縁部の光を外筒の外壁部内へ円環状に入射させ、かつその入射角度は、外壁部の外周面に液が接触していない場合には入射する外周面を反射面として全反射されるように臨界角θm以上の角度とし、その反射光を受光素子で受光するようにしたものである。
【0026】
上記のような本発明の光センサにおいては、上記の反射面に接触している液が無い場合には外壁部内の入射光は反射面で全反射されて受光素子に受光されるが、反射面に接触している液が有る場合には外壁部内の入射光の一部は液中へほぼ直進して全反射されず、受光素子の受光量が低下することにより、液の有無が検知される。
【0027】
また、少なくとも下端を閉じた長い外筒を用意し、その内部に上下に配置した発光素子、受光素子と、それらの間に配置した遮光板とからなる本発明の光センサをユニットとして、複数のユニットを上下方向に複数配置することにより、例えばタンク内で液面高さが大きく変動しても、その液面高さを検知し得る液面センサを作製することができる。
【0028】
また、両端を閉じた外筒内に発光素子と受光素子、およびそれらの間に配置した遮光板とからなる本発明の光センサを容器の底面上に横臥した姿勢で設置することにより、容器内への漏出液の有無を迅速に検知し得る漏液センサを作製することができる。
【0029】
本発明の光センサの外筒には透明な筒状のもの、例えばガラス製や透明なプラスチック製の外筒が使用される。また、発光素子としては発光ダイオードが好適に使用されるが、それ以外の発光体であってもよい。他方、受光素子としては、発光ダイオードと波長整合性があるフォト・ダイオードが好適に使用されるが、それ以外の受光体であってもよい。
【実施例】
【0030】
図1は本発明の液検知用光センサ1の破断斜視図であり、この光センサ1は外筒2の外壁部7の外周面へ入射光が入射する円環状の入射面に接触する液の有無を検知し得るものであり、両端を閉じた上下方向の透明な円筒状の外筒2の内部に発光素子3と受光素子4を上下に対向させて配置し、発光素子3からの光が直接に受光素子4で受光されないように、発光素子3と受光素子4との間に遮光板5を配置したものである。そのために、発光素子3から一定の立体角内へ放射される光の中で周縁部の光が外筒2の外壁部7内へ円環状に入射され、その入射光は入射面を反射面として反射されるが、その反射光を受光素子4で受光するようにしたものである。
【0031】
図2は図1の光センサ1の断面図であり、その光センサ1による液の有無の検知原理を概念的に示す図である。従って図2においては、発光素子3からの光の内の上記周縁部の光は発光素子3を頂点とする立体角の錐面に沿う光として説明している。図2A、図2Bに示す光センサ1においては、発光素子3から照射される光は外筒2の外壁部7内へ入射され、その入射光は外壁部7の外周Cへ入射角度αで入射され、外周Cにおいて入射角度αと同じ反射角度αで反射される反射光が受光素子4で受光される。
【0032】
図2Aは外壁部7の外周Cの全体に液8が接触していない状態を示す図であり、図2Bは外周Cの全体に液8が接触している状態を示す図である。図2Aで外壁部7の外側が例えば空気である場合、外周Cへ臨界角θm以上の入射角度αで入射される入射光は、入射角度αと同じ反射角度αで全反射されて受光素子4で受光される。
【0033】
これに対し図2Bのように、外壁部7の外周Cに液8として例えば水が接触している場合には、外壁部7の外周Cへ入射角度αで入射される入射光は、外周Cにおいて全反射されずに水中へほぼ直進する光L*を生ずるので、図2Aの場合と比較して、受光素子4における受光量は低下する。すなわち、外周Cの外側が空気である場合には入射光は全反射されて受光素子4で受光されるが、外周Cに水が接触している場合には全反射されず受光素子4の受光量が低下することにより、図2に示した光センサ1によって外筒2の外壁部7における外周Cに接触している水の有無を検知することが可能である。
【0034】
上記のような光センサ1の外壁部7の外周面において液面の高さを上昇させた時の、液面の高さと、受光素子の受光量の変化率との関係を図3に示した。図3において横軸は外筒2の外周面における液面の高さであり、縦軸は受光素子4における受光量の変化率である。液面の高さ10mmの前後において受光量が急激に変化しているので、本発明の光センサは液面高さの1mmの変化を的確に検知するものであることが認められる。
【0035】
そして、従来例の光センサ11は外筒2の外周面上の光の入射点Pにおける水の有無しか検知しないものであるに対して、本発明の光センサ1は外筒2の外周面へ入射する入射光の円環状の入射面に接触している水の有無を検知することができるので、外周面上の入射点に単に水滴が付着しているだけの場合に液が存在すると誤検知することはない。
【0036】
なお図1、図2では、発光素子3を上方に、受光素子4を下方に配置したが、その配置は逆であってもよい。また図1、図2では、発光素子3と受光素子4を対向させて配置したが、外筒2の外周面上の入射面、反射面における光量が確保される限りにおいて、発光素子3と受光素子4は必ずしも対向していなくてもよい。また外筒2を上下方向としたが液の検知が可能である限りにおいて、垂直方向であることを必要としない。
【0037】
また上記では、液8を水として説明したが、水以外の液、例えば極性の大きいエチルアルコールの屈折率は1.362であり、ガソリン等に含まれる極性の小さいn−ヘキサンの屈折率は1.37であり、何れも水に近い屈折率を持っているので、光センサ1は液8がアルコールやガソリンであっても、それらの有無を検出することができる。
【0038】
更には、透明な外筒2をガラス製としたが、透明なフッ素樹脂、例えば略称PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)の屈折率は1.36であり、上記の式(1)によってその臨界角θmは48度と算出され、入射角αが55度であっても、PFA製の外筒2は充分に使用可能である。PFAはガラスに比して屈折率がやや低いので、後述の変動要因との関連において入射角度を若干大にする必要がある場合には、発光素子3と受光子4との間隔を若干大にしても良い。そのほか、液が腐食性でないのであればそれ以外のプラスチック製の外筒2を使用することができる。因みに衝撃強度が大きいポリカーボネートの屈折率は1.586であり、水槽等に使用されるポリメチルメタアクリレートの屈折率は1.492である。
<遮光板の板厚と受光素子の受光量>
【0039】
上記図2は本発明の液検知用光センサの検知原理を概略的に示すものであり、発光素子3からの光は発光素子3を頂点とする立体角の錐面に沿う光として説明したが、図2にも示すように、発光素子3からの発光は一定の立体角内に拡がる光であるから、実際においては、図4に示すように、外筒2の外壁部7内における入射光は外筒2の外周面へ一定幅のバンド状に入射され、その入射面が反射面Rとなって反射光が受光素子4で受光される。そして図4は、外壁部7内における入射光の全てが反射されて受光素子4で受光される最も受光効率が高い場合を示している。
【0040】
しかし、図4から明らかなように、発光素子3から発光される光の立体角、外筒2の内径、外壁部7の肉厚、受光素子4が受光し得る立体角、発光素子3と受光素子4との間の距離、遮光板5の板厚は受光素子4における受光効率の変動の原因となり得る要素であり、それらの変動要因によっては必ずしも入射光の全てが受光素子4に受光されるようにはならない。図5と図6は、遮光板5の板厚を変動させ、それ以外の変動要因は全て一定であるとした場合の図であり、図5は遮光板5の板厚が薄い場合、図6は遮光板5の板厚が厚い場合を示す。
【0041】
図5では遮光板5の板厚が薄いために、発光素子3からの入射光量は大になり、かつ受光素子4が受光し得る反射面R’の幅は大になるが、外壁部7の外周面へ入射する入射光のバンド状の入射面と、受光素子4が受光し得るバンド状の反射面とが一致せず、入射面(反射面)の外側に液8が接触していない場合と液8が接触している場合とにおける受光素子4の受光量の差が小さくなる。また、図6では遮光板5の板厚が厚いために、外筒2の外周面における入射光のバンド状の入射面R”の幅が狭くなり、入射光量自体が小さくなる。
【0042】
外筒2として、内径4.6mm、肉厚1mmの透明なプラスチック・チューブを使用し、それ以外の変動要因も一定とし、遮光板5の板厚を0.5〜2mmの間で変動させて、外壁部7の反射面Rに液8が接触していない場合と液8が接触している場合について、反射光を受光した受光素子4の受光量の違いによる出力電圧の違いを測定した。その測定結果は表1に示す如くであった。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に見られるように、外壁部7の反射面Rに液8が接触していない場合と、液8が接触している場合とにおける受光素子4の受光量の違いに基づく出力電圧は、遮光板の板厚が1mmと1.5mmの場合に大きい出力差を生じた。すなわち、遮光板5の板厚を1〜1.5mmとすることにより、液の有無を的確に検知することができることを示している。このように、本発明の光センサ1では、外筒2の内径と外壁部7の肉厚、発光素子3から発光される光の立体角、受光素子4が受光し得る立体角、発光素子3と受光素子4との間の距離、遮光板5の板厚等によって、液の有無を検知し得る能力が異なるので、上記の遮光板5の板厚に限らず、他の変動要因についてもテストを通じて最も適切なものが選定される。
<外来光による影響の排除>
【0045】
遮光板5を挟んで、発光素子3と受光素子4とを対向させた光センサにおいて、例えば図4に示した光センサ1のように、発光素子3から外壁部7の外周面へ至る入射光路13と、外周面から受光素子4へ至る反射光路14が充分に確保されている場合には、上記入射光路13と反射光路14が形成される部分を除いて、外筒2は透明であることを必要としないことになる。従って、外来光が光センサ1内へ侵入することによる影響を防ぐために、図7に示す光センサ1sのように、入射光路13と反射光路14が確保されるのであれば、外壁部7の内壁面に接して外光の侵入を遮断する不透明なチューブ、例えばSUSチューブ9を挿入すれば、外来光による影響を排除することができる。入射光路と反射光路を確保した上で、外筒2の外周面に例えば遮光テープを巻いても同様な効果が得られる。
<本発明の液検知用光センサを使用した液面センサ>
【0046】
少なくとも下端を閉じた透明な長い外筒2の内部に、対向する発光素子3と受光素子4と、それらの間に配置した遮光板5とからなる液検知用光センサ1をユニットとして、複数のユニットを上下方向に配置することにより、液面の高さが変動する場合にも、その変動をカバーして液面の高さを検知し得る液面センサを作製することができる。
【0047】
図8はその液面センサの一例を示す図である。すなわち、図8Aは棒状の液面センサ21の下端部を示す断面図であり、図8Bは図8Aにおける[B]−[B]線方向から見た断面図である。図8Bに示すように、この液面センサ21は、発光素子3、遮光板5、受光素子4からなるユニットU1、U2、U3を平面部分に固定した半円筒状の基板22を上方から外筒2内へ挿入して製造されたものである。そして遮光板5は基板22とその上方となる半円筒状の外壁部23との間に配置されている。従って、この液面センサ21は外筒2の外周面の全体において液面の高さを検知するものではなく、外筒2における半円状の外壁部23の外周面における液面の高さを検知するものとなっている。
【0048】
図8A、図8Bに示すように、液面センサ21は長い外筒2の内部に、発光素子3、遮光板5、受光素子4からなる光センサユニットUを上下の方向にU1、U2、U3の3ユニット配置したものであるが、勿論、それ以上の数のユニットを配置したものであってもよい。それぞれの光センサユニットUは液の有無を検知することができるので、光センサユニットUの数が多いほど、液面高さの変動をカバーする範囲が大きい液面センサ21となる。
<本発明の液検知用光センサを使用した漏液センサ>
【0049】
図9は両端を閉じた透明な外筒2の内部に発光素子3、遮光板5、受光素子4からなる液検知用光センサ1を漏液の受け容器であるドレイン・パン32の底面に横臥した姿勢で載置して使用する漏液センサ31を示す断面図である。本発明の光センサ1は、上述したように、外筒2の遮光板5が配置されている部分の反射面Rに接触する液の有無を検知するものであるから、ドレイン・パン32の底面に排出される漏出液を遅滞なく的確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の液検知用光センサの破断斜視図である。
【図2】本発明の液検知用光センサによる検知原理を示す断面図である。
【図3】本発明の液検知用光センサを使用した時の、液面の高さと受光素子における受光量の変化率を示す図である。
【図4】遮光板の板厚が適切であり、発光素子からの入射光の全量が外筒の面で反射されて受光素子で受光される場合を示す断面図である。
【図5】遮光板の板厚が薄い場合の入射光と反射光との関係を示す断面図である。
【図6】遮光板の板厚が厚い場合の入射光と反射光との関係を示す断面図である。
【図7】外光による影響を排除した光センサを示す断面図である。
【図8】本発明の光センサを使用した液面センサの下端部を示す断面図である。
【図9】本発明の光センサを使用した漏液センサを示す断面図である。
【図10】従来の液検知用光センサの破断斜視図である。
【図11】従来の液検知用光センサによる検知原理を示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・本発明の液検知用光センサ、 2・・・外筒、
3・・・発光素子、 4・・・受光素子、
5・・・遮光板、 7・・・外壁部、
11・・・従来の液検知用光センサ、 13・・・発光素子、
14・・・受光素子、 21・・・液面センサ
31・・・漏液センサ、
C・・・外筒の外周面における一定高さの外周、
P・・・外筒の外周面における外周面上の入射光の入射点、
R・・・外筒の外周面における入射光の反射面、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形状の透明な外筒内に発光素子と受光素子とが前記円筒の高さ方向に配置され、前記発光素子から発光される光が直接に前記受光素子で受光されないように、前記発光素子と前記受光素子の間に、前記外筒の外壁部の内周面に当接する円板状の遮光板が配置されている液検知用光センサであって、
前記発光素子から一定の立体角内に発光される光の中で周縁部の光が前記外壁部へ入射するが、その入射光は、前記外壁部の外周面に液が接触していない場合に、入射する前記外周面を反射面として全反射される臨界角以上の角度で入射され、その反射光を前記受光素子が受光するように構成されており、
前記反射面に液が接触していない場合には、前記外壁部へ入射する光は前記反射面で全反射して前記受光素子で受光され、前記反射面に液が接触している場合には、前記外壁部へ入射される光は液中へ進むものを生じて前記反射面で全反射されずに前記受光素子で受光され、前記反射面に液が接触していない場合に比して、前記受光素子の受光量が低下することにより、前記反射面に接触している液の有無を検知することを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項2】
請求項1の液検知用光センサにおいて、
前記反射面に液が接触していない場合の前記受光素子の受光量と、液が接触している場合の前記受光素子の受光量との差が大となるように、前記遮光板の板厚が設定されていることを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2の液検知用光センサにおいて、
前記外筒の外壁部において入射光と反射光との光路を確保した上で、前記外壁部の内周面に接して不透明なチューブが挿入されているか、または前記外壁部の外周面に遮光テープが巻回されていることを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項4】
上下方向に長い透明な円筒形状の外筒の内部に請求項1の液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを配置したものであることを特徴とする液面センサ。
【請求項5】
請求項4の液面センサにおいて、
前記複数のユニットが前記外筒内へ挿入し得る基板上に設置されて挿入されたものであるあることを特徴とする液面センサ。
【請求項6】
請求項1の液検知用光センサを漏出液の受け容器の底面に横臥した姿勢で載置したものであることを特徴とする漏液センサ。
【請求項1】
円筒形状の透明な外筒内に発光素子と受光素子とが前記円筒の高さ方向に配置され、前記発光素子から発光される光が直接に前記受光素子で受光されないように、前記発光素子と前記受光素子の間に、前記外筒の外壁部の内周面に当接する円板状の遮光板が配置されている液検知用光センサであって、
前記発光素子から一定の立体角内に発光される光の中で周縁部の光が前記外壁部へ入射するが、その入射光は、前記外壁部の外周面に液が接触していない場合に、入射する前記外周面を反射面として全反射される臨界角以上の角度で入射され、その反射光を前記受光素子が受光するように構成されており、
前記反射面に液が接触していない場合には、前記外壁部へ入射する光は前記反射面で全反射して前記受光素子で受光され、前記反射面に液が接触している場合には、前記外壁部へ入射される光は液中へ進むものを生じて前記反射面で全反射されずに前記受光素子で受光され、前記反射面に液が接触していない場合に比して、前記受光素子の受光量が低下することにより、前記反射面に接触している液の有無を検知することを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項2】
請求項1の液検知用光センサにおいて、
前記反射面に液が接触していない場合の前記受光素子の受光量と、液が接触している場合の前記受光素子の受光量との差が大となるように、前記遮光板の板厚が設定されていることを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2の液検知用光センサにおいて、
前記外筒の外壁部において入射光と反射光との光路を確保した上で、前記外壁部の内周面に接して不透明なチューブが挿入されているか、または前記外壁部の外周面に遮光テープが巻回されていることを特徴とする液検知用光センサ。
【請求項4】
上下方向に長い透明な円筒形状の外筒の内部に請求項1の液検知用光センサをユニットとする複数のユニットを配置したものであることを特徴とする液面センサ。
【請求項5】
請求項4の液面センサにおいて、
前記複数のユニットが前記外筒内へ挿入し得る基板上に設置されて挿入されたものであるあることを特徴とする液面センサ。
【請求項6】
請求項1の液検知用光センサを漏出液の受け容器の底面に横臥した姿勢で載置したものであることを特徴とする漏液センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−8381(P2010−8381A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−171393(P2008−171393)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(392026442)株式会社ティアンドティ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(392026442)株式会社ティアンドティ (2)
【Fターム(参考)】
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