説明

液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

【課題】液滴吐出ヘッド全体を小型化できると共に、記録媒体への液滴によるにじみの発生を防止すること。
【解決手段】例えばヘッドユニット10−1の各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各一端部間の各空間89a、89b、89c、89d内に、それぞれ例えばヘッドユニット10−2の各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各他端部を挿入配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば記録媒体に対してインク等の液体を液滴として吐出させて記録を行うインクジェットプリンタ、複写機、ファクシミリ等の印字装置、接着剤の微量吐出装置、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造装置等に係わり、インク等の液滴の微量吐出に用いられる液滴吐出ヘッド及びこれを用いた及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインクジェットプリンタは、ヘッドのノズルからインクを吐き出すための液滴吐出ヘッドを用いる。この液滴吐出ヘッドは、記録媒体への高速印字、多色化等のために多数のヘッドを用いる。これらヘッドは、それぞれ複数のノズルを配列したノズル列を有する。これにより、多数のノズル列が配置される。
【0003】
例えば特許文献1は、建築板印刷装置に係わり、図16に示すように複数の印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1を備えたことを開示する。各印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1は、それぞれブラックのインクを吐き出すノズルアレイKと、シアンのインクを吐き出すノズルアレイCと、マゼンタのインクを吐き出すノズルアレイMと、イエロのインクを吐き出すノズルアレイYとを一体的に設けている。これにより、各印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1は、それぞれ4列のノズルアレイKCMYを有する。各ノズルアレイK,C,M,Yは、それぞれノズル列長aを有する。各ノズルアレイK,C,M,Yは、複数のインクジェットノズルを所定ピッチで主走査方向(Y方向)に一列で、かつ副走査方向(X方向)に所定距離bで配設されている。
【0004】
各印刷ヘッド1−1〜1−nと各印刷ヘッド2−1〜2−n−1とは、建築板の搬送方向(X方向)に直交する主走査方向(Y方向)に対していわゆる千鳥足状に互い違いに配設されている。これにより、建築板の搬送方向(X方向)には、各印刷ヘッド1−1〜1−nと各印刷ヘッド2−1〜2−n−1とが2列で並設される。しかるに、印刷ヘッド全体の副走査方向(X方向)に対する長さは、印刷ヘッド2つ分、例えば印刷ヘッド1−1と印刷ヘッド2−1との長さが必要となる。
【0005】
特許文献2は、図17に示すような回復装置を組み込んだインクジェットプリンタを開示する。このインクジェットプリンタは、主に用紙搬送装置(不図示)と、ヘッド装置4とを備える。ヘッド装置4は、インクを吐出するノズル列を持つ24箇の液滴吐出ヘッド3A1〜3D6を有する。ヘッド装置4は、B(ブラック)ヘッドブロック3Aと、C(シアン)ヘッドブロック3Bと、M(マゼンダ)ヘッドブロック3Cと、Y(イエロ)ヘッドブロック3Dとの4色のヘッドブロックからなる。例えばBヘッドブロック3Aは、ヘッド基板5Aの装着開口部5A1、5A4等に着脱自在に取り付けられ、インクを下向きに吐出する6つの液滴吐出ヘッド3A〜3Aからなる。各液滴吐出ヘッド3A〜3A及び各液滴吐出ヘッド3A〜3Aは、それぞれX方向に対して傾斜する傾斜ラインLa又は当該傾斜ラインLaに平行なラインに沿って記録媒体の全幅領域に複列状態で配置される。Cヘッドブロック3B、Mヘッドブロック3C及びYヘッドブロック3Dについても同様の構成である。
【特許文献1】特開2003−320652号公報
【特許文献2】特開2003−1855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常の液滴吐出ヘッドは、当該液滴吐出ヘッド両端部の各外形端ぎりぎりまでノズル列を形成かることが不可能である。従って、液滴吐出ヘッドはノズル列の端から液滴吐出ヘッド外形端まで余分なスペースが必要になり、ノズル列の両端の長さは液滴吐出ヘッドの外形寸法に比べて短くなる。
【0007】
このような事からノズル列の配列方向に複数の液滴吐出ヘッドを配置して長い連続したノズル列を得ようとする場合には、液滴吐出ヘッドをノズル列の配列方向に直線状に配置するのでなく、特許文献1に開示されているように千鳥足状に複数の印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1を配置する必要がある。
【0008】
このような各印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1の配置であれば、ノズル列の配列方向に対して直交する方向(記録媒体の搬送方向:Y方向)におけるヘッド全体の長さは、ヘッド2つ分すなわち印刷ヘッド1−1〜1−nと印刷ヘッド2−1〜2−n−1との2列が必要で非常に長くなってしまう。
【0009】
各印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1内の4つのノズル列(KCMY)の各間隔bを短くすれば、各印刷ヘッド1−1〜1−n、2−1〜2−n−1のノズル列の配列方向に対して垂直方向(Y方向)の長さを短くできる。これらノズル列(KCMY)の各間隔bを余り短くし過ぎると、記録媒体上の同一位置に着弾される各色の液滴の時間間隔が短くなり、液滴が十分に乾く前又は記録媒体にしみ込む前に次ぎの液滴が着弾し、にじみが生じてしまう。
【0010】
特許文献2は、例えば1枚のヘッド基板5Aに6つの同一色の6つの液滴吐出ヘッド3A1〜3A6を配置して長いノズル列を得ている。1枚のヘッド基板5Aには、ノズル列の配列方向(記録媒体の幅方向:Y方向)に垂直な方向(記録媒体の搬送方向:X方向)に3個の液滴吐出ヘッド3A〜3A、3A〜3Aを配置している。そして、4色分(KCMY)である4枚のヘッド基板5A〜5Dがノズル列の配列方向に対して垂直方向(X方向)に並べられている。
【0011】
このため、液滴吐出ヘッド全体のノズル列の配列方向に対して垂直方向(X方向)の長さは、各液滴吐出ヘッド3A〜3A、3A〜3Aの個々のX方向の各厚さの12個分以上の長さになる。このため液滴吐出ヘッド全体が非常に大型になり、これに伴なって装置全体も大型化する。
【0012】
このように液滴吐出ヘッド全体がノズル列の配列方向に対して垂直方向(X方向)に長くなるので、記録媒体から搬送されて最初の液滴吐出ヘッド3Aから記録が開始され、最後の液滴吐出ヘッド3Dにより記録が終了するまでの時間が長くなる。このため、例えば記録媒体の搬送速度の変動や記録媒体の斜行による色ずれが発生しやすい。
【0013】
それぞれ記録幅の異なる各インクジェットプリンタに特許文献2を適用しようとすれば、その記録幅に合せたノズル列の配列方向(Y方向)を有する各ヘッド基板5A〜5Dを用意しなければならない。このため、インクジェットプリンタの製造性が悪くなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、少なくとも液滴を吐き出す複数のノズルをライン状に配列したノズル列を設けた複数のヘッドを有し、各ヘッドは、ノズル列の配列方向である第1の方向に対して略直交する第2の方向に第2のピッチ毎に並設して少なくとも2列の各ヘッド列を形成し、かつ互いに隣接する各ヘッド列の一方のヘッド列における各ヘッドの各一端部間の各空間内に、他方のヘッド列における各ヘッドの各他端部をそれぞれ挿入して配置してなる液滴吐出ヘッドである。
【0015】
本発明は、上記液滴吐出しヘッドと、液滴吐出しヘッドにインク液を供給するインク液供給系と、液滴吐出しヘッドに有する複数のヘッドにおける各ノズル列の配列方向に対して略直交する第2の方向に記録媒体を搬送する搬送機構と、搬送機構により記録媒体を搬送動作させると共に、複数のヘッドからインク液を液滴として吐き出させ、液滴を記録媒体上に着弾させて記録媒体上に画像を形成させる制御部とを具備した画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、液滴吐出ヘッド全体を小型化できると共に、記録媒体への液滴によるにじみの発生を防止できる液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は液滴吐出ヘッドを適用した画像形成装置の構成図を示す。この画像形成装置は、インクジェット方式を採用している。かかるインクジェット方式の画像形成装置では、例えば記録媒体12の搬送方向(X軸方向)に対して直交する方向をY軸方向(主走査方向)とし、記録媒体12の搬送方向をX軸方向(副走査方向)とする。
【0019】
画像形成装置は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を保持する各ヘッドユニット10−1〜10−3を有する。画像形成装置は、それぞれ液体である異なる色のインク、例えばブラック(以下、K色と称する)、シアン(以下、C色と称する)、マゼンタ(以下、M色と称する)、イエロ(以下、Y色と称する)の各インクを各ヘッドユニット10−1〜10−3の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3から液滴として吐き出す。これと共に画像形成装置は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の下方に例えば記録紙等の記録媒体12を搬送する。これにより、K色、C色、M色、Y色の各インクは、記録媒体12上に着弾する。この結果、記録媒体12上にカラー画像が形成される。
【0020】
画像形成装置は、大別して、媒体供給排出機構と、搬送機構と、画像形成機構と、インク供給収納機構と、メンテナンス機構とを有する。媒体供給排出機構は、記録媒体12の供給と排出とを行う。搬送機構は、記録媒体12を搬送する。画像形成機構は、搬送機構により搬送される記録媒体12上にK色、C色、M色、Y色の各インクを吐出して画像を形成させる。インク供給収納機構は、K色、C色、M色、Y色の各インクの供給と収容とを行う。メンテナンス機構は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のメンテナンスを行う。
媒体供給排出機構について説明する。装置本体フレーム13の供給側には、記録媒体供給台14が取り付けられている。記録媒体供給台14内には、複数の記録媒体12が装填されている。
【0021】
装置本体フレーム13内には、給紙ローラ15が設けられている。給紙ローラ15は、記録媒体供給台14内に装填されている記録媒体12のうち最上位に装填されている1枚の記録媒体12と当接し、回転することにより記録媒体12を装置本体フレーム13の内部に給紙する。
【0022】
分離ローラ15aは、給紙ローラ15に対して面接触し、かつ給紙ローラ15に対して平行に設けられている。給紙ローラ15は、面接触する記録媒体12の面とは反対の面に面接触している。給紙ローラ15は、例えばトルクリミッタを介して記録媒体12を記録媒体供給台14側へ戻す方向へ回転する。これにより、分離ローラ15aは、記録媒体12を例えば2枚以上重ねて記録媒体供給台14から取り出さない。
【0023】
給紙ガイド16、レジストローラ対17が分離ローラ15aにより取り出された記録媒体12の給紙方向に設けられている。レジストローラ対17は、記録媒体12の先端が突き当たることにより生じる当該記録媒体12の弛みを利用して斜行を補正しながら記録媒体12を搬送機構であるベルトプラテンユニット18側に送る。
【0024】
排紙ローラ対19が装置本体フレーム13の排出側に設けられている。排紙ローラ対19は、ベルトプラテンユニット18から搬送されてくる画像が形成された記録媒体12を装置本体フレーム13の外部に排出する。排紙トレイ20が装置本体フレーム13の排出側の外部に取り付けられている。装置本体フレーム13の外部に排出された記録媒体12は、排紙トレイ20に収納される。
【0025】
搬送機構は、主としてベルトプラテンユニット18と、プラテン上下移動機構とを有する。ベルトプラテンユニット18は、記録媒体12の搬送方向(X軸方向)の下流側に設けられた駆動ローラ21と、上流側に設けられた従動ローラ22と、テンションローラ23とを有する。テンションローラ23は、駆動ローラ21と従動ローラ22との中間でかつ駆動ローラ21及び従動ローラ22よりも下方に設けられている。駆動ローラ21、従動ローラ22及びテンションローラ23の間には、無端のベルト24が掛けられている。ベルト24には、多数の吸引孔が設けられている。ベルト24は、テンションローラ23によりテンションを与えられる。ベルト24は、駆動ローラ21の駆動により駆動ローラ21、従動ローラ22及びテンションローラ23の周りに回動する。補助ローラ22aが従動ローラ22に接触している。
【0026】
吸引チャンバ25が駆動ローラ21と従動ローラ22との間に移動するベルト24の下方に設けられている。複数の吸引ファン26が吸引チャンバ25内の底部に取り付けられている。各吸引ファン26は、吸引チャンバ25内を負圧にする。ベルトプラテンユニット18を構成する駆動ローラ21、従動ローラ22、テンションローラ23及び吸引チャンバ25は、装置本体フレーム13に設けられている。
【0027】
従って、ベルトプラテンユニット18は、吸引チャンバ25内の各吸引ファン26の駆動によりベルト24の各吸引孔を通して空気の吸引を行って記録媒体12をベルト24上に吸引し、かつベルト24の回動により記録媒体12をX軸方向(副走査方向)に所定の速度で搬送する。プラテン上下移動機構は、ベルトプラテンユニット18をZ軸方向(上下方向)に昇降する。
【0028】
画像形成機構は、例えば3つのヘッドユニット10−1〜10−3と、キャリッジ27とを有する。各ヘッドユニット10−1〜10−3は、それぞれ各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を搭載する。キャリッジ27には、ヘッドユニット10−1〜10−3が取り付けられる。各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、ベルトプラテンユニット18のベルト24の搬送面に対して対向配置される。各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、それぞれ同一構造を有し、かつ吐き出す各インクの色(KCMY)を異にする。
メンテナンス機構は、記録媒体12の搬送方向の下流側に設けられたメンテナンスユニット28を有する。メンテナンスユニット28は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3と同様に、ベルトプラテンユニット18のベルト24の搬送面に対して対向配置されている。メンテナンスユニット28は、装置本体フレーム13に設けられている。
【0029】
インク供給収容機構は、主なものとして、複数のボトル29k、29c、29m、29yと、各サブタンク30k、30c、30m、30yと、吸引ポンプ31と、廃液ボトル32とを有する。各ボトル29k、29c、29m、29yは、それぞれK色、C色、M色、Y色の各インクを装填する。各サブタンク30k、30c、30m、30yは、それぞれ各ボトル29k、29c、29m、29yからのK色、C色、M色、Y色の各インクを各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3に供給する。吸引ポンプ31は、不要なインクを吸引する。廃液ボトル32は、不要となったインクを集めて収容する。
【0030】
各ボトル29k、29c、29m、29yは、装置本体フレーム13の上部で、かつK色、C色、M色、Y色の各インクの流れるインク流路の中で最も高い位置に設けられている。各ボトル29k、29c、29m、29yは、補給経路を介して各サブタンク30k、30c、30m、30yに連通している。各サブタンク30k、30c、30m、30yからオーバーフローしたK色、C色、M色、Y色の各インクは、吸引ポンプ31により廃液ボトル32に収容される。
【0031】
次に、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の具体的な構成について図3乃至図7を参照して説明する。各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、インク室を圧電部材により形成したシェアモードタイプのインクジェット方式プリンタヘッドを用いる。各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、他の所謂バブルジェット方式、MEMSを使用した構造等の他の方式でもよい。
【0032】
各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、それぞれ同一構成を有する。ここでは例えば1個のヘッド11k−1の構成を説明し、他のヘッド11c−1、…、11y−3の説明は省略する。
【0033】
ヘッド11k−1は、図3及び図4に示すように2枚の圧電部材40、41が張り合わされている。各2枚の圧電部材40、41は、板厚方向で互いに対向方向とは逆方向に分極している。各圧電部材40、41は、例えば一方の圧電部材40を下側、他方の圧電部材41を上側にして張り合わせている。長尺な複数の溝42が張り合わされた各圧電部材40、41に一定の間隔でかつ平行に形成されている。各溝42は、各圧電部材40、41に対して上側に開口している。各溝42は、先端部で深い溝底に形成され、後端部で徐々に浅くなる溝底に形成されている。
【0034】
各溝42の側壁及び底面には、図3及び図5に示すように各電極43が形成されている。各電極43は、無電解メッキにより形成されている。各溝42の上部は、天板44により塞がれている。天板44の内側には、共通インク室45が形成されている。各溝42の先端は、ノズルプレート46により塞がれている。ノズルプレート46における各溝42に対応する各位置には、それぞれ複数のノズルをライン状に設けた各ノズル列47が形成されている。
【0035】
各インク室48a、48b、48cは、例えば図6に示すように天板44とノズルプレート46とにより囲まれる各溝42によって形成される。天板44、ノズルプレート46及び各インク室48a、48b、48cは、基板49上に接着固定されている。
【0036】
図3に示すように引出し電極50が設けられている。引出し電極50は、各溝42の後端から圧電部材41の後部上面に電極43から延出されている。引出し電極50は、無電解ニッケルメッキにより形成されている。
【0037】
プリント回路基板(PC板)51が基板49上の後方側に接着されて固定されている。PC板51上には、ヘッド駆動部を内蔵したドライブIC52が搭載されている。各導電パターン53がドライブIC52に接続されている。PC板51には、端子部51aが設けられている。各導電パターン53と各引出し電極50とは、ワイヤボンディングにより導線54により結合されている。共通インク室45には、チューブ55から天板44に固定されたチューブ固定部材56を介してK色、C色、M色又はY色の各インクが供給される。
【0038】
次に、ヘッド11k−1の駆動原理について説明する。図6に示すように各インク室48b、48cの各電極43を接地電位にする。この状態で、例えばインク室48aに電圧−Vを時間Tだけ印加すると、当該インク室48aの各側壁57a、57bには各圧電部材40、41の分極方向と直交する方向に電界が生じる。これにより、各側壁57a、57bは、それぞれ外側に変形する。インク室48aの容積は、拡大する。インク室48a内の圧力は低下し、共通インク室45からK色、C色、M色又はY色のインクが取り込まれる。
【0039】
次に、各インク室48b、48cの各電極43を接地電位にした状態で、インク室48aに電圧+Vを時間Tだけ印加すると、各側壁57a、57bには各圧電部材40、41の分極方向と直交する方向でかつ上記電界の方向とは逆方向に電界が生じる。これにより各側壁57a、57bは、それぞれ内側に変形する。インク室48aの容積は、縮小する。これにより、インク室48a内の圧力は増大し、インク室48aのノズル列47の各ノズルからK色、C色、M色又はY色のインク滴が吐出される。
【0040】
ノズルプレート46には、図7に示すように約1240個の各ノズルを有するノズル列47が設けられている。ノズル列47は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を画像形成装置に取り付けると、記録媒体12の搬送方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y軸方向)に配列される。ノズル列47は、Y軸方向の主走査方向に例えば300dpi(84.6μmの間隔)の密度で各ノズルを1列に設けている。ノズル列47の配列方向(Y軸方向)のノズルプレート46の長さWのうちノズル列47のノズル列長さWは、例えば105mmである。
【0041】
このような狭ピッチのノズル列47をノズルプレート46の両端の各プレート端部まで設けるには、各圧電部材40、41の両端の壁の剛性を向上させなければならない。
【0042】
このような実情からノズルプレート46の両端部には、ノズル列47を設けていない各プレート端部46a、46bが形成されている。各プレート端部46a、46bは、それぞれ長さWを有する。各プレート端部46a、46bの長さWは、それぞれ例えば5mmである。ノズルプレート46の長さWは、例えば115mmである。
【0043】
図8は各ヘッドユニット10−1〜10−3の構成図を示す。各ヘッドユニット10−1〜10−3は、それぞれ同一構成を有する。ここでは例えば1個のヘッドユニット10−1の構成を説明し、他のヘッドユニット10−2、10−3の説明は省略する。
【0044】
ヘッドユニット10−1は、帯状に形成された板状の保持部材としてヘッドプレート60を有する。ヘッドプレート60は、短辺60aと長辺60bとを有する。ヘッドプレート60は、画像形成装置に設けられることにより短辺60aをノズル列47の配列方向であるY軸方向(主走査方向)に沿って設け、長辺60bをノズル列47の配列方向に垂直なX軸方向(副走査方向)に沿って設ける。ヘッドプレート60の短辺60aは、幅長Wを有する。
【0045】
複数のヘッド取付部61k、61c、61m、61yがヘッドプレート60の一方の面(下面)に設けられている。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yは、長辺60bに沿ったX軸方向(副走査方向)に第2の所定ピッチP毎に設けられている。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yは、それぞれヘッドプレート60の下面から下方に向って各凸状に形成されている。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yの各凸状の各下方側には、それぞれ各取付け段差部62k、62c、62m、62yが設けられている。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yの長手方向は、それぞれY軸方向(主走査方向)に沿って設けられている。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yの長手方向の長さは、ヘッドプレート60の短辺60aの幅長Wと同一のWに形成されている。
【0046】
各取付け段差部62k、62c、62m、62yには、それぞれ各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1が取り付けられる。これにより、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1からなるヘッド列が形成される。なお、図8は、取付け段差部62kにヘッド11k−1を取り付け、かつ取付け段差部62yにヘッド11y−1を取り付けようとしている状態を示す。
【0047】
ヘッドプレート60の各コーナ部には、各位置決め突起69a、69b、69cが設けられている。各位置決め突起69a、69bは、Y軸方向に凸状に設けられている。各位置決め突起69a、69bは、キャリッジ27に取り付けるときのY軸方向の位置決めを行う。位置決め突起69cは、X軸方向に凸状に設けられている。位置決め突起69cは、キャリッジ27に取り付けるときのX軸方向の位置決めを行う。
【0048】
ヘッドプレート60の各取付け段差部62k、62c、62m、62yに各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1を取り付ける場合、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各ノズル列47の両端部のY軸方向の各位置が略一致される。各ノズル列47の両端部を一致させるには、例えば顕微鏡によりノズル列47の両端部の位置を検出し、この検出結果に基づいて各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1をヘッドプレート60に対してY軸方向に位置調整することにより行われる。この調整は各位置決め突起69a、69b、69cを基準にして行う。これにより、各ヘッドユニット10−1〜10−3の各ヘッドプレート60をキャリッジ27に取り付けたときに、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3ヘッド9の位置調整を行わなくてよい。
【0049】
ヘッドプレート60には、長方形状の各孔63k、63c、63m、63yが設けられている。各孔63k、63c、63m、63yは、それぞれ各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各位置に対応している。ヘッドプレート60の上面には、接続基板64が各ネジ65の締結により固定されている。接続基板64の下面には、各コネクタ66k、66c、66m、66yが各孔63k、63c、63m、63yの各位置に対応して設けられている。
【0050】
従って、各コネクタ66k、66c、66m、66yをヘッドプレート60の各孔63k、63c、63m、63y内にそれぞれ挿入した状態で、接続基板64がヘッドプレート60の上面に取り付けられる。この状態で、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1がそれぞれ各取付け段差部62k、62c、62m、62yに取り付けられる。この場合、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各端子部51aが各孔63k、63c、63m、63yを通して各コネクタ66k、66c、66m、66yに接続される。
【0051】
ヘッドプレート60には、四辺形状の各フィルタ取付孔67k、67c、67m、67yが設けられている。各フィルタ取付孔67k、67c、67m、67yは、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各位置に対応する。各フィルタ取付孔67k、67c、67m、67y内には、それぞれ各フィルタ68k、68c、68m、68yが固定して設けられている。なお、図では図示する煩雑さを考慮して各フィルタ68k、68yのみを示す。
【0052】
各フィルタ68k、68c、68m、68yの下部には、それぞれ各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1から延出される各チューブ55の一端が連結される。各フィルタ68k、68c、68m、68yは、各ボトル29k、29c、29m、29yから各サブタンク30k、30c、30m、30yを通して各チューブ55に流れるK色、C色、M色又はY色の各インク中の異物を除去する。
【0053】
ヘッドプレート60の両端には、それぞれ取り付け用の各孔70a、70bが設けられている。
【0054】
以上のような構成のヘッドユニット10−1において、ヘッドプレート6の短辺60aの幅長すなわち各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yの長さWは、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のノズルプレート46の長さWとノズル列47の長さWよりも短く、
≦W−2・W …(1)
を満たすように設定してある。
【0055】
図9に示すように隣り合う各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3間の各間隔Bは、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のノズルプレート46の周辺部におけるX軸方向の厚さBよりも同一又は長く設定してある。本実施の形態では、厚さBを例えば6mm、間隔Bを例えば6.5mmに設定してある。
【0056】
図10はキャリッジ27にヘッドユニット10−1を取り付けた状態を示す。キャリッジ27は、四辺形の平板状に形成されている。キャリッジ27は、中央部に開口部80が設けられている。開口部80には、Y軸方向の互いに対向する中央部の各辺81、82に凸状の取付部83aと凹状の取付部83bとが形成されている。各取付部83a、83bは、例えば図2に示すように3つのヘッドユニット10−1〜10−3をX軸方向に交互に所定距離だけずらして取り付けるために形成されている。
【0057】
従って、ヘッドユニット10−1が互いに対向する各辺81、82上の第1の一辺81aと第1の他辺82aとの間に取り付けられる。ヘッドユニット10−2が第1の一辺81bと第1の他辺82bとの間に取り付けられる。ヘッドユニット10−3が第1の一辺81cと第1の他辺82cとの間に取り付けられる。
【0058】
キャリッジ27面上には、各位置決め部材としての各位置決め突起84a、84b、84c、85a、…、86cが設けられている。各位置決め突起84a、84b、84c、85a、…、86cは、3つのヘッドユニット10−1〜10−3をそれぞれX軸方向及びY軸方向に位置決めする。例えば、各位置決め突起84a、84b、84cは、ヘッドユニット10−1をX軸方向及びY軸方向に位置決めする。各位置決め突起84a、84bは、それぞれヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bと当接してヘッドユニット10−1をY軸方向に位置決めする。位置決め突起84cは、ヘッドプレート60の位置決め突起69cと当接してヘッドユニット10−1をX軸方向に位置決めする。
【0059】
各位置決め突起85a、85b、85cも同様に、ヘッドユニット10−2をX軸方向及びY軸方向に位置決めする。各位置決め突起85a、85bは、それぞれヘッドユニット10−2のヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bと当接してヘッドユニット10−2をY軸方向に位置決めする。位置決め突起85cは、ヘッドプレート60の位置決め突起69cと当接してヘッドユニット10−2をX軸方向に位置決めする。
【0060】
各位置決め突起86a、86b、86cも同様に、ヘッドユニット10−3をX軸方向及びY軸方向に位置決めする。各位置決め突起86a、86bは、それぞれヘッドユニット10−3のヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bと当接してヘッドユニット10−3をY軸方向の位置決めする。位置決め突起86cは、ヘッドプレート60の位置決め突起69cと当接してヘッドユニット10−3をX軸方向の位置決めする。
【0061】
各ネジ孔87がキャリッジ27面上に設けられている。各ネジ孔87は、3つのヘッドユニット10−1〜10−3をそれぞれ取付固定するために設けられている。
【0062】
キャリッジ27とヘッドプレート60とは、同一のアルミダイキャストにより形成され、同一の熱膨張率を有する。これにより、キャリッジ27とヘッドプレート60とは、同一の熱膨張により互いに変形することが防止される。
【0063】
3つのヘッドユニット10−1〜10−3は、キャリッジ27面上にそれぞれ各ビス88を各ネジ孔87内に嵌め込むことにより固定される。これにより、各ヘッドユニット10−1〜10−3は、長手方向を記録媒体12の搬送方向(X軸方向)に沿って設けられる。
【0064】
例えば、ヘッドユニット10−1をキャリッジ27面上に取り付ける場合、ヘッドユニット10−1は、ヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bを各位置決め突起84a、84bに各当接させてY軸方向に位置決めし、位置決め突起69cを位置決め突起84cに当接させてX軸方向に位置決めする。
【0065】
同様に、ヘッドユニット10−2は、ヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bを各位置決め突起85a、85bに各当接させてY軸方向に位置決めし、位置決め突起69cを位置決め突起85cに当接させてX軸方向に位置決めする。
【0066】
ヘッドユニット10−3は、ヘッドプレート60の各位置決め突起69a、69bを各位置決め突起86a、86bに各当接させてY軸方向に位置決めし、位置決め突起69cを位置決め突起86cに当接させてX軸方向に位置決めする。
【0067】
なお、3つのヘッドユニット10−1〜10−3をキャリッジ27面上に取り付ける場合、必要であればヘッドプレート60は、キャリッジ27面上に対して位置と傾きとを調整される。
【0068】
このように3つのヘッドユニット10−1〜10−3をキャリッジ27面上に取り付けると、各ヘッドユニット10−1〜10−3は、キャリッジ27面上に互いに平行に並設される。このとき、各ヘッドユニット10−1〜10−3は、Y軸方向の第1の所定ピッチP1(Pピッチ)毎に設けられる。
【0069】
これにより、ヘッドユニット10−1は、記録媒体12の搬送方向の上流側から下流側に向ってK色のヘッド11k−1、C色のヘッド11c−1、M色のヘッド11m−1、Y色のヘッド11y−1を配置する。同様に、ヘッドユニット10−2は、記録媒体12の搬送方向の上流側から下流側に向ってK色のヘッド11k−2、C色のヘッド11c−2、M色のヘッド11m−2、Y色のヘッド11y−2を配置する。ヘッドユニット10−3は、K色のヘッド11k−3、C色のヘッド11c−3、M色のヘッド11m−3、Y色のヘッド11y−3を配置する。
【0070】
各ヘッドユニット10−1〜10−3における各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、それぞれ記録媒体12の搬送方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y方向)に沿って配置される。
【0071】
従って、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3における各ノズル列47は、記録媒体12の搬送方向(X軸方向)に対して直交する方向(Y方向)である主走査方向に沿う様に配置される。
【0072】
各ヘッドユニット10−1〜10−3をキャリッジ27に取り付ける場合、ヘッドユニット10−2は、図10に示すように凸状の取付部83aと凹状の取付部83bとの間に取り付けられる。ヘッドユニット10−2と両側に隣り合う各ヘッドユニット10−1、10−3とのX軸方向の間隔は、所定間隔だけずれて設けられる。すなわち、例えばヘッド11k−1とヘッド11k−2との間隔は、第2の所定ピッチP(=B+B)の2分の1の間隔(B+B)/2だけずれて設けられる。
【0073】
これにより、互いに一方のヘッド列、例えばヘッドユニット10−1の各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各一端部間又は一端部側方のいずれか一方又は両方の各空間89a、89b、89c、89d内には、それぞれ他方のヘッド列、例えばヘッドユニット10−2の各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各他端部が挿入配置される。例えば、ヘッド11y−2の他端部は、ヘッド11y−1の一端部の横に隣接され、ヘッド11y−1とヘッド11m−1の一端部間の空間89dに挿入配置される。
【0074】
このような各ヘッドユニット10−1〜10−3の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の配置により、各ヘッドユニット10−1〜10−3間の第1の所定ピッチP1は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3における各ノイズ列47の長さWと同等又はノズル列の長さWよりも短く設定される。
【0075】
これにより、例えばヘッドユニット10−1における各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各ノズル列47の一端部の位置と、隣接するヘッドユニット10−2における各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各ノズル列47の他端部の位置とは、X軸方向から見て一致、又は互いに重複する。
【0076】
同様に、互いに隣接するヘッドユニット10−2とヘッドユニット10−3との間の各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各ノズル列47の他端部の位置と、各ヘッド11k−3、11c−3、11m−3、11y−3の各ノズル列47の一端部の位置とは、X軸方向から見て一致、又は互いに重複する。
【0077】
各ヘッドにインクを供給するインク供給経路の一部を構成する各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の各チューブ55と、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3からX軸方向に突出した各チューブ固定部材56の少なくとも一部は、図2及び図9に示すようにX軸方向に隣り合う各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の間の間隔Bの空間に配置される。
【0078】
以上のように各ヘッドユニット10−1〜10−3が搭載されたキャリッジ27は、図1に示すようにフレーム13に固定される。
【0079】
以上のような各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の配置であれば、ヘッドプレート60に配置した各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の間隔はBであり、図2に示す画像形成装置全体の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のX軸方向の長さBは、ほぼKCMYの4色を1セットとしたものが2セット分ある8個の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のX軸方向の長さにすることができる。
【0080】
合計12個の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、同一色の各ヘッド、例えばK色の各ヘッド11k−1、11k−2、11y−3がY軸方向に沿って互い違いに配置される。X軸方向から見て、各ノズル列47の両端部の位置が一致又は重複するように配置される。各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、当該ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3毎に各色KCMYの各インクを吐出する吐出タイミングが制御部等によって調整可能である。
【0081】
例えば1個のヘッドユニット10−1で1つのヘッド11k−1のノズルプレート60に形成されたノズル列47の長さW内でK色、C色、M色、Y色の4色の記録を行うことができる。
【0082】
このような各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の配置の結果、見かけ上、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、例えば、あたかもノズルピッチ300dpi、ノズル数約3720個の一列長さ315mmのノズル列を持ったヘッドと同等になる。
【0083】
各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3からK色、C色、M色、Y色の各インクの吐出タイミングを調整すると、主走査方向であるY軸方向に一本の直線を記録媒体12上に形成することができる。
【0084】
図9に示すように各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のノズル列47を形成した各ノズルプレート46は、ベルト24と対向して配置され、かつベルト24の表面とは約1mmの隙間、具体的にはベルト24に吸着されて搬送される記録媒体12との距離を約1mmとなるように配置されている。
【0085】
次に、上記の如く構成された装置による画像形成動作について説明する。
【0086】
先ず、記録媒体供給台14から供給された記録媒体12は、給紙ローラ15により装置本体フレーム13内に給送される。記録媒体12は、分離ローラ15aにより1枚に分離され、この後にレジストローラ対17に当接する。記録媒体12は、レジストローラ対17によりタイミングを取られて再給紙される。記録媒体12は、その先端が補助ローラ22aとベルト24との間にニップされてベルトプラテンユニット18のベルト24上に搬送される。
【0087】
ベルト24上に載置された記録媒体12は、先端から各吸引ファン26の駆動により発生する吸引力(負圧)によってベルト24上に吸着される。すなわち、ベルトプラテンユニット18は、吸引チャンバ25内の各吸引ファン26の駆動によりベルト24の各吸引孔を通して空気の吸引を行う。これにより、記録媒体12は、ベルト24上に吸引される。この状態で、記録媒体12は、ベルト24の移動によりX軸方向(副走査方向)に所定の速度で搬送される。これにより、記録媒体12は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の下方を通過する。
【0088】
このとき、例えば補助ローラ22aの搬送方向の直後に配置されたラインセンサ(CCD)は、記録媒体12の位置の変化を読み取る。制御部は、ラインセンサからの信号を読み取り、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3の各ノズル列47からそれぞれ吐き出すK色、C色、M色、Y色の各インクのタイミングを制御する。具体的に、制御部は、記録媒体12における搬送方向に向って先端部が各ヘッドユニット10−1〜10−3の下方を通過するタイミングを演算し求め、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3からそれぞれ吐き出すK色、C色、M色、Y色の各インクの吐出開始タイミングを一致させる。
【0089】
記録媒体12は、K色の各ヘッド11k−1、11k−2、11k−3の下方に到達した後、順次、C色の各ヘッド11c−1、11c−2、11c−3、M色の各ヘッド11m−1、11m−2、11m−3、Y色の各ヘッド11y−1、11y−2、11y−3の下方に搬送される。
【0090】
K色の各ヘッド11k−1、11k−2、11k−3、C色の各ヘッド11c−1、11c−2、11c−3、M色の各ヘッド11m−1、11m−2、11m−3、Y色の各ヘッド11y−1、11y−2、11y−3は、それぞれK色、C色、M色、Y色の各インクの吐出開始タイミングが取られる。色の各ヘッド11k−1、11k−2、11k−3、C色の各ヘッド11c−1、11c−2、11c−3、M色の各ヘッド11m−1、11m−2、11m−3、Y色の各ヘッド11y−1、11y−2、11y−3からそれぞれ吐き出されたK色、C色、M色、Y色の各インクは、記録媒体12の面上に着弾する。この結果、記録媒体12の面上に画像が形成される。
【0091】
インク吐き出しのタイミングの基準は、ベルトプラテンユニット18に設けられたエンコーダから発生するパルス信号に従って行われる。エンコーダから発生するパルス信号は、ベルト24の移動量に応じて発生する。
一方、記録媒体12の搬送速度は、一定に設定される。この結果、各色KCMYにより形成された画像の色ずれは、最小限に抑えることができる。その後、画像形成された記録媒体12は、排紙ローラ対19により排出されて、排紙トレイ20に収納される。
【0092】
このように上記第1の実施の形態によれば、例えばヘッドユニット10−1の各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各一端部間又は一端部側方のいずれか一方又は両方の各空間89a、89b、89c、89d内に、それぞれ例えばヘッドユニット10−2の各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各他端部を挿入して配置した。これにより、液滴吐出ヘッド全体が小型化できる。これと共に、記録媒体12へのK色、C色、M色、Y色の各インクによるにじみの発生が防止できる。
【0093】
すなわち、例えばヘッドユニット10−1における各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1の各ノズル列47の一端部の位置と、隣接するヘッドユニット10−2における各ヘッド11k−2、11c−2、11m−2、11y−2の各ノズル列47の他端部の位置とがX軸方向から見て一致又は互いに重複できる。これにより、各ヘッドユニット10−1〜10−3間の第1の所定ピッチP1は、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3における各ノズル列47の長さWと同等又はノズル列の長さWよりも短くできる。この結果、ヘッド全体のX軸方向の寸法は小さくできる。
【0094】
フルカラー印刷に適する4色(KCMY)のインクジェット用の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、記録媒体12の搬送方向であるX軸方向に第2の間隔Bを開けてヘッドプレート60に設けられる。これにより、記録媒体12の同一位置に4つのヘッド、例えばヘッドユニット10−1における各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1から吐き出されるK色、C色、M色、Y色の各インクの各吐出時間の各間隔が長くできる。
【0095】
この結果、先のインクが記録媒体12上に着弾してから次のインクが記録媒体12上に着弾するまでの時間が長くできる。これにより、先に着弾したインクが記録媒体12にしみ込むか又は乾燥してから次のインクが記録媒体12上に着弾する。このようなインクの着弾のタイミングによりインクのにじみが防止できる。
【0096】
各ヘッドにインクを供給するインク供給経路の一部を構成するチューブ55及びチューブ固定部材56並びに各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yの少なくとも一部を例えば各ヘッドユニット10−1、10−2の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−2の各間隔B内に位置する各空間89a、89b、89c、89d内に配置した。これにより、各間隔Bの空間を有効に利用できると共に、ノズル列47を設けていない各プレート端部46a、46bがノズルプレート46の両端部に形成されていても、例えば隣り合うヘッドユニット10−1の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3とヘッドユニット10−2の各ヘッド11k−2、11c−2、…、11y−2とは、互いに干渉しない。これにより、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を配置するX軸方向の寸法は、小さくできる。
【0097】
各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、ヘッドアルミダイキャストであるヘッドプレート60の各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yに固定した。これにより、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3で発生する熱は、各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yを通してヘッドプレート60、さらにはキャリッジ27に伝熱させて効果的に放熱できる。各ヘッド取付部61k、61c、61m、61yは、冷却部材として作用させることができる。
【0098】
K色、C色、M色、Y色の各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、ヘッドプレート60に固定してユニット化(ヘッドユニット10−1〜10−3)される。これにより、ヘッドユニット10−1〜10−3の取付け数を変更することで、種々の記録幅に対応させることができる。例えば本実施の形態では、1つのヘッド(例えばヘッド11k−1)のノズル列47の長さWを例えば105mmとして3つのヘッドユニット10−1〜10−3を使用している。これにより、記録幅は315mmにすることができる。しかるに、記録媒体12として例えばカット紙を用いれば、記録媒体12は、A3サイズまで各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を主走査方向(Y軸方向)に移動させないで記録できる。
【0099】
ヘッドユニットを2つ使用した場合、記録幅は210mmになる。これにより、A4サイズの記録媒体12まで記録ができる。ヘッドユニットを1つ使用した場合、印字幅は105mmになる。従って、例えばA6サイズの記録媒体12、葉書等に記録ができる。ヘッドユニットを4つ以上使用した場合、より広い記録範囲が実現可能である。
【0100】
このように同一構成の各ヘッドユニット10−1〜10−3等を用いて、その記録媒体12の幅方向の配列数を変えるだけで種々の記録幅に対応できる。これにより、種々の液滴吐出ヘッドユニットを用いたプリンタ等の画像形成装置の製造が容易で安価にできる。
【0101】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図7と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0102】
図11は画像形成装置に用いるヘッドユニットの構成図を示す。ヘッドユニット90は、上記第1の実施の形態における各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3のうち例えば2つのヘッド11k−1をプレート91を介して向い合わせている。
【0103】
例えばヘッド11k−1におけるノズル列47は、例えば300dpiである。2つのヘッド11k−1を向い合わせる場合、各ノズル列47の位置は、例えば半ピッチずらす。これにより、ヘッドユニット90は、1つのノズル列47に有する300dpiの2倍の600dpiを有するものとなる。
【0104】
ヘッドユニット90は、画像形成装置のキャリッジ27に複数取り付けられる。例えば図12に示すように、互いに一方のヘッド列、例えばヘッドユニット90−1の各ヘッド11k−1の各一端部間の各空間92内に、他方のヘッド列、例えばヘッドユニット90−2の各ヘッド11k−2の他端部が挿入して配置される。
【0105】
このような構成において、プレート91のノズル列47方向の長さWは、
≦W−2・W …(2)
に設定する。
【0106】
ノズルプレート46の周辺部におけるX軸方向の厚さBと隣り合う各ヘッド11k−1の間隔(各ヘッド11k−2の間隔)Bとは、
≧B …(3)
に設定する。これにより、隣り合う各ヘッド11k−1と各ヘッド11k−2との各ノズル列47のX軸方向から見た隙間をゼロ又は一部重複できる。
【0107】
各ヘッド11k−1の一端部を隣の各ヘッド11k−2の間の空間92内に挿入して配置する。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、液滴吐出ヘッド全体を小型化できる。記録媒体12へのK色、C色、M色、Y色の各インクによるにじみの発生を防止できる。
【0108】
次に、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図8と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略する。
【0109】
図13は画像形成装置に用いるヘッドユニットの構成図を示す。ヘッドプレート60に設けられた各ヘッド取付部61k、61mの両側には、それぞれ上記第1の実施の形態における各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3、例えばヘッド11k−1とヘッド11c−1との2つが設けられている。ヘッド11k−1の厚みBと隣り合う各ヘッド11k−1、11c−1又は隣り合う各ヘッド11c−1、11m−1の間隔Bとの関係は、B≦Bに設定される。
【0110】
これにより、図14に示すように各ヘッド11k−1の配置は、各ヘッド11k−1の一端部を隣の各ヘッド11k−2、11c−2の間の空間92内に挿入して配置する。しかるに、上記第1の実施の形態と同様に、液滴吐出ヘッド全体を小型化できる。記録媒体12へのK色、C色、M色、Y色の各インクによるにじみの発生を防止できる。
【0111】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形してもよい。
【0112】
各圧電部材40、41を用いたインクジェットの各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を使用しているが、これに限ることはない。インクジェットヘッドは、他のバブルジェット方式等の複数のノズルが配列されたノズル列を有するヘッドユニットを適用することができる。
【0113】
記録媒体12は、カット紙又はロール紙等を用いてもよい。
【0114】
各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3は、主走査方向(Y軸方向)に移動しない固定ヘッドとしている。これに限らず、各ヘッド11k−1、11c−1、…、11y−3を移動させてもよい。例えばキャリッジ27をZ軸回りに90度回転させてキャリッジ27をY軸方向に移動させて記録するようにしてもよい。
【0115】
1つのヘッドユニット10−1等には、K色、C色、M色、Y色の4色の各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1を設けているが、2つ以上のヘッド例えばヘッド11k−1、11c−1又はノズル列47を配置した構成でも適用可能である。
【0116】
1つのヘッドユニット10−1等には、KCMYの4色の各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1を設けるに限らず、各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−11をK色、C色、M色、Y色のうち少なくとも1色のインクを吐き出すようにしてもよい。
【0117】
ヘッドプレート60に4つのヘッド、例えば各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1を設けて1つのヘッドユニット10−1を構成している。これに限らず、図15に示すようにヘッドプレート60と各ヘッド11k−1、11c−1、11m−1、11y−1とが一体形成されてもよい。この場合、少なくとも2つのノズル列47を有し、各ノズル列47のノズル列方向の各端部に各空間89が形成されていれば、上記第1の実施の形態と同様に、液滴吐出ヘッド全体を小型化できると共に、記録媒体12への各色のインクによるにじみの発生を防止できる。
【0118】
インクジェットプリンタに限らず、記録媒体12に対して液滴を吐出させて記録を行う例えば複写機、ファクシミリ等の印字装置、接着剤の微量吐出装置、LCDのカラーフィルターの製造装置等における液滴の微量吐出に用いられる液滴吐出用のヘッドであれば適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドを適用した画像形成装置の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同液滴吐出ヘッドにおける各ヘッドユニットの各ヘッドの配置を示す図。
【図3】同ヘッドユニットにおけるヘッドの構成図。
【図4】同ヘッドユニットにおけるヘッドの構成図。
【図5】同ヘッドユニットにおけるヘッドの構成図。
【図6】同ヘッドユニットにおけるヘッドの構成図。
【図7】同ヘッドユニットにおけるヘッドの構成図。
【図8】同ヘッドユニットの構成図。
【図9】同ヘッドユニットにおける各ヘッドの配置間隔を示す図。
【図10】同液滴吐出ヘッドにおけるキャリッジにヘッドユニットを取り付けた状態を示す図。
【図11】本発明に係る液滴吐出ヘッドを用いた第2の実施の形態であるヘッドユニットの構成図。
【図12】同ヘッドユニットを画像形成装置に取り付けた場合の配置を示す図。
【図13】本発明に係る液滴吐出ヘッドを用いた第3の実施の形態であるヘッドユニットの構成図。
【図14】同ヘッドユニットにおけるヘッドの配置を示す図。
【図15】同ヘッドユニットの変形例を示す図。
【図16】従来のインクジェットプリンタの構成図。
【図17】従来のインクジェットプリンタの構成図。
【符号の説明】
【0120】
10−1〜10−3:ヘッドユニット、11k−1,11c−1,…,11y−3:ヘッド、12:記録媒体、13:装置本体フレーム、14:記録媒体供給台、15:給紙ローラ、15a:分離ローラ、16:給紙ガイド、17:レジストローラ対、18:ベルトプラテンユニット、19:排紙ローラ対、20:排紙トレイ、21:駆動ローラ、22:従動ローラ、22a:補助ローラ、23:テンションローラ、24:ベルト、25:吸引チャンバ、26:吸引ファン、27:キャリッジ、28:メンテナンスユニット、29k,29c,29m,29y:ボトル、30k,30c,30m,30y:サブタンク、31:吸引ポンプ、32:廃液ボトル、40,41:圧電部材、42:溝、43:電極、44:天板、45:共通インク室、46:ノズルプレート、47:ノズル列、48a,48b,48c:インク室、49:基板、50:引出し電極、51:プリント回路基板(PC板)、51a:端子部、52:ドライブIC、53:導電パターン、54:導線、55:チューブ、56:チューブ固定部材、57a,57b:側壁、60:ヘッドプレート、60a:短辺、60b:長辺、61k,61c,61m,61:ヘッド取付部、62k,62c,62m,62y:取付け段差部、63k,63c,63m,63y:孔、64:接続基板、65:ネジ、66k,66c,66m,66:コネクタ、67k、67c,67m,67y:フィルタ取付孔、68k,68c,68m,68y:フィルタ、69a,69b,69c:位置決め突起、70a,70b:孔、80:開口部、81,82:辺、83a,83b:取付部、84a,84b,84c,85a,…,86c:位置決め突起、87:ネジ孔、88:ビス、89a,89b,89c,89d:空間、90:ヘッドユニット、91:プレート、92:空間、90−2:ヘッドユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも液滴を吐き出す複数のノズルをライン状に配列したノズル列を設けた複数のヘッドを有し、
前記各ヘッドは、前記ノズル列の配列方向である第1の方向に対して略直交する第2の方向に第2のピッチ毎に並設して少なくとも2列の各ヘッド列を形成し、かつ互いに隣接する前記各ヘッド列の一方の前記ヘッド列における前記各ヘッドの各一端部間の各空間内に、他方の前記ヘッド列における前記各ヘッドの各他端部をそれぞれ挿入して配置してなる、
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
前記少なくとも2列の各ヘッド列を前記第1の方向に沿って配置する第1のピッチは、前記ヘッドにおける前記ノズル列の長さと同等又は前記ノズル列の長さよりも短い、
ことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
前記第2のピッチ毎に並設された隣接した前記ヘッドの間隔は、前記ヘッドの前記第2の方向における厚さと同等又は前記厚さよりも長い、
ことを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
少なくとも液滴を吐出するライン状のノズル列を設けた複数のヘッドを有する少なくとも2つのヘッドユニットを有し、
前記少なくとも2つのヘッドユニットは、それぞれ前記複数のヘッドを前記ノズル列の配列方向である第1の方向に対して略直行する第2の方向に沿って第2のピッチ毎に並設し、前記少なくとも2つのヘッドユニットは、前記第1の方向に第1のピッチ毎に並設し互いに隣接する前記各ヘッドユニットの一方の前記各ヘッドユニットにおける前記各ヘッドの各一端部間の各空間内に、他方の前記ヘッドユニットにおける前記各ヘッドの各他端部をそれぞれ挿入して配置してなる、
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
前記少なくとも2つのヘッドユニットを配置する前記第1の所ピッチは、前記各ヘッドにおける前記ノズル列の長さと同等又は前記ノズル列の長さよりも短い、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
前記第2のピッチ毎に並設された隣接した前記ヘッドの間隔は、前記ヘッドの前記第2の方向における厚さと同等又は前記厚さよりも長い、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項7】
前記複数のヘッドは、それぞれ前記ノズル列を設けた各ノズルプレートを有し、
前記各ノズルプレートは、それぞれ両端部に前記各ノズル列を設けない各プレート端部を有し、
前記少なくとも2つのヘッドユニットは、前記一方の前記ヘッドユニットにおける前記各ヘッドの前記プレート端部と、前記他方の前記ヘッドユニットにおける前記各ヘッドの前記プレート端部と、を前記第2の方向から見て互いに重複させて並設される、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項8】
前記各ヘッドユニットは、前記一方の前記ヘッドユニットにおける前記ノズル列の一端部の位置と、前記他方の前記ヘッドユニットにおける前記ノズル列の他端部の位置と、を前記第2の方向から見て一致させて配置する、
ことを特徴とする請求項7記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項9】
前記各ヘッドユニットは、前記一方のヘッドユニットにおける前記ノズル列の一端部と前記他方のヘッドユニットにおける前記ノズル列の他端部とを前記第2の方向から見て互いに重複させて配置する、
ことを特徴とする請求項7記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項10】
前記ヘッドユニットは、前記第2の方向に沿って前記第2のピッチ毎に設けられた複数のヘッド取付部を有する保持部材を有し、前記各ヘッド取付部にそれぞれ前記各ヘッドが取り付けられる、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項11】
前記保持部材の前記複数のヘッド取付部の幅長は、前記複数のヘッドの前記ノズル列の長さよりも短く形成された、
ことを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項12】
前記複数のヘッドに対して電気接続を行う基板を有し、
前記基板は、前記保持部材に設けられる、
ことを特徴とする請求項10記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項13】
前記各ヘッドユニットは、少なくとも2つの前記ヘッドを互いに向い合わせに組み合わせ、前記第2の方向に前記第2のピッチ毎に設けた、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項14】
前記各ヘッドユニットは、少なくとも2つの前記ヘッドを前記第2の方向に前記第2のピッチ毎に一体的に設けた、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項15】
前記液滴は、ブラック色のインクと、シアン色のインクと、マゼンタ色のインクと、イエロ色のインクとを有し、
前記各ヘッドユニットの前記各ヘッドは、それぞれ前記ブラック色の前記インク、前記シアン色の前記インク、前記マゼンタ色の前記インク、前記イエロ色の前記インクを吐出す、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項16】
前記各ヘッドに前記液滴を供給する複数の液滴供給路を有し、
前記複数の液滴供給路は、それぞれ前記各ヘッド間に形成される各空間内に設けられる、
ことを特徴とする請求項4記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項17】
少なくとも液滴を吐出するライン状のノズル列を有する複数のヘッドを保持部材に取り付けた複数のヘッドユニットと、
前記複数のヘッドは、それぞれ前記ノズル列を設けた各ノズルプレートを有し、
前記各ノズルプレートは、それぞれ両端部に前記各ノズル列を設けない各プレート端部を有し、
前記保持部材は、前記複数のヘッドを前記第1の方向に対して略直交する第2の方向に沿って第2のピッチ毎に取り付ける複数のヘッド取付部を有し、
前記複数のヘッドユニットを前記ノズル列の配列方向である第1の方向に第1の所定ピッチ毎に取り付けるためのヘッドユニット取り付け部を有するユニット取り付け部材を備え、
前記複数のヘッドユニットは、前記第1の方向における相互の各間隔を位置決めされ、一方の前記ヘッドユニットにおける前記ノズル列の一端部の位置と他方の前記ヘッドユニットにおける前記ノズル列の他端部の位置とを前記第2の方向から見て一致させる、又は前記一方のヘッドユニットにおける前記ノズル列の一端部と前記他方のヘッドユニットにおける前記ノズル列の他端部とを前記第2の方向から見て互いに重複させる、
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項18】
前記保持部材と前記ユニット取り付け部材とは、それぞれ同一の熱膨張率を有する、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項19】
前記液滴は、ブラック色のインクと、シアン色のインクと、マゼンタ色のインクと、イエロ色のインクとを有し、
前記各ヘッドユニットの前記各ヘッドは、それぞれ前記ブラック色の前記インク、前記シアン色の前記インク、前記マゼンタ色の前記インク、前記イエロ色の前記インクを吐出す、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項20】
前記各ヘッドに液体を供給する複数の液体供給路を有し、
前記複数の液体供給路の少なくとも一部は、それぞれ前記各ヘッド間に形成される各空間内に設けられる、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項21】
前記複数のヘッド取付部は、それぞれ前記複数のヘッドで発生する熱を前記保持部材から前記ユニット取り付け部材に伝導させて放熱させる、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項22】
前記複数のヘッド取付部にそれぞれ前記複数のヘッドを取り付ける場合、
前記ノズルプレートにおいて前記ノズル列を設けた長さをW、前記プレート端部の長さをW、前記保持部材の前記複数のヘッド取付部の幅長をWとすると、当該幅長Wは、
≦W−2・W
を満たす関係を有する、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項23】
前記複数のヘッド取付部にそれぞれ前記複数のヘッドを取り付ける場合、
前記ヘッドの前記第2の方向における厚さをB、前記第2のピッチ毎に並設された隣接した前記ヘッドの間隔をBとすると、
≧B
を満たす関係を有する、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項24】
前記複数のヘッド取付部にそれぞれ前記複数のヘッドを取り付ける場合、
前記ノズルプレートにおいて前記ノズル列が設けられた長さをW、前記プレート端部の長さをW、前記保持部材の前記複数のヘッド取付部の幅長をW、前記ヘッドの前記第2の方向における厚さをB、前記第2のピッチ毎に並設された隣接した前記ヘッドの間隔をBとすると、
≦W−2・W及びB≧B
を満たす関係を有する、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項25】
前記複数のヘッドに対して電気接続を行う基板を有し、
前記基板は、前記保持部材に設けられる、
ことを特徴とする請求項17記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項26】
請求項1乃至25のうちいずれか1項記載の液滴吐出しヘッドと、
前記液滴吐出しヘッドにインク液を供給するインク液供給系と、
前記液滴吐出しヘッドに有する前記複数のヘッドにおける各ノズル列の配列方向に対して略直交する前記第2の方向に記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記搬送機構により前記記録媒体を搬送動作させると共に、前記複数のヘッドから前記インク液を前記液滴として吐き出させ、前記液滴を前記記録媒体上に着弾させて前記記録媒体上に画像を形成させる制御部と、
を具備したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−76290(P2006−76290A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229631(P2005−229631)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.バブルジェット
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】