深絞り容器成形方法
本開示は、少なくとも一つの成形凹み(例えば、ブリスター)を持つ、単位容量包装物(特に、薬剤投与剤形の単位用量包装物)用の成形物品を製造する工程を示す。特定の実施形態において、この工程の第一のステップは、第一プランジャーを該押し抜き機開口部に打ち込んで該フィルムに一次外形を形成する(該外形は成形凹みの少なくとも100%そして最大150%の深さを有する)工程に関する。第二の段階は、第二プランジャーを該一次外形に、該一外形の深さよりも浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーは、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する成形凹みに異なる幾何学的形状を形成する工程に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の利用分野
本明細書は、成形構造、すなわち容器と、例えば、医薬製品などの物品の包装への使用に適する、成形構造の製造方法に関する。具体的には、本明細書は、慨してブリスター包装物、およびブリスター包装物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
成形構造、成形包装物、成形ブリスター(例えば、ブリスターパック)などの成形された物品は、薬の剤形を含む、さまざまな製品の包装に一般的に使用され、製品のそれぞれ単一の単位容量は個別に包含または収容されて周囲の状況から保護される。薬の剤形(例えば、医薬組成物)、特にあらかじめ計量して一回服用量として包装されるような製品の多くは化学分解や光崩壊、化学反応、そして大気、水、光、その他の環境要因に暴露されて不活性化となる傾向があるため、包装する上での大きな課題を提起する。そのような剤形はしばしば少なからぬ費用がかかること、そして、意図された服用量の有効成分が患者に与えられることの重要性を鑑み、そうした環境の変化による喪失や劣化から厳重に保護することが必要である。
【0003】
ブリスターパックは、プチプチパックとも言われ、個別にされた薬の剤形の一回服用量含み、一単位に分けられた製品を収容するために長年使用されてきている。通常、ブリスターパックは、正方形または長方形のフィルムに位置する、多数の、または一連のブリスターを含む。各ブリスターは内部に製品を含有し、各ブリスターの少なくとも上部の周囲が、フィルム層に固定された蓋などの覆い層によって覆われている。通常、この蓋はブリスターを密封し、内容物をブリスター外部の環境から隔離することによって該内容物を保護する。当該技術に精通するものに周知である、従来の蓋用材質および蓋技術のいずれかを用いて、成形収納部を密封することができる。例えば、高分子シート層、金属薄片などの金属シート層、接着剤やその類似物など、それらの関連接着技術を用いることができる。
【0004】
ブリスターパックのブリスターは、フィルム層を変形させて製造することができ、当該技術に精通するものに周知である、異なる多数の技術によって達成することができる。一般的に、成形ブリスターはフィルムの深絞り、引っ張り絞り、熱成形によって製造することができる。その他のブリスター形成技術は、押し抜き機に軟化フィルムを当てた吹き込み成形と真空成形を含む。通常、ブリスターは、円形、正方形、長方形に製造される。さらにフィルム層は、プラスティック塗布された金属薄片を含む、ラミネート加工品の形態であり、例えば、該フィルムの一部を型に押し入れて、生成されるブリスターの望ましい形状に実質的に類した寸法の凹みを定義して、成形物品を製造する。
【0005】
ブリスターパックは、薬の剤形などの製品の製造過程中の型として作用する、追加機能を持つこともある。そのような例においては、ブリスターパックは、製品成形の型として作用し、さらにその型に入った製品の収容容器および包装物となる。例えば、型に入った一回服用量は、ブリスターに液状成分を直接入れ、その後該ブリスターとその内容物を処理して該成分を固化し、最終的な剤形を形成させることによって製造することができる。この技術は、例えば、凍結乾燥した剤形の製造に用いられる。そうした技術はThompson et al.の特許文献1に開示されている。
【0006】
通常、金属薄片を含む、ラミネート加工品の成形包装物を成形する工程には、圧痕(すなわちプランジャー)、押し抜き機、保持用具を含む、成形用具が含まれている。該ラミネート加工品は、変形されながら、該押し抜き機と該保持用具の間にしっかりとはさまれ、該圧痕はラミネート加工品に向かって移動する。該圧痕は、下げられるにつれて該押し抜き機の開口部に深く入り、ラミネート加工品を変形させる。そのような工程で、平板であるラミネート加工品は、該ラミネート加工品の本来の平面に該当する面積に囲まれた、一つまたはそれ以上の凹みを示す成形部分に変換される。該押し抜き開口部の部分の該ラミネート加工品のこの部分のみが流動または引き伸ばされて成形部分を形成する。しかしながら、ラミネート加工品、特に金属薄片を含むラミネート加工品をひびや穴を発生させることなく変形させるためには、圧痕と押し抜き開口部との間に適切な横の距離が保たれなければならず、しかも工程でラミネート加工品のいずれの層にもしわを発生させてはならないため、当該技術において周知であるプロセス法は限定される。さらに、そうした金属薄片の熱処理は、成形フィルムにでこぼこを発生させ、成形フィルのその後の取り扱いが困難となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第 5,457,895 号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該技術において周知である方法を用いたブリスターパックの成形における二つの懸念は、絞り完了後の材質の肉厚の均一性と、材質の裂け目である。例えば、現行の手法は、応力をブリスターに等分に配分しない方法でフィルム材質を絞るため、材質が不均一に配分され、その結果大きな応力がもたらされて失敗の確率が高くなる。しかも、材質に裂け目を生じやすい肉薄の箇所が存在することもある。従って、当該技術には、これらの欠陥を克服する工程が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
本明細書は、少なくとも一つの成形凹みを持つ、単位容量包装物用の成形物品を製造する工程を示す。本明細書で開示する工程の利点の一つは、フィルムを絞って凹みを成形する際、結果として発生する該フィルムに対する応力が、現行の方法の場合よりも、均一に成形凹みに配分されるため、成形凹みに肉薄の箇所、裂け目、その他の欠陥が生じる可能性が減少することである。ブリスター成形の工程における現行の限界は、深いブリスターや側壁が急角度あるいは垂直なブリスターなど、複雑なブリスター形状に伴う問題に適切に対処していない。この限界の程度は、内径が小さく側壁が垂直である、深絞りブリスターを製造する場合にさらに高くなる。本明細書のある実施例では、成形凹みの最終的な深さではなく、成形凹みの最終表面積に形成される、最初の絞りの段階に関連する深さを基準とする深さに対して、応力と材質を均一に配分するように設計されたプランジャーでフィルム材質を絞る。この時点で、小径で垂直な側壁などの複雑な特徴を備えた第二段階プランジャーは、第一段階で形成された表面積を維持しながら、絞られたフィルムを再成形して最終成形凹みを形成する。金属‐プラスチック薄片からブリスターを成形する現行の方法も、特に液体がブリスターに入っている場合、該金属薄片からプラスチック層が剥離することに関連する問題を抱えている。この問題は、プラスチック材質が、成形工程から発生し、プラスチックを金属薄片と異なる率で跳ね返させる傾向を持つ残留応力を維持する場合に発生する。本明細書で開示するとおり、温成形工程は、プラスチック材質のそうした応力を緩和し、それによって剥離を減少させてこの問題を克服することができる。
【0010】
ある実施例では、本明細書で開示する工程は以下を含む。すなわち
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し;
(b)第一プランジャーを該押し抜き機開口部に打ち込んで該フィルムに一次外形を形成し、該外形は成形凹みの少なくとも100%そして最大150%の深さ、約1.0対1乃至3.0対1、およびその範囲内の面積比を有し;
(c)第二プランジャーを該一次外形内に、該一次外形の深さよりも浅い深さに打ち込み、該第二プランジャーにより、成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する、異なる幾何学的形状を形成する。
【0011】
面積比は、形成された表面積対型締め内部の初期表面積として計算することができる。フィルムは、例えば、金属薄片層の片側または両側がプラスチック層である金属‐プラスチック・ラミネート加工品を含む、当該技術に精通するものに周知である適切な材質から選択することができる。手順(b)と(c)はいずれも、温成形工程、冷成形工程、温成形工程と冷成形工程の組み合わせを用いて実施することができる。ある実施例では、成形品目は成形ブリスターである。本明細書のある実施例では、包装される凹みにさらに薬の剤形の単位容量や穿孔器(例えば、内部穿孔器)が含まれる。ある実施例では、本明細書の成形品目は外部穿孔と関連する。薬の剤形は一つあるいはそれ以上の有効成分を含み、固体状、水状、後に固体化形状となる形状(例えば、凍結乾燥、固体溶解の対象である製剤)である。凹みの成形後、金属薄片の蓋などの蓋用材料で成形物品の上部を密封する。
【0012】
一次外形の成形後、第二プランジャーを該一次外形に、該一次外形の深さよりも浅い深さ(すなわち、該外形の最大約100%)に打ち込んで、該一次外形のフィルムを再配分、再成形、引き伸ばして異なる幾何学形状とし、成形凹みを形成する。ある実施例では、保持用具は上部押し抜き板で、押し抜き機は下部押し抜き板である。ある実施例では、上部押し抜き板は第一プランジャーと第二プランジャーを含み、下部押し抜き板は一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む。プランジャーは、該プランジャーとフィルム間の摩擦の程度に影響を及ぼす表面または仕上げを含む。例えば、第一プランジャーは高摩擦発生表面を含み、第二プランジャーは低摩擦発生表面を含み、第一プランジャー(あるいは先行)プランジャーは第二(あるいは後行)プランジャーよりも高い摩擦を発生させる表面を含む。本明細書で用いているように、「高摩擦発生表面」とは、フィルムがプランジャーの表面を滑る、あるいは滑り動くことを防止または阻害する表面である。本明細書で使用されているように、「低摩擦発生表面」とは、フィルムがプランジャーの表面を滑る、あるいは滑り動くことを補助または寄与する表面である。一連のプランジャーを凹みの成形に用いる場合、該プランジャーは、該プランジャーとフィルム間の摩擦の程度が徐々に減少するように配列される。さらに、異なる形態、形状、型、材質、表面仕上げ、あるいはそれらの組み合わせを、例えば、該プランジャーの末端部など、プランジャーに用いて、該プランジャーとフィルム間の摩擦に影響を及ぼさせる。
【0013】
ある実施例では、押し抜き機は、間隔をあけた複数の押し抜き開口部を有し、一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む、連続形成チェンバーを含む。該押し抜き開口部は、一列または複数列に間隔をあけることができる。ある実施例では、該成形チェンバーは複数のプランジャーと一列に整列し、連続使用されて成形凹みを生成させる。プランジャーは同一押し抜き開口部に連続して、あるいは一連の成形チェンバーに連続して下げられ、例えば、フィルムを押し抜き機から押し抜き機に、例えば、チェンバーからチェンバーに、押すことによって、プランジャーによって成形された該フィルムを前進させ、該フィルムを最終成形チェンバーとプランジャーに到達させ、最終成形形状を形成させる。複数のプランジャーは、少なくとも第一と第二のプランジャーを含み、第三のプランジャー、さらに追加の連続プランジャーを含むこともあり、成形凹みを形成させる。フィルムに一次外形を成形した後、第二または最終プランジャーを用いて該一次外形を再配分、再成形、引き伸ばして幾何学的特徴を追加し、成形凹みを形成させる。該成形凹みの最終形状は、ひとつまたはそれ以上の追加プランジャーによって成形し、望ましい幾何学的特徴を外形に与えたり、該外形を引き伸ばして望ましい最終面積および形状とする。ある実施例では、フィルムはアルミ箔を含み、プランジャーは、アルミニウムの粒子を考慮して、ラミネート加工品の該アルミニウム層を裂け目なく引き伸ばして面積を形成できる形状とされる。
【0014】
本明細書のある実施例では、少なくとも一つの成形凹みを有する、単位容量包装物用の成形品目を製造する機器が含まれる。すなわち
(a)少なくとも一つの保持用具と、少なくとも一つの押し抜き開口部を有する、少なくとも一つの押し抜き機を含み、該保持用具と押し抜き機はその間にフィルムを保持するように改修され、
(b)第一プランジャーと第二プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムに該フィルムの成形凹みを形成させ、
該第一プランジャーは該フィルムを一次外形に最初に絞る作用を実施し、該外形は該成形凹みの深さの少なくとも100%そして最大150%の深さ、面積比は形成された表面積対型締め内部の初期表面積として計算された約1.0対1乃至約3.0対1、そしてそれらの範囲のいずれかの面積比を有し、該第二プランジャーは該一次外形を、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ、異なる幾何学形状の成形凹みを形成する作用を実施し、該成形凹みは該一次外形の深さよりも浅い深さを有する。
【0015】
本明細書のある実施例では、例えば、温成形された成形包装物などの成形包装物を示し、例えば、金属‐プラスチック・ラミネート加工品などのフィルムに成形凹みを含む、複数の成形物品を含み、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積の比率が、例えば約2.0対1など、約1.0対1乃至約3.0対1である表面積を有する。ある実施例では、金属薄片の蓋を成形包装物の上部に密封する。ある実施例では、成形品目は成形ブリスターである。
【0016】
本明細書のある実施例では、例えば、温成形による形成包装物などの成形包装物の製造工程は以下を含む。すなわち
(a)少なくとも一つの保持工具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し、
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムに一次外形を形成し、該外形は成形凹みの少なくとも約100%そして最大約150%の深さと、約1.0乃至約3.0の面積比を持ち、
(c)第二プランジャーを該一次外形に、該一外形の深さよりも浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーは、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する成形凹みに異なる幾何学的形状を形成し、
該第一プランジャーと該第二プランジャーは、摂氏約35度乃至摂氏約95度の間に暖められる。製造された成形包装物は、フィルム(例えば、金属‐プラスチック・ラミネート加工品)に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形物品(例えば成形ブリスター)を持ち、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積が、例えば約2.0対1など、約1.0対1乃至約3.0対1の面積比である表面積を有する。ある実施例では、金属薄片の蓋を成形包装物の上部密封する。
【0017】
本明細書で論ずるいずれの実施例も、本発明の工程、機器、構成のいずれに関しても実施することができ、またその逆も同様であると考えられる。本明細書で用いられる表現「約」は、当該技術に普通に精通するものに明らかなように、可能な限り近似することとして定義され、限定されない一つの実施例において、同表現は、10%以内、5%以内、1%以内、0.5%であることとして定義される。本明細書で用いられる表現「実質的」およびその変化形は、当該技術に普通に精通するものに明らかなように、概して、しかしながら必ずしも完全ではなく、特定されるものとして定義され、限定されない一つの実施例において、実質的に10%以内、5%以内、1%以内、0.5%以内の範囲を言う。表現「一つ」は、請求項や明細書において表現「含む」と一緒に用いられる場合、「一つ」を示すが、「一つまたはそれ以上」、「少なくとも一つ」、「一つ、あるいは一つ以上」の意味とも一致する。
【0018】
本明細書でさまざに論じるそれぞれの範囲は、連続的であることを意図しており、各範囲で示される最小値と最大値の間の各数値パラメータを含むと考えられるべきである。さらに、請求項の範囲に均等論を適用するように限定することを意図するものではなく、各数値パラメータは、各数値パラメータについて報告された有効数字の数と一致した方法で、かつ通常の四捨五入を適用して考えられるべきである。またさらに、請求項の範囲に均等論を適用するように限定することを意図するものではなく、仮にある数値が、数値の範囲内にあり、該範囲の最小値と最大値の少なくとも一つが表現「約」に先行されていても、該範囲内に含まれる各数値は表現「約」に先行される場合もあり、先行されない場合もあると考えられるべきである。例えば、約1乃至約4という範囲は、約1、1、約2、2、約3、3、約4、4を含む。
【0019】
本明細書と請求項で用いられているように、表現「包含する」(および、人称によるその変化形)、「有する」(および、人称によるその変化形)、「含む」(および、人称によるその変化形)、「含有する」(および、人称によるその変化形)は、包括的であるか、あるいは制約を持たず、列挙されていない追加要素あるいは段階法を除外するものではない。
【0020】
本発明のその他の目的、特徴、利点は、以下の詳細な説明により明白となろう。ただし、詳細な説明と例示は、本発明の具体的な実施例を示すものである一方、例証としてのみ挙げられていると考えられるべきである。さらに、詳細な該説明によって、本発明の精神と範囲内における変更および修正は、当該技術に精通するものには明らかであろうと考えられる。
【0021】
以下の図表は本明細書の一部を成し、本発明の特定の様相と実施例をさらに論証するために含まれる。該開示は、これらの図表の一つまたはそれ以上を本明細書で論じている特定の実施例の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、より充分に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は進行する成形押し抜き機の断面図を示す。
【図2】図2は進行する成形の第一段階を示す。
【図3】図3は進行する成形の第二段階を示す。
【図4】図4は進行する成形の第三段階を示す。
【図5】図5は進行する成形の第一段階への復帰を示す。
【図6】図6は一列の押し抜き機の平面図を示す。
【図7】図7は複数列の押し抜き機の平面図を示す。
【図8】図8は一列の押し抜き機の一部分を示す。
【図9】図9は複数列の押し抜き機の一部分を示す。
【図10】図10は絞り比と面積比の差異を示す。
【図11】図11は密封されたブリスター包装物の上面図を示す。
【図12】図12は密封されたブリスター包装物の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明の開示は、単位用量包装に適切な成形構造、容器、包装、あるいはブリスター包装などの成形製品の製造工程に関する。形成工程の1つは、医薬品、食料品、高級消耗品、および技術製品に適切なブリスターのような形成収納部(凹部)を生成することである。医薬品とは、薬剤、アンプル、ピル、カプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、坐薬、速効溶解投与剤形(例、フリーズドライ投与剤形、凍結乾燥投与剤形)、成形器具などであり、引き続き、形成収納部の開口部をふさぐようになコ―ティング剤によってシールできるものを含むが、それだけに限定されない。特に、本発明の開示は、例えば医薬品の包装に使用されるブリスター包装の製造に関する。単位用量が医薬品に対するのもである場合、通常、患者に一回投与する薬剤投与剤形の量を意味し、1つまたは複数の有効成分と、1つまたは複数の賦形剤を含む。単位用量包装は、使い捨て容器に入った1回分投与量の包装である。
【0024】
本明細書で開示される工程では、当該分野の既知方法で得られない形およびフィルム材料の伸縮性を作成することができる。本開示工程には、ホイルラミネートのようなフィルムの固定、およびそのフィルム内への一連のスタンピングツール(すなわちプランジャー)の押し込みがあり、フィルムに望ましい形の収納部(凹部)を生成する。成形製品の製造工程は一般的に、少なくとも1つの保持ツール、少なくとも1つの金型、および少なくとも2つのブランジャーを含む。保持ツールと金型は、少なくとも1つの開口部を有する金型によりその間にフィルムを保持するように設計されており、成形収納部が望ましい形になるようにフィルム層を変形できるようになっている。
【0025】
形、サイズ、数、および表面加工が異なるプランジャー(例えば、フィルムの摩擦度を変化させる)を工程に組み込んでもよい。例えば、形成工程では、最初は摩擦度が高くなるようなプランジャーを使用し、2番目に徐々に高くするか低くするようなプランジャーを使用している。フィルム層には熱可塑性物質、ポリマー、コポリマー、複合剤、ラミネートなど様々に異なる材質が含まれるが、これだけに限定されない。単位用量が薬剤の投与剤形である場合、γ線照射など殺菌成形製品を生成するために、フィルムは無菌の製造工程で実施できることが必要となる。好ましくは、フィルムは柔軟性であり、かつその形を保持でき、最小限の力で圧搾でき、バリアを生成し、照射に耐性であり、望ましい化学的特性(例、投与される薬剤投与剤形と反応しない)を有することである。ブリスターパックのフィルムは、好ましくはホイルラミネート、さらに好ましくは金属−プラスチックラミネートである。金属−プラスチックラミネートは少なくとも片面あるいは両面がプラスチック層で皮膜された金属ホイルを含んでいる。金属−プラスチックラミネートが金属ホイルの両面上にプラスチック層を含んでいる場合は、プラスチック層は同じタイプあるいは異なるタイプのプラスチック層のどちらであってもよい。
【0026】
該ラミネートのプラスチック層に使用される材質は、当業者には既知であり、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ナイロン誘導体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアセタール、塩化ビニリデン、ポリプロピレンエチレンコポリマー、ポリエチレンナフタレート、フッ素ポリマー、環状ポリオレフィン、ポリアミド、および類似物質あるいはその複合物質など、市販の様々なポリマーとコポリマーを含むが、これだけに限定されない。該プラスチック層は、約8μm〜約80μm、約10μm〜約70μm、約15μm〜約60μm、約20μm〜約50μm、または約25μm〜約40μmのいずれかの範囲の厚さでラミネートに含まれる。プラスチック成分は、ハロゲン含有ポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、アクリルニトリルコポリマー、またはポリ塩化ビニルのような、非伸縮性、または一軸圧縮/二軸圧縮伸縮性、あるいは熱可塑性であってよい。ポリオレフィンタイプの熱可塑性プラスチックの典型的な例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリエチレン、一軸あるいは二軸伸縮性ポリプロピレン、鋳造ポリプロピレンのようなポリエチレン、および一連のポリエステルの一軸あるいは二軸伸縮性ポリエチレンテレフタレートである。当該分野で既知の他の材質を同様にプラスチック層に使用してもよいので、上述の例に一切限定されることはない。
【0027】
ハロゲン含有ポリマーに基づくプラスチックの例には、塩化ビニルと脂肪族酸ビニルエステルとのコポリマー、塩化ビニルとアクリル酸またはメタクリル酸エステルとのコポリマーあるいは塩化ビニルとアクリルニトリルとのコポリマー、ジエン化合物と不飽和ジカルボン酸またはその無水物とのコポリマー、塩化ビニルと不飽和アルデヒド/ケトンを有する塩化ビニルとのコポリマー、または塩化ビニルまたは他の重合可能な化合物を有する塩化ビニリデンのポリマーとコポリマーなど、塩化ビニルポリマーおよびその構造中に塩化ビニル単位を含むビニルプラスチックが含まれるが、それだけに限定されない。ビニル基を基礎とする熱可塑性プラスチックはまた、一回目または二回目に軟化剤を使い従来法によりソフトで成形しやすくなっている。
【0028】
プラスチックフィルムがポリエステル(PETフィルム)を含む場合、ポリエステルの例として、例えば、ポリエチレン・フタレート、ポリプロピレン・テレフタレート、ポリプロピレン・テレフタレート、ポリブチレン・テレフタレート(ポリテトラエチレン・テレルタレート)、ポリデカメチレン・テレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチロール−テレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレン・ジカルボキシレートのような、アルキレン基または2〜10個の炭素原子によるラジカル、または少なくとも1個の酸素原子で妨害されている2〜10個の炭素原子からなるアルキレン基からなるポリアルキレン・テレルタレートまたはポリアルキレン・テレイソフタレート、ないしはポリアルキレン・テレフタレートとポリアルキレン・イソフタレートの混合ポリマーが挙げられるがこれだけに限定されない。この混合ポリマーでは、イソフタレートの割合が例えば1〜10モル%である混合ポリマーとテルポリマーも、上記のポリマーとグラフトポリマーをブロックする。他の有益なポリエステルは、本分野ではPENの略号で知られている。他のポリエステルは、テレフタル酸のコポリマー、少なくとも1つのグリコールを有するポリカルボン酸、テレルタール酸、エチレングリコールおよび別のグリコールとのコポリマー、アルキレン基または2〜10個の炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、アルキレン基または1個または2個の酸素原子で妨害されている2〜10個炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、アルキレン基または2〜4個の炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、およびポリエチレンテレフタレート(例、A−PET,PETP,PETG,G−PET)である。グリコール修飾ポリエステルもPETGと省略される。
【0029】
プラスチックフィルムのポリオレフィンの例として、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE、密度>0.944g/cm)、中密度ポリエチレン)(MDPE、密度0.926−0.940 g/cm)、中密度リニアポリエチレン(LMDPE、0.926.−0.940g/cm)、低密度ポリエチレン(LDPE, 、0.910−0.925g/cmの密度)、低密度リニアポリエチレン(LLDPE、密度0.916−0.925g/cm)例えば非配向性(PE)または一軸または二軸配向性フィルム(oPEフィルム)などのポリエチレン(PE)、軸配向性あるいは二軸配向性ポリプロピレン(oPPフィルム)、あるいは鋳造ポリエチレン(cPPフィルム)、無結晶性または結晶性ポリプロピレンまたはその混合物、アタクチックまたはイソアタクチックポリプロピレンまたはその混合物などのポリプロピレン(PP)、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチルブテン、ポリ−4−メチルペンテンおよびそのコポリマー、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリル酸を有するポリエチレン、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、テトラフルオロエチレンまたはポリプロピレンを11%含むエチレンのコポリマーのようなイオノマー樹脂、ブロックポリマーまたはオレフィンポリマーエラストマー混合物、イオノマー、およびエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0030】
プラスチックフィルムがポリアミドフィルム(PA)を含む場合、ポリアミドの例として、ε−カプロラクタムのホモポリマー(ポリカプロラクタム)であるポリアミド6、ω−ラウリンラクタムのホモポリマー(ポリラウリンラクタム)であるポリアミド11とポリアミド12、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンアジミド)であるポリアミド6.6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンセバカミド)であるポリアミド6.10、ヘキサメチレンジアミンとドデカン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンジアミン)であるポリアミド6.12、またはトリメチルヘキサメチレンアミンとテレフタル酸のホモポリ縮合体(ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタル酸アミド)であるポリアミド6−3−T、およびその混合物が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0031】
プラスチックがアクリルニトリルコポリマーを含む場合、アクリルニトリルコポリマーの例として、アクリルニトリルまたはメタクリルニトリルとアクリル酸エステル、ビニルカルボン酸エステル、ビニルハロゲン化物、芳香族ビニル化合物または不飽和カルボン酸およびジエンのコポリマー、およびアクリルニトリル−メチルアクリレートコポリマーが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0032】
ラミネートのホイルコンポーネントに有用である金属は、本明細書で開示されている形成工程中にプラスチック層に付着しその型を維持するのに十分な物理化学的特性(例、厚み、鍛造性、耐温度性、および化学的適合性)を有するホイルを形成できる金属である。前記金属は、アルミニウム、鉄、ニッケル、スズ、青銅、金、銀、クロム、亜鉛、チタン、銅およびこれらの複合金属、およびスチールやステンレススチールのような当該金属などの合金であるが、それだけに限定されない。該メタルホイルは、例えば、約8μm〜約200μm、約10μm〜約150μm、約15μm〜約125μm、約20μm〜約100μm、または約25μmから80μmのいずれかの範囲の厚さでラミネートに含まれる。ある実施形態では、ホイル、例えばアルミニウムホイルは98.0%以上、より好ましくは約98.3%以上、さらに好ましくは約98.5%、特に好ましくは約98.6%以上の純度を有する。アルミニウム−鉄−シリコンまたはアルミニウム−鉄−シリコン−マンガンタイプのアルミニウムホイルを使用してもよい。当該分野で既知の他の適切な金属ホイルも同様に使用してもよい。
【0033】
ラミネートには、ホイル層とプラスチック層間に一つ以上の接着材層があってもよい。同じまたは異なる接着剤を使って、両側の金属箔にプラスチックを接着してもよい。接着材層はプラスチック層とホイル層を接着することができ、厚さが約0.1μmから約12μm(主に約2μmから約8μmの間)の範囲内でなければならない。当該技術分野で知られている接着剤をいくつ使っても良く、それらの接着剤は従来の様々な手法で適用してよい。適する接着剤は一つ以上の溶剤を含んでいても、含まなくてもよく、アクリル接着剤でもポリウレタン接着剤でもよい。接着剤は、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体やポリエステル樹脂などの熱接合接着剤であってもよい。接着剤は、例えば紫外線などの電磁波への暴露によって堅くなるタイプであってもよい。ラミネートは、熱カレンダリング、押出コーティング、共押出コーティングまたは複数の工程の組合せによって形成してもよい。本開示で使用してよい接着剤の例としては、ポリエチレン(PE)ホモポリマー(例えばLDPE、MDPE、LLDPE、HDPE)、PEコポリマー(例えばエチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA))、ポリプロピレン(PP)、PPコポリマー、イオノマー、無水マレイン酸グラフトポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
もう一つの実施形態として、フィルム(例えば金属プラスチックラミネート)が、外側面の片側または両側で、シール可能なフィルムまたはシール可能なカウンティングの形で密封層の主要物質であってもよい。密封層は、ラミネートの最も外部の層である。特に、密封層は、ふたホイルまたは同様のものがきちんと密封されるように、フィルムの1つの外側面、すなわち成形されたパッケージの内容物側であってもよい。
【0035】
ブリスター・パッケージを形成するもう一つの実施形態は、アルミニウムのラミネートであり、金属箔の両側がプラスチックで被覆されている。アルミホイルは、優れたバリア性を与え、パッケージの内容物を保護することが知られている。プラスチックコーティングは、パッケージを密閉する効果的手段であると同時にアルミニウムの保護コーティングとなり、またそれによりパッケージに印刷ができるようにもなる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ラミネートの厚さと組成として、これらに限定されないが以下の例が挙げられる:
【0037】
【数1】
上記で使われているように、OPAは配向ポリアミド(oriented polyamide)を表し、ALUはアルミニウム(aluminum)を表し、PEはポリエチレン(polyethylene)を表し、PVCはポリ塩化ビニル(polyvinylchloride)を表し、PPはポリプロピレン(polypropylene)を表す。
【0038】
本開示に先立って、当業者により、フィルムの本来の表面のくぼみの直径とフィルムに形成されたくぼみの深さの比率を用いて、形成後のフィルムの変形の程度が説明されている。この比率は簡素で計算しやすいが、フィルムの変形をより正確に表す材質の伸長量は表示しない。したがって、その直径の深さに対する比率は、ホイルラミネートなどのフィルムを確実に繰り返し伸長する特定の工程の成功度を表す能力に限界がある。変形の程度をより良く表すのは、「面積比」である。面積比は、フィルムの伸長部または最終的にくぼみが形成された部分の面積(AreaF)の、フィルムの最初の表面積(AreaI)に対する比率である。面積比は、その深さだけでなく、材料の伸びと形成された凹部の形を考慮に入れている。本出願に記載の形成技法により、面積比約1.0/1、約1.1/1、約1.2/1、約1.3/1、約1.4/1、約1.5/1、約1.6/1、約1.7/1、約1.8/1、約1.9/1、約2.0/1、約2.1/1、約2.2/1、約2.3/1、約2.4/1、約2.5/1、約2.6/1、約2.7/1、約2.8/1、約2.9/1、または約3.0/1で、ブリスターなどの凹部をうまく形作ることが可能であることが知られている。ここで使われているように、例えば面積比約「3.0」は、面積比約「3.0/1」に等しい。
【0039】
本公開に先立ち、当技術分野において金属箔を含むラミネートで作られている成形品を、冷間形成工程を用いて望ましい形に加工した。ここで使われているように、「冷間形成」という用語は、例えば、外的な熱を使用せず周囲環境下でおこなう加圧成形を指す。冷間形成には約40oCを超えない温度、より一般的には約35oCを超えない温度を利用する。ここで開示するように、温間形成工程には、ラミネートを含む金属箔のようなフィルムを使って形成品を製造する温間形成ステップがある。温間形成工程は、温間形成ステップのみで構成されていてもよく、温間形成と冷間形成の両方で構成されていても良い。金属箔の片面または両面にラミネート加工されているプラスチックフィルムからなる材質を形成する場合、形成工程中にその材質を暖めることは有益である。ラミネートを暖めることは、層間を剥がれにくくし、歪みながら元の形に戻る傾向も少なくプラスチックを成形し、より均一に伸びた材質を得る助けとなる。押出加工を行わないでプラスチックを伸ばして成形するには、温間形成ステップ中、材料の温度をプラスチックフィルムの融解温度より低く保たれなければならない。したがって、温間形成は、ここに定義するように45oCから95oC、例えば55oCから70oCの範囲内の温度で金属プラスチックラミネート等のフィルムを形成する。他の実施形態では、温間形成ステップは、45oC,46oC,47oC,48oC,49oC,50oC,51oC,52oC,53oC,54oC,55oC,56oC,57oC,58oC,59oC,60oC,61oC,62oC,63oC,64oC,65oC,66oC,67oC,68oC,69oC,70oC,71oC,72oC,73oC,74oC,75oC,76oC,77oC,78oC,79oC,80oC,81oC,82oC,83oC,84oC,85oC,86oC,87oC,88oC,89oC,90oC,91oC,92oC,93oC,94oC,95oCまたは、それらを上回る温度下で行う。ここに開示するいくつかの実施形態において、その工程は温間形成ステップのみ、冷間形成ステップのみ、あるいは温間形成と冷間形成の両ステップの組合せで行われる。
【0040】
2つ以上のプランジャーを使って、フイルム層に形成する凹部を望ましい形に変える。本開示で使用するプランジャーはどんな形でも良く、例としては、円筒形、円錐形、鈍角円錐形、ピラミッド形、鈍角ピラミッド形、球またはキャップの一部あるいは樽形が挙げられるが、これらに限定されない。プランジャーの側壁は、特定の垂直または急傾斜していたり、垂直またはゆるやかに傾斜していても良く、プランジャーの底の端または周辺は小半径であっても、丸くても、丸みがかっている形でも良い。プランジャーの成形面の形状は様々であることが望ましく、例えば表面の形状が徐々に異なるプランジャーを用いて、求める凹部を漸次形成することが望ましい。本開示の工程に基づいてフィルムに形成する凹部は、希望するいずれの形や深さでも良く、例としては、これらに限定されないが円形、卵形、正方形、三角形、長方形、多角形あるいは楕円形などであり、また、深いブリスター、急傾斜のまたは垂直な壁のあるブリスター、内半径が小さく垂直な壁のある深いブリスターのような複雑な形でもよい。形成する凹部のベース部分は、平らであっても、双曲型でもよく、一定幅または先細であってもよい。
【0041】
本発明の新規の観点の1つは、フィルムに第1のプランジャーを適用することに関する。当該分野で既知の工程では最終的な望みの深さの50%〜100%未満で第1のプランジャーをフィルムに押し当てることが多いが、本明細書で開示される工程では、最終的な望みの深さの少なくとも約100%若しくはそれ以上まで第1のプランジャーをフィルムに押し当てる。例えば、2つのプランジャーを使用する場合、第1のプランジャーを金型の開口部に押し当てることで、フィルムを大まかな輪郭に変形させ、その深さは形成される陥凹の深さの少なくとも約100%〜約150%、およびその範囲内とする。他の実施形態では、第1のプランジャーをフィルムに約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、または約145%の深さまで押し当てる。第1のプランジャーは、直径対深さの比が約2.5、約2.4、約2.3、約2.2、約2.1、約2.0、約1.9、約1.8、約1.7、約1.6、または約1.5未満まで押し当てることもできる。したがって、当該分野で既知の他の方法とは異なり、本明細書で開示される工程の最初の段階では、最終的に形成される陥凹に必要なフィルムの引き抜き部分を実質的にすべて形成する。1若しくはそれ以上の温間加工過程において、この伸展部を形成するため、熱を利用することができる。さらに、本明細書に説明する通り、大まかな輪郭の面積比は、約1.0/1〜3.0/1およびその範囲内である。
【0042】
大まかな輪郭を形成後、第2またはそれ以降のプランジャーを大まかな輪郭の深さに満たない深さまで大まかな輪郭に押し当て、第2のプランジャーが大まかな輪郭と実質的に同じ面積比で、形成される陥凹とは異なる幾何学的図形を形成するようにする。したがって、この場合も、本明細書に開示した工程は、前のプランジャーで到達する深さよりも深くまで第2またはそれ以降のプランジャーを押し当てることで、第1またはそれ以前のプランジャーで到達する地点を越えてフィルムの引き抜き部分をさらに形成する、当該分野で既知の工程とは異なる。当該分野で既知の他の方法では、形成される陥凹の最終的な望みの深さよりも深くまで第2またはそれ以降のプランジャーを押し当て、フィルムが元の面に跳ね返ってくることを補正する。対照的に、例えば本明細書で開示される工程では、第2(またはそれ以降)のプランジャーを第1またはそれ以前のプランジャーよりも浅く押し当てる。第2(またはそれ以降)のプランジャーは望みの形成される陥凹の最終的な深さに満たない深さ(つまり、約100%未満)まで押し当てることもできる。特定の実施形態では、第2(またはそれ以降)のプランジャーを形成される陥凹の大まかな輪郭の約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、または約80%未満の深さまでフィルムに押し当てる。第2またはそれ以降のプランジャーは、すでに引き伸ばされた大まかな輪郭の表面の形を整え、伸展させ、または再分配し、最終的に形成される陥凹に望みの幾何学的細部を形成することができる。したがって、第2(またはそれ以降)のプランジャーは、最終的な形の深さ以上にフィルムを実質的に引き出すようには設計されていない。その代わり、第2(またはそれ以降)のプランジャーは形を整え、伸展させ、または陥凹を再分配し、これによってフィルムを望みの形にするため、陥凹の深さが浅くなることが多い。第2またはそれ以降のプランジャーを用いた温間加工過程に熱をかけることで、最終的な陥凹の細部を形成することができる。
【0043】
第2(またはそれ以降の)プランジャーを温間加工過程にかけることで、例えば金属−プラスチックラミネートなど、フィルムの弾力性による跳ね返りを抑えることができ、プラスチック層がホイルから層間剥離する可能性を軽減することができる。本明細書で説明される工程では第1および第2のプランジャーを使用するが、2つ若しくはそれ以上のプランジャーを使用し、形成される陥凹を望みの形にすることができる。さらに、逐次段階を一続きとして、または逐次段階をいくつか平行して行うことで、望みの形の陥凹を形成することができる。例えば、複数のプランジャーを使用し、陥凹を多数形成したブリスター包装を作成することができる。
【0044】
本明細書で開示されるプランジャーは、フィルムと接触する際の摩擦が同一であるか、異なることもある。例えば、プランジャーを高摩擦層または低摩擦層でコーティングすることができる。特定の実施形態では、連続的にプランジャーを使用することでそれぞれの摩擦度が低下するが、他の実施形態では、連続的にプランジャーを使用することでそれぞれの摩擦度が上昇する。連続する一続きのプランジャー内でも適宜摩擦度を増加および/または低下させることを含め、連続的なプランジャーの各摩擦度を望み通り変化させることについては当業者に周知である。形成する表面の摩擦層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ゴム(例えば、硬質ゴム)、天然ゴム、アクリルポリマー、ガラス、セラミック、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、またはその混合物など、1若しくはそれ以上のプラスチックを有することができる。代わりに、摩擦層は例えばアルミニウム、クロム、または鋼鉄層(特に研磨された金属層)、またはグラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデンを含むセラミック層など、1若しくはそれ以上の金属を有することができる。プランジャー表面を金属とした場合も設計することができ、例えば研磨することで低摩擦度を達成することができる。
【0045】
別の実施形態では、本明細書で開示された工程を、同軸または伸縮自在で互いに内側に配置されたプランジャーを用いて達成することができる。例えば、第1のプランジャーで最初の輪郭を形成し、最初の輪郭内で持ち上げた後、第2のプランジャーを下げ、第2のプランジャーを第1のプランジャーに伸縮自在にスライドさせ、最終的にフィルム内に望みの陥凹を形成することができる。
【0046】
望みの陥凹が形成された後、形成された陥凹の開口部にふたをするなどコーティングを施すことで、これを密閉することができる。密閉方法は当業者に周知であり、これに限定されるものではないが、フィルムまたはコーティング表面に対する平面シール、ダイヤモンドパターン、またはそれ以外に熱および/または圧力をかける方法(例えば、プレス、熱間圧延機、プラテンプレス、または加熱プラテンプレス)を含む。特定の実施形態では、ふたの原料が限定された距離で穿刺可能であり、折り返しを作らず、裂くことができ、(あれば)穴開け器でシールを形成し、微粒子の形成を最小限とし、障壁を形成し、放射線に耐え、望ましい科学的性質を有し(例えば、投与する製剤と反応しない)、および/または印刷することができる。業界ガイドラインでは、シールの幅を0.1インチの範囲とするよう提案している。製剤を包装する場合、気体または他の環境要素が形成される陥凹内に拡散し、その中に包装した製剤を破損することができないようなしっかりとしたシールを作ることが重要である。特定の実施形態では、特に単位用量が少ない場合、シールの面積を最小限にすることが望ましい。
【0047】
1つ以上の成形収納部を持つフィルムの面などの上から蓋用材質などのコーティングを密閉することは、形状収納部の周囲の部分(例えば、円形部分)で達成する。狭いシールが必要とされる場合、平面シールでは、成形収納部(例えば、ブリスター)が圧搾された場合、動的圧力に耐えるだけのシールの強度が十分に提供されない可能性がある。そのようなシールは水蒸気または酸素の伝達を防ぐには通常十分であるが、調剤工程中に発生する圧力の下に内容物を置いた場合には漏れる可能性が高くなる場合がある。ダイヤモンドパターンのシールでは、さらに堅牢なシールを形成するために濃縮された圧力点を利用することで、より強いシールを提供する。しかしダイヤモンドパターンのシールでは、通常線状配列パターンであり、円形のブリスターを均一に取り囲まない可能性があり、シ―ル周縁で、特に小型ブリスターの幅が狭いシールでは、一貫していない可能性がある。したがって、ある実施例では、必要な幅を最低半分まで減らすため、またその逆に、推奨幅を用いて実質的により強いシールを製造するために、密閉部分に輪郭を付け加えることが望ましいことがある。例えば、環状シール(断面図では波形状)を形成することで、ダイヤモンドパターンと同じ利点を、ブリスターシ―ル周縁で均一である方法で提供する。
【0048】
成形ブリスターなどの密閉された成形収納部をバーストする際に管理した方法で液体噴霧を形成するには、密閉されたブリスターの中にある内部穿孔器を使用し、蓋用材質との接触を保つような位置に配置される。内部穿孔器は米国特許第5,411,175号、米国通し番号第11/114,251,11/971,471および12/121,644に開示されている。これらのどれもが本明細書で参照として組み込まれている。内部穿孔器は異なる形状であることがあり、じょうごのデザインまたは円状のデザインが含まれるが、これだけに限定されない。内部穿孔器はスチレン、ポリスチレン、または医薬品等級のFDA(米食品医薬品局)からの認可を受けた、蓋用材質を貫通するのに十分な硬さを持つその他の材質から作成されている。第2、それ以降および/または最終のプランジャーは、内部穿孔器が、例えば製造、取り扱い、輸送、保管および実際の使用を行うことで、成形収納部内の定位置に固定されるように、成形収納部を形成するように設計されている。例えば、成形ブリスターでは、突出構造物、圧痕、隔膜または環状部は内部穿孔器の基部の形状に合わせるよう形成される。突出構造物、圧痕、隔膜または環状部は、組み立て時および調剤中に内部穿孔器を定位置に支えて保持する。したがって、これらの構造物は内部穿孔器を捕獲する(例えば、穿孔器の垂直運動を制限する)目的で機能しているので、内部穿孔器を固定に保持する。内部穿孔器は、例えば圧入、溶接、静水力または静電力によって製造および実際に使用することでも、定位置に保持される。成形ブリスターはまた、第2またはそれ以降のプランジャーによっても、望ましい噴霧パターンを達成するために、突出構造物、圧痕、隔膜または環状部が内部穿孔器を確実に密閉するようにもできる。
【0049】
ある実施例では、内部穿孔器には、成形収納部が圧縮され穿孔されると薬剤投与剤形が流入する、中空のチューブまたはチャネル(投与チャネル)が含まれる。一部の実施例では、蓋用材質を貫通しやすくするために穿孔器の先端は角度の付いた端を有する。穿孔器チューブの内径は約0.015インチ〜約0.05インチの範囲であるが、ある実施例では約0.025インチである。投与チャネルの内径、形状または表面性状は、それが流出点の中、近くおよび/または流出点そのものであろうと、ノズルを有することがあり、成形品目から流出する際に最適な液滴サイズおよび薬剤投与剤形の噴霧プルーム形状を形成し、放出物質の流速、圧力、パターン、配分および目標をコントロールすることでは異なっている。したがって、ノズルシステムおよび穿孔器は単体に組み込まれている。またノズルシステムは物質が放出される際の混合を定量化するようにも設計できる。
【0050】
他の実施例では、本明細書は、実質的に半球状で柔軟性があるブリスター、半球状のブリスターの基部に密閉された実質的に丸い穿孔可能な表面、および本明細書に記載の穿孔ノズルを有する内部チャンバーを含む、内部で穿孔された単位用量包装および薬剤投与剤形(例えば液体組成物)として説明できる。ある実施例では、穿孔ノズルには基部および穿孔端が含まれる。ここで基部は半球状のブリスターに取り付けられており、穿孔端は穿孔可能な表面に近い。
【0051】
下記の実施例は、本明細書で開示する組成物および方法を図示するために含まれている。本明細書の観点では、本明細書に開示しており、しかも本発明の精神と範囲から離れることなく同様または類似の結果を得られる、特定の実施例で多くの変更を行うことが可能なことは当業者によって評価されるべきである。
【0052】
図1は、下ダイスプレート11および上ダイスプレート12から構成されるダイスセット10を有する、進行する成形押し抜き機の実施例を示す。下ダイスプレート11には一次成形チェンバー15と最終成形チェンバー16がある。上ダイスプレート12には、一次成形チェンバー15および一次成形プランジャー13の位置が揃うような方法で、一次成形プランジャー13および第2、最終成形プランジャー14がある。同様に、最終成形チェンバー16と最終成形プランジャー14の位置が揃っている。上ダイスプレート12は下ダイスプレート11から上に移動可能で、また下ダイスプレート11は上ダイスプレート12から下に移動可能であるので、ダイスプレート間にフィルム(例えばダイスプレート間に挿入できる金属ホイル−プラスチック層20を含むラミネート)ができるような空間19を作り出す。一次成形プランジャー13には成形表面17があり、フィルム20を押し出し一次輪郭21を形成するように(図2に図示)位置付けされている。最終成形プランジャー14には成形表面18があり、フィルム20を押し出し最終輪郭22を形成するように(図3に図示)位置付けされている。
【0053】
図2の実施例は、力30と31によって、上ダイスプレート12が下ダイスプレート11に押されており、ダイスプレート間にしっかりとフィルム20が締め付けられるのを示す。一次輪郭21はフィルム20ですでに形成され、最終成形プランジャー14の下に配置されている。図3の実施例は、力33によってフィルム20に押し出される一次成形プランジャー13を示し、それによってフィルム20に一次輪郭21が形成される。同時に、最終成形プランジャー14が力34によって一次輪郭21に押し出され、最終輪郭22が形成される。一次輪郭21の深さは最終輪郭22のものより深い。
【0054】
図4の実施例は、力35によって引き抜かれるプランジャーおよび力34によって上に開く上ダイスプレート12を示す。ダイスセット10が開くことによって、フィルム20が矢印で示すように進む。それによってフィルム20の未成形部分23が一次成形プランジャー13の下に配置され、一次輪郭21が最終成形プランジャー14の下に再配置され、かつ最終輪郭22がダイスセット10から取り外される。図5の実施例は、力30と31によって締め付けられるダイスセット10および図2で示すステップ1に似た次の加工過程のために定位置に置かれるフィルム20を示す。したがって、過程を繰り返すことで、最終輪郭22は成形され、完全包装のために成形ブリスターを密閉するべく薬剤、ピル、器具などを配置する準備が整う。
【0055】
図6は、成形チェンバー15と16が一列になった、下ダイスプレート11の上に置かれたフィルム20の単一切片の平面図を示す。そのような配置は成形ブリスター形状の切片を一列とする。図7は、成形チェンバー45と46の5列を含む、下ダイスセット41の上にある成形ダイスの5列分に十分広いフィルム50の切片を示す。成形ダイスおよび成形チェンバーのダイスセットに組み込み可能な列数が任意であることは、当業者にとっては明らかである。 原則のみを図示するために5で示す。図8は一列のダイスセット10と一列で形成された最終輪郭22の断面図を示す。図9は5ステーションあるダイスセット40の一次成形プランジャー43の断面図を示す。5列ある成形ダイスのどの1列における断面図も図8の通りである。
【0056】
表10は、絞り比が同一である三つの異なる形状の面積比と絞り比との差異を示す。形状1、2、3は、大きく異なるフィルムの引き伸ばし分量、および形成時の困難度の程度を示す。示されるように、絞り比はこれらの差異を区別しないが、面積比は、個々の事例におけるフィルム成形の度合いをきわめて叙述的に示している。該フィルムが、実質的に均一に成形凹みに絞られる場合、新しい肉厚は、材質本来の肉厚対面積比として計算することができる。
【0057】
表10が示す3つの形状の各面積比は、次のように計算する。すなわち、
【0058】
【数2】
【0059】
表11は、密封ブリスター包装物60の上面図を、蓋用材質70が密封する領域72の成形形状73と共に示す。接触点71は、内部穿孔器62(図12参照)のノズル先端部によって生成される。表12は、密閉ブリスター包装物60の断面図を、成形ブリスター61内部に位置する内部穿孔器62と共に示す。穿孔器62のノズルは、接触点71で蓋用材質70に対して保持される。密封部は、密封領域72の成形形状73に組み込まれることにより、強化される。
【0060】
本明細書で開示、請求するすべての構成および手法は、本開示を踏まえて過度の実験を実施することなく、実行、実施することができる。本発明の構成および手法は望ましい実施例の観点から論じているが、当該技術に精通するものには、本発明の構想、精神、範囲を逸脱せずにこれらの構成および手法、そして本明細書で論ずる手法の手順や手順の順序の変更が可能であることは明白であろう。具体的には、化学的あるいは生理的に関連する特定の媒体を、本明細書で説明する媒体の代替物とし、同時に同一または同様な結果を達成できることは明白であろう。当該技術に精通するものに明白である、そうしたすべての代替物および変更は、添付請求項が定義する本発明の精神、範囲、構想内にあるものとみなす。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の利用分野
本明細書は、成形構造、すなわち容器と、例えば、医薬製品などの物品の包装への使用に適する、成形構造の製造方法に関する。具体的には、本明細書は、慨してブリスター包装物、およびブリスター包装物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
成形構造、成形包装物、成形ブリスター(例えば、ブリスターパック)などの成形された物品は、薬の剤形を含む、さまざまな製品の包装に一般的に使用され、製品のそれぞれ単一の単位容量は個別に包含または収容されて周囲の状況から保護される。薬の剤形(例えば、医薬組成物)、特にあらかじめ計量して一回服用量として包装されるような製品の多くは化学分解や光崩壊、化学反応、そして大気、水、光、その他の環境要因に暴露されて不活性化となる傾向があるため、包装する上での大きな課題を提起する。そのような剤形はしばしば少なからぬ費用がかかること、そして、意図された服用量の有効成分が患者に与えられることの重要性を鑑み、そうした環境の変化による喪失や劣化から厳重に保護することが必要である。
【0003】
ブリスターパックは、プチプチパックとも言われ、個別にされた薬の剤形の一回服用量含み、一単位に分けられた製品を収容するために長年使用されてきている。通常、ブリスターパックは、正方形または長方形のフィルムに位置する、多数の、または一連のブリスターを含む。各ブリスターは内部に製品を含有し、各ブリスターの少なくとも上部の周囲が、フィルム層に固定された蓋などの覆い層によって覆われている。通常、この蓋はブリスターを密封し、内容物をブリスター外部の環境から隔離することによって該内容物を保護する。当該技術に精通するものに周知である、従来の蓋用材質および蓋技術のいずれかを用いて、成形収納部を密封することができる。例えば、高分子シート層、金属薄片などの金属シート層、接着剤やその類似物など、それらの関連接着技術を用いることができる。
【0004】
ブリスターパックのブリスターは、フィルム層を変形させて製造することができ、当該技術に精通するものに周知である、異なる多数の技術によって達成することができる。一般的に、成形ブリスターはフィルムの深絞り、引っ張り絞り、熱成形によって製造することができる。その他のブリスター形成技術は、押し抜き機に軟化フィルムを当てた吹き込み成形と真空成形を含む。通常、ブリスターは、円形、正方形、長方形に製造される。さらにフィルム層は、プラスティック塗布された金属薄片を含む、ラミネート加工品の形態であり、例えば、該フィルムの一部を型に押し入れて、生成されるブリスターの望ましい形状に実質的に類した寸法の凹みを定義して、成形物品を製造する。
【0005】
ブリスターパックは、薬の剤形などの製品の製造過程中の型として作用する、追加機能を持つこともある。そのような例においては、ブリスターパックは、製品成形の型として作用し、さらにその型に入った製品の収容容器および包装物となる。例えば、型に入った一回服用量は、ブリスターに液状成分を直接入れ、その後該ブリスターとその内容物を処理して該成分を固化し、最終的な剤形を形成させることによって製造することができる。この技術は、例えば、凍結乾燥した剤形の製造に用いられる。そうした技術はThompson et al.の特許文献1に開示されている。
【0006】
通常、金属薄片を含む、ラミネート加工品の成形包装物を成形する工程には、圧痕(すなわちプランジャー)、押し抜き機、保持用具を含む、成形用具が含まれている。該ラミネート加工品は、変形されながら、該押し抜き機と該保持用具の間にしっかりとはさまれ、該圧痕はラミネート加工品に向かって移動する。該圧痕は、下げられるにつれて該押し抜き機の開口部に深く入り、ラミネート加工品を変形させる。そのような工程で、平板であるラミネート加工品は、該ラミネート加工品の本来の平面に該当する面積に囲まれた、一つまたはそれ以上の凹みを示す成形部分に変換される。該押し抜き開口部の部分の該ラミネート加工品のこの部分のみが流動または引き伸ばされて成形部分を形成する。しかしながら、ラミネート加工品、特に金属薄片を含むラミネート加工品をひびや穴を発生させることなく変形させるためには、圧痕と押し抜き開口部との間に適切な横の距離が保たれなければならず、しかも工程でラミネート加工品のいずれの層にもしわを発生させてはならないため、当該技術において周知であるプロセス法は限定される。さらに、そうした金属薄片の熱処理は、成形フィルムにでこぼこを発生させ、成形フィルのその後の取り扱いが困難となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第 5,457,895 号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
当該技術において周知である方法を用いたブリスターパックの成形における二つの懸念は、絞り完了後の材質の肉厚の均一性と、材質の裂け目である。例えば、現行の手法は、応力をブリスターに等分に配分しない方法でフィルム材質を絞るため、材質が不均一に配分され、その結果大きな応力がもたらされて失敗の確率が高くなる。しかも、材質に裂け目を生じやすい肉薄の箇所が存在することもある。従って、当該技術には、これらの欠陥を克服する工程が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
本明細書は、少なくとも一つの成形凹みを持つ、単位容量包装物用の成形物品を製造する工程を示す。本明細書で開示する工程の利点の一つは、フィルムを絞って凹みを成形する際、結果として発生する該フィルムに対する応力が、現行の方法の場合よりも、均一に成形凹みに配分されるため、成形凹みに肉薄の箇所、裂け目、その他の欠陥が生じる可能性が減少することである。ブリスター成形の工程における現行の限界は、深いブリスターや側壁が急角度あるいは垂直なブリスターなど、複雑なブリスター形状に伴う問題に適切に対処していない。この限界の程度は、内径が小さく側壁が垂直である、深絞りブリスターを製造する場合にさらに高くなる。本明細書のある実施例では、成形凹みの最終的な深さではなく、成形凹みの最終表面積に形成される、最初の絞りの段階に関連する深さを基準とする深さに対して、応力と材質を均一に配分するように設計されたプランジャーでフィルム材質を絞る。この時点で、小径で垂直な側壁などの複雑な特徴を備えた第二段階プランジャーは、第一段階で形成された表面積を維持しながら、絞られたフィルムを再成形して最終成形凹みを形成する。金属‐プラスチック薄片からブリスターを成形する現行の方法も、特に液体がブリスターに入っている場合、該金属薄片からプラスチック層が剥離することに関連する問題を抱えている。この問題は、プラスチック材質が、成形工程から発生し、プラスチックを金属薄片と異なる率で跳ね返させる傾向を持つ残留応力を維持する場合に発生する。本明細書で開示するとおり、温成形工程は、プラスチック材質のそうした応力を緩和し、それによって剥離を減少させてこの問題を克服することができる。
【0010】
ある実施例では、本明細書で開示する工程は以下を含む。すなわち
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し;
(b)第一プランジャーを該押し抜き機開口部に打ち込んで該フィルムに一次外形を形成し、該外形は成形凹みの少なくとも100%そして最大150%の深さ、約1.0対1乃至3.0対1、およびその範囲内の面積比を有し;
(c)第二プランジャーを該一次外形内に、該一次外形の深さよりも浅い深さに打ち込み、該第二プランジャーにより、成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する、異なる幾何学的形状を形成する。
【0011】
面積比は、形成された表面積対型締め内部の初期表面積として計算することができる。フィルムは、例えば、金属薄片層の片側または両側がプラスチック層である金属‐プラスチック・ラミネート加工品を含む、当該技術に精通するものに周知である適切な材質から選択することができる。手順(b)と(c)はいずれも、温成形工程、冷成形工程、温成形工程と冷成形工程の組み合わせを用いて実施することができる。ある実施例では、成形品目は成形ブリスターである。本明細書のある実施例では、包装される凹みにさらに薬の剤形の単位容量や穿孔器(例えば、内部穿孔器)が含まれる。ある実施例では、本明細書の成形品目は外部穿孔と関連する。薬の剤形は一つあるいはそれ以上の有効成分を含み、固体状、水状、後に固体化形状となる形状(例えば、凍結乾燥、固体溶解の対象である製剤)である。凹みの成形後、金属薄片の蓋などの蓋用材料で成形物品の上部を密封する。
【0012】
一次外形の成形後、第二プランジャーを該一次外形に、該一次外形の深さよりも浅い深さ(すなわち、該外形の最大約100%)に打ち込んで、該一次外形のフィルムを再配分、再成形、引き伸ばして異なる幾何学形状とし、成形凹みを形成する。ある実施例では、保持用具は上部押し抜き板で、押し抜き機は下部押し抜き板である。ある実施例では、上部押し抜き板は第一プランジャーと第二プランジャーを含み、下部押し抜き板は一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む。プランジャーは、該プランジャーとフィルム間の摩擦の程度に影響を及ぼす表面または仕上げを含む。例えば、第一プランジャーは高摩擦発生表面を含み、第二プランジャーは低摩擦発生表面を含み、第一プランジャー(あるいは先行)プランジャーは第二(あるいは後行)プランジャーよりも高い摩擦を発生させる表面を含む。本明細書で用いているように、「高摩擦発生表面」とは、フィルムがプランジャーの表面を滑る、あるいは滑り動くことを防止または阻害する表面である。本明細書で使用されているように、「低摩擦発生表面」とは、フィルムがプランジャーの表面を滑る、あるいは滑り動くことを補助または寄与する表面である。一連のプランジャーを凹みの成形に用いる場合、該プランジャーは、該プランジャーとフィルム間の摩擦の程度が徐々に減少するように配列される。さらに、異なる形態、形状、型、材質、表面仕上げ、あるいはそれらの組み合わせを、例えば、該プランジャーの末端部など、プランジャーに用いて、該プランジャーとフィルム間の摩擦に影響を及ぼさせる。
【0013】
ある実施例では、押し抜き機は、間隔をあけた複数の押し抜き開口部を有し、一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む、連続形成チェンバーを含む。該押し抜き開口部は、一列または複数列に間隔をあけることができる。ある実施例では、該成形チェンバーは複数のプランジャーと一列に整列し、連続使用されて成形凹みを生成させる。プランジャーは同一押し抜き開口部に連続して、あるいは一連の成形チェンバーに連続して下げられ、例えば、フィルムを押し抜き機から押し抜き機に、例えば、チェンバーからチェンバーに、押すことによって、プランジャーによって成形された該フィルムを前進させ、該フィルムを最終成形チェンバーとプランジャーに到達させ、最終成形形状を形成させる。複数のプランジャーは、少なくとも第一と第二のプランジャーを含み、第三のプランジャー、さらに追加の連続プランジャーを含むこともあり、成形凹みを形成させる。フィルムに一次外形を成形した後、第二または最終プランジャーを用いて該一次外形を再配分、再成形、引き伸ばして幾何学的特徴を追加し、成形凹みを形成させる。該成形凹みの最終形状は、ひとつまたはそれ以上の追加プランジャーによって成形し、望ましい幾何学的特徴を外形に与えたり、該外形を引き伸ばして望ましい最終面積および形状とする。ある実施例では、フィルムはアルミ箔を含み、プランジャーは、アルミニウムの粒子を考慮して、ラミネート加工品の該アルミニウム層を裂け目なく引き伸ばして面積を形成できる形状とされる。
【0014】
本明細書のある実施例では、少なくとも一つの成形凹みを有する、単位容量包装物用の成形品目を製造する機器が含まれる。すなわち
(a)少なくとも一つの保持用具と、少なくとも一つの押し抜き開口部を有する、少なくとも一つの押し抜き機を含み、該保持用具と押し抜き機はその間にフィルムを保持するように改修され、
(b)第一プランジャーと第二プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムに該フィルムの成形凹みを形成させ、
該第一プランジャーは該フィルムを一次外形に最初に絞る作用を実施し、該外形は該成形凹みの深さの少なくとも100%そして最大150%の深さ、面積比は形成された表面積対型締め内部の初期表面積として計算された約1.0対1乃至約3.0対1、そしてそれらの範囲のいずれかの面積比を有し、該第二プランジャーは該一次外形を、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ、異なる幾何学形状の成形凹みを形成する作用を実施し、該成形凹みは該一次外形の深さよりも浅い深さを有する。
【0015】
本明細書のある実施例では、例えば、温成形された成形包装物などの成形包装物を示し、例えば、金属‐プラスチック・ラミネート加工品などのフィルムに成形凹みを含む、複数の成形物品を含み、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積の比率が、例えば約2.0対1など、約1.0対1乃至約3.0対1である表面積を有する。ある実施例では、金属薄片の蓋を成形包装物の上部に密封する。ある実施例では、成形品目は成形ブリスターである。
【0016】
本明細書のある実施例では、例えば、温成形による形成包装物などの成形包装物の製造工程は以下を含む。すなわち
(a)少なくとも一つの保持工具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し、
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムに一次外形を形成し、該外形は成形凹みの少なくとも約100%そして最大約150%の深さと、約1.0乃至約3.0の面積比を持ち、
(c)第二プランジャーを該一次外形に、該一外形の深さよりも浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーは、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する成形凹みに異なる幾何学的形状を形成し、
該第一プランジャーと該第二プランジャーは、摂氏約35度乃至摂氏約95度の間に暖められる。製造された成形包装物は、フィルム(例えば、金属‐プラスチック・ラミネート加工品)に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形物品(例えば成形ブリスター)を持ち、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積が、例えば約2.0対1など、約1.0対1乃至約3.0対1の面積比である表面積を有する。ある実施例では、金属薄片の蓋を成形包装物の上部密封する。
【0017】
本明細書で論ずるいずれの実施例も、本発明の工程、機器、構成のいずれに関しても実施することができ、またその逆も同様であると考えられる。本明細書で用いられる表現「約」は、当該技術に普通に精通するものに明らかなように、可能な限り近似することとして定義され、限定されない一つの実施例において、同表現は、10%以内、5%以内、1%以内、0.5%であることとして定義される。本明細書で用いられる表現「実質的」およびその変化形は、当該技術に普通に精通するものに明らかなように、概して、しかしながら必ずしも完全ではなく、特定されるものとして定義され、限定されない一つの実施例において、実質的に10%以内、5%以内、1%以内、0.5%以内の範囲を言う。表現「一つ」は、請求項や明細書において表現「含む」と一緒に用いられる場合、「一つ」を示すが、「一つまたはそれ以上」、「少なくとも一つ」、「一つ、あるいは一つ以上」の意味とも一致する。
【0018】
本明細書でさまざに論じるそれぞれの範囲は、連続的であることを意図しており、各範囲で示される最小値と最大値の間の各数値パラメータを含むと考えられるべきである。さらに、請求項の範囲に均等論を適用するように限定することを意図するものではなく、各数値パラメータは、各数値パラメータについて報告された有効数字の数と一致した方法で、かつ通常の四捨五入を適用して考えられるべきである。またさらに、請求項の範囲に均等論を適用するように限定することを意図するものではなく、仮にある数値が、数値の範囲内にあり、該範囲の最小値と最大値の少なくとも一つが表現「約」に先行されていても、該範囲内に含まれる各数値は表現「約」に先行される場合もあり、先行されない場合もあると考えられるべきである。例えば、約1乃至約4という範囲は、約1、1、約2、2、約3、3、約4、4を含む。
【0019】
本明細書と請求項で用いられているように、表現「包含する」(および、人称によるその変化形)、「有する」(および、人称によるその変化形)、「含む」(および、人称によるその変化形)、「含有する」(および、人称によるその変化形)は、包括的であるか、あるいは制約を持たず、列挙されていない追加要素あるいは段階法を除外するものではない。
【0020】
本発明のその他の目的、特徴、利点は、以下の詳細な説明により明白となろう。ただし、詳細な説明と例示は、本発明の具体的な実施例を示すものである一方、例証としてのみ挙げられていると考えられるべきである。さらに、詳細な該説明によって、本発明の精神と範囲内における変更および修正は、当該技術に精通するものには明らかであろうと考えられる。
【0021】
以下の図表は本明細書の一部を成し、本発明の特定の様相と実施例をさらに論証するために含まれる。該開示は、これらの図表の一つまたはそれ以上を本明細書で論じている特定の実施例の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、より充分に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は進行する成形押し抜き機の断面図を示す。
【図2】図2は進行する成形の第一段階を示す。
【図3】図3は進行する成形の第二段階を示す。
【図4】図4は進行する成形の第三段階を示す。
【図5】図5は進行する成形の第一段階への復帰を示す。
【図6】図6は一列の押し抜き機の平面図を示す。
【図7】図7は複数列の押し抜き機の平面図を示す。
【図8】図8は一列の押し抜き機の一部分を示す。
【図9】図9は複数列の押し抜き機の一部分を示す。
【図10】図10は絞り比と面積比の差異を示す。
【図11】図11は密封されたブリスター包装物の上面図を示す。
【図12】図12は密封されたブリスター包装物の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
本発明の開示は、単位用量包装に適切な成形構造、容器、包装、あるいはブリスター包装などの成形製品の製造工程に関する。形成工程の1つは、医薬品、食料品、高級消耗品、および技術製品に適切なブリスターのような形成収納部(凹部)を生成することである。医薬品とは、薬剤、アンプル、ピル、カプセル、錠剤、トローチ、糖衣錠、坐薬、速効溶解投与剤形(例、フリーズドライ投与剤形、凍結乾燥投与剤形)、成形器具などであり、引き続き、形成収納部の開口部をふさぐようになコ―ティング剤によってシールできるものを含むが、それだけに限定されない。特に、本発明の開示は、例えば医薬品の包装に使用されるブリスター包装の製造に関する。単位用量が医薬品に対するのもである場合、通常、患者に一回投与する薬剤投与剤形の量を意味し、1つまたは複数の有効成分と、1つまたは複数の賦形剤を含む。単位用量包装は、使い捨て容器に入った1回分投与量の包装である。
【0024】
本明細書で開示される工程では、当該分野の既知方法で得られない形およびフィルム材料の伸縮性を作成することができる。本開示工程には、ホイルラミネートのようなフィルムの固定、およびそのフィルム内への一連のスタンピングツール(すなわちプランジャー)の押し込みがあり、フィルムに望ましい形の収納部(凹部)を生成する。成形製品の製造工程は一般的に、少なくとも1つの保持ツール、少なくとも1つの金型、および少なくとも2つのブランジャーを含む。保持ツールと金型は、少なくとも1つの開口部を有する金型によりその間にフィルムを保持するように設計されており、成形収納部が望ましい形になるようにフィルム層を変形できるようになっている。
【0025】
形、サイズ、数、および表面加工が異なるプランジャー(例えば、フィルムの摩擦度を変化させる)を工程に組み込んでもよい。例えば、形成工程では、最初は摩擦度が高くなるようなプランジャーを使用し、2番目に徐々に高くするか低くするようなプランジャーを使用している。フィルム層には熱可塑性物質、ポリマー、コポリマー、複合剤、ラミネートなど様々に異なる材質が含まれるが、これだけに限定されない。単位用量が薬剤の投与剤形である場合、γ線照射など殺菌成形製品を生成するために、フィルムは無菌の製造工程で実施できることが必要となる。好ましくは、フィルムは柔軟性であり、かつその形を保持でき、最小限の力で圧搾でき、バリアを生成し、照射に耐性であり、望ましい化学的特性(例、投与される薬剤投与剤形と反応しない)を有することである。ブリスターパックのフィルムは、好ましくはホイルラミネート、さらに好ましくは金属−プラスチックラミネートである。金属−プラスチックラミネートは少なくとも片面あるいは両面がプラスチック層で皮膜された金属ホイルを含んでいる。金属−プラスチックラミネートが金属ホイルの両面上にプラスチック層を含んでいる場合は、プラスチック層は同じタイプあるいは異なるタイプのプラスチック層のどちらであってもよい。
【0026】
該ラミネートのプラスチック層に使用される材質は、当業者には既知であり、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ナイロン誘導体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアセタール、塩化ビニリデン、ポリプロピレンエチレンコポリマー、ポリエチレンナフタレート、フッ素ポリマー、環状ポリオレフィン、ポリアミド、および類似物質あるいはその複合物質など、市販の様々なポリマーとコポリマーを含むが、これだけに限定されない。該プラスチック層は、約8μm〜約80μm、約10μm〜約70μm、約15μm〜約60μm、約20μm〜約50μm、または約25μm〜約40μmのいずれかの範囲の厚さでラミネートに含まれる。プラスチック成分は、ハロゲン含有ポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、アクリルニトリルコポリマー、またはポリ塩化ビニルのような、非伸縮性、または一軸圧縮/二軸圧縮伸縮性、あるいは熱可塑性であってよい。ポリオレフィンタイプの熱可塑性プラスチックの典型的な例は、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリエチレン、一軸あるいは二軸伸縮性ポリプロピレン、鋳造ポリプロピレンのようなポリエチレン、および一連のポリエステルの一軸あるいは二軸伸縮性ポリエチレンテレフタレートである。当該分野で既知の他の材質を同様にプラスチック層に使用してもよいので、上述の例に一切限定されることはない。
【0027】
ハロゲン含有ポリマーに基づくプラスチックの例には、塩化ビニルと脂肪族酸ビニルエステルとのコポリマー、塩化ビニルとアクリル酸またはメタクリル酸エステルとのコポリマーあるいは塩化ビニルとアクリルニトリルとのコポリマー、ジエン化合物と不飽和ジカルボン酸またはその無水物とのコポリマー、塩化ビニルと不飽和アルデヒド/ケトンを有する塩化ビニルとのコポリマー、または塩化ビニルまたは他の重合可能な化合物を有する塩化ビニリデンのポリマーとコポリマーなど、塩化ビニルポリマーおよびその構造中に塩化ビニル単位を含むビニルプラスチックが含まれるが、それだけに限定されない。ビニル基を基礎とする熱可塑性プラスチックはまた、一回目または二回目に軟化剤を使い従来法によりソフトで成形しやすくなっている。
【0028】
プラスチックフィルムがポリエステル(PETフィルム)を含む場合、ポリエステルの例として、例えば、ポリエチレン・フタレート、ポリプロピレン・テレフタレート、ポリプロピレン・テレフタレート、ポリブチレン・テレフタレート(ポリテトラエチレン・テレルタレート)、ポリデカメチレン・テレフタレート、ポリ1,4−シクロヘキシルジメチロール−テレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレン・ジカルボキシレートのような、アルキレン基または2〜10個の炭素原子によるラジカル、または少なくとも1個の酸素原子で妨害されている2〜10個の炭素原子からなるアルキレン基からなるポリアルキレン・テレルタレートまたはポリアルキレン・テレイソフタレート、ないしはポリアルキレン・テレフタレートとポリアルキレン・イソフタレートの混合ポリマーが挙げられるがこれだけに限定されない。この混合ポリマーでは、イソフタレートの割合が例えば1〜10モル%である混合ポリマーとテルポリマーも、上記のポリマーとグラフトポリマーをブロックする。他の有益なポリエステルは、本分野ではPENの略号で知られている。他のポリエステルは、テレフタル酸のコポリマー、少なくとも1つのグリコールを有するポリカルボン酸、テレルタール酸、エチレングリコールおよび別のグリコールとのコポリマー、アルキレン基または2〜10個の炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、アルキレン基または1個または2個の酸素原子で妨害されている2〜10個炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、アルキレン基または2〜4個の炭素原子を含むラジカルのポリアルキレン・テレフタレート、およびポリエチレンテレフタレート(例、A−PET,PETP,PETG,G−PET)である。グリコール修飾ポリエステルもPETGと省略される。
【0029】
プラスチックフィルムのポリオレフィンの例として、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE、密度>0.944g/cm)、中密度ポリエチレン)(MDPE、密度0.926−0.940 g/cm)、中密度リニアポリエチレン(LMDPE、0.926.−0.940g/cm)、低密度ポリエチレン(LDPE, 、0.910−0.925g/cmの密度)、低密度リニアポリエチレン(LLDPE、密度0.916−0.925g/cm)例えば非配向性(PE)または一軸または二軸配向性フィルム(oPEフィルム)などのポリエチレン(PE)、軸配向性あるいは二軸配向性ポリプロピレン(oPPフィルム)、あるいは鋳造ポリエチレン(cPPフィルム)、無結晶性または結晶性ポリプロピレンまたはその混合物、アタクチックまたはイソアタクチックポリプロピレンまたはその混合物などのポリプロピレン(PP)、ポリ−1−ブテン、ポリ−3−メチルブテン、ポリ−4−メチルペンテンおよびそのコポリマー、酢酸ビニル、ビニルアルコール、アクリル酸を有するポリエチレン、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、テトラフルオロエチレンまたはポリプロピレンを11%含むエチレンのコポリマーのようなイオノマー樹脂、ブロックポリマーまたはオレフィンポリマーエラストマー混合物、イオノマー、およびエチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0030】
プラスチックフィルムがポリアミドフィルム(PA)を含む場合、ポリアミドの例として、ε−カプロラクタムのホモポリマー(ポリカプロラクタム)であるポリアミド6、ω−ラウリンラクタムのホモポリマー(ポリラウリンラクタム)であるポリアミド11とポリアミド12、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンアジミド)であるポリアミド6.6、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンセバカミド)であるポリアミド6.10、ヘキサメチレンジアミンとドデカン酸のホモポリ縮合体(ポリヘキサメチレンジアミン)であるポリアミド6.12、またはトリメチルヘキサメチレンアミンとテレフタル酸のホモポリ縮合体(ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタル酸アミド)であるポリアミド6−3−T、およびその混合物が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0031】
プラスチックがアクリルニトリルコポリマーを含む場合、アクリルニトリルコポリマーの例として、アクリルニトリルまたはメタクリルニトリルとアクリル酸エステル、ビニルカルボン酸エステル、ビニルハロゲン化物、芳香族ビニル化合物または不飽和カルボン酸およびジエンのコポリマー、およびアクリルニトリル−メチルアクリレートコポリマーが挙げられるが、それだけに限定されない。
【0032】
ラミネートのホイルコンポーネントに有用である金属は、本明細書で開示されている形成工程中にプラスチック層に付着しその型を維持するのに十分な物理化学的特性(例、厚み、鍛造性、耐温度性、および化学的適合性)を有するホイルを形成できる金属である。前記金属は、アルミニウム、鉄、ニッケル、スズ、青銅、金、銀、クロム、亜鉛、チタン、銅およびこれらの複合金属、およびスチールやステンレススチールのような当該金属などの合金であるが、それだけに限定されない。該メタルホイルは、例えば、約8μm〜約200μm、約10μm〜約150μm、約15μm〜約125μm、約20μm〜約100μm、または約25μmから80μmのいずれかの範囲の厚さでラミネートに含まれる。ある実施形態では、ホイル、例えばアルミニウムホイルは98.0%以上、より好ましくは約98.3%以上、さらに好ましくは約98.5%、特に好ましくは約98.6%以上の純度を有する。アルミニウム−鉄−シリコンまたはアルミニウム−鉄−シリコン−マンガンタイプのアルミニウムホイルを使用してもよい。当該分野で既知の他の適切な金属ホイルも同様に使用してもよい。
【0033】
ラミネートには、ホイル層とプラスチック層間に一つ以上の接着材層があってもよい。同じまたは異なる接着剤を使って、両側の金属箔にプラスチックを接着してもよい。接着材層はプラスチック層とホイル層を接着することができ、厚さが約0.1μmから約12μm(主に約2μmから約8μmの間)の範囲内でなければならない。当該技術分野で知られている接着剤をいくつ使っても良く、それらの接着剤は従来の様々な手法で適用してよい。適する接着剤は一つ以上の溶剤を含んでいても、含まなくてもよく、アクリル接着剤でもポリウレタン接着剤でもよい。接着剤は、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体やポリエステル樹脂などの熱接合接着剤であってもよい。接着剤は、例えば紫外線などの電磁波への暴露によって堅くなるタイプであってもよい。ラミネートは、熱カレンダリング、押出コーティング、共押出コーティングまたは複数の工程の組合せによって形成してもよい。本開示で使用してよい接着剤の例としては、ポリエチレン(PE)ホモポリマー(例えばLDPE、MDPE、LLDPE、HDPE)、PEコポリマー(例えばエチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA))、ポリプロピレン(PP)、PPコポリマー、イオノマー、無水マレイン酸グラフトポリマーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
もう一つの実施形態として、フィルム(例えば金属プラスチックラミネート)が、外側面の片側または両側で、シール可能なフィルムまたはシール可能なカウンティングの形で密封層の主要物質であってもよい。密封層は、ラミネートの最も外部の層である。特に、密封層は、ふたホイルまたは同様のものがきちんと密封されるように、フィルムの1つの外側面、すなわち成形されたパッケージの内容物側であってもよい。
【0035】
ブリスター・パッケージを形成するもう一つの実施形態は、アルミニウムのラミネートであり、金属箔の両側がプラスチックで被覆されている。アルミホイルは、優れたバリア性を与え、パッケージの内容物を保護することが知られている。プラスチックコーティングは、パッケージを密閉する効果的手段であると同時にアルミニウムの保護コーティングとなり、またそれによりパッケージに印刷ができるようにもなる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ラミネートの厚さと組成として、これらに限定されないが以下の例が挙げられる:
【0037】
【数1】
上記で使われているように、OPAは配向ポリアミド(oriented polyamide)を表し、ALUはアルミニウム(aluminum)を表し、PEはポリエチレン(polyethylene)を表し、PVCはポリ塩化ビニル(polyvinylchloride)を表し、PPはポリプロピレン(polypropylene)を表す。
【0038】
本開示に先立って、当業者により、フィルムの本来の表面のくぼみの直径とフィルムに形成されたくぼみの深さの比率を用いて、形成後のフィルムの変形の程度が説明されている。この比率は簡素で計算しやすいが、フィルムの変形をより正確に表す材質の伸長量は表示しない。したがって、その直径の深さに対する比率は、ホイルラミネートなどのフィルムを確実に繰り返し伸長する特定の工程の成功度を表す能力に限界がある。変形の程度をより良く表すのは、「面積比」である。面積比は、フィルムの伸長部または最終的にくぼみが形成された部分の面積(AreaF)の、フィルムの最初の表面積(AreaI)に対する比率である。面積比は、その深さだけでなく、材料の伸びと形成された凹部の形を考慮に入れている。本出願に記載の形成技法により、面積比約1.0/1、約1.1/1、約1.2/1、約1.3/1、約1.4/1、約1.5/1、約1.6/1、約1.7/1、約1.8/1、約1.9/1、約2.0/1、約2.1/1、約2.2/1、約2.3/1、約2.4/1、約2.5/1、約2.6/1、約2.7/1、約2.8/1、約2.9/1、または約3.0/1で、ブリスターなどの凹部をうまく形作ることが可能であることが知られている。ここで使われているように、例えば面積比約「3.0」は、面積比約「3.0/1」に等しい。
【0039】
本公開に先立ち、当技術分野において金属箔を含むラミネートで作られている成形品を、冷間形成工程を用いて望ましい形に加工した。ここで使われているように、「冷間形成」という用語は、例えば、外的な熱を使用せず周囲環境下でおこなう加圧成形を指す。冷間形成には約40oCを超えない温度、より一般的には約35oCを超えない温度を利用する。ここで開示するように、温間形成工程には、ラミネートを含む金属箔のようなフィルムを使って形成品を製造する温間形成ステップがある。温間形成工程は、温間形成ステップのみで構成されていてもよく、温間形成と冷間形成の両方で構成されていても良い。金属箔の片面または両面にラミネート加工されているプラスチックフィルムからなる材質を形成する場合、形成工程中にその材質を暖めることは有益である。ラミネートを暖めることは、層間を剥がれにくくし、歪みながら元の形に戻る傾向も少なくプラスチックを成形し、より均一に伸びた材質を得る助けとなる。押出加工を行わないでプラスチックを伸ばして成形するには、温間形成ステップ中、材料の温度をプラスチックフィルムの融解温度より低く保たれなければならない。したがって、温間形成は、ここに定義するように45oCから95oC、例えば55oCから70oCの範囲内の温度で金属プラスチックラミネート等のフィルムを形成する。他の実施形態では、温間形成ステップは、45oC,46oC,47oC,48oC,49oC,50oC,51oC,52oC,53oC,54oC,55oC,56oC,57oC,58oC,59oC,60oC,61oC,62oC,63oC,64oC,65oC,66oC,67oC,68oC,69oC,70oC,71oC,72oC,73oC,74oC,75oC,76oC,77oC,78oC,79oC,80oC,81oC,82oC,83oC,84oC,85oC,86oC,87oC,88oC,89oC,90oC,91oC,92oC,93oC,94oC,95oCまたは、それらを上回る温度下で行う。ここに開示するいくつかの実施形態において、その工程は温間形成ステップのみ、冷間形成ステップのみ、あるいは温間形成と冷間形成の両ステップの組合せで行われる。
【0040】
2つ以上のプランジャーを使って、フイルム層に形成する凹部を望ましい形に変える。本開示で使用するプランジャーはどんな形でも良く、例としては、円筒形、円錐形、鈍角円錐形、ピラミッド形、鈍角ピラミッド形、球またはキャップの一部あるいは樽形が挙げられるが、これらに限定されない。プランジャーの側壁は、特定の垂直または急傾斜していたり、垂直またはゆるやかに傾斜していても良く、プランジャーの底の端または周辺は小半径であっても、丸くても、丸みがかっている形でも良い。プランジャーの成形面の形状は様々であることが望ましく、例えば表面の形状が徐々に異なるプランジャーを用いて、求める凹部を漸次形成することが望ましい。本開示の工程に基づいてフィルムに形成する凹部は、希望するいずれの形や深さでも良く、例としては、これらに限定されないが円形、卵形、正方形、三角形、長方形、多角形あるいは楕円形などであり、また、深いブリスター、急傾斜のまたは垂直な壁のあるブリスター、内半径が小さく垂直な壁のある深いブリスターのような複雑な形でもよい。形成する凹部のベース部分は、平らであっても、双曲型でもよく、一定幅または先細であってもよい。
【0041】
本発明の新規の観点の1つは、フィルムに第1のプランジャーを適用することに関する。当該分野で既知の工程では最終的な望みの深さの50%〜100%未満で第1のプランジャーをフィルムに押し当てることが多いが、本明細書で開示される工程では、最終的な望みの深さの少なくとも約100%若しくはそれ以上まで第1のプランジャーをフィルムに押し当てる。例えば、2つのプランジャーを使用する場合、第1のプランジャーを金型の開口部に押し当てることで、フィルムを大まかな輪郭に変形させ、その深さは形成される陥凹の深さの少なくとも約100%〜約150%、およびその範囲内とする。他の実施形態では、第1のプランジャーをフィルムに約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%、または約145%の深さまで押し当てる。第1のプランジャーは、直径対深さの比が約2.5、約2.4、約2.3、約2.2、約2.1、約2.0、約1.9、約1.8、約1.7、約1.6、または約1.5未満まで押し当てることもできる。したがって、当該分野で既知の他の方法とは異なり、本明細書で開示される工程の最初の段階では、最終的に形成される陥凹に必要なフィルムの引き抜き部分を実質的にすべて形成する。1若しくはそれ以上の温間加工過程において、この伸展部を形成するため、熱を利用することができる。さらに、本明細書に説明する通り、大まかな輪郭の面積比は、約1.0/1〜3.0/1およびその範囲内である。
【0042】
大まかな輪郭を形成後、第2またはそれ以降のプランジャーを大まかな輪郭の深さに満たない深さまで大まかな輪郭に押し当て、第2のプランジャーが大まかな輪郭と実質的に同じ面積比で、形成される陥凹とは異なる幾何学的図形を形成するようにする。したがって、この場合も、本明細書に開示した工程は、前のプランジャーで到達する深さよりも深くまで第2またはそれ以降のプランジャーを押し当てることで、第1またはそれ以前のプランジャーで到達する地点を越えてフィルムの引き抜き部分をさらに形成する、当該分野で既知の工程とは異なる。当該分野で既知の他の方法では、形成される陥凹の最終的な望みの深さよりも深くまで第2またはそれ以降のプランジャーを押し当て、フィルムが元の面に跳ね返ってくることを補正する。対照的に、例えば本明細書で開示される工程では、第2(またはそれ以降)のプランジャーを第1またはそれ以前のプランジャーよりも浅く押し当てる。第2(またはそれ以降)のプランジャーは望みの形成される陥凹の最終的な深さに満たない深さ(つまり、約100%未満)まで押し当てることもできる。特定の実施形態では、第2(またはそれ以降)のプランジャーを形成される陥凹の大まかな輪郭の約99%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、約89%、約88%、約87%、約86%、約85%、約84%、約83%、約82%、約81%、または約80%未満の深さまでフィルムに押し当てる。第2またはそれ以降のプランジャーは、すでに引き伸ばされた大まかな輪郭の表面の形を整え、伸展させ、または再分配し、最終的に形成される陥凹に望みの幾何学的細部を形成することができる。したがって、第2(またはそれ以降)のプランジャーは、最終的な形の深さ以上にフィルムを実質的に引き出すようには設計されていない。その代わり、第2(またはそれ以降)のプランジャーは形を整え、伸展させ、または陥凹を再分配し、これによってフィルムを望みの形にするため、陥凹の深さが浅くなることが多い。第2またはそれ以降のプランジャーを用いた温間加工過程に熱をかけることで、最終的な陥凹の細部を形成することができる。
【0043】
第2(またはそれ以降の)プランジャーを温間加工過程にかけることで、例えば金属−プラスチックラミネートなど、フィルムの弾力性による跳ね返りを抑えることができ、プラスチック層がホイルから層間剥離する可能性を軽減することができる。本明細書で説明される工程では第1および第2のプランジャーを使用するが、2つ若しくはそれ以上のプランジャーを使用し、形成される陥凹を望みの形にすることができる。さらに、逐次段階を一続きとして、または逐次段階をいくつか平行して行うことで、望みの形の陥凹を形成することができる。例えば、複数のプランジャーを使用し、陥凹を多数形成したブリスター包装を作成することができる。
【0044】
本明細書で開示されるプランジャーは、フィルムと接触する際の摩擦が同一であるか、異なることもある。例えば、プランジャーを高摩擦層または低摩擦層でコーティングすることができる。特定の実施形態では、連続的にプランジャーを使用することでそれぞれの摩擦度が低下するが、他の実施形態では、連続的にプランジャーを使用することでそれぞれの摩擦度が上昇する。連続する一続きのプランジャー内でも適宜摩擦度を増加および/または低下させることを含め、連続的なプランジャーの各摩擦度を望み通り変化させることについては当業者に周知である。形成する表面の摩擦層はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ゴム(例えば、硬質ゴム)、天然ゴム、アクリルポリマー、ガラス、セラミック、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、またはその混合物など、1若しくはそれ以上のプラスチックを有することができる。代わりに、摩擦層は例えばアルミニウム、クロム、または鋼鉄層(特に研磨された金属層)、またはグラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデンを含むセラミック層など、1若しくはそれ以上の金属を有することができる。プランジャー表面を金属とした場合も設計することができ、例えば研磨することで低摩擦度を達成することができる。
【0045】
別の実施形態では、本明細書で開示された工程を、同軸または伸縮自在で互いに内側に配置されたプランジャーを用いて達成することができる。例えば、第1のプランジャーで最初の輪郭を形成し、最初の輪郭内で持ち上げた後、第2のプランジャーを下げ、第2のプランジャーを第1のプランジャーに伸縮自在にスライドさせ、最終的にフィルム内に望みの陥凹を形成することができる。
【0046】
望みの陥凹が形成された後、形成された陥凹の開口部にふたをするなどコーティングを施すことで、これを密閉することができる。密閉方法は当業者に周知であり、これに限定されるものではないが、フィルムまたはコーティング表面に対する平面シール、ダイヤモンドパターン、またはそれ以外に熱および/または圧力をかける方法(例えば、プレス、熱間圧延機、プラテンプレス、または加熱プラテンプレス)を含む。特定の実施形態では、ふたの原料が限定された距離で穿刺可能であり、折り返しを作らず、裂くことができ、(あれば)穴開け器でシールを形成し、微粒子の形成を最小限とし、障壁を形成し、放射線に耐え、望ましい科学的性質を有し(例えば、投与する製剤と反応しない)、および/または印刷することができる。業界ガイドラインでは、シールの幅を0.1インチの範囲とするよう提案している。製剤を包装する場合、気体または他の環境要素が形成される陥凹内に拡散し、その中に包装した製剤を破損することができないようなしっかりとしたシールを作ることが重要である。特定の実施形態では、特に単位用量が少ない場合、シールの面積を最小限にすることが望ましい。
【0047】
1つ以上の成形収納部を持つフィルムの面などの上から蓋用材質などのコーティングを密閉することは、形状収納部の周囲の部分(例えば、円形部分)で達成する。狭いシールが必要とされる場合、平面シールでは、成形収納部(例えば、ブリスター)が圧搾された場合、動的圧力に耐えるだけのシールの強度が十分に提供されない可能性がある。そのようなシールは水蒸気または酸素の伝達を防ぐには通常十分であるが、調剤工程中に発生する圧力の下に内容物を置いた場合には漏れる可能性が高くなる場合がある。ダイヤモンドパターンのシールでは、さらに堅牢なシールを形成するために濃縮された圧力点を利用することで、より強いシールを提供する。しかしダイヤモンドパターンのシールでは、通常線状配列パターンであり、円形のブリスターを均一に取り囲まない可能性があり、シ―ル周縁で、特に小型ブリスターの幅が狭いシールでは、一貫していない可能性がある。したがって、ある実施例では、必要な幅を最低半分まで減らすため、またその逆に、推奨幅を用いて実質的により強いシールを製造するために、密閉部分に輪郭を付け加えることが望ましいことがある。例えば、環状シール(断面図では波形状)を形成することで、ダイヤモンドパターンと同じ利点を、ブリスターシ―ル周縁で均一である方法で提供する。
【0048】
成形ブリスターなどの密閉された成形収納部をバーストする際に管理した方法で液体噴霧を形成するには、密閉されたブリスターの中にある内部穿孔器を使用し、蓋用材質との接触を保つような位置に配置される。内部穿孔器は米国特許第5,411,175号、米国通し番号第11/114,251,11/971,471および12/121,644に開示されている。これらのどれもが本明細書で参照として組み込まれている。内部穿孔器は異なる形状であることがあり、じょうごのデザインまたは円状のデザインが含まれるが、これだけに限定されない。内部穿孔器はスチレン、ポリスチレン、または医薬品等級のFDA(米食品医薬品局)からの認可を受けた、蓋用材質を貫通するのに十分な硬さを持つその他の材質から作成されている。第2、それ以降および/または最終のプランジャーは、内部穿孔器が、例えば製造、取り扱い、輸送、保管および実際の使用を行うことで、成形収納部内の定位置に固定されるように、成形収納部を形成するように設計されている。例えば、成形ブリスターでは、突出構造物、圧痕、隔膜または環状部は内部穿孔器の基部の形状に合わせるよう形成される。突出構造物、圧痕、隔膜または環状部は、組み立て時および調剤中に内部穿孔器を定位置に支えて保持する。したがって、これらの構造物は内部穿孔器を捕獲する(例えば、穿孔器の垂直運動を制限する)目的で機能しているので、内部穿孔器を固定に保持する。内部穿孔器は、例えば圧入、溶接、静水力または静電力によって製造および実際に使用することでも、定位置に保持される。成形ブリスターはまた、第2またはそれ以降のプランジャーによっても、望ましい噴霧パターンを達成するために、突出構造物、圧痕、隔膜または環状部が内部穿孔器を確実に密閉するようにもできる。
【0049】
ある実施例では、内部穿孔器には、成形収納部が圧縮され穿孔されると薬剤投与剤形が流入する、中空のチューブまたはチャネル(投与チャネル)が含まれる。一部の実施例では、蓋用材質を貫通しやすくするために穿孔器の先端は角度の付いた端を有する。穿孔器チューブの内径は約0.015インチ〜約0.05インチの範囲であるが、ある実施例では約0.025インチである。投与チャネルの内径、形状または表面性状は、それが流出点の中、近くおよび/または流出点そのものであろうと、ノズルを有することがあり、成形品目から流出する際に最適な液滴サイズおよび薬剤投与剤形の噴霧プルーム形状を形成し、放出物質の流速、圧力、パターン、配分および目標をコントロールすることでは異なっている。したがって、ノズルシステムおよび穿孔器は単体に組み込まれている。またノズルシステムは物質が放出される際の混合を定量化するようにも設計できる。
【0050】
他の実施例では、本明細書は、実質的に半球状で柔軟性があるブリスター、半球状のブリスターの基部に密閉された実質的に丸い穿孔可能な表面、および本明細書に記載の穿孔ノズルを有する内部チャンバーを含む、内部で穿孔された単位用量包装および薬剤投与剤形(例えば液体組成物)として説明できる。ある実施例では、穿孔ノズルには基部および穿孔端が含まれる。ここで基部は半球状のブリスターに取り付けられており、穿孔端は穿孔可能な表面に近い。
【0051】
下記の実施例は、本明細書で開示する組成物および方法を図示するために含まれている。本明細書の観点では、本明細書に開示しており、しかも本発明の精神と範囲から離れることなく同様または類似の結果を得られる、特定の実施例で多くの変更を行うことが可能なことは当業者によって評価されるべきである。
【0052】
図1は、下ダイスプレート11および上ダイスプレート12から構成されるダイスセット10を有する、進行する成形押し抜き機の実施例を示す。下ダイスプレート11には一次成形チェンバー15と最終成形チェンバー16がある。上ダイスプレート12には、一次成形チェンバー15および一次成形プランジャー13の位置が揃うような方法で、一次成形プランジャー13および第2、最終成形プランジャー14がある。同様に、最終成形チェンバー16と最終成形プランジャー14の位置が揃っている。上ダイスプレート12は下ダイスプレート11から上に移動可能で、また下ダイスプレート11は上ダイスプレート12から下に移動可能であるので、ダイスプレート間にフィルム(例えばダイスプレート間に挿入できる金属ホイル−プラスチック層20を含むラミネート)ができるような空間19を作り出す。一次成形プランジャー13には成形表面17があり、フィルム20を押し出し一次輪郭21を形成するように(図2に図示)位置付けされている。最終成形プランジャー14には成形表面18があり、フィルム20を押し出し最終輪郭22を形成するように(図3に図示)位置付けされている。
【0053】
図2の実施例は、力30と31によって、上ダイスプレート12が下ダイスプレート11に押されており、ダイスプレート間にしっかりとフィルム20が締め付けられるのを示す。一次輪郭21はフィルム20ですでに形成され、最終成形プランジャー14の下に配置されている。図3の実施例は、力33によってフィルム20に押し出される一次成形プランジャー13を示し、それによってフィルム20に一次輪郭21が形成される。同時に、最終成形プランジャー14が力34によって一次輪郭21に押し出され、最終輪郭22が形成される。一次輪郭21の深さは最終輪郭22のものより深い。
【0054】
図4の実施例は、力35によって引き抜かれるプランジャーおよび力34によって上に開く上ダイスプレート12を示す。ダイスセット10が開くことによって、フィルム20が矢印で示すように進む。それによってフィルム20の未成形部分23が一次成形プランジャー13の下に配置され、一次輪郭21が最終成形プランジャー14の下に再配置され、かつ最終輪郭22がダイスセット10から取り外される。図5の実施例は、力30と31によって締め付けられるダイスセット10および図2で示すステップ1に似た次の加工過程のために定位置に置かれるフィルム20を示す。したがって、過程を繰り返すことで、最終輪郭22は成形され、完全包装のために成形ブリスターを密閉するべく薬剤、ピル、器具などを配置する準備が整う。
【0055】
図6は、成形チェンバー15と16が一列になった、下ダイスプレート11の上に置かれたフィルム20の単一切片の平面図を示す。そのような配置は成形ブリスター形状の切片を一列とする。図7は、成形チェンバー45と46の5列を含む、下ダイスセット41の上にある成形ダイスの5列分に十分広いフィルム50の切片を示す。成形ダイスおよび成形チェンバーのダイスセットに組み込み可能な列数が任意であることは、当業者にとっては明らかである。 原則のみを図示するために5で示す。図8は一列のダイスセット10と一列で形成された最終輪郭22の断面図を示す。図9は5ステーションあるダイスセット40の一次成形プランジャー43の断面図を示す。5列ある成形ダイスのどの1列における断面図も図8の通りである。
【0056】
表10は、絞り比が同一である三つの異なる形状の面積比と絞り比との差異を示す。形状1、2、3は、大きく異なるフィルムの引き伸ばし分量、および形成時の困難度の程度を示す。示されるように、絞り比はこれらの差異を区別しないが、面積比は、個々の事例におけるフィルム成形の度合いをきわめて叙述的に示している。該フィルムが、実質的に均一に成形凹みに絞られる場合、新しい肉厚は、材質本来の肉厚対面積比として計算することができる。
【0057】
表10が示す3つの形状の各面積比は、次のように計算する。すなわち、
【0058】
【数2】
【0059】
表11は、密封ブリスター包装物60の上面図を、蓋用材質70が密封する領域72の成形形状73と共に示す。接触点71は、内部穿孔器62(図12参照)のノズル先端部によって生成される。表12は、密閉ブリスター包装物60の断面図を、成形ブリスター61内部に位置する内部穿孔器62と共に示す。穿孔器62のノズルは、接触点71で蓋用材質70に対して保持される。密封部は、密封領域72の成形形状73に組み込まれることにより、強化される。
【0060】
本明細書で開示、請求するすべての構成および手法は、本開示を踏まえて過度の実験を実施することなく、実行、実施することができる。本発明の構成および手法は望ましい実施例の観点から論じているが、当該技術に精通するものには、本発明の構想、精神、範囲を逸脱せずにこれらの構成および手法、そして本明細書で論ずる手法の手順や手順の順序の変更が可能であることは明白であろう。具体的には、化学的あるいは生理的に関連する特定の媒体を、本明細書で説明する媒体の代替物とし、同時に同一または同様な結果を達成できることは明白であろう。当該技術に精通するものに明白である、そうしたすべての代替物および変更は、添付請求項が定義する本発明の精神、範囲、構想内にあるものとみなす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含み、少なくとも一つの成形凹みを有する単位容量包装物用成形物品を製造する工程であり
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで該フィルムに一次外形を形成し、該外形は、成形凹みの少なくとも100%そして最大150%の深さと約1.0乃至3.0の面積比を有し
(c)第二プランジャーを該一次外形内に、該一次外形の深さよりも浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーによって、成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する、異なる幾何学的形状を形成する。
【請求項2】
フィルムが金属‐プラスチック・ラミネート加工品である、請求項1の工程。
【請求項3】
面積比が約2.0である、請求項1の工程。
【請求項4】
手順(b)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項5】
手順(b)を冷成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項6】
手順(c)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項7】
手順(c)を冷成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項8】
手順(b)および(c)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項9】
手順(b)および(c)が冷成形手順を用いて実施される、請求項1の工程。
【請求項10】
第二プランジャーを、一次外形に、成形凹みの最大95%の深さに打ち込む、請求項1の工程。
【請求項11】
第二プランジャーがフィルムを再配分し、成形凹みに異なる幾何学的形状を形成する、請求項1の工程。
【請求項12】
成形物品が一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含む、請求項1の工程。
【請求項13】
成形物品が、複数チェンバーを有する一つまたはそれ以上の複層ブリスターを含む、請求項12の工程。
【請求項14】
成形物品が、蓋のされた一つまたはそれ以上のブリスターの積み重なりを含む、請求項1の工程。
【請求項15】
成形物品が二つまたはそれ以上の連結した成形ブリスターを含む、請求項1の工程。
【請求項16】
さらに包装物の凹みに配置された、単位容量の薬の剤形を含む、請求項1の工程。
【請求項17】
さらに包装物の凹みに配置された投薬液体を含む、請求項1の工程。
【請求項18】
薬の剤形が一つまたはそれ以上の有効成分を含む、請求項13の工程。
【請求項19】
薬の剤形が水状である、請求項13の工程。
【請求項20】
金属薄片の蓋が成形物品の上部を密封する、請求項1の工程。
【請求項21】
保持用具が上部押し抜き板で、押し抜き機が下部押し抜き板である、請求項1の工程。
【請求項22】
上部押し抜き板が第一プランジャーと第二プランジャーを含む、請求項18の工程。
【請求項23】
下部押し抜き板が一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む、請求項18の工程。
【請求項24】
第一プランジャーが高摩擦発生表面を含む、請求項1の工程。
【請求項25】
第二プランジャーが低摩擦発生表面を含む、請求項1の工程。
【請求項26】
フィルムへの第一プランジャーの打ち込みが、フィルムへの第二プランジャーの打ち込みよりも高い摩擦を発生させる、請求項1の工程。
【請求項27】
押し抜き機が、間隔のあいた複数の押し抜き開口部を有する、請求項1の工程。
【請求項28】
以下を含み、少なくとも一つの成形凹みを有する、単位容量包装物用の成形物品の製造機器であり
(a)少なくとも一つの保持用具と、少なくとも一つの押し抜き開口部を持つ少なくとも一つの押し抜き機で、該保持用具と押し抜き機はその間にフィルムを保持するように改修され
(b)第一プランジャーと第二プランジャーは、該押し抜き開口部に打ち込まれて該フィルムに該フィルムの成形凹みを形成させ
該第一プランジャーは該フィルムを最初に一次外形に絞る作用を行い、該外形は、該成形凹みの深さの少なくとも100%そして最大150%の深さと、約1.0乃至約3.0の面積比を有し、該第二プランジャーは該一次外形を、該成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ、異なる幾何学形状を形成させる作用を行い、該成形凹みは該一次外形の深さよりも浅い深さを有する。
【請求項29】
金属−プラスチック・ラミネート加工品に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含む温成形形成包装物で、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部が約1.0対1乃至約3.0対1の比率である表面積を有する。
【請求項30】
さらに成形包装物の上部を密封する金属薄片の蓋を含む、請求項25の成形包装物。
【請求項31】
ラミネート加工品の平面の開口部が約2.0対1である、請求項25の成形包装物。
【請求項32】
以下を含む工程によって製造される温成形形成包装物で
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を持ち
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムを一次外形に成形し、該外形は成形凹みの深さの少なくとも約100%そして最大約150%の深さと約1.0乃至約3.0の面積比を持ち
(c)第二プランジャーを該一次外形に、該一次外形の深さより浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーによって、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ該成形凹みに異なる幾何学的形状に成形し
該第一プランジャーと該第二プランジャーは摂氏約35度乃至摂氏約95度の間に暖められる。
【請求項33】
成形包装物が、金属−プラスチック・ラミネート加工品に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含み、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積が約1.0対1乃至約3.0対1である、請求項32の成形包装物。
【請求項34】
ラミネート加工品の平面の開口部が約2.0対1である、請求項25の成形包装物。
【請求項1】
以下を含み、少なくとも一つの成形凹みを有する単位容量包装物用成形物品を製造する工程であり
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を有し
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで該フィルムに一次外形を形成し、該外形は、成形凹みの少なくとも100%そして最大150%の深さと約1.0乃至3.0の面積比を有し
(c)第二プランジャーを該一次外形内に、該一次外形の深さよりも浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーによって、成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を有する、異なる幾何学的形状を形成する。
【請求項2】
フィルムが金属‐プラスチック・ラミネート加工品である、請求項1の工程。
【請求項3】
面積比が約2.0である、請求項1の工程。
【請求項4】
手順(b)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項5】
手順(b)を冷成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項6】
手順(c)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項7】
手順(c)を冷成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項8】
手順(b)および(c)を温成形手順を用いて実施する、請求項1の工程。
【請求項9】
手順(b)および(c)が冷成形手順を用いて実施される、請求項1の工程。
【請求項10】
第二プランジャーを、一次外形に、成形凹みの最大95%の深さに打ち込む、請求項1の工程。
【請求項11】
第二プランジャーがフィルムを再配分し、成形凹みに異なる幾何学的形状を形成する、請求項1の工程。
【請求項12】
成形物品が一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含む、請求項1の工程。
【請求項13】
成形物品が、複数チェンバーを有する一つまたはそれ以上の複層ブリスターを含む、請求項12の工程。
【請求項14】
成形物品が、蓋のされた一つまたはそれ以上のブリスターの積み重なりを含む、請求項1の工程。
【請求項15】
成形物品が二つまたはそれ以上の連結した成形ブリスターを含む、請求項1の工程。
【請求項16】
さらに包装物の凹みに配置された、単位容量の薬の剤形を含む、請求項1の工程。
【請求項17】
さらに包装物の凹みに配置された投薬液体を含む、請求項1の工程。
【請求項18】
薬の剤形が一つまたはそれ以上の有効成分を含む、請求項13の工程。
【請求項19】
薬の剤形が水状である、請求項13の工程。
【請求項20】
金属薄片の蓋が成形物品の上部を密封する、請求項1の工程。
【請求項21】
保持用具が上部押し抜き板で、押し抜き機が下部押し抜き板である、請求項1の工程。
【請求項22】
上部押し抜き板が第一プランジャーと第二プランジャーを含む、請求項18の工程。
【請求項23】
下部押し抜き板が一次成形チェンバーと最終成形チェンバーを含む、請求項18の工程。
【請求項24】
第一プランジャーが高摩擦発生表面を含む、請求項1の工程。
【請求項25】
第二プランジャーが低摩擦発生表面を含む、請求項1の工程。
【請求項26】
フィルムへの第一プランジャーの打ち込みが、フィルムへの第二プランジャーの打ち込みよりも高い摩擦を発生させる、請求項1の工程。
【請求項27】
押し抜き機が、間隔のあいた複数の押し抜き開口部を有する、請求項1の工程。
【請求項28】
以下を含み、少なくとも一つの成形凹みを有する、単位容量包装物用の成形物品の製造機器であり
(a)少なくとも一つの保持用具と、少なくとも一つの押し抜き開口部を持つ少なくとも一つの押し抜き機で、該保持用具と押し抜き機はその間にフィルムを保持するように改修され
(b)第一プランジャーと第二プランジャーは、該押し抜き開口部に打ち込まれて該フィルムに該フィルムの成形凹みを形成させ
該第一プランジャーは該フィルムを最初に一次外形に絞る作用を行い、該外形は、該成形凹みの深さの少なくとも100%そして最大150%の深さと、約1.0乃至約3.0の面積比を有し、該第二プランジャーは該一次外形を、該成形凹みに、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ、異なる幾何学形状を形成させる作用を行い、該成形凹みは該一次外形の深さよりも浅い深さを有する。
【請求項29】
金属−プラスチック・ラミネート加工品に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含む温成形形成包装物で、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部が約1.0対1乃至約3.0対1の比率である表面積を有する。
【請求項30】
さらに成形包装物の上部を密封する金属薄片の蓋を含む、請求項25の成形包装物。
【請求項31】
ラミネート加工品の平面の開口部が約2.0対1である、請求項25の成形包装物。
【請求項32】
以下を含む工程によって製造される温成形形成包装物で
(a)少なくとも一つの保持用具と少なくとも一つの押し抜き機の間にフィルムを保持し、該押し抜き機は少なくとも一つの押し抜き開口部を持ち
(b)第一プランジャーを該押し抜き開口部に打ち込んで、該フィルムを一次外形に成形し、該外形は成形凹みの深さの少なくとも約100%そして最大約150%の深さと約1.0乃至約3.0の面積比を持ち
(c)第二プランジャーを該一次外形に、該一次外形の深さより浅い深さに打ち込んで、該第二プランジャーによって、該一次外形と実質的に同一の面積比を持つ該成形凹みに異なる幾何学的形状に成形し
該第一プランジャーと該第二プランジャーは摂氏約35度乃至摂氏約95度の間に暖められる。
【請求項33】
成形包装物が、金属−プラスチック・ラミネート加工品に成形凹みを含む、一つまたはそれ以上の成形ブリスターを含み、該成形凹みは、該成形凹みの面積対該ラミネート加工品の平面の開口部の面積が約1.0対1乃至約3.0対1である、請求項32の成形包装物。
【請求項34】
ラミネート加工品の平面の開口部が約2.0対1である、請求項25の成形包装物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−538925(P2010−538925A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525064(P2010−525064)
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/076399
【国際公開番号】WO2009/036422
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(506355707)ミスティック ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月15日(2008.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/076399
【国際公開番号】WO2009/036422
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(506355707)ミスティック ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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