説明

液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置

【課題】生産性を向上させるとともに、高精細なパターン膜を形成する液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドであって、複数のノズル孔を有する第1プレートと、前記ノズル孔から吐出された前記液滴の吐出方向を規制する規制部を有する第2プレートと、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、カラーフィルター等の製造では、基板上にパターン膜等を形成する装置として、機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置が用いられる。そして、より高精細なパターン膜を形成するため、基板に対して液滴吐出ヘッドを傾け、走査方向に対して液滴吐出ヘッドのノズル孔のピッチが狭くなる状態で走査しながら液滴を吐出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−300664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の方法では、液滴吐出ヘッドの傾き調整が困難であり、また、複数回の走査が必要であるため、生産性が低下してしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる液滴吐出ヘッドは、機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドであって、複数のノズル孔を有する第1プレートと、前記ノズル孔から吐出された前記液滴の吐出方向を規制する規制部を有する第2プレートと、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、第1プレートのノズル孔から吐出された液滴が、第2プレートの規制部に接触して、当該液滴の吐出方向が規制される。換言すれば、規制部によって液滴の吐出方向を制御して、所望の位置に機能液を塗布させることができる。さらに、規制部によって液滴の吐出方向が規制されるため、いずれのノズル孔からの液滴吐出が可能となる。従って、例えば、カラーフィルターの製造に適用する場合では、液滴吐出ヘッドの傾き調整等が不要となり、また、より多くのノズル孔から液滴吐出することが可能となるため、生産性を向上させるとともに、高精細なカラーフィルターを製造することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの前記第2プレートは、前記規制部によって前記液滴の吐出領域が規制された吐出規制領域を有することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、吐出規制領域内に液滴を確実に吐出させることができる。従って、例えば、カラーフィルター等の製造においては、高精細なパターン膜を描画させることが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドでは、前記規制部には、斜面が設けられ、前記第1プレートから前記第2プレートに向けて前記吐出規制領域が狭くなることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1プレートのノズル孔から吐出された液滴の一部は、斜面に倣って吐出方向が規制される。そして、吐出規制領域は、第1プレートから第2プレートに向かって狭くなっていく。換言すれば、漏斗のように吐出規制領域が徐々に狭まっていく。これにより、第1プレート側では、相対的に吐出規制領域が広いので、より多くのノズル孔から液滴の吐出が可能となる。また、第2プレート側では、吐出規制領域が狭くなるので、吐出された液滴が、狭い領域に集約される。従って、例えば、微細なパターン膜を効率よく形成することができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの前記規制部は、前記液滴の吐出方向を規制する第1の面と、前記機能液を保持する第2の面と、を有することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ノズル孔から吐出された液滴は、規制部の第1の面に接触して、吐出方向が規制される。一方、液滴が第1の面に接触した際に、機能液の一部が規制部に付着する場合が想定される。この場合、付着した機能液が所望しない所に垂れ落ちてしまうおそれがある。そこで、第2の面で付着した機能液を保持することにより、機能液の垂れ落ち等の不具合を防止することができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの前記規制部の前記第1の面には、撥液処理が施されたことを特徴とする。
【0015】
この構成よれば、ノズル孔から吐出された液滴が第1の面に接触した際、撥液効果によって液滴が弾かれやすくなる。これにより、円滑した液滴吐出を行うことができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの前記規制部の前記第2の面には、親液処理が施されたことを特徴とする。
【0017】
この構成よれば、ノズル孔から吐出された液滴が規制部に接触した際に付着した機能液が、親液効果によって第2の面に濡れ広がる。これにより、機能液が保持され、機能液の垂れ落ち等の不具合を防止することができる。
【0018】
[適用例7]上記適用例にかかる液滴吐出ヘッドの前記規制部には、前記機能液を保持する液溜り部を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、ノズル孔から吐出された液滴が規制部に接触した際に付着した機能液が、液溜り部によって保持される。これにより、確実に機能液の垂れ落ち等の不具合を防止することができる。
【0020】
[適用例8]本適用例にかかる液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、生産性に優れ、高精細なパターンを形成することができる液滴吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図2】液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図。
【図3】他の液滴吐出ヘッドの構成を示す断面図。
【図4】パターン膜形成の適用例を示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮小を異ならせて図示している。
【0024】
(液滴吐出装置の構成)
まず、液滴吐出装置の構成について説明する。図1は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。図1に示すように、液滴吐出装置1には、直方体形状に形成される基台2が備えられている。本実施形態では、この基台2の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。
【0025】
基台2の上面2aには、Y方向に延びる一対の案内レール3a,3bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台2の上側には、一対の案内レール3a,3bに対応する図示しない直動機構を備えた走査手段を構成するテーブル及びワーク移動テーブルとしてのステージ4が取り付けられている。そのステージ4の直動機構は、例えば案内レール3a,3bに沿ってY方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するY軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モーターに入力されると、Y軸モーターが正転又は逆転して、ステージ4が同ステップ数に相当する分だけ、Y軸方向に沿って所定の速度で往動又は、復動する(Y方向に走査する)ようになっている。
【0026】
さらに、基台2の上面2aには、案内レール3a,3bと平行に主走査位置検出装置5が配置され、ステージ4の位置が計測できるようになっている。
【0027】
そのステージ4の上面には、載置面6が形成され、その載置面6には、図示しない吸引式の基材チャック機構が設けられている。そして、載置面6にワーク7を載置すると、基材チャック機構によって、そのワーク7が載置面6の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
【0028】
基台2のX方向両側には、一対の支持台8a,8bが立設され、その一対の支持台8a,8bには、X方向に延びる案内部材9が架設されている。案内部材9は、その長手方向の幅がステージ4のX方向よりも長く形成され、その一端が支持台8a側に張り出すように配置されている。案内部材9の上側には、吐出する液体を供給可能に収容する収容タンク10が配設されている。一方、その案内部材9の下側には、X方向に延びる案内レール11がX方向全幅にわたり凸設されている。
【0029】
案内レール11に沿って移動可能に配置されるキャリッジ12は、略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ12の直動機構は、例えば案内レール11に沿ってX方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モーターに入力すると、X軸モーターが正転又は逆転して、キャリッジ12が同ステップ数に相当する分だけX方向に沿って往動又は復動する(X方向に走査する)。案内部材9とキャリッジ12との間には、副走査位置検出装置13が配置され、キャリッジ12の位置が計測できるようになっている。そして、キャリッジ12の下面(ステージ4側の面)には、液滴吐出ヘッド14が設置されている。
【0030】
基台2の片側の一方(図中X方向の逆方向)には、保守用基台15が配置されている。保守用基台15の上面15aには、Y方向に延びる一対の案内レール16a,16bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その保守用基台15の上側には、一対の案内レール16a,16bに対応する図示しない直動機構を備えた移動手段を構成する保守ステージ17が取り付けられている。その保守ステージ17の直動機構は、例えばステージ4と同様の直動機構であり、Y方向に沿って往動又は、復動するようになっている。
【0031】
保守ステージ17の上には、メンテナンス部21が配置されている。メンテナンス部21は、フラッシングユニット18、キャッピングユニット19及びワイピングユニット20を備えている。フラッシングユニット18は、液滴吐出ヘッド14のノズル部における機能液の乾燥(増粘)を防止するために機能液を空吐出させるためのものである。キャッピングユニット19は、液滴吐出ヘッド14のノズル部が目詰まりした際にノズル部から機能液を強制的に吸引して、機能液を排出させるものである。ワイピングユニット20は、液滴吐出ヘッド14のノズルプレートを拭く装置である。
【0032】
保守用基台15と基台2との間には、重量測定装置22が配置されている。重量測定装置22には、電子天秤が設置され、電子天秤には、受け皿が配置されている。液滴が、液滴吐出ヘッド14から受け皿に吐出され、電子天秤が液滴の重量を測定するようになっている。受け皿は、スポンジ状の吸収体を備え、吐出される液滴が、跳ねて、受け皿の外に出ないようになっている。電子天秤は、液滴吐出ヘッド14が液滴を吐出する前後で、受け皿の重量を測定し、吐出前後の受け皿の重量の差分を測定している。
【0033】
キャリッジ12が、案内レール11に沿って、X方向に移動することにより、液滴吐出ヘッド14は、メンテナンス部21、重量測定装置22、ワーク7と対向する場所に移動することができるように構成されている。
【0034】
(液滴吐出ヘッドの構成)
図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す説明図であり、同図(a)は断面図、同図(b)は平面図、同図(c)は一部拡大断面図である。液滴吐出ヘッド14は、機能液を液滴として吐出するものであり、図2(a)に示すように、複数のノズル孔31を有する第1プレート30と、ノズル孔31から吐出された液滴Dの吐出方向を規制する規制部41を有する第2プレート40を備えている。
【0035】
第1プレート30の上側(Z軸方向)であって各ノズル孔31と相対する位置には、各ノズル孔31と連通するキャビティ(不図示)が形成されている。そして、収容タンク10から機能液が供給されるように構成されている。当該キャビティの上側(Z軸方向)には、上下方向(Z方向:縦振動)に振動して、キャビティ内の容積を拡大縮小する振動板(不図示)と、上下方向に伸縮して振動板を振動させる加圧手段としての圧電素子(不図示)が配設されている。そして、図示しない制御部から圧電素子を制御駆動するための駆動信号を受けると、圧電素子が伸張して、振動板がキャビティ内の容積を縮小する。その結果、ノズル孔31から機能液が液滴Dとして吐出される。なお、液滴吐出ヘッド14に適用される圧電素子としては、縦振動型の圧電素子の他に、撓み変形型の圧電素子を用いてもよい。また、圧力発生手段として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用してもよい。さらには、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液を液滴として吐出させる構成を有する吐出ヘッドであってもよい。
【0036】
第2プレート40は、第1プレート30のノズル孔31から液滴Dが吐出される吐出方向側に設けられている。第2プレート40の規制部41は、第1プレート30のノズル孔31から吐出された液滴Dの吐出方向を規制するものであり、図2(b)に示すように、規制部41によって区画された吐出規制領域42を有している。吐出規制領域42の平面視における広さや形状は、例えば、所望するパターン膜の大きさや形状等に応じて適宜設定することができる。なお、本実施形態の吐出規制領域42の平面視における形状は、矩形で示している。
【0037】
規制部41は、液滴Dの吐出方向(負側Z軸方向)を規制する第1の面41aと、機能液を保持する第2の面41bを有している。そして、第1の面41aは、吐出規制領域42が第1プレート30から第2プレート40に向けて狭くなるように形成された傾斜面である。従って、吐出規制領域42は、漏斗形状を有し、複数のノズル孔31から吐出された液滴Dを狭い領域に塗布させることが可能となる。
【0038】
第1の面41aの表面は、機能液に対して撥液効果を有する撥液処理が施されている。一方、第2の面41bの表面は、機能液に対して親液効果を有する親液処理が施されている。
【0039】
さらに、規制部41には、機能液を保持する液溜り部41cが設けられている。本実施形態では、規制部41の負側Z軸方向の末端部に、ノズル孔31から液滴Dが吐出される吐出方向と直交する方向に凸部を有する液溜り部41cが設けられている。
【0040】
上記した液滴吐出ヘッド14では、液滴吐出ヘッド14の駆動信号に基づき、第1プレート30のノズル孔31から液滴Dが吐出される。すると、図2(c)に示すように、あるノズル孔31から吐出された液滴Dは、第2プレート40の規制部41に接触する。さらに、具体的には、吐出された液滴Dが、規制部41の傾斜面となっている第1の面41aに接触する。接触した液滴Dは、第1の面41aに倣って滑って、或いは、第1の面41aを弾くことにより、液滴Dの吐出方向が規制される。そして、これらの液滴Dは、吐出規制領域42内に集約され、ワーク7等の表面に塗布される。
【0041】
なお、上記実施形態における規制部41の形状等に限定されない。図3は、他の液滴吐出ヘッドの構成を示す断面図である。図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド14aは、矩形の断面形状を有する規制部51を有する第2プレート50を備えている。そして、規制部51によって区画された吐出規制領域42aが形成される。なお、第1プレート30の構成は、上記の実施形態の構成と同様なので説明を省略する。このようにしても、液滴Dの吐出方向を規制することができる。また、図3(b)に示すように、液滴吐出ヘッド14bは、三角形の断面形状を有する規制部61を有する第2プレート60を備えている。そして、規制部61によって区画された吐出規制領域42bが形成される。そして、吐出規制領域42bが第1プレート30から第2プレート60に向けて狭くなるように、規制部61に傾斜面が配置される。このようにしても、液滴Dの吐出方向を規制することができる。また、図3(c)に示す液滴吐出ヘッド14cでは、上記の実施形態における液滴吐出ヘッド14の第2プレート40の規制部41の第2の面41bに凹凸部72が形成された規制部71を有する第2プレート70を備えている。そして、規制部71によって区画された吐出規制領域42cが形成される。このようにしても、液滴Dの吐出方向を規制することができるとともに、機能液を第2の面41bに設けられた凹凸部72により、さらに、機能液の保持性を向上させることができる。なお、上記の液滴吐出ヘッド14,14a〜14cは、適宜設定すればよく、また、それぞれ組み合わせて使用することもできる。
【0042】
次に、上記の液滴吐出ヘッド14(14a〜14c)、或いは、液滴吐出ヘッド14(14a〜14c)を備えた液滴吐出装置1を用いて、パターン膜形成部材の製造方法に適用した例について説明する。図4は、パターン膜形成部材に適用した例を示した説明図である。なお、本実施形態では、パターン膜形成部材としてのカラーフィルターの製造方法に適用した例について説明する。
【0043】
まず、カラーフィルターの製造方法は、例えば、基板100上に形成された区画部101(ブラックマトリクス)によって区画された区画領域102内に、色素膜の材料を含む機能液を塗布し、塗布された機能液を固化することによりカラーフィルター110が形成される。
【0044】
そこで、まず、図4(a)に示すように、区画部101上に対応する位置に第2プレート40の規制部41を配置する。この例では、規制部41によって区画された吐出規制領域42の広さが、区画部101によって区画された区画領域102の広さよりも狭くなるように設定する。
【0045】
次に、図4(b)に示すように、区画領域102に向けて液滴吐出ヘッド14から液滴Dを吐出する。そうすると、一部の液滴Dは規制部41によって吐出方向が規制され、吐出規制領域42に吐出される。そして、区画領域102内に着弾する。この際、規制部41が区画部101上に配置されているため、液滴Dの区画部101上への乗り上げが抑制される。すなわち、隣接する区画領域102に塗布された機能液同士が接触することがない。従って、不均一なパターン形状の形成を防止することができる。また、混色を防止することができる。さらに、一部の液滴Dは、規制部41によって吐出方向が規制されるため、より多くのノズル孔31から液滴Dの吐出が可能となり、生産性を向上させることができる。
【0046】
次に、塗布された機能液D’を固化することによりパターン膜としての色素膜105が形成される。このようにして、カラーフィルター110が形成される。
【0047】
なお、上記の実施形態では、液滴吐出ヘッド14または液滴吐出ヘッド14を備えた液滴吐出装置をパターン膜形成部材としてのカラーフィルター110の製造方法に適用したが、これに限定されない。例えば、他のパターン膜形成部材として、有機EL、金属配線等にも適宜適用することができる。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0048】
従って、上記実施形態によれば、以下に示す効果がある。
【0049】
(1)第1プレート30のノズル孔31から吐出される液滴Dの吐出方向に、規制部41を有する第2プレート40を備えた。これにより、吐出された液滴Dは、第2プレートの規制部に接触して、当該液滴の吐出方向が規制される。従って、所望の位置に機能液を塗布させることができる。
【0050】
(2)規制部41の第1の面41aには撥液処理を施し、第2の面41bには親液処理を施した。従って、吐出された液滴Dは、第1の面41aに接触した際、撥液効果により、弾かれ、円滑な液滴吐出が可能となる。また、液滴Dが規制部41に付着した場合は、第2の面41bで保持されるため、不要な箇所に機能液が垂れ落ちることを防止することができる。さらに、液溜り部41cを設けることにより、さらに、確実に液垂れを防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…液滴吐出装置、14,14a〜14c…液滴吐出ヘッド、30…第1プレート、31…ノズル孔、40,50,60,70…第2プレート、41,51,61,71…規制部、41a…第1の面、41b…第2の面、41c…液溜り部、42,42a〜42c…吐出規制領域、72…凹凸部、100…基板、101…区画部、102…区画領域、110…パターン膜形成部材としてのカラーフィルター。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能液を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドであって、
複数のノズル孔を有する第1プレートと、
前記ノズル孔から吐出された前記液滴の吐出方向を規制する規制部を有する第2プレートと、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記第2プレートは、前記規制部によって前記液滴の吐出領域が規制された吐出規制領域を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
請求項2に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記規制部には、斜面が設けられ、
前記第1プレートから前記第2プレートに向けて前記吐出規制領域が狭くなることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記規制部は、
前記液滴の吐出方向を規制する第1の面と、
前記機能液を保持する第2の面と、を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
請求項4に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記第1の面には、撥液処理が施されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
請求項4または5に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記第2の面には、親液処理が施されたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドにおいて、
前記規制部には、前記機能液を保持する液溜り部を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の液滴吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−156506(P2011−156506A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21881(P2010−21881)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】