説明

混合ノズル部品および混合液ディスペンサ

混合ノズル部品と、混合ノズル部品を含む飲料装置とが提供される。一実施形態において、混合ノズル部品は、流入路を定める第1シャフトと、第1シャフトに取り付けられ、湾曲した流出路を定める第2シャフトと、第2シャフトに取り付けられた連結要素とを含んでいる。連結要素は、第2シャフトの湾曲した流出路に連なる通路を定める。連結要素には、可撓性チューブが取り付けられている。混合ノズル部品は、適当な飲料送出装置に使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、飲料送出装置に関する。より具体的に、本開示は、飲料を送出する混合ノズル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場には様々な飲料ディスペンサが存在している。いくつかの飲料ディスペンサは、飲用可能な温かいまたは冷たい流体をコップなどの容器に直接送出するように動作する。他の飲料ディスペンサは、飲料を形成するために、粉末状または液体状の濃縮物を希釈液とともに、飲料送出ノズルを通じて容器またはコップに送出するように動作する。
【0003】
本発明は、濃縮液を格納すると共に、この濃縮物を送出の時点で水などの希釈液と所定率で自動的に混合するポストミックス・ディスペンサに関する。混合は、通常、濃縮物と希釈液が現れる混合チャンバで行われる。濃縮物と希釈液の互いに関連する流れは、混合製品および泡状製品など飲料の品質を最大化するように調節されうる。この混合チャンバは、国際公開第01/21292号パンフレットおよび米国特許第7111759号公報に記載されたようなT字形混合部品でありうる。これらの従来技術では、T字形混合部品は、曲がり管により飲料鉛直流出部に結合された希釈液水平流入部と、希釈液水平流入部内に現れる希釈液鉛直流入部を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した種類の部品は、デッドゾーンでの濃縮物の集積を引き起こしうる。この集積は、飲料濃縮物がミルクなど細菌に敏感である場合に衛生上の問題を引き起こしうる。この問題は、ディスペンサが間欠的に使用される場合に顕著となる。さらに、濃縮物は、特に水流入弁がマシンの一部をなし容易に洗浄できないので、流入水に混入して衛生上の観点でも問題を生じさせうる。
【0005】
本発明は、この種のT字型混合部品に関連する衛生上の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様において、本開示は、混合ノズル部品、および混合ノズル部品を用いた飲料送出装置に関する。広範な実施形態において、混合ノズル部品は、流入路を定める第1シャフトと、第1シャフトに取り付けられ、湾曲した流出路を定める第2シャフトと、第2シャフトに取り付けられた連結要素とを含んでいる。連結要素には、可撓性チューブが取り付けられている。連結要素は、第2シャフトの湾曲した流出路に連なる通路を定める。このような混合ノズル部品の設計は、混合ノズル部品内の濃縮物の集積を最小化し、混合ノズル部品の衛生度を向上する。
【0007】
一実施形態において、第2シャフトは、湾曲した角状をなしている。
【0008】
一実施形態において、第2シャフトは、第1シャフトとの取り付け部とは反対側の端部の近くで第1シャフトに対してほぼ鉛直をなしている。
【0009】
一実施形態において、連結要素は、第1シャフトの端から第2シャフトをほぼ半分下るまでの間の位置で第2シャフトに配置されている。
【0010】
一実施形態において、第2シャフトは、フランジを有している。
【0011】
一実施形態において、第1シャフトおよび/または第2シャフトは、凹凸グリップを有している。
【0012】
一実施形態において、第1シャフトおよび/または第2シャフトは、円筒状の形状を有している。
【0013】
一実施形態において、第1シャフトは、その流入部に位置する第1端と、第2端とを有し、第1端の断面が第2端の断面よりも小さい。
【0014】
一実施形態において、第2シャフトは、第1端と、その流出部に位置する第2端とを有し、第1端の断面が第2端の断面よりも小さい。
【0015】
一実施形態において、第2シャフトには、ハンドルが取り付けられている。
【0016】
特定の実施形態において、本開示は、流入路を定める第1円筒シャフトと、第1シャフトに取り付けられ、湾曲した流出路を定める第2円筒シャフトと、第2シャフトに取り付けられた連結要素と、連結要素に取り付けられた可撓性チューブと、第2シャフトに取り付けられたハンドルとを含んでいる混合ノズル部品を提供する。連結要素は、第2シャフトの湾曲した流出路に連なる通路を定める。
【0017】
一実施形態において、連結要素は、粘弾性一方向弁(visco−elatic one−way valve)を有している。いわゆる粘弾性一方向弁は、通常、円筒状または円錐台状の弁体であり、1以上の流体送出口に接続された内部流路を伴う弁体を有し、弁は、弁体の断面よりも小さな内部断面を伴い、流体送出口および弁座を覆ってしっかりと嵌る弾性シリンダも有している。この種の弁による送出は、弁により送出された流体により弾性シリンダに圧力を加えることで実現される。この流体は、1以上の流体送出口に接続された弁体の内部流路を通じて弁体の内部流路および送出口を循環し、または弁体と弾性シリンダの間を循環しうる。流体圧が弁の外側の圧力を超えると、この圧力は、弾性シリンダを弁体から強制的に離して流体が流れるようにする。流体圧が低下すると、弁体の外側の圧力が流体圧を超えて、弾性シリンダが弁体に対して強く押し付けられ、よって弁を通じた戻り流を防止する。結果として、流れが一方向でのみ許容される。
【0018】
第1の形態によれば、この弁は、拡張要素(expanded member)およびキャッチ(catch)を有している。
【0019】
第2の形態によれば、この弁は、送出ブロック(delivery block)および弾性膜を有し、送出ブロックが、流体を受ける流入口と、流入口を始端とし1以上の流出口を終端とする内部流路とを有し、弾性膜が、該弾性膜の一部が流出口を覆うと共に、該弾性膜の下流端が弁流出部を形成するように送出ブロックを包んでいる。このような弁は、例えば米国特許第7243682号公報および同第5836484号公報に記載されている。
【0020】
一実施形態において、連結要素とは反対側の、可撓性チューブの端に穿孔部品が設けられている。
【0021】
第2の態様において、本開示は、流体容器と、前述した混合ノズル部品とを有するパッケージであって、流体容器が、混合ノズル部品の可撓性チューブと流体連結されているパッケージを提供する。
【0022】
一実施形態において、連結要素は、第2シャフトに取り付けられた粘弾性一方向弁を有し、第2シャフトの湾曲した流出路に現れている。
【0023】
第1の形態によれば、この弁は、拡張要素およびキャッチを有している。
【0024】
第2の形態によれば、粘弾性一方向弁は、送出ブロックおよび弾性膜を有し、送出ブロックが、流体を受ける流入口と、流入口を始端とし1以上の流出口を終端とする内部流路とを有し、弾性膜は、該弾性膜の一部が流出口を覆うように、かつ該弾性膜の下流端が弁流出部を形成するように送出ブロックを包んでいることが好ましい。この種の粘弾性一方向弁は、スナップ係合または超音波溶接により第2シャフトに取り付けられうる。
【0025】
容器は、可撓性の格納パウチでありうる。
【0026】
容器は、食品濃縮液または飲料濃縮液の複数ポーションを有しうる。食品濃縮物または飲料濃縮物は、コーヒー、茶、果汁もしくは野菜汁、ミルク、チョコレート、およびこれらの組合せから選択されうる。
【0027】
食品濃縮液または飲料濃縮液は、微生物に敏感な流体でありうる。
【0028】
微生物に敏感な流体は、ミルクベースの流体であることが好ましい。
【0029】
パッケージは、通常、使い捨て可能である。
【0030】
第3の態様において、本開示は、
前述した混合ノズル部品であり、第1シャフトが水平をなし、第2シャフトが、第1シャフトとの取り付け部とは反対側の端部の近くでほぼ鉛直をなすように、当該送出装置の内部に配置された混合ノズル部品と、
混合ノズル部品の可撓性チューブの、連結要素とは反対側の端に取り付けられた濃縮物容器と、
混合ノズル部品の第1シャフトに取り外し可能に取り付けられた希釈液送出ノズルと、
可撓性チューブに動作可能なように接続されたポンプと、
を含む送出装置を提供する。
【0031】
チューブは、混合ノズル部品の種類に応じて連結要素に取り外し可能に取り付けられうる。
【0032】
ポンプは、蠕動ポンプでありうる。
【0033】
一実施形態において、濃縮物容器、チューブ、ポンプ、希釈液ディスペンサ、混合ノズル部品の一部は、筐体内に収容されている。
【0034】
装置は、少なくとも濃縮物容器が配置される冷蔵室に包まれうる。そして、混合ノズルは、送出装置の他部から冷蔵室を分離するように第2シャフトにフランジを有しうる。フランジは、エネルギー節約を助け、冷蔵キャビネットを冷たい状態に維持する。
【0035】
濃縮物容器は、穿孔部品により混合ノズル部品の可撓性チューブの自由端に取り付けられうる。
【0036】
第4の態様において、本開示は、飲料を製造する方法を提供する。この方法は、前述した送出装置を準備し、濃縮物ポーションをパッケージの混合ノズル部品を通じて送出し、希釈液を希釈液送出ノズルを通じて送出し、濃縮物と希釈液を混合し混合ノズル部品の湾曲した流出路から送出して飲料を形成することを含む。
【0037】
通常、希釈液と濃縮物は、同時に送出される。
【0038】
好ましい変形例において、第1の工程で希釈液と濃縮物が同時に送出され、第2工程で希釈液のみが送出される。この第2工程中に希釈液が連結要素をすすぐ。
【0039】
本開示の利点は、改良された混合ノズル部品を提供することにある。
【0040】
本開示の他の利点は、改良された送出装置を提供することにある。
【0041】
本開示のさらに他の利点は、衛生的な混合ノズル部品を提供することにある。
【0042】
本開示のさらに他の利点は、製品濃縮物が集積するデッドゾーンを排除する混合ノズル部品を提供することにある。
【0043】
さらに、本開示の他の利点は、飲料を製造する改良された方法を提供することにある。
【0044】
以下では、追加の特徴および利点について、詳細な説明および図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本開示の一実施形態における混合ノズル部品の一部を示す斜視図である。
【図2】図1に示した混合ノズル部品の一部を示す上面図である。
【図3】図1に示した混合ノズル部品の一部のIII−III線に沿う断面を示す図である。
【図4】本開示の一実施形態に係る混合ノズル部品を示す図である。
【図5】本開示の一実施形態に係る混合ノズル部品を有する送出装置の断面図である。
【図6】本開示の他の実施形態に係る混合ノズル部品を示す斜視図である。
【図7】本開示の一実施形態に係るパッケージの断面図である。
【図8a】図7の実施形態で使用される弁の動作を示す図である。
【図8b】図7の実施形態で使用される弁の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本開示は、混合ノズル部品と、混合ノズル部品を用いる飲料送出装置に関する。代替的な実施形態において、本開示は、送出システムで濃縮物由来の飲料製品を衛生的に混ぜて送る低廉で使い捨て可能な混合ノズル部品を提供しうる。混合ノズル部品は、飲料濃縮物が集積しうる混合ノズル部品のデッドゾーンの形成を避ける一方で、水などの希釈液と飲料濃縮物を混合して送出するために使用されうる。濃縮物の使用済み袋が捨てられるときに混合ノズル部品が捨てられうるので、特別な原位置洗浄または分解後洗浄が要求される電気的に動作する混合ボウルまたは混合チャンバを有する送出システムが必要とされない。
【0047】
図1から図3に示した広範な実施形態において、混合ノズル部品は、第1通路22を定める第1シャフト20と、第1シャフト20に取り付けられ、湾曲した第2通路32を定める第2シャフト30とを含んでいる。第2シャフト20は、連結要素40およびハンドル50をさらに含んでいる。第1シャフト20および連結要素40は、流体流入部として機能し、第2シャフト30は、流体流出部として機能する。
【0048】
図示した実施形態において、第1シャフト20は、第1端24が第1シャフト20の第2端26よりも大きな幅または直径を有する円筒状をなす。同様に、第2シャフト30は、第1端34が第2シャフト30の第2端36よりも大きな幅または直径を有する卵形または楕円形の横断面を伴う円筒状をなす。第1シャフト20の第2端26は、ジョイント60で第2シャフト30の第2端36に取り付けられる。
【0049】
混合ノズル部品10の寸法は、適当な大きさを有しうる。例えば、混合ノズル部品10の主要な直径(key diameter)は、嵌め合わされる水弁の接合部に基づいて決定されうる。混合ノズル部品10の他の寸法は、製造の容易さに基づいて決定されうる。
【0050】
他の実施形態において、第2シャフト30は、濃縮物の混合を良好にしうる角度で内壁に沿う1以上のフィン(不図示)を含むように設計されてもよい。さらに他の実施形態において、第2シャフト30は、第2シャフト30に沿って傾く円形路を通過することで濃縮物および希釈液が良好に混合されるように、遠回り経路(通路など)を含むように設計されてもよい。
【0051】
第1シャフト20および/または第2シャフト30は、例えば、多角形、楕円形、四角形、卵形など、様々な適当な輪郭形状/断面形状を含みうる。代替的な実施形態において、第1シャフト20および第2シャフト30の対向する端は、同じ幅/直径を有しうる。
【0052】
第1シャフト20は、適当な希釈液送出ノズルまたは送出装置または送出マシンからの希釈液ラインの導孔に取り外し可能に取り付けられるように構成および配置される。例えば、第1シャフト20は、第1シャフト20の内部流入路22にしっかりと嵌め合わされうる希釈液送出ノズルの内部流出部を囲みうる。希釈液送出ノズルは、第1シャフト20との密封を形成し、第1シャフト20と送出ノズルの間の接続点での希釈液の液漏れを防ぐであろう。結果として、希釈液は、第1シャフト20の内部通路22のどこにも(デッドゾーンなどに)集積しないであろう。
【0053】
図1から図3に示した実施形態は、第2端36から第1端34まで、例えば湾曲した角状に、湾曲した(角を伴わずに連続的に曲がる)第2シャフト30を示している。これに関連して、第2シャフト30も、第2端36から第1端34まで湾曲した(角を伴わずに連続的に曲がる)流れ通路32を定める。さらに、一実施形態において、第2シャフト30は、通路32の内側の幅/直径が第2端36から第1端34まで除々に増加するように設計されている。
【0054】
連結要素40は、通路42を定めると共に、第1シャフト20の第2端26と第2シャフト30の第2端36との間でジョイント60の下流または下方に配置される。連結要素40の通路42は、第2シャフト30の流れ通路32に連なる。このようにして、連結要素40は、内部通路32内で濃縮物を希釈液と混合するための濃縮物流出部として機能しうる。
【0055】
連結要素40は、第2シャフト30沿いのどこにでも、例えば第1シャフト20の第2端26から第2シャフト30をほぼ半分下るまでの間の位置に配置されうる。一般に、連結要素40の濃縮物流入部の流入位置が高いほど、混合に適している。また、一実施形態において、濃縮物流入部は、濃縮物が第1シャフト20の水平部に落ちないように、混合ノズル部品10の鉛直部に配置されるであろう。
【0056】
図1から図6に示した第1の形態に係る実施形態において、連結要素40は、拡張要素44および止め具46を含んでいる。図4および図5に示したチューブ120は、連結要素40を覆ってチューブの端を配置することで、連結要素40に一端で取り付けられる。例えば、チューブの開放端は、連結要素40の拡張要素44および止め具46を覆って伸ばされて配置されうる。国際公開第01/21292号パンフレットは、この種の連結要素の使用を示している。チューブ120の他端は、濃縮物容器に取り付けられうる。
【0057】
実際、連結要素40は、濃縮物などの製品を送るためのホースに接続されるように設計される。ホースは、通常、好ましくはホースポンプ、最も好ましくは飲料ディスペンサに設けられる蠕動ポンプである、ポンプ装置を用いて圧縮されうるように可撓性材料で作られる。ホースの可撓性材料は、圧縮された後に原形にも復帰しうる。拡張要素44は、連結要素40の外径よりも幅広であり、よって、ホースがホース留め具などなしにしっかりと確実に拡張要素44に取り付けられるように設計される。
【0058】
拡張要素44は、このようなホースに接続されたときに逆止弁機能を提供しうる。例えば、拡張要素44は、ポンプ装置がチューブに圧力を加えないときにチューブを閉塞する。拡張要素44は、マシンへの濃縮物の出し入れに際して濃縮物の取扱いを容易にしうる。
【0059】
逆止弁は、ポンプ装置が動作してホース内の圧力が増加するときに自動的に開き、ポンプ装置が動作を停止してホース内の圧力が低下するときに自動的に閉じるように動作しうることが好ましい。ポンプ装置は、蠕動ポンプでもよく、ホースが動作を停止しているときにホースを圧縮しない他の種類のホースポンプでもよい。ホースは、連結要素40の止め具46および拡張要素44を覆って装着される。よって、拡張要素44は、可撓性ホースがその周囲に均一な圧力を伴って拡張要素44と係合するように、可撓性ホースを拡張する。この位置でポンプの作動なしに、ホース端が閉塞される。
【0060】
ポンプ装置がホースを通じて濃縮物を送り込み始めるときに、濃縮物が拡張要素44の周囲に流れて通路42を通じて流れうるように、拡張要素44の周囲でホースの外部を拡張するのに十分な圧力増加がホース内で生じる。圧力が停止するときに、ホースの外部は、拡張要素44の周囲に後退してホースを閉塞し、よって濃縮物が意図せずに装置内に落下することを簡単に防止する。
【0061】
混合ノズル部品10の構成は、混合ノズル部品10の通路32のデッドゾーンでの製品集積の問題を解消する。例えば、混合ノズル部品10の第2シャフト30および通路32(流出端)の湾曲した角状の形状は、通路32内での飲料濃縮物の集積を最小化するように設計される。また、ジョイント60の下流の希釈液流路(通路32)に濃縮物流出部(通路42)を出現させることで、希釈液の流れが濃縮物に接触して流入するときに、希釈液は、濃縮物流出部から現れる濃縮物を連行していくのに十分な力を引き起こす。結果として、混合ノズル部品10内では濃縮物の集積が観測されず、よって混合ノズル部品10の衛生度を最高にする。
【0062】
代替的な実施形態において、混合ノズル部品は、希釈液送出ノズルまたは送出装置の希釈液ラインに取り付けるための適当な機構を含みうる。例えば、混合ノズル部品は、希釈液送出ノズルまたは送出装置の希釈液ラインに混合ノズル部品を係合して固定するための捻り留め形状(第1シャフトのねじ切りなど)を含みうる。あるいは、混合ノズル部品は、希釈液送出ノズルまたは送出装置の希釈液ラインに係合して混合ノズル部品を所定位置に固定するクランプまたはスナップ留めを含みうる。
【0063】
第2シャフト30は、フランジ38を含みうる。フランジ38は、混合ノズル部品10が飲料ディスペンサ用の筐体内で使用されるときに、境界部としても使用されうる。例えば、飲料装置を収容する筐体は、混合ノズル部品を受けるために(フロントパネルドアなどを通じて)開放されうる。筐体が閉鎖されるときに、混合ノズル部品10のうちフランジ34よりも下の部分のみが露出する。
【0064】
ハンドル50は、ユーザが混合ノズル部品10をしっかりと握ることができる適当な形状でありうる。使用中、ハンドル10は、飲料送出装置内に混合ノズル部品10をはめ込んでいるユーザにより握られうる。ハンドル50は、飲料送出装置から混合ノズル部品10を取り外すときにも握られうる。
【0065】
一実施形態において、混合ノズル部品は、一単位の部品(モールドなど)の形でありうる。あるいは、混合ノズル部品は、当該技術分野で既知のプロセスを通じて互いに取り付けられる別個の部品の組合せで作られうる。当然のことながら、混合ノズル部品の要素は、例えば、金属、硬質プラスチック、ポリマーまたはこれらの組合せなどの適当な材料で作られうる。
【0066】
図4は、連結要素40に取り付けられたチューブ120を伴う完成した混合ノズル部品を示している。連結要素40とは反対側の、チューブ120の端は、混合ノズル部品を濃縮物容器に接続するための穿孔部品121を有する。実際には、混合ノズル部品および濃縮物容器は、別々にまたは互いに固定されて操作者に提供されうる。連結要素40が図1から図6に示したように拡張要素および止め具を有する場合、混合ノズル部品および濃縮物容器は、操作者に別々に提供されることが好ましい。そして、操作者は、混合ノズル部品と容器の組立て体がディスペンサに載せられるときにのみ、図4の混合ノズル部品を濃縮物容器に接続する。容器では、通常、穿孔部品を受けるように適合された接続口を伴う被穿孔部が穿孔される。濃縮物容器が一旦空になると、混合ノズル部品と濃縮物容器の組立て体が全て捨てられる。
【0067】
図5に示した他の実施形態において、本開示は、濃縮物容器110と、濃縮物容器110の流出部112に取り付けられる第1端122を有するチューブ120と、チューブ120に動作可能なように接続されたポンプ130とを含む送出装置100を提供する。ポンプ130は、例えば、複数の回転ローラにより濃縮物容器110からチューブ120を通じて濃縮物を押し出す蠕動ポンプでありうる。
【0068】
送出装置100は、(例えば、図1から図3に示したのと同様な実施形態において、)第1通路144を定める第1シャフト142と、第1シャフト142に取り付けられ、第2通路148を定める第2シャフト146とを含む混合ノズル部品140をさらに含んでいる。第2シャフト146は、連結要素150を含んでいる。チューブ120は、例えば、連結要素150を覆うように伸ばされて配置されることで、混合ノズル部品140の連結要素150に取り外し可能に取り付けられうる端部124を含みうる。連結要素は、図1から図6に示した第1の形態、または図7および図8に示した第2の形態に係る粘弾性弁であることが好ましい。
【0069】
混合ノズル部品140の第1シャフト142は、希釈液ラインまたは希釈液送出ノズル170に取り外し可能に取り付けられうる。希釈液送出ノズル170は、適当なリザーバと、リザーバから希釈液ディスペンサおよび混合ノズル部品140を通じて希釈液を押し進めるためのモータまたはポンプ(不図示)とに流体連結されうる。
【0070】
混合ノズル部品は、希釈液ラインに取り付けられた第1シャフト142が水平をなし、第1シャフト142との取り付け部とは反対側の、第1シャフト30の端部134がほぼ鉛直をなすように、送出装置に配置される。
【0071】
濃縮物容器110、チューブ120、ポンプ130、希釈液送出ノズル170、および混合ノズル部品140(またはその一部)は、適当な筐体160に収容されうる。前述したように、飲料装置を収容する筐体160は、取り外し可能な混合ノズル部品140を受容するために(フロントパネルドアなどを通じて)開放されうる。筐体160が閉鎖されるときに、例えば、混合ノズル部品140の露出部は、混合ノズル部品140のフランジ138より下の部分でありうる。筐体160は、図4に示したように、混合ノズル部品140が、濃縮物と希釈液の混合物をコップまたは容器180に直接送出するように、構成および配置されうる。筐体160は、濃縮物容器110を冷やしておくために、周囲の雰囲気から濃縮物容器を分離させる冷蔵室でもよい。フランジ138は、混合ノズル部品を導入するための筐体の下部の通路を閉塞すること、そして冷蔵室を周囲の雰囲気から分離させて冷やしておくことを助けうる。
【0072】
混合ノズル部品140は、希釈液ディスペンサ150に対して密封されて所定位置に容易に固定されうる。混合ノズル部品140は、包装された安定的な濃縮物を希釈し、これと混合してコップ180に送出するために水などの温かい液体または冷たい液体の供給を可能にする。混合ノズル部品140は、デッドゾーンに集積した濃縮物が飲料ディスペンサの長い未使用期間中にそこに留まるときに衛生上の問題(微生物または品質の問題など)を生じうることを避けるための方法を提供する。
【0073】
図6に示した代替的な実施形態において、本開示は、第1通路222を定める第1の細長い円筒シャフト220と、第1の細長い円筒シャフト220に取り付けられ、第2通路(不図示)を定める第2の細長い円筒シャフト230とを含む混合ノズル部品を提供する。第2の細長い円筒シャフト230は、連結要素240を含んでいる。連結要素240は、通路242を定めうると共に、拡張要素244および止め具246を含みうる。第2の細長い円筒シャフト230は、フランジ234をさらに含んでいる。
【0074】
第1の細長い円筒シャフト220および/または第2の細長い円筒シャフト230は、凹凸を伴う1以上のグリップ280も含んでいる。凹凸グリップ280は、第1の細長い円筒シャフト220および/または第2の細長い円筒シャフト239の互いに反対側の面に装着されうる。使用中、凹凸グリップ220は、飲料送出装置に混合ノズル部品210をはめ込んでいるユーザにより握られうる。凹凸グリップ220は、飲料送出装置から混合ノズル部品210を取り外すときにも握られうる。
【0075】
図7に示した代替的な実施形態において、本開示は、第1通路322を定める第1の細長い円筒シャフト320と、第1の細長い円筒シャフト320に取り付けられ、第2通路を定める第2の細長い円筒シャフト330とを含む混合ノズル部品を有するパッケージ300を提供する。第2の細長い円筒シャフト330は、本発明の第2の形態に係る粘弾性一方向弁である連結要素340を含んでいる。連結要素を除いて、混合ノズル部品は、図1から図6に示したのと同じ特徴を全て呈している。
【0076】
連結要素340として用いられた弁は、図8a、8bを参照して、より詳細に説明される。弁440は、可撓性チューブ120から出てくる流体を受けるためにチューブに接続される入口442を伴う送出ブロック441を有する。入口442は、入口を始端とし1以上の出口444を終端とする内部流路443に開放している。弁は、弾性膜445の一部が出口444を覆うように、送出ブロック441を包む弾性膜を有する。
【0077】
図8aは、閉鎖されているとき、つまり流路443内の流体がポンプにより圧力を加えられていないときの弁を示している。この構成において、弾性膜445は、出口444を密封閉鎖している。
【0078】
図8bは、開放されているとき、つまり流路443内の流体がポンプにより圧力を加えられて出口444から離れるように弾性膜445を移動させているときの弁を示している。そして、流体は、出口444を自由に通過し、弾性膜445と送出ブロック441の間を自由に循環する。弾性膜445は、送出ブロック441に沿って弾性膜445が滑ることを防止するために、送出ブロック441の外部で溝445内に嵌りうる突起448を含んでいる。
【0079】
図7のパッケージ300において、粘弾性一方向弁は、弁出口446が第2シャフト内に現れる一方で弁の入口442が可撓性チューブ120に連結されるように、第2シャフト330に連結されている。可撓性チューブ120は、濃縮液容器310にも接続される。このパッケージ300は、可撓性チューブがポンプ手段130に動作可能なように接続され、混合ノズル部品の第1シャフトが希釈液送出ノズル170に接続される、図5に示したような送出装置の一部となりうる。
【0080】
弁は、第1シャフト320から現れる希釈液が濃縮物と混合し、送出の終了時に濃縮物の残留物を排除するために、弁の流出部446を洗い流すように、第2シャフト330に配置されることが好ましい。ポンプが作動していないときに弁の流出部446が密封閉鎖されるので、すすぎ中に連結部に水が上昇することがないと共に、濃縮物が高圧領域から低圧領域へ流下するので、濃縮物が送下するときに水が上昇することがない。さらに、2つの飲料または食品の調製の間に連結部に水がよどむことがない。この実施形態は、特に、飲料または食品の間欠的な送出に適用される。さらに、ノズルの混合域に捕捉された希釈済み製品が集積しない。
【0081】
パッケージは、混合ノズル部品の先の実施形態と同じ機能を呈する、フランジ338およびハンドル350をさらに含むことが好ましい。
【0082】
粘弾性一方向弁は、濃縮物の無菌送出を提供するという利点をもたらす。この弁と、通路322内のデッドゾーンでの製品集積の問題を解決する混合ノズル部品10との組合せは、特に微生物に敏感な製品に由来する食品および飲料の非常に衛生的な送出を可能にする。
【0083】
さらに、第2シャフトへの粘弾性一方向弁の取り付けによって、このシャフトは、ディスペンサへの配置中に操作者の手を弁に接触させなくする保護カバーとして機能する。
【0084】
パッケージは、ディスペンサへの新たな濃縮物容器の装着を非常に高速かつ容易に可能にするという利点をもたらす。つまり、操作者は、混合ノズル部品の第1シャフトに希釈液送出ノズルを接続し、ポンプ装置に対して可撓性チューブを調節するだけでよい。濃縮物容器が一旦空になると、パッケージの組立て体を全て捨てうる。ノズルは、冷水の混合および温水の混合の両方を処理するようにも設計される。温水は、冷水送出に際する衛生要求を維持するためのすすぎにも用いうる。
【0085】
さらに他の実施形態において、本開示は、飲料を製造する方法を提供する。この方法は、
第1シャフトが水平をなし、第2シャフトが、第1シャフトとの取り付け部とは反対側の端部の近くでほぼ鉛直をなすように、送出装置の内部に配置された前述したような混合ノズル部品と、
混合ノズル部品の可撓性チューブの、連結要素とは反対側の端に取り付けられた濃縮物容器と、
混合ノズル部品の第1シャフトに取り外し可能に取り付けられた希釈液送出ノズルと、
可撓性チューブに動作可能なように接続されたポンプと、
を有する前述したような送出装置を準備することを含む。
【0086】
濃縮物は、濃縮物チューブを通じて送出され、希釈液は、希釈液送出ノズルを通じて送出される。濃縮物および希釈液は、混合ノズル部品の湾曲した流出路で混合され、そこから送出されて飲料を形成する。
【0087】
希釈液は、水でありうる。濃縮物は、ペースト、液体、またはこれらの組合せなどの適当な形式をなしうる。濃縮物は、適当な香料または香料の組合せをも有しうる。
【0088】
第1の形態によれば、この方法は、前述した混合ノズル部品を準備し、濃縮物容器110に可撓性チューブ120を取り付け、希釈液送出ノズルに第1シャフト20を取り付ける初期工程を含みうる。
【0089】
第2の形態によれば、この方法は、前述したパッケージを準備し、希釈液送出ノズルに第1シャフトを取り付ける初期ステップを含みうる。
【0090】
ここで説明した現時点で好ましい実施形態に対する様々な変形および修正は、当然のことながら当業者にとって明らかであろう。このような変形および修正は、本主題の本質および範囲から逸脱せず、その目的とする利点を損なわない範囲でなされうる。よって、そのような変形および修正は、添付の請求項により包含されることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入路(22)を定める第1シャフト(20)と、
前記第1シャフトに取り付けられ、湾曲した流出路(32)を定める第2シャフト(30)と、
前記第2シャフトに取り付けられ、前記第2シャフトの前記湾曲した流出路に連なる通路を定める連結要素(40)と、
前記連結要素(40)に取り付けられた可撓性チューブと、
を備える混合ノズル部品。
【請求項2】
前記第2シャフト(30)が湾曲した角状をなしている、請求項1に記載の混合ノズル部品。
【請求項3】
前記第2シャフト(30)が、前記第1シャフトとの取り付け部とは反対側の端部(34)の近くで前記第1シャフトに対してほぼ鉛直をなしている、請求項1または2に記載の混合ノズル部品。
【請求項4】
前記連結要素(40)が、前記第1シャフトの端から前記第2シャフトをほぼ半分下るまでの間の位置で前記第2シャフト(30)に配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項5】
前記第2シャフト(30)がフランジ(38)を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項6】
前記第1シャフト(20)が第1端(24)および第2端(26)を有し、前記第1端の断面が前記第2端の断面よりも小さい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項7】
前記第2シャフト(30)が第1端(32)および第2端(36)を有し、前記第1端の断面が前記第2端の断面よりも小さい、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項8】
前記第2シャフトにハンドル(50)が取り付けられている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項9】
前記連結要素(40)とは反対側の、前記可撓性チューブ(120)の端に穿孔部品(121)が設けられている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項10】
前記連結要素(40)が、前記第2シャフトに取り付けられた粘弾性一方向弁であり、前記第2シャフトの前記湾曲した流出路に現れている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合ノズル部品。
【請求項11】
流体容器(110)と、請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合ノズル部品とを有するパッケージ(300)であって、
前記流体容器が、前記混合ノズル部品の前記可撓性チューブ(120)と流体連結されている、パッケージ。
【請求項12】
前記連結要素(40)が、拡張要素(44)および止め具(46)を有する粘弾性一方向弁である、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記連結要素(40)が粘弾性一方向弁であり、前記粘弾性一方向弁が送出ブロック(441)および弾性膜(445)を有し、前記送出ブロックが、流体を受ける流入口(442)と、前記流入口を始端とし1以上の流出口(444)を終端とする内部流路とを有し、前記弾性膜が、該弾性膜の一部が前記流出口を覆うように、かつ該弾性膜の下流端が弁流出部を形成するように前記送出ブロックを包んでいる、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記粘弾性一方向弁がスナップ係合または超音波溶接により前記第2シャフト(30)に取り付けられている、請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記流体容器(110)が食品濃縮液または飲料濃縮液の複数ポーションを有する、請求項11〜14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記食品濃縮液または飲料濃縮液が微生物に敏感な流体である、請求項15に記載のパッケージ。
【請求項17】
送出装置であって、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の混合ノズル部品であり、前記第1シャフト(20)がほぼ水平をなし、前記第2シャフトが、前記第1シャフトとの取り付け部とは反対側の端部(34)の近くでほぼ鉛直をなすように、当該送出装置の内部に配置された混合ノズル部品と、
前記混合ノズル部品の前記可撓性チューブ(120)の、前記連結要素(40)とは反対側の端に取り付けられた濃縮液容器(110)と、
前記混合ノズル部品の前記第1シャフト(20)に取り外し可能に取り付けられた希釈液送出ノズル(170)と、
前記可撓性チューブに動作可能なように接続されたポンプ(130)と、
を備える送出装置。
【請求項18】
前記濃縮液容器(110)が配置される冷蔵室(160)を備え、
前記混合ノズル部品が、当該送出装置の他部から前記冷蔵室を分離するように前記第2シャフト(30)にフランジ(38)を有する、請求項17に記載の送出装置。
【請求項19】
飲料を製造する方法であって、
請求項17または18に記載の送出装置を準備し、
濃縮物ポーションを前記混合ノズル部品を通じて送出し、希釈液を前記希釈液送出ノズル(170)を通じて送出し、濃縮物と希釈液を混合し前記混合ノズル部品の前記湾曲した流出路(32)から送出して飲料を形成すること
を含む方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【公表番号】特表2012−523353(P2012−523353A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−503995(P2012−503995)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054529
【国際公開番号】WO2010/115888
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】