説明

液状重合体組成物

【課題】 広い混合比において相溶性が良好であり、耐水性や接着性を改良し、粘度が低く作業性に優れる液状重合体組成物を提供すること。
【解決手段】 (A)(a)スチレン単位含有量が3〜40モル%の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体と、(b)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの中から選ばれる少なくとも一種のポリオールとを、質量比92:8〜8:92の割合で含む水酸基含有成分、及び(B)ポリイソシアネート化合物を組み合わせた液状重合体組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状重合体組成物に関し、さらに詳しくは、相溶性、耐水性、接着性等に優れ、接着剤、電気絶縁材、樹脂改質剤、熱可塑性ウレタン樹脂、塗料、シーリング材、防水材、コーティング材、制振材等の広範な用途分野に利用することができる液状重合体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無溶剤タイプないし有機溶剤の使用量が僅かで足りる省資源、無公害化を目的とした水酸基含有液状ジエン系重合体及び/又はその水素化物に、硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いる液状重合体組成物が、耐水性、ゴム弾性、低温特性等を活かし電気絶縁材、塗料、シーリング材、接着剤、防水材、コーティング材、制振材等の様々な工業製品原料として使用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、耐水性等を重視しない用途又は作業性の問題で低粘度であることが必要な用途等に関しては、上記水酸基含有液状ジエン系重合体及び/又はその水素化物より安価で低粘度であるポリエーテルポリオール、ひまし油ポリオール、ポリエステルポリオール等の汎用ポリオールに、硬化剤としてポリイソシアネート化合物を用いる液状重合体組成物が使用されている。
【0003】
しかしながら、水酸基含有液状ジエン系重合体及び/又はその水素化物を使用した液状重合体組成物は粘度が高く作業性に劣る等の問題があり、適当な可塑剤を選択し、使用することが必要なため、要求特性を満足するような物性が得られない場合があった。
また、安価で、低粘度であるポリエーテルポリオールやひまし油ポリオール等のポリオールを使用した液状重合体組成物の場合は、耐水性に劣る、接着性が低い等の問題を有しており、当業者間で問題となっていた(特許文献2参照)。
そこで、上記水酸基含有液状ジエン系重合体及び/又はその水素化物とポリエーテルポリオールやひまし油ポリオール等のポリオールを併用することも考えられたが、相溶性が悪く、接着性に悪影響をおよぼすおそれがあり、上記問題を解決するまでには至っていない。
また、特許文献3によると、水酸基含有液状ジエン系ゴムとしてスチレン−ブタジエンゴム、ポリオールとしてポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが例示されているが、実施例では水酸基含有液状ポリブタジエン100重量部に対して、ポリエーテルポリオールを10重量部まで混合した例が記載されている。その程度の少量であれば相溶性も良好であることが考えられるが、一般的に言われているように相溶性が悪いためポリオールを多量に混合することは難しい。
【0004】
【特許文献1】特開昭57−42781号公報
【特許文献2】特開昭57−212223号公報
【特許文献3】特開2000−80145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、広い混合比において相溶性が良好であり、耐水性や接着性を改良し、粘度が低く作業性に優れる液状重合体組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解消し、耐水性、接着性を改良し、作業性に優れる液状重合体組成物を提供するため、鋭意研究を重ねた結果、特定のスチレン含量の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体と特定のポリオールとを特定の割合で含む水酸基含有成分とポリイソシアネート化合物を組み合わせることにより、上記課題を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)(a)スチレン単位含有量が3〜40モル%の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体と、(b)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの中から選ばれる少なくとも一種のポリオールとを、質量比92:8〜8:92の割合で含む水酸基含有成分、及び(B)ポリイソシアネート化合物を組み合わせたことを特徴とする液状重合体組成物、
(2)(A)(a)成分の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体が、数平均分子量300〜25000のものである上記(1)の液状重合体組成物、
(3)(A)成分の水酸基(OH)に対する(B)成分のイソシアネート基(NCO)のモル比NCO/OHが0.4〜10.0である上記(1)または(2)
の液状重合体組成物、及び
(4)接着剤、電気絶縁材、樹脂改質剤、熱可塑性ウレタン樹脂、塗料、シーリング剤、防水材、コーティング材又は制振材の用途に用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の液状重合体組成物、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、広い混合比において相溶性が良好であり、耐水性や接着性を改良し、粘度が低く作業性に優れる液状重合体組成物を提供することができる。
さらに、本発明の液状重合体組成物は、接着剤、電気絶縁材、樹脂改質剤、熱可塑性ウレタン樹脂、塗料、シーリング剤、防水材、コーティング材又は制振材等の用途に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の液状重合体組成物においては、(A)(a)スチレン単位含有量が3〜40モル%の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体と、(b)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの中から選ばれる少なくとも一種のポリオールとを、質量比92:8〜8:92の割合で含む水酸基含有成分、及び(B)ポリイソシアネート化合物を組み合わせる。
【0009】
本発明における(A)成分である水酸基含有成分においては、(a)成分として、スチレン単位含有量が3〜40モル%の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体が必須成分として用いられる。
水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体に関しては、末端に水酸基を有し、スチレン単位含有量が3〜40モル%であれば特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体等いずれの物であっても良い。
(a)成分のスチレン単位含有量は、3〜40モル%であることが必要である。好ましくは、5〜20モル%である。スチレン単位含有量が3モル%以上であると、併用する(b)成分のポリオールとの相溶性が良好で、接着性向上効果が発揮される。40モル%以下であると、適度の粘度を有し、取り扱いが容易で作業性が良好となる。
また、(a)成分の分子量については特に制限はないが、通常、数平均分子量で300〜25000、好ましくは500〜5000程度の物が好適である。数平均分子量を上記範囲にすることで、作業性の低下を抑制し所望の硬化物性を得ることができる。
さらに、(a)成分の製造方法については特に制限されず、種々の公知の方法により製造することができる。
例えば、ブタジエン及びスチレンをイソプロピルアルコールを溶媒として40質量%程度の過酸化水素水の存在下にオートクレーブ中80〜150℃程度、30〜200分間程度反応させれば良い。
【0010】
次に、本発明における(A)成分である水酸基含有成分においては、(b)成分として、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの中から選ばれる少なくとも一種のポリオールが必須成分として前記(a)成分と併用される。
ポリエーテル構造をもつ代表的なポリオールとしてポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。それぞれ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランを開環重合して得られる。また、これらの共重合ポリオールを用いることもできる。
また、エステル構造もつポリオールとして、二塩基酸とグリコール類から得られる重縮合型ポリエステル(アジピン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル)ポリオール、環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステル(ポリカプロラクトンポリエステル等)ポリオール等に大別される。
また、ひまし油ポリオールは、リシノール酸を主成分とするひまし油系より誘導されるポリオールであり、いずれのポリオールも市販品として入手することができる。
【0011】
上記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの他に、併用できるポリオールとして、水酸基をもつヒドロキシ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸モノマーと(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の共重合体であるアクリルポリオール;エポキシ樹脂変性ポリオール;ジフェニルカーボネートやジエチルカーボネート、あるいはエチレンカーボネートと、1,6ヘキサンジオールを原料とするヘキサメチレン系ジオール等のカーボネート系ポリオール;トリメチロールアルカンの部分エステル交換物、等の一般的に使用されるウレタン用ポリオールやこれらの混合物等を挙げることができる。
【0012】
本発明においては、(A)成分である水酸基含有成分における(a)成分と(b)成分との混合割合は、質量比で92:8〜8:92であることが必要である。(a)成分の量が8質量%以上であると耐水性や接着性が良好となり、92質量%以下であると、適度の粘度を有し作業性が良い。好ましくは90:10〜10:90である。
また、(a)成分と(b)成分との混合物の25℃における粘度(B型粘度計にて25℃で測定)は、15Pa・s以下が好ましい。混合物の粘度が15Pa・s以下であると作業性が良好である。5Pa・s/25℃以下がより好ましい。
【0013】
本発明における必須成分である(B)成分のポリイソシアネート化合物とは、1分子中に2個またはそれ以上の高活性のイソシアネート基を有する有機化合物であって、通常、常温・常圧で前記(A)成分である水酸基含有成分(a)及び(b)の水酸基の活性水素と化学反応する。このポリイソシアネート化合物の例としては、通常の芳香族、脂肪族、脂環族のものを挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートの具体的な例としては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2 ’ -ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-と2,2 ’-ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(以上全てMDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタリン-1,5-ジイソシアネート、o-トルイジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、イソプロピルベンゼン-2,4-ジイソシアネート等を挙げることができる。
また、脂肪族-芳香族ポリイソシアネート(イソシアネート基が、脂肪族炭化水素を介して芳香族環と結合した化合物、すなわち分子中に芳香族環と直接結合したイソシアネート基を有さないポリイソシアネート)の具体的な例として、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等を挙げることができる。
【0014】
さらに、脂肪族ポリイソシアネートの具体的な例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネートメチルオクタン、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
さらにまた、脂環族ポリイソシアネートの具体的な例として、トランスシクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0015】
その他、前記ポリイソシアネート化合物の環化三量体(イソシアヌレート変性体)、ビューレット変性体やエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、水添ダイマー酸ジイソシアネート、ポリアルカジエンポリオール、ポリアルカジエンポリオールの水素化物、部分鹸化エチレン-酢酸ビニル共重合体、ヒマシ油系ポリオール等のポリオール化合物と前記ポリイソシアネート化合物との付加反応物等が用いられる。
また、これらポリイソシアネート化合物は一種単独または二種以上を混合して用いることもでき、さらにこれらポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をフェノール類、オキシム類、イミド類、メルカプタン類、アルコール類、ε -カプロラクタム、エチレンイミン、α-ピロリドン、マロン酸ジエチル、亜硫酸水素ナトリウム、ホウ酸等のブロック剤でブロックしたいわゆるブロックイソシアネート化合物を用いることができる。
【0016】
(A)成分の水酸基(OH)に対する(B)成分のイソシアネート基(NCO)のモル比NCO/OHには特に制限はないが、通常、0.4〜10.0が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5.0である。NCO/OHを上記範囲にすることによってウレタン架橋による強度を保持すると同時に接着性を向上することができる。
以上のように、(A)成分と(B)成分を混合することによって初めて本発明の効果を奏することができるが、本発明の液状重合体組成物は、(A)成分と(B)成分をあらかじめ混合しておいて用いる1液タイプ、(A)成分と(B)成分を
別々にし、使用時に両者を混合して用いる2液タイプのいずれのタイプでも用いることができる。1液タイプで用いる場合は、(B)成分として前記ブロックイソシアネート化合物を用いることが好ましい。
ブロックイソシアネートを使用しない場合、混合物は湿気、熱等により増粘・硬化が進行するため水分や熱の管理が重要となる。
【0017】
本発明では、上記(A)成分及び(B)成分を基本成分として用いているが、液状重合体組成物の機械的物性等をさらに向上させるために、本発明の主旨を損なわない範囲で添加剤を用いても良い。
その他の添加剤としては、物性向上用低分子量ポリオール(ビスフェノール型ポリオール、アニリン系ポリオール、オクタンジオール等の炭化水素系低分子量ポリオール等)、粘度調整剤(フタル酸・脂肪酸系可塑剤、プロセスオイル、シリコーンオイル、パラフィン系オリゴマー、オレフィン系オリゴマー等)、無機・有機充填剤(炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、中空フィラー、ゴム粉末、樹脂粉末等)、瀝青物質(ストレートアスファルト、ブローンアスファルト、石油ピッチ等)、溶剤(炭化水素系、芳香族系等)、粘着付与剤(石油樹脂等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤、難燃剤(りん系、ハロゲン系、酸化アンチモン、無機充填剤系)、発泡抑制剤・表面処理材、硬化触媒(錫系、イミダゾール系、アミン系等)等を挙げることができる。
【実施例】
【0018】
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、主剤、及び硬化物の評価については、以下の方法に従って行なった。
【0019】
<相溶性確認>
第1表に示す配合の主剤について所定量配合して室温で攪拌混合を実施し、試験管に流し込み、室温1週間後の外観を確認した。
*評価基準
○:無色透明、相分離なし
×:白濁又は相分離
<主剤粘度>
上記主剤を室温で攪拌混合した後、B型粘度計にて25℃の粘度を測定した。
*評価基準
◎:作業性非常に良好
○:作業性良好
×:作業性不良
作業性を考慮し、15Pa・s/25℃以下を良好とした。
<耐水性>
主剤を攪拌後、ポリイソシアネート化合物及び触媒を表に示す割合で加え、60℃で2分間混合攪拌し、液状の重合体を得た。これを金型上に流し、60℃で2時間プレスした後、60℃で15時間養生して硬化体を得た。
得られた硬化物を70℃にて1週間熱水浸漬後の重量変化率を測定した。
*評価基準
◎:重量変化率0.5%未満
○:0.5以上1.0%未満
×:1.0%以上
<接着性>
主剤を攪拌後、ポリイソシアネート化合物及び触媒を表に示す割合で加え、60℃で2分間混合攪拌し、液状の重合体を得た。選られた重合体をアルミニウム被着体間に流し込み、25℃で7日間硬化させた後、50℃で7日間養生させたものについて、JIS A5758に準拠して引張り接着性試験実施した。
*評価基準
○:凝集破壊
△:一部凝集破壊
×:界面破壊
【0020】
<(a)成分の製造例>
製造例1
水酸基含有ブタジエン−スチレン共重合体の調製
1Lオートクレーブにブタジエン239.4g(4.4mol)、スチレンモノマー75.6g(0.73mol)、イソプロピルアルコール198.5g、水1.8g及び35質量%過酸化水素水を67.5g封入した。約60分かけて130℃まで昇温した後、さらに60分反応させた。冷却及び脱圧後内容物を抜出し、分液漏斗にて水洗を実施した。2〜3時間静置後、有機層を取り出し、エバポレーターにて70℃、1時間、さらに100℃、2時間減圧処理にて、溶剤等の除去を実施し、残留物として共重合体205gを得た。このものは、スチレン単位含量15mol%、数平均分子量1750、水酸基含量1.14mol/kg、ジエン部分のミクロ構造 シス:トランス:ビニル 20:60:20、粘度20Pa・s(25℃)であった。
製造例2
スチレンモノマー量を5.0gに変更した以外は製造例1と同じ条件にて調製し、スチレン単位含量2mol%、数平均分子量1800、水酸基含量1.20mol/kg、粘度4.0Pa・s(25℃)の水酸基含有ブタジエン−スチレン共重合体を得た。
製造例3
スチレンモノマー量を230.0gに変更した以外は製造例1と同じ条件にて調製し、スチレン単位含量40mol%、数平均分子量2100、水酸基含量1.08mol/kg、粘度102Pa・s(25℃)の水酸基含有ブタジエン−スチレン共重合体を得た。
製造例4
スチレンモノマー量を290.0gに変更した以外は製造例1と同じ条件にて調製し、スチレン単位含量50mol%、数平均分子量2160、水酸基含量1.05mol/kg、粘度260Pa・s(25℃)の水酸基含有ブタジエン−スチレン共重合体を得た。
【0021】
実施例1〜6、比較例1〜9
第1表に示す配合量に従ってそれぞれの液状重合体組成物を得た。
評価結果を第1表−1及び第1表−2に示す。
【0022】
【表1】

【0023】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の液状重合体組成物は、接着剤、電気絶縁材、樹脂改質剤、熱可塑性ウレタン樹脂、塗料、シーリング剤、防水材、コーティング材又は制振材の用途に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a)スチレン単位含有量が3〜40モル%の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体と、(b)ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びひまし油ポリオールの中から選ばれる少なくとも一種のポリオールとを、質量比92:8〜8:92の割合で含む水酸基含有成分、及び(B)ポリイソシアネート化合物を組み合わせたことを特徴とする液状重合体組成物。
【請求項2】
(A)(a)成分の水酸基を有する液状ブタジエン−スチレン共重合体が、数平均分子量300〜25000のものである請求項1に記載の液状重合体組成物。
【請求項3】
(A)成分の水酸基(OH)に対する(B)成分のイソシアネート基(NCO)のモル比NCO/OHが0.4〜10.0である請求項1または2に記載の液状重合体組成物。
【請求項4】
接着剤、電気絶縁材、樹脂改質剤、熱可塑性ウレタン樹脂、塗料、シーリング剤、防水材、コーティング材又は制振材の用途に用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の液状重合体組成物。


【公開番号】特開2006−77049(P2006−77049A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259721(P2004−259721)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(301020167)出光サートマー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】