説明

液滴噴射装置及びその製造方法

【課題】ヘッドユニットの配置密度を高めることで小型化する。
【解決手段】ライン型のインクジェットプリンタは、複数のヘッドユニット2が主走査方向に沿って2列に千鳥状に配列された状態でハウジング6に支持されて構成されたライン型のインクジェットヘッド3を有している。ヘッドユニット2は、インク流路が形成された流路ユニットと、流路ユニットのノズルからインクを噴射させる圧電アクチュエータと、流路ユニットを補強する補強板80とを有している。補強板80には、幅狭部87と幅広部88とが主走査方向に沿って並べて設けられており、各ヘッドユニット2の補強板80の幅狭部87の搬送方向端面に、隣接列のヘッドユニット2の補強板80の搬送方向端面が接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドユニットに形成されたノズルから液滴を噴射する液滴噴射装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体にインクを噴射して記録するインクジェットヘッドとして、特許文献1には、インクを噴射するノズルが形成された流路ユニットと、流路ユニットの上面に積層された圧電アクチュエータとを有するインクジェットヘッドについて記載されている。インクジェットヘッドは、剛性が弱いと、流路ユニットの撓みによって、ノズルからのインクの噴射方向がずれてしまったりして所望の噴射特性を得られないことがある。そこで、このようなインクジェットヘッドに、剛性を高めるために、インクジェットヘッドよりも十分に厚みのある補強部材が設けられ、これらよりヘッドユニットを構成することが多い。このとき、このヘッドユニットの補強部材は、インクジェットヘッドの全周に亘って設けられ、さらにインクジェットヘッドから張り出して、ハウジングなどに強固に固定されることが好ましい。
【0003】
本発明者らは、歩留まり向上のために、このようなヘッドユニットを複数用いて、ライン型のインクジェットヘッドを構成することを検討している。このとき、ノズル間隔が等間隔になった一方向に長いノズル列を実現しようとするとすると、ヘッドユニットを一方向に沿って千鳥状に並べて配置することが考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−349568号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ヘッドユニットを一方向に沿って千鳥状に並べてしまうと、隣接する補強部材の張り出した部分同士が一方向に直交する方向に関して緩衝してしまい、装置が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ヘッドユニットの配置密度を高めることで小型化した液滴噴射装置及びこれの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の液滴噴射装置は、複数のヘッドユニットが、所定の一方向に少なくとも2列に配列されるとともに前記2列に属するヘッドユニット同士が前記一方向に関して部分的に重なるようにずれて、千鳥状に配列された、ライン型の液滴噴射装置であって、各々のヘッドユニットは、前記一方向に関して等間隔に配列された複数のノズルを含む液体流路が形成された第1流路構造体と、前記第1流路構造体に、少なくとも、前記複数のノズルが開口する液滴噴射面と平行で且つ前記一方向と直交する幅方向に関する両縁部から、前記第1流路構造体に対して前記幅方向に張り出すように設けられた補強部材とを有し、さらに、各ヘッドユニットの前記補強部材に、その前記一方向に関する端部に位置する幅狭部と、この幅狭部よりも前記幅方向長さが大きい幅広部とが、前記一方向に並べて設けられ、各ヘッドユニットの補強部材の前記幅狭部の前記幅方向端面に、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面が最も近接するように、前記複数のヘッドユニットが配列される。つまり、各ヘッドユニットの補強部材の前記幅狭部の前記幅方向端面が、当該幅狭部を除く各ヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面よりも、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面に最も近接している。
【0008】
本発明の液滴噴射装置によると、複数のヘッドユニットを千鳥状に配列してライン型のヘッドを構成することで、噴射不良のノズルが発生しても、そのノズルが属するヘッドユニットだけを交換すればよく、歩留まりが向上する。但し、各々のヘッドユニットには、剛性を高めるための補強部材が流路構造体から幅方向に張り出すように設けられており、複数のヘッドユニットを幅方向に高密度に配置することを妨げる要因となる。しかしながら、補強部材の張り出し量を小さくすると剛性が不足する。そこで、本発明の液滴噴射装置では、補強部材のノズル配列方向一端部に幅狭部を設けるとともに、その他の部分には幅狭部よりも幅の大きい幅広部を設け、幅狭部に別の補強部材が最も近接するように複数のヘッドユニットを配設させるにことで、ヘッドユニットの幅方向の配置密度を高めることができ、装置を小型化することができる。
【0009】
また、前記補強部材は、前記幅方向に移動可能なキャリッジに搭載されて、前記キャリッジとともに前記幅方向に移動しながら液滴を噴射する、シリアル型の液滴噴射装置の第2流路構造体にも取付可能であることが好ましい。これによると、第1流路構造体と第2流路構造体とで取り付ける補強部材を兼用することができる。
【0010】
さらに、前記第1流路構造体と前記補強部材を有する前記ヘッドユニットが、前記キャリッジに搭載可能であり、前記第1流路構造体を前記第2流路構造体として使用可能に構成されていることが好ましい。これによると、各ヘッドユニットがそのままキャリッジに搭載されてシリアル型のヘッドとしても使用可能となる。
【0011】
加えて、前記第1流路構造体は、互いに独立した複数の液体供給流路にそれぞれ連通し、異なる種類の液体を噴射可能な、複数のノズル列を有することが好ましい。これによると、互いに独立した複数の液体供給流路(マニホールドなど)にそれぞれ連通する、複数のノズル列を有することから、複数のノズル列で異なる種類の液滴を噴射することができる。そのため、ライン型ヘッドを構成する個々のヘッドユニットを、単体で、複数種類の液滴を噴射可能なシリアル型ヘッドを構成するヘッドユニットとしても使用することができる。
【0012】
また、前記第1流路構造体の前記液滴噴射面とは反対側の面には、前記液体流路に液体を供給する液体供給口が開口しており、前記液体供給口は、前記一方向に関して前記幅狭部と重なるとともに、前記幅方向に関して前記液滴噴射面と重なる位置に設けられていることが好ましい。これによると、液体供給口はヘッドユニットを千鳥状に配置したときのデッドスペースに位置することになるため、装置を小型化することができる。
【0013】
さらに、前記第1流路構造体の前記液滴噴射面と、前記補強部材の前記幅広部とが、前記一方向に関して重なっていることが好ましい。これによると、第1流路構造体の液滴噴射面が設けられた、特に剛性確保が必要な部分に、補強部材の幅広部が一方向に関して重なって位置することで、ヘッドユニットを幅方向に高密度に配置しつつも、第1流路構造体を確実に補強することができる。
【0014】
加えて、各補強部材の、少なくとも前記幅狭部の前記幅方向端面が、前記一方向に平行であり、その幅方向端面が、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面と接していることが好ましい。ノズル配列方向に関するヘッドユニットの位置が、正しい位置からずれていると、隣接する両ヘッドユニットの間におけるノズル間隔が本来のノズル間隔からずれてしまう。これによると、補強部材の、別の補強部材と接する幅狭部の幅方向端面がノズル配列方向と平行なので、隣接するヘッドユニットのノズル配列方向に関する位置関係を調整することができる。
【0015】
また、前記幅狭部と前記幅広部の間の境界部が鈍角形状であることが好ましい。これによると、プレス加工などの簡易な方法で容易に成形することができる。
【0016】
さらに、各補強部材が、隣接する別の補強部材と、前記幅狭部の前記幅方向端面を含む屈曲形状の端面で接した状態で、接着剤により接合されていることが好ましい。これによると、直線的な端面のみで接合されるよりも、屈曲状の端面で接合される方が、接合力が高まる。
【0017】
本発明の液滴噴射装置の製造方法は、一方向に関して等間隔に配列された複数のノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に、少なくとも、前記複数のノズルが開口する液滴噴射面と平行で且つ前記一方向と直交する幅方向に関する両縁部から、前記幅方向に張り出すように設けられる補強部材とを有する、ヘッドユニットを製造するヘッドユニット製造工程と、複数の前記ヘッドユニットを、前記一方向に少なくとも2列に配列するとともに前記2列に属するヘッドユニット同士が前記一方向に関して部分的に重なるようにずらし、千鳥状配列に組み付ける組付工程と、を備え、前記ヘッドユニット製造工程において、前記補強部材に、その前記一方向に関する端部に位置する幅狭部と、この幅狭部よりも前記幅方向長さが大きい幅広部とを、前記一方向に並べて設け、前記組付工程において、各ヘッドユニットの前記補強部材の前記幅狭部に、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面が接するようにしながら、前記複数のヘッドユニットを千鳥状配列に組み付ける。
【0018】
本発明の液滴噴射装置の製造方法によると、補強部材のノズル配列方向一端部に幅狭部を設けるとともに、その他の部分には幅狭部よりも幅の大きい幅広部を設け、幅狭部と別の補強部材が接するようにすることで、剛性を確保しつつ、ヘッドユニットの幅方向の配置密度を高めることができる。
【0019】
また、前記流路構造体の前記ノズルの液滴噴射性能が正常か否かを検査する検査工程をさらに備え、前記ヘッドユニット製造工程において、前記流路構造体に前記補強部材が設けられた後に、前記検査工程を行い、前記検査工程において液滴噴射性能が正常であると判定された前記ヘッドユニットを、前記組付工程で組み付けることが好ましい。このように、製造されたヘッドユニットの液滴噴射性能が正常であるか検査を行ってから、正常なヘッドユニットのみを組み付けることで工程短縮することができる。さらに、流路構造体に補強部材が取り付けられ、剛性が保たれた状態で検査を行うことで、液滴噴射性能を正しく判定することができる。
【発明の効果】
【0020】
補強部材のノズル配列方向一端部に幅狭部を設けるとともに、その他の部分には幅狭部よりも幅の大きい幅広部を設け、幅狭部と別の補強部材が接するようにすることで、剛性を確保しつつ、ヘッドユニットの幅方向の配置密度を高めることができ、装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明の好適な一実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。本実施形態におけるインクジェットプリンタは、シリアル型のインクジェットヘッドにも使用可能なヘッドユニットを複数用いて構成したライン型のインクジェットヘッドを用いたプリンタである。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1(液滴噴射装置)は、図1の左右方向(主走査方向)に延在して、記録用紙Pに対してインクを噴射するライン型のインクジェットヘッド3と、記録用紙Pを図1の前方(搬送方向:副走査方向)へ搬送する搬送ローラ5とを有している。このインクジェットプリンタ1は、インクジェットヘッド3から記録用紙Pへインクを噴射させ、同時に、搬送ローラ5により記録用紙Pを前方へ搬送させることで、記録用紙Pに所望の画像や文字などを記録するように構成されている。
【0022】
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は、インクジェットヘッドを上方から見たときの平面図である。図3は、インクジェットヘッドを下方から見たときの平面図である。図4は、ヘッドユニットの平面図である。図5は、図4の部分拡大図である。図6は、図4のA−A線断面図である。図7は、図5のB−B線断面図である。但し、図面をわかりやすくするため、図2においては図4で示されている圧力室14及び貫通孔15、16、19の図示を省略している。
【0023】
図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド3は、主走査方向に沿って千鳥状に2列に配列された複数のヘッドユニット2と、複数のヘッドユニット2を支持するハウジング6とを有している。
【0024】
ハウジング6は、搬送ローラ5によって搬送される記録用紙Pと複数のヘッドユニット2のインク噴射面7(液滴噴射面)とが平行になるようにして、プリンタの筐体に固定されている。また、ハウジング6には、複数のヘッドユニット2の配置位置に対応して複数の開口6aが形成されており、この開口6a内にヘッドユニット2の後述する流路ユニット4が収容されており、ハウジング6の下面とインク噴射面7とは同一平面上に位置している。
【0025】
図4〜図7に示すように、各々のヘッドユニット2は、ノズル20及び圧力室14を含む個別インク流路22(液体流路)が形成された流路ユニット4(第1流路構造体)と、圧力室14内のインクに圧力を付与することにより、流路ユニット4のノズル20からインクを噴射させる圧電アクチュエータ5と、流路ユニット4を補強する補強板80とを有している。
【0026】
まず、流路ユニット4について説明する。図4〜図7に示すように、流路ユニット4は、ステンレス鋼などの金属材料で形成された、キャビティプレート10、ベースプレート11、及び、マニホールドプレート12、並びに、絶縁材料(例えば、ポリイミドなどの高分子合成樹脂材料)で形成されたノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13は積層状態で接合されている。
【0027】
ノズルプレート13には、複数の貫通状のノズル20が形成されている。複数のノズル20は、主走査方向(図4の上下方向)に沿って配列されてノズル列21を構成しており、このようなノズル列21が搬送方向に4本並べて配置されている。これら4本のノズル列21に属するノズル20からは、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のインクがそれぞれ噴射される。この複数のノズル20が形成されたノズルプレート13の下面がインク噴射面7となっている。
【0028】
キャビティプレート10には、複数のノズル20に対応して複数の圧力室14が形成されている。各圧力室14は、搬送方向を長手方向とする略楕円形状を有し、平面視で圧力室14の一方の端部がノズル20と重なるように配置されている。また、ベースプレート11には、平面視で圧力室14の長手方向の両端部に重なる位置に、それぞれ貫通孔15、16が形成されている。
【0029】
マニホールドプレート12には、4本のノズル列21にそれぞれ対応する4本のマニホールド流路17が形成されている。各マニホールド流路17は、対応するノズル列21のノズル20から搬送方向に関して離れた位置において主走査方向に延在し、さらに、平面視で、対応する圧力室14の略半分と重なっている。また、図4に示すように、4本のマニホールド流路17の一端部(図4における下端部)は、最上層のキャビティプレート10に形成された4つのインク供給口18にそれぞれ連通している。これら4つのインク供給口18は、図示しない4つのインクタンクとそれぞれ接続されており、インクタンク内のインクがインク供給口18からマニホールド流路17に供給される。また、マニホールドプレート12には、平面視で、ベースプレート11の貫通孔16とノズルプレート13のノズル20の両方と重なる位置に貫通孔19が形成されている。
【0030】
そして、図6及び図7に示すように、流路ユニット4において、インク供給口18に連なるマニホールド流路17が貫通孔15を介して圧力室14に連通し、圧力室14はさらに貫通孔16、19を介してノズル20に連通している。つまり、流路ユニット4には、マニホールド流路17の出口から圧力室14を経てノズル20に至る、互いに独立した複数の個別インク流路22が形成されている。
【0031】
次に、圧電アクチュエータ5について説明する。圧電アクチュエータ5は、振動板34、圧電層31及び複数の個別電極32を有している。振動板34は、金属材料などの導電性材料からなり、複数の圧力室14を覆うようにキャビティプレート10の上面に接合されている。また、導電性を有する振動板34は、後述するように圧電層31の複数の個別電極32との間に配置された部分に電界を作用させるための共通電極を兼ねており、図示しない位置でグランド配線に接続されて常にグランド電位に保持されている。
【0032】
圧電層31は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であり、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなり、振動板34の上面に複数の圧力室14に跨って連続的に配置されている。また、圧電層31は、あらかじめその厚み方向に分極されている。
【0033】
複数の個別電極32は、圧電層31の上面に複数の圧力室14に対応して設けられている。個別電極32は、圧力室14よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、平面視で、圧力室14の略中央部に重なる位置に配置されている。また、個別電極32の長手方向における一端部(図5の右端部)は、平面視で圧力室14と重ならない位置まで左方に延びており、その先端部が接点35となっている。接点35には、フレキシブルプリント基板54(FPC)の一端が接続されている(図6参照)。FPC54の他端は、図示しない駆動回路と接続されている。この駆動回路は、FPC54を介して、個別電極32に対して、所定の駆動電位またはグランド電位のいずれか一方の電位を選択的に付与する。
【0034】
以上の構成を有する圧電アクチュエータ5の作用について説明する。インクに圧力を付与しないとき(ノズル20からインクの液滴を噴射させないとき)には、複数の個別電極32の電位は、あらかじめグランド電位に保持されている。その状態から、FPC54を介して複数の個別電極32のいずれかに所定の駆動電位が付与されると、駆動電位が付与された個別電極32とグランド電位に保持されていた共通電極としての振動板34との間に電位差が生じ、圧電層31の個別電極32と振動板34とに挟まれた部分に厚み方向の電界が発生する。ここで、圧電層31の分極方向が電界方向と同じである場合には、圧電層31は厚み方向に延びて面方向に収縮する。そして、この圧電層31の収縮変形に伴って、振動板34の圧力室14と対向する部分が圧力室14側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室14の容積が減少することになるから、その内部のインクの圧力が上昇し、圧力室14に連通するノズル20からインクの液滴が噴射される。
【0035】
次に、補強板80について説明する。図4及び図6に示すように、補強板80は、ステンレス鋼などの金属材料で形成されており、流路ユニット4よりも十分に厚く剛性が高くなっている。また、補強板80は、平面視で、流路ユニット4の外形よりも大きな略矩形状をしている。補強板80の中央部には、平面視で、圧電アクチュエータ5の外形よりひと回り大きい、圧電アクチュエータ5を収容する矩形状の開口81が形成されている。また、補強板80の一端部(図4の下端部)の、平面視で、流路ユニット4の4つのインク供給口18と重なる位置には、4つの開口82が形成されている。この補強板80は、インク噴射面7と平行で、且つ、開口81に圧電アクチュエータ5を収容した状態で、キャビティプレート10の上面に接合されている。この補強板80は、流路ユニット4が撓んだりして、ノズル20からのインクの噴射方向がずれたりしないように、流路ユニット4を補強する役割を持つ。
【0036】
また、補強板80の4つの角は、主走査方向に対して0度より大きく90度より小さい角度(本実施形態においては、45度)だけ傾いて面取りされて、斜辺83a〜83dを形成している。補強板80の主走査方向中央部の幅方向(図4の左右方向:搬送方向)に関する両端からは、外側に台形状の凸部84、85が張り出している。この凸部84、85の斜辺84a、84b、85a、85bは、主走査方向に対して0度より大きく90度より小さい角度(本実施形態においては、45度)だけ傾いた鈍角形状となっている。つまり、斜辺83a、83c、84a、85bがともに平行となっており、斜辺83b、83d、84b、85aがともに平行となっている。また、主走査方向に沿った辺86a〜86fは、主走査方向(ノズル20の配列方向)と平行になっている。
【0037】
この補強板80の形状において、補強板80の主走査方向に関する両端部は、凸部84、85が張り出していないため、幅狭部87となっている。また、補強板80の主走査方向に関する中央部は、凸部84、85が張り出しているため、幅狭部87よりも幅方向長さが大きい幅広部88となっており、この幅広部88は、主走査方向に関してインク噴射面7と重なる位置となっている。つまり、幅狭部87及び幅広部88は、主走査方向に沿って、幅狭部87、幅広部88、幅狭部87の順に一列に設けられている。この幅狭部87と幅広部88を形成するための境界部の形状(本実施形態では、一例として辺86aから斜辺84aを介して辺86bに亘る形状)は鈍角形状となっているため、プレス加工などの簡易な方法で容易に成形することができる。また、製造時において幅広部88が形成されていることで、補強板80の幅広部88を持って持ち運びしやすい。
【0038】
上述したような補強板80に流路ユニット4及び圧電アクチュエータ5は取り付けられて、ヘッドユニット2を構成している。そして、複数のヘッドユニット2は、図2に示すように、インク供給口18が図2の下方に位置し、ノズル列方向が主走査方向と平行となるようにして、ハウジング6の複数の開口6aに流路ユニット4が収容され、補強板80の下面がハウジング6の上面に接合されて、ハウジング6に固定されている。
【0039】
このとき、図2に示すように、異なる列に属し、隣接する2つの補強板80は、幅狭部87の搬送方向端面同士が接している。より詳細には、図2の左方の列に属する補強板80の斜辺83c、85b及び辺86fを形成する端面と、図2の右方の列に属する補強板80の斜辺83a、84a及び辺86aを形成する端面とが接している。また、図2の左方の列に属する補強板80の斜辺83d、85a及び辺86dを形成する端面と、図2の右方の列に属する補強板80の斜辺83b、84b及び辺86cを形成する端面とが接している。
【0040】
なお、この接触している2つの補強板80の端面間には、補強板80の主走査方向の位置合わせをするための微小な調整しろとなる間隙が形成されている。この調整しろによって、1つのヘッドユニット2において、主走査方向に関して隣接するノズル20のノズル間隔と、隣接するヘッドユニット2の主走査方向に関して最も近い位置にあるノズル20同士のノズル間隔とが等間隔になるように、補強板80の主走査方向の位置を調整する。つまり、千鳥状の複数のヘッドユニット2の集まりを1つのライン型のインクジェットヘッド3として見たときに、主走査方向に関して隣接するノズル20が互いに等間隔で配置される。このとき、補強板80の、隣接する補強板80と接する幅狭部87の辺86a、86c、86d、86fがノズル配列方向と平行なので、補強板80の搬送方向の位置ずれなしに、主走査方向の位置のみ調整することができる。そして、それぞれの補強板80が主走査方向の位置を調整された状態で、この間隙に光(紫外線)硬化性樹脂からなる接着剤が注入されることで、隣接する2つの補強板80がそれぞれ固定される。
【0041】
このとき、各補強板80が、隣接する別の補強板80と、幅狭部87のノズル配列方向に沿った辺と45度傾いた斜辺とから形成された屈曲形状の端面で接した状態で、接着剤により接合されていることから、直線的な端面のみで接合されるよりも、接合力が高まる。
【0042】
上述したインクジェットプリンタ1によると、複数のヘッドユニット2を千鳥状に配列して、ライン型のインクジェットヘッド3を構成しているため、噴射不良のノズル20が発生しても、そのノズル20が属するヘッドユニット2だけを交換すればよく、歩留まりが向上する。但し、各々のヘッドユニット2には、剛性を高めるための補強板80が流路ユニット4から搬送方向に張り出すように設けられており、複数のヘッドユニット2を搬送方向に高密度に配置することを妨げる要因となる。しかしながら、補強板80の張り出し量を小さくすると剛性が不足する。そこで、補強板80の主走査方向の両端部に幅狭部87を設けるとともに、その他の部分には幅狭部87よりも幅の大きい幅広部88を設け、幅狭部87と別の補強板80が接するようにすることで、剛性を保持しつつ、ヘッドユニット2の搬送方向の配置密度を高めることができ、プリンタを小型化することができる。
【0043】
また、流路ユニット4のインク噴射面7が設けられた、特に剛性確保が必要な部分に、補強板80の幅広部88が主走査方向に関して重なって位置することで、ヘッドユニット2を搬送方向に高密度に配置しつつも、流路ユニット4を確実に補強することができる。さらに、この幅広部88は、ヘッドユニット2を千鳥状に配置したときに形成されるデッドスペースに向かって張り出しているため、プリンタの小型化を阻害することはない。
【0044】
また、複数のインク供給口18は、主走査方向に関して幅狭部87と重なるとともに、搬送方向に関してインク噴射面7と重なる位置に設けられることで、これらのインク供給口18は、ヘッドユニット2を千鳥状に配置したときに形成されるデッドスペースに位置することになるため、プリンタを小型化することができる。
【0045】
なお、このヘッドユニット2は、複数のヘッドユニット2を組み合わせず、単体としてシリアル型のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタにも使用することができる。図8は、シリアル型のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタの概略構成図である。図8に示すように、インクジェットプリンタ100は、図8の左右方向(走査方向)に移動可能なキャリッジ102と、このキャリッジ102に設けられ、記録用紙Pに対してインクを噴射するシリアル型のインクジェットヘッド103と、記録用紙Pを図1の前方へ搬送する搬送ローラ105とを備えている。そして、このインクジェットプリンタ100は、キャリッジ102とともにインクジェットヘッド103を移動させつつ、インクジェットヘッド103のノズルから記録用紙Pへインクを噴射させ、同時に、搬送ローラ105により記録用紙Pを前方へ搬送させることで、記録用紙Pに所望の画像や文字などを記録するように構成されている。
【0046】
シリアル型のインクジェットヘッド103は、ハウジングを介してキャリッジ102に固定されている。このハウジングには、ヘッドユニット2に設けられた流路ユニット4のノズル列方向と搬送方向とが平行となるようにして、補強板80が取り付け可能となっている。つまり、ライン型のインクジェットヘッド3に設けられた流路ユニット4は、シリアル型のインクジェットヘッド103の流路ユニット4(第2流路構造体)としても使用することができる。これにより、ライン型のインクジェットヘッド3の流路ユニット4(第1流路構造)と、シリアル型のインクジェットヘッド103の流路ユニット4(第2流路構造体)とで取り付ける補強板80を兼用することができる。また、流路ユニット4には、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のインクがそれぞれ噴射可能な4本のノズル列21が形成されていることから、複数種類のインクを噴射可能なシリアル型のインクジェットヘッド103を構成するヘッドユニット2としても使用することができる。
【0047】
次に、インクジェットプリンタ1の製造方法について説明する。まず、流路ユニット4を構成するプレートのうちのキャビティプレート10、ベースプレート11、及びマニホールドプレート12に、圧力室14やマニホールド流路17などの個別インク流路22を構成する孔を形成する。これらのプレート10〜12は金属材料からなるため、エッチングにより個別インク流路22を構成する孔を容易に形成することができる。
【0048】
そして、振動板34、キャビティプレート10、ベースプレート11、及び、マニホールドプレート12の4枚の金属プレートを積層して接合する。この接合工程においては、例えば、積層したプレートを所定温度(例えば、1000℃)以上に加熱しながら加圧することにより、4枚のプレートを金属拡散接合により接合することができる。あるいは、4枚のプレートを耐熱性の高いセラミックス接着剤で接合してもよい。
【0049】
次に、振動板34の上面の、複数の圧力室14と対向する領域に跨って連続的に圧電層31を形成する。この圧電層31は、振動板34の上面に圧電材料の粒子を堆積させることにより形成する。例えば、粒子とキャリアガスとからなるエアロゾルを基材に噴射して粒子を堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)や、化学蒸着(CVD)法、スパッタ法等を用いることができる。あるいは、グリーンシートを焼成して得られた圧電シートを振動板34の上面に接着剤で貼り付けることにより圧電層31を形成してもよい。
【0050】
次に、圧電層31で覆われた振動板34の上面の、複数の圧力室14と対向する領域に、複数の個別電極32をそれぞれ形成する。また、同じく振動板34の上面に、複数の個別電極32からそれぞれ延びる図示しない複数の配線を形成する。なお、複数の個別電極32と複数の配線は、スクリーン印刷、蒸着法、スパッタ法などにより一度に形成することができる。
【0051】
続いて、合成樹脂製のノズルプレート13をマニホールドプレート12の下面に接着剤などにより接合して、インクジェットヘッド3の製造を完了する。そして、補強板80の開口81に圧電アクチュエータ5を収容して、キャビティプレート10の上面と補強板80の下面とを接着剤などで接合してヘッドユニット2を製造する(S1:ヘッドユニット製造工程)。なお、補強板80の開口81は、プレス加工などによって形成することができる。
【0052】
そして、この製造されたヘッドユニット2の流路ユニット4のノズル20からインクを噴射させてノズル詰まりによる噴射不良がないか、また、ノズル20から所望の噴射位置から所定の範囲内にインクが噴射されているかなどのインク噴射性能が正常か否かを検査する(S2:検査工程)。このように、流路ユニット4に補強板80が取り付けられ、剛性が保たれた状態で検査を行うことで、ノズル20からインクを噴射するときの圧力などによる流路ユニット4の撓みがなく、インク噴射性能を正しく判定することができる。
【0053】
次に、検査工程においてインク噴射性能が正常であると判定された複数のヘッドユニット2を、幅広部88と幅狭部87とが一方向に並ぶようにして、ハウジング6に千鳥状に形成された開口6aに流路ユニット4を収容して、一方向に2列に配列するとともに、2列に属するヘッドユニット2同士が一方向に関して部分的に重なるようにするとともに、ノズル間隔が等間隔となるようにしながら組み付けて、補強板80とハウジング6とを接着剤などで固定する(S3:組付工程)。そして、組み付けたヘッドユニット2同士の接している端面間に接着剤を注入し、ヘッドユニット2同士を接合する。その後、このように複数のヘッドユニット2がハウジング6に組み付けられて製造されたライン型のインクジェットヘッド3をインクジェットプリンタ1の筐体に取り付ける。
【0054】
上述したインクジェットプリンタ1の製造方法によると、補強板80のノズル配列方向一端部に幅狭部87を設けるとともに、その他の部分には幅狭部87よりも幅の大きい幅広部88を設け、幅狭部87と別の補強板80が接するようにすることで、剛性を確保しつつ、ヘッドユニット2の幅方向の配置密度を高めることができる。また、このように、製造されたヘッドユニット2のインク噴射性能が正常であるか検査を行ってから、正常なヘッドユニット2のみを組み付けることで工程短縮することができる。
【0055】
次に、上述した実施形態に種々の変形を加えた変更形態について説明する。上述した実施形態においては、図2に示すように、複数のヘッドユニット2は、ハウジング6に主走査方向に沿って2列に千鳥状に配列されていたが、図10に示すように、主走査方向に沿って4列に千鳥状に配列されてもよい。このとき、図10に示す左2列の複数のヘッドユニット2よりも、右2列の複数のヘッドユニット2は、調整しろによって、主走査方向に半ピッチずらして配列させる。これにより、解像度を2倍にすることができる。また、このように複数のヘッドユニット2の配列数が搬送方向に増えた場合には、本発明のように、搬送方向の配置密度を高めることはより小型化に効果的となる。
【0056】
また、補強板の形状は、隣接する補強板と接触する幅狭部と幅狭部よりも幅方向に長さが大きい幅広部が存在すれば、いかなる形状であってもよい。例えば、図11に示すように、角部が比較的大きく、面取りされたような形状、すなわち八角形であってもよい。つまり、補強板180の主走査方向に関して斜辺180aと重なる領域が、幅狭部187であり、それ以外の領域が幅広部188となっている。そして、隣接する補強板180の斜辺180aを形成する端面同士が接触する。このように、接触している端面には、主走査方向(ノズル配列方向)に沿った辺を形成する端面が存在していなくてもよい。
【0057】
また、図12に示すように、補強板280の主走査方向に関する一端部(図12の上端部)側が幅広部288であって、他端部(図12の下端部)側が幅狭部287であってもよい。この場合、幅広部288の主走査方向に沿った辺を形成する端面と、幅狭部287の主走査方向に沿った辺を形成する端面とが接触する。つまり、一方の補強部材の幅狭部の端面と他方の補強部材の幅狭部の端面が接触する形態に限らず、一方の補強部材の幅狭部の端面と他方の補強部材の幅広部の端面が接触してもよい。
【0058】
さらに、図13に示すように、補強板380の一つの角(図13の右下の角)に切り欠き380aが形成され、補強板380の切り欠き380aと主走査方向に関して重なる領域が幅狭部387であって、それ以外の領域が幅広部388であってもよい。この場合、隣接する補強板380のうち、一方の補強板380の角を形成する端面(幅広部388の端面)が、他方の補強板380の切り欠き380aを形成する端面(幅狭部387の端面)に接触する。
【0059】
加えて、本実施形態においては、補強板80、180、280、380の幅狭部87、187、287、387が、搬送方向において隣接する列の補強板80、180、280、380と、搬送方向端面同士が接するように構成されていたが、幅狭部87、187、287、387が、搬送方向において隣接する列の補強板に最も近接しているのであれば、必ずしも互いに接していなくてもよい。この形態の場合、1つのヘッドユニット2において、主走査方向に関して隣接するノズル20のノズル間隔と、隣接するヘッドユニット2の主走査方向に関して最も近い位置にあるノズル20同士のノズル間隔とを等間隔とするために、補強板80、180、280、380を主走査方向において位置調整する調整作業は容易には行えないが、ヘッドユニット2の搬送方向の配置密度を高めているので、プリンタの小型化は実現することができる。
【0060】
また、本実施形態においては、4色のインクによるカラー印刷が可能となるように、1つのヘッドユニット2の流路ユニット4に4本のノズル列21が形成されていたが、モノクロ印刷のように使用するインクがブラックのインクのみでよい場合には、1つのヘッドユニット2の流路ユニット4にブラックのインクが噴射可能な1本のノズル列21が形成されていればよい。
【0061】
また、本実施形態は、本発明を、記録用紙にインクを噴射して画像などを記録するインクジェットプリンタに適用したものであるが、本発明の適用対象は、このような用途に使用されるものに限られない。すなわち、インク以外の様々な種類の液体をその用途に応じて対象に噴射する、種々に液滴噴射装置に本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図2】インクジェットヘッドを上方から見たときの平面図である。
【図3】インクジェットヘッドを下方から見たときの平面図である。
【図4】ヘッドユニットの平面図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【図6】図4のA−A線断面図である。
【図7】図5のB−B線断面図である。
【図8】シリアル型のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタの概略構成図である。
【図9】インクジェットプリンタの製造に関する工程図である。
【図10】ヘッドユニットを4列配列したインクジェットヘッドを上方から見たときの平面図である。
【図11】八角形をした補強部材を有するインクジェットヘッドを上方から見たときの平面図である。
【図12】変形例におけるインクジェットヘッドを上方から見たときの平面図である。
【図13】変形例におけるヘッドユニットを上方から見たときの平面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 インクジェットプリンタ
2 ヘッドユニット
3、103 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
7 インク噴射面
20 ノズル
21 ノズル列
80、180、280、380 補強板
87、187、287、387 幅狭部
88、188、288、388 幅広部
102 キャリッジ
P 記録用紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヘッドユニットが、所定の一方向に少なくとも2列に配列されるとともに前記2列に属するヘッドユニット同士が前記一方向に関して部分的に重なるようにずれて、千鳥状に配列された、ライン型の液滴噴射装置であって、
各々のヘッドユニットは、
前記一方向に関して等間隔に配列された複数のノズルを含む液体流路が形成された第1流路構造体と、
前記第1流路構造体に、少なくとも、前記複数のノズルが開口する液滴噴射面と平行で且つ前記一方向と直交する幅方向に関する両縁部から、前記第1流路構造体に対して前記幅方向に張り出すように設けられた補強部材とを有し、
さらに、各ヘッドユニットの前記補強部材に、その前記一方向に関する端部に位置する幅狭部と、この幅狭部よりも前記幅方向長さが大きい幅広部とが、前記一方向に並べて設けられ、
各ヘッドユニットの補強部材の前記幅狭部の前記幅方向端面に、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面が最も近接するように、前記複数のヘッドユニットが配列されることを特徴とする液滴噴射装置。
【請求項2】
前記補強部材は、前記幅方向に移動可能なキャリッジに搭載されて、前記キャリッジとともに前記幅方向に移動しながら液滴を噴射する、シリアル型の液滴噴射装置の第2流路構造体にも取付可能であることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
【請求項3】
前記第1流路構造体と前記補強部材を有する前記ヘッドユニットが、前記キャリッジに搭載可能であり、前記第1流路構造体を前記第2流路構造体として使用可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
【請求項4】
前記第1流路構造体は、互いに独立した複数の液体供給流路にそれぞれ連通し、異なる種類の液体を噴射可能な、複数のノズル列を有することを特徴とする請求項3に記載の液滴噴射装置。
【請求項5】
前記第1流路構造体の前記液滴噴射面とは反対側の面には、前記液体流路に液体を供給する液体供給口が開口しており、
前記液体供給口は、前記一方向に関して前記幅狭部と重なるとともに、前記幅方向に関して前記液滴噴射面と重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液滴噴射装置。
【請求項6】
前記第1流路構造体の前記液滴噴射面と、前記補強部材の前記幅広部とが、前記一方向に関して重なっていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液滴噴射装置。
【請求項7】
各補強部材の、少なくとも前記幅狭部の前記幅方向端面が、前記一方向に平行であり、その幅方向端面が、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面と接していることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液滴噴射装置。
【請求項8】
前記幅狭部と前記幅広部の間の境界部が鈍角形状であることを特徴とする請求項7に記載の液滴噴射装置。
【請求項9】
各補強部材が、隣接する別の補強部材と、前記幅狭部の前記幅方向端面を含む屈曲形状の端面で接した状態で、接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液滴噴射装置。
【請求項10】
一方向に関して等間隔に配列された複数のノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に、少なくとも、前記複数のノズルが開口する液滴噴射面と平行で且つ前記一方向と直交する幅方向に関する両縁部から、前記幅方向に張り出すように設けられる補強部材とを有する、ヘッドユニットを製造するヘッドユニット製造工程と、
複数の前記ヘッドユニットを、前記一方向に少なくとも2列に配列するとともに前記2列に属するヘッドユニット同士が前記一方向に関して部分的に重なるようにずらし、千鳥状配列に組み付ける組付工程と、を備え、
前記ヘッドユニット製造工程において、前記補強部材に、その前記一方向に関する端部に位置する幅狭部と、この幅狭部よりも前記幅方向長さが大きい幅広部とを、前記一方向に並べて設け、
前記組付工程において、各ヘッドユニットの前記補強部材の前記幅狭部に、隣接列のヘッドユニットの補強部材の前記幅方向端面が接するようにしながら、前記複数のヘッドユニットを千鳥状配列に組み付けることを特徴とする液滴噴射装置の製造方法。
【請求項11】
前記流路構造体の前記ノズルの液滴噴射性能が正常か否かを検査する検査工程をさらに備え、
前記ヘッドユニット製造工程において、前記流路構造体に前記補強部材が設けられた後に、前記検査工程を行い、
前記検査工程において液滴噴射性能が正常であると判定された前記ヘッドユニットを、前記組付工程で組み付けることを特徴とする請求項10に記載の液滴噴射装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−241453(P2009−241453A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91652(P2008−91652)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】