説明

混合光ランプ

本発明は、白熱ランプ(2)及びガス放電ランプ(3)と、整流器(4)と、エネルギー蓄積手段(5)と、点灯装置(6)とを有する混合光ランプ(1)に関する。高圧放電は、180Vの動作電圧を有し、これは、ガス放電ランプ(3)の放電管を、具体的には153ミクロモル/cmの多量の水銀で満たすことにより達成される。このようにして、全光束は、動作状態で得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白熱ランプ及びガス放電ランプと、整流器と、エネルギー蓄積手段と、点灯装置とを有する混合光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
高圧放電ランプを安定させる簡単な方法は、混合光ランプ又は単一光源の形をとる。この場合、白熱フィラメントとして作動するタングステン線は、高輝度放電(HID)ランプに直列接続される。この種の混合光ランプは、DE3224575A1から知られる。HIDランプを起動して、それを動作させ続けるために、相当数の電気回路が動作しなければならない。また、HIDランプの寿命は非常に短く、結局、それは混合光ランプの欠点をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明は、簡単な回路により動作可能なようガス放電ランプを設計し、且つ、期待耐用年数が長いガス放電ランプを明細に述べることを目的とする。また、全光束は高くなければならない
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的は、請求項1記載の特徴に基づいて達成される。本発明に従って、ガス放電ランプは、80〜230ミクロモル/cmの水銀、有利に180〜230ミクロモル/cmの水銀、及び特に153ミクロモル/cmの水銀で満たされている。線間電圧の起こり得る変動を考慮して、高圧放電に対して選ばれる動作電圧は、180Vであるよう選ばれる。これは、多量の、具体的には153ミクロモル/cmの水銀でガス放電ランプのアーク管容積を満たすことにより達成可能である。
【0005】
4.4mmの内径と12mmの内部長さを有する放電管(以下、エンベロープ又はアーク管とも呼ばれる。)の容積は、V=182mmとなる。根拠として低温充満圧とすると、充填材は、5.6mgの水銀(Hg)と、6.3mgのヨウ化ナトリウム(NaI)と、1.2mgのヨウ化タリウム(TlI)と、2.5mgのヨウ化ジスプロシウム(DyI)と、400ミリバール(mbar)のアルゴン(Ar)とを有する。充填材の単位体積当たりの量として、これは、以下の量を与える:
Hg:153ミクロモル/cm
NaI:231ミクロモル/cm
TlI:20ミクロモル/cm
DyI:25ミクロモル/cm
Ar:15.9ミクロモル/cm
【0006】
しかし、これは、多数の可能な充填材のうちの1つに過ぎない。DyIの代わりに、照明産業で知られる、例えば希土類ハロゲン化物HoI、TmI、CeI等のような他の発光材も使用されても良い。その場合、量は、同じく、25ミクロモル/cmである。これらと同様に、NaI、TlI、InI(ヨウ化インジウム)及びNaI/SnI(ヨウ化ストロンチウム)混合体のような所謂分子発光材のような、所謂3ライン発光材類がある。本発明の原理は、全てのこれらのランプ充填材に等しく適用することができる。充填材に含まれる量の上限は、およそ±50%であり、このようにして、ランプパラメータの適切な範囲が補われる。
【0007】
ランプは、約311ボルトのピーク電圧がピーク値電圧としてキャパシタの両端に存在するので、従来のアンテナ点灯により点灯されうる。
【0008】
1つの利点は、ランプシステムがオン切り替え時に即座に発光することである。オン切り替え過程で、高圧ガス放電に亘る電圧降下は、およそ20Vの実効(rms)電圧である。これは、電極間の全ての降下を表す。従って、線間電圧との差は、その差は200Vに等しいが、白熱フィラメントへ印加される。従って、この電圧における白熱フィラメントの抵抗値に依存して、0.7Aの電流が流れる。従って、白熱フィラメントで生じた電力は140Wである。これは、およそ1700ルーメンの光束に相当する。一方で、この時点でのガス放電からの光束は、無視できるほどに非常に小さい。
【0009】
高圧ガス放電へ供給された14Wの起動電力により、アーク管の壁面温度は時間と共に上昇し、それに伴って、水銀の蒸発が起こる。そのため、高圧ガス放電の燃焼電圧が大きくなる。これは、白熱フィラメントの特性が正であるから、白熱フィラメント両端の電圧と、同時に電流とを下げる。電流降下は、高圧ランプに供給される総体的な電力が上がる程である。最終的に、この過程は、全ての水銀が完全に蒸発したので、更なる上昇が高圧ランプ両端の電圧で可能でない安定動作状態にシステムを安定させる。その場合、最終的な電流は0.4Aであり、従って、高圧ランプにより生ずる電力は72Wである。一方、白熱ランプでは、電力は16Wしかない。従って、全電力は88Wである。連続動作において、高圧ガス放電からの光束は6480ルーメンであり、白熱フィラメントからの光束は192ルーメンしかない。従って、全光束は6672ルーメンである。これは、6672lm/88W=76lm/Wの総体的な発光効率に相当する。従って、システムのオン切り替え状態とその最終状態との間で、光束は、およそ2分の期間で1700から6672ルーメンに増大する。
【0010】
ランプシステムは、石英中の純水素高圧ガス放電には基づかないが、代わりに、酸化アルミニウムセラミックが、アーク管材として有利に使用される。酸化アルミニウムセラミックは、また、焼結セラミック物質若しくは濃焼結酸化アルミニウム、又は多結晶アルミナ(省略形、PCA。)とも呼ばれ、その化学式は、Alである。石英のアーク管と対照的に、高圧ランプの色特性及びその有効性の両方で重要な改善を実現する金属ハロゲン塩が、その場合に加えられ得る。ランプ寿命の全体に亘って、一定の燃焼電圧がPCAアーク管の場合には可能であるが、石英ランプの場合には可能ではない。これは、時間の経過と共に、ヨウ素のようなハロゲン化物が石英ランプのアーク管の壁を通して拡散し、その結果、燃焼電圧が増大するためである。PCAアーク管により、他方では、この拡散現象が発生しない。
【0011】
本発明のこれら及び他の態様を、後述する実施例を参照して説明し、明らかとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、白熱ランプ2と、ガス放電ランプ3と、整流器4と、エネルギー蓄積手段5と、点灯装置6とを有する混合光ランプ1を示す。整流器4は、4個のダイオード7〜10を有し、その入力端は、端子11及び12により交流線間電圧源へ接続可能である。エネルギー蓄積手段として作動するキャパシタ5は、整流器4の二次側の出力部13及び14へ接続されている。白熱ランプ2及びガス放電ランプ3は、直列であって、整流器4の出力部13、14へ接続されている。即ち、キャパシタ5とは並列である。白熱ランプ2及び点灯装置6を有する第2の直列回路は、また、出力部13及び14へ接続されている。点灯装置6は、制限抵抗器15と、ツェナーダイオード16と、キャパシタ17と、アンテナ9を有するコイル18とを有する。
【0013】
一次側で、整流器4は、220Vの線間電圧へ直接的に接続されている。二次側には、22μFのキャパシタ5が存在し、それと並列に、ハロゲンランプ2の白熱フィラメントが高圧ガス放電ランプ3と直列接続されている。高圧ガス放電ランプ3は、4.4mmの内径、0.8mmの壁厚及び12mmの内部長さを有する酸化アルミニウムアーク管を有する。端部の寸法は2.0mmであり、この端部の反対側には、電極を囲み、長さが14mmある末端部が配置されている。アーク管の充填材は、5.6mgの水銀と、10mgのNaI/TlI/DyIの混合体とを有する。アーク管は、真空にされた外部エンベロープ内に置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】混合光ランプの回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白熱ランプ及びガス放電ランプと、整流器と、エネルギー蓄積手段と、点灯装置とを有する混合光ランプであって、
前記ガス放電ランプは、76から230ミクロモル/cmの水銀充填材を有することを特徴とする混合光ランプ。
【請求項2】
前記ガス放電ランプは、133から173ミクロモル/cmの水銀充填材を有することを特徴とする、請求項1記載の混合光ランプ。
【請求項3】
前記ガス放電ランプは、153ミクロモル/cmの水銀充填材を有することを特徴とする、請求項2記載の混合光ランプ。
【請求項4】
前記ガス放電ランプは、ヨウ化ナトリウム及び希土類ハロゲン化物の混合体を有する充填材を有することを特徴とする、請求項1記載の混合光ランプ。
【請求項5】
前記ガス放電ランプは、ヨウ化タリウム(TlI)を有する充填材を有することを特徴とする、請求項1記載の混合光ランプ。
【請求項6】
前記ガス放電ランプの放電管は、酸化アルミニウムセラミックを有することを特徴とする、請求項1記載の混合光ランプ。
【請求項7】
白熱ランプ及びガス放電ランプと、整流器と、エネルギー蓄積手段と、点灯装置とを有する混合光ランプであって、
動作状態で、55%から95%、望ましくは60%から90%の電圧及び具体的には全電圧の82%は、前記ガス放電ランプへ印加されることを特徴とする混合光ランプ。
【請求項8】
白熱ランプ及びガス放電ランプと、整流器と、エネルギー蓄積手段と、点灯装置とを有する混合光ランプであって、
動作状態で、160Vから200V、望ましくは170Vから190Vの電圧及び具体的には180Vは、前記ガス放電ランプへ印加されることを特徴とする混合光ランプ。

【図1】
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【公表番号】特表2007−506239(P2007−506239A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526763(P2006−526763)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051697
【国際公開番号】WO2005/027588
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(501344315)コニンクリユケ フィリップス エレクトロニクス エヌ.ブイ. (174)
【Fターム(参考)】