説明

深度イメージに基づくモデリング方法及び装置

【課題】深度イメージに基づくモデリング方法及び装置を提供する。
【解決手段】三次元多角形メッシュを深度イメージに基づいてモデリングする方法において、前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップ40と、複数のサンプリングラインを利用して前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップ41と、前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップ42と、三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップ44と、前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングをするステップ45とを含むことを特徴とする深度イメージに基づくモデリング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深度イメージに基づくモデリング方法(a depth image-based modeling method)及び装置に係り、特に、深度情報とカラー情報とを多角形モデル(polygonal model)から取得してモデリングを行うモデリング方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
深度イメージに基づく表現(DIBR:Depth−Image−Based Representation)は、静止画像または動画像において表示された客体(object)の各仮想点から得られた複数の画像と、各画像の画素毎の(pixel-wise)深度情報とを合成する技術である。
一般に、DIBRは、元画像の点を、元画像の各画素の深度情報を利用して三次元(3D)空間に再投影する過程と、これら3D空間上の点を、所定のビューイング(viewing)位置にある仮想カメラの映像平面に投影する過程とからなる。
すなわち、DIBRは、二次元(2D)画像を三次元(3D)空間に再投影する段階と、再投影結果を2次元空間に投影し直す段階とから構成される。
【0003】
図1A乃至図1Cには、従来のDIBRモデリング方法の過程が示されている。
図1Aにおいて、参照番号10は客体を示し、参照符号11は仮想カメラを示している。図1Aに示すように、従来のDIBRモデリング方法では、客体10を中心とした複数の位置に仮想カメラ11が設置され、客体10に関する複数の映像が得られる。図1Bは、仮想カメラ11により得られた複数のカラーイメージ12と、深度情報を有する深度イメージ13とを図示したものである。ここで、深度イメージ13はグレイスケールイメージである。
図から明らかなように、仮想カメラ11は、客体の前後左右上下方向に位置して、客体に関する映像(イメージ)を得ることが判る。
図1Cは、図1Bに示したカラーイメージと深度イメージとを合成して得られるDIBRイメージである。
【0004】
しかし、従来のDIBRモデリング方法の場合、何台もの仮想カメラを利用して映像を得るので、作業速度が遅いという問題点があり、かかる問題は、複雑な客体である場合、仮想カメラがさらに増加してしまうので、さらに深刻化する。
【0005】
また、図2A及び図2Bに示すように従来のDIBRモデリング方法の場合、客体を取り囲む最小の体積を有するカメラバウンディングボリューム(BV:Bounding Volume)を手動で調整する必要があるので、この調整を行う作業者の能力によって画質が変わってしまうという問題があった。
ここで、図2Aには、BVの最適化が良好に行われた場合の例が示されており、図2Bには、BVの最適化が良好に行われなかった場合の例が示されている。
【0006】
さらに、従来のDIBRモデリング方法の場合、客体の複雑度により、仮想カメラの領域の設定をユーザが直接行う必要があるという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、客体の三次元多角形メッシュ構造における頂点座標を利用して、三次元深度情報及びカラー情報を取得してDIBRモデリング方法を行うための方法、すなわち、深度イメージに基づくDIBRモデリング方法と、これを行う装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、三次元多角形メッシュを深度イメージに基づいてモデリングする方法において、前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップと、複数のサンプリングラインを利用して前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップと、前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップと、三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップと、前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングをするステップとを含む深度イメージに基づくモデリング方法に関するものである。
【0009】
この方法において、前記バウンディングボリュームは、三次元多角形メッシュの周縁を取り囲むのに必要な大きさを有し、前記モデリングは、ポイントテクスチャフォーマットを使用することが好ましい。
【0010】
また、前記サンプリングラインの数は、前記モデリング時に具現しようとするポイント解像度に比例して決定されることが好ましい。具体的には、オブジェクトのモデリングの結果として得られるDIBR(depth image-based rendering)イメージの点解像度に応じて決定されることが好ましい。
【0011】
また、前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを有効頂点として抽出するステップは、前記三次元多角形メッシュの多角形面を含む三次元グリッドの頂点のうちのいくつかを抽出するステップと、抽出した頂点を対応する多角形面に投影した際に、前記三次元多角形メッシュの内側に位置する頂点を有効頂点として選択するステップとを含むことが好ましい。
【0012】
さらに、前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを有効頂点として抽出するステップは、前記三次元グリッドの中心点から前記三次元グリッドの頂点までの距離が、前記三次元多角形メッシュの多角形面までの距離より大きい場合に、前記三次元グリッドが前記三次元多角形メッシュの多角形面を含むと判断し、この条件を満たす三次元グリッドの頂点を前記有効頂点として抽出することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、有効頂点として選択された三次元グリッドの頂点と最も近い三次元多角形メッシュ頂点の深度情報を、前記有効頂点の深度情報として用いることが好ましく、前記有効頂点のカラー情報は、前記有効頂点と最も近い三次元多角形メッシュ頂点の座標をテクスチャ座標に変換し、前記テクスチャ座標からカラー情報を求めることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するステップと、前記二次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するステップと、前記二次元多角形メッシュの頂点を利用して、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを求めるステップと、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするステップとを含む深度イメージに基づくモデリング方法に関するものである。
【0015】
このモデリング方法における前記モデリングは、ポイントテクスチャフォーマットを使用し、前記グリッドは、前記モデリングにより得られるDIBRイメージ(depth image-based representation)のポイント解像度に比例して決定され、前記グリッドの頂点についての深度情報及びカラー情報は、テクスチャ座標を用いて求められ、前記テクスチャ座標は、前記グリッドの頂点と最も近い二次元多角形メッシュの頂点の座標を変換して求めることが好ましい。
【0016】
さらに本発明は、三次元多角形メッシュについての所定大きさを有するバウンディングボリュームを抽出し、複数のサンプリングラインを利用して、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得する分割部と、前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出する頂点抽出部と、前記三次元メッシュの複数の頂点の深度情報を利用して、前記有効頂点の深度情報を抽出する深度情報抽出部と、前記三次元グリッドの頂点についてのテクスチャマップを生成し、前記三次元グリッドの頂点に対応する前記テクスチャマップにおけるテクスチャ座標を利用して、各有効頂点のカラー情報を抽出するカラー情報抽出部と、前記深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするモデリング部とを備える深度イメージに基づくモデリング装置に関するものである。
【0017】
この装置では、前記三次元多角形メッシュの周縁を取り囲むのに必要な大きさの前記バウンディングボリュームを抽出し、前記バウンディングボリュームの分割に用いられる前記サンプリングラインの数は、前記モデリング時に具現しようとするポイント解像度に基づいて決定されることが好ましい。
【0018】
さらに、前記頂点抽出部は、前記三次元多角形メッシュの多角形面を含む三次元グリッドの頂点を抽出し、抽出した頂点を対応する多角形面に投影した際に、前記三次元多角形メッシュの内側に位置する頂点を有効頂点として選択することが好ましい。
【0019】
また、前記有効頂点のカラー情報は、中心座標系を用いて前記各有効頂点の座標をテクスチャ座標に変換し、各有効頂点のテクスチャ座標はRGB値に変換して取得することが好ましい。
【0020】
また、本発明は、三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するテクスチャマップ生成部と、前記に次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するグリッド生成部と、前記二次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを求める深度情報抽出部と、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするモデリング部とを含んで構成される深度イメージに基づくモデリング装置に関するものである。
【0021】
また、本発明は、コンピュータで読取可能な記録媒体に関するものであって、前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップと、複数のサンプリングラインを利用し、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップと、前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップと、三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップと、前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするステップとを含んで構成される深度イメージに基づくモデリング方法を実行するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0022】
さらに、本発明は、コンピュータで読取可能な記録媒体に関するものであって、三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するステップと、前記二次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するステップと、前記二次元多角形メッシュの頂点を利用して、前記グリッド頂点についての深度情報と、カラー情報とを求めるステップと、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするステップとを含んで構成される深度イメージに基づくモデリング方法を実行するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、何枚もの深さ映像を合わせる作業が必要なく、多角形を介して直接深さ情報を得ることができるので、正確度が高い。また、複数の仮想カメラを設置する必要がないので、作業過程を短縮でき、カメラの死角地帯に係る深さ情報も抽出可能である。また、BVがポイントの解像度に比例して決定されるので、画質が改善され、ユーザが介入する過程が必要ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付された図面を参照しつつ、本発明の詳細に説明する。
図3は、本実施形態に係るDIBRモデリング装置のブロック図である。
図3に示すように、このDIBRモデリング装置は、分割部30と、頂点抽出部31と、深度情報抽出部32と、カラー情報抽出部33と、DIBR部34とを備えて構成される。
次に、この図3に示すDIBRモデリング装置の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。
図4は、本実施形態に係るDIBRモデリング方法に関するフローチャートである。
【0025】
図3及び図4に示すように、分割部30は、オーサリングツール(authoring tool)を用いて取得した3D多角形メッシュ(3D polygonal mesh)から、BV(バウンディングボリューム)を抽出する(ステップ40)。そして、分割部30は、複数のサンプリングライン(sampling line)を用いてBVを分割して、3次元グリッド(3D grid)を取得する(ステップ41)。
ここで、BVは、客体の周縁を取り囲むのに必要な大きさを有する。言い換えると、BVは、客体の周囲を取り囲むことのできる最小限の大きさで生成される。なぜなら、本発明では、従来のように仮想カメラを設置する必要がないからである。
【0026】
抽出されたBVの分割に用いられるサンプリングラインの本数は、ポイント(point)解像度(客体(オブジェクト)のモデリングの結果として得られるDIBR(depth image-based rendering)イメージの点解像度)に比例するボリューム(volume)解像度に基づいて決定される。さらに詳細に説明すれば、本実施形態で用いられるDIBRフォーマットは、ポイントテクスチャフォーマットである。
ポイントテクスチャフォーマットでは、サンプリングラインと客体との間の交差点の各々は、深度情報とカラー情報とを有している。
従って、本実施形態では、最終的な3次元DIBRのポイント解像度が一旦設定されると、抽出されたBVの分割に用いられるサンプリングラインの本数が、このポイント解像度に応じて一義的に決まることになる。
図5は、複数のサンプリングラインを利用してBVを分割して得られる三次元グリッドを示す図である。
【0027】
三次元多角形メッシュの生成に用いられるオーサリングツール(authoring tool)としては、3DS Maxや、Mayaなどのような従来公知の3次元グラフィックツールを用いることができる。
【0028】
頂点抽出部31は、分割された三次元グリッドの頂点のうち、三次元多角形メッシュと交差する頂点を有効頂点として抽出する。
言い換えると、頂点抽出部31は、3次元多角形メッシュと交差する3Dグリッドから抽出される複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として選択する。
具体的に説明をすると、頂点抽出部31は、3次元多角形メッシュの多角形面を含む三次元グリッドの複数の立方体から、頂点を抽出する(ステップ42)。
【0029】
ここで、三次元グリッドの中心点から三次元多角形メッシュの多角形面までの距離が、三次元グリッドの中心点から立方体形状の三次元グリッドの頂点までの距離より小さければ、該当三次元グリッドが多角形面を備えていると判別する。
言い換えると、三次元グリッドの中心点から三次元グリッドの頂点までの距離が、三次元多角形メッシュの多角形面までの距離より大きい場合に、三次元グリッドが三次元多角形メッシュの多角形面を含むと判断する。
【0030】
そして、頂点抽出部31は、ステップ42において抽出された頂点の中から、いくつかを、有効頂点として選択する(ステップ43)。
頂点が有効であるか否かは、該当頂点を対応する多角形面に投影した際に、投影された点が、対応する多角形面の内部に存在するか否か(内側に位置するか否か)に基づき判断する。ここで、投影された点が多角形面の内部に存在しているか否かの判断は、投影された点により内部分割された多角形の面積の和が総面積の和と同じであるか否かを判別してなされる。
【0031】
ここで、図6Aに示すような三角形ABCを、例に挙げて説明をする。
投影点Dが三角形ABCの内部にある場合には、三角形ABCの面積は、三角形ABDの面積と、三角形ADCの面積と、三角形BDCの面積との和と同じになる。しかし、図6Bのように、投影点Dが三角形ABCの外部にある場合には、三角形ABCの面積は、三角形ABDの面積と、三角形ADCの面積と、三角形BDCの面積との和と同じにはならない。
【0032】
有効な頂点が選択されると、深度情報抽出部32は、有効頂点に関する深度情報を抽出し、カラー情報抽出部33は、カラー情報を抽出する(ステップ44)。
【0033】
有効頂点に関する深度情報は、図7に図示されているように、有効頂点と距離が最も近い3D多角形メッシュの頂点の深度情報に置き換えることができる。
図7は、図5の参照番号50で示す部分を拡大して示したものである。
図7において、70はグリッド頂点を示し、71は多角形のメッシュ頂点を示す。
【0034】
図8に示すように、有効頂点に関するカラー情報は、各有効頂点の座標(x,y,z)を、中心座標系(Barycentric coordinate)を利用してテクスチャマップのテクスチャ座標(U,V)に変換し、これに続いて各有効頂点のテクスチャ座標(U,V)の値をRGBのカラー値に変換することで得ることができる。
【0035】
DIBR部34は、有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を、DIBRフォーマットの情報に変換すると共にこのDIBRフォーマットの情報をモデリングすることで、三次元のDIBRイメージ(depth image-based representation image)を生成する(ステップ45)。
【0036】
図9は、本発明の他の実施形態に係る深度イメージに基づくモデリング方法に関するフローチャートである。
この方法では、始めに、三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを、前記したオーサリングツール(authoring tool)を用いて生成する(ステップ90)。
テクスチャマップに含まれる2次元多角形メッシュにグリッドを重畳させる(ステップ91)。ここで、グリッドは、前記したように複数のサンプリングラインを用いて生成される。
【0037】
本実施形態でも、最終的な3次元DIBRイメージのポイント解像度が決定されると、グリッドの生成に用いられるサンプリングラインの本数は、ポイント解像度に比例して一義的に決定される。
図10Aは、テクスチャマップの一部分にグリッド重ねて表示したものである。この図においては、図示されているグリッドは、説明の便宜のために間隔が大きく描かれているが、グリッドの隣接するサンプリングラインの間隔は、2次元多角形メッシュの解像度よりも小さいことが望ましい。
【0038】
各グリッド頂点に対し、グリッド頂点と最も近い多角形メッシュの頂点についての深さとカラーの情報を、グリッド頂点の深さとカラーの情報に代替する(ステップ92)。
言い換えると、2次元多角形メッシュの複数の頂点に関する深度情報とカラー情報とは、グリッドの頂点のうちの最も近い頂点に関する深度情報とカラー情報とに置き換えられる(ステップ92)。
図10Bは、図10Aの参照番号100で示す部分を拡大して図示したものである。
【0039】
ここで、図7において、参照番号70はグリッド頂点を示し、参照番号71は多角形メッシュの頂点を示すものである。
また、参照番号101は、グリッド頂点を表す。参照番号102及び103は、それぞれ多角形メッシュの頂点を図示したものである。
グリッド頂点101に関する深度情報及びカラー情報は、グリッド頂点101に最も近い多角形メッシュの頂点102が有するテクスチャ座標を用いて取得することができる。
頂点102に関するカラー情報は、テクスチャ座標(U,V)の値を、RGB値に変換することで取得することができる。
また、多角形メッシュ頂点102の深度情報は、テクスチャ座標(U,V)を中心座標系(Barycentric coordinate system)を利用して、(x,y,z)座標に変換することで取得することができる。
【0040】
各グリッド頂点についてのカラー情報及び深度情報を、それぞれDIBRフォーマットの情報に変換し、3次元DIBRイメージを生成する(ステップ93)。
【0041】
本発明は、また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。
ここでいう、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが記録されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(Read−Only Memory)、RAN(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フレキシブルディスク、光データ記録装置などがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行されうる。そして、本発明を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマらにより容易に推論可能である。
【0042】
すなわち、ここでいう本発明に係るコンピュータで読み取り可能な記録媒体とは、前記した深度イメージに基づくモデリング方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体であって、具体的には、コンピュータに前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップと、複数のサンプリングラインを利用し、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップと、前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップと、三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップと、前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするステップとしての機能を実行させるプログラムが記録された記録媒体である。
【0043】
さらに言い換えると、コンピュータを、三次元多角形メッシュについての所定大きさを有するバウンディングボリュームを抽出し、複数のサンプリングラインを利用して、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得する分割手段、前記三次元多角形メッシュと交差する全気団次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出する頂点抽出手段、前記三次元メッシュの複数の頂点の深度情報を利用して、前記有効頂点の深度情報を抽出する深度情報抽出手段、前記三次元グリッドの頂点についてのテクスチャマップを生成し、前記三次元グリッドの頂点に対応する前記テクスチャマップにおけるテクスチャ座標を利用して、各有効頂点のカラー情報を抽出するカラー情報抽出手段、前記深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするモデリング手段として機能させるプログラム自体、若しくはこのプログラムを記憶した記録媒体として具現化することができる。
【0044】
本発明について前記実施形態を参考にして説明したが、それらは、例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者ならば、それらから多様な変形及び均等な他実施形態が可能であるという点が理解されるであろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想により決まるものである。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の深度イメージに基づくモデリング方法及び装置は、例えば映像関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】従来のDIBR過程を図示したグラフィックである。
【図1B】従来のDIBR過程を図示したグラフィックである。
【図1C】従来のDIBR過程を図示したグラフィックである。
【図2A】カメラボリュームの例を図示したグラフィックである。
【図2B】カメラボリュームの例を図示したグラフィックである。
【図3】本発明の一実施形態によるDIBR装置に係るブロック図である。
【図4】本発明の他の実施形態によるDIBR法に係るフローチャートである。
【図5】バウンディングボリュームを複数のサンプリングラインを利用して3Dグリッドに分割する過程を図示したグラフィックである。
【図6A】三次元グリッド頂点を多角形面に投影した例を図示した図面である。
【図6B】三次元グリッド頂点を多角形面に投影した例を図示した図面である。
【図7】図5の参照番号50の部分を拡大して図示したグラフィックである。
【図8】三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを図示したグラフィックである。
【図9】本発明の他の実施形態による深度イメージに基づくモデリング方法に係るフローチャートを図示した図面である。
【図10A】テクスチャマップの一部分にグリッドを図示したグラフィックである。
【図10B】図10Aの参照番号100の部分を拡大して図示したグラフィックである。
【符号の説明】
【0047】
30 分割部
31 頂点抽出部
32 深さ情報抽出部
33 カラー情報抽出部
34 DIBR部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元多角形メッシュを深度イメージに基づいてモデリングする方法において、
前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップと、
複数のサンプリングラインを利用して前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップと、
前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップと、
三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップと、
前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングをするステップとを含むことを特徴とする深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項2】
前記バウンディングボリュームは、
三次元多角形メッシュの周縁を取り囲むのに必要な大きさを有することを特徴とする請求項1に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項3】
前記モデリングは、
ポイントテクスチャフォーマットを使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項4】
前記サンプリングラインの数は、
前記モデリング時に具現しようとするポイント解像度に比例して決定されることを特徴とする請求項3に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項5】
前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを有効頂点として抽出するステップは、
前記三次元多角形メッシュの多角形面を含む三次元グリッドの頂点のうちのいくつかを抽出するステップと、
抽出した頂点を対応する多角形面に投影した際に、前記三次元多角形メッシュの内側に位置する頂点を有効頂点として選択するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項6】
前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを有効頂点として抽出するステップは、
前記三次元グリッドの中心点から前記三次元グリッドの頂点までの距離が、前記三次元多角形メッシュの多角形面までの距離より大きい場合に、前記三次元グリッドが前記三次元多角形メッシュの多角形面を含むと判断し、
この条件を満たす三次元グリッドの頂点を前記有効頂点として抽出することを特徴とする請求項5に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項7】
有効頂点として選択された三次元グリッドの頂点と最も近い三次元多角形メッシュ頂点の深度情報を、前記有効頂点の深度情報として用いることを特徴とする請求項1に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項8】
前記有効頂点のカラー情報は、
前記有効頂点と最も近い三次元多角形メッシュ頂点の座標をテクスチャ座標に変換し、前記テクスチャ座標からカラー情報を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項9】
三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するステップと、
前記二次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するステップと、
前記二次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを求めるステップと、
前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするステップとを含むことを特徴とする深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項10】
前記モデリングは、
ポイントテクスチャフォーマットを使用することを特徴とする請求項9に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項11】
前記グリッドは、
前記モデリングにより得られるDIBRイメージのポイント解像度に比例して決定されることを特徴とする請求項10に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項12】
前記グリッドの頂点についての深度情報及びカラー情報は、テクスチャ座標を用いて求められ、
前記テクスチャ座標は、前記グリッドの頂点と最も近い二次元多角形メッシュの頂点の座標を変換して求めることを特徴とする請求項9に記載の深度イメージに基づくモデリング方法。
【請求項13】
三次元多角形メッシュについての所定大きさを有するバウンディングボリュームを抽出し、複数のサンプリングラインを利用して、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得する分割部と、
前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出する頂点抽出部と、
前記三次元メッシュの複数の頂点の深度情報を利用して、前記有効頂点の深度情報を抽出する深度情報抽出部と、
前記三次元グリッドの頂点についてのテクスチャマップを生成し、前記三次元グリッドの頂点に対応する前記テクスチャマップにおけるテクスチャ座標を利用して、各有効頂点のカラー情報を抽出するカラー情報抽出部と、
前記深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするモデリング部とを備えることを特徴とする深度イメージに基づくモデリング装置。
【請求項14】
前記分割部は、
前記三次元多角形メッシュの周縁を取り囲むのに必要な大きさの前記バウンディングボリュームを抽出し、
前記バウンディングボリュームの分割に用いられる前記サンプリングラインの数は、前記モデリング時に具現しようとするポイント解像度に基づいて決定されることを特徴とする請求項13に記載の深度イメージに基づくモデリング装置。
【請求項15】
前記頂点抽出部は、
前記三次元多角形メッシュの多角形面を含む三次元グリッドの頂点を抽出し、
抽出した頂点を対応する多角形面に投影した際に、前記三次元多角形メッシュの内側に位置する頂点を有効頂点として選択することを特徴とする請求項13に記載の深度イメージに基づくモデリング装置。
【請求項16】
前記有効頂点のカラー情報は、中心座標系を用いて前記各有効頂点の座標をテクスチャ座標に変換し、各有効頂点のテクスチャ座標はRGB値に変換して取得することを特徴とする請求項13に記載の深度イメージに基づくモデリング装置。
【請求項17】
三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するテクスチャマップ生成部と、
前記に次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するグリッド生成部と、
前記二次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを求める深度情報抽出部と、
前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするモデリング部とを含むことを特徴とする深度イメージに基づくモデリング装置。
【請求項18】
前記三次元多角形メッシュについてのバウンディングボリュームを抽出するステップと、
複数のサンプリングラインを利用し、前記バウンディングボリュームを分割して三次元グリッドを取得するステップと、
前記三次元多角形メッシュと交差する前記三次元グリッドの複数の頂点のうちのいくつかを、有効頂点として抽出するステップと、
三次元多角形メッシュの複数の頂点を利用して、各有効頂点に関する深度情報及びカラー情報を求めるステップと、
前記有効頂点の深度情報及びカラー情報を利用してモデリングするステップとを含んで構成される深度イメージに基づくモデリング方法を実行するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項19】
三次元多角形メッシュについてのテクスチャマップを生成し、前記三次元多角形メッシュを二次元多角形メッシュに変換するステップと、
前記二次元多角形メッシュに重畳させるグリッドを生成するステップと、
前記二次元多角形メッシュの頂点を利用して、前記グリッド頂点についての深度情報と、カラー情報とを求めるステップと、
前記グリッドの複数の頂点についての深度情報と、カラー情報とを利用してモデリングするステップとを含んで構成される深度イメージに基づくモデリング方法を実行するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図3】
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【図4】
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【図6A】
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【図6B】
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【図9】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2006−190308(P2006−190308A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−2180(P2006−2180)
【出願日】平成18年1月10日(2006.1.10)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】