説明

液滴吐出ヘッド及び画像形成装置

【課題】被記録媒体からのインク液滴の跳ね返りによるノズル周辺の汚れを防止して、インク液滴の飛翔曲がりや不吐出を改善する。
【解決手段】液滴吐出ヘッドに対して相対的に移動される被吐出媒体に向けて液滴を吐出するノズルが複数形成されるノズルプレートの法線方向に対して所定の角度だけ傾斜するようにノズル孔が形成されたノズルと、前記ノズル間に設けられた、前記被吐出媒体に向けて吐出した液滴の前記被吐出媒体からの跳ね返り液をトラップする液受け部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供することにより前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に係り、特に、2次元マトリクス型ヘッドにおいて被吐出媒体からの液滴の跳ね返りによる液滴吐出ヘッドの吐出面の汚れを防止するようにした液滴吐出ヘッド及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置として、多数のノズル(液滴吐出口)を配列させたインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を有し、このインクジェットヘッドと被記録媒体を相対的に移動させながら、ノズルから被記録媒体に向けてインクを液滴として吐出することにより、被記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)が知られている。
【0003】
インクジェット記録装置においては、このようにインクを液滴としてノズルから被記録媒体に噴射しているので、ノズルと被記録媒体との間の距離が離れているとノズルから吐出されたインク液滴が飛翔する距離が長くなるため、インクの吐出方向や吐出速度にバラツキが生じていると目的の位置に打滴できない虞がある。
【0004】
そこで、インク液滴の被記録媒体への着弾位置精度を向上させて、高画質記録を行うためには、ノズルと被記録媒体との距離を狭くすることが好ましい。しかし、ノズルと被記録媒体の距離が近いと、被記録媒体に着弾したインク液滴の一部が跳ね返りノズル周辺を汚す虞がある。ノズル周辺が汚れると、吐出するインク液滴の飛翔曲がりや不吐出等の原因となる。
【0005】
これに対して、被記録媒体から跳ね返ったインク液滴がノズル周辺に付着しないように、インクの着弾方向を被記録媒体に対して傾斜させることが考えられ、その方法が従来から提案されている。
【0006】
例えば、インク液滴の跳ね返り対策を目的としたものではないが、短尺ヘッドを繋いで長尺のラインヘッドを形成する際、接続部(繋ぎ目)の両側のノズルのインク吐出方向がそれぞれ接続部寄りとなるようにノズルの方向を傾斜させるようにして、接続部での印字ドット密度が他の部分と同じようになるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。
【0007】
また例えば、複数の短尺ヘッドを接合して長尺化した記録ヘッドにおける短尺ヘッド接合部の記録密度の適正化、インクによるノズル周辺の汚染防止等を目的として、複数のノズルの少なくとも一つはインク液滴の吐出側に深さ方向の段差を有し、この段差を形成する両端の間でインク液面を形成するようにし、ノズルにこのような高低差を設けることにより、インク液滴を斜めに吐出するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2等参照)。
【0008】
また例えば、インク滴付与手段から中間転写体に付与したインク滴によって中間転写体に反転画像を形成し、反転画像を被記録媒体に転写させることによって被記録媒体に画像を記録する記録装置において、中間転写体に撥水部分を設け、中間転写体の撥水部分以外の部分に付着したインク滴によって形成した反転画像を被記録媒体に転写させるようにして、中間転写体の表面上におけるインク滴の移動を抑止して、写真調の高精細な画像を記録しようとするものが知られている(例えば、特許文献3等参照)。
【0009】
さらに、インクを保持する回転体である中間転写体を、インク滴の飛翔速度と中間転写体のインク落下点における周速度のインク飛翔方向成分との相対速度が少なくなる方向に回転させることによって、均一なインクドットで形成された画質の良好な記録像を得るようにしたものが知られている(例えば、特許文献4等参照)。
【特許文献1】特開平7−171956号公報
【特許文献2】特開2004−1439号公報
【特許文献3】特開2004−50449号公報
【特許文献4】特開平3−251453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来技術には様々な問題があり、必ずしもインク液滴の跳ね返りによるノズル周辺の汚れ防止に対しては十分な効果が期待できない。
【0011】
例えば、上記特許文献1に記載のものは、もともと短尺ヘッドを斜め吐出を利用して繋ぐのが目的であり、また記録媒体とのクリアランスを精密に管理しないと着弾位置にずれを生じ易く、さらに、厚いフィルムレジストを斜め露光して傾斜したノズル柱を作り、これにNiメッキを施して傾斜ノズルを形成するようにしているが、レジストで傾斜ノズルを作るのは精度確保が難しいという問題がある。
【0012】
また、上記特許文献2に記載のものは、特許文献1のものと同様に短尺ヘッドを斜め吐出を利用して繋ぐのが目的であり、やはり記録媒体とのクリアランスを精密に管理しないと着弾位置のずれを生じ易い。また吐出角度を段階的に変化させるのはインクの跳ね返り位置も一定せず、形状や撥水性を非対称にするのも精度や生産性の点で難しいという問題がある。
【0013】
また、上記特許文献3に記載のものは、実施例には吐出方向を転写体の回転方向にずらして跳ね返りの影響を防ぐ旨の記載があるが、具体的な方法は示されておらず、2次元マトリクス型ヘッドではヘッド全体を傾斜させるのが難しく、また搬送方向には隣接ノズルがあるため適用が難しいという問題がある。
【0014】
さらに、上記特許文献4に記載のものは、実施例ではヘッドを回転方向に傾斜させているのでインクの跳ね返りを防ぐ効果も期待できるが、2次元マトリクス型ヘッドではヘッド全体を傾斜させるのが難しく、また搬送方向には隣接ノズルがあるため適用が難しいという問題がある。
【0015】
このように、ノズルを傾斜して形成したり、ヘッド全体を傾斜して配置すればインクの跳ね返りによる影響も低減可能だが、2次元マトリクス型ヘッドのノズル全体に対してインクの跳ね返りによるノズル周辺の汚れを確実に防止するのは難しく、それに対する対策が必要となる。
【0016】
特に、マトリクス型ヘッドを用いた1回の走査で記録を行うワンパス記録では長尺高密度高速記録が可能だが、シャトルスキャンのような印字端でのメンテナンスが難しいため、跳ね返りによるノズル汚れを確実に防止する必要がある。
【0017】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、2次元マトリクス型ヘッドのノズルと被記録媒体とのクリアランスを狭くしても被記録媒体からのインク液滴の跳ね返りによるノズル周辺の汚れを防止して、インク液滴の飛翔曲がりや不吐出を改善することのできる液滴吐出ヘッド及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液滴吐出ヘッドに対して相対的に移動される被吐出媒体に向けて液滴を吐出するノズルが複数形成されるノズルプレートの法線方向に対して少なくともその一部が所定の角度だけ傾斜するようにノズル孔が形成されたノズルと、前記ノズル間に設けられ、少なくともその一部には前記被吐出媒体に向けて吐出した液滴の前記被吐出媒体からの跳ね返り液をトラップする液受け部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッドを提供する。
【0019】
これにより、被吐出媒体から跳ね返る液滴がノズルやその周辺に付着するのを防止し、飛翔特性の劣化を防ぐことができる。特に、ノズルと被吐出媒体とのクリアランスが狭い場合に有効である。
【0020】
また、請求項2に示すように、前記ノズル孔は、少なくとも前記被吐出媒体の相対的移動方向と略直交する主走査方向に所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする
前記ノズル孔は、前記被吐出媒体の相対的移動方向と略直交する主走査方向に所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする。
【0021】
これにより、搬送方向に対する跳ね返り位置の許容範囲が広がるので、液滴吐出ヘッドに対して、被吐出媒体を搬送することにより生じる搬送方向(副走査方向)の気流の影響などを低減することが可能となる。
【0022】
また、請求項3に示すように、前記液受け部は、親液性または窪み構造を有していることを特徴とする。
【0023】
これにより、被吐出媒体から跳ね返る液滴が確実にトラップできるため液滴がノズルやノズル周辺に付着するのを確実に防止できる。
【0024】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、その表面に被記録媒体を巻き付けて回転する回転ドラムまたは中間転写ドラムと、請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの長手方向を前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの軸方向に平行に配置し、前記液滴吐出ヘッドのノズルプレートが前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの外周面の曲率に対応する略湾曲形状を有するようにした液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0025】
これにより、被吐出媒体の位置安定性が向上するので液滴吐出ヘッドと被吐出媒体とのクリアランスを狭くすることが可能なため、飛翔液滴の着弾位置バラツキを低減し、高画質の画像記録が可能となる。
【0026】
また、請求項5に示すように、前記ノズルプレートに形成される液受け部は、前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの略周方向に延びる溝形状を有することを特徴とする。
【0027】
これにより、液受け部に付着した液滴のトラップ面積を広くすることが可能で更にワイピング構造の簡素化も図れる。
【0028】
また、請求項6に示すように、請求項4または5に記載の画像形成装置であって、さらに、前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルプレートと前記回転ドラムあるいは中間転写ドラムの外周面との距離が略一定となるように、前記液滴吐出ヘッドを前記回転ドラムまたは中間転写ドラムに対して保持する突き当て手段を有することを特徴とする。
【0029】
これにより、液滴吐出ヘッドや被吐出媒体の調整の簡素化が図れ、温度変化に対してもノズルと被吐出媒体との距離を均一に保持することができる。更に被記録媒体を巻き付けて回転する回転ドラムの場合には、被記録媒体の厚みが変化した場合でもノズルと被記録媒体との距離を一定に保つことが可能なため、インクの着弾位置や跳ね返りの位置が安定して、高画質の画像記録が可能となる。
【0030】
また、同様に前記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、前記ノズル孔は少なくともその一部がインク吐出側からレーザが加工したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置を提供する。
【0031】
これにより、傾斜したノズル孔を精度良く効率的に形成可能であり、湾曲形状のノズルプレートにも適用できる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明によれば、被吐出媒体から跳ね返る飛翔液滴がノズルやその周辺に付着するのを防止し、飛翔特性の劣化を防ぐことができる。特に本発明は、ノズルと被吐出媒体とのクリアランスを狭くした、2次元マトリクス型ヘッドの場合に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る液滴吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明する。本発明は、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴が被吐出媒体に対して一様に傾斜して着弾するように液滴吐出口を形成し、液滴吐出口の間には被吐出媒体からの液滴の跳ね返りをトラップする部位(液受け部)を形成するようにしたものである。
【0034】
図1は、本発明に係る液滴吐出ヘッドを有する画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた、液滴を吐出する複数の印字ヘッド(液滴吐出ヘッド)50(50Y、50M、50C、50K)と、その表面に転写画像が形成される中間転写ドラム32と、中間転写ドラム32から転写画像が転写されて画像が記録される記録紙16を供給する給紙部18と、記録後の記録紙16を排出する排紙部26とを有して構成される。
【0036】
図1に示すように、中間転写ドラム32の回転方向(図中矢印で示す方向)に沿って、上流側からイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に各色インクに対応した印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)が配置されている。各印字ヘッド50には、その側面を囲むようにゴム等の柔軟部材で形成されたキャップ30が取り付けられている。
【0037】
また、各印字ヘッド50には、中間転写ドラム32の外周面との間のクリアランスを均一に保つために、調整用のベアリング60が印字ヘッド50と中間転写ドラム32との間に設けられるとともに、印字ヘッド50を背後から中間転写ドラム32側に押し付ける例えばバネ等の弾性体与圧付与手段62が設けられている。
【0038】
このように、ベアリング60と弾性体与圧付与手段62とで突き当て手段を構成し、弾性体与圧付与手段62で印字ヘッド50を中間転写ドラム32の表面に突き当てて、ベアリング60によるギャップによって印字ヘッド50のインク吐出面と中間転写ドラム32の外周面(中間転写媒体表面)との距離が高精度に保持され、インク液滴の飛翔も安定する。
【0039】
このようにして、中間転写ドラム32を回転させながら、各印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)からそれぞれ各色のインクを吐出することにより、中間転写ドラム32の表面に転写画像が形成される。
【0040】
また、印字ヘッド50に対し、中間転写ドラム32の回転方向下流側に、打滴検出センサ24が配置されている。打滴検出センサ24は、反射型センサであり、中間転写ドラム32上に打滴された結果を読み取り、ノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段である。また、中間転写ドラム32の側面の一部に、印字ヘッド50のメンテナンス時に印字ヘッド50内のインクを吸引するための吸引部34及び印字ヘッド50のノズル面を清掃するワイパー36が設けられている。これらについては、詳しくは後述する。
【0041】
また、中間転写ドラム32の回転方向に沿った印字ヘッド50の上流側に、転写画像を記録紙16に転写した後の中間転写ドラム32の表面の汚れを清掃するための、吸引ローラ40及び吸引除去ローラ42が配置されている。吸引ローラ40は、洗浄水を含み吸水性を有しており、中間転写ドラム32の表面を濡らしながら洗浄するものであり、吸引除去ローラ42は、中間転写ドラム32の表面上の水滴やゴミなどの異物を吸引除去するものである。
【0042】
図1に示すように、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン(ロール紙が装填された容器)を用いてもよいし、この他に、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給するようにしてもよい。
【0043】
本実施形態においては、中間転写ドラム32上に一度転写画像を形成し、これを記録紙に転写するようにしているため、いろいろな種類の記録紙が利用可能であり、用いることのできる記録紙の自由度が向上する。更に、中間転写ドラムには微細な撥水部が設けてあり、非撥水部はインク溶媒の浸透性を有しているため、ドラムの内側から吸引することで記録媒体の滲みやべたつきが軽減される。
【0044】
給紙部18から送り出される記録紙16はロール紙としてマガジン内に装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、給紙部18の下流側にデカール処理部20が設けられている。デカール処理部20はマガジンの巻き癖の方向と逆方向に加熱ドラムで記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
【0045】
ロール紙を使用する場合には、図1に示したようにデカール処理部20の下流側に裁断用のカッター28が設けられており、カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カットされた記録紙16は、印字面が図の上側になるようにして搬送され、搬送ローラ38上の転写位置において中間転写ドラム32上に形成された転写画像が転写される。なお、カット紙を使用する場合にはカッター28は不要である。
【0046】
各印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)は、中間転写ドラム32の軸方向の最大画像形成可能幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを、中間転写ドラム32の軸方向にその長手方向を平行に配置したライン型ヘッドである。すなわち、言い換えれば、印字ヘッド50の長手方向を中間転写ドラム32の回転方向と略直交する方向に配置している。なお、詳しくは後述するが、そのインク吐出面(ノズル面)には多数のノズルが2次元マトリクス状に高密度に配置されている。
【0047】
なお、図1に示した例では、KCMYの標準色(4色)の構成を示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアンやライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加した構成としてもよい。
【0048】
また、図示を省略したが、各印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)に対応する色のインクを貯蔵するインクタンクが設けられており、やはり図示を省略したインク管路を通じて各印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)にインクが供給されるようになっている。またインクタンクを有するインク貯蔵/装填部(図示省略)には、インク残量が少なくなると、その旨を報知する表示手段あるいは警告音発生手段などの報知手段や各色間の誤装填を防止するための機構が設けられていることが好ましい。
【0049】
次に、印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)の構造について説明する。インク色毎に設けられている各印字ヘッド50(50Y、50M、50C、50K)の構造は共通しているので、以下単に印字ヘッド50として説明する。
【0050】
図2に、一つの印字ヘッド50と中間転写ドラム32の位置関係を斜視図で示す。なお、図2では、印字ヘッド50の概形をわかり易く示すために、印字ヘッド50を大きく表しており、印字ヘッド50と中間転写ドラム32の大きさの比率は正確ではない。また印字ヘッド50の周囲に設置されるキャップ30も図示を省略している。
【0051】
図2に示すように、印字ヘッド50は、ノズル面(インク吐出面)50Aを中間転写ドラム32の側面に対向させて、その長手方向が中間転写ドラム32の軸方向に平行になるように配置され、ノズル面50Aの短手方向は中間転写ドラム32の外周にあわせて湾曲した形状となっている。また、図2では図示を省略するが、ノズル面50Aには、インクを吐出する複数のノズルが形成されている。
【0052】
図3に、印字ヘッド50から中間転写ドラム32上にインク液滴を吐出する様子を示す。図3に示すように、印字ヘッド50のノズル面50Aに形成されたノズル51から吐出されたインク液滴は中間転写ドラム32上に着弾するが、その液滴の一部がノズル面50A側に向かって跳ね返ることがある。このとき、跳ね返りインク液滴は非常に微小であるため、中間転写ドラム32の回転等によって生じる気流の影響を受け易く、跳ね返る位置は不安定となりやすい。
【0053】
図4に、図2の印字ヘッド50を図の矢印方向から見た平面透視図を示す。図4に示すように、印字ヘッド50は、インクを液滴として吐出するノズル51と、インクを吐出する際にインクに圧力を付与する圧力室(圧力発生室)52と、図4では図示を省略した共通流路から圧力室52にインクを供給するインク供給口53を含んで構成される圧力室ユニット54が千鳥状の2次元マトリクス状に配列され、ノズル51の高密度化が図られている。
【0054】
図4に示す例においては、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は概略平行四辺形の形状をしているが、圧力室52の平面形状はこのような平行四辺形に限定されるものではない。圧力室52には、図4に示すように、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端にインク供給口53が設けられている。
【0055】
なお、図4は、圧力室52やノズル51の配列を説明するための図であり、図1に表示されていたキャップ30やベアリング60はここでは図示を省略している。これらについては、以下説明する。
【0056】
なお、本実施形態においては、吐出したインクの跳ね返りによるノズル周囲の汚れを防止するためにノズル51を傾斜させて形成しているが、ここでこのノズル51の傾斜について説明する。
【0057】
図4に示すように、図の横方向(印字ヘッド50の長手方向)が主走査方向であり、図の縦方向(印字ヘッド50の短手方向)が副走査方向である。なお、中間転写ドラム32の回転方向(被吐出媒体の搬送方向)は図の上から下へ向かう方向である。
【0058】
図4に示すように、副走査方向に傾斜したノズル51−1から吐出されたインク液滴の副走査方向の跳ね返り予定位置は点Pであり、また主走査方向に傾斜したノズル51−3から吐出されたインク液滴の主走査方向の跳ね返り予定位置は点Qである。ここで、副走査方向の跳ね返り許容範囲はノズル51−1では副走査方向に隣接するノズル51−2までの間の距離Xである。これに対し、ノズル51−3では点Qの副走査方向の延長線上にあるノズル51−4までの間の距離Yである。
【0059】
このとき、明らかに許容範囲はXよりYの方が広く、気流の影響などによる副走査方向の跳ね返り位置のバラツキに対して有利となる。そこで、本実施形態では、印字ヘッド50に形成される各ノズル51は、主走査方向(印字ヘッド50の長手方向)に所定の角度だけ傾斜させて形成するようにする。以下これをさらに詳しく説明する。
【0060】
図5は、印字ヘッド50をノズル面50A側から見た斜視図である。なお、図5は、ノズル51、ベアリング60及び跳ね返ったインクをトラップする液受け部等を概念的に示すものであり、図4に比べてノズル51の数なども省略して表現されている。
【0061】
図5に示すように、印字ヘッド50は、その短手方向においてノズル面50Aが中間転写ドラム32の外周に合わせて湾曲した形状となっている。また、ノズル面50Aには、ノズル51が2次元マトリクス状に配列されている。
【0062】
ノズル面50Aには、各ノズル51の列の間には、各ノズル51の列(図において縦方向のノズル51の並び)に沿って、跳ね返ったインクをトラップする溝状の液受け部64が形成されている。液受け部64は、非撥水性または窪みとして形成される。また、液受け部64の一方の端には、印字ヘッド50の長手方向に沿って各液受け部64にトラップされたインクを集めて吸引するための吸引溝66が形成されている。
【0063】
また、印字ヘッド50の長手方向両端には、印字ヘッド50と中間転写ドラム32との距離を均一に保つためのベアリング60が設置されている。図5においては、左端に2つ、右端に1つのベアリング60が配置されているが、設置するベアリング60の数や設置箇所はこれに限定されるものではない。
【0064】
また、図5中の一点鎖線6A−6A’線に沿った断面図を図6に示す。
【0065】
図6においては、印字ヘッド50の上下を図5とは逆にして、ノズル面50A
を(図の)下側にして表示している。また、説明のために、ノズル面50Aに対向して中間転写ドラム32の側面を表示している。
【0066】
図6に示すように、各ノズル51は、吐出されたインクが中間転写ドラム32に対して、主走査方向(印字ヘッド50の長手方向)に対して、垂直ではなく所定の角度θだけ傾いて着弾するように、ノズル孔51aが傾斜して形成されている。
【0067】
また、中間転写ドラム32に着弾したインク液滴の一部がノズル面50A側に跳ね返ってきたものをトラップするための液受け部64が各ノズル51の間に形成されている。液受け部64は、図5に示すように、ノズル51の列に沿って溝状に形成されている。
【0068】
ここで、ノズル間ピッチをnとし、液受け部64は各ノズル51の中間に設置されているとすると、ノズル51と液受け部64の中心との距離はn/2となる。また、ノズル51と中間転写ドラム32との間の距離(スローディスタンス)をdとする。
【0069】
このとき、ノズル51から吐出されたインク液滴は入射角θで中間転写ドラム32の表面に着弾し、その一部が入射角θに対して対称な角度をもって跳ね返り、液受け部64にトラップされるものとする。すると図6よりわかるように、傾斜角θは、θ=arctan(n/2d)で表される。
【0070】
次にキャップ30について説明する。前に述べたように、キャップ30は印字ヘッド50の側面に対して密着して周囲を囲むように印字ヘッド50に取り付けられている。
【0071】
図7(a)に、印字ヘッド50にキャップ30を取り付けた様子を斜視図で示し、その7B−7B’線に沿った断面図を図7(b)に示す。
【0072】
図7(a)に示すように、キャップ30は印字ヘッド50の周囲を囲む四角い枠状の部材であり、印字ヘッド50の側面にぴったり密着して印字ヘッド50の側面に沿って上下に移動可能なように設置されている。インク吸引時には、中間転写ドラム32の側面に設けられた吸引部34が印字ヘッド50の下に位置するところまで中間転写ドラム32が回転したところで、キャップ30が下方へ移動し、キャップ30の下部が中間転写ドラム32の側面に密着するようになっている。
【0073】
そのため、キャップ30の下部は、中間転写ドラム32の周方向において、その側面の湾曲に合わせて湾曲した形状となっている。このように、キャップ30は、インク吸引時において、印字ヘッド50の側面及び中間転写ドラム32の側面(周面)と密着する必要があるため、ゴム等の柔軟部材で形成される。
【0074】
図7(b)は、インク吸引時の様子を示すものである。図7(b)に示すように、インク吸引時には、キャップ30が下方(中間転写ドラム32の側面側)に移動して、キャップ30の下部が中間転写ドラム32の側面に密着して、吸引部34をその中に含み、吸引部34と印字ヘッド50のノズル面50Aとの間の空間を密閉する。この状態で、吸引部34と連通する図示を省略するポンプを駆動して印字ヘッド50内のインクを吸引部34内へ吸引する。更に、リブ34aで分離された吸引部34bを通して吸引溝66に集めたインクも吸引される
なお、リブ34aは可動式でもよく、図7(c)に示す例では、リブ34cが吸引部34の一部に中間転写ドラム32の軸方向に沿ってキャップ30の長手方向に対応する長さを有し、軸34dの回りに回動可能に取り付けられている。リブ34cが印字ヘッド50のノズル面Aに当接するので吸引溝66に集められたインクがより確実に吸引できる。図7(d)は、吸引パッド34eを軸34fの回りに回動可能に取り付けた例で、吸引パッド34eは中間転写ドラム32の軸方向に多数形成された吸引穴34gを有し、さらに軸34fも中空に形成され吸引ポンプ(図示省略)に連結するようになっており、吸引溝66に集められたインクの吸引がが効果的に行える。
【0075】
次に、ワイパー36について説明する。図8(a)に、中間転写ドラム32に設けられたワイパー36の斜視図を示す。
【0076】
図8(a)に示す例では、ワイパー36は、吸引部34の中に中間転写ドラム32の軸方向に沿って、印字ヘッド50(図示省略)の長手方向に対応する長さを有し、軸36aの回りに回転可能に取り付けられている。
【0077】
図8(b) は、ワイパー36の駆動時(ワイピング時)の様子を示す側断面図である。図8(b)に示すように、ワイパー36は、例えば断面が卵型の形状をしており、その一方の端に寄った側に軸36aが配置されている。ワイピング時には、ワイパー36は、軸36aの回りに図に矢印で示すように回転し、他方の端が印字ヘッド50のノズル面50Aに当接する。そして、中間転写ドラム32が図に矢印で示す方向に回転するのにともない、図5に矢印で示したワイピング方向に沿ってノズル面50A上に付着したインク35等を掻き落すようになっている。
【0078】
このとき、ワイピング方向は、図5に示すように液受け部64の溝の方向に沿っており、液受け部64にトラップされたインクが吸引溝66側に集められるようになっている。
【0079】
このように、ワイパー36は、印字ヘッド50のノズル面50Aに接しながら移動してインク35を掻き落すため、ノズル面50Aへの密着度を上げるため、少なくともワイパー36のノズル面50Aへの接触部分は、ゴム等の柔軟部材で構成されていることが好ましい。
【0080】
なお、ワイパー36の取り付け位置は、このように吸引部34の中に限定されるものではない。吸引部34の中にワイパー36を取り付けることにより、インク吸引時に邪魔になるような場合には、図8(c)に示すように、吸引部34とは別に、特にワイパー36を設置するための空隙部37を設けるようにしてもよい。この場合には、空隙部37と吸引部34とを連通する通路37aを設けて、ワイパー36が掻き落したインクを吸引部34に流して回収するようにすることが好ましい。
【0081】
また、吸引部34の構成はこのようなものに限定されるものではなく、例えば、図9(a)に示すように、吸引部34内に、ワイパー36の他に、軸34dの回りに回動可能なリブ34cを設けて、リブ34cで分離された吸引部34bから印字ヘッド50のノズル面50Aに形成された吸引溝66に集められたインクを吸引するようにしてもよい。
【0082】
あるいは、図9(b)に示すように、吸引部34内にワイパー36の他に、軸34fの回りに回動可能な吸引パッド34eを設け、吸引パッド34eには吸引穴34gを設けて、ここからポンプでインクを吸引するようにしてもよい。
【0083】
次に傾斜したノズルの形成方法について説明する。
【0084】
まず一つのノズル孔を形成する単穴加工の場合について説明する。
【0085】
図10に、印字ヘッド50に一つのノズル孔を形成する様子を示す。図10(a)は斜視図であり、図10(b)は正面図である。
【0086】
印字ヘッド50を形成するには、まずノズル面50Aを構成するノズルプレートにポリイミドの撥液膜を塗布して、液受け部64をレーザ、サンドブラストによりマスク形成し、これに積層流路を貼り合わせる。
【0087】
図10(a)に示すように、積層流路が貼り合わされた印字ヘッド50を治具ドラム72に装着して、レーザによるノズル加工を行う。治具ドラム72の軸に平行に導入されたレーザ光を反射鏡74で反射して印字ヘッド50の内側のノズルプレートに当ててノズル孔を加工する。
【0088】
図10(b)に正面図を示すように、印字ヘッド50の最も内側に形成されたノズルプレートに対して、反射鏡74の角度を調整して、レーザ光をノズルプレートに任意の角度θで当てて、印字ヘッド50の長手方向(主走査方向)に対して所定の傾きを有するノズル孔を形成することができる。
【0089】
また、図11に示すように、これと同じ原理で、複数のビームスプリッタ(ハーフミラー)76をレーザ光の光路上に配置することにより、一度に複数の傾斜ノズルを加工することができる。
【0090】
また他のノズル形成方法を図12に示す。図12(a)は正面図であり、図12(b)は側面図である。
【0091】
図12(a)に示すように、治具ドラム72の外周に装着された印字ヘッド50に対して、治具ドラム72の軸方向から導入されたレーザ光を反射鏡74で反射した後、図12(b)に示すように、回折格子78によってレーザ光を治具ドラム72の周方向に分散させる。これにより、図12(b)に示すように、治具ドラム72の外周に沿って湾曲した印字ヘッド50の短手方向に、分散された複数のレーザ光で同時に複数のノズル孔を形成することができる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、印字ヘッドから吐出されたインクが被吐出媒体(中間転写ドラム)に対して一様に傾斜して着弾するようにノズルを斜めに形成するとともに、ノズル間に被吐出媒体からのインクの跳ね返りをトラップする部位を形成するようにしたため、ノズルへのインクの跳ね返りを防止することができ、吐出したインクの飛翔曲がりや不吐出などの不具合を低減することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態のように、回転ドラムとこれに対応した湾曲を有するヘッドを用い、ヘッドと被吐出媒体とのクリアランスを狭くしたシステムでは跳ね返りの影響を受け易いため、本実施形態の方法は特に有効である。
【0094】
なお、上述した実施形態では、中間転写ドラムとこの外周に対応する湾曲形状をしたノズル面を有する印字ヘッドを用いた例で説明したが、本発明はこのようなシステムへの適用に限定されるものではなく、平面状の記録媒体に対して平面状のノズル面を有する印字ヘッドからインクを吐出するようなシステムに対しても好適に適用することができるのはもちろんである。
【0095】
また、上記実施形態では、一つの中間転写ドラムに対して4色のインクに対応する各印字ヘッドを配置して、一度に転写画像を形成して画像を転写するようにしていたが、各色のインクに対応する印字ヘッド毎に中間転写ドラムを配置して、1色ずつ転写するようにしたタンデム型のシステムに対しても、本発明は好適に適用可能である。
【0096】
また、ノズルから吐出されたインクが着弾する方向を、印字ヘッドの長手方向(主走査方向)すなわち被吐出媒体の幅方向に傾斜させることにより、被記録媒体の移動により気流が乱れて移動方向(搬送方向)の跳ね返り位置がばらついても周辺ノズルへの跳ね返りの付着を防止することができる。
【0097】
また、傾斜したノズルの形成は、レーザの傾斜照射によって実現することができ、これにより、傾斜ノズルを精度良く効率的に形成することが可能となる。
【0098】
また、ノズル間に被吐出媒体からのインク跳ね返りをトラップする部位を形成し、この液受け部は非撥水性または窪みとすることにより、跳ね返りのトラップを確実に行うことができる。
【0099】
また、2次元マトリクス型ヘッドの液受け部をノズルの列に沿って印字ヘッドの短手方向(被吐出媒体の搬送方向)に延びる溝状に形成し、溝の搬送方向下流側終端は印字ヘッド長手方向に延びる吸引溝と接続するようにして、この吸引溝には吸引手段を配置したため、搬送方向のワイピングによりトラップされたインクの除去を確実に行うことができる。
【0100】
また、2次元マトリクス型ヘッドのノズルプレートを略円筒形状の一部となるように形成し、記録媒体を回転ドラムに巻付ける型や、中間転写ドラムを用いる型などの記録システムとし、印字ヘッドに被記録媒体との突き当て部を設けて、印字ヘッドを被記録媒体に対して一定のクリアランスを持って、弾性体などで回動自在に保持するようにしたため、着弾距離を略一定に保つことができ、着弾位置や跳ね返り位置が安定し、画質向上及び跳ね返りインクの確実なトラップが可能となる。また、ヘッドのセルフアライメントが可能なため、マトリクス型ヘッドで生じ易いノズル配列の折り返しムラを防止することも可能となる。
【0101】
以上、本発明の液滴吐出ヘッド及び画像形成装置について詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に係る液滴吐出ヘッドを有する画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。
【図2】一つの印字ヘッドと中間転写ドラムとの位置関係を示す斜視図である。
【図3】印字ヘッドから中間転写ドラム上にインク液滴を吐出する様子を示す説明図である。
【図4】図2の印字ヘッドを図の矢印方向から見た平面透視図である。
【図5】印字ヘッドをノズル面側から見た斜視図である。
【図6】図5中の6A−6A’線に沿った断面図である。
【図7】(a)は印字ヘッドにキャップを取り付けた様子を示す斜視図であり、(b)はその7B−7B’線に沿った断面図であり、(c)は他の吸引部の構成を示す断面図であり、(d)は更に他の吸引部の構成を示す断面図である。
【図8】(a)はワイパーを示す斜視図であり、(b)はその断面図であり、(c)は他のワイパーを示す断面図である。
【図9】(a)は他の吸引部を示す断面図であり、(b)は更に他の吸引部の構成を示す断面図である。
【図10】傾斜ノズルを形成する様子を示す説明図であり(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図11】他のノズル形成方法を示す正面図である。
【図12】さらに他のノズル形成方法を示す説明図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0103】
10…インクジェット記録装置、16…記録紙、18…給紙部、20…デカール処理部、24…打滴検出センサ、26…排紙部、28…カッター、30…キャップ、32…中間転写ドラム、34…吸引部、36…ワイパー、38…搬送ローラ、40…吸引ローラ、42…吸引除去ローラ、50…印字ヘッド、50A…ノズル面、51…ノズル、52…圧力室、53…インク供給口、54…圧力室ユニット、60…ベアリング、62…弾性体与圧付与手段、64…液受け部、66…吸引溝、70…キャップ、72…治具ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出ヘッドに対して相対的に移動される被吐出媒体に向けて液滴を吐出するノズルが複数形成されるノズルプレートの法線方向に対して少なくともその一部が所定の角度だけ傾斜するようにノズル孔が形成されたノズルと、
前記ノズル間に設けられ、少なくともその一部には前記被吐出媒体に向けて吐出した液滴の前記被吐出媒体からの跳ね返り液をトラップする液受け部と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
前記ノズル孔は、少なくとも前記被吐出媒体の相対的移動方向と略直交する主走査方向に所定の角度だけ傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
前記液受け部は、親液性または窪み構造を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
その表面に被記録媒体を巻き付けて回転する回転ドラムまたは中間転写ドラムと、
請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドの長手方向を前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの軸方向に平行に配置し、前記液滴吐出ヘッドのノズルプレートが前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの外周面の曲率に対応する略湾曲形状を有するようにした液滴吐出ヘッドと、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記ノズルプレートに形成される液受け部は、前記回転ドラムまたは中間転写ドラムの略周方向に延びる溝形状を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の画像形成装置であって、さらに、前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルプレートと前記回転ドラムあるいは中間転写ドラムの外周面との距離が略一定となるように、前記液滴吐出ヘッドを前記回転ドラムまたは中間転写ドラムに対して保持する突き当て手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記ノズル孔は少なくともその一部がインク吐出側からレーザが加工したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−83446(P2007−83446A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−272386(P2005−272386)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】