説明

液状クリーニング組成物

本発明は、過酸素漂白剤、スルホン化アニオン性界面活性剤、及び両性/双性界面活性剤を含む液状クリーニング組成物に関するが、ここで、そのスルホン化アニオン性界面活性剤と両性/双性界面活性剤との比率が、(0.1:1)から(13:1)までである。スルホン化アニオン性界面活性剤と両性/双性界面活性剤とを組み合わせることによって、高い粘度及び改良されたクリーニング性能が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状クリーニング組成物を目的としている。そのような組成物は、各種のランドリー用途、例えば各種の布地をランドリー前処理又は全ランドリー洗い(whole laundry wash)をして、染みを除去し漂白性能を与えるため、又は硬表面若しくはカーペットのクリーナーとして使用するためには好適である。
【背景技術】
【0002】
布地を漂白し、表面処理をするための漂白剤含有組成物は、当該技術分野では周知である。液状の過酸素漂白剤含有組成物は、業界、特にランドリー用途では、ランドリー洗剤、ランドリー添加剤又はランドリー前処理剤として幅広く検討されてきた。他の方法として典型的な機械洗いでは除去するのが特に困難な、しみ込んだ染みや汚れ例えばグリース、コーヒー、茶、草汁、泥/粘土を含む汚れの除去を促すために、ランドリー用途においてそのような過酸素漂白剤含有組成物を使用することは、当該技術分野では公知のことである。
【0003】
公知の液状で水性の漂白性組成物は、汚れた布地を処理するのに使用すると、幾分かの漂白性能を与えはするが、例えば油脂性の染みを含めた各種の染みの染み除去性能に関してはさらなる改良の余地があり、さらには、各種の条件下、例えば前処理条件下(その液状組成物をニートで布地に適用して漂白し、その後で、その布地をすすぎ洗いをするか、又は水を用いて洗浄してからすすぎ洗いをする)における漂白性能に関してさらなる改良の余地がある。
【0004】
液状で水性の過酸素漂白剤含有組成物の染み除去性能を、単一の界面活性剤又は界面活性剤系を添加することによって改良することが可能であるのは、公知である。例えば、pHが7未満であり、過酸素漂白剤、スルホネート化アニオン性界面活性剤並びに、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤及びそれらの混合物からの第二の界面活性剤を含む液状の漂白性組成物が、国際公開第00/27971号パンフレットに開示されている。
【0005】
しかしながら、そのような液状の漂白性組成物の有用性には幾分かの限界がある。具体的には、その染み除去性能は、消費者にとってはまだ十分に満足のいくものではなく、典型的には、そのように組み合わせたものの粘度が低すぎるので、ポリマーのような増粘剤を添加してゲル様の粘稠度を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、その組成物が、良好な染み除去性能と、ポリマー系増粘剤を添加しなくてもゲル様の粘度とを有するような、液状の漂白性組成物を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
過酸素漂白剤並びにスルホネート化アニオン性界面活性剤及び両性/双性界面活性剤(両性/双性界面活性剤のスルホン化アニオン性界面活性剤に対する比率が約0.3より大である)を含む、液状の漂白性組成物を配合することによって、効率的にその目的を達成することが可能であることが見出された。本発明の液状の漂白性組成物は、ポリマー性又はその他の増粘剤をまったく添加しなくても、最高28,800センチポワズまでの粘度を示す。本発明の特定の界面活性剤の組合せによって、粘度上昇と染み除去性能向上のいずれもが得られることが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、同一の試験条件下における、両性及びスルホネートを含むサンプル14の配合物対市販のプレスポット処理剤の「プレスポット」洗浄力を示す図である。
【図2】図2は、実験室で合成した洗剤と市販の漂白剤とを組み合わせたものに対して、実験室で合成した洗剤と本発明による配合物とを組み合わせたものの洗浄力を比較した図である。
【図3】図3は、実験室で合成した洗剤に対して、実験室で合成した洗剤と本発明による配合物とを組み合わせたものの洗浄力を比較した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による組成物は、固体や気体ではなく、液状物として配合される。「液状物」には、ゲル及びペーストの形態も含まれる。
【0010】
本発明の好ましい組成物は、特に断らない限り、スピンドルNo.4を取り付けたBrookfield粘度計を用い20rpm、20℃で測定して、10cps以上、より好ましくは10cps〜50,000cps、さらにより好ましくは10cps〜3,000cpsの粘度を有する。本明細書においては、特に断らない限り、パーセントはすべて重量による。
【0011】
本発明の好ましい液状組成物は、水性であり、そのために、好ましくは水を含み、より好ましくは、重量で全組成物の60%〜99%、さらにより好ましくは70%〜98%、最も好ましくは80%〜97.5%の水を含む。
【0012】
本発明の液状組成物のpHは、1〜13の範囲とすることができるが、そのpHは、当業者に公知の各種の酸及び塩基によって調節すればよい。酸及び塩基の例としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、クエン酸、メチルスルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ性シリケート、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0013】
過酸素漂白剤
第一の必須要素として、本発明による組成物には、過酸素漂白剤又はそれらの混合物が含まれる。事実、過酸素漂白剤の存在は、前記組成物の優れた漂白のメリットに貢献している。本明細書において使用するのに適切な過酸素漂白剤は、以下のものからなる群から選択される:過酸化水素;水溶性の過酸化水素発生源;有機若しくは無機の過酸;ヒドロペルオキシド;ジアシルペルオキシド;及びそれらの混合物。
【0014】
本明細書において使用するとき、過酸化水素発生源とは、その化合物が水と接触したときに、ペルヒドロキシルイオンを生成する各種化合物を指している。本明細書において使用するのに適切な水溶性の過酸化水素発生源は、過炭酸塩、過ホウ酸塩、及び過ケイ酸塩、並びにそれらの混合物である。本明細書において使用するのに適切なジアシルペルオキシドとしては、脂肪族、芳香族及び脂肪族−芳香族のジアシルペルオキシド、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0015】
本明細書において使用するのに適切な脂肪族ジアシルペルオキシドは、ジラウロイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジミリストイルペルオキシド、又はそれらの混合物である。本明細書において使用するのに適切な芳香族ジアシルペルオキシドは、例えばベンゾイルペルオキシドである。本明細書において使用するのに適切な脂肪族−芳香族ジアシルペルオキシドは、例えばラウロイルベンゾイルペルオキシドである。そのようなジアシルペルオキシドは、ランドリー用途において使用したときに、優れた漂白性能を与えながらも、布地及び色に対して特に安全であるという利点を有している。
【0016】
本明細書において使用するのに適切な有機若しくは無機の過酸としては以下のものが挙げられる:過硫酸塩例えばモノ過硫酸塩;ペルオキシ酸例えば、ジペルオキシドデカン二酸(DPDA);過フタル酸マグネシウム;過酢酸、過ラウリン酸;過安息香酸及びアルキル過安息香酸;及びそれらの混合物。
【0017】
本明細書において使用するのに適切なヒドロペルオキシドとしては、以下のものが挙げられる:tert−ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ヒドロペルオキシド、ジ−イソプロピルベンゼン−モノヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド及び2,5−ジメチル−ヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、並びにそれらの混合物。そのようなヒドロペルオキシドは、ランドリー用途において使用したときに、優れた漂白性能を与えながらも、布地及び色に対して特に安全であるという利点を有している。
【0018】
本明細書における好ましい過酸素漂白剤は、以下のものからなる群から選択される:過酸化水素;水溶性の過酸化水素発生源;有機若しくは無機の過酸;ヒドロペルオキシド;及びジアシルペルオキシド;並びにそれらの混合物。本明細書におけるより好ましい過酸素漂白剤は、過酸化水素及びジアシルペルオキシド、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。本明細書におけるさらにより好ましい過酸素漂白剤は、過酸化水素、脂肪族ジアシルペルオキシド、芳香族ジアシルペルオキシド、及び脂肪族−芳香族ジアシルペルオキシド、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の0.01%〜20%、好ましくは0.3%〜15%、より好ましくは0.5%〜10%の、前記過酸素漂白剤又はそれらの混合物が含まれていてよい。
【0020】
スルホネート化アニオン性界面活性剤
第二の必須成分として、本発明による組成物には、スルホネート化アニオン性界面活性剤が含まれる。本明細書において使用するのに適切なスルホネート化アニオン性界面活性剤はいずれも、当業者には一般的に公知のものである。好ましくは、本明細書において使用するスルホネート化アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルアルコキシル化スルホネート、C6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖状若しくは分岐状のジフェニルオキシドジスルホネート、又はそれらの混合物が挙げられる。
【0021】
本明細書において使用するのに適切なアルキルスルホネートとしては、式RSO3Mの水溶性塩又は酸が挙げられるが、ここでRは、C6〜C20で、直鎖状若しくは分岐状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、より好ましくはC10〜C17アルキル基であり、Mは水素であるか、又はカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、及び四級アンモニウムカチオン例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペルジニウムカチオン、並びにアルキルアミン例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びそれらの混合物などから誘導された四級アンモニウムカチオン)である。
【0022】
本明細書において使用するのに適切なアルキルアリースルホネートとしては、式RSO3Mの水溶性塩又は酸が挙げられるが、ここでRは、C6〜C20で、直鎖状若しくは分岐状、飽和又は不飽和のアルキル基、好ましくはC8〜C18アルキル基、より好ましくはC10〜C17アルキル基によって置換されたアリール、好ましくはベンジルであり、Mは水素であるか、又はカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン、及び四級アンモニウムカチオン例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペルジニウムカチオン、並びにアルキルアミン例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、及びそれらの混合物などから誘導された四級アンモニウムカチオン)である。
【0023】
「直鎖状のアルキルスルホネート」という用語は、本明細書においては、非置換のアルキルスルホネートを意味しており、ここでそのアルキル鎖には、6〜20個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子、より好ましくは14〜17個の炭素原子が含まれ、このアルキル鎖が、一つの末端でスルホネート化されている。
【0024】
本明細書において使用するのに適切なアルコキシル化スルホネート界面活性剤は、式R(A)mSO3Mで表されるものであるが、ここでRは、非置換のC6〜C20のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐状のC6〜C20アルキル成分、好ましくはC12〜C20のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、より好ましくはC12〜C18アルキル若しくはヒドロキシアルキルを有するアルキルアリール基であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ又はブトキシ単位であり、mは、0より大、典型的には0.5〜6の間、より好ましくは0.5〜3の間であり、そしてMは、H又はカチオン(例えば、金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム若しくは置換アンモニウムカチオンとすることができる)である。本明細書においては、アルキルエトキシル化スルホネート、アルキルブトキシル化スルホネート、さらにはアルキルプロポキシル化スルホネートも考慮の対象となる。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウム、及び四級アンモニウムカチオン例えば、テトラメチル−アンモニウム、ジメチルピペルジニウム、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのようなアルカノールアミンから誘導されたカチオン、並びにそれらの混合物などが挙げられる。代表的な界面活性剤は、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(1.0)スルホネート(C12〜C18E(1.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(2.25)スルホネート(C12〜C18E(2.25)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(3.0)スルホネート(C12〜C18E(3.0)SM)、及びC12〜C18アルキルポリエトキシレート(4.0)スルホネート(C12〜C18E(4.0)SM)であるが、ここでMは、好ましくはナトリウム及びカリウムから選択される。特に適切なアルコキシル化スルホネートとしては、アルキルアリールポリエーテルスルホネートが挙げられる。
【0025】
本明細書において使用するのに適切なC6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖状若しくは分岐状ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤は、次式で表されるが:
【化1】

式中、Rは、C6〜C20の直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和のアルキル基、好ましくはC12〜C18アルキル基、より好ましくはC14〜C16アルキル基であり、Xは、H又はカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)である。本明細書において使用するのに特に適切なC6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖状若しくは分岐状ジフェニルオキシドジスルホネート界面活性剤は、C12分岐状ジフェニルオキシドジスルホン酸、及びC16直鎖状ジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム塩である。
【0026】
本明細書において使用するのに好ましい前記スルホネート化アニオン性界面活性剤は、以下のものからなる群から選択される:アルキルスルホネート;アルキルアリールスルホネート;アルキルアルコキシル化スルホネート;C6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖状若しくは分岐状ジフェニルオキシドジスルホネート;ナフタレンスルホネート;及びそれらの混合物。本明細書において使用するのにより好ましい前記スルホネート化アニオン性界面活性剤は、アルキルスルホネートである。本明細書において使用するのにさらにより好ましい前記スルホネート化アニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートである。本明細書において使用するのに最も好ましい前記スルホネート化アニオン性界面活性剤は、C10〜C17アルキルベンゼンスルホネートである。
【0027】
典型的には、本発明による組成物には、重量で全組成物の0.01%〜25%、好ましくは0.1%〜15%、より好ましくは0.2%〜7%のスルホネート化アニオン性界面活性剤を含む。
【0028】
両性/双性界面活性剤のスルホネート化アニオン性界面活性剤に対する重量比は、ほぼ(0.02:1)から(10:1)までの範囲とすることができるが、両性/双性界面活性剤のスルホネート化アニオン性界面活性剤に対する前記重量比は、好ましくはほぼ(0.05:1)から(8:1)まで、より好ましくはほぼ(0.1:1)から(3:1)までである。本発明のまた別な態様は、上述のスルホネート化アニオン性界面活性剤を液状組成物中で使用して、布地を処理し、それによって前記組成物が、染み除去のメリットを与えるような使用である。
【0029】
第二の界面活性剤
第三の必須成分として、本発明による組成物には、第二の両性/双性界面活性剤が含まれる。
【0030】
本明細書において使用するのに適切な両性/双性界面活性剤としては、ベタイン、スルホン化ベタイン、イミダゾリン、加水分解されたイミダゾリンタイプの界面活性剤である。
【0031】
ベタインタイプには次の一般式が含まれる:
【化2】

式中、R5は、H、又は2〜3個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル、又はヒドロキシルポリエチレンオキシドである。R4は、2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基である。R3は、アルキル、ヒドロキシアルキル、又は8〜22個の炭素原子を有し飽和若しくは不飽和のアルキルフェニルである。R1及びR2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシルアルキル基であり、m=0〜5、n=1〜4である。
【0032】
スルホン化ベタインタイプには次の一般式が含まれる:
【化3】

式中、R6はH又はOHである。R5は、H、又は2〜3個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル、又はヒドロキシルポリエチレンオキシドである。R4は、2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基である。R3は、アルキル、ヒドロキシアルキル、又は8〜22個の炭素原子を有し飽和若しくは不飽和のアルキルフェニルである。R1及びR2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシルアルキル基であり、m=0〜5、n=0〜4である。
【0033】
イミダゾリンタイプには次の一般式が含まれる:
【化4】

式中、R5は、H、又は2〜3個の炭素原子を有するヒドロキシルアルキル、又はヒドロキシルポリエチレンオキシドである。R4は、2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基である。R3は、アルキル、ヒドロキシアルキル、又は8〜22個の炭素原子を有し飽和若しくは不飽和のアルキルフェニルである。R2は、H又はOHである。R1は、2〜3個の炭素原子を有するアルキレンである。
【化5】

Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム又はアルカノールアンモニウムであり、m=0〜5、n=0〜4である。
【0034】
加水分解されたイミダゾリンタイプには次の一般式が含まれる:
【化6】

式中、記号は、先にイミダゾリンタイプの場合に挙げたのと同じ意味合いを有している。
【0035】
任意成分
本明細書における組成物には、例えば以下に挙げるような、各種の他の任意成分をさらに含んでいてもよい:キレート化剤、ビルダー、他の界面活性剤、ヒドロトロープ、安定剤、漂白活性化剤、溶媒、汚れ懸濁化剤、汚れ懸濁化ポリアミンポリマー、防汚剤、泡抑制系、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、触媒、色移り抑制剤、レオロジー改質剤、光沢剤、香料、顔料、及び染料。
【0036】
その他の界面活性剤
本発明の組成物には、第二のアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤を含めて、本明細書において先に述べたもの以外の界面活性剤をさらに含んでいてもよい。典型的には、本発明による組成物には、スルホネート化アニオン性界面活性剤及び両性/双性界面活性剤に加えて、重量で全組成物の0.01%〜30%、好ましくは0.1%〜25%、より好ましくは0.5%〜20%のその他の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0037】
本明細書における組成物において使用するのに適切なその他のアニオン性界面活性剤は、式ROSO3Mの水溶性の塩又は酸であって、ここでRは、好ましくは、C10〜C24ヒドロカルビル、好ましくはC10〜C20アルキル成分を有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル、より好ましくはC12〜C18のアルキル若しくはヒドロキシアルキルであり、Mは、H又はカチオン、例えば、アルカリ金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム)、又はアンモニウム若しくは置換アンモニウム(例えば、メチル−、ジメチル−、及びトリメチルアンモニウムカチオン並びに四級アンモニウムカチオン例えば、テトラメチル−アンモニウム及びジメチルピペルジニウムカチオン、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンのようなアルキルアミンから誘導された四級アンモニウムカチオン、並びにそれらの混合物など)である。典型的には、洗浄温度が低いとき(例えば、50℃未満)ではC12〜C16のアルキル鎖が好ましく、洗浄温度が高いとき(例えば、50℃超)では、C16〜C18のアルキル鎖が好ましい。
【0038】
本明細書において使用するのに適切なその他のアニオン性界面活性剤は、式RO(A)mSO3Mの水溶性の塩又は酸であって、ここでRは、非置換のC10〜C24アルキル、又はC10〜C24アルキル成分、好ましくはC12〜C20アルキル若しくはヒドロキシアルキル、より好ましくはC12〜C18アルキル若しくはヒドロキシアルキルを有するヒドロキシアルキル基であり、Aは、エトキシ又はプロポキシ単位であり、mは0より大、典型的には0.5〜6の間、より好ましくは0.5〜3の間であり、MはH又はカチオンであるが、そのカチオンは、例えば、金属カチオン(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムなど)、アンモニウム、又は置換アンモニウムカチオンである。本明細書においては、アルキルエトキシル化スルフェート、さらにはアルキルプロポキシル化スルフェートも考慮の対象である。置換アンモニウムカチオンの具体例としては、メチル−、ジメチル−、トリメチル−アンモニウム、及び四級アンモニウムカチオン例えば、テトラメチル−アンモニウム、ジメチルピペルジニウム、及びエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのようなアルカノールアミンから誘導されたカチオン、並びにそれらの混合物などが挙げられる。代表的な界面活性剤は、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(1.0)スルフェート(C12〜C18E(1.0)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(2.25)スルフェート(C12〜C18E(2.25)SM)、C12〜C18アルキルポリエトキシレート(3.0)スルフェート(C12〜C18E(3.0)SM)、及びC12〜C18アルキルポリエトキシレート(4.0)スルフェート(C12〜C18E(4.0)SM)であるが、ここでMは、ナトリウム及びカリウムから選択するのが有利である。
【0039】
本明細書において使用するのに適切なその他のアニオン性界面活性剤としては、アシルサルコシネート、又はそれらの酸及び/又は塩の形態にある混合物、好ましくは次式を有する長鎖アシルサルコシネートが挙げられる:
【化7】

式中、Mは、水素又はカチオン性残基であり、そしてここでRは、11〜15個の炭素原子、好ましくは11〜13個の炭素原子のアルキル基である。好ましいMは、水素及びアルカリ金属塩、特にナトリウム及びカリウムである。前記アシルサルコシネート界面活性剤は、天然脂肪酸及びアミノ−酸サルコシン(N−メチルグリシン)から誘導される。それらは、それらの塩の水溶液として、又は粉体としてのそれらの酸の形態で使用するのが適している。天然脂肪酸の誘導体であるので、前記アシルサルコシネートは、急速かつ完全に生分解し、良好な皮膚適合性を有している。
【0040】
したがって、本明細書において使用するのに適切な長鎖アシルサルコシネートとしては、C12アシルサルコシネート(すなわち、上式に従うアシルサルコシネートで、Mが水素であり、Rが11個の炭素原子のアルキル基であるもの)、及びC14アシルサルコシネート(すなわち、上式に従うアシルサルコシネートで、Mが水素であり、Rが13個の炭素原子のアルキル基であるもの)が挙げられる。
【0041】
ヒドロトロープ
本発明による組成物には任意成分として、ヒドロトロープが含まれていてもよい。本明細書における適切なヒドロトロープとしては、スルホネート化ヒドロトロープが挙げられる。当業者に公知の各種のスルホネート化ヒドロトロープが、本明細書において使用するには適している。一つの好ましい実施態様においては、アルキルアリールスルホネート又はアルキルアリールスルホン酸が使用される。好ましいアルキルアリールスルホネートとしては、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムキシレンスルホネート;ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムトルエンスルホネート;ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムクメンスルホネート;ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムの置換若しくは非置換ナフタレンスルホネート、並びにそれらの混合物が挙げられる。好ましいアルキルアリールスルホン酸としては、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換若しくは非置換ナフタレンスルホン酸、及びそれらの混合物が挙げられる。キシレンスルホン酸若しくはp−トルエンスルホネート、又はそれらの混合物を使用するのが、より好ましい。
【0042】
典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の0.01%〜20%、好ましくは0.05%〜10%、より好ましくは0.1%〜5%のスルホネート化ヒドロトロープを含んでいてよい。スルホネート化ヒドロトロープを存在させると、上述の組成物の物理的及び化学的安定性に寄与する。
【0043】
キレート化剤
本発明の組成物には、好ましい任意成分としてキレート化剤を含んでいてもよい。適切なキレート化剤は、例えば、ホスホネートキレート化剤、アミノカルボキシレートキレート化剤、その他のカルボキシレートキレート化剤、多官能的に置換された芳香族キレート化剤、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される、当業者に公知の各種のものであってよい。
【0044】
キレート化剤は、本発明の組成物中においては望ましいものであるが、その理由は、それが本明細書における組成物のイオン強度を上昇させ、それによって各種の表面上におけるそれらの染み除去性能及び漂白性能を向上させることができるからである。キレート化剤を存在させることによって、特にランドリー前処理に適用したときの、布地の引張強度低下及び/又は色の傷みを低下させるのにも役立つ可能性がある。実際のところ、キレート化剤は、布地の表面上及び/又は(ニート又は希釈後の)クリーニング組成物中に存在する金属イオンを不活性化させるが、そうしないと、それらの金属イオンが過酸素漂白剤のラジカル分解作用を有する。
【0045】
本明細書において使用するのに適切なホスホネートキレート化剤としては、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホネート(HEDP)、アルキレンポリ(アルキレンホスホネート)、さらにはアミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)も含めたアミノホスホネート化合物、ニトリロトリメチレンホスホネート(NTP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)などが挙げられる。それらのホスホネート化合物は、それらの酸の形態で存在させてもよいし、あるいは、それらの酸官能基の一部又は全部の上における各種カチオンの塩として存在させてもよい。本明細書において使用するのに好ましいホスホネートキレート化剤は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)及びエタン1−ヒドロキシジホスホネート(HEDP)である。本明細書における組成物においては、多官能的に置換された芳香族キレート化剤もまた有用となりうる。酸の形態にあるこのタイプの好ましい化合物は、ジヒドロキシジスルホベンゼン、例えば1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンである。
【0046】
本明細書において使用するのに好ましい生分解性キレート化剤は、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸(特に(S,S)異性体)、又は、それのアルカリ金属若しくはアルカリ土類、アンモニウム若しくは置換アンモニウム塩、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそれらの混合物である。
【0047】
本明細書において使用するのに適切なアミノカルボキシレートとしては、以下のものが挙げられる:エチレンジアミンテトラアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、エタノール−ジグリシン、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)(いずれもそれらの、酸の形態、又はそれらのアルカリ金属、アンモニウム、及び置換アンモニウム塩の形態)。本明細書において使用するのに特に適切なアミノカルボキシレートは、ジエチレントリアミン五酢酸、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)である。
【0048】
本明細書において使用するためのさらなるカルボキシレートキレート化剤としては、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、又はそれらの混合物が挙げられる。本明細書において使用するためのまた別なキレート化剤は次式のものである:
【化8】

式中、R1、R2、R3、及びR4は独立して、−H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、−Cl、−Br、−NO2、−C(O)R’、及びSO2R”からなる群から選択されるが、ここでR’は、−H、−OH、アルキル、アルコキシ、アリール、及びアリールオキシからなる群から選択され;R”は、アルキル、アルコキシ、アリール、及びアリールオキシからなる群から選択され;そして、R5、R6、R7、及びR8は独立して、−H及びアルキルからなる群から選択される。本明細書において使用するのに特に好ましいキレート化剤は、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ジ−エチレン−トリアミノ−ペンタ酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、1−ヒドロキシエタンジホスホネート、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、及びそれらの混合物である。
【0049】
典型的には、本発明による組成物には、重量で全組成物の5%まで、好ましくは0.01%〜1.5%、より好ましくは0.01%〜0.5%のキレート化剤が含まれていてよい。
【0050】
泡抑制系
本発明による組成物には、泡抑制剤又はそれらの混合物がさらに含まれていてもよい。当業者に公知の各種の泡抑制剤が、本明細書において使用するには適している。一つの好ましい実施態様においては、脂肪酸と共に、本明細書で後に定義されるキャップされたアルコキシル化ノニオン性界面活性剤及び/又はシリコーンを含む泡抑制系が使用される。
【0051】
典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の1×10−4%〜10%、好ましくは1×10−3%〜5%、より好ましくは1×10−2%〜5%の脂肪酸が含まれていてよい。
【0052】
典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の1×10−3%〜20%、好ましくは1×10−2%〜10%、より好ましくは5×10−2%〜5%の本明細書において定義されたようなキャップされたアルコキシル化ノニオン性界面活性剤が含まれていてよい。
【0053】
典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の1×10−5%〜5%、好ましくは1×10−6%〜1%、より好ましくは1×10−4%〜0.5%のシリコーンが含まれていてよい。
【0054】
本明細書において使用するのに適切な脂肪酸は、C8〜C24脂肪酸のアルカリ塩である。そのようなアルカリ塩としては、ナトリウム、カリウム及び/又はリチウム塩のような金属で完全に飽和された塩、さらには脂肪酸のアンモニウム及び/又はアルキルアンモニウム塩が挙げられるが、好ましくはナトリウム塩である。本明細書において使用するのに好ましい脂肪酸には、8〜22個、好ましくは8〜20個、より好ましくは8〜18個の炭素原子が含まれる。
【0055】
好適な脂肪酸は、以下のものから選択すればよい:カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及び植物又は動物からのエステルのような天然由来の(例えば、パーム油、ヤシ油、ダイズ油、ヒマシ油、獣脂、落花生油、鯨油及び魚油及び/又はババス油)(好ましくは硬化された)それらの脂肪酸の混合物。
【0056】
本明細書において使用するための適切なキャップされたアルコキシル化ノニオン性界面活性剤は、式:R1(O−CH2−CH2n−(OR2m−O−R3で表されるものであるが、ここでR1は、C8〜C24の直鎖状若しくは分岐状のアルキル若しくはアルケニル基、アリール基、アルクアリール基であり、好ましくはR1は、C8〜C18アルキル若しくはアルケニル基、より好ましくはC10〜C18アルキル若しくはアルケニル基、さらにより好ましくはC10〜C15アルキル基であり;ここでR2は、C1〜C10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、好ましくはC2〜C10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、好ましくはC3基であり;ここでR3は、C1〜C10アルキル若しくはアルケニル基、好ましくはC1〜C5アルキル基、より好ましくはメチルであり;そしてここで、n及びmは独立して、1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の範囲の整数であるか;又はそれらの混合物である。
【0057】
本明細書において使用するのに適切なシリコーンとしては、各種のシリコーン及びシリカ−シリコーン混合物が挙げられる。シリコーンは一般的に、アルキル化ポリシロキサン物質として表すことができるが、それに対してシリカは通常、シリカエーロゲル及びキセロゲル並びに各種のタイプの疎水性シリカに代表されるような微細に粉砕された形態で使用される。それらの物質は、粒子として組み入れることができ、その粒子の中では、シリコーンが、水溶性又は水分散性で、実質的に非表面活性洗剤不透過性のキャリヤー中に、放出可能に組み入れられているのが有利である。別な方法として、シリコーンを液状キャリヤーの中に溶解又は分散させ、他の一つ又は複数の成分の上にスプレー塗布することも可能である。
【0058】
実のところ、工業的実施においては、「シリコーン」という用語は、一般名称となっていて、それには、シロキサン単位及び各種のタイプのヒドロカルビル基を含む、比較的高分子量の各種のポリマーが包含される。それらにおいて開示されるシリコーン化合物は、本発明の文脈においても適している。一般的には、シリコーン化合物は、次式の一般的な構造を有するシロキサンとして表すことができる:
【化9】

式中、nは20〜2000であり、それぞれのRは独立して、アルキル又はアリール基とすることができる。そのような置換基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、及びフェニルである。好ましいポリジオルガノシロキサンは、トリメチルシリルの末端ブロック単位を有し、5×10−52/s〜0.1m2/sの25℃での粘度を有する、すなわちnの値が40〜1500の範囲であるポリジメチルシロキサンである。それらは、容易に入手可能であり、比較的安価であるために、好ましい。
【0059】
本明細書における組成物において有用なシリコーン化合物の好ましいタイプは、本明細書で先に開示されたタイプのアルキル化シロキサンと固体状シリカとの混合物を含む。
【0060】
その固体状シリカは、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、又はゲル形成法によって作ったシリカとすることができる。それらのシリカ粒子には、シリカに直接結合させるかあるいはシリコーン樹脂の手段によるかのいずれかによってジアルキルシリル基及び/又はトリアルキルシラン基を用いてそれらを処理することにより、疎水性を与えることができる。好ましいシリコーン化合物には、10mm〜20mmの範囲の粒径と50m2/gを超える比表面積とを有する、疎水性のシラン化された、最も好ましくはトリメチルシラン化シリカが含まれる。本発明による組成物において採用されるシリコーン化合物は、シリコーン化合物の全重量の、重量で1〜30%(より好ましくは2.0〜15%)の範囲の量のシリカを有していて、その結果そのシリコーン化合物が2×10−42/s〜1m2/sの範囲の平均粘度を有するようになっているのが好適である。好ましいシリコーン化合物は、5×10−32/s〜0.1m2/sの範囲の粘度を有している。粘度が2×10−22/s又は4.5×1022/sのシリコーン化合物が特に適している。
【0061】
ラジカル捕捉剤
本発明の組成物には、ラジカル捕捉剤又はそれらの混合物が含まれていてもよい。本明細書において使用するために適切なラジカル捕捉剤としては、公知の置換されたモノ−及びジ−ヒドロキシベンゼン及びそれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート、並びにそれらの混合物が挙げられる。本明細書において使用するために好ましいそのようなラジカル捕捉剤としては、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−tert−ブチルヒドロキノン、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチル−ヒドロキシアニソール、安息香酸、トルイル酸、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、没食子酸n−プロピル、又はそれらの混合物が挙げられるが、極めて好ましいのは、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンである。
【0062】
ラジカル捕捉剤を使用する場合には、本明細書において典型的には、重量で全組成物の10%まで、好ましくは0.001%〜0.5%の量でそれを存在させる。
【0063】
ラジカル捕捉剤を存在させることによって、特にランドリー前処理に適用したときの、布地の引張強度低下及び/又は色の傷みを低下させるのにも役立つ可能性がある。
【0064】
酸化防止剤
本発明による組成物には、酸化防止剤がさらに含まれていてもよい。典型的には、本明細書における組成物には、重量で全組成物の10%まで、好ましくは0.002%〜5%、より好ましくは0.005%〜2%、最も好ましくは0.01%〜1%の酸化防止剤が含まれていてもよい。
【0065】
本明細書において使用するのに適切な酸化防止剤としては、有機酸例えば、クエン酸、アスコルビン酸、酒石酸、アジピン酸及びソルビン酸、又はアミン例えば、レシチン、又はアミノ酸例えば、グルタミン、メチオニン及びシステイン、又はエステル例えば、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、及びクエン酸トリエチル、又はそれらの混合物が挙げられる。本明細書において使用するために好ましい酸化防止剤は、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、レシチン、又はそれらの混合物である。
【0066】
漂白活性化剤
本発明の組成物には、任意成分として、漂白活性化剤又はそれらの混合物が含まれていてもよい。「漂白活性化剤」という用語は、本明細書においては、過酸化水素と反応して過酸を形成する化合物を意味している。そのようにして生成した過酸は、活性化漂白剤を構成する。
【0067】
本明細書において使用するのに適切な漂白活性化剤には、エステル、アミド、イミド、又は無水物のタイプに属するものが含まれる。本明細書において使用するのに適した化合物の例は、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ナトリウム3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、ジペルオキシドデカン酸、並びにペルオキシアジピン酸とn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)とのノニルアミドである。置換若しくは非置換のベンゾイルカプロラクタム、オクタノイルカプロラクタム、ノナノイルカプロラクタム、ヘキサノイルカプロラクタム、デカノイルカプロラクタム、ウンデセノイルカプロラクタム、ホルミルカプロラクタム、アセチルカプロラクタム、プロパノイルカプロラクタム、ブタノイルカプロラクタム、ペンタノイルカプロラクタム、又はそれらの混合物からなる群から選択されるN−アシルカプロラクタムもまた適している。漂白活性化剤の特に好ましいファミリーは、アセチルトリエチルサイトレート(ATC)である。アセチルトリエチルサイトレートは、結局は分解してクエン酸とアルコールとになるために、環境に優しいという利点を有している。さらに、アセチルトリエチルサイトレートは、貯蔵時に製品中で良好な対加水分解安定性を有しているので、効果的な漂白活性化剤である。結局のところそれは、組成物に対して良好なビルディング容量(building capacity)を与える。
【0068】
本発明による組成物には、重量で全組成物の0.01%〜20%、好ましくは0.1%〜10%、より好ましくは0.5%〜7%の前記漂白活性化剤を含んでいてよい。
【実施例】
【0069】
実施例1:粘度
サンプルの粘度は、特に断らない限り、Brookfield Viscometer−RVTDで、スピンドル4を使用し、20rpm、75゜Fで測定した。表1に、各種の界面活性剤及び混合物についての粘度測定の結果をまとめた。粘度が20未満の場合にはすべて、No.4スピンドルを100rpmで使用した。サンプル4については、スピンドルNo.4を2.5rpmで使用した。
【0070】
【表1】

【0071】
表1のデータは、本発明の両性界面活性剤とスルホン化アニオン性界面活性剤との組合せによって高い粘度が得られたことを示している。サンプル2〜7は、合計した活性な界面活性剤レベルが3%〜7%と低いところでも、両性とスルホネート化アニオン性とを組み合わせることによって、200〜28800cpsの高い粘度が得られ、ポリマー系増粘剤のようなさらなる粘度向上剤を必要としないということを示している。両性界面活性剤単独(サンプル1)、又は両性界面活性剤とノニオン性若しくはカチオン性界面活性剤との組合せ(サンプル8及び9)では、比較できるような高い粘度は生じなかった。サンプル10〜13は、スルホネート界面活性剤とノニオン性又はその他のアニオン性界面活性剤を組み合わせても、本発明の組合せによって得られるような高い粘度が生じないということを示している。
【0072】
実施例2:プレスポット洗浄力試験
1mLのサンプル組成物又は市販の漂白剤を、染みの付いた布の染みの付いた領域の中心に置き、10分間放置した。同一のサンプルを用いて前処理した布を、実験室で合成した洗剤を用い、洗濯機械の中で洗濯した。通常の洗濯、すすぎのサイクルの後で、布を乾燥させ、Spectraflash SF650X染み読取り機によって、読み取った。DE*差は、洗濯の前後における染みの読みの差である。DE*差が大きいほど、製品のクリーニング効果が良好である。図1に示したデータで、結果をまとめた。図1に示したDE*差の数字は、それぞれのタイプの染みについての4個の反復試験の平均値である。
【0073】
図1は、同一の試験条件下における、両性及びスルホネートを含むサンプル14の配合物対市販のプレスポット処理剤の「プレスポット」洗浄力を示している。図1から、本発明によるサンプル14の配合物は、プレスポットとして、チョコレート、コーヒー、グレープジュース、草汁、赤ワイン、及び茶の染みに対して、市販の製品よりも良好に作用するということを見ることができる。
【0074】
実施例3:丸洗い(whole wash)洗浄力
48.0グラムの実験室で合成した洗剤(サンプル15)、48.0グラムの実験室で合成した洗剤(サンプル15)と96グラムの市販の漂白剤とを組み合わせたもの、及び48.0グラムのサンプル15と48.0グラムのサンプル14とを組み合わせたもの(本発明による)を、標準的な洗濯機械に入れ、「プレスポット洗浄力」について先に記述した洗濯試験プロセスを使用して洗濯した。それらの結果を、図2及び3にまとめた。図2では、実験室で合成した洗剤と市販の漂白剤とを組み合わせたものに対して、実験室で合成した洗剤と本発明による配合物とを組み合わせたものの洗浄力を比較している。図3では、実験室で合成した洗剤に対して、実験室で合成した洗剤と本発明による配合物とを組み合わせたものの洗浄力を比較している。
【0075】
図2から、本発明(サンプル14)と実験室で合成した洗剤(サンプル15)とを組み合わせたものが、実験室で合成した洗剤(サンプル15)と市販の漂白剤とを組み合わせたものよりも、チョコレート、コーヒー、グレープジュース、赤ワイン、及びスパゲティソースの染みに対して、より良好な洗浄力を与えることが判る。
【0076】
図3から、実験室で合成した洗剤(サンプル15)を組み合わせて使用すると、本発明(サンプル14)と実験室で合成した洗剤(サンプル15)とを組み合わせたものが、実験室で合成した洗剤(サンプル15)よりも、チョコレート、コーヒー、草汁、鉢植用の土、赤粘土、赤ワイン、及びスパゲティソースの染みに対して、より良好な洗浄力を与えることが判る。
【0077】
サンプル14及び15の配合を表2に示す。
【0078】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸素漂白剤、スルホネート化アニオン性界面活性剤、並びに両性及び/又は双性界面活性剤を含む液状組成物であって、スルホネート化アニオン性界面活性剤の両性及び/又は双性界面活性剤に対する比率が、(0.1:1)よりも高く、そして前記組成物が約20センチポワズ以上の粘度を有する、液状組成物。
【請求項2】
前記過酸素漂白剤が、前記組成物の約0.2〜15%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記過酸素漂白剤が、前記組成物の約1〜10%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記過酸素漂白剤が、前記組成物の約2〜8%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記過酸素漂白剤が、過酸化水素、水溶性の過酸化水素発生源、有機過酸、無機過酸、ヒドロペルオキシド;ジアシルペルオキシド、及びそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
スルホン化アニオン性界面活性剤の両性/双性界面活性剤に対する比率が、(0.05:1)から(8:1)までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
スルホン化アニオン性界面活性剤の両性/双性界面活性剤に対する比率が、(0.08:1)から(5:1)までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
スルホン化アニオン性界面活性剤の両性/双性界面活性剤に対する比率が、(0.1:1)から(3:1)までである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記スルホン化アニオン性界面活性剤及び前記両性/双性界面活性剤が、前記組成物の約1重量%〜20重量%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記スルホン化アニオン性界面活性剤及び前記両性/双性界面活性剤が、前記組成物の約1.5重量%〜15重量%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記スルホン化アニオン性界面活性剤及び前記両性/双性界面活性剤が、前記組成物の約2重量%〜10重量%を占める、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記スルホン化アニオン性界面活性剤が、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルアルコキシル化スルホネート、C6〜C20アルキルアルコキシル化直鎖状若しくは分岐状のジフェニルオキシドジスルホネート、及びそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記スルホン化アニオン性界面活性剤が、ナトリウムアルキルベンゼンスルホネートである、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記両性/双性界面活性剤が、カルボキシレート化ベタイン界面活性剤、スルホン化ベタイン界面活性剤、イミダゾリン界面活性剤、加水分解されたイミダゾリン界面活性剤、及びそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記両性/双性界面活性剤が、コカミドプロピルベタインである、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記粘度が、20センチポワズより高い、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記粘度が、50センチポワズより高い、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記粘度が、100センチポワズより高い、請求項1に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−501133(P2013−501133A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523727(P2012−523727)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/044362
【国際公開番号】WO2011/017406
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(500307340)アーケマ・インコーポレイテッド (119)
【住所又は居所原語表記】900 First Avenue,King of Prussia,Pennsylvania 19406 U.S.A.
【Fターム(参考)】