説明

液状体吐出装置

【課題】複数の種類の液状体を吐出することが可能であり、液状体供給流路の洗浄が容易な液状体吐出装置を提供する。
【解決手段】液状体を吐出するノズル52と、前記ノズル52に前記液状体を供給する供給流路と、前記供給流路に連通し、第1の液状体を収容する第1の収容容器82と、前記供給流路に連通し、第2の液状体を収容する第2の収容容器62と、前記第1の液状体の供給と、前記第2の液状体の供給と、を切り替える切り替え手段86と、を備えた液状体吐出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体を収容容器から供給してノズルから吐出する液状体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、記録装置、液晶表示装置などのカラーフィルタや有機EL装置の成膜などの分野に液状体吐出装置が利用されている。液状体吐出装置は、液滴吐出ヘッドと呼ばれる液状体吐出機構を有している。この液滴吐出ヘッドには、複数のノズルが規則的に形成されている。液状体吐出装置は、これらのノズルから液状体を液滴として吐出することにより、記録用紙もしくは基板などに液状体からなるパターンの描画を行う。
【0003】
このような液状体吐出装置では、機能液を貯留する加圧タンク(メインタンク)を備え圧縮エアーを加圧タンクに供給して、その加圧力により機能液を液滴吐出ヘッドにより近い複数の給液タンク(サブタンク)に給液チューブを介して圧送する機能液供給装置が提案されている。給液タンクに貯留される機能液は、給液分岐チューブや供給用バルブを介して、液滴吐出ヘッドに供給される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−121942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、液状体吐出装置が適用される分野は多岐にわたっている。それにともない、液状体吐出装置に適用される液状体の種類も多岐にわたる。そのため、様々な種類の液状体を1つの液状体吐出装置から吐出したいという要望が高まってきている。
【0006】
さらに、液状体吐出装置に適用される液状体は特殊な液状体であり、異なった種類の液状体が混合すると物性が変化して、ノズルからの液状体の吐出が不安定になる虞がある。そのため、液状体吐出装置において使用される液状体を変更する場合は、加圧タンクからノズルまでの供給経路全体から旧の液状体を抜き去り、洗浄液などで供給経路全体を洗浄して新たな液状体を供給する必要がある。供給経路が長くかつ液状体供給装置の構成が複雑な場合は、液状体の変更作業に時間がかかってしまうという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
(適用例1)液状体を吐出するノズルと、前記ノズルに前記液状体を供給する供給流路と、前記供給流路に連通し、第1の液状体を収容する第1の収容容器と、前記供給流路に連通し、第2の液状体を収容する第2の収容容器と、前記第1の液状体の供給と、前記第2の液状体の供給と、を切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする液状体吐出装置。
【0009】
この構成によれば、液状体吐出装置は、第1の液状体を収容する第1の収容容器と、第2の液状体を収容する第2の収容容器とを備え、切り替え手段によって、ノズルに供給される液状体を、第1の収容容器と第2の収容容器との間で切り替えることができる。すなわち、ノズルから吐出される液状体は、第1の液状体および第2の液状体のいずれかを任意に選択することができる。そのため、同一のノズルから吐出される液状体の種類を増やすことができ、液状体吐出作業の多機能化、多用途化に対応することができる。
【0010】
(適用例2)前記第1の収容容器は、容積が一定の貯蔵タンクであり、前記第2の収容容器は、容積が可変の袋状容器であることを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0011】
この構成によれば、液状体吐出装置から吐出される液状体の種類もしくは使用状況に応じて、収容容器を、貯蔵タンクもしくは袋状容器としてのパック容器のいずれか選択することができる。そのため、交換頻度の高い液状体をパック容器に収納することにより交換作業を簡便化することができ、作業効率向上に寄与できる。また、嫌気性を有する液状体を空気の入りにくいパック容器に収容することによって、液状体への気泡の混入を低減させ液状体のノズルからの吐出を安定させることができる。
【0012】
(適用例3)前記第1の液状体もしくは前記第2の液状体のどちらか一方は、前記ノズルから吐出され、被吐出対象物に描画パターンを形成する機能性材料を含む液状体であり、他方は、前記ノズルおよび前記供給流路を洗浄する洗浄用の液状体であることを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0013】
この構成によれば、液状体吐出装置は、第1の収容容器からの供給と第2の収容容器からの供給とを切り替え手段によって切り替えることにより、機能性材料を含む液状体と洗浄用の液状体とのいずれか一方を、供給流路に供給しノズルから吐出することができる。そのため、液状体吐出装置において、吐出していた機能性材料を含む液状体を別の種類の液状体に変更するとき、切り替え手段によって洗浄用の液状体を供給流路に供給することにより、ノズルを含む供給流路の洗浄を容易に行うことができる。従って、供給流路の洗浄作業の効率化をはかることができ、機能性材料を含む液状体の交換作業を効率化することができる。
【0014】
(適用例4)前記第2の収容容器は、前記機能性材料を含む液状体を収容し、前記第2の収容容器から前記ノズルまでの距離は、前記第1の収容容器から前記ノズルまでの距離よりも短いことを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0015】
この構成によれば、機能性材料を含む液状体が通過する供給流路を短くすることができる。そのため、供給流路内に滞留する機能性材料を含む液状体の量を少なくすることができ、供給流路の洗浄時間を短縮することができる。
【0016】
(適用例5)前記ノズルを移動させるキャリッジを有し、前記第2の収容容器は、前記キャリッジに着脱可能に保持されていることを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0017】
この構成によれば、第2の収容容器からノズルまでの距離を短くすることができ、機能性材料を含む液状体が通過する供給流路を短くすることができる。そのため、供給流路内に滞留する機能性材料を含む液状体の量を少なくすることができ、供給流路の洗浄時間を短縮することができる。また、機能性材料を含む液状体を収容するパック容器をキャリッジに着脱可能に保持できることによって、機能性材料を含む液状体の交換が簡便になる。
【0018】
(適用例6)前記第1の液状体および前記第2の液状体は、前記機能性材料と前記機能性材料を融解または分散させる溶媒とを含む液状体であることを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0019】
この構成によれば、第1の液状体と第2の液状体とは、ほぼ同じ構成を有している。そのため、第1の収容容器もしくは第2の収容容器のいずれか一方に収容される液状体の量が減じて、当該収容容器の液状体を補充もしくは交換する作業の間、他方の収容容器に収容される液状体を用いて吐出作業を続行することができる。従って、吐出作業の中断時間を低減させ、吐出作業の効率化に寄与することができる。
【0020】
(適用例7)前記第1の液状体と前記第2の液状体とは、前記機能性材料と前記溶媒との混合比率が異なることを特徴とする上記の液状体吐出装置。
【0021】
この構成によれば、液状体吐出装置は、第1の収容容器と第2の収容容器とを切り替え手段によって切り替えることにより、機能性材料と溶媒との混合比率が異なる液状体を、供給流路に供給しノズルから吐出することができる。そのため、当初、機能性材料の濃度の高い液状体で吐出作業を行ったときに発生した吐膜の厚みのばらつき(表面の凹凸)および吐膜の微小欠落などの不具合を、機能性材料の濃度の低い液状体、すなわち溶媒の多い濡れ性の高い液状体を用いて、さらに重ね打ちをすることにより補修することができる。従って、吐膜形成の歩留まりを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明で参照する図面では、説明および図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
【0023】
(第1実施形態)
(液状体吐出装置の全体構成について)
まず、本実施形態における液状体吐出装置を、図1を参照して説明する。図1は液状体吐出装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。図1に示すように、液状体吐出装置100は、キャリッジ15と、キャリッジ移動機構20と、テーブル10と、第1のテーブル移動機構30と、第2のテーブル移動機構40と、液状体供給機構80と、メンテナンス部35と、制御装置16と、基台18とを備えている。
【0024】
この液状体吐出装置100は、キャリッジ15と、テーブル10との相対位置を変化させつつ、キャリッジ15に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50のノズルから液状体を液滴として吐出して、テーブル10に搭載された被吐出物としての基板などからなるワークWに液状体で所望のパターンを形成するものである。なお、図中のY方向はテーブル10の主走査方向を示し、X方向はキャリッジ15の移動方向およびテーブル10の副走査方向を示し、Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向を示している。
【0025】
このような液状体吐出装置100は、例えば、各種の表示装置のカラー表示を可能にするカラーフィルタの製造に適用され得る。例えば、赤、緑および青の3色のフィルタエレメントを有するカラーフィルタを製造する場合は、各々の液滴吐出ヘッドから、赤、緑および青の3色の液状体のいずれかをワークWに液滴として吐出して、赤、緑および青の3色のフィルタエレメントのパターンを描画する。
【0026】
ここで、液状体吐出装置100の各構成について説明する。
基台18は、例えば、平板状の石材などの熱膨張係数が小さい材料から形成されており、Y方向に一定の幅を有し、X方向に沿って延びるように4本の脚部19に支持されている。また、基台18のZ方向の下部には、制御装置16が設けられている。
【0027】
第1のテーブル移動機構30は、ベース31と、2つのリニアモータ32とを有している。ベース31は、平板状に形成され、基台18のZ方向上面に固定されている。ベース31のZ方向上面には、2つのリニアモータ32がY方向に沿って平行に配置されている。第2のテーブル移動機構40は、スライド部材37と、2つのリニアモータ38とを有している。スライド部材37は、平板状に形成され、ベース31に配置された2つのリニアモータ32の上方に配設されている。スライド部材37のZ方向上面には、2つのリニアモータ38がX方向に沿って平行に配置されている。
【0028】
テーブル10は、平板状の部材であり、Z方向上面にワークWを着脱可能に保持する載置面10Aを有している。テーブル10は、スライド部材37に配置された2つのリニアモータ38の上方に配設されている。
【0029】
リニアモータ32は、図示しない固定子と可動子を有しており、固定子はベース31に、可動子はスライド部材37に設けられている。第1のテーブル移動機構30は、制御装置16からの指令に基づいて可動子のコイルが通電されることにより、テーブル10を第1方向であるY方向に往復移動させることができる。リニアモータ38は、図示しない固定子と可動子を有しており、固定子はスライド部材37に、可動子はテーブル10に設けられている。第2のテーブル移動機構40は、制御装置16からの指令に基づいて可動子のコイルが通電されることにより、テーブル10を第2方向であるX方向に往復移動させることができる。
【0030】
図1に示すように、キャリッジ移動機構20は、2つのリニアモータ22と、4本の支柱23とを備えている。リニアモータ22のそれぞれは、第2のテーブル移動機構40に配置されたテーブル10に対してZ方向に空間を有する状態でX方向に延びるように、2本の支柱23に支持され互いに平行に配設されている。
【0031】
キャリッジ15は、複数の液滴吐出ヘッド50が搭載されており、液滴吐出ヘッド50側がZ方向下方、すなわち、テーブル10に載置されたワークWの上面に対向するように、2つのリニアモータ22のZ方向上方に配設されている。リニアモータ22は、図示しない固定子と可動子を有しており、固定子は支柱23に支持され、可動子はキャリッジ15に設けられている。キャリッジ移動機構20は、制御装置16からの指令に基づいて可動子のコイルが通電されることにより、キャリッジ15を第2方向であるX方向に往復移動させることができる。
【0032】
メンテナンス部35は、基台18の図1中X方向左側にベース31と並んで設けられている。メンテナンス部35は、図示しないワイピングユニットおよびフラッシングユニットと、液状体吸引ユニット60とを備えている。ワイピングユニットは、液滴吐出ヘッド50のノズル面を布などで払拭して付着した異物や汚れの除去を行う。フラッシングユニットは、適宜、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出させ液滴吐出ヘッド50のノズルの目詰まりの防止を行う。
【0033】
液状体吸引ユニット60は、上面がキャリッジ15に搭載された液滴吐出ヘッド50のノズル側と対向するように、メンテナンス部35に設けられる。液状体吸引ユニット60は、液滴吐出ヘッド50のノズルと密着対向してノズルから直接液状体を吸引することができる。このことによって、液滴吐出ヘッド50のノズルの目詰まりの解消を行う。また、液状体吐出装置100において液状体を交換する際に、供給経路内に残っている液状体を除去することに用いられる。
【0034】
液状体供給機構80は、液状体を貯留して、液滴吐出ヘッド50に液状体を供給する。液状体供給機構80の詳細については後述する。
【0035】
(液滴吐出ヘッドの構成について)
次に、液滴吐出ヘッドについて、図2を参照して説明する。図2は液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図であり、(a)は概略分解斜視図、(b)はノズル部の構造を示す断面図である。図2(a)および(b)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、液滴Dが吐出される複数のノズル52を有するノズルプレート51と、複数のノズル52がそれぞれ連通するキャビティ55を区画する隔壁54を有するキャビティプレート53と、各キャビティ55に対応する駆動素子としての振動子59を有する振動板58とが、順に積層され接合された構造となっている。
【0036】
キャビティプレート53は、ノズル52に連通するキャビティ55を区画する隔壁54と、キャビティ55に液状体を充填するための流路56,57とを有している。流路57は、ノズルプレート51と振動板58とによって挟まれ、出来上がった空間が、液状体が貯留されるリザーバの役目を果たす。
【0037】
液状体は、液状体供給機構80から供給流路を通じて供給され、振動板58に設けられた供給孔58aを通じてリザーバに貯留された後に、流路56を通じて各キャビティ55に充填される。
【0038】
図2(b)に示すように、振動子59は、ピエゾ素子59cと、ピエゾ素子59cを挟む一対の電極59a,59bとからなる圧電素子である。外部から一対の電極59a,59bに駆動信号としての駆動波形が印加されることにより接合された振動板58を変形させる。これにより隔壁54で仕切られたキャビティ55の体積が増加して、液状体がリザーバからキャビティ55に吸引される。そして、駆動波形の印加が終了すると、振動板58は元に戻り充填された液状体を加圧する。これにより、ノズル52から液状体を液滴Dとして吐出できる構造となっている。ピエゾ素子59cへ印加される駆動波形を制御することにより、それぞれのノズル52に対して液状体の吐出制御を行うことができる。
【0039】
液滴吐出ヘッド50における駆動素子は、圧電素子に限らない。振動板を静電吸着により変位させる電気機械変換素子や、液状体を加熱してノズル52から液滴として吐出させる電気熱変換素子(サーマル方式)でもよい。
【0040】
(キャリッジの構成について)
キャリッジ15を、図1および図3を参照して説明する。図3はキャリッジを説明する図であり、詳しくはキャリッジを底面側から見た図である。図3中のX方向およびY方向は、図1に示すX方向およびY方向と同一の方向を示す。
【0041】
図1に示すように、キャリッジ15は、ヘッドプレート36と、複数の液滴吐出ヘッド50と、液状体供給機構80の第2の収容容器である袋状容器としてのパック容器62とを有している。ヘッドプレート36は、ステンレスなどからなる上面視略平行四辺形の板状部材であり、12個の液滴吐出ヘッド50を搭載している。ヘッドプレート36は、12個の液滴吐出ヘッド50が図1中Z方向下方に突出するように、キャリッジ15に設けられている。パック容器62は、キャリッジ15のZ方向上方に設けられている。
【0042】
図3に示すように、ヘッドプレート36に搭載された12個の液滴吐出ヘッド50は、6個ずつに二分されY方向に所定の間隔をあけて、ヘッド列64aおよび64bを形成している。ヘッド列64aおよび64bは、Y方向から所定の角度θを有する方向に延びるように構成されている。そのため、図3中のY方向から見たとき、キャリッジ15において、12個の液滴吐出ヘッド50は、これらの全ノズル列52aおよび52bで1つの描画ラインを構成するように配設されている。
【0043】
上記構成を有する液状体吐出装置100は、キャリッジ15と、テーブル10との相対位置を変化させつつ、キャリッジ15に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50から液状体を液滴として吐出して、テーブル10に搭載されたワークWに所望のパターンを形成する。そして、吐出された液状体を乾燥などにより固化して、パターン化された様々な機能性膜を形成することができる。
【0044】
(液状体供給機構の構成について)
次に、液状体供給機構について、図4を参照して説明する。図4は液状体供給機構の構造を示す概略図である。
図4に示すように、液状体供給機構80は、第1の収容容器としてのタンク82と、第2の収容容器としての袋状容器であるパック容器62と、供給流路の一部を構成する供給チューブ68と、切り替え手段としての切り替えバルブ86と、タンク82から各液滴吐出ヘッド50への液状体の供給圧力を調整する圧力制御ユニット84と、各構成を制御する制御手段と、を備えている。
【0045】
液状体供給機構80の液状体供給系は、タンク82から12系統に分岐して12個の液滴吐出ヘッド50に接続されている。パック容器62は12個用意され、それぞれ1つの液滴吐出ヘッド50に接続されている。なお、図4では、液状体供給機構80の液状体供給系のうち1系統のみを図示している。また、制御手段は単体で設けてもよいが、実施形態のものは液状体吐出装置100の制御装置16に組み込まれている。
【0046】
パック容器62は、例えば、方形の2枚の合成樹脂フィルムを重ね合わせ、その周縁部を気密に溶着したものであり、柔軟性を有する容積可変な袋状に形成されている。パック容器62は、液滴吐出ヘッド50から吐出される第2の液状体としての脱気された機能液Rを真空パックするようにして貯留している。このパック容器62は、収容される機能液Rが減ずるにともない容積が減少する。
【0047】
なお、ここで機能液Rとは、表示装置のカラーフィルタのフィルタ材料などの機能性材料を、所定の溶媒にて溶解または分散させた液状体(サスペンション、エマルジョンなどの分散液を含む)をいう。機能性材料は、カラーフィルタのフィルタ材料に限定されず、例えば、表示装置のカラーフィルタのフィルタ材料、有機EL装置におけるEL発行層を形成するための発光材料、配線および電極を形成するための金属微粒子材料などが適用され得る。
【0048】
溶媒としては、上記機能性材料を溶解または分散できるもので凝集を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、アルコール類、ケトン類、有機アミン類、エーテル類、エステル類その他の有機溶媒と水と界面活性剤などを混合させた液状体などが適用され得る。
【0049】
図4に示すように、パック容器62は、パック容器62の重量を検出する重量測定装置66を介してキャリッジ15の上面側の図示しない容器保持部に着脱可能に保持されている。パック容器62は、切り替えバルブ86および圧力調整弁70を介して、供給チューブ68により液滴吐出ヘッド50に連通している。このパック容器62から液滴吐出ヘッド50のノズル52までの経路は、機能液Rの供給流路を構成している。
【0050】
圧力調整弁70は、例えば、自己封止弁が採用されており、パック容器62に貯蔵された機能液Rの水頭値と液滴吐出ヘッド50との間の水頭差を調整して、液滴吐出ヘッド50からの液ダレを防止する役割を果たす。切り替えバルブ86については後述する。
【0051】
なお、パック容器62の合成樹脂フィルムは、例えば、2層構造としパック容器62の内層がフッ素系の材料となるように構成してもよい。これにより、パック容器62の対薬品性が向上され、機能液Rによる腐食や劣化の影響を低減することができる。
【0052】
タンク82は、一定の容積を有するように、例えば、ステンレスなどの耐食性材料で密閉されたボックス状に形成されている。タンク82は、図1に示す液状体吐出装置100の基台18内部の図示しない収容室に配設されている。タンク82には、切り替えバルブ86、圧力調整弁70、供給チューブ68および液滴吐出ヘッド50を含む供給流路を洗浄する第1の液状体としての洗浄液Sが貯留されている。このタンク82から液滴吐出ヘッド50のノズル52までの経路は、洗浄液Sの供給流路を構成している。
【0053】
本実施形態では、パック容器62は液滴吐出ヘッド50が搭載されているキャリッジ15に搭載されているため、パック容器62から液滴吐出ヘッド50までの供給流路の距離は、タンク82から液滴吐出ヘッドまでの供給流路の距離より短く設定されている。また、切り替えバルブ86から液滴吐出ヘッド50までの供給流路を共有している。
【0054】
洗浄液Sは、例えば、アルコール類、ケトン類、有機アミン類、エーテル類、エステル類その他の有機溶媒と水と界面活性剤などを混合させた液状体が適用され得る。なお、洗浄液Sの組成は、用いられる機能液Rの組成によって適宜定めればよい。
【0055】
圧力制御ユニット84は、レギュレータや各種エアーバルブを内蔵し、エアー源として、例えば、工場内の圧縮エアー配管などに接続されており、タンク82内の洗浄液Sを加圧送液するための圧縮エアーを供給する。すなわち、圧力制御ユニット84は、洗浄液Sをタンク82から液滴吐出ヘッド50にポンプアップする揚程および揚液量に相当する圧力および流量の圧縮エアーを、タンク82に供給する。なお、圧力制御ユニット84は、制御装置16により制御される。
【0056】
タンク82には、各液滴吐出ヘッド50に対応する計12本の補給チューブ88が先端部を洗浄液Sに深く浸漬した状態で接続されている。また、洗浄液Sの上部空間には、圧力制御ユニット84に連通する圧縮エアー管92が接続されている。
【0057】
切り替えバルブ86は、いわゆる三方弁構造をとっており3系統の経路を有し、電磁弁などにより経路を切り替えることができる。切り替えバルブ86は、3系統の開口86a,86b,86cを有しており、開口86aにはタンク82からの補給チューブ88が、開口86bにはパック容器62が、開口86cには、圧力調整弁70を介して、液滴吐出ヘッド50に連通する供給チューブ68が接続されている。なお、本実施形態では、パック容器62は、供給流路を短くするために直接切り替えバルブ86の開口に接続されているがチューブを介して接続されていてもよい。
【0058】
(液状体供給機構の供給動作について)
ここで、液状体供給機構80の液状体の供給動作について、図4および図5を参照して説明する。図5は、液状体供給機構80の供給動作を説明する図である。
【0059】
図5(a)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、パック容器62から液滴吐出ヘッド50への経路Eを適用する。この場合、パック容器62に収容される機能液Rは、切り替えバルブ86の開口86bから開口86cを通過して、供給チューブ68により圧力調整弁70を介して液滴吐出ヘッド50に供給される。
【0060】
そして、液状体吐出装置100は、キャリッジ15と、テーブル10との相対位置を変化させつつ、キャリッジ15に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50のノズル52から機能液Rを液滴として吐出して、テーブル10に搭載されたワークWに所望のパターンを描画する。
【0061】
パック容器62は、パック容器62の下部に設けられた重量測定装置66によりパック容器62の重量が所定の周期で測定され、測定されたデータが制御装置16に送られる。パック容器62に収容される機能液Rが液滴吐出ヘッド50の吐出にともない減ずるとパック容器62の重量が減じ、制御装置16により機能液Rの補充、すなわちパック容器62の交換が指示される。
あるいは、液滴吐出ヘッド50から異なる種類の機能液Rを吐出して異なる種類の機能性膜を形成したい場合は、キャリッジ15に保持されているパック容器62を異なる種類の機能液Rを収容するパック容器62に交換する。
【0062】
本実施形態においては、パック容器62は、キャリッジ15に着脱可能に保持されているので、旧のパック容器62を取り去り、新のパック容器62を取り付けることにより、容易に機能液Rの補充もしくは交換を行うことができる。ただし、液状体吐出装置100に適用される機能液Rは特殊な液状体であり、経時的に物性が変化したり、他の種類の液状体と混合すると物性が変化してしまう。機能液Rの物性が変化するとノズルからの機能液Rの吐出が不安定になってしまう。
【0063】
そのため、図5(b)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、タンク82から液滴吐出ヘッド50への経路Fを適用する。そして、制御装置16により図4に示す圧力制御ユニット84を制御して、圧縮エアー管92を介して圧縮エアーをタンク82内に供給し洗浄液Sを加圧する。加圧された洗浄液Sは、補給チューブ88に送られ切り替えバルブ86の開口86aから開口86cを通過して、圧力調整弁70、液滴吐出ヘッド50およびそれぞれを接続する供給チューブ68を含む供給流路に供給される。供給された洗浄液Sは、この供給流路に滞留する旧の機能液Rを押し流すとともに、供給流路内部を洗浄する。
【0064】
洗浄後の洗浄液Sは、液滴吐出ヘッド50のノズル52から外部に排出される。この洗浄液Sの排出は、図1に示す液状体吸引ユニット60を用いて液滴吐出ヘッド50のノズル52から直接洗浄液Sを吸引することによって行われる。または、液滴吐出ヘッド50を動作させて、洗浄液Sをメンテナンス部35のフラッシングユニットに直接吐出してもよい。
【0065】
次いで、図5(c)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、タンク82からパック容器62への経路Gを適用する。そして、制御装置16により圧力制御ユニット84を制御して、圧縮エアー管92を介して圧縮エアーをタンク82内に供給し洗浄液Sを加圧する。加圧された洗浄液Sは、補給チューブ88に送られ、切り替えバルブ86の開口86aから開口86bを通過して空のパック容器62に送られる。
【0066】
洗浄液Sは、切り替えバルブ86の前回洗浄されてない部位に滞留する旧の機能液Rを押し流し、切り替えバルブ86の経路Gを洗浄する。洗浄後の洗浄液Sは、旧の機能液Rを貯留していた空のパック容器62の内部に貯留され、取り外されたパック容器62ごと廃棄される。なお、取り外されるパック容器62内に機能液Rが残っている場合は、廃棄用のパック容器62Aを別途用意してこの中に貯留してもよい。
【0067】
このように供給流路を洗浄した後、新たな機能液Rが収容される新のパック容器62をキャリッジ15に取り付ける。そして、図5(a)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、パック容器62から液滴吐出ヘッド50への経路Eを適用して、機能液Rの吐出作業を実施する。
【0068】
以下、上述の実施形態の効果を記載する。
(1)この液状体吐出装置100は、洗浄液Sを収容するタンク82と、機能液Rを収容するパック容器62とを備え、切り替えバルブ86によって、液滴吐出ヘッド50に供給される液状体を、機能液Rと洗浄液Sとの間で容易に切り替えることができる。そのため、機能液Rの減少にともなう補充や異なった種類の機能液Rへの交換において、機能液Rに換えて洗浄液Sを、切り替えバルブ86、圧力調整弁70、液滴吐出ヘッド50およびそれぞれを接続する供給チューブ68を含む供給流路に供給することによって、供給流路に滞留する旧の機能液Rを外部に押し流すとともに供給流路を洗浄することができる。従って、機能液Rの補充や交換にともなう洗浄を簡便に行うことができ、作業の効率化に寄与することができる。
【0069】
(2)この液状体吐出装置100は、機能液Rを収容するパック容器62を液滴吐出ヘッド50が搭載されるキャリッジ15に着脱可能に搭載している。そのため、パック容器62を交換するだけで、機能液Rの補充や交換ができる。従って、機能液Rの補充や交換時間を短縮することができる。
【0070】
(3)この液状体吐出装置100は、パック容器62を液滴吐出ヘッド50が搭載されるキャリッジ15に搭載している。そのため、パック容器62から液滴吐出ヘッド50までの機能液Rの供給流路の長さを短くすることができる。従って、供給流路に滞留する機能液Rの量を低減することができ、洗浄時間を短縮することができる。
【0071】
(4)この液状体吐出装置100は、機能液Rを容積が可変なパック容器62に密閉状に収容している。そのため、機能液Rは、液滴吐出ヘッド50から吐出される前にエアーと接触することが防止される。従って、機能液Rへの気泡の混入および機能液Rの変質を防止することができる。
【0072】
(5)この液状体吐出装置100は、パック容器62から切り替えバルブ86(内部部分含む)までの供給流路を洗浄した洗浄液Sを、空になったパック容器62に貯留してパック容器62ごと廃棄することができる。従って、洗浄液Sの廃棄処理が容易になり、交換作業の効率化に寄与することができる。
【0073】
(第2実施形態)
ここで、第2実施形態における液状体吐出装置を、図4および図5を参照して説明する。第1実施形態と同様な構成および内容については、符号を等しくし説明を省略する。
【0074】
第2実施形態における液状体吐出装置100は、第2の収容容器であるパック容器62に、第1実施形態と同様に、ワークWに描画パターンを形成する機能性材料と機能性材料を融解または分散させる溶媒とを含む液状体としての機能液Rを収容する。そして、図4に示す第1の収容容器であるタンク82には、パック容器62に収容された機能液Rに対して溶媒の量を増加させた機能液R1、すなわち、機能性材料と溶媒との混合比率の異なる機能液R1を収容する。
【0075】
機能性材料としては、特に限定されないが表示装置のカラーフィルタのフィルタ材料、有機EL装置におけるEL発光層を形成するための発光材料、配線および電極を形成するための金属微粒子材料などが適用され得る。
【0076】
溶媒としては、アルコール類、ケトン類、有機アミン類、エーテル類、エステル類その他の有機溶媒と水と界面活性剤などを混合させた液状体などが適用され得る。また、液滴の表面張力を調整するため、上記溶媒には、ワークWとの接触角を大きく低下させない範囲で、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加するとよい。ノニオン系表面張力調節剤は、ワークへの濡れ性を向上させ、膜のレベリング性を改良し、膜の微細な凹凸の発生などの防止に役立つものである。
【0077】
次いで、液状体供給機構80の液状体の吐出および供給動作について説明する。
液状体吐出装置100は、図5(a)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、パック容器62から液滴吐出ヘッド50への経路Eを適用する。パック容器62に収容される機能液Rは、切り替えバルブ86の開口86bから開口86cを通過して、供給チューブ68により圧力調整弁70を介して液滴吐出ヘッド50に供給される。そして、図1に示すキャリッジ15と、テーブル10との相対位置を変化させつつ、キャリッジ15に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50のノズル52から機能液Rを液滴として吐出して、テーブル10に搭載されたワークWに所望のパターンを描画する。
【0078】
このとき、液状体吐出装置100に設けられた図示しない撮像装置などの検査手段により、液滴吐出ヘッド50のノズル52からの機能液Rの吐出状態およびワークWに描画された吐膜状態が検査される。機能液Rの吐出は、ノズル52近傍の汚れや異物の付着、機能液Rの粘度などの物性変化および周囲の環境などにより、吐出される液滴の飛行曲がりやドット抜けなどの吐出不良が発生する可能性がある。このような吐出不良が発生すると、形成される機能性膜の微小部分の欠落や表面の凹凸などが生じ、製造される製品にこれらを原因とする機能不良が発生してしまう。
【0079】
液状体吐出装置100の検査手段により、吐膜の微小部分の欠落や表面の凹凸などの不具合が発見された場合は、図5(b)に示すように、制御装置16により切り替えバルブ86を切り替え、タンク82から液滴吐出ヘッド50への経路Fを適用する。そして、制御装置16により図4に示す圧力制御ユニット84を制御して、圧縮エアー管92を介して圧縮エアーをタンク82内に供給し機能液R1を加圧する。加圧された機能液R1は、補給チューブ88に送られ切り替えバルブ86の開口86aから開口86cを通過して、液滴吐出ヘッド50に供給される。
【0080】
ここで、図1に示すキャリッジ15とテーブル10との相対位置を変化させて、液滴吐出ヘッド50のノズル52を当該不具合箇所に対向させ、ノズル52から機能液R1を液滴として不具合箇所およびその周辺に所定量吐出する。
【0081】
機能液R1は、当初吐膜を形成した機能液Rに対して、溶媒の量を増加させている。そのため、微小な欠落部分や表面の凹凸などの不具合箇所に容易に濡れ広がることができ、微小な欠落部分を埋めることや、表面の凹凸を平滑にならすことができる。溶媒は、主な有機溶媒の量を増加するに限らず、界面活性剤や表面張力調節剤などの添加剤を適宜調整してもよい。これらの材料の組成および混合比率は、不具合内容や用いられる機能性材料の種類などによって適宜定めればよい。
【0082】
本実施形態では、機能液R1の溶媒の量を増やす場合を例にとり説明したが、これに限定されない。機能液R1は、用いられる機能性材料、製造される製品、予想される不具合の内容によって、組成の異なる補修用材料を含む液状体を用いてもよい。
【0083】
以下、上述の実施形態の効果を記載する。
(1)機能液Rは、一般に揮発性のある溶剤を用いている。そのため、補修までの時間がかかると、溶剤が揮発してしまい機能性膜が一部形成され、補修が困難になってしまう。この液状体吐出装置100は、補修用の機能液R1を収容するタンク82と、機能液Rを収容するパック容器62とを備え、切り替えバルブ86によって、液滴吐出ヘッド50に供給される液状体を、機能液Rと機能液R1との間で素早く切り替えることができる。そのため、機能液Rの吐出による塗膜の不具合を、機能液Rの溶剤があまり揮発しない内に素早く補修することができる。そのため、補修の精度を上げることができ、機能性膜形成の歩留まりを向上させることができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば上記実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
【0085】
(変形例1)
上述の実施形態では、タンク82に収容される第1の液状体とパック容器62に収容される第2の液状体とが異なる場合について説明したが、これに限定されない。第1の液状体と第2の液状体とが同一な液状体であってもよい。すなわち、タンク82およびパック容器62は、同一な機能液Rをそれぞれ収容してもよい。
【0086】
例えば、パック容器62を主に用い液状体吐出装置100の液滴吐出ヘッド50から機能液Rを吐出して作業を実施する。そして、パック容器62に収容される機能液Rの量が減じてパック容器62の交換が必要になった場合、パック容器62の交換作業の行っている間、切り替えバルブ86を切り替えて、タンク82に収容される機能液Rを用いて吐出作業を続行してもよい。その結果、吐出作業を中断することなしに所望のパターンを描画し続けることができ、吐出作業の効率化に寄与することができる。
【0087】
(変形例2)
上述の実施形態では、液状体吐出装置100が、第1の液状体を収容する第1の収容容器と第2の液状体を収容する第2の収容容器とを有し、三方弁から構成される切り替えバルブ86で供給流路を切り替える場合について説明したが、これに限定されない。液状体の種類は2以上の複数であってもよい。この場合は、それぞれの種類の液状体を収容する複数の収容容器を設け、その数に応じた切り替え構造を有する切り替えバルブもしくは複数の切り替えバルブを備え、必要に応じて切り替えてもよい。この構成によれば、製造する製品に対応する多種の液状体を1つの液状体吐出装置で吐出することができ、作業効率の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】液状体吐出装置の構成を示す図。
【図2】液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図。
【図3】キャリッジを説明する底面図。
【図4】液状体供給機構の構造を示す概略図。
【図5】液状体供給機構の供給動作を説明する図。
【符号の説明】
【0089】
10…テーブル、15…キャリッジ、16…制御装置、20…キャリッジ移動機構、30…第1のテーブル移動機構、40…第2のテーブル移動機構、50…液滴吐出ヘッド、52…ノズル、60…液状体吸引ユニット、62…第2の収容容器としてのパック容器、70…圧力調整弁、68…供給チューブ、80…液状体供給機構、82…第1の収容容器としてのタンク、86…切り替え手段としての切り替えバルブ、88…補給チューブ、100…液状体吐出装置、R,R1…機能性材料を含む液状体としての機能液、S…洗浄用の液状体としての洗浄液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を吐出するノズルと、
前記ノズルに前記液状体を供給する供給流路と、
前記供給流路に連通し、第1の液状体を収容する第1の収容容器と、
前記供給流路に連通し、第2の液状体を収容する第2の収容容器と、
前記第1の液状体の供給と、前記第2の液状体の供給と、を切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする液状体吐出装置。
【請求項2】
前記第1の収容容器は、容積が一定の貯蔵タンクであり、
前記第2の収容容器は、容積が可変の袋状容器であることを特徴とする請求項1に記載の液状体吐出装置。
【請求項3】
前記第1の液状体もしくは前記第2の液状体のどちらか一方は、前記ノズルから吐出され、被吐出対象物に描画パターンを形成する機能性材料を含む液状体であり、
他方は、前記ノズルおよび前記供給流路を洗浄する洗浄用の液状体であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体吐出装置。
【請求項4】
前記第2の収容容器は、前記機能性材料を含む液状体を収容し、
前記第2の収容容器から前記ノズルまでの距離は、前記第1の収容容器から前記ノズルまでの距離よりも短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液状体吐出装置。
【請求項5】
前記ノズルを移動させるキャリッジを有し、
前記第2の収容容器は、前記キャリッジに着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液状体吐出装置。
【請求項6】
前記第1の液状体および前記第2の液状体は、前記機能性材料と前記機能性材料を融解または分散させる溶媒とを含む液状体であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状体吐出装置。
【請求項7】
前記第1の液状体と前記第2の液状体とは、前記機能性材料と前記溶媒との混合比率が異なることを特徴とする請求項6に記載の液状体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−178694(P2009−178694A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22437(P2008−22437)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】